中国、擬人化AIを規制 大手2社が機能停止
AIの「ルール」と「コスト」、海外から届いた2つの節目
おはようございます。本日はAIの「使い方のルール」と「使うコスト」の両面で節目となる動きが海外から届いています。中国は世界に先駆けて擬人化AIそのものを規制対象とし、いよいよ7月15日に規則を施行します。一方で米メタは、超低価格のモデルAPIで開発の裾野を広げにきました。企業がAIを「どう選び、どこで線を引くか」を考える材料として、2本を取り上げます。
①中国、擬人化AIを7月15日から規制 大手2社が機能停止へ
中国当局は、人間の性格や口調を模して継続的に感情的なやり取りを行う「擬人化AI」サービスを対象とした暫定規則を、2026年7月15日に施行します。これを受け、バイトダンスの対話AI「豆包(Doubao)」やアリババの「通義千問(Qwen)」は、利用者が性格を自由に設定できるAIエージェント機能を相次いで停止すると発表しました。規制は、極端な思想の拡散や利用者の依存、プライバシー侵害といったリスクの抑制を狙ったものです。用途ごとにリスクを分類する欧州のAI法に対し、AIの擬人性そのものを管理対象として法的に定義した点が特徴とされ、世界のAIガバナンス論議に一石を投じています。
AIをどこまで「人らしく」見せるかは、顧客対応チャットボットや社内アシスタントの設計で、日本企業にも直結する論点です。過度な擬人化は親近感を生む一方、依存や誤解を招く恐れもあります。社内の利用ルールに「人格設定の線引き」をあらかじめ加えておくと、安心して活用を広げられます。
②メタ、低価格モデルAPIを投入 100万トークン対応の新モデル
米メタは、マルチモーダル対応の推論モデル「Muse Spark 1.1」を公開し、同社初となる有料の「Meta Model API」を開発者向けに提供し始めました。100万トークンの長い文脈に対応し、画像・動画・PDFの理解やコード生成、複数ツールの並列呼び出しにも対応します。報道によると料金は入力100万トークンあたり1.25ドル、出力4.25ドルと低めに設定され、登録者には無料クレジットも付与されます。GPT-5.6やGrokなど高性能モデルが相次ぐなか、性能だけでなく価格を軸にした競争が一段と鮮明になっています。
モデルの高性能化と低価格化が同時に進み、「どのモデルを、いくらで使うか」の設計が成果を左右する時代になりました。特定のベンダーに固定せず、用途ごとにコストと精度を比較できる体制を整えておくことが、AI活用の費用対効果を高める近道です。まずは自社の業務で「置き換えても品質が落ちない領域」から見極めるのがおすすめです。
本日の2本は、「AIをどう規制するか」と「AIをいくらで使うか」という、これからの企業のAI活用を左右する2つの問いを映しています。ルールとコストの両面を見据えた設計こそが、安全で費用対効果の高いAI活用の土台になります。
コプラスは、御社の業務に合わせたAI導入の設計から、社内の利用ルールづくりまで一緒に伴走します。「まず何から始めればよいか」のご相談だけでもお気軽にお寄せください。


