法務省、企業法務AIに新指針
COPLUS AI NEWS / 2026.08.22 朝
今朝のAIニュースまとめ
使ってよい範囲を、国が言葉にした
法務AIの線引きと、AIが書いた文章の広がり
AIをどこまで自社の業務に使ってよいのか。その問いに、昨日は行政が具体的な言葉で答えを出しました。法務省が企業法務でのAI利用と弁護士法の関係を整理した新しい指針を公表しています。もう一本は、AIが書いた文章がウェブ上でどれだけ増えたかを実測した米国の調査です。使う側の線引きと、出てきたものの見分け方。今朝はこの2本を取り上げます。
① 法務省、企業法務AIと弁護士法72条の関係に新指針
ソース:法務省 大臣官房司法法制部(共同通信ほか報道)/2026年8月21日
法務省は8月21日、ビジネス分野におけるAI等の法務業務支援サービスの提供と、弁護士法第72条(いわゆる非弁行為の禁止)との関係を整理した新しいガイドラインを公表しました。2023年8月に示した契約書関連業務が中心の指針を補完・拡充するもので、法務調査や書類のレビュー、コンプライアンス調査、株主総会の支援といった業務が新たに射程に入っています。
指針は、サービスが(1)法的紛争案件での利用を目指したものではない、(2)紛争案件向けの機能に特化していない、(3)紛争案件への不適切な利用を避けるための体制が整備されている——の3点を満たす場合、原則として弁護士法72条に違反しないとの見解を示しました。判断の考え方として、適法にも違法にも使える価値中立的なツールについて提供者の責任を限定した2011年の最高裁決定(ファイル共有ソフトWinnyの開発者をめぐる事件)にも触れています。法務省は裁判官・弁護士・研究者による有識者検討会を本年度中に設置し、来年度中の取りまとめを目指すと報じられています。
💡 コプラスの視点
これまで法務まわりのAI活用は、違法かどうかが読み切れないという理由で止まっている企業が少なくありませんでした。今回、使ってよい範囲が言葉になったことで、社内で議論を始める足がかりができます。ただし3要件の1つは体制の話です。紛争案件には使わない、最終判断は必ず人が行う、といった運用ルールを先に決めておくことが、実務では分かれ目になります。
② ChatGPT以降の新規ウェブページ、3分の1にAI執筆の兆候
ソース:Pew Research Center/2026年8月20日
米Pew Research Centerは8月20日、ウェブ上の文章がどの程度AIによって書かれているかを調べた分析を公表しました。Common Crawlのアーカイブから英語のウェブページ約49万件を集め、Pangramが開発した検出モデルで本文を判定したものです。
2026年7月時点で無作為に抽出した1万件では、AI執筆の強い兆候が見られたのは約10%でした。一方、ChatGPTが公開された2022年11月以降に作られたページに絞ると、その割合は3分の1を超えます。ドメイン別では.comが約10%、.orgが4.6%、.eduと.govはいずれも約1%と差が出ました。ただしPewは、検出ツールが完全ではなく、人が書いた文章を誤判定する可能性があるとしています。数値はあくまで兆候の推計で、調査対象も英語のページに限られます。
💡 コプラスの視点
自社サイトやオウンドメディアの文章が、AIっぽいかどうかで読まれ方を左右される場面は今後さらに増えます。生成した原稿をそのまま公開するのではなく、自社にしかない一次情報——実際の数字、現場の事例、担当者が下した判断——を必ず混ぜること。それが読者にも検索エンジンにも効く、いちばん現実的な差別化です。
今朝のまとめ
国が使ってよい範囲を示し、書かれたものの見分けが問われる。2本に共通するのは、AIを使うこと自体ではなく、どう使ったかを説明できるかが問われはじめたという点です。ルールと運用を先に決めた企業から、安心して踏み出せる段階に入っています。
コプラスは、生成AIの社内ルールづくりから実務での定着まで、中小企業の現場に合わせて伴走しています。何から手をつけるべきか迷っている段階でも、お気軽にご相談ください。


