法務省、声の無断AI利用に指針
COPLUS AI NEWS | 2026.08.08
今朝のAIニュースまとめ
声という個人の輪郭と、AIに書かせた言葉の責任
8月7日は、AIが作ったものを誰の責任として扱うかを問う話題が続きました。法務省の検討会は、声を氏名や容姿と並ぶ人格の象徴と位置づけ、無断でAIに模倣させる行為の民事責任について解釈を整理しました。一方、就職活動の現場では生成AIの利用がほぼ全員に広がり、自分で書いていない文章を面接で追及される場面が生まれています。作る側にも使う側にも、出てきた成果物を自分の言葉として説明できるかが問われ始めています。
① 法務省、声もパブリシティ権の対象と明記した報告書を公表
出典: ITmedia AI+/産経新聞ほか | 2026年8月7日
法務省の検討会が8月7日、生成AIによる声の無断利用をめぐる民事責任の解釈指針をまとめた報告書を公表しました。報告書は、声を氏名や容姿と並ぶ人格の象徴と位置づけ、パブリシティ権と人格権の双方で保護され得ると整理しています。具体例として、人気声優らの声を生成AIで模した音声を動画などに使ってSNSで収益化する行為は、権利侵害にあたる可能性があるとしました。一方で、ものまね芸については、芸であることを隠して本人と誤解させるのでなければ侵害には該当しないとの見解も示しています。検討会は2026年4月から5回にわたって議論を重ねてきました。
💡 コプラスの視点 新しい法律ができたわけではなく、既存の権利をAI時代にどう当てはめるかの整理が示された、という点が重要です。つまり今日から適用され得る話です。ナレーション、電話応対、動画広告など、社外に出る音声にAI合成を使う予定がある企業は、その声の出どころが誰の許諾に基づくのかを制作会社に確認しておく段階に入りました。
② 27卒就活生の生成AI利用が97%に、面接で追及され困る学生も
出典: ITmedia NEWS(HR総研・ポート調査) | 2026年8月7日
HR総研とポートが8月7日に公表した調査で、2027年春入社を目指す大学4年生346人のうち、就職活動で生成AIをまったく使わない学生は3%にとどまることが分かりました。25卒では55%、26卒では24%が未使用だったため、3年で状況が大きく変わった形です。用途はエントリーシートの推敲が6割超で最多、自己分析が約5割と続きます。エントリーシート作成では43%が自分で書いた草案をAIに整えさせ、20%はAIの初稿を自分で書き直していました。一方で面接では、記載内容を深く掘り下げられて答えに詰まった学生が約2割にのぼっています。
💡 コプラスの視点 これは採用側の評価設計の話であると同時に、社内の文書全般に起きていることでもあります。AIが整えた文章は読み心地が滑らかでも、書いた本人が中身を説明できないことがあります。提案書でも報告書でも、口頭で三つ深掘りされて答えられるかを提出前の自己チェックにすると、AI利用の是非を論じるより実務が回ります。
今日のまとめ
法務省の報告書は、AIが再現できるようになったものほど、誰のものかをはっきりさせる必要が出てくることを示しています。就活の調査は、AIが書いた文章の責任を最後に負うのは提出した本人だという当たり前を、採用の現場が先に突きつけている例です。素材の出どころと、成果物を説明できる状態。この二つを社内ルールに落とし込むところから始めるのが現実的です。
コプラス株式会社は、生成AIの社内ルール整備から実務での定着支援までをご一緒しています。自社の使い方がどこまで安全か確認したい方は、お気軽にご相談ください。


