
NotebookLM マニュアル作成とは、社内規程や今ある手順書をソースとして入れ、Gemini Notebookの上で構成案・本文・FAQ・用語集を作っていく作業のことです。最初に決めておきたいのは、AIにどこまで書かせるかではなく、どの資料を根拠として使わせるかになります。規程をそのまま要約して終わりにせず、条文番号と手順を結び付けておくと、公開したあとの更新まで追うことが出来ます。2026年7月からNotebookLMはGemini Notebookという名前になりましたが、検索や社内の会話では、まだ旧名で呼ばれることも多いでしょう。画面の基本的な操作から知りたい方は、先にNotebookLMの使い方をご覧になってみてください。
ソースの準備とアップロード|PDF・URL・動画音声・紙の写真を入れる前に整える
マニュアルの出来は、最初に入れるソースをどう整えるかで、ほとんど決まってしまいます。Gemini Notebookは、ノートブックを新しく作り、ソースをアップロードするところから始まります。ノートブックは1冊ずつ独立していて、複数のノートブックの中身を同時に参照することは出来ません。部署別や規程別にノートブックを分けるなら、あとで横断して答えてくれるとは考えず、1冊ごとに必要な資料をそろえてみてください。
入れられる形式は、Word、txt、md、PDF、CSV、PowerPoint、Googleドキュメント、Googleスライド、画像、音声、ウェブURL、字幕付きの公開YouTube動画(取り込まれるのは文字起こしの部分だけ)などになります。Googleスライドは100枚まで、1つのソースは500,000語まで、ファイルサイズは200MBまでという上限があります。無料ユーザーの場合、1冊のノートブックに入れられるソースは50個までとなります。紙のマニュアルも写真にすれば画像として入れられますが、読み取り漏れに気づかないまま手順書に移すと、現場で危ない抜けになってしまいます。
紙の写真を使うときは、1ページずつ撮る、斜めに撮らない、手書きの書き込みが読めるかを見直す、の順で確認しましょう。読み取りが不安なページは、先に文字起こししたテキストを別のソースとして足しておくと扱いやすくなります。画像の中の表や注意書きは、AIが見落としても人が気づけるよう、アップロードしたあとにチャットでそのページの要点を聞いてみてください。答えに抜けがあれば、ソースを作り直すところまで戻ることになります。
ウェブURLから取り込まれるのはテキストだけで、画像や埋め込み動画は入りません。社内ポータルの説明画像や画面キャプチャが手順の中心なら、URLだけでは足りないと考えたほうがよいでしょう。Googleドライブから取り込んだソースは自動で更新され、数分ごとに同期されます。すぐに反映させたいときは、ソースを開いて[クリックして Google ドライブと同期]を選べば、手動でも同期出来ます。元のファイルへのアクセス権がなくなったり、ファイルが削除されたりするとソースも開けなくなるので、この点は先にチームで共有しておきましょう。
社内規程を入れる前には、AIに読ませなくてよい情報を消しておく下準備も必要になります。個人名、住所、電話番号、マイナンバー、給与、役員報酬、取引先名、口座、パスワード、個別案件の金額などは、マニュアルの根拠としては要らないことが多いでしょう。就業規則なら社員名や処分の事例、経理規程なら口座や承認者の名前、情報セキュリティ規程なら接続先や管理者権限の書き方を見直してみてください。AIに入れる前の下ごしらえは、マニュアル作りというより情報管理の作業になります。
ここを省いてしまうと、出来上がったマニュアルの削除や差し替えに、あとで時間を取られてしまいます。最初の1冊は、問い合わせが多く、個人情報が少なく、更新がそれほど頻繁でない規程を選ぶとよいでしょう。総務なら休暇申請、情シスならアカウント申請、経理なら経費精算のように、社員から同じ質問が何度も来る業務だと、効果も見えやすくなります。いきなり全社の規程を丸ごと入れるのではなく、まず1つの業務で試してから広げてみてください。
| 資料の種類 | 入れる前に消す・伏せる候補 | 残してよい根拠の形 |
|---|---|---|
| 就業規則・休暇規程 | 個人名、処分事例、診断書の記載例、社員番号 | 条文番号、申請期限、承認者の役割名 |
| 経費精算規程 | 口座番号、取引先名、個別案件の金額、領収書の画像 | 精算の対象、提出物、承認の順番 |
| 情報セキュリティ規程 | パスワード、接続先、管理者名、内部URL | 禁止事項、申請先の部署名、注意書き |
| 既存の手順書 | 古い担当者名、過去の画面、廃止済みの申請先 | 作業順、判断条件、例外時の連絡先の役割名 |
※この記事で扱うGemini Notebookの機能・上限は、2026年10月14日にGoogle公式ヘルプで確認した内容です。上限は変更される場合があります。
無料版と法人利用の上限差|ノートブック数・ソース数・チャット回数を見る
無料版と上位プランの差は、料金だけでなく、会社で何人に配れるかという運用の話にもつながります。上限は、Standard、Plus、Pro、Ultra 20TB、Ultra 30TBの区分ごとに分かれています。どの区分も、対象のWorkspaceライセンスで登録することが出来ます。ただし会社のWorkspaceエディションやGoogle Cloudの企業向けプランでは上限が別に決まっているので、契約中のエディションで確かめておきましょう。上限を見ないまま始めると、試作はうまくいったのに、部署に広げたとたんノートブックやチャットの数で止まってしまいます。
1人あたりのノートブック数は、Standardが100件、Plusが200件、ProとUltraが500件になります。1冊のノートブックに入れられるソース数は、Standardが50個、Plusが100個、Proが300個、Ultra 20TBが500個、Ultra 30TBが600個です。1日に使えるチャットの回数は、Standardが50回、Plusが200回、Proが500回、Ultra 20TBが2,500回、Ultra 30TBが5,000回となります。レポートは1日あたり、Standardが10件、Plusが20件、Proが100件、Ultra 20TBが500件、Ultra 30TBが1,000件まで作れます。
社員10〜200名の会社なら、最初から全員分のノートブックを作るより、部署の担当者が1冊を育てて、ほかの方には閲覧で配る形のほうが始めやすいでしょう。たとえば休暇申請のマニュアルなら、総務の担当者が編集者になり、現場の管理職や新人の方は閲覧者にします。社員ごとに別々のノートブックを持たせると、答えがずれていても気づきにくくなってしまいます。共有する1冊を、正本として決めておきましょう。
個人のGmailで使う場合、共有できるのは最大50人までで、Googleグループとは共有出来ません。閲覧者は、共有されたソースとメモを読み取り専用で見ることが出来ます。編集者は、ソースとメモの表示・追加・削除に加えて、ほかの方への共有まで行えます。会社の規程を扱うなら、誰を編集者にするかはあいまいにしないでください。編集者が増えすぎると、古い資料を戻してしまった方や、確認前のメモを入れた方を、あとから追いにくくなります。
上限の見方でよくあるのが、ソースの数だけで判断してしまう失敗です。マニュアル作りでは、構成案を聞き、章ごとに本文を出してもらい、FAQを作り、引用を確かめ、直しを頼むので、チャットの回数も使います。1冊の手順書でも、レビューまで入れると何度もやり取りすることになるでしょう。会社で使う上限は、資料を入れられる数ではなく、直す回数まで含めて見ましょう。
進め方としては、1日で試作し、1週間でレビューし、1か月で更新の流れまで見るのが向いています。1日目は、ソースを入れて構成案を作るところまでで充分です。1週間目までに、本文・FAQ・用語集・引用の確認を済ませておきます。1か月たったら、規程の変更や現場からの質問を受けて、同じノートブックで直せるかを確かめてみてください。こうして区切りを決めておくと、導入するかどうかの判断が感覚だけになりにくくなります。
| 区分 | ノートブック数 | ソース数 | チャット回数 | レポート数 |
|---|---|---|---|---|
| Standard | 100件 | 50個 | 1日50回 | 1日10件 |
| Plus | 200件 | 100個 | 1日200回 | 1日20件 |
| Pro | 500件 | 300個 | 1日500回 | 1日100件 |
| Ultra 20TB | 500件 | 500個 | 1日2,500回 | 1日500件 |
| Ultra 30TB | 500件 | 600個 | 1日5,000回 | 1日1,000件 |
社内規程から手順書へ変える|条文番号と作業を対応させる
社内規程を手順書に変えるときは、条文を短くするのではなく、社員の動きの順に並べ替えることになります。規程はルールを決める文書で、手順書は誰が何をどの順番で進めるかを示す文書です。Gemini Notebookに規程を入れて要約を頼むだけだと、読みやすくなった規程の抜き書きで止まりやすいでしょう。まずは、条文番号と作業の手順を並べた対応表を作ってみてください。
休暇規程で考えてみると、条文には取得の条件、申請の期限、承認者、例外のときの扱いが、ばらばらに書かれていることがあります。社員の方が知りたいのは、休む前に何を出すのか、誰に承認をもらうのか、急に休むときはどうするのか、という点です。条文の順番のまま残すと、読む方は結局、規程を探し直すことになってしまいます。手順書では、申請前、申請時、承認待ち、承認後、例外時の順に並べ替えたほうが使いやすくなります。
このとき、手順ごとに根拠の条文を書き添えておくと、あとで規程が変わったときに、直す場所をすぐに探せます。たとえば手順3の根拠が第12条と第14条なら、第14条が改定されたときは手順3を見直す、という判断が出来ます。根拠を本文に入れると読みにくくなる場合は、表の列に分けておくとよいでしょう。公開する本文には根拠の番号を小さく添えて、管理用の対応表は別に残しておく形でも構いません。
よくある失敗は、規程にない現場の慣習を、AIがいかにも自然に補ったように見えてしまうことです。Gemini Notebookのチャットの回答では、ソースに含まれているデータだけが使われるとされています。それでも聞き方によっては、どこの会社にもありそうな流れの文章が出てくることがあります。根拠のない手順は、便利そうに見えても入れずに、空欄か確認待ちにしておきましょう。
規程から作る手順書では、空欄を残す勇気が品質になります。承認者が規程に書かれていなければ、承認者不明のまま残しておくほうが安全です。期限が部署内だけの運用で決まっているなら、その根拠資料を足してから作り直しましょう。AIに補わせた一文は、公開したあとに問い合わせが来たとき、説明に困る原因になってしまいます。総務や情シスの方は、便利な文章よりも、あとから説明できる文章を選んでみてください。
| 社員の行動 | 手順書に書く内容 | 根拠として残すもの | 確認待ちにする例 |
|---|---|---|---|
| 申請前に確認する | 対象者、提出期限、添付書類 | 規程の条文番号、既存手順書のページ | 部署ごとの例外、口頭承認の扱い |
| 申請を出す | 入力項目、提出先、ファイル名 | 申請フォームの説明、運用メモ | 古いフォームと新しいフォームの違い |
| 承認を待つ | 承認者、差し戻し時の動き | 承認フローの資料 | 代理承認の条件 |
| 例外に対応する | 緊急時、期限後、添付漏れ | 例外規程、問い合わせ履歴 | 規程にない慣習 |
この対応表まで作ってみると、どの資料をAIに読ませるかだけでなく、どの資料を会社の管理の下で扱うべきかも見えてきます。個人のアカウントに規程を入れてから考えるのではなく、読む環境を先にそろえる順番で決めましょう。
規程や手順書を扱うなら、AIを使う環境を個人任せにせず、会社で1つにそろえるところから考えたいところです。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
構成案から章ごとに詰める|そのまま貼れるプロンプト例
チャットでは、いきなり完成版を書かせるより、構成案、章ごとの本文、FAQ、用語集の順に進めたほうが安定します。Gemini Notebookの回答には引用が付くので、まず章立てを出してもらい、それぞれの章に根拠になるソースがあるかを確かめながら進めることが出来ます。構成案の段階で読む方と目的を伝えておけば、同じ規程からでも新人向け、管理職向け、総務の担当者向けと書き分けやすくなります。
最初のプロンプトでは、役割、読む方、出力の形、根拠の番号、やってはいけないことをまとめて伝えます。ソースにないことは書かずに空欄にする、という指示も入れておきましょう。生成AIに慣れている方ほど、うまく補ってくれることを期待しがちです。社内規程のマニュアルでは、上手に補うことより、抜けている所が見えることを優先してみてください。
そのまま貼れるひな形は、次のとおりになります。会社名や部署名を入れたい箇所は、公開前に人が差し替える前提で使ってください。ここでは固有の名前は入れず、規程から手順書へ変えるための指示だけにしてあります。
あなたは社内マニュアルの編集担当です。アップロード済みの社内規程と既存手順書だけを根拠に、社員向けの手順書の構成案を作ってください。対象者は初めてこの手続きをする社員です。章立ては、申請前、申請時、承認待ち、承認後、例外時、FAQの順にしてください。各章に、根拠となる条文番号またはソース名を付けましょう。ソースにない内容は推測せず、不明または確認待ちと書きます。専門用語は初出で短く説明してください。
構成案が出たら、章ごとに本文を作っていきます。1回で全部の章を作らせると、引用の確認が粗くなりがちです。第1章だけを作る、第2章だけを直す、FAQだけを足す、というように細かく区切ると、根拠の確認もしやすくなります。チャットの回答はメモに保存でき、表や引用も一緒に残すことが出来ます。残したい回答は、その場でメモに移しておきましょう。
次の段階では、表の形に変えてもらう指示が役に立ちます。手順書は文章だけで読むより、誰が、いつ、何を、どこで、根拠はどこか、を横に並べたほうが確かめやすくなります。データテーブルは鉛筆アイコンからカスタマイズでき、行と列に何を入れるかもプロンプトで書いて指定することが出来ます。スプレッドシートにエクスポートすると、1つ目のタブに中身、2つ目のタブに引用文献が入る形です。
作業の手順は本文だけで作らず、先に対応表を作ると抜けに気づきやすくなります。表で手順を見てから文章に戻ると、同じ説明の重なりや、途中で承認者が変わってしまうような食い違いが見えてきます。新人の方に読んでもらう前に、管理者が表に目を通し、根拠のない行が混ざっていないかを確かめておきましょう。
多言語版を作りたい場合も、まず日本語の正本を固めるところから始めてください。公式のヘルプでも、試験運用中のチャット機能について、生成された回答は必ず再確認するよう書かれています。外国語版を出すなら、訳文だけを信じずに、元の条文番号や手順番号、注意書きが落ちていないかを見てみましょう。海外拠点の方が読むのであれば、最初のプロンプトで読む方と使う場面を伝え、用語の説明を厚めにしてもらうとよいでしょう。
引用元のクリック確認と人のレビュー|ハルシネーションを抑える
NotebookLMで作ったマニュアルは、引用元を確かめて初めて、社内に配れる下書きになります。チャットの回答は、ソースから直接引用した文章を引用として使っていて、引用にカーソルを合わせると全文を見ることが出来ます。引用を選べば、ソースの該当する箇所へそのまま移動します。ハルシネーション(AIがもっともらしい誤りを書くこと)を減らすには、回答を読んで終わりにせず、根拠の場所まで戻ってみてください。
レビューでは、まず根拠が付いている文と、付いていない文を分けていきます。根拠が付いていても、その引用が本当にその手順を支えているとは限りません。たとえば申請期限の条文を根拠にして承認者まで書いてあるなら、承認者の部分は根拠が足りていない状態です。1つの引用が広い範囲をまかなっているように見えるときほど、文を分けて確かめましょう。
次に、取り返しのつかない操作に注意書きが付いているかを見ます。アカウントの削除、支払い、個人情報の送信、外部への共有、契約の更新などは、間違えると元に戻しにくい作業です。規程に注意書きがあれば手順書へ移し、なければ確認待ちにしておきます。AIが作った自然な流れから注意書きが抜けていると、読みやすいのに危ない手順書になってしまいます。
レビューの担当は、総務、情シス、現場の責任者のように、役割で決めておきましょう。書いた方と承認する方が同じだと、根拠の確認がどうしても甘くなります。実際に新人の方1人に試してもらい、迷った場所をメモに残してもらう方法もあります。新人の方が止まるのは、文章のうまさより、画面の名前や提出先、判断の条件が足りない箇所であることが多いでしょう。
公開前の確認では、正しいかどうかだけでなく、迷わず使えるかまで見ます。根拠の引用、いつ誰が何をするか、例外のときの動き、注意書き、用語の説明を、順に確かめてみてください。Gemini Notebookは、医療、法律、財務、その他の専門分野では使わないよう、公式ヘルプで注意が呼びかけられています。社内規程の中に専門的な判断が含まれる場合は、AIの下書きをそのまま結論にせず、担当部署や専門家の確認を通すようにしましょう。
- 根拠の確認各手順に引用または条文番号があり、クリック先がその内容を支えているかを見ます。
- 役割の確認社員、上長、総務、情シスなど、誰が動くかがあいまいな文を直します。
- 例外の確認期限後、差し戻し、添付漏れ、急ぎの申請などが抜けていないかを見ます。
- 危険操作の確認削除、外部共有、支払い、個人情報の送信などに注意書きがあるかを見ます。
- 試用の確認新人の方や初めて使う方に読んでもらい、止まった場所を本文へ戻します。
FAQ・用語集・トラブルシューティングとStudio機能の使い方
本文が出来上がったら、FAQ、用語集、トラブルシューティング(困ったときの対処表)を別の部品として作っておくと、社員の方が探しやすいマニュアルになります。Studioパネルのレポートでは、自分で作るほか、よくある質問、学習ガイド、概要説明資料、AIが提案するレポートなどのタイプから選ぶことが出来ます。本文だけで終わらせず、質問される形に置き直してみると、説明の抜けが見えてきます。
FAQは、社員の方が実際に聞きそうな順番に並べましょう。規程の章の順に並べると、作った側には自然でも、使う側には遠回りになってしまいます。休暇申請なら、いつまでに出すか、誰が承認するか、急病のときはどうするか、差し戻されたらどうするか、添付を忘れたらどうするか、という順番が読みやすいでしょう。質問の文も、社員の方がチャットで打ち込みそうな言い方に寄せてみてください。
用語集は、社内だけで通じる言葉を中心に作ります。ワークフロー、承認者、代理承認、証憑、棚卸し、権限停止のように、部署によって意味がずれやすい言葉を拾っていきます。Gemini Notebookのメモには、自分で書き込む方法と、チャットの回答を保存する方法の2つがあります。保存した回答のメモはあとから編集出来ないため、手直しが必要な用語集は、別に手入力のメモとして整えるほうが扱いやすくなります。
トラブルシューティングは、例外への対応表にしておくと現場で使いやすいでしょう。症状、考えられる原因、確認する資料、連絡先の役割名、根拠の順に並べます。ここに個人名や内線番号を入れてしまうと、異動のたびに直さなければなりません。名前ではなく役割で書き、社内ポータルや最新の連絡先一覧につなぐ形にしておきましょう。リンク先が別に管理されているなら、マニュアル本文と連絡先一覧、それぞれの更新日も確かめてみてください。
Studioで作ったレポートは、その他メニューからGoogleドキュメントにエクスポート出来ます。データテーブルがあればGoogleスプレッドシートにもエクスポートでき、テーブルごとに別のタブに分かれます。レポートやクイズなどは、その他メニューの[カスタム プロンプトを表示]から、生成に使われたプロンプトを確かめることも出来ます。うまくいった生成物だけでなく、そのとき使ったプロンプトも残しておくと、同じものを作り直しやすくなります。
音声解説や学習ガイドは、読み物としてのマニュアルを補う場面で使えます。新入社員の方が先に全体をつかむ、管理職の方が短い時間で確認する、研修の前に理解をそろえる、といった場面で役立つでしょう。クイズを使う場合も、正解の根拠がソースにあるかを確かめます。便利な教材に見えても、社内規程と違う答えを覚えさせてしまうと、逆効果となってしまいます。
Googleドキュメント・PDFへ仕上げる|共有範囲とチーム運用を決める
出来上がった下書きは、Gemini Notebookの中だけで使うか、GoogleドキュメントやPDFに移して配るかを決める段階に入ります。生成したレポートは、そのままGoogleドキュメントへエクスポートできる作りになっています。チャットの機能でも、試験運用中ではありますが、Word、PDF、マークダウン、Excel、PowerPointなどで出力することが出来ます。どの形で出す場合も、生成された回答は必ず確かめる前提で、配る形式を選びましょう。
注意したいのは、エクスポートしたあとのGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートで直した内容が、元のGemini Notebookには同期されないことです。共有の権限も、エクスポートしたファイルには引き継がれません。ここを取り違えると、ノートブックでは直したのに配った資料は古いまま、あるいはドキュメントで直したのにノートブックの答えは古いまま、ということが起きてしまいます。
配り方は、3つに分けて考えてみましょう。1つ目は、ノートブックを共有して、社員の方に質問しながら使ってもらう形です。閲覧者はソースとメモを読み取り専用で見られ、チャットビューへのリンクも使えます。2つ目は、Googleドキュメントにして、人が読みやすいように整える形になります。3つ目は、PDFなどの固定したファイルにして配る形です。どれが正解というより、更新の多さと読む方の使い方で選ぶ話になります。
更新が多い規程なら、ノートブックの共有とGoogleドキュメントを組み合わせると扱いやすいでしょう。正本はGoogleドキュメント、質問への対応はノートブック、配る用はPDF、というように役割を分けておきます。更新の少ない研修資料なら、PDFで固定して配ったほうが混乱しにくい場合もあります。どの形にするにしても、どれが正本なのかを最初のページに書いておいてください。
共有の権限は自動では引き継がれないので、公開前に配る先ごとに見直しましょう。編集者は少なめにして、閲覧者は部署や役割で決めていきます。個人のGmailで作ったノートブックに会社の規程を集めてしまうと、退職のときの引き継ぎや共有の停止が難しくなってしまいます。業務で使うなら、個人任せのアカウントを減らし、管理者から見える場所に寄せていくことを決めておきたいところです。生成AIの社内ルールについては、生成AIの社内ガイドラインの作り方でもまとめています。
| 配布の形 | 向く場面 | 注意すること |
|---|---|---|
| ノートブックを共有 | 社員が質問しながら使う。更新が多い | 編集者を絞り、チャットの答えを確認する |
| Googleドキュメント | 承認フローを通し、文章を整えて配る | 元のノートブックとは同期されない |
| PDFなどの固定ファイル | 研修資料、配布済み資料、印刷が必要な場面 | 改訂日と版番号を大きく残す |
新旧資料の突き合わせと更新|版管理・多言語化・業種別の始め方
マニュアルは、作った日よりも、直す日のことをどれだけ考えておくかで差が出ます。Gemini Notebookには、ソースが5つ以上あると、自動でラベルを付けて分類してくれる機能があります。ラベルの追加、名前の変更、削除、移動は手作業でも行えます。旧版、最新版、確認待ち、研修用のようにラベルを分けておくと、更新するときの見落としを減らすことが出来ます。
版番号は、規程、手順書、配る資料でそろえておきましょう。たとえば休暇規程2026-10版、休暇申請手順書2026-10版、研修用PDF2026-10版のように、同じ改訂月を入れておく形です。旧版は、消す前に退避させておく場所を決めておきます。消したあとで、なぜ古い手順が残っているのかを調べる場面が出てくるためです。旧版をソースに残すときは、古い資料だと分かるラベルを必ず付けておいてください。
差し替えたあとは、3問テストを使うと変化が見えやすくなります。1問目では、改定された条文そのものを聞きます。2問目では、その条文が関わる社員の手順を聞いてみます。3問目で、例外のときの扱いを確かめましょう。答えが旧版のままなら、ソースの差し替え、同期、ラベル、引用のどこかを見直すことになります。Googleドライブから取り込んだソースは自動で更新されますが、手動での同期も合わせて使ってみてください。
業種ごとの始め方は、問い合わせの多い業務から選ぶと決めやすいでしょう。製造業なら安全手順や設備点検、小売なら返品対応や棚卸し、士業の事務所なら顧客資料の受け取り手順、介護なら記録や申し送り、IT企業なら権限申請やアカウント停止が候補になります。どの業種でも、新しい情報を足すのではなく、すでにある規程、手順書、問い合わせの履歴をソースにします。最初の1冊は、現場から同じ質問が何度も来るものを選んでみてください。
多言語化は、元の資料、手順番号、注意書きの対応が崩れないように進めます。外国語版だけを先に作ってしまうと、改訂のたびに日本語の正本と差が出やすくなってしまいます。日本語の正本を確定させ、手順番号を固定し、その番号のまま外国語版を作る、という順番にしましょう。訳文が自然かどうかだけでなく、条文番号、承認者、期限、例外のときの連絡先が同じ意味で残っているかを、人の目で確かめてください。
更新のたびに同じ3問を聞けば、マニュアルの答えが変わったかを追えます。この3問をメモに保存して次の改訂でも使い回すと、担当の方が替わっても確認の水準をそろえやすくなります。メモは1冊のノートブックに1,000件まで作れます。必要であればメモをソースに変換して、確認用の質問集として残しておくことも出来ます。
社内資料を、会社で使えるAI環境へ
UPGEAR AIは、社内文書RAGや音声・動画入力、カスタムプラス、Officeプレビュー、管理者ダッシュボード、会話の途中でのモデル切替などを備えた法人向けサービスです。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
NotebookLMとGemini Notebookは同じものですか?
NotebookLMだけで社内マニュアルを完成させてもよいですか?
紙のマニュアルの写真もソースにできますか?
作ったマニュアルをGoogleドキュメントへ移せますか?
個人Gmailで会社の規程を入れてもよいですか?
多言語のマニュアルも作れますか?
まとめ
NotebookLM(現在のGemini Notebook)でマニュアルを作るときは、まずソースを整えるところから始まります。PDF、Word、Googleドキュメント、画像、音声、URL、字幕付きの公開YouTube動画などを入れられますが、社内規程の場合は、個人情報や要らない固有の情報を消してから入れる下準備が必要になります。
会社でGeminiを使う場合は、Geminiの個人向けと法人向けの違いを先に確かめておくと安心です。Googleの法人向けAIの費用は、Gemini Enterpriseの料金にまとめています。
規程から手順書に変えるときは、条文を短く要約するだけでは足りません。社員の方が動く順番に並べ替え、手順ごとに根拠の条文やソース名を残しておくと、あとから改定するときに追いやすくなります。根拠のないことは推測で埋めず、確認待ちのまま残しておきましょう。
構成案、章ごとの本文、FAQ、用語集、トラブルシューティングの順に進めると、引用の確認や人のレビューもしやすくなります。GoogleドキュメントやPDFに仕上げる場合は、元のノートブックとは同期されないこと、共有の権限が引き継がれないことを覚えておいてください。法人のAI活用についてのほかの記事は、AI活用コラム一覧からご覧いただけます。
