NTT、800億円規模のAIファンド組成
本日は「AIを支えるインフラ・基盤」をめぐる2本をお届けします。NTTがAIインフラ技術に約800億円を投じるファンドを組成し、Anthropicは長く複雑なタスクほど力を発揮する新最上位モデルを公開しました。投資マネーとモデル性能の両面で、AI活用の土台が一段と厚くなっています。
① NTT、800億円規模のAI投資ファンドを組成
NTTは6月10日、AIインフラ向けの先端技術に投資する「IOWN AI Fund」を組成すると発表しました。規模は約800億円で、運営のため米シリコンバレーと東京に新会社「Catalight Capital」を設立します。KDDI・NEC・ソニーグループのほか、韓国Samsung Electronicsや米GlobalFoundriesなど国内外の企業が出資に名を連ねます。投資対象はAI処理技術の高度化、データセンターの電力管理、AI関連ソフトウェアやアルゴリズム、AI応用サービスなど幅広い領域です。中期段階のスタートアップとの協働を通じて、自社の次世代基盤「IOWN」を中心としたエコシステムを世界規模で育てる狙いがあります。
大手がインフラと半導体・電力まで含めて巨額投資する領域は、数年先にコスト低下と選択肢拡大が見込める領域でもあります。中小企業はこうした基盤投資の「恩恵を受ける側」です。自社で巨額投資をする必要はなく、安く速くなっていくツールをいかに早く業務に取り込むかが分かれ目になります。
② Anthropic、新最上位モデル「Claude Fable 5」公開
Anthropicは6月9日、新たな最上位モデル「Claude Fable 5」と「Claude Mythos 5」を発表しました。両モデルは同じ基盤を共有し、Fable 5は安全対策を施した一般向け、Mythos 5は米政府との協力枠組みで限定提供されます。Fable 5はソフトウェア開発や知識労働、科学研究で最先端の性能を示し、タスクが長く複雑になるほど他モデルを大きくリードするとされています。価格は100万トークンあたり入力10ドル・出力50ドル。サイバーセキュリティや生物・化学に関わる危険な要求を検知した場合は自動的に「Claude Opus 4.8」に処理を引き継ぐ仕組みを備えます。Fable 5は同日から利用可能で、有料プラン利用者は6月22日まで追加費用なしで試せます。
価格は据え置きのまま性能だけが上がる世代交代が続いています。注目すべきは「長く複雑なタスクほど強い」という方向性で、これは単発の質問よりも一連の業務を任せる“エージェント前提”の使い方が現実的になってきたことを意味します。最新モデルを追うこと自体より、どの業務を任せるかを定義し直す姿勢が成果を分けます。
巨額のインフラ投資も、進化するモデルも、最後は「自社の業務でどう使うか」に行き着きます。基盤が厚くなるほど、現場での使いこなしの差がそのまま成果の差になります。
コプラスは、最新のAI動向を踏まえた業務への落とし込みをご支援します。「何から始めればいいか分からない」段階のご相談こそお気軽にどうぞ。


