DeepSeek、旗艦API恒久75%値下げ
5月22日にDeepSeekが旗艦モデルV4-ProのAPI価格を期間限定75%引きから恒久値下げへ切り替えると発表し、欧米メディアが23〜24日にかけて一斉に取り上げました。同じ週、BloombergはAnthropicが評価額9000億ドル超で500億ドル規模の新ラウンドを準備している状況をフォローアップで報じ、AI勢力図の頂上交代が秒読み段階に入っています。AIエージェントの単価前提と、どのモデルを社内標準に据えるかというベンダー判断──この2つを同時に揺さぶる朝です。
①DeepSeek、旗艦API「V4-Pro」を恒久75%値下げへ──トークン単価0.025〜6元の新水準に
中国のAIスタートアップDeepSeekは5月22日、旗艦推論モデル「DeepSeek-V4-Pro」のAPI料金体系を5月31日以降も継続して引き下げると公式に発表しました。これまで期間限定の2.5割(75%引き)プロモーションとして提供してきた価格を、ワークロード別に100万トークンあたり0.025〜6元に常時設定する形に切り替えます。従来の通常価格は同0.1〜24元であり、入力・出力いずれでも価格水準が4分の1まで下がる計算です。創業者の梁文锋氏は投資家ミーティングでも、引き続きオープンソース戦略でAGIを追求すると述べたと伝えられています。
これまで「AIエージェントを業務に常時稼働させると課金が見合わない」と試算で止まっていた企画が、推論側の単価ベースで一気に動ける水準になります。社内利用や試作の選定基準を、米国モデルの月額アカウント単価だけで決めず、「単純なルーチン業務はDeepSeekのAPI、判断や顧客接点は米国系」という二段構成を再検討する好機です。一方でデータ越境やオープンソース由来モデルの利用ポリシーは社内ルールの再点検が必須です。
②Anthropic、評価額9000億ドル超で500億ドル調達準備──年率売上300億ドルでOpenAI超え目前
BloombergとForbes JAPANは5月23日までに、AI開発のAnthropicが企業価値9000億ドル超を前提に総額500億ドル規模の新ラウンドを最終調整中だと報じました。取締役会の判断が5月内に下る見通しで、実現すればAI単独企業としては史上最大級の調達となり、評価額でOpenAIを抜く可能性があります。同社の年率換算売上高は2025年末の90億ドルから2026年4月時点で約300億ドルまで拡大したと伝えられ、Rampの最新企業利用シェアでもClaudeが34.4%でChatGPTの32.3%を上回ったとされています。IPOは早ければ2026年10月にも視野に入る段階です。
「OpenAI一強」を前提に組んできた社内AI戦略は、もうそのまま走らせられません。コーディング・契約レビュー・長文要約などClaudeが優位とされる業務では、ベンダーリスク分散の観点でも"標準モデルを複数走らせる"運用が現実解になります。1年で実質ゼロから300億ドルへ伸びた成長速度は、エンタープライズ営業体制の急拡大も意味し、日本市場での代理店・パートナー網も今後さらに動くはずです。
中国勢の価格破壊と米国勢の資本集中は対立構造に見えて、いずれも"AIを業務に常時組み込む"前提を強化する動きです。コスト計算と標準モデル選定──2つの社内ルールを同じ週に再確認することが、今期のAI実装ROIを大きく左右します。
コプラスでは、複数モデルを使い分けるマルチLLM運用設計と、コスト試算込みのAIエージェント業務設計を伴走支援しています。「ChatGPTだけで止まっている」社内AIの次の一手は、お気軽にご相談ください。

