なりすまし詐欺広告、7府省庁が要請
COPLUS AI NEWS
今日のAIニュース 夕方の5本
守らせる側の要請と、使う側の実装が同じ日に動いた
8月7日、7つの府省庁がそろって大手プラットフォーム5社に、AIで著名人になりすます詐欺広告への対策強化を求めました。一方で企業の現場では、ワークマンが撮影の穴埋めに画像生成AIを使っていたことが明らかになっています。ルールを整える動きと、すでに現場で回っている実装。今日はその両方が同時に見えた一日でした。
① 7府省庁、なりすまし詐欺広告の対策強化を5社に要請
ITmedia AI+ / 2026年8月7日
警察庁、デジタル庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、経済産業省の7府省庁が8月7日、Google、Meta Platforms、X、TikTok、LINEヤフーの5社に対し、著名人になりすます詐欺広告への対策強化を合同で要請しました。求めたのは、広告主の本人確認の強化、広告に関する透明性の向上、削除要請への迅速な対応の3点です。各社は10月16日までに対策の内容を、2027年3月16日までに実施結果を報告することが求められています。背景には、生成AIで著名人の顔や声を模した投資詐欺広告が広がっている状況があります。
💡 コプラスの視点
自社の代表者名や社名が広告に無断で使われるリスクは、知名度の大小にかかわらず生じます。定期的に自社名で広告を検索し、なりすましを見つけたら各社の削除フォームに出す。この確認を広報や総務の定例業務に組み込んでおくだけでも、発見が遅れる事態は避けられます。
② ワークマン、間に合わない商品撮影を画像生成AIで代替
ITmedia NEWS / 2026年8月6日
作業着大手のワークマンが、商品コンテンツの制作に画像生成AIを使っていることが明らかになりました。用いているのはGoogle Cloudの画像生成AI「Gemini 2.5 Flash Image」(NanoBanana)と、動画生成AIの「Veo」です。防水シューズを雨天で使う様子など、本来はロケやモデルの手配が必要な使用イメージを生成し、撮影スケジュールが間に合わない場合の代替手段としています。アプリのプッシュ通知に使う画像もAIで制作しており、開封率が従来の1.5倍になった例があるとしています。同社の担当者は、これまでなら間に合わずに諦めていた制作物を救えるようになったと説明しています。
💡 コプラスの視点
注目したいのは、撮影を全面的に置き換えるのではなく、間に合わない場面の保険としてAIを置いている点です。まずは締め切りに追われている制作物を1つだけ選び、そこにAIを当てる。この形なら品質基準を崩さずに効果を測れますし、社内の納得も得やすくなります。
③ ソフトバンクG後藤CFO、AIデータセンターは供給不足と説明
ITmedia AI+ / 2026年8月6日
ソフトバンクグループの後藤芳光CFOは8月6日の決算説明で、AIデータセンターは圧倒的に供給不足だとして、AI投資がバブルだとの見方を否定しました。計算資源の不足こそがAI産業の成長を鈍らせるとの認識を示し、現在の状況を健全だと表現しています。同社はフランスで2031年までに450億ユーロを投じて3.1ギガワット級のデータセンターを建設する計画を掲げるほか、米テキサス州ではOpenAI向けの建設を進め、オハイオ州でも10ギガワット規模を計画しています。2027年3月期第1四半期は、売上高2兆200億円(前年同期比10.9%増)、純利益3473億円(同17.7%減)でした。
💡 コプラスの視点
供給不足という見立ては同社自身の説明であり、独立した検証ではない点は割り引いて読む必要があります。ただ、計算資源の逼迫が続くなら、利用料の値上げや上位モデルの利用制限は今後も起こり得ます。特定の1モデルに業務を作り込みすぎず、乗り換えが利く設計にしておくことが現実的な備えです。
④ リクルート、新卒エンジニア向け研修資料13本を無料公開
ITmedia AI+ / 2026年8月6日
リクルートが、2026年度の新卒エンジニア向け研修資料13本を自社の技術ブログで無料公開しました。AI時代をどう生き抜くかを扱う資料が含まれており、「ソフトウェアエンジニア人生サバイバルガイド」では、目の前の業務の出力だけでなく、自分の技能を育てる側にAIを使うことを勧めています。同社は例年、新卒研修資料の一部を一般公開しています。
💡 コプラスの視点
研修コンテンツを自前で作る余力がない企業ほど、こうした公開資料は使い出があります。全社に一斉配信するより、若手数名で読み合わせて自社の業務に当てはめる会を1回持つほうが定着します。AIを成果物の生成にだけ使うか、学びの相手として使うかという論点は、職種を問わず共通です。
⑤ ChatGPT、既定モデルを刷新し有料版はSolに
ITmedia NEWS / 2026年8月7日
OpenAIは8月6日、ChatGPTの既定モデルを刷新しました。有料のPlusとProは即日でGPT-5.6 Solが既定となり、無料版とChatGPT Goは今週中にGPT-5.6 Lunaへ切り替わります。Solは事実の正確さと回答の焦点を重視し、思考時間を調整するスライダーを備えます。無料版は来週からテキストチャットが無制限になり、難しい質問向けのThinkボタンが加わります。同社の社内評価では、金融・医療・法務の領域で従来のGPT-5.5 Instantと比べ、事実誤りがSolで約68%、Lunaで約62%減ったとしています。今回の変更はチャット機能が対象で、ChatGPT WorkとCodexは含まれません。
💡 コプラスの視点
誤り率の改善幅はOpenAIの社内評価に基づく自己申告値で、第三者による検証ではありません。実務で効いてくるのはむしろ、既定モデルが変わると回答の長さや書式の癖も変わることです。定型のプロンプトを運用している部署は、今週中に一度出力を見比べておくと、想定外の変化に気づけます。
明日への展望
政府の要請には10月16日という報告期限が設けられました。今日の5本を並べると、プラットフォーム側の責任、企業側の実装、計算資源の供給、人材の育て方という4つが同時に動いていることが分かります。明日以降は、要請を受けた各社がどこまで具体的な対策を出してくるかと、既定モデルの刷新が業務利用の現場でどう受け止められるかが注目点になりそうです。
本日のまとめ
政府がプラットフォームに求めたのは、広告主が誰なのかをきちんと確かめることでした。一方で企業側は、間に合わない撮影や研修の穴埋めにAIを当て始めています。守りの手続きと攻めの実装、どちらか一方だけでは足りない段階に入っています。
コプラスは、生成AIを業務にどう組み込むかの設計から、社内ルールづくり、実務者向けの研修までを一貫してご支援しています。何から手をつけるべきか迷っている段階でも、まずはお気軽にご相談ください。


