NotebookLMのカスタム指示。回答の口調、形式、社内での使い方を決める設定

NotebookLMのカスタム指示とは、ノートブックのチャットで、回答のスタイルや役割を決めておけるチャットの設定になります。社内で使うなら、口調を整えるだけでなく、根拠の出し方や回答の形、資料にないことを聞かれたときの返し方まで決めておく場所として使うのがおすすめです。規程FAQや社内マニュアルに使えば、同じ資料から同じ型の答えが返りやすくなり、担当者ごとの答え方の癖も減らすことが出来ます。画面の基本的な操作はNotebookLMの使い方にまとめていますので、あわせてご覧ください。

NotebookLMのカスタム指示とは何を変える設定か

NotebookLMのカスタム指示は、ノートブックのチャットに、回答の目的や声、役割を持たせるための設定になります。Google公式ブログでも、チャットを特定の目的や声、役割に合わせてカスタマイズ出来ると紹介されています。

たとえば社内規程を入れたノートブックなら、規程を要約してもらうだけでは物足りないでしょう。社員からの質問に、総務の担当者のように短く答えるのか、研修の担当者のように背景から話すのかで、返ってくる文章の使いやすさはかなり変わってきます。

公式ヘルプでは、会話のスタイルとしてデフォルト、学習ガイド、カスタムの3つが用意されています。デフォルトは一般的なリサーチやブレインストーミング向け、学習ガイドは教育コンテンツ向けで、カスタムは特定のスタイルや役割を指定したいときに選ぶものです。

会社の方にまず知っておいてほしいのは、カスタム指示は何でも出来る追加機能ではなく、回答の前提を決めておく欄だということになります。資料が増えるわけではないので、ソースに無いことをうまく補ってくれる設定ではありません。

カスタム指示で変えられるのは主に答え方で、根拠になる資料とは分けて考えましょう。ここを取り違えて期待すると、社内FAQの回答がそれらしく見えるだけになってしまいます。

公式ヘルプによると、NotebookLMのチャットの回答には、ソースに含まれているデータだけが使われます。引用にカーソルを合わせると、引用されているテキストの全文が表示される仕組みもあります。

そう考えると、カスタム指示の役目は資料の読み方を決めることになります。資料名や該当箇所、回答の長さ、口調、確認が足りないときの返し方をそろえるほど、社内で使いやすい回答に近づいていきます。

実際に使い始める方は、いきなり長い指示を作らなくても大丈夫です。まずは「社内向けに、丁寧に短く答えてください」くらいの小さな指定から試してみてください。

ただ、会社で配るノートブックの口調を個人の好みで決めてしまうと、あとで直しにくくなってしまいます。総務なら総務、情シスなら情シスと、質問を受ける部署の責任範囲に合わせて決めましょう。

この設定が向いているのは、同じ資料を何度も読ませる仕事です。就業規則や情報セキュリティ規程、経費精算のルール、社内の手順書、研修資料のように、答えの根拠が社内資料にまとまっているものが当てはまります。

反対に、社外の最新情報を調べる使い方には向いていません。NotebookLMは入れたソースを土台に答えるため、ソースにない情報まで広げてくれる前提で使うと、回答の確認に時間を取られてしまいます。

費用の面でも、ライセンスの金額だけでなく、確認にかかる社員の時間が会社の出費に入ってきます。指示があいまいなまま全員が同じ質問を何度も投げ直すと、見えない作業時間が毎月少しずつ積み上がってしまいます。

ですから、カスタム指示は個人の便利機能というより、会社の回答ルールを小さく書き込んでおく場所として扱うとよいでしょう。最初に役割、次に根拠の出し方、最後に出力の形を書く順番にすると、あとから読み返したときにも分かりやすくなります。

名称変更(NotebookLM→Gemini Notebook)の注記

公式FAQによると、NotebookLMは2026年7月からGemini Notebookという名前に変わりました。社員はNotebookLMという呼び方で検索することが多いため、社内の文書では最初に両方の名前を並べておくと迷いにくくなります。

社内で説明するときは、「NotebookLM(公式ヘルプ上はGemini Notebook)」と書いておけば充分でしょう。画面の名前、ヘルプの名前、社員が検索する名前がずれていると、設定場所を探すだけで手が止まってしまいます。

マニュアルを作る方は、タイトルにNotebookLMとだけ書いて、本文でGemini Notebookに触れない形は避けてください。あとからヘルプを見に行った社員が、別のサービスだと思い込んでしまうことがあります。

名前が違っても、機能が違うわけではありません。この記事では検索でよく使われるNotebookLMの名前を使い、公式ヘルプに合わせる場面ではGemini Notebookとも書いています。

社内の説明文でも、2つの名前を別々のサービスのように扱わないことが大切になります。名前の揺れは、それだけで問い合わせを増やす原因になってしまいます。

社内チャットで案内するなら、「画面やヘルプではGemini Notebookと表示されます」と一言添えてみてください。これだけでも、社員が設定画面を探すときの迷いを減らすことが出来ます。

社内FAQのタイトルは、検索される言葉を優先すると見つけてもらいやすくなります。「NotebookLMのカスタム指示を設定する方法(Gemini Notebook)」のように、両方の名前を入れておきましょう。

ただ、古い名前だけで社内の正式なルールを作ると、更新のたびに直す場所が増えてしまいます。ルールの本文は「Gemini Notebook(NotebookLM)」の形にして、検索用の見出しにだけ旧名称を残すやり方も現実的でしょう。

問い合わせ窓口のある部署では、答えるときの表記もそろえておくと楽になります。担当者によって「NotebookLMです」「Gemini Notebookです」と返し方が違うと、同じ話なのに別の件として扱われてしまいます。

社内の台帳には、画面の名前、社内での呼び名、担当部署、更新日を並べておくと確認しやすくなります。名前の整理は地味な作業ですが、運用が始まってからじわじわ効いてくるものです。

設定場所と手順|[チャット] パネルの [チャットを設定] からカスタムを選び保存する

カスタム指示は、notebook.google.comでノートブックを開き、[チャット] パネルの [チャットを設定] から会話のスタイルを「カスタム」にして保存する流れになります。公式ヘルプの手順は、ノートブックを選ぶか新しく作り、[チャットを設定] を選んで、会話のスタイルと回答の長さを選び、最後に [保存] を押す順番です。

Google公式ブログでは、設定用のアイコン(configuration icon)をクリックして始めると紹介されています。社員向けの手順書には、公式ヘルプと同じ [チャット] パネルの [チャットを設定] という名前で書いておきましょう。ヘルプと見比べたときにも、同じ言葉で探せるようになります。

手順そのものは長くありません。既存のノートブックを選ぶか新しく作り、[チャットを設定] を開いて会話のスタイルで「カスタム」を選び、指示を書いて [保存] を押せば設定が出来ます。

最初に試す方は、共有している本番のノートブックではなく、試し用のノートブックで触ってみてください。設定を変える前と後で回答を比べると、口調や形の違いが分かりやすくなります。

社内向けの手順書では、設定の入口、カスタムの選択、保存したあとの確認質問までを1セットにしましょう。保存したところで終わってしまうと、効いているかどうか分からないまま社内に配られてしまいます。

確認質問には、実際に社員から届く短い質問が向いています。経費精算のノートブックなら、「交通費の領収書がないときはどうすればよいですか」と聞いてみる形になります。

回答が長すぎるときは、カスタム指示に「最初に結論を1文で書く」「補足は必要なときだけ続ける」と書き足してみましょう。回答が硬いと感じたら、「社内ヘルプデスクの担当者として、丁寧に、でも短く答える」に変えてみるのも一つの手になります。

保存したあとに見るところは、口調、根拠、形の3つです。口調だけ整っても、根拠が出ていなければ、社内の回答としては使いにくいままになってしまいます。

スマホのアプリで同じ設定が出来るかについては、公式ヘルプで、モバイルアプリではこの機能に制限がある場合があると案内されています。社内の標準の手順は、Web版のnotebook.google.comで作っておくほうが安心でしょう。

スマホで使う社員が多い会社でも、設定はWeb版で済ませる流れにしておけば、説明を短くすることが出来ます。アプリの見え方は変わることもあるので、画面のキャプチャを増やしすぎないほうが、あとの手入れも楽になります。

よくあるのは、設定したあとに [保存] を押し忘れてしまう失敗です。手順書の最後に「保存したら、同じ質問を2回試す」と書いておくと、設定漏れに気づきやすくなります。

もう一つは、ノートブックごとの設定なのか、自分だけのチャットの設定なのかを確かめないまま共有してしまう失敗です。共有したときにカスタム指示がどう効くかは公式に詳しい記載がないので、共有する前に別のアカウントで試しておきましょう。

試すときは、作成者、閲覧者、編集者の3つの立場で同じ質問を投げてみると違いが見えてきます。誰の画面でどんな回答になったかをメモしておけば、社内に広げる前に説明を整えることが出来ます。

失敗した設定を配ってから直すほど、手間は大きくなってしまいます。最初の30分で確認質問を作っておくか、配ったあとに何十人から同じ問い合わせを受けるかで、現場の負担はかなり変わってくるでしょう。

役割(ペルソナ)・トーン・出力形式の指定

カスタム指示の中心は、役割、トーン、出力の形を順番に決めていくことになります。公式ヘルプでも、カスタムの例として「博士課程の学生のように回答して」「ロールプレイング ゲームのホストを演じて」が挙げられています。

社内で使うなら、遊びのある役割より、部署の窓口としての役割を置いたほうが答えが安定します。「総務担当者として」「情シスの一次受付として」「経理の確認担当として」のように、誰の代わりに答えるのかを決めておきましょう。

トーンは、丁寧すぎても現場ではなかなか読まれません。社内の方に向けて、短く、責めず、次に何をすればよいか分かる口調にしておくと、問い合わせの回答として使いやすくなります。

出力の形は、あとから整え直す手間を減らすために決めるものです。結論、根拠、次にすること、確認が必要なときの窓口という順番にしておけば、社員は必要なところだけ拾って読むことが出来ます。

役割だけ入れて形を決めないと、毎回それらしい長文が返り、手直しの手間が残ってしまいます。文章の雰囲気より先に、返ってくる順番を決めてみてください。

指示文は、短いほうがよい場面も、詳しいほうがよい場面もあります。最初の社内テストは短い指示で始めて、ズレが見えたら1行ずつ足していくと扱いやすくなります。

あいまいな言葉は、なるべく避けたほうがよいでしょう。「わかりやすく」だけでは、人によって回答の長さが変わってしまいます。「最初に30〜60字で結論を書き、その後に根拠を2点まで出す」のように、形で指定すると揺れが小さくなります。

ここで使う数字は、あくまで社内の出力ルールとしての数字です。公式ヘルプに書かれていない機能の上限や料金を、事実のように書く場所ではありません。

役割は、部署名だけで終わらせないほうがよいでしょう。「情シス担当者として」だけだと、専門用語の多い答えに寄ることがあります。「ITが得意ではない社員にも伝わるように」と添えると、ぐっと読みやすくなります。

トーンも「親切に」より、「責める言い方を避ける」「社員を不安にさせない」「不明点は確認先を示す」と書いたほうが具体的です。これなら、回答の良し悪しをあとから見比べることも出来ます。

箇条書きに寄せすぎると、読みやすい反面、背景が抜けやすくなってしまいます。説明が必要な場面では、最初の1文だけ結論にして、そのあとは普通の文で理由を短くつなぐ形も試してみてください。

指示の例を挙げると、「あなたは総務の一次回答担当です。社員からの質問に、社内規程の範囲だけで答える形にします。最初に結論を1文で書き、その後に根拠となる資料名と該当箇所を示してください。不明な場合は、推測せず総務へ確認と書きましょう」のようになります。

長く見えますが、この中には役割、範囲、順番、分からないときの返し方が入っています。文章を増やすためではなく、回答の手戻りを減らすための指示です。

会社で使うなら、指示文そのものもレビューに回しましょう。回答を受ける部署の方に読んでもらうと、言い方がきつい、回答が長い、根拠が足りないといったズレに早めに気づけます。

指示の出来がよくないほど、回答の手直しは人の仕事として残ってしまいます。1件ずつ毎回直すより、最初に出力の形を決めておいたほうが、社内の作業時間は抑えやすいでしょう。

ソース外は推測せず、根拠(資料名・ページ)を示させる書き方

社内で使うカスタム指示では、ソースの外を推測させない書き方が土台になります。公式ヘルプにも、チャットの回答はソースに含まれているデータだけを使うと書かれています。

この性質は、社内資料を読ませる使い方では大きな助けとなります。就業規則や経費精算規程のように根拠がはっきりした文書では、一般論より、入れた資料に沿った答えのほうが役に立つからです。

ただ、ソースに無いことを聞かれたときの返し方を決めておかないと、回答はあいまいになりやすくなります。「資料内に記載が見つからない場合は、記載なしと答える」と入れておけば、確認すべきところがはっきりします。

根拠の出し方も、社内では少し細かく指定したほうがよいでしょう。資料名だけでは足りないことが多いので、見出しやページ、条文番号が分かるときは一緒に出してもらうようにします。

社内の回答で避けたいのは、正しそうな一般論が社内ルールの答えとして読まれてしまうことです。このズレは、あとから人が確認しようとしても、意外と見つけにくいものになります。

指示に「ソースにない一般知識で補わないでください」と書くだけでは、少し弱いかもしれません。「資料内に根拠がない場合は、回答の先頭に『資料内で確認できません』と書く」と、返し方まで決めておきましょう。

社員が読む回答では、根拠が最後にあると見落とされがちです。結論のすぐ下に資料名と該当箇所を置く形にすれば、受け取った方も確かめやすくなります。

根拠の見せ方は、部署ごとに変えて構いません。総務の規程FAQなら資料名と条文、情シスの手順書なら手順名と見出し、経理なら申請ルール名と対象の条件が分かれば、実務で使いやすくなります。

社内資料にページ番号がないなら、無理にページを書かせないほうが安心です。「ページ番号が確認できる場合だけ書く」と入れておけば、ありもしないページ番号が出てくるおそれを減らすことが出来ます。

資料名の書き方もそろえておきましょう。同じ就業規則でも「就業規則」「社員規程」「規程集」と呼び方がばらばらだと、回答を受け取った方が根拠をたどりにくくなってしまいます。

実際には、ソースに入れるファイルの名前を先に整えておくのがよく効きます。ファイル名が「最新版」「最終版」のままだと、根拠として表示されたときに社内で説明しにくくなります。

カスタム指示だけでなく、ソースの整理もあわせて見てみてください。資料名に部署名、文書名、更新日を入れるだけで、根拠を読み取るのがぐっと楽になります。

よくある失敗は、ソースにない社内の慣習までAIが補ってくれると期待してしまうことです。現場で運用している例外があるなら、その例外も資料として入れておく必要があります。

反対に、根拠を求めすぎて回答が読みにくくなってしまう失敗も見かけます。根拠は多ければよいわけではないので、基本は2件までにするなど、社内で扱える量に決めておきましょう。

間違った根拠のまま申請や対応が進むと、あとで差し戻す時間がかさんでしまいます。根拠の出し方を最初に決めておくのは、確認する人の負担を軽くするための下準備になります。

文字数の上限(公式ヘルプに記載なし)と回答の長さ

カスタム指示に書ける文字数は、公式ヘルプに上限の記載はなく、海外メディアは500字から1万字に広がったと報じています。公式に発表された数字ではないため、社内では公式の上限として扱わないほうが安心でしょう。

社内マニュアルに書くなら、「公式ヘルプには上限の数字が書かれていない」としておくのが無理のない書き方になります。自社の画面でどれくらい入るかを確かめ、運用上の目安は社内で別に決めましょう。

実際には、1万字まで入るかどうかより、担当者が読んで手入れできる長さかどうかのほうが大事になってきます。長い指示は効きそうに見えますが、矛盾が混ざると回答の質が下がってしまいます。

最初の目安は、役割、答える範囲、根拠、形、分からないときの返し方の5つが入る長さです。これで足りないときだけ、部署ごとの注意や禁止事項を足していくほうが扱いやすくなります。

公式に確認できない上限の数字を、社内ルールの前提にするのはやめておきましょう。画面で試した結果は、確認した日と一緒に社内メモに残しておいてください。

回答の長さについては、公式ヘルプに「回答の長さを選択します」とだけ書かれています。選べる項目の名前までは載っていないので、社内の手順書には、画面に実際に表示される名前を確かめてから書くようにしてください。

社内で使うなら、回答の長さを設定だけに任せず、カスタム指示にも書いておくと答えが安定します。「最初に結論を1文で、その後に補足を3文まで」のように、読む方に合わせた形にしましょう。

もちろん、長い回答が必要な場面もあります。研修資料を読み解くときや、管理職に背景を説明するときは、短すぎると判断の理由が見えなくなってしまいます。

反対に、社員からの手続きの質問では、長い文章はかえって負担になります。「申請先」「必要書類」「締切」のように、次にすることだけを先に返してもらう指示が合うでしょう。

Studioの音声解説や動画解説、レポートなどにカスタム指示が効くかどうかは、公式には書かれていません。Studio側には生成物ごとのカスタマイズ欄があり、生成に使ったプロンプトは[Studio] パネルのその他メニューにある [カスタム プロンプトを表示] で見られるとヘルプに案内があります。

ですから、チャットのカスタム指示でStudioの出力まで変わる、と社内で説明するのは控えてください。チャットの回答を整える設定と、Studioの生成物を調整する欄は、手順書でも分けて書いておくほうが安心です。

よくある失敗として、長いカスタム指示を1本作り、チャットにも音声にもレポートにも効く前提で配ってしまう例が挙げられます。効き方の違う場所を同じ手順で扱うと、問い合わせが増えてしまいます。

回答の長さを決めるときは、まず誰が読むのかを決めましょう。新入社員向けなら少し丁寧に、管理職向けなら結論を先に、経理の確認なら条件の分かれ目を短く出す形が合いやすくなります。

長すぎる回答は読む時間を増やし、短すぎる回答は聞き直しを増やしてしまいます。どちらも人の時間という出費になるので、部署ごとにちょうどよい長さを決めてみてください。

社内マニュアル/FAQ用ヘルプデスクの指示例

社内マニュアルやFAQで使うカスタム指示は、ヘルプデスクの一次回答を作るつもりで書くと実務に合ってきます。目指すのは、社員が自分で資料を探す時間を減らし、担当部署が同じ質問を何度も受けずに済む状態です。

最初に決めるのは、答えてよい範囲になります。就業規則のノートブックなら人事労務、IT利用ルールなら社内IT、というように、担当部署の外まで話を広げないようにしましょう。

次に、分からないときの扱いを決めます。資料に書かれていないことは推測させず、確認先を案内する形にしてください。

そのうえで、社員に向けた口調を決めていきます。社内ヘルプデスクの回答には、正しさだけでなく、聞いた方が責められているように感じない文章が向いています。

社内FAQのカスタム指示では、答える内容より先に、答えない範囲を決めておくほうが安心です。答えてよい範囲が広すぎると、一般論が混ざりやすくなってしまいます。

指示文の例は、次のようになります。「あなたは社内ヘルプデスクの一次回答担当です。アップロードされた社内マニュアルとFAQに含まれる内容だけで答えましょう。最初に結論を1文で書き、次に根拠となる資料名と該当箇所を示してください。資料内に記載がない場合は、推測せず、担当部署へ確認するよう案内します。」

この指示は、総務にも情シスにも経理にも流用出来ます。変えるのは、担当部署名、読み手、出力の形、確認先の4か所だけで充分です。

FAQ用のノートブックでは、ソースの中身も大きく効いてきます。規程の本文だけでは実務の例外が分からないこともあるので、よくある質問集や申請の例も入れておくと答えが使いやすくなります。

とはいえ、例外が多すぎる資料を入れると、回答が条件分けだらけになってしまいます。社員が読む一次回答では、まず原則を書き、例外は「該当する場合は担当部署へ確認」と分けたほうが読みやすいでしょう。

社内マニュアルの更新が多い会社では、古いファイルが混ざってしまう失敗がよく起きます。ノートブックに入れる前に、最新版だけを選ぶ手順を作っておきましょう。

カスタム指示に「同じ内容の資料が複数ある場合は、更新日の新しい資料を優先する」と書きたくなるかもしれません。ただ、資料名や更新日が分かる形で入っていなければ、思ったとおりには動かないこともあります。

試すときは、わざと資料にない質問も混ぜてみてください。たとえば「副業申請の締切はいつですか」と聞いて、資料になければ「確認できません」と返ってくるかを見ます。

担当部署の方は、回答が正しいかどうかだけでなく、社員がそのまま動けるかどうかも見てあげてください。必要書類や申請先、確認先が抜けているなら、形の指定を足す必要があります。

FAQは読まれなければ、担当者の手間は減りません。社員が1回で答えにたどり着ける形にしておけば、問い合わせ対応の時間を減らすことが出来ます。

社内に広げる前に、よくある質問を10個ほど選び、同じ質問を何人かの担当者で確かめておきましょう。回答のズレを見れば、指示を足すべきところが見えてきます。

ここで時間をかけるほど、公開後の手直しは少なくなります。特に就業規則や経費精算のように全社員が使うものは、小さく試してから広げる流れにしてみてください。

社内資料を読む環境も会社でそろえる

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出力形式の固定化(議事録・報告のテンプレ)と部署別ひな形

出力の形を固定することは、カスタム指示を会社で使うときの中心になります。同じ資料から答えていても、回答の形が毎回違うと、担当者が貼り直したり見出しを付け直したりする手間が残ってしまいます。

議事録、週報、障害対応の報告、経費精算の確認などは、最初に型を決めておくほど使いやすくなります。NotebookLMに何を読ませるかだけでなく、どの順番で返してほしいかまで指定しましょう。

型は、細かすぎると運用のうちに崩れてきます。まずは「結論」「根拠」「次にすること」「確認先」の4つくらいに絞ると、部署をまたいでも使いやすいでしょう。

出力の形は、社員が回答を読んだあとに取る行動から逆算して決めましょう。見た目のきれいさだけで決めないようにしてください。

議事録の要約なら、決定事項、未決事項、担当者、期限の順番が向いています。決定事項が下のほうにあると、会議のあとに誰が何をするのか探す時間が増えてしまいます。

週報の要約なら、今週の進み具合、詰まっていること、来週の予定、上長に確認したいことの順番がよいでしょう。管理職が読むなら、細かい経緯より、判断が必要なところを先に出す形が合います。

経費精算なら、申請できるか、必要な添付、確認先、根拠になる規程の順番にします。社員が次に何を添付すればよいか分かるので、差し戻しを減らしやすくなります。

情シスの障害対応なら、影響の範囲、利用者がすること、管理者がすること、まだ確認中のことを分けると読みやすいでしょう。障害のときは焦って読む方が多いので、短い文で返すよう指定しておくと安心です。

総務(就業規則・規程FAQ)の指示+差し込むソース+出力例

総務向けでは、社員が知りたいのは制度の背景より、自分が次に何をすればよいかになります。指示は、結論を先に出して、根拠になる規程名をそのあとに続ける形にしましょう。

項目内容
指示あなたは総務の一次回答担当です。就業規則と社内規程に含まれる内容だけで回答してください。最初に結論を1文で書き、次に根拠となる資料名と該当箇所を示してください。資料内に記載がない場合は、推測せず総務へ確認と書いてください。
差し込むソース就業規則、休暇規程、育児介護関連の社内FAQ、申請フォームの案内文
出力例結論:このケースでは事前申請が必要です。根拠:休暇規程の該当箇所。次にすること:申請フォームから上長承認を依頼してください。確認が必要な場合:総務へ問い合わせてください。

総務でよくある失敗は、回答が世間一般の労務知識に寄ってしまうことです。社内規程の答えとして使うなら、アップロードした規程の範囲だけで答えるよう指定しておいてください。

情シス(IT利用ルール・障害対応手順)の指示+差し込むソース+出力例

情シス向けでは、専門用語を減らして、社員が自分で切り分けられる形にすることが大切になります。障害対応の回答では、利用者が試す手順と、管理者へ渡す情報を分けておきましょう。

項目内容
指示あなたは情シスの一次受付担当です。IT利用ルールと障害対応手順に含まれる範囲だけで、ITが得意ではない社員にも分かる言葉で回答してください。最初に今すぐ試すことを3つまで示し、次に管理者へ伝える情報を箇条書きにしてください。
差し込むソースアカウント利用ルール、パスワード変更手順、端末トラブル対応手順、社内SaaSの問い合わせ先一覧
出力例今すぐ試すこと:ブラウザを再読み込みする、別ブラウザで開く、パスワード再設定を試す。管理者へ伝える情報:発生時刻、画面名、エラー文、試した手順。

情シスでよくある失敗は、手順が長くなりすぎることです。社員側で試せることは3つまでにして、それでも直らないときに何を連絡すればよいかを出したほうが、対応は早くなります。

経理(経費精算)の指示+差し込むソース+出力例

経理向けでは、申請できるか、必要な書類、期限を分けると使いやすいでしょう。金額や税区分をAIに判断させるのではなく、社内ルールに書かれた条件を読み取らせる役目にしてください。

項目内容
指示あなたは経理の一次確認担当です。経費精算規程とFAQに含まれる内容だけで回答してください。申請できるか、必要な添付、差し戻しになりやすい点、根拠となる資料名の順番で返してください。資料にない判断は、経理へ確認と書いてください。
差し込むソース経費精算規程、領収書ルール、交通費FAQ、申請システムの入力手順
出力例申請可否:条件を満たせば申請できます。必要な添付:領収書または利用明細。差し戻し注意:日付と用途の記入漏れ。根拠:経費精算規程の該当箇所。

経理でよくある失敗は、細かい例外を全部一度に返そうとすることです。一次回答では原則を短く出し、例外に当たりそうなときだけ確認先へつなぐほうが運用しやすくなります。

管理職(1on1・週報の要約)の指示+差し込むソース+出力例

管理職向けでは、部下の発言を評価しすぎないことが大切です。カスタム指示では、事実、懸念、次に確認することを分けて、人柄を評価するような言い方を避けるよう指定しましょう。

項目内容
指示あなたは管理職の補助役です。1on1メモや週報に書かれた事実だけをもとに、事実、懸念、次に確認することの3つに分けて要約してください。本人の性格や能力を断定せず、記載がないことは推測しないでください。
差し込むソース1on1メモ、週報、目標シート、前回の確認事項
出力例事実:今週は顧客対応が増えています。懸念:期限が近いタスクの記載が少ない状態です。次に確認すること:優先順位と支援が必要な作業を確認してください。

管理職向けでよくある失敗は、AIの要約が評価コメントのように見えてしまうことです。人事評価や指導につながる資料では、推測をさせず、書かれた事実だけを扱う指示にしておきましょう。

部署ごとのひな形は、最初から全社共通にしないほうがうまく進みます。総務、情シス、経理、管理職では、答える相手も、避けたい失敗もそれぞれ違うからです。

それでも、根拠を出す、分からないときは推測しない、確認先を示す、という骨組みはどの部署でも使えます。部署ごとの違いは出力の項目と口調だけに絞ると、社内で管理しやすくなります。

部署ごとにばらばらの指示を一から作るより、共通の骨組みを作って差し替えたほうが、作業の時間も抑えられます。まず1つの部署で型を作り、次に似た部署へ広げてみてください。

社内展開の順番は、小さな部署から全社へ広げる

部署別のひな形が出来たら、いきなり全社に配るのではなく、質問の種類を絞りやすい部署から試すと進めやすくなります。最初の対象には、問い合わせが多くて、答えの根拠が文書にまとまっている部署が向いています。

総務や経理は、社内規程や申請ルールが文書になっていることが多いため、試しやすいでしょう。情シスも手順書があれば始めやすいのですが、障害対応は状況が毎回違うので、答える範囲を少し狭めておく必要があります。

最初の検証で、質問を50個も用意する必要はありません。よく聞かれる質問を10個、資料にない質問を3個、部署の責任範囲を超える質問を3個ほど用意すれば、カスタム指示の弱いところが見えてきます。

結果は、正解、不足、危険の3つに分けると分かりやすくなります。正解はそのまま使えた回答、不足は根拠や次の行動が足りない回答、危険は一般論や推測が混ざってしまった回答のことです。

担当者の方は、危険な回答を誰かを責める材料にしないでください。むしろ、その回答が出た質問こそ、指示に足りない条件を教えてくれる手がかりになります。

社内に広げる順番は、試し用のノートブック、部署内だけの共有、全社への案内の3段階に分けると扱いやすいでしょう。段階ごとに質問を増やしながら、指示を少しずつ直していきましょう。

部署内で共有する段階では、使う方に「答えが変だと思ったら質問文を残してください」とお願いしておくと、改善を進めやすくなります。回答のスクリーンショットだけでは、どの資料とどの質問で出たのかを追いにくくなってしまいます。

全社への案内では、出来ることより、出来ないことを先に伝えたほうが誤解は少なくなります。「社内資料に書かれた範囲だけ答えます」「資料にないことは確認先へつなぎます」と書いてみてください。

いちばん手間がかかるのは、全社に広げたあとの問い合わせ対応です。小さな範囲で先に失敗しておけば、公開後に同じ説明を何度も繰り返す時間を減らすことが出来ます。

段階見ること使う質問判断
検証用ノートブックカスタム指示が役割、口調、形式に効いているかを見るよくある質問10個、資料にない質問3個、範囲外の質問3個危険な回答が出るなら公開しない
部署内の限定共有担当部署の方が読んで、実務の回答として使えるかを見る実際に受けた問い合わせ、過去に差し戻した申請、迷いやすい例外不足が多いなら出力形式を直す
全社案内前社員が迷わず使える説明になっているかを見る入社直後の方でも聞きそうな短い質問、言葉足らずの質問案内文と確認先を足してから公開する
公開後1週間同じ質問が繰り返されていないかを見る問い合わせログ、社員からのフィードバック、担当部署の修正メモ同じ不備が続くなら指示かソースを直す
公開後1か月使われている部署と使われていない部署の差を見る部署別の利用状況、寄せられた質問の種類、更新依頼使われない理由が案内不足か資料不足かを分ける

この表は、完璧な評価表を作るためのものではありません。公開の前に見ておくところを決めて、担当者の判断をそろえるためのものになります。

社内テストで回答が少し変でも、すぐに指示を全部書き換えないでください。まず、必要な資料がソースに入っているか、資料名が分かる形になっているか、古い資料が混ざっていないかを見ていきます。

ソースが整っていないまま指示だけ足していくと、指示文が長くなりすぎてしまいます。長い指示は手入れが難しくなるので、資料の整理で直せることは資料のほうで直しましょう。

社内向けの案内文は、短いほうが読まれます。「このノートブックは、経費精算規程とFAQだけを根拠に回答します。判断に迷う場合は経理へ確認してください」くらいの文で充分です。

案内文が長いと、社員は読まずに質問を始めてしまいます。使う前の説明は短めにして、細かいルールは別の社内ページに置く形にしてみてください。

試す質問には、言葉足らずのものも入れておきましょう。「領収書をなくしました」「休みたいです」「ログインできません」のような短い質問に、必要な確認事項を返せるかどうかが、実務では大事になってきます。

短い質問にAIが勝手に前提を補ってしまうなら、指示に「不足情報がある場合は、判断せず確認質問を返す」と書き足しましょう。これだけでも、間違った案内をかなり減らすことが出来ます。

最後に、担当部署が「この回答なら社員に見せてよい」と言えるかを確かめます。AIの出力として良いかどうかではなく、部署の回答として出せるかどうかで判断してください。

ここまで済ませれば、カスタム指示はただのプロンプトではなく、部署の回答方針として扱えるようになります。社内で使う方にも、その前提が伝わりやすくなるでしょう。

バイアスの埋め込みリスクと、指示内容をスタッフに共有する対策

カスタム指示には、回答の癖をそろえられるという良さがあります。その一方で、指示に偏りが入ると、その偏りが毎回の回答に乗ってしまうことにもなります。

たとえば「申請はなるべく却下する方向で答える」と書けば、社員に厳しすぎる回答になってしまいます。「社員の希望を優先して答える」と書けば、今度は規程より甘い案内になりかねません。

社内で使うなら、指示文そのものをスタッフに共有しておくことが対策になります。どんな前提で答えているかが見える状態なら、回答の偏りにも気づきやすいでしょう。

隠れた指示は、社内FAQを便利にする一方で、回答の偏りを見えにくくしてしまいます。共有するノートブックほど、指示の中身を隠さないようにしましょう。

指示の中身を共有するときは、全文を貼り付けるだけではなかなか読まれません。役割、答える範囲、答えない範囲、根拠の出し方、分からないときの返し方の5つに分けて説明すると伝わりやすくなります。

スタッフには、「このノートブックは社内資料だけを根拠にします」「資料にないことは答えません」「回答には根拠を付けます」と短く案内してみてください。使う方が期待する答えの範囲を、最初にそろえることが出来ます。

偏りを確かめるときは、同じ質問を立場を変えて投げると見えやすくなります。社員の立場、管理者の立場、例外を相談したい方の立場で質問を作れば、回答の偏りを点検出来ます。

総務のFAQなら、会社に都合のよい答えばかりになっていないかを見ましょう。経理なら、申請した方を疑うような言い方になっていないかを確かめてください。

情シスなら、専門知識のある方だけを想定した回答になっていないかが見どころです。管理職向けなら、部下の状態を決めつける言い方がないかを読んでいきます。

指示の見直しは、1人で決めないほうが安心です。回答を受ける部署と、回答を使って案内する部署の両方で見れば、偏りに気づきやすくなります。

よくある失敗は、どこかで見つけた便利な言い回しを、そのまま社内の標準にしてしまうことです。外で見つけた指示の例は、自社の資料や責任範囲に合わせて直してから使いましょう。

もう一つは、指示を強くしすぎる失敗です。「必ず」「絶対に」を増やすと、例外のときの返し方が硬くなり、社員にとって使いにくい回答になってしまいます。

分からないときの返し方は、強く断るより、確認先につなぐほうが実務に合います。「資料内では確認できません。総務へ確認してください」のように、次の行動まで出す形にしましょう。

偏った回答が広がると、問い合わせのやり直しが増えるだけでなく、担当部署への信頼まで下がってしまいます。指示を公開して点検するのは、社内の納得感を守るための作業になります。

スタッフに共有するのは、機密そのものではなく回答の方針です。パスワードや顧客名を指示欄に入れず、どんな方針で答えるかだけを共有しましょう。

共有ノートブック、入れてはいけない情報、運用責任者の決め方

共有ノートブックで、カスタム指示が共有相手にどう効くのかは、公式に詳しい記載がありません。Google公式ブログには、共有ノートブックでも自分のチャットは自分だけに見えるとありますが、これはチャット履歴の話なので、カスタム指示の共有範囲とは分けて考えましょう。

ですから、社内で共有する前に、自社の画面で一度確かめておく必要があります。作成者、閲覧者、編集者のアカウントを用意して同じ質問を投げ、回答の口調や形が同じになるかを見てください。

確かめた結果は、日付と画面の状態と一緒に残しておきましょう。サービスの画面や仕様は変わることがあるので、誰がいつ確かめたかを残すだけでも、あとで説明しやすくなります。

公式ヘルプには、カスタム指示を管理者が一括で配る設定の記載はありません。だからといって一括配布の機能はないと決めつけるのではなく、社内の手順では「各ノートブックで設定を確認する」と書いておくのが安心です。

共有前の確認を省くと、担当者にしか見えていない設定を、全員に効いているものとして案内してしまうおそれがあります。ここは別のアカウントで必ず見ておきましょう。

指示欄に入れてはいけない情報も、あらかじめ決めておきます。個人情報、顧客名、パスワード、秘密情報そのものは、カスタム指示の欄に書かないようにしてください。

指示欄は、資料を入れる場所ではありません。回答の方針を書く場所として扱い、根拠になる社内文書はソースとして入れるように分けましょう。

Workspaceでの扱いについては、アップロード、クエリ、モデルの回答が、人間のレビュアーに確認されることも、AIモデルのトレーニングに使われることもないと公式ヘルプに書かれています。個人のアカウントでは、フィードバックを提供しない限り学習には使われないという扱いになります。

この違いは、社内で使うときに必ず説明しておきたいところです。個人のアカウントで便利に試したものを、そのまま会社の資料で使うと、管理できる範囲が変わってしまいます。

運用の責任者も決めておきましょう。カスタム指示は一度書いたら終わりではなく、資料の更新や部署のルール変更、社員からの問い合わせに合わせて直していくものになります。

責任者は、AIに詳しい方だけで決めなくても大丈夫です。むしろ、資料の中身に責任を持つ部署と、設定を触る担当者を分けたほうが長く続けやすくなります。

変更の履歴は、日付、変更した方、変更の理由、影響するノートブックを残しておけば充分でしょう。承認の流れを細かく作りすぎると、かえって更新されない指示が残ってしまいます。

見直しは、四半期に1回くらいから始めるのが現実的です。制度変更の多い部署は月1回、更新の少ない研修資料なら半年に1回でもよいかもしれません。

台帳には、ノートブック名、目的、ソースの種類、カスタム指示の版、確認日、責任部署を並べておきます。これだけでも、誰がどの指示を管理しているかが見えるようになります。

よくある失敗は、作った方が退職や異動でいなくなったあと、誰も指示を直せなくなってしまうことです。個人の工夫に頼りすぎると、便利だったノートブックほど、その方にしか分からないものになってしまいます。

もう一つは、カスタム指示を長くしすぎて、何が効いているのか分からなくなる失敗です。変えるときは1回に1〜2か所だけにして、同じ確認質問で違いを見てください。

設定が一人に頼りきりになると、ここでも出費はかさみます。新しい担当者が前の意図を読み解くのに時間がかかるので、短い台帳と変更履歴を残しておくだけで、引き継ぎの負担を軽く出来ます。

社内で使う方には、「回答が変だと思ったら、質問文と一緒に根拠の資料名も担当部署へ送ってください」と案内しておくと直しやすくなります。カスタム指示の問題か、ソースの問題かを切り分けやすくなるからです。

具体的に書くコツ(曖昧語を避け数値・構造・例示)と効かないときの直し方

カスタム指示が効かないときは、AIのせいにする前に、指示のあいまいさ、矛盾、ソースとのぶつかりを見てみてください。回答が崩れる原因の多くは、何を優先するかが書かれていないことにあります。

あいまいな言葉は、思っている以上に人によって受け取り方がずれます。「簡潔に」「丁寧に」「わかりやすく」は便利ですが、長さも口調も人によって違うため、回答がなかなか安定しません。

具体的に書くには、数字、構造、例を使います。「結論を1文」「補足は3点まで」「資料にない場合は記載なしと書く」のように、判断の余地を減らしていきましょう。

直すときは、指示文を長くする前に、優先順位を1つだけ足すほうが効きやすくなります。一度にたくさん足すと、次にうまくいかなかったときの原因が見えなくなってしまいます。

よくある症状を、原因と直し方に分けると次の表のようになります。社内の担当者の方は、問い合わせが来たときにこの表を見ながら直してみてください。

症状起きやすい原因直し方
回答が長すぎる丁寧に、詳しく、背景も説明などの指示が強い最初に結論を1文、補足は3点まで、根拠は最大2件までと書く
回答が短すぎる短く答える指示だけがあり、根拠や次の行動がない結論、根拠、次にすることの3項目を必ず出すと書く
根拠が弱い資料名や該当箇所を出す指定がない資料名、見出し、条文番号、ページが分かる場合は示すと書く
一般論が混ざるソース外を補わない指示が弱い資料内で確認できません、という返し方を先頭に指定する
口調が硬い役割だけが部署名で、読み手が指定されていないITが得意ではない社員向け、入社直後の社員向けなど読み手を書く
部署の責任範囲を超える答えてよい範囲と確認先がない担当部署の資料範囲だけで答え、範囲外は確認先へつなぐと書く
Studio出力が変わらないチャット設定がStudioにも効く前提で見ているStudio側のカスタマイズ欄を別に使い、[Studio] パネルのその他メニューにある [カスタム プロンプトを表示] で確認する

指示が長すぎるときは、まず矛盾を探してみましょう。「短く答える」と「背景まで詳しく説明する」が同じ強さで入っていると、どちらに寄るかが回答ごとに変わってしまいます。

ソースと指示がぶつかることもあります。資料には細かい例外が多いのに、指示で「必ず3点以内」と書くと、必要な条件が抜けてしまうかもしれません。

こういうときは、ふだんの回答と例外のときの回答を分けるほうが安心です。「原則は3点以内。例外条件がある場合は、例外として見出しを分ける」と書いてみてください。

保存済みプロンプトのように、毎回入力する質問文で対応したくなる場面もあるでしょう。ただ、NotebookLMの機能として社内で整理するなら、いつも効かせたい前提はカスタム指示に置き、案件ごとに変わる依頼はチャット欄に書くと分けやすくなります。

Studio側の生成物については、チャットのカスタム指示とは別に考えます。音声解説やレポートの生成に使ったプロンプトを確認できるなら、生成物ごとの指示も台帳に残しておきましょう。

試す質問には、よい質問だけでなく、少し意地悪な質問も入れてください。資料にないこと、部署の責任範囲を超えること、古い資料と新しい資料が混ざることを試すと、弱いところが見えてきます。

たとえば、「この規程にない例外はありますか」「上司が認めれば申請できますか」「去年のルールではどうでしたか」のような質問です。推測せずに返せるかどうかを見ましょう。

直したあとは、同じ質問でもう一度試します。質問を変えてしまうと、指示を直したから良くなったのか、たまたま別の質問だから良く見えたのかが分からなくなります。

切り分けの手順がないと、担当者が毎回一から原因を探すことになってしまいます。症状ごとの直し方を表にしておけば、修正にかかる時間を短く出来ます。

最後に、指示の改善を終わりのない作業にしないでください。目指すのは完璧なプロンプトではなく、社内で使える回答が安定して返ってくることです。

カスタム指示と毎回の質問文を分ける

NotebookLMを社内で使っていると、カスタム指示に何もかも書きたくなることがあります。けれども、毎回変わる条件まで入れてしまうと、別の質問のときにも要らない条件が残ってしまいます。

カスタム指示に置くのは、いつも守りたい前提です。役割、口調、根拠の出し方、分からないときの返し方、出力の形は、毎回変えないものなのでカスタム指示に向いています。

チャット欄に書くのは、その場だけの依頼になります。今回の会議だけ、今回の申請だけ、今回の資料だけに当てはまる条件は、カスタム指示ではなく質問文に入れましょう。

この分け方を社内で説明しておかないと、担当者ごとにカスタム指示がどんどん膨らんでしまいます。長くなった指示は、あとから読んだ後任の方には、どこまでが標準でどこからが一時的な条件なのか分かりにくくなります。

置く場所向いている内容例避けたい使い方
カスタム指示毎回守る回答方針社内資料だけを根拠にする。結論、根拠、次にすることの順で答える。今日だけ必要な条件や、特定案件の前提を入れ続ける
チャット欄その場だけの依頼この週報を管理職向けに要約してください。来週の確認事項を3つ出してください。毎回同じ形式を手入力し続ける
ソース根拠となる資料就業規則、経費精算規程、IT利用ルール、FAQ、申請手順回答方針や口調の指示を資料本文に混ぜる
Studio側のカスタマイズ生成物ごとの調整音声解説の聞き手、レポートの構成、動画解説の目的チャットの設定だけでStudio出力も変わる前提にする

社内ルールには、「いつも守ることはカスタム指示、今回だけのことはチャット欄」と書いておけば伝わりやすいでしょう。この一文があるだけで、指示欄が膨らみすぎるのを防ぎやすくなります。

よく使う質問文を別に保存して管理する場合も、役割が重ならないようにしましょう。カスタム指示にも質問文にも「総務担当者」と書いてしまうと、直す場所が増えてしまいます。

毎回の質問文には、目的、対象、ほしい形を短く書くのがおすすめです。「新入社員向けに、交通費精算の注意点を3点でまとめてください」のように、その場だけの条件に絞りましょう。

反対に、カスタム指示に「新入社員向け」と決め打ちしないほうがよい場合もあります。同じノートブックを管理職も使うなら、読み手を限定しすぎると、ほかの使い方がしにくくなってしまいます。

迷ったときは、1週間後にも同じ条件を使うかどうかで分けてみてください。毎週使うならカスタム指示、今日だけならチャット欄と決めておくと、担当者も迷いにくくなります。

毎回同じ形を手で打ち込む時間も、積み重なると意外と大きくなります。よく使う形はカスタム指示に寄せて、案件ごとの条件だけをチャット欄に残せば、同じ作業の繰り返しを減らすことが出来ます。

確認質問のセットを先に作っておく

カスタム指示を直すたびに違う質問で試していると、良くなったのかどうかが判断しにくくなります。部署ごとに確認質問のセットを持っておけば、変える前と後の違いも見やすくなるでしょう。

確認質問は、簡単な質問、あいまいな質問、資料にない質問、責任範囲を超える質問を混ぜて作ります。良い質問だけで試すと、公開してから弱いところが出てきてしまいます。

総務なら、休暇、勤務時間、申請先、例外を混ぜてみましょう。経理なら、領収書、交通費、差し戻し、期限を入れてください。

情シスなら、ログイン、端末、パスワード、権限、障害時の連絡を入れます。管理職向けなら、週報、1on1、終わっていないタスク、本人への確認事項を入れておきましょう。

部署確認質問見たい回答危険な回答
総務半休と時間休は同じ日に使えますか資料内のルールに沿って、結論と根拠を出す一般的には可能です、と社内規程を見ずに答える
総務子どもの看護で休む場合は何を出しますか必要な申請や確認先を出す制度の説明だけで、次にすることがない
総務規程に書いていない特別休暇はありますか資料内では確認できないと返す社外の一般制度を混ぜて答える
情シスログインできません最初に試すことと、管理者へ伝える情報を出す原因を断定する
情シススマホに業務データを保存してよいですかIT利用ルールの範囲で答える便利さを理由に許可するような回答になる
情シス社外のAIに資料を入れてよいですか社内ルールの範囲と確認先を出す一般論で安全性を説明する
経理領収書をなくしました資料にある代替手続きや確認先を出す申請不可と即断する
経理交通系ICの履歴だけで申請できますか必要な添付と注意点を出す資料にない添付を作り出す
経理去年のルールではどうでしたか入っている資料の範囲だけで答える過去ルールを推測する
管理職この週報のリスクを教えてください記載された事実だけで懸念を分ける本人の能力や性格を断定する
管理職1on1で次に聞くことを出してください確認質問を短く並べる指導方針を強く決めつける
管理職この部下は問題がありますか記載だけでは断定できないと返す評価コメントのように断定する

確認質問を台帳に残しておけば、指示を直したあとの再テストもすぐに回せるようになります。新しい担当者が来たときも、どの質問で品質を見ているかをそのまま引き継げます。

質問のセットは、運用が始まってから増やしていって構いません。公開後に実際の問い合わせが届いたら、代表的なものを確認質問に足していきましょう。

ただ、質問を増やしすぎると、誰も回せなくなってしまいます。部署ごとに10〜15問くらいにして、危険な回答が出やすい質問を優先してください。

確認質問を作るときは、答えを知っている担当者だけで作らないほうがよいでしょう。実際に質問してくる社員の言葉は、短くて、あいまいで、背景が足りないことが多いからです。

社員の言葉に近い質問で試すほど、本番に近い確認になります。きれいな質問だけで合格にしてしまうと、公開してから思ったほど使われないこともあります。

質問のセットは、費用の面でも小さな投資になります。毎回の確認を担当者の勘に頼らず、同じものさしで見られるようになるからです。

台帳に残す項目と、見直しのしかた

カスタム指示を社内で使い続けるなら、台帳があると安心です。大げさな管理表でなくてもよく、誰が見ても今の状態が分かる一覧があれば充分でしょう。

台帳に入れるのは、ノートブック名、目的、対象部署、ソース、カスタム指示の版、責任者、確認日、次の見直し日、直近の変更理由です。これだけあれば、一人に頼りきりの状態はかなり減らせます。

変更の理由は短くて構いません。「経費精算FAQを追加」「不明時の返し方を修正」「根拠表示を資料名と見出しに変更」のように、あとから読んで分かる程度で足ります。

カスタム指示そのものは、台帳に全文を入れるか、別のファイルで管理します。どちらにしても、どれが最新版なのかが分かるようにしておいてください。

項目記入例見る理由
ノートブック名経費精算FAQ社員に案内する名前と管理名をそろえるため
目的経費精算の一次回答を返す用途外の質問が増えたときに止めるため
対象部署全社員、経理確認誰向けの回答かを見失わないため
主なソース経費精算規程、交通費FAQ、申請手順回答の根拠を説明するため
指示の版v1.2変更前後の回答を比べるため
責任部署経理内容の判断者を明らかにするため
設定担当情報システム担当画面を触る方を明らかにするため
確認日2026年10月14日仕様や画面の確認時点を残すため
次回見直し2027年1月古い指示を放置しないため
直近の変更理由領収書紛失時の回答が強すぎたため修正なぜ変えたかを引き継ぐため
確認質問セット経理確認質問v1再テストに使う質問を固定するため
公開範囲全社員閲覧可誰が使える状態かを確認するため

台帳は、細かく作りすぎると続きません。まずはスプレッドシートで始めて、運用が回り出してから必要な列だけ足していきましょう。

見直すきっかけは、資料の更新、問い合わせの増加、危険な回答が見つかったとき、担当者が変わるときの4つになります。決まった時期の見直しだけに頼っていると、問題が出てから直すまでの間が長くなってしまいます。

資料を更新したら、ソースを差し替えるだけで終わらせないでください。確認質問をもう一度回して、根拠の出し方が崩れていないかを見ます。

問い合わせが増えたら、まず社員が何に迷っているのかを見てみましょう。カスタム指示ではなく、ソースが足りなかったり、社内への案内が足りなかったりするのが原因のこともあります。

危険な回答が出たら、公開範囲をいったん絞る判断も必要になります。間違った回答を出し続けるより、短く止めて直したほうが、現場の混乱は小さく済むでしょう。

担当者が変わるときは、台帳と確認質問のセットを一緒に渡してください。画面の操作だけ引き継いでも、なぜその指示になっているかが分からなければ、次に直すときに崩れやすくなってしまいます。

会社で使うAIの運用は、最初の設定より、続けて直していける体制のほうで差がつきます。NotebookLMのカスタム指示も、台帳が1つあるだけで、担当者の勘に頼らない形に近づけることが出来ます。

そのまま使えるカスタム指示の長文サンプル

短い指示から始めるのが基本ですが、社内での検証が進んできたら、少し長めの標準文を持っておくと便利になります。ここでは部署ごとに、役割、範囲、根拠、分からないときの返し方、口調をまとめた文章を載せておきます。

そのまま貼り付ける前に、部署名、確認先、ソースの名前だけは自社の呼び方に直してください。外の例文を直さずに使うと、実際の責任部署や資料名と合わなくなってしまいます。

総務向けの長文サンプル:あなたは総務の一次回答担当です。アップロードされた就業規則、休暇規程、社内FAQ、申請手順に含まれる内容だけを根拠に、社員からの質問へ回答してください。最初に結論を1文で書き、その後に根拠となる資料名、該当する見出しや条文、次に社員がすることを順番に示してください。資料内に記載がない場合は、推測せず「資料内では確認できません。総務へ確認してください」と答えてください。社員を責める言い方は避け、入社直後の方にも伝わる短い文で書いてください。一般的な労務知識で補わず、社内資料に書かれている範囲だけを扱ってください。

総務向けでは、制度の説明だけで終わらないようにしましょう。社員は「自分は次に何をすればよいか」を知りたいことが多いので、申請先や確認先まで出てくるかを試してみてください。

情シス向けの長文サンプル:あなたは社内情シスの一次受付担当です。アップロードされたIT利用ルール、アカウント手順、障害対応手順、問い合わせ先一覧に含まれる範囲だけで回答してください。回答は、今すぐ試すこと、管理者へ伝える情報、根拠となる資料名の順番で書いてください。原因を断定せず、利用者側で確認できる手順を3つまで示してください。資料にない設定変更や回避策は案内しないでください。ITが得意ではない社員にも分かる言葉で、短く丁寧に答えてください。緊急対応が必要に見える場合は、自己判断させず、情シスへ連絡するよう案内してください。

情シス向けでは、利用者が試せる手順と、管理者が必要な情報を分けることが大切になります。回答が専門用語に寄りすぎるようなら、読み手の指定を足してみましょう。

経理向けの長文サンプル:あなたは経理の一次確認担当です。アップロードされた経費精算規程、領収書ルール、交通費FAQ、申請システム手順に含まれる内容だけを根拠に回答してください。回答は、申請できるか、必要な添付、差し戻しになりやすい点、根拠となる資料名、確認先の順番で書いてください。資料にない費目や例外の判断は推測せず、経理へ確認と案内してください。社員が次に入力または添付するものが分かるように、短い文で答えてください。税務や会計の一般論で補わず、社内の精算ルールとして確認できる範囲だけを扱ってください。

経理向けでは、AIの回答を承認の代わりにしないことも伝えておきます。一次確認として使い、最終的な判断が必要なものは経理に戻す流れにしましょう。

管理職向けの長文サンプル:あなたは管理職の補助役です。アップロードされた1on1メモ、週報、目標シート、前回の確認事項に書かれた事実だけをもとに、事実、懸念、次に確認することの3つに分けて要約してください。本人の性格、能力、評価を断定しないでください。資料に書かれていない背景を推測せず、不足している情報は「次に確認すること」として質問に変えてください。管理職が次の面談で使えるように、責める言い方を避け、短く落ち着いた文で書いてください。人事評価や処分の判断を代わりに出さないでください。

管理職向けでは、要約が評価コメントのように見えないかを必ず確かめます。便利な要約ほど、人に対する決めつけが混ざりやすいので気をつけてください。

これらの長文サンプルは、最初から全部の部署で使うためのものではありません。1つの部署で試して回答の癖を見てから、自社の言葉に直していくとよいでしょう。

長文サンプルを台帳に入れるときは、最新版だけでなく前の版も残しておくと戻しやすくなります。変えたあとで回答が悪くなっても、どこを変えたかを追えるからです。

30日で試すときの進め方

社内で取り入れるときは、期間を区切ると進めやすくなります。ここでは30日を例にしていますが、日数そのものに特別な意味はありません。

大事なのは、作る日、試す日、直す日、案内する日を分けることです。全部を同じ日に済ませようとすると、回答の確認が浅くなり、公開後の手戻りが増えてしまいます。

時期やること見るべき点残すもの
1〜3日目対象部署を1つ決め、目的と使う資料を選ぶ資料が社内回答の根拠として使える状態かを見る対象部署、目的、ソース一覧
4〜6日目カスタム指示の初版を書く役割、範囲、根拠、不明時の返し方が入っているかを見る指示v0.1、作成者、作成日
7〜9日目確認質問セットを作るよくある質問、資料にない質問、範囲外の質問が混ざっているかを見る確認質問10〜15問
10〜12日目検証用ノートブックで回答を試す危険な回答がないか、不明時に推測しないかを見る回答ログ、修正メモ
13〜15日目指示を1回だけ直す一度に直しすぎず、原因が追えるかを見る指示v0.2、変更理由
16〜18日目同じ確認質問で再テストする前回の危険な回答が直ったかを見る比較メモ、未解決点
19〜21日目部署内の数名に限定共有する実際の言葉で質問しても回答が崩れないかを見る利用者メモ、追加質問
22〜24日目案内文と注意書きを作る出来ることと出来ないことが短く伝わるかを見る社内告知文、FAQ
25〜27日目台帳を整える責任部署、設定担当、確認日、次回見直しがあるかを見る運用台帳、版管理
28〜30日目小さく公開し、問い合わせ先を案内する社員が迷ったときの戻り先があるかを見る公開メモ、問い合わせ窓口

この進め方なら、最初の1か月で作り込みすぎず、使える範囲を見ながら広げていけます。社内の方にも、まだ検証中のところと、正式に使ってよいところを分けて案内することが出来ます。

30日の途中で危険な回答が出たら、公開日にこだわらないでください。公開を急ぐより、答えてはいけない範囲を直したほうが、あとの説明がずっと楽になります。

検証中のノートブックには、タイトルや説明に検証中であることを書いておきましょう。正式なFAQと間違えて使われると、まだ確かめていない回答が社内に広がってしまいます。

公開したあとは、問い合わせの件数だけで成功かどうかを判断しないほうがよいでしょう。問い合わせが減っていても、社員が自己判断で間違った対応をしている可能性があるので、代表的な質問への回答はときどき見直してみてください。

30日で一気に完璧なものを作るより、30日で最初の運用に乗せるほうが現実的です。最初の範囲を狭くしておけば、確認にかかる時間も抑えやすくなります。

社員へ知らせる文面の例

NotebookLMの社内ノートブックを公開するときは、使い方の説明を長くしすぎないことが大切になります。社員が知りたいのは、どんな質問に使ってよいか、回答をどこまで信じてよいか、困ったときに誰へ聞けばよいかです。

告知文では、AIの仕組みまで細かく説明しなくても構いません。対象の資料、回答の範囲、確認先、注意点だけを短く書いたほうが読まれやすくなります。

総務FAQの告知文例:総務FAQ用のノートブックを公開しました。就業規則、休暇規程、申請手順に書かれている内容について、結論、根拠、次にすることの順で回答します。資料にない内容は推測せず、総務へ確認する案内になります。休暇や申請の前に確認したい方は使ってみてください。回答に違和感がある場合は、質問文と表示された根拠を添えて総務へ連絡してください。

情シスFAQの告知文例:情シスFAQ用のノートブックを公開しました。ログイン、端末、社内SaaS、パスワード変更など、社内IT利用ルールと手順書に書かれている範囲で回答します。障害の原因を断定するものではなく、最初に試すことと、情シスへ伝える情報を整理するためのものです。緊急の障害や業務停止につながる内容は、これまで通り情シスへ直接連絡してください。

経理FAQの告知文例:経費精算FAQ用のノートブックを公開しました。経費精算規程、領収書ルール、交通費FAQに書かれた範囲で、申請できるか、必要な添付、差し戻しになりやすい点を回答します。資料にない例外や判断が必要なものは、経理へ確認する案内になります。申請前の確認に使い、最終判断が必要なものは経理へ問い合わせてください。

告知文には、出来ることだけでなく、出来ないことも入れておきましょう。出来ないことが書かれていないと、社員が「AIが答えたから大丈夫」と受け取ってしまうことがあります。

回答に違和感があったときの連絡方法も、最初から書いておくと改善が早く進みます。質問文、回答、表示された根拠の3つを送ってもらえば、ソースの問題か指示の問題かを見分けやすくなります。

公開したあとの案内では、使うことを強制しないほうが始めやすいでしょう。「まずは申請前の確認に使ってみてください」と伝えると、使う場面が思い浮かべやすくなります。

告知文が分かりにくいだけで、問い合わせは増えてしまいます。ノートブックを作る時間だけでなく、使い始めてもらうための説明文にも少し時間をかけてみましょう。

入れてはいけない情報を、社員向けにどう説明するか

指示欄に入れてはいけない情報は、担当者だけでなく、使う社員にも伝えておく必要があります。社員がチャット欄に何を入れてよいか迷う場面もあるからです。

説明が禁止事項の羅列になると、なかなか読まれません。なぜ避けるのか、代わりにどう書けばよいのかを一緒に示すと、現場でも守りやすくなります。

入れないもの避ける理由代わりの書き方
個人名や社員番号本人を特定できる情報が回答や履歴に残るため対象者、申請者、部門Aの社員のようにぼかす
顧客名や取引先名社外秘の情報として扱うべき場合があるため顧客A、取引先B、既存顧客のように置き換える
パスワードや認証コード漏れてはいけない認証情報そのものだからパスワード再設定手順を確認したい、と質問する
未公開の人事情報閲覧範囲が限られる情報だから制度の一般的な扱いを確認する質問に変える
契約書の相手先や金額社外秘や契約上の制限がある場合があるため契約書の条項名や確認したい論点に絞る
秘密情報そのもの回答方針ではなく、保護すべき情報だから秘密情報を含まない範囲で手順や判断条件を聞く

この表は、カスタム指示の中に入れるものではありません。社員向けの利用ルールや社内の告知に置いて、質問するときの注意として案内しましょう。

カスタム指示の欄そのものにも、秘密情報は書かないようにしてください。指示欄は「社内資料だけを根拠にする」「推測しない」といった方針を書く場所になります。

社員に説明するときは、「AIだから危ない」と大きく言うより、「社内資料と個人情報は置く場所を分ける」と伝えたほうが実務に合います。怖がらせて止めるより、使い方を決めたほうが長続きするでしょう。

Workspaceと個人アカウントでデータの扱いが違う点も、担当者には説明しておきましょう。会社のルールとして使うなら、どのアカウントで使うかをそろえておくことが大切になります。

情報の扱いの説明があいまいだと、ここでも余計な手間が生まれてしまいます。あとから利用を止めて調べ直すより、最初に入れてはいけないものを短く案内しておくほうが、ずっと負担は軽くなります。

回答を人が確認する場所を決める

NotebookLMの回答は、社内資料に沿った下書きとして使うのが安心です。特に、申請できるかどうか、例外への対応、社員への正式な案内は、人が確認する場所を決めておきましょう。

とはいえ、すべてに人の確認を入れると、AIを使う意味が薄れてしまいます。だからこそ、確認が必要な回答と、社員が自分で参考にしてよい回答を分けておきます。

回答の種類社員がそのまま使いやすいもの人の確認を入れるもの
手順の確認申請フォームの場所、添付書類、問い合わせ先例外的な手続き、期限を過ぎた申請
規程の読み取り資料に明記された条件、条文の場所複数の規程がぶつかる判断、本人に不利益が出る判断
ITトラブル再読み込み、パスワード再設定、連絡時に伝える情報権限変更、データ削除、端末交換
経費精算必要な添付、入力項目、差し戻し注意規程にない費目、例外承認、金額の扱い
管理職補助週報の事実整理、次に聞く質問評価、処分、配置転換の判断

確認が必要なところを決めておくと、カスタム指示にも書きやすくなります。「例外判断は担当部署へ確認」と書いておけば、AIが無理に答えようとする範囲を狭めることが出来ます。

人が確認する基準は、会社ごとに違って構いません。それでも、本人に不利益が出る判断、社外に出す回答、金額や権限が変わる判断は、慎重に扱ったほうがよいでしょう。

社員には、「この回答は手続きの確認用です。例外や判断が必要なものは担当部署へ確認してください」と案内します。この一文があるだけで、AIの回答を正式な判断と思い込んでしまう誤解を減らせます。

担当部署の方が、AIの回答を全部直す必要はありません。危険な回答が出やすい種類を見つけて、そこだけ確認に回すようにすれば、無理なく続けられるでしょう。

確認を入れすぎても、入れなさすぎても、結局は負担になってしまいます。人が見るべきところを決めておくことが、AIを使う作業時間をほどよく抑えるための調整になります。

公開前に見るチェックリスト

社内ノートブックを公開する前には、画面の設定だけでなく、資料、指示、案内、責任者をまとめて確かめます。ここを飛ばしてしまうと、公開後に同じ質問が集まり、担当部署の時間が取られてしまいます。

チェックリストは、承認のための書類ではなく、見落としを減らすための道具です。全部を完璧に埋めるより、まだ確かめていないところが分かる状態にすることを優先しましょう。

  • ノートブックの目的が1文で言える経費精算の一次回答、休暇申請の確認、ITトラブルの初動整理など、用途が広がりすぎていないかを見ます。
  • 入っているソースが最新版だけになっている古い規程、旧フォーム、過去のFAQが混ざると、カスタム指示が正しくても回答がずれてしまいます。
  • ソースのファイル名で根拠を追える最終版、最新版、コピーのような名前では、社員が根拠を確認しにくくなります。
  • カスタム指示に役割がある総務、情シス、経理、管理職補助など、誰の立場で答えるのかが書かれているかを確認します。
  • 答えてよい範囲が書かれている社内資料だけ、特定の規程だけ、FAQだけなど、回答範囲が狭く書かれているかを見ます。
  • 資料にない場合の返し方がある推測せず、資料内では確認できませんと返し、確認先を示す流れになっているかを確認します。
  • 根拠の出し方が決まっている資料名、見出し、条文、ページなど、出せる範囲で根拠を示す指示になっているかを見ます。
  • 回答の長さが読み手に合っている社員向けは短く、研修向けは少し丁寧に、管理職向けは判断材料を先に出すなど、読み手に合わせます。
  • 確認質問セットで再テストしている良い質問だけでなく、資料にない質問、範囲外の質問、短すぎる質問を混ぜて見ます。
  • 共有相手のアカウントで見ている作成者だけでなく、閲覧者や編集者の画面で回答の形式がどうなるかを確認します。
  • Studio側の出力と混同していないチャットのカスタム指示と、音声解説やレポート側のカスタマイズを分けて説明します。
  • 指示欄に秘密情報そのものがない顧客名、個人情報、パスワード、未公開人事情報を指示欄へ書いていないかを見ます。
  • 社員向けの告知文が短い出来ること、出来ないこと、違和感があるときの連絡先が短く書かれているかを確認します。
  • 責任部署と設定担当が分かれている内容を見る部署と、画面を触る担当を分けると、更新時の判断がしやすくなります。
  • 次回見直し日がある公開したまま放置せず、資料更新や問い合わせ状況に合わせて見直せる状態にします。

このチェックリストを使えば、公開前の確認が「なんとなく大丈夫」で終わらなくなります。まだ確かめていない項目があれば、公開の範囲を絞るか、注記を付けてから出すかを判断出来ます。

公開前のチェックは、短くても入れておいたほうがよいでしょう。公開したあとに全社員へ訂正の案内を出すほうが、ずっと手間がかかってしまいます。

レビュー担当ごとの見方

カスタム指示のレビューは、全員が同じところを見る必要はありません。総務、情シス、経理、管理職、利用者の代表で見るところを分ければ、短い時間で確かめやすくなります。

レビューの場では、AIの文章が上手いかどうかより、会社の回答として出してよいかを見ていきます。文章が自然でも、責任範囲を超えていれば直す必要があります。

レビューする方見る場所質問例直す方向
総務制度、申請先、社員への言い方この回答で社員が次にすることが分かりますか申請先と確認先を足す
総務不利益につながる判断休暇や勤務の判断をAIが断定していませんか判断が必要なものは総務確認へつなぐ
情シスセキュリティと手順社員が自己判断で危ない操作をしませんか管理者へ連絡する条件を足す
情シス専門用語ITが苦手な方にも読めますか言葉を短くし、試す手順を3つまでにする
経理申請可否と添付差し戻しになりやすい点が見えますか必要な添付と注意点を分ける
経理例外判断規程にない費目をAIが認めていませんか経理確認へ戻す条件を書く
管理職人への断定本人の性格や能力を決めつけていませんか事実と次の確認質問に分ける
管理職面談での使いやすさそのまま1on1で聞ける質問になっていますか責める言い方を避けた質問に直す
利用者代表読みやすさ最初の1文で何をすればよいか分かりますか結論を先に出し、補足を後ろへ回す
利用者代表迷ったときの戻り先分からないときに誰へ聞けばよいですか確認先を回答形式に含める

担当を分けると、レビューの会議も長引きにくくなります。全員で全文を読むより、それぞれの責任範囲を短く見たほうが進めやすいでしょう。

利用者の代表によるレビューは、思っている以上に大事になります。担当部署には当たり前の言葉でも、社員には分かりにくいことがあるからです。

レビューで出た意見を、全部そのまま指示に入れるのはやめておきましょう。指示に入れるもの、ソースを直すもの、告知文に書くものに分けておけば、カスタム指示が膨らみすぎることもありません。

レビューにかかる時間も、人の時間という意味では会社の出費です。役割を分けて見れば、会議を短くしながら、危険な回答も見逃しにくく出来ます。

よくある失敗を公開後にどう直すか

公開してから失敗が見つかるのは、珍しいことではありません。大切なのは、見つけたときに慌てて全部を書き換えないことになります。

まず、失敗した回答を1つの事例として残しておきます。質問文、回答、根拠として出た資料、使ったアカウント、確認した日を残しておけば、原因を追いやすくなります。

次に、失敗を分類してみましょう。指示の問題、ソースの問題、質問文の問題、共有設定の問題、Studioとの取り違えのどれに近いかを見ていきます。

失敗最初に見る場所急いで止めるべき場合直し方
資料にないことを答えた不明時の返し方、ソース外を補わない指示社員の判断や申請に影響する場合資料内で確認できません、を先頭に返す指示を足す
古いルールで答えたソースの更新日、古い資料の混入制度変更後の申請に影響する場合古い資料を外し、最新版の名前を分かりやすくする
回答が強すぎた口調、役割、禁止表現社員を責める表現が出る場合責める言い方を避け、確認先へつなぐ表現を足す
根拠が出ない根拠の形式、資料名の付け方正式な案内として使われる場合資料名と該当箇所を必ず出す指示に変える
回答が長い回答の長さ、項目数社員が読まずに問い合わせへ戻る場合結論1文、補足3点、根拠2件までにする
共有相手だけ回答が違う共有時の挙動、相手の権限、チャット設定全社へ違う説明を出している場合別アカウントで再確認し、社内手順を直す
Studio出力が期待と違うStudio側のカスタマイズ欄社外へ出す資料に使う場合チャット設定とは別に生成物ごとのプロンプトを見直す

公開後に直すときは、社員への案内もセットにしてください。指示だけ直しても、すでに受け取った回答を社員が使い続けていることがあります。

案内文は短くて構いません。「経費精算FAQの回答形式を修正しました。資料にない例外は、経理へ確認する案内に変えています」のように、何が変わったかを一文で伝えましょう。

危険な回答が出たときは、いったん公開範囲を絞るという判断もあります。便利さを優先して出し続けるより、短く止めて直したほうが信頼を守りやすくなります。

直したあとは、同じ質問でもう一度試してみてください。同じ質問で直っていなければ、別の質問ではたまたま良く見えているだけかもしれません。

公開後の修正は、決まった流れにしておくほうが楽になります。連絡先、記録する項目、再テストの流れを決めておけば、問題が起きても慌てずに直すことが出来ます。

社内資料をNotebookLMへ入れる前の整理

カスタム指示だけ整えても、ソースが読みにくければ回答は安定しません。社内資料を入れる前に、古い資料、重複した資料、名前の分かりにくい資料を整理しておきましょう。

特に、同じ規程の版違いが何本もあると、回答が揺れてしまいます。最新版だけを入れるのか、過去の版も比べるために入れるのかを先に決めてください。

社員向けのFAQでは、正式な規程と、担当部署がふだん答えている補足が別々になっていることがあります。補足が文書になっていないなら、FAQとして短くまとめてからソースに入れると答えやすくなります。

資料の状態起きること入れる前の直し方
ファイル名が最終版だけになっている根拠として表示されても社員が探せない部署名、文書名、更新日を入れる
古い資料と新しい資料が混ざっている回答が古いルールを拾う場合がある最新版だけにするか、過去版であることを明記する
規程はあるがFAQがない社員向けの言い換えが弱くなるよくある質問と回答を短く作る
例外が口頭運用だけになっている資料にないため回答できない例外の扱いを文書化する
申請フォームの場所が書かれていない次にすることが出にくい申請先や問い合わせ先を資料に加える
部署ごとの呼び名が違う回答の資料名が伝わりにくい社内で使う正式な資料名を決める

資料の整理は地味ですが、カスタム指示より先に効いてくる場面もあります。AIに任せる前に、人が読んでも迷う資料になっていないかを見てみてください。

整理するといっても、全部をきれいにしようとしなくて大丈夫です。最初に使うノートブックの範囲だけ整えて、運用しながら広げていきましょう。

資料の整理を後回しにすると、AIの回答を確かめる時間がかさんでしまいます。最初に資料名と最新版をそろえるだけでも、あとの確認はかなり楽になります。

会社の出費は、契約費だけでなく工数でも見る

NotebookLMのカスタム指示を社内で使うときは、費用をサービスの料金だけで見ないほうがよいでしょう。料金やプランの数字はここでは扱いませんが、社内の作業時間が増えるところは整理することが出来ます。

たとえば、同じ問い合わせを総務が毎日受けているなら、その時間も会社の出費です。カスタム指示で一次回答が安定すれば、担当者が同じ資料を何度も開く時間を減らせるかもしれません。

一方で、指示があいまいなまま公開すると、社員から「この回答で合っていますか」という確認が増えてしまいます。そうなると、AIを入れたのにかえって確認の手間が増える結果になりかねません。

費用を見るときは、導入前の問い合わせ、公開後の問い合わせ、修正にかかった時間、資料更新の時間を分けて見ると判断しやすくなります。金額に換算しなくても、どこに時間がかかっているかは見えてきます。

時間がかかる場所増える原因減らすための設定見る指標
同じ質問への回答社員が資料を探せず、担当部署へ聞く結論、根拠、次にすることの順で返す同じ問い合わせの件数
回答の確認根拠が出ず、担当者が資料を探し直す資料名と該当箇所を出す根拠なし回答の数
差し戻し必要書類や申請先が回答に出ない必要な添付、申請先、確認先を形式に入れる申請の差し戻し理由
修正作業危険な回答の原因を毎回探す症状別の切り分け表を持つ修正にかかった回数
引き継ぎ指示を書いた方しか意図が分からない台帳と変更履歴を残す担当者変更時の確認時間
社員への再案内出来ることと出来ないことが伝わっていない短い告知文と注意点を用意する使い方の問い合わせ件数

この表を見ながら、どの作業時間を減らしたいのかを決めてみてください。目的が「問い合わせ対応を減らす」なのか「回答の品質をそろえる」なのかで、指示の書き方は変わってきます。

問い合わせ対応を減らしたいなら、社員が次にすることをはっきり出す必要があります。回答の品質をそろえたいなら、根拠と分からないときの返し方を強めるほうが向いています。

資料更新の時間を減らしたいなら、ソースの名前と台帳が大切になります。どのノートブックにどの資料が入っているか分からないと、更新のたびに確認の手間が増えてしまいます。

最初から大きな成果を狙いすぎないようにしましょう。まずは1つの部署で、同じ質問への回答時間が減るかどうかを見るくらいが現実的です。

その結果を見て、次の部署へ広げるか、資料の整理に戻るかを決めてください。小さく回したほうが、余計な出費を増やさずに進められます。

権限別に決めておきたいこと

共有ノートブックでは、作成者、編集者、閲覧者で出来ることが変わる場合があります。カスタム指示の共有範囲は公式に細かく書かれていないので、社内では権限ごとの確認を手順に入れておいてください。

作成者だけで動作を確かめて公開すると、閲覧者の画面で思っていたのと違う回答になっていても気づけません。別のアカウントで試すのは少し手間ですが、手順に入れておきましょう。

権限ごとの確認では、回答の中身だけでなく、設定を変えられるか、チャットの履歴がどう見えるか、メモに保存した回答がどう扱われるかも見ておきます。公式ヘルプでは、チャットの履歴は保持され、非公開のままになると説明されています。

立場確認すること社内で決めること
作成者カスタム指示を設定し、確認質問で回答を試せるか勝手に公開せず、責任部署の確認を受ける
編集者設定やソースを変えられるか、変えた場合に回答がどう変わるか編集できる方を絞り、変更履歴を残す
閲覧者同じ質問で同じ形式の回答が返るか公開前に閲覧者アカウントで確認する
利用者回答をメモに保存する必要があるか正式な回答として残すものと、個人メモを分ける
管理担当誰がどのノートブックを管理しているか分かるか台帳に責任部署と設定担当を残す

編集できる方を増やしすぎると、誰が指示を変えたのか追いにくくなります。部署の中で何人かが触る場合でも、変更の理由は台帳に残すようにしましょう。

閲覧者の確認では、あえて短くあいまいな質問を入れてみてください。実際の社員は、手順書のような質問文ではなく、短い言葉で聞いてくることが多いからです。

チャットの履歴が非公開になる点は、社員に説明すると安心してもらえます。ただ、履歴が非公開だからといって、何でも入力してよいわけではありません。

回答をメモに保存するときは、保存した内容があとで資料のように読まれる可能性も考えておきましょう。まだ確かめていない回答を正式なメモとして扱わないよう、保存のルールを決めておいてください。

誰でも編集できる状態にしておくと、修正のたびに原因を調べることになり、管理の時間が増えてしまいます。権限を整理しておくことも、出費を抑えるための大事な下準備になります。

最後に確認したい社内向けの合格ライン

カスタム指示に、決まった正解はありません。けれども、社内で公開してよいかどうかを判断する合格ラインなら決めることが出来ます。

合格ラインは、回答の美しさではありません。資料に沿っていること、根拠が追えること、推測しないこと、社員が次にすることが分かることの4つになります。

この4つを満たしていれば、文章が少し素朴でも社内では十分に役立ちます。反対に、文章が上手くても、根拠が追えなければ社内の回答としては不安が残ってしまいます。

合格ライン確認方法落ちる例
資料に沿っている回答の根拠がソース内にあるかを見る一般論で補っている
根拠が追える資料名や該当箇所が表示されるかを見る根拠が「資料によると」だけになっている
推測しない資料にない質問で、確認できないと返るかを見るもっともらしい例外を作る
次の行動が分かる社員が何をすればよいか1文で分かるかを見る制度説明だけで終わる
責任範囲を超えない部署外の質問を確認先へつなげるかを見る他部署の判断まで答える
読み手に合う新入社員やITが苦手な方でも読めるかを見る専門用語だけで説明する

合格ラインを先に決めておくと、レビューで迷いにくくなります。好みの文章に直す作業と、危険な回答を直す作業を分けられるからです。

社内の方には、最初から完璧な回答を期待しすぎないよう伝えておきましょう。NotebookLMのカスタム指示は、社内資料を使いやすくするための設定で、人の判断を丸ごと置き換えるものではありません。

カスタム指示は、あくまで回答の方針を書く場所になります。資料そのもの、秘密情報、個別の判断は、入れる場所と確かめる人を分けて運用してください。

公開後の問い合わせを、改善材料として受け取る

社内ノートブックを公開すると、最初のうちは質問や違和感の連絡が届きます。これは失敗ではなく、カスタム指示とソースを直すための材料になります。

ただ、受け取り方を決めていないと、担当者のチャットやメールに情報が散らばってしまいます。あとから見返せない形で集めていると、同じ問題を何度も繰り返すことになりかねません。

問い合わせの受け皿には、質問文、回答、根拠として出た資料、何に困ったかを入れてもらうとよいでしょう。長い説明までは求めなくて大丈夫です。

社員には、「回答が違うと思ったら、正しい答えだけでなく、どの質問でそうなったかを送ってください」と伝えておきます。質問文がないと、同じ状態を再現しにくくなるからです。

集める項目理由社員への聞き方
質問文同じ質問で再テストするため入力した質問をそのまま貼ってください
回答どの表現が問題だったか見るため回答文を貼るか、画面を共有してください
表示された根拠ソースの問題か指示の問題かを分けるため根拠として出た資料名も送ってください
困った点読み手のつまずきを知るため長い、根拠がない、違う、怖いなど一言で構いません
希望する回答担当部署の期待と比べるためこう返ってほしかった、という形で書いてください

集まった問い合わせは、すぐに全部を直そうとしないでください。まずは、同じ原因のものをまとめるところから始めます。

根拠が出ないという声が多いなら、指示の根拠のところを直します。資料にないことを答えてしまうという声が多いなら、分からないときの返し方を強めましょう。

回答が怖い、冷たい、責められているように感じるという声があるなら、口調を直していきます。社内FAQでは、正しいだけでなく、聞きやすいことも大切になります。

公開後の改善は、月に1回などと決めてまとめて直すほうが長く続けられます。急いで止めるべき危険な回答だけはすぐに止めて、それ以外は定例で見る形にしましょう。

直したら、社員に短く知らせてください。「経費精算FAQで、資料にない例外は経理確認へつなぐ回答に修正しました」のように、変わったところだけで充分です。

こうした連絡があると、社員にも改善されていることが伝わります。使いにくいところを送っても無駄にならないと分かれば、次の改善の材料も集まりやすくなるでしょう。

問い合わせを改善の材料に変える仕組みは、費用の面でもかなり効いてきます。ただの苦情として処理すると対応の時間が増えるだけですが、指示や資料の修正に使えば、次の問い合わせを減らすことが出来ます。

公開後の運用で目指すのは、問い合わせをゼロにすることではありません。危険な回答を早めに見つけ、指示とソースを直し、社員が迷わず使える範囲を少しずつ広げていくことになります。

社員へ伝えるときの短い言い換え

社内で説明するとき、カスタム指示という言葉だけでは伝わりにくいことがあります。社員向けには、AIに性格を付けるものではなく、回答のルールを先に入れておくもの、と言い換えると分かりやすくなります。

担当部署には、回答の型を固定する設定、と伝えると実務に近づきます。経営者や管理部門には、資料を読ませる前に答え方のルールを決める設定、と説明すると、運用の話にもつなげやすいでしょう。

相手伝え方添える注意
一般社員社内資料をもとに、決まった型で答えるための設定です資料にないことは答えられない場合があります
担当部署問い合わせ回答の口調、根拠、確認先をそろえる設定です指示だけでなくソースの整理も必要です
管理職週報や1on1メモを、事実と次の確認事項に分ける設定です評価や判断を代わりに出すものではありません
経営者社内資料を使う前に、答え方と責任範囲を決める設定です運用責任者と見直しの仕組みが必要になります
情シスノートブックごとの回答方針を整える設定です共有時の効き方は別アカウントで確認してください

言い換えを用意しておくと、相手に合わせて話しやすくなります。カスタム指示の細かい書き方より先に、何のための設定なのかをそろえておきましょう。

社内でよく使う呼び名も、決めておくと混乱が減ります。NotebookLM、Gemini Notebook、社内FAQノート、経費精算ノートのように呼び方が増えていくと、社員はどれを開けばよいのか迷ってしまいます。

おすすめは、社内向けの名前を仕事の名前に寄せることです。「NotebookLMで聞いてください」より、「経費精算FAQノートで確認してください」のほうが、使う場面がはっきりします。

管理する側の台帳には公式の名前を残し、社員向けの案内では仕事の名前を前に出しましょう。こうしておけば、公式ヘルプを確かめる方も、毎日使う方も迷いにくくなります。

呼び名をそろえるのは小さな作業ですが、問い合わせの入口をそろえることにもつながります。どのノートを開くか迷う時間も、積み重なれば会社の出費になってしまいます。

別の部署へ広げるときも、この呼び名の考え方はそのまま使えます。仕事の名前、根拠の資料、確認先をそろえて案内すれば、社員はAIの機能の名前を覚えなくても使い始めることが出来ます。

社内でAIが定着するかどうかは、難しい説明より、迷わず開ける入口で決まる場面もあります。カスタム指示を整えるのと同じくらい、入口の名前も丁寧に決めてみてください。

小さな名前の統一でも、使う方の迷いを減らす助けになります。公開の前には、部署の中で一度声に出して呼んでみるとよいでしょう。しっくりこないときは、公開範囲を狭めたまま、もう少し試してから広げても遅くはありません。

社内資料をAIで読ませる環境を、会社でまとめる

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスです。社内文書RAGで自社資料を読み込ませて回答でき、よく使う指示と手順はカスタムプラスで社内限定のBOTとして共有出来ます。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。

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よくある質問

NotebookLMのカスタム指示はどこから設定しますか?
Web版のnotebook.google.comでノートブックを開き、[チャット] パネルの [チャットを設定] から会話のスタイルを「カスタム」にして、[保存] を押します。公式ヘルプでは、モバイルアプリではこの機能に制限がある場合があると案内されています。社内の手順はWeb版を前提にしておくと安心でしょう。
カスタム指示には何を書けばよいですか?
役割、答えてよい範囲、口調、出力の形、分からないときの返し方を書いておきます。社内で使うなら、「総務担当者として、社内規程の範囲だけで、結論、根拠、次にすることの順に答える」といった形にすると使いやすくなります。資料にない内容は推測しない、という指定も入れておいてください。
カスタム指示は何文字まで書けますか?
公式ヘルプに上限の記載はなく、海外メディアは500字から1万字に広がったと報じています。公式に発表された数字ではないので、社内ルールでは上限として扱わないほうが安心です。自社の画面でどれくらい入るかを確かめ、確認した日と一緒に社内メモに残しておきましょう。
共有ノートブックではカスタム指示も共有されますか?
公式に詳しい記載がないため、決めつけないほうが安心です。共有する前に、作成者、閲覧者、編集者のアカウントで同じ質問を試し、回答の口調や形が同じになるかを確かめてください。Google公式ブログには、共有ノートブックでも自分のチャット履歴は自分だけに見えるとありますが、これはカスタム指示の共有範囲についての説明ではありません。
カスタム指示はStudioの音声解説やレポートにも効きますか?
チャットのカスタム指示がStudioの出力に効くかどうかは、公式には書かれていません。Studio側には生成物ごとのカスタマイズ欄があり、生成に使ったプロンプトは[Studio] パネルのその他メニューにある [カスタム プロンプトを表示] で見ることが出来ます。社内の手順でも、チャットの設定とStudio側のカスタマイズは分けて書いておきましょう。
指示欄に社外秘や個人情報を書いてもよいですか?
おすすめしません。指示欄は資料そのものを書く場所ではなく、回答の方針を書く場所になります。個人情報、顧客名、パスワード、秘密情報そのものは入れず、根拠になる社内文書はソースとして管理してください。Workspaceと個人アカウントではデータの扱いも違うため、会社の運用に合わせて確かめておきましょう。
回答が思った通りにならないときは何を直せばよいですか?
まずは、指示があいまいになっていないか、矛盾していないか、ソースとぶつかっていないかを見てみましょう。長すぎる回答なら文字数や項目の数を決め、一般論が混ざるなら、資料で確認できないときの返し方を指定してください。直したあとは同じ質問でもう一度試すと、違いが見やすくなります。

まとめ

NotebookLMのカスタム指示は、チャットの回答の目的や声、役割を整えるための設定になります。社内で使うなら、口調の調整より、根拠の出し方、答えてよい範囲、分からないときの返し方を決めておく場所として使うほうが実務に合います。

会社でGeminiを使う場合は、Geminiの個人向けと法人向けの違いを先に確かめておくと安心です。Googleの法人向けAIの費用は、Gemini Enterpriseの料金にまとめています。

設定は、Web版のnotebook.google.comでノートブックを開き、[チャット] パネルの [チャットを設定] から「カスタム」を選んで保存する流れです。モバイルアプリではこの機能に制限がある場合があるため、社内の標準の手順はWeb版で作っておきましょう。

公式ヘルプによると、チャットの回答にはソースに含まれているデータだけが使われます。この性質を活かすには、資料にないことを推測しない、根拠を資料名と該当箇所で示す、答えられないときは確認先へつなぐ、といった指示が役に立ちます。

文字数の上限や、共有したときのカスタム指示の効き方には、公式で細かく確かめられない部分があります。社内では決めつけず、自社の画面で確かめて、確認日と結果を台帳に残しておいてください。

出力の形は、部署ごとに変えると使いやすくなります。総務は規程FAQ、情シスは障害対応、経理は経費精算、管理職は週報や1on1の要約というように、読む方の次の行動から逆算して決めましょう。

バイアスを避けるには、指示の中身をスタッフに共有して、答える範囲と答えない範囲を見える状態にしておくことが大切になります。隠れた指示で回答を誘導してしまうと、社内FAQへの信頼が下がってしまいます。

カスタム指示は、作ったら終わりではありません。運用の責任者、変更の履歴、見直しの時期を決めて、実際の質問を見ながら少しずつ直していきましょう。