NotebookLM活用事例。部署別に読ませる資料と使い道を整理

NotebookLM活用事例とは、社内資料や会議の音声、マニュアルなどをNotebookLM(現 Gemini Notebook)に読ませて、要約や検索、研修の教材づくりに使う具体的なやり方のことです。社員10〜200名の会社であれば、部署ごとに読ませる資料を分けて、入れない資料も先に決めておく形が始めやすくなります。総務・経理・人事・営業・情シスのどこで使う場合でも、便利な機能より資料の版と確認の手順をそろえるほうが、失敗はぐっと減らせるでしょう。基本の操作から知りたい方は、先にNotebookLMの使い方を読んでいただくと、この先の事例も追いやすくなります。

NotebookLM(現Gemini Notebook)とは|部署別で考えると使い道が見えます

NotebookLMは、2026年7月から公式の名前がGemini Notebookに変わった、資料を読み込んで答えるタイプのAIツールになります。これまでのNotebookLMはそのままGemini Notebookとして使い続けられ、作ってあるノートブックにも今までどおりアクセス出来ます。検索ではまだNotebookLMの名前で探す方が多いので、社内で説明するときはNotebookLM(現 Gemini Notebook)と書いておくと伝わりやすいでしょう。

普通のチャットAIとの違いは、答えのもとにする資料を先にノートブックへ入れておく点にあります。ソースとして追加できるのは、PDF、Word、Googleドキュメント、Googleスライド、Googleスプレッドシート、CSV、音声、画像、字幕付きの公開YouTube動画などです。ドライブから取り込んだ資料は数分ごとに同期されるため、元のGoogleドキュメントを直したあとに、改めて読ませ直す手間も減らすことが出来ます。

部署ごとに考えてみると、使い道はかなりはっきりしてきます。総務なら規程や社内手続きを探す場所、人事なら新入社員の受け入れと研修、営業なら製品仕様と市場調査、経理なら旅費や請求まわりの社内ルール、情シスならFAQや移行手順の一次回答として使いやすいでしょう。まずは部署ごとに小さなノートブックを1つずつ作り、入れてよい資料と入れない資料を書き出してみてください。

Google Workspaceの製品ページでも、経営幹部向けに財務報告書や市場分析、社内の戦略文書をアップロードし、要約や指標の抽出に使う例が紹介されています。新入社員の受け入れなら、トレーニングマニュアル、ガイド、ポリシー文書、よくある質問を読ませる例があります。営業向けには、製品仕様と市場調査を読ませて、会議の計画づくりや製品についての質問への回答に使う形が示されています。

部署の名前ではなく、読ませる資料の種類で使い道を決めることが最初の一歩になります。同じ営業部でも、公開済みの製品資料だけを読ませるのか、失注理由のメモまで入れるのかで、抱えるリスクはまるで変わってしまいます。最初から全社共通の大きなノートブックを作るのではなく、資料の種類ごとに入口を分けましょう。

実名で公開されている事例を見ても、部署ごとの資料から始めている形が目立ちます。ワークマンでは、倉庫部門で業務マニュアルや関連資料をNotebookLMに入れ、新人スタッフやパートスタッフが仕事中に分からないことを自分で解決できる環境を構築していると、Google Cloud公式ブログで紹介されています。一方で経営企画部については、会議の音声を取り込んで議事録の自動作成や必要な情報の発掘ができないか検討している、という段階の話として触れられている内容になります。

ソース上限・無料版/有料版の違い|最初に読む資料の量を決めます

NotebookLMを会社で使う前に、ソースの上限とプランごとの違いは押さえておきたいところです。無料の標準プランでは、1つのノートブックにつき最大50件までソースを入れられます。プランのページには、Plusが100件、Proが300件、Ultraが最大600件と表示されています。部署ごとに使うのであれば、いきなり上限いっぱいまで入れずに、必要な資料だけを選ぶほうが扱いやすいでしょう。

1つのソースに入れられるのは最大500,000語までで、パソコンから直接アップロードするファイルは200MBまでという案内になっています。Googleスプレッドシートは10万トークン、Googleスライドは100枚が上限になります。CSVは対応形式に入っていますが、Excelのxlsxは対応形式の一覧に載っていません。経理や営業企画で表を読ませたい方は、GoogleスプレッドシートかCSVに直してから試してみてください。

使える量については、2026年9月2日から計算量にもとづく上限が適用されています。上限は、プロンプトの複雑さや使うモデルと機能、チャットの長さ、特定の機能などを考えて決まる仕組みになります。上限に達しても、5時間ごとに割り当てがリセットされます。ヘルプには1日あたりの回数の表も残っていますが、重い使い方ほど早く上限に届いてしまうため、表の回数どおりに使えるとは考えないほうがよいでしょう。

Google Workspaceの会社アカウントで使う場合、Business Starterは標準の列、Business StandardとBusiness Plusは高レベルの列に当たると案内されています。Workspaceの料金ページにある通常価格は、年間プランで1ユーザーあたり月額、Starterが800円、Standardが1,600円、Plusが2,500円で、いずれも税別です。10人で使うなら、Starterで毎月8,000円、Standardで毎月16,000円、Plusで毎月25,000円となります。50人になると、Starterで毎月40,000円、Standardで毎月80,000円、Plusで毎月125,000円かかる計算です。

※Google Workspaceの料金は、2026年10月3日時点で料金ページに表示されている通常価格です。期間限定の割引は変わることがあるため、ここでは通常価格だけで計算しています。

個人向けのPlus・Pro・Ultraや、WorkspaceのBusiness Standard・Plusにすると、作れるノートブックの数や入れられるソースの数は増えていきます(Business Starterは無料版と同じ件数にとどまります)。ただ、上限が増えたからといって、社内の資料を何でも入れてよいことにはなりません。最初は部署ごとに入れる資料を10〜20件ほどに絞って、質問に答えられなかったときだけ資料を足していくほうが、運用はずっと楽になります。数を増やす前に、資料の名前と版を台帳に書く、と決めておきましょう。

上限はあくまで便利さの目安で、会社の資料を入れてよいという許可ではありません。社外秘や個人情報、契約条件、まだ公開していない経営資料などは、アカウントの種類と社内ルールを確かめてから扱う必要があります。最初の1週間は、公開済みの営業資料や、社内ですでに配っているマニュアルだけで試してみてください。

会社の出費で見ると、各自が個人の無料アカウントで使う形は、一見すると安く見えるかもしれません。けれども、資料の共有や退職時の停止、フィードバックの扱い、ノートブックの持ち主が見えにくくなってしまいます。Workspaceで使えば人数分の費用はかかりますが、管理者がサービスのオンとオフや外部との共有を設定することが出来ます。費用の安さだけでなく、会社の管理に戻せるかどうかで決めましょう。

部署別の判断表|総務・経理・人事・営業・情シス・経営者で分けます

部署ごとの使い方は、読ませる資料、聞く質問、使ってよい出力、入れない資料を1枚の表にまとめておくと迷いにくくなります。NotebookLMはソースを根拠にして答えを作るので、何を入れたかがそのまま回答の質に表れます。部署ごとに責任者を決めて、資料を入れる前にこの表へ書き込んでみてください。

部署読ませる資料使い道使わない方がよい資料よくある失敗
総務就業規則、社内規程、申請手順、FAQ休暇、備品、出張、稟議の一次回答未公開の人事評価資料、個人ごとの相談記録古い規程と新しい規程を混ぜてしまう
経理旅費規程、経費精算ルール、勘定科目表、締め日案内精算ルールの確認、月次処理の手順確認取引先ごとの未公開条件、個人番号を含む資料数値集計を任せ、元データとの照合を抜かす
人事研修資料、オンボーディング資料、福利厚生案内新入社員の質問対応、教材化、確認テスト案面談記録、採用候補者の個人情報研修資料の版が部署で違うまま入れる
営業製品仕様、事例資料、市場調査、提案書の雛形提案の下書き、商談準備、質問への回答案個別顧客の秘密情報、未承認の価格条件そのまま顧客に送ってしまう
情シス移行手順、よくある問い合わせ、端末設定手順問い合わせ前の自己解決、手順の確認管理者パスワード、脆弱性の詳細回答を公式手順として固定してしまう
経営者財務報告書、市場分析、社内戦略文書要約、指標の抽出、論点の洗い出し未公表のM&A資料、個人情報が混じる資料要約だけを見て原文を読まない

経理も、NotebookLMを使いやすい部署の1つになります。たとえば旅費規程や経費精算のルール、月次締めのチェックリストを入れておけば、担当の方は聞かれたときに根拠の箇所をすぐに探せます。京都市の担当者の登壇を伝えた報道では、計理事務に関わる膨大なマニュアルをNotebookLMに読み込ませて、出張旅費の扱いを質問できるチャットボットを作った例が紹介されています。自治体の例ではありますが、社員がそれほど多くない会社の経理にも近い使い方になるでしょう。

ただし、数字の集計そのものをNotebookLMに任せるかどうかは、慎重に決めましょう。NotebookLMには、データテーブルを作ってGoogleスプレッドシートへ書き出す機能があります。その一方で公式ヘルプでは、生成された回答は再確認するよう案内されています。請求金額や源泉、消費税の判断などは、回答をそのまま根拠にせず、元の資料や会計システムで確かめてください。

情シスでは、問い合わせを減らす目的で使いやすいでしょう。舞鶴市では、Windows環境からの移行について問い合わせが情シスに殺到し、FAQを読み込ませた庁内チャットボットの試作版を2時間ほどで作ったと報じられています。問い合わせ件数を3分の1ほどに減らせたという内容も、この報道の中で紹介されたものになります。

部署別の表には、使い道だけでなく、入れない資料も必ず書いておきましょう。使える例ばかりを並べると、現場は良かれと思って個人情報や契約条件まで入れてしまいます。表の右側に入れない資料を書き、部署長が目を通してから始めてみてください。

会社の出費も、部署ごとに分けて見ると判断がしやすいでしょう。Google WorkspaceのBusiness Standardを20人に配るなら、毎月32,000円(1,600円×20人、税別)となります。50人なら毎月80,000円です。Starterであれば20人で毎月16,000円、50人で毎月40,000円に収まりますが、NotebookLMで使える範囲や上限はエディションによって違ってきます。費用だけで選ばずに、使いたい機能と管理の範囲を一緒に確かめてください。

会議・議事録の要約|経営企画、営業、総務で使う事例です

会議や議事録の要約は、NotebookLMの使い方の中でも始めやすい事例になります。対応している形式に音声が含まれていて、MP3やWAVなどをそのままソースとして追加出来ます。会議の音声と資料、前回の議事録を同じノートブックに入れておけば、発言の整理だけでなく、決まったことや次回までの宿題も確かめやすくなるでしょう。

ワークマンの事例では、経営企画部が会議の音声データを取り込み、NotebookLMで議事録の自動作成や必要な情報の発掘ができないかを検討している、と紹介されています。ここはすでに効果が出たという話ではなく、まだ検討の段階として読む必要があります。社内で試すときも、最初は議事録の完成版を作らせるのではなく、下書きづくりの手伝いとして使うのがよいでしょう。

東洋建設の事例では、GeminiやNotebookLMとGoogle Workspaceのツールを連携させた「AI番頭さん」によって、資料作成や調査、議事録の要約、動画作成などの業務の流れがシンプルになったと、Google Cloudの事例集で紹介されています。数字は公開されていないため、同じ効果を約束する話にはなりません。会議の内容を次の資料づくりへつなげる使い方の一例として、参考にしてみてください。

秋田県では、NotebookLMで音声の記録から議事録を自動で作り、作業時間を95%削減する効果が確認されたと報じられています。どう測ったのかという詳しい条件は記事からは分からないため、自社の目標に同じ数字を置くのは避けたほうが安全です。社内で確かめるなら、30分の会議を1本選び、手作業で議事録を作った時間と、NotebookLMで下書きを作って確認した時間を比べてみましょう。

議事録は自動作成で終わらせず、決まったことと決まっていないことを人が確かめる前提で使います。会議では、あいまいな相づちや、まだ決まっていない発言も混ざります。AIがきれいな文章に整えてしまうと、決まっていないことまで決まったように見えてしまうことがあります。配る前に、参加者が見る版と保管しておく版は分けておいてください。

手順としては、まず会議の音声ファイルを追加し、続けて会議資料と前回の議事録を入れます。質問は、決まったこと、宿題、保留になった論点、次回に確認する資料の4つに分けて聞くのがおすすめです。営業会議であれば、商談名や顧客名を伏せたうえで試すと、社内で共有するときの負担も減らせます。総務の会議なら、規程の改定で決まったことと、ただの相談を分けて書くように指示しましょう。

費用の面では、議事録だけであれば少人数で試すところから始めやすくなります。Workspace Business Starterを5人で使うと毎月4,000円、Standardを5人で使うと毎月8,000円の計算です。会議の多い部署にだけ先に配り、1か月で下書きの時間が何時間減ったかを見ると、広げるかどうかを判断しやすくなります。

社内資料を読ませる前に会社のAI環境をそろえる

会議の音声や社内資料をAIに読ませるなら、使う環境は会社で1つにそろえておくと安心です。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

社内マニュアル・規程をFAQ/AI検索化|問い合わせ前に探せる場所を作ります

社内マニュアルや規程をFAQやAI検索の形にする使い方は、総務、人事、情シス、現場の部門と特に相性がよい事例になります。長いPDFやGoogleドキュメントを読ませておけば、社員は該当する箇所を探しながら質問出来ます。引用元が示されるので、回答を読んで終わりにせず、元の規程に戻って確かめやすいのもうれしい点でしょう。

アコムでは、コールセンターの対応の精度を上げるためにNotebookLMを導入し、部署をまたいだ横断検索が出来るようになったと、Google Cloudの事例集で紹介されています。過去の報告書やナレッジを読み込ませたことで、情報を探す時間が短くなり、埋もれていたノウハウの共有も進んだという内容です。数字は載っていないため、会社で試すときは、問い合わせの件数や回答までの時間を自分たちで測ってみましょう。

SOMPOホールディングスについては、Google Cloudのイベントでの同社の登壇内容として、人事、総務、商品、営業推進などの各部門が作った公式のGemini Notebookを全社に公開し、問い合わせ前に確かめてもらう運用が報じられています。保険会社には約款や規程集、膨大なマニュアルがあり、Gemini Notebookの存在がGemini Enterpriseを導入した最大の理由として語られた、という報道内容になります。

小さな会社でも、同じ考え方はそのまま使えます。総務であれば、就業規則、休暇の申請、出張旅費、備品の購入、稟議の手順を1つのノートブックにまとめます。情シスなら、端末の初期設定、メールの設定、VPN、社内Wi-Fi、よくある問い合わせを入れておくとよいでしょう。1つのノートブックに50件まで入れられる無料の枠でも、部署のFAQであれば十分に始められることもあります。

マニュアル検索の失敗は、古い版と新しい版を混ぜたときに起きやすくなります。改定前の規程のPDFが残っていると、AIは古い手順まで根拠として拾ってしまいます。資料名の先頭に年度や版の番号を入れ、使わなくなった資料をノートブックから外す日を決めておきましょう。

費用で考えると、FAQとして使う場合は配る人数が多くなりがちです。Workspace Business Starterを100人で使うと毎月80,000円、Business Standardなら毎月160,000円、Business Plusなら毎月250,000円になります。問い合わせを受ける担当の方だけに配るのか、全社員が質問できる形にするのかで、費用は大きく変わってきます。まずは問い合わせを受ける側の5〜10人で作り、答えの質を確かめてから広げてください。

もう1つの失敗は、AIの答えをそのまま会社の公式回答にしてしまうことです。社内の規程には、細かな例外や上長の承認が絡む場面もあります。回答の画面には最終的な判断は担当部署に確認するよう書いておき、AIの答えを申請の可否を決める根拠にはしない、と社内で決めておきましょう。社内ルールの作り方は、生成AIの社内ガイドラインの作り方も参考になります。

営業資料・提案書・トークスクリプト作成|製品仕様と市場調査を読ませます

営業資料や提案書、トークスクリプトづくりでは、NotebookLMに製品仕様、市場調査、これまでの提案書、よくある質問を読ませる形が使いやすいでしょう。Google Workspaceの製品ページでも、営業チーム向けに製品仕様と市場調査をアップロードして、会議の計画づくりや製品についての質問への回答に使う例が紹介されています。まずは公開済みの資料だけで試してみましょう。

営業で特に役立つのは、商談前の準備になります。製品仕様や導入事例、市場調査を入れておき、相手の業種で聞かれそうな質問を出してもらいます。そのうえで、営業担当の方が自分の言葉に直していきます。AIが作った文章をそのまま送ってしまうと、事例の条件や価格の前提がずれたまま、お客様との約束になってしまうこともあります。

トークスクリプトは、全員に同じ台本を読ませるためというより、聞き漏れを減らすために使うとよいでしょう。たとえば新人の営業には、製品仕様とFAQだけを読ませたノートブックを渡します。ベテランの営業には、市場調査と過去の提案書のひな形を足した別のノートブックを用意します。経験の差を少し埋める目的で使うと、現場にも受け入れてもらいやすくなります。

営業資料では、お客様ごとの秘密の情報を入れない使い方から始めるのが安全です。失注の理由や価格交渉のメモには、相手の会社の事情が含まれてしまいます。最初は、公開済みの製品資料、一般的な市場調査、社内で承認されたFAQだけに絞ってください。

提案書の下書きでは、章立てや想定される質問、比較表の見出しを作るところまでにとどめると使いやすくなります。金額や納期、契約条件は、元の資料と営業管理のシステムで確かめる必要があります。社内で使うプロンプトも、根拠のある箇所だけを引用し、根拠のない推測は書かないように頼む形にしておきましょう。

会社の出費としては、営業の全員にWorkspaceを配るのか、営業企画とマネージャーだけで作って共有するのかで変わってきます。Business Standardを10人で使うなら毎月16,000円、30人なら毎月48,000円です。営業資料を作る5人だけに絞れば、毎月8,000円で済む計算になります。誰が作って誰が読むのかを、分けて考えてみてください。

よくある失敗は、ソースの更新を忘れてしまうことです。Googleドライブから取り込んだ資料は数分ごとに同期されると案内されていますが、パソコンからアップロードしたPDFやCSVは、自動で同期されるとは案内されていないので、元のファイルを直したら入れ直すことになります。価格の改定や仕様の変更があるたびに、ノートブックのソース一覧を見直す日を決めましょう。営業で使う範囲は、生成AIのセキュリティ対策チェックリストと合わせて点検すると、漏れを減らすことが出来ます。

競合・市場調査の横断整理と企画書・報告書の叩き台、ブレスト

競合や市場の調査を横断して整理するときは、NotebookLMに資料を集めすぎず、調べるテーマごとにノートブックを分けるのが向いているでしょう。Google Workspaceの製品ページでは、主な調査結果の要約、傾向の特定、いくつかのやり方の比較を頼めて、それぞれ検証できるよう引用元が示されると案内されています。引用元をたどれるのは、企画書や報告書に使ううえで大きな助けになります。

企画部門なら、市場レポート、競合の公開資料、自社の過去の企画書を分けて入れておくと扱いやすいでしょう。1つのノートブックに全部入れてしまうと、古い企画の前提が混ざり、新しい市場調査と同じ重さで扱われてしまいます。新しい事業を考えるのであれば、市場調査、顧客の課題、社内の制約の3つにノートブックを分けると整理しやすくなります。

企画書の叩き台では、最初から完成した原稿を頼まないほうがうまくいきます。まずは論点の洗い出し、反対意見、追加で必要な資料、上司から聞かれそうな質問を出してもらいましょう。次に、引用元のある内容だけを残して章立てを作ります。文章にするのは最後で構いません。こうして順番を踏むと、AIが作った整った文章に引っぱられにくくなります。

ブレストでは、自由に案を出させるより、ソースに書かれた制約から考えてもらう使い方が合っています。たとえば、予算、対象のお客様、今の商品の弱点、過去の失敗の資料を入れて、その制約の中で案を出してもらいます。制約がないまま聞くと、現場では使えない案ばかりが増えてしまいます。最初に前提を入れてから質問してみてください。

調査系の回答は、引用元がある箇所だけを企画書に残すと決めましょう。NotebookLMは引用を示してくれますが、回答のすべてが正しいとは限りません。引用部分にカーソルを合わせると引用元の文が確認でき、選ぶと該当箇所へ移動出来ると案内されています。報告書に入れる前に、原文の前後の文脈まで読んでおいてください。

費用は、企画部門だけで使う場合と、経営層まで広げる場合に分けて考えます。5人でBusiness Standardを使うなら毎月8,000円、15人なら毎月24,000円です。Business Plusにすると、5人で毎月12,500円、15人で毎月37,500円になります。市場調査は使う資料が多くなりやすいため、上限に近づきそうな部署を先に見ておきましょう。

失敗しやすいのは、ウェブのURLを何でも取り込める方法だと思ってしまうことです。公式ヘルプでは、ウェブURLから取り込めるのはテキストだけで、ペイウォールのあるページは扱えないと案内されています。社内で契約している有料レポートを入れる場合は、その資料をアップロードしてよい権利があるかを確かめる必要が出てきます。ヘルプにも、権利がないドキュメントはアップロードしないよう明記されています。

研修・オンボーディング・教材化と音声概要で移動中・ながら学習

研修や新入社員の受け入れ、教材づくりでは、NotebookLMにトレーニングマニュアル、ガイド、ポリシー文書、FAQを読ませる使い方が向いているでしょう。Google Workspaceの製品ページでも、新入社員が長いドキュメントに埋もれた情報をすばやく見つけ、決まった手続きについて質問できる例が紹介されています。新入社員が最初に目を通す資料を、まず1か所に集めてみましょう。

ワークマンの倉庫部門の事例は、まさにこの使い方に近いものになります。業務マニュアルや関連資料をNotebookLMに入れ、新人スタッフやパートスタッフが仕事中に分からないことを自分で解決できる環境を構築していると紹介されています。現場では、聞きたい相手が忙しくて質問しづらい場面がどうしてもあります。そこで、まずAIに聞いてみて、必要なら先輩に確かめるという順番を作ることが出来ます。

研修資料なら、フラッシュカードやクイズを使って復習する道もあります。モバイルアプリでは、外出先で音声解説を聴いたり、オフラインで再生できるように音声をダウンロードしたりすることも出来ます。音声解説は80以上の言語で作ることができ、日本語にも対応しています。移動中に聞く教材にしたい方は、最初に短い資料で音声の聞きやすさを確かめてみてください。

京都市については、職員の登壇を伝えた報道で、コンプライアンス推進指針をNotebookLMの動画解説機能で研修資料にした例が紹介されています。研修資料としての出来ばえが認められ、全庁に配布されたという内容です。自治体の例ではありますが、会社でもコンプライアンスや情報セキュリティ、経費精算、ハラスメント防止などの資料を教材にするときの参考になります。

音声概要は便利ですが、聞いただけで理解したことにはしないほうが安全です。公式ヘルプでも、チャットの回答や音声、動画などの生成物には、不正確な情報や音声の乱れが含まれる場合があると案内されています。研修では、音声を聞いたあとに原文の該当箇所を読み、クイズで理解を確かめる流れにしましょう。

モバイルアプリには制限もあります。ヘルプでは、Gemini Notebookを最大限に活用するにはデスクトップ版、つまりパソコンのブラウザで使うウェブ版をすすめる案内になっています。モバイルで追加できるソースは、ヘルプの制限の欄ではPDF、ウェブサイト、YouTube、音声、コピーしたテキストの5種類だけです。その一方で、App Storeの更新履歴には、ドライブのファイルを追加できる機能が載っています。使う端末のアプリで、実際の画面を確かめてみましょう。

会社の出費で見ると、研修で使う時期は一時的に人数が増えます。新入社員20人と教育担当5人であれば、Business Standardで毎月40,000円、Business Plusで毎月62,500円になります。研修の期間だけで判断せずに、その後もFAQや教材として使う部署を決めてから契約を考えてください。Google WorkspaceのStarter、Standard、Plusは、最大300人まで使えると案内されています。

よくある失敗は、研修資料を直したのに、古い音声や動画を配り続けてしまうことです。音声や動画は、作った時点の資料をもとにしています。規程や手順を直したら、教材を作り直す日もあわせて決めておきましょう。研修用ノートブックの表紙に更新日と担当部署を書いておけば、あとから見直しやすくなります。

契約書・法務文書の要点整理、人事・労務、バックオフィス問い合わせ対応

契約書や法務文書の要点整理では、NotebookLMを判断する役ではなく、確認すべき箇所を探す手伝い役として使うのがよいでしょう。PDFやWordをソースに出来るので、契約書の条項や社内の契約審査の手順、チェックリストを入れて質問することが出来ます。最初は、締結済みのひな形や公開済みの規程で試してみてください。

法務で聞く質問は、要点、リスク、相手に確認する項目、社内の承認が必要な箇所に分けると扱いやすくなります。たとえば、解除条項、秘密保持、損害賠償、再委託、支払条件などの見出しを出してもらいます。そのあとで、担当の方が原文を確かめます。AIの答えだけで契約の判断を決めることはしないでください。

人事や労務では、福利厚生、休職、勤怠、入社と退社、研修、社内FAQを読ませる形が向いているでしょう。SOMPOホールディングスについても、同社の登壇内容を伝えた報道で、人事や総務などの各部門が公式のGemini Notebookを全社に公開し、問い合わせ前に確かめてもらう運用が紹介されています。人事は相談の中身に個人情報が入りやすいため、読ませる資料は制度の説明に絞りましょう。

バックオフィスの問い合わせ対応では、受ける側の時間を減らすことより、部署によって答えが変わらないことのほうに価値があります。総務は休暇、経理は経費、人事は入社と退社、情シスは端末の設定というように、それぞれが公式のノートブックを作ります。社員の方には、まず該当するノートブックで調べてもらい、根拠のURLや資料名を添えて問い合わせるよう案内しましょう。

バックオフィスの回答は制度の説明までにとどめ、個別の判断は担当者に戻します。労務や契約は、ご本人の状況や契約の相手によって判断が変わってきます。AIに個別の事情を入れ始めると、個人情報や機密の入力につながってしまいます。

費用は、問い合わせを受ける部署だけで作るのか、全社員に読ませるのかで変わります。Business Starterをバックオフィスの担当者10人だけに配るなら毎月8,000円です。全社員100人に配ると毎月80,000円になります。Standardであれば、10人で毎月16,000円、100人で毎月160,000円の計算です。問い合わせを減らしたいのであれば、読める人数をどこまで広げるかを先に決めましょう。

契約書や労務の文書では、消したメモを戻せない点にも気をつけたいところです。公式のFAQでは、現時点で削除したメモを元に戻す方法はないと案内されています。大事なメモをNotebookLMの中だけに残さず、正式な判断は社内の文書管理の場所に保存してください。NotebookLMは調べものと下書きのための場所と考えておくと、運用が崩れにくくなります。

情報漏えい・学習利用・機密の注意とハルシネーション・出典確認、よくある質問

NotebookLMを会社で使うなら、情報漏えいや学習への利用、機密の扱いは前もって押さえておきたいところです。個人のユーザーとして使う場合、フィードバックを共有しない限り、データがトレーニングに使われることはないと案内されています。ただし、高評価や低評価のフィードバックを送ると、関係するコンテンツが集められ、人によるレビューの対象になることがあります。レビューされた内容は、Googleアカウントとの関連付けを外した状態で、最長3年間保存されます。

Google WorkspaceやWorkspace for Educationのユーザーであれば、フィードバックを送った場合でも、アップロードや質問、モデルの回答が人のレビュアーに確認されることはなく、AIモデルのトレーニングにも使われないと案内されています(Business Starter・Standard・Plusなど、Gemini Notebookをコアサービスとして使えるエディションの場合)。仕事で使うなら、個人のアカウントではなく、会社のWorkspaceアカウントで使うことを前提にしましょう。管理者は、Google管理コンソールの生成AIからGemini Notebookへ進み、サービスのオンとオフを設定することが出来ます。

外部との共有の設定も、先に確かめておきましょう。管理者向けのヘルプによると、組織の外との共有は、オフ、許可リストに登録したドメイン、オンの3つから選べる仕組みです。Workspace Updatesブログでは、外部共有の初期設定はオフだと説明されています。設定の変更が反映されるまで、最長で24時間ほどかかる場合もあります。社内の資料を入れる前に、外部共有と一般公開の共有の設定を確かめてください。

会社で使うなら、アカウントの種類、共有の設定、フィードバックの扱いを先に決めておきましょう。個人で便利に使っていたやり方をそのまま会社に持ち込むと、持ち主や共有先、退職したときの停止が見えにくくなってしまいます。野良AIを避ける考え方は、野良AI(シャドーAI)とはの記事も参考になります。

ハルシネーション、つまりAIがもっともらしい誤りを答えてしまうことへの対策としては、出典の確認を毎日の作業に組み込みます。NotebookLMは引用元を示してくれますが、AIの回答や生成物には不正確な情報が含まれる場合があると、公式ヘルプでも案内されています。議事録、規程、契約、経費精算、研修資料のどれであっても、回答をそのまま最終版にはしないでください。

出典を確かめるときは、質問、回答、引用元の順に見ていきます。引用元がない文は、社内の文書には入れないと決めておきます。引用元がある文でも、前後の文脈が違っていることがあります。引用部分を選んで該当箇所へ移動し、元の資料の段落を読んでから使いましょう。複数のAIをどう使い分けるかは、複数AIの使い分けも合わせて読んでみてください。

最後に、導入するときに社内で決めておきたいことは4つになります。部署ごとに読ませる資料を台帳にまとめること、資料の版と更新日を見える場所に書くことが、まず1つ目と2つ目です。3つ目は、AIの回答を使ってよい範囲を、下書き、検索、教材、問い合わせ前の確認のどれかに限ることになります。4つ目は、使わなくなったソースを外す日を毎月1回作ることです。この4つを決めてから、使う部署を広げていきましょう。

NotebookLMは今もその名前で使えますか?
2026年7月から、公式の名前はGemini Notebookに変わりました。これまでのNotebookLMは、そのままGemini Notebookとして使い続けることが出来ます。検索や社内での説明では、NotebookLM(現 Gemini Notebook)と書くと伝わりやすいでしょう。
会社の資料を入れると学習に使われますか?
個人のユーザーとして使う場合は、フィードバックを共有しない限りトレーニングには使われないと案内されています。ただし、フィードバックを送ると、関係するコンテンツが人によるレビューの対象になることがあります。Google WorkspaceやWorkspace for Educationのユーザーであれば、フィードバックを送っても人のレビュアーによる確認はなく、AIモデルのトレーニングにも使われないと案内されています(Business Starter・Standard・Plusなど、Gemini Notebookをコアサービスとして使えるエディションの場合)。
無料版でも部署別の活用は始められますか?
無料の標準プランでも、1つのノートブックに最大50件までソースを入れられます。小さく試すことは出来ますが、会社で使うとなると、持ち主、共有、退職時の停止、フィードバックの扱いが課題になってしまいます。業務の資料を入れる前に、会社のWorkspaceアカウントで使うかどうかを決めておきましょう。
経理や法務の判断をNotebookLMに任せてもよいですか?
任せないほうが安全です。経理や法務では、規程や契約書の該当箇所を探す手伝いとして使い、最終的な判断は担当の方が元の資料で確かめる形にしましょう。生成された回答には不正確な情報が含まれる場合があるため、引用元と原文の文脈は必ず確かめてください。
どの部署から始めるのがおすすめですか?
問い合わせが多く、資料がすでに整っている部署から始めるのが現実的です。総務の規程FAQ、情シスの問い合わせFAQ、人事の新入社員向け資料、営業の製品FAQなどが候補になります。個人情報や契約条件を入れずに試せる資料から始めてみてください。

社内資料を読ませるAI環境を、会社の管理下に

UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスです。社内文書を読み込ませて回答させたり、会議の録音や動画を読み込んだりでき、管理者ダッシュボードで利用ログや権限、モデルのオン・オフも管理出来ます。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。

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