Anthropic「Claude Security」公開ベータ・exaBaseがGPT-5.5搭載・Okta調査で非人間ID650%増──"実行する生成AI"が業務全域へ広がる
"答える"AIから"実行する"AIへ
業務全域に広がる5つの動き
5月のAI動向は、モデル性能のニュースから「AIが業務でどう手を動かしているか」へ重心が完全に移っています。Anthropicはセキュリティ業務を自律実行するツールを公開し、国内ではエクサウィザーズが最新モデルを当日提供、中小製造業や情シスの現場でもAIエージェント実装が進みました。Oktaの年次調査は、企業が抱える「非人間アイデンティティ」が前年比650%増という衝撃的な数字を示しています。今夜は5本のニュースを通じて、"実行するAI"がどこまで来たかを点検します。
Anthropic「Claude Security」公開ベータ — AIがコードを読み解き脆弱性を自律修正
Anthropicは5月1日、コードの脆弱性を自動検出し、修正パッチまで生成するセキュリティ特化ツール「Claude Security」をパブリックベータとして提供開始した。最新モデル「Claude Opus 4.7」を基盤にリポジトリやディレクトリをスキャンし、ソースコードとデータフローを解析した上で脆弱性を発見、修正案を一連のワークフローで出力する。従来のルールベース静的解析では見つけにくかったビジネスロジックの欠陥も、コンポーネント間の相互作用をAIが推論することで検出できるという。提供対象はまずClaude Enterpriseプラン利用者で、TeamプランとMaxプランへ順次拡大予定。
エクサウィザーズ「exaBase 生成AI」がGPT-5.5に対応 — 法人約1,200社で即日利用
エクサウィザーズグループのExa Enterprise AIは5月1日、法人向け生成AIサービス「exaBase 生成AI」でOpenAIの最新モデル「GPT-5.5」の提供を開始した。GPT-5.5は調査・データ分析・資料作成・ソフトウェア操作といった複数ステップの業務を一連で扱える"自律性"が強化されており、ユーザーの指示を整理して計画を立て、実行まで進める。GPT-5.4比で初期指示からの正答到達率と複数プロセスの自律進行が大きく改善した。既存ユーザーは追加申請なしで利用でき、約1,200社の法人ユーザーがそのまま新モデルを使える。
フジイ印刷「AIコンテンツファクトリー」一般提供開始 — 現場音声から1時間でWeb記事化
岡山県の中堅印刷会社フジイ印刷は5月1日、自動コンテンツ生成システム『AIコンテンツファクトリー』とクラウド型統合基幹業務システム『PSI VISION』の一般提供を開始した。スマートフォンで録音した現場の音声データに、既存のPDFカタログや図面を組み合わせるとAIが約1時間で発信用コンテンツを生成、更新作業を含めても2〜3時間で完結するという。同社が自社のデジタル戦略でWebアクセス8.6倍・問合せ300%増・2025年度黒字化を達成した知見をパッケージ化したもので、中小製造業の「現場の暗黙知を言語化できない」「情報発信に時間が割けない」という構造課題に踏み込む製品となる。
Okta「Businesses at Work 2026」公開 — 非人間IDが前年比650%増、平均53アプリへ拡大
Okta Japanは5月2日、業務アプリ利用動向の年次調査「Businesses at Work 2026」を発表した。日本企業1社あたりの業務アプリ平均は前年比15%増の53個に拡大、世界全体ではAIエージェントなどの非人間アイデンティティ(NHI)が前年比650%増と急拡大している。AIエージェントの普及によりアクセス要求は2年で11倍に膨張し、フィッシング耐性のある高保証MFA採用率は2年前の41%から58%へ上昇。日本ではMicrosoft 365、Google Workspace、AWSがトップ3だが、Slack・Box・Notionが世界平均より上位に入る独自パターンも確認された。
マネーフォワードi「Admina AIヘルプデスク」5月提供開始 — パスワード再発行までAIが実行
マネーフォワードiは新サービス『Admina AIヘルプデスク』を2026年5月より提供開始する。情シス部門に集中するパスワードリセット・各種申請受付・SaaSアカウント発行といった定型業務を、回答するだけでなく実作業までAIエージェントが自律遂行するのが特徴。すでに先行受付中で、4月中に初回商談を実施した企業には導入支援などの特典を提供している。社内ヘルプデスク領域で「回答するAI」から「実行するAI」へ転換する国内事例として注目される。
業務フローのどこをAIに任せるか、組織として決める段階に入りました。
「どこから手をつければいいかわからない」「実行権限の設計に不安がある」──そんなお悩みは、まずお気軽にご相談ください。


