AI導入補助金、7月21日に締切迫る
補助金の締切ラッシュと、攻撃AI・オープンモデルの登場
本日の夕版は、国内の現場で動き出したAI導入と、当日発表された最新の海外動向を織り交ぜてお届けします。特に注目は、中小企業向けのデジタル化・AI導入補助金2026の次回締切が7月21日に迫っていること。制度を使って導入を始める動きと、AIを安全に運用する設計の両方が、同時に前へ進んだ一日でした。
①AI導入補助金2026、次回締切は7月21日
かつての「IT導入補助金」が今年度からデジタル化・AI導入補助金2026に名称変更され、AIを含むソフトやクラウド、サービスの導入を支援する制度になりました。通常枠の次回締切は2026年7月21日17時。補助率は対象経費の2分の1から5分の4で、上限は450万円規模とされています。加えて、中小企業省力化投資補助金の第7回公募も7月31日締切で受付中です。2025年までの「IT化していればよい」から、2026年は「AIを使っているか」が審査で明示的に問われるようになった点が大きな変化です。
②上新電機、全事業所に顔認証の勤怠打刻
家電量販のJoshin(上新電機)が、NEC・ソフトバンクと組んで全事業所に顔認証の勤怠システムを導入しました。カメラに向かってピースサインなどのジェスチャーをするだけで、画面に触れずに打刻できる仕組みです。従来はPCのブラウザからIDとパスワードを入力しており、パスワード紛失や共有端末の衛生面が課題でした。導入後は従業員から好評だといいます。
③OpenAI、攻撃側AI「GPT-Red」を発表
OpenAIは、自社モデルの弱点を自動で探し出す「GPT-Red」を発表しました。人間の担当者による攻撃成功率が13%だったのに対し、GPT-Redは間接的なプロンプトインジェクションでGPT-5.1に対し84%成功したとしています。攻撃役と防御役を同時に訓練する自己対戦型の強化学習を用い、この手法で鍛えた最新モデルは、最も難しいベンチマークでの失敗率を大幅に下げたと報告しています。
④Thinking Machines、初の公開モデル「Inkling」
元OpenAI CTOのミラ・ムラティ氏が率いるThinking Machines Labが、初のオープンウェイトモデル「Inkling」を公開しました。総パラメータ9,750億のMoE構成で、処理時に稼働するのは410億のみ。最大100万トークンを扱い、テキスト・画像・音声を横断して推論します。推論に使うトークン量を調整でき、Apache 2.0ライセンスで商用利用も可能です。
⑤Google、NotebookLMを「Gemini Notebook」に改称
Googleは、資料要約ツール「NotebookLM」を「Gemini Notebook」へ改称し、GeminiアプリやGoogle検索を含むエコシステムへの統合を強化しました。単体ツールとしての位置づけは維持しつつ、コード実行機能なども追加。すでに3,000万人超、60万組織以上が利用しているとされ、Geminiブランドへの統一が一段と進みます。
明日への展望
7月21日、7月31日と補助金の締切が続くなか、攻撃側AIやオープンモデルの登場も同時に進んでいます。中小企業にとっては、制度を使って導入を始めることと、安全に運用する設計を並行して考える局面です。来週は各社の第2四半期決算や、AIガバナンス関連の続報に注目したいところです。


