セキュリティ・社内ルール

シャドーAI対策とは?野良AIの意味・リスクと禁止せず管理する手順

公開 2026.07.31 更新 2026.11.04
執筆:中里 吉利(コプラス株式会社 代表取締役)
シャドーAI(野良AI)対策とは?意味・リスク・対策の全体像

シャドーAI(野良AI)とは、会社が把握・管理していないまま、社員が個人で登録したAIサービスを業務に使っている状態のことです。対策の基本は全面禁止ではなく、使ってよいAIを会社が用意したうえで、線引き・教育・点検を続けて管理していく形になります。禁止だけでは、会社のネットワークを通らない私物のスマホや自宅のパソコンまで止めきれないためです。意味とリスクを押さえたら、自社の状況に近い節から読み進めてみてください。

シャドーAI(野良AI)とは|意味とシャドーIT・BYOAIとの違い

シャドーAIとは、会社が正式に認めていないAIツールを、社員が会社の管理の外で業務に使っている状態を指す言葉です。日本語では野良AIとも呼ばれ、指している状態はほぼ同じになります。たとえば、個人で登録したChatGPTの無料版に議事録や顧客リストを貼り付け、要約や添削をさせる使い方が典型例でしょう。

公的機関も、ほぼ同じ意味でこの言葉を使うようになりました。情報処理推進機構(IPA)の「情報セキュリティ10大脅威 2026」解説書[組織編]は、職場でAIサービスの利用が無い場合などに、社員が個人で使っているAIサービスを業務に使うことをシャドーAIと説明しています。職場が社員の個人アカウントによるAIの業務利用を認識できないこと自体も、リスクとして挙げているのが特徴です。

本人に悪意はなく、仕事を早く片付けたいという前向きな動機から始まることが多いでしょう。ただ会社から見ると、誰が・どのAIに・どんな情報を入れたのかが分からない状態となってしまいます。

シャドーAIの概念図。社員が個人のAIを会社の管理外で業務利用し、データが会社の外のサーバーに渡る様子
図:シャドーAIの概念図

シャドーIT・BYOAIとの違い

シャドーITは、会社が許可していないクラウドサービスやアプリ、私物の端末などを業務に使うこと全般を指す、より広い言葉です。シャドーAIは、その中でも生成AIに関わるものを指します。違いが出るのは、入力した情報のその後になります。無許可のファイル共有サービスなら、使うのをやめてデータを消せば被害を抑えられる場面もあります。一方で生成AIは、提供元の設定によっては入力した内容が学習に使われたり、サーバーに一定期間残ったりするため、渡した情報を取り戻しにくくなってしまいます。

観点シャドーITシャドーAI
対象未承認のIT機器・クラウド・アプリ全般未承認の生成AIサービス(AIを組み込んだ拡張機能やアプリを含む)
主なリスク情報漏洩・不正アクセス情報漏洩に加え、入力データの学習への利用、誤った出力の業務への混入
取り戻しやすさ利用停止・削除で被害を抑えやすい学習や保存の扱いが提供元しだいで、取り戻しにくい
気づきにくさ端末やログから見つけられる場合があるブラウザやスマホで完結し、会社の記録に残りにくい

近年は、社員が自分の判断で職場に持ち込むAIをBYOAI(Bring Your Own AI)と呼ぶこともあります。BYOAIのうち、会社の承認や管理が届いていないものが、そのままシャドーAIになると考えると分かりやすいでしょう。シャドーITそのものの見つけ方はシャドーITとは|シャドーAIとの違いと、会社で見つけて減らす手順で扱っています。生成AIそのものの意味は生成AIとは?意味・仕組みと会社で使う前の注意点から確かめられます。

気づかず使う型:AI内蔵ツール・拡張機能・AIエージェント

シャドーAIは、チャット画面に自分で文章を貼る使い方だけではありません。普段の仕事道具に組み込まれたAIを、会社の管理外のアカウントのまま使っている形も増えてきました。たとえばMicrosoftのCopilotは、同じアプリに職場のアカウントでも個人のMicrosoftアカウントでもサインインでき、チャットや保護の扱いはアカウントごとに分かれるとMicrosoftは説明しています。職場のアカウントで使っているときは、画面に緑のデータ保護のシールドと「Work」の表示が出る仕組みになります。

ブラウザの拡張機能も、見落とされやすい入口でしょう。セキュリティ会社のOX Securityは2025年12月、AIとの会話とChromeで開いているタブのURLを外部のサーバーへ送っていた拡張機能2つを公表しました。同社の発表によると利用者は60万人超と30万人超で、片方はChromeウェブストアのおすすめのバッジ付きでした。IPAの「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」も、閲覧中のページを生成AIと共有するAIブラウザは社内用と社外用を分けるよう呼びかけています。

もう1つが、社員が会社のアカウントで外部のAIツールに権限を渡してしまう形です。米Vercelは2026年4月、社員が使っていた外部のAIツールが侵害され、そこから社員の会社のGoogle Workspaceアカウントが乗っ取られたと公表しました。道具の数が増えるほど、会社が把握していない入口も増えていくことになります。拡張機能の止め方はAI拡張機能は危険?シャドーAI(野良AI)になるChrome拡張の止め方、AIエージェントの棚卸しはシャドーAIエージェントの棚卸し手順で詳しく扱っています。

自社にシャドーAIがあるサイン(チェックリスト)

次のうち1つでも当てはまれば、社内のどこかでシャドーAIが使われている可能性があります。

  • 使ってよいAIと使ってはいけないAIの線引きを、文書にしていない口頭の注意だけでは、部署ごとに解釈が分かれてしまいます。
  • 法人カードの明細や経費精算に、AIサービスの月額課金が混ざっている個人名義の有料プランを経費で落としている場合は、会社が契約内容を把握していない利用です。
  • 社員がどの業務でどのAIを使っているか、聞かれても答えられない実態が分からないと、線引きも教育も設計できません。
  • 入力してはいけない情報を、具体例で社員に伝えていない「機密情報は禁止」だけでは、何が機密かの判断が人によって変わります。
  • 会社のアカウントでAIツールにアクセスを許可した記録を、見たことがないGoogle WorkspaceやMicrosoft 365の管理画面で確かめられます。
  • 生成AIを禁止しているが、守られているか確かめる手段がない禁止の文書だけがあり、点検の予定が無い状態です。
  • 退職した社員が個人のAIアカウントに何を残したか、確かめる手順がない個人のアカウントは会社の管理画面の外にあり、中身を確かめる手順がありません。

点検の手順をもう少し細かく見たい方は、シャドーAI(野良AI)のチェックリストから始めてみましょう。新しく出てきたAIサービスを1つ例に取った点検の手順は、Gensparkの危険性と安全性で紹介しています。

なぜ全面禁止ではシャドーAIを防げないのか

全面禁止は、会社の端末とネットワークの中では効いても、その外側には届きにくい対策になります。禁止がまったく無意味というわけではなく、届く範囲と届かない範囲を分けて考えるのが現実的でしょう。

調査で見る、禁止より容認が多い実態

国内の調査を見ると、生成AIを禁止している会社はごく一部にとどまります。帝国データバンクの「生成AIに関する企業の動向調査」(2026年3月調査・有効回答1万312社・同年5月公表)では、生成AIの活用を禁止している企業は0.4%でした。商工組合中央金庫の調査(2026年1月調査・取引先の中小企業3,892社が回答・同年3月31日公表)では、会社として導入せず使用は個人の判断に任せているという回答が64.9%で、使用を禁止・制限している企業は1.4%となっています。

ガートナージャパンが2026年6月18日に発表した国内調査(2026年2月実施)では、IT部門が選んだもの以外の生成AIをユーザー部門が使うことを、自由に認める企業が8%、審査のうえ認める企業が67%で、合わせて75%(n=449)が何らかの形で認めていました。同じ調査では、シャドーAIを把握できていない企業が43%、把握していても有効な対策を取れていない企業が30%で、合わせて73%(n=414)が有効に管理できていないとされています。多くの会社は禁止ではなく容認を選んでおり、課題は認めた後の管理のほうにあります。

会社のネットワークを通らない私物端末には届かない

会社が用意できる遮断の仕組みは、管理している端末やネットワークを通る通信にしか効きません。たとえばGoogleの管理コンソールにあるURLのブロックは、会社が管理しているChromeが前提で、管理外の私物端末や私用のブラウザには効かない設定になります。IPAの人材育成プログラムの成果物として2026年7月に公開された「生成AIおよびAIエージェントを安全に活用するための手引書」も、会社のネットワークを通らない端末は技術で止めるのが難しく、最後は社員の意識とルールを守る姿勢に頼ることになると書いています。スマホから使われると、会社の記録には何も残らない場面も多いでしょう。

使えるAIが会社にないと、個人のAIに流れる

IPAの10大脅威の解説書は、シャドーAIが起きる例として、職場でAIサービスの利用が無い場合を挙げています。サイバーセキュリティクラウドが2026年6月23日に発表した調査(業務で生成AIを使う会社員360名・6月2〜4日)では、会社が禁止した場合でも利用を続ける意向の人が37.8%いました。内訳は、個人的に使い続けるが19.2%、利用継続を会社に訴えるが18.6%で、あくまで本人が答えた意向の数字になります。それでも、仕事が速く終わる道具を取り上げるだけでは、困る社員が出てくるのも無理はないでしょう。

禁止が先に立つと、申告されなくなる

先ほどの手引書によると、禁止を先に打ち出すだけでは申告されない利用が増え、実態がさらにつかみにくくなるそうです。オーストラリア・ビクトリア州の情報コミッショナー事務局(OVIC)が2024年9月に公表した報告書では、州の省で業務端末からChatGPTにアクセスしていた職員約900人に使い方を尋ねたところ、答えたのは10人だけだったと記録されています。責められるかもしれないと感じると、聞かれても正直には答えにくくなってしまいます。禁止の効き方と、代わりに会社が用意するものはシャドーAIは禁止すべきかでも整理しています。

シャドーAIが会社にもたらす5つのリスク

シャドーAIのリスクは情報漏洩だけでなく、学習への利用、記録が残らないこと、誤った答えや権利の問題、辞めた人や外部ツールからの入口まで広がります。ガートナージャパンも、知的財産を含む機密情報・個人情報の流出、データ管理などの法令違反、セキュリティ上の弱さの増大、事故が起きたときの評判の毀損の4つを主なリスクに挙げています。

リスク1:情報漏洩

顧客の氏名や連絡先、契約金額、未公開の経営情報を入力欄に貼った時点で、その情報は会社の管理外のサービスへ送られることになります。個人情報保護委員会は2023年6月2日の注意喚起で、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われる場合は、個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性があるとしました。そのため、提供元がその個人データを機械学習に使わないことなどを十分に確認するよう求めています。社員の個人アカウントでは、会社が確かめる手段は限られます。漏洩の経路と事例は生成AIの情報漏洩対策にまとめています。

リスク2:入力データの学習への利用

個人向けのAIは、本人の設定しだいで会話が学習に使われる場合があります。OpenAIのヘルプは、ChatGPTのPlusとProでは、データコントロールで学習をオフにしない限り会話がモデルの改善に使われる場合があると説明しています。AnthropicもClaudeの個人プラン(Free・Pro・Max)について、設定がオンのときは新しいモデルの学習に使い、学習を許可した場合は保持期間を5年に延ばすと2025年8月に発表しました。反対に、ChatGPT BusinessやClaude Team・Enterpriseのような法人向けプランは、既定で学習に使わないと各社が説明しています。オフにする操作が社員一人ひとりに任されている限り、全員分を会社が確かめるのは難しいでしょう。

リスク3:記録が残らず、説明できない

シャドーAIで事故が起きると、誰が何を入力したのかを会社がたどれなくなってしまいます。OVICの報告書も、閲覧の記録にはChatGPTのサイトに行ったことは残るものの、何を入力して何が返ってきたかは組織から見えないと指摘しています。原因も影響の範囲も分からなければ、取引先や監督官庁に説明することもできません。

リスク4:著作権侵害と、もっともらしい誤り(ハルシネーション)

警視庁のサイバーセキュリティ対策本部は2026年5月12日、公式XでシャドーAIへの注意を呼びかけました。ITmediaの報道によると、投稿に添えた図では情報漏えい・著作権侵害・ハルシネーションの3つをリスクとして挙げています。ハルシネーションとは、AIが事実と違う内容をもっともらしく答えてしまう現象のことです。同じ報道は、ハルシネーションや著作権侵害は会社が契約したAIでも起こりうると添えており、出力を人が確かめる工程はどの環境でも必要になります。

リスク5:辞めた人のアカウントと、外部ツールからの入口

会社の管理下のアカウントなら管理者が止めたり整理したりできますが、個人のアカウントは会社の管理画面から扱えません(OpenAIも、管理者は個人用ワークスペースの削除を強制できないと説明しています)。先ほどのVercelのように、社員が使っていた外部のAIツールが侵害されると、そこから会社のアカウントまで乗っ取られるおそれも出てきます。退職時の確認は退職者の生成AIアカウントに会社の情報は残る?で扱っています。

個人のAIに流れる前に、使ってよいAIを会社が配る

記録が残らない使い方を減らすには、会社が管理できるAIを先に配るのが近道です。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

シャドーAI対策の全体像|見える化・線引き・公認・制御・教育

シャドーAI対策は、利用実態を見える化し、使ってよい範囲を線引きし、公認のAI環境を配り、技術で補い、教育と点検を続ける流れで進めると迷いにくくなります。IPAの人材育成プログラムの手引書も、公認AIの提供、ルールの明文化と教育、技術的な検知・遮断の3本柱を示しています。ガートナージャパンは、採用時の審査・許可、利用中のモニタリング、定期的な棚卸しという3つの運用の段階を挙げました。それぞれの中身を、このあとの見出しで1つずつ見ていきましょう。

段階やること担当の目安詳しい記事
1 見える化処罰しない匿名アンケート、法人カードの明細、アクセス済みアプリと拡張機能の一覧で、使われているAIをつかむ総務・経営者野良AIの見つけ方
2 線引き許可・条件付き許可・禁止の3段階と、入力してはいけない情報を決める経営者生成AIガイドラインの作り方
3 公認学習に使わない設定とログを会社が管理できるAI環境を契約して配る経営者・総務法人向け生成AIサービスの比較
4 制御今ある管理画面とブラウザの管理から始め、必要な部署だけCASBやDLPを足す総務・外部の専門家CASBでシャドーAIを見つける
5 教育と点検部門ごとの例で理由を伝え、毎月・四半期・年1回の周期で見直す総務シャドーAIを防ぐ社員教育

利用実態を見える化する(処罰しない匿名アンケートから)

最初の一歩は、誰がどのAIをどの仕事に使っているかを知ることになります。聞き取りは、使っていたことを責めないと先に伝えたうえで、匿名で集めるのが近道でしょう。あわせて法人カードの明細と経費精算、会社アカウントのアクセス済みアプリ、ブラウザの拡張機能の一覧を見ると、アンケートでは出てこない利用にも気づけます。IPAの人材育成プログラムの手引書は、把握する項目として、使っているAIの製品名・提供元・契約の形(法人契約・個人契約・無料利用)、使う目的と業務、入れるデータの種類、出力の使い先を挙げています。実施の頻度は最低でも年1回とし、大きなアップデートや重大な事故、ガイドラインの改定のときにも追加するのが手引書の考え方です。

配布用ひな形:匿名アンケートの設問例(そのまま使える5問)

  1. 仕事で使ったことのあるAIサービスをすべて選んでください(ChatGPT・Claude・Gemini・Copilot・Perplexity・その他)
  2. それは会社の契約ですか、自分で登録したもの(無料版・有料版)ですか
  3. どの仕事に使いましたか(文章の下書き・要約・翻訳・表計算・調べもの・その他)
  4. 顧客や取引先の名前、社員の個人情報、社外に出していない数字を入れたことはありますか
  5. 会社に用意してほしいAIや機能があれば教えてください

設問を15問まで広げた版はシャドーAIの社内アンケートに載せています。

許可・条件付き許可・禁止の3段階で線引きする

線引きは、禁止か自由かの二択ではなく、許可・条件付き許可・禁止の3段階にすると現場が判断しやすくなります。ガートナージャパンも、全社標準としてIT部門が管理するAI、部門ごとに審査して使うAI、研修やテストで認められた人だけが使う個人利用のAIの3つに分ける考え方を示しました。手引書の表には、ルールを厳しくしすぎるとかえってシャドーAIが増えるという注意も書かれています。次の表は、社員10〜200名の会社がそのまま書き換えて使えるように記入例を入れたひな形です。

区分対象の例入れてよい情報使うときの条件
許可会社が契約し、管理者が設定を確かめた法人向けのAI環境(例:ChatGPT Business、Claude Team・Enterprise、会社のアカウントでサインインしたMicrosoft Copilot Chat)社内の資料や社外秘の資料も可。ただし入力禁止の5区分は社内ルールに従う会社のアカウントでサインインする。出力は人が確かめてから使う
条件付き許可個人アカウントのAI(無料版・個人の有料版)公開済みの情報と、個人や取引先が特定されない一般的な文章だけ学習に使う設定をオフにしたうえで申請し、承認を受ける
条件付き許可AIを組み込んだブラウザ拡張・AIブラウザ・会議の記録などのAIアプリ申請のときに決めた範囲のデータだけ申請して承認を受ける。会社のアカウントに広い権限を渡さない。AIブラウザで社内のシステムを開かない
禁止会社が把握していないAIサービス全般なし見つけたら窓口に報告し、許可済みの環境へ移す
禁止どのAIでも入力禁止の5区分を、会社の管理下にないAIへ入れることうっかり入れたら、その日のうちに窓口へ報告する

※表は社員10〜200名の会社向けの記入例で、公的な基準ではありません。法人向けプランが既定で学習に使わない点は、OpenAI・Anthropic・Microsoftの公式ヘルプの記載(各社の説明、2026年9〜10月確認)に基づきます。

区分は一度決めて終わりではなく、半年ほど運用したら現場の声を聞いて見直していくと定着しやすいでしょう。

AIに入れてはいけない情報の5区分

入力禁止の情報は、種類の名前だけでなく具体例で示すと、社員が迷わず判断できるようになります。

  • 顧客・取引先・社員の個人情報(氏名と連絡先が並んだ名簿、顧客リスト、社員の住所録など)
  • 要配慮個人情報(病歴や健康診断の結果など、取り扱いに特に配慮が必要とされる情報)
  • マイナンバーを含む情報(番号法で、提供できる場面が限られている情報)
  • 営業秘密や未公開の情報(未発表の決算数字、取引条件、開発中の製品の資料、ソースコードなど)
  • 取引先から守秘義務つきで預かった情報(秘密保持を約束した資料、顧問先の帳簿や申告書など)

営業秘密は不正競争防止法で、秘密として管理されていて事業に役立ち、公然と知られていない情報と定められています。管理の外にあるAIへ入れてしまうと、秘密として管理していたと主張しにくくなるおそれがあります。会計事務所のような士業では、守秘義務も法律で決められているのが特徴です。税理士法第38条は税理士本人に、第54条は事務所の使用人その他の従業者に、業務で知り得た秘密を正当な理由なく漏らしてはならないと定めており、辞めた後も同じ扱いになります。顧問先の帳簿や申告書を個人のAIに入れる前に、一度立ち止まってみてください。社内に配る一覧と通知文のひな形はAIに入れてはいけない情報|社内に配る一覧と通知文ひな形で公開しています。

公認のAI環境を用意する(選ぶときに確かめる5点)

線引きと入力のルールを決めたら、許可の段にあたる環境を会社として用意します。ルールだけ作っても、使える道具が会社に無ければ、社員は個人のアカウントに戻ってしまいます。選ぶときは、次の5点を確かめておきましょう。

  • 入力データを学習に使わない設定を、全社に一律で効かせられるか社員ごとの操作に任せる方式だと、設定漏れが出やすくなります。
  • 会話やログの保存場所と保存期間を、取引先に説明できるか顧問先や取引先から聞かれたときに、その場で答えられるかが目安です。
  • 誰がいつどのAIを使ったかを、管理者が確かめられるか事故のときの調査と、普段の使われ方の把握の両方に使います。
  • 退職や異動のときに、管理者がアカウントを止められるか個人契約では、本人が解約しない限りアカウントが残ってしまいます。
  • 個人で使っていたのと同じ使い方ができるか使い慣れたAIが無い、遅い、申請が面倒といった不満があると、個人のアカウントに戻る人が出てきます。

見落とされやすいのが5つ目になります。社員が個人のAIを使うのは多くの場合それが便利だからで、会社の環境が不便なら同じことが繰り返されてしまいます。申請から承認までの日数を短くすることも、使いやすさの一部でしょう。手引書は、審査の観点と却下されやすい条件を先に示しておけば、申請する側が自分で判断でき、承認も速くなると書いています。法人向けのサービスの横並びは法人向け生成AIサービスの比較で確かめられます。

AI利用台帳をつくる(社員が作ったAIエージェントにも持ち主を決める)

線引きと公認の環境が決まったら、許可したAIを1枚の台帳にまとめておくと、あとの点検がぐっと楽になります。承認した記録が申請のメールやチャットに散らばったままだと、半年後には誰が何を使っているのか、また分からなくなってしまうからです。台帳はExcelやスプレッドシートの1シートで十分で、列は次の8つを目安にしてみてください。

  • AIツールの名前と、契約の名義(会社の法人契約か、個人の契約か)
  • 使う部署と、主な用途
  • 入れてよい情報の範囲(入力禁止の5区分との関係)
  • 承認した日と、承認した人
  • 持ち主(そのツールや設定に責任を持つ社員の名前)
  • つないでいる社内のデータと、渡している権限(メール・共有フォルダ・カレンダーなど)
  • 学習に使わない設定を確かめた日
  • 次に見直す日

この台帳で特に気をつけたいのが、社員が自分で作ったAIエージェントや自動化の処理です。MicrosoftのCopilot StudioやChatGPTのGPTsで作ったエージェント、ZapierやMakeのような自動化ツールにAIを組み込んだ処理は、作った本人が異動や退職をしたあとも、渡した権限のまま動き続けることがあります。持ち主のいないまま社内のデータに触れ続ける状態が、野良AIエージェント(シャドーAIエージェント)と呼ばれるものです。

防ぎ方はシンプルで、自動で動くものには必ず持ち主を1人決め、台帳の持ち主の欄が空いたものは止める、という決まりにしておきます。異動や退職の引き継ぎの書類に「自分が作ったAIエージェントと自動化の処理」の欄を1行足しておけば、持ち主のいないエージェントが残りにくくなるはずです。台帳は四半期の点検で、持ち主は退職・異動のつど見直すと続けやすいでしょう。エージェントの洗い出しの細かい手順はシャドーAIエージェントの棚卸し手順にまとめています。

技術的な制御は会社の規模で選ぶ

技術的な制御は、全部をそろえる必要はなく、会社の規模と扱う情報の重さに合わせて足していくものです。手引書は入力の統制を3段階に分け、AIの利用画面に入れてよい範囲を常に表示したり、ログイン時に注意を出したりする方法を、導入の費用が小さい最初の段階に置いています。次の段階が、マイナンバーやカード番号のような決まった形の文字列を見つけて伏せる仕組みで、3段階目がDLP(情報の持ち出しを見つけて止める仕組み)やAIゲートウェイになります。文脈に埋もれた機密、たとえば買収のプレスリリース案のようなものは、決まった形で探す方法では見つけにくいと手引書自身が書いている点も覚えておきましょう。

種類できること前提・注意〜50名50〜200名200名超
今ある管理画面(Google Workspace・Microsoft 365)アクセス済みアプリの一覧、アプリごとの許可・ブロック、社員による同意の設定会社のアカウントでの利用だけが見えるまずここからまず入れるまず入れる
ブラウザの管理(管理対象のChrome)拡張機能の名前と権限の一覧、URLのブロック会社が管理するChromeだけに効く会社のPCで使っていれば推奨まず入れる
法人向けAI環境の管理画面学習に使わない設定、利用ログ、権限、使わせるAIの選択見られる項目はサービスによって違う公認環境と一緒にまず入れるまず入れる
MDM(会社の端末の管理)会社支給のPCやスマホへのアプリの配布と制限私物端末は会社が管理できる範囲が限られる会社支給のスマホがあれば推奨まず入れる
CASB・SWG(クラウド利用の見える化と通信の制御)会社の通信から使われているクラウドサービスを見つけ、未承認のものに警告や遮断をかける会社のネットワークや管理端末を通る通信だけが対象多くは不要情報の重い部署から検討検討
DLP・AIゲートウェイ機密の入力を見つけて止める文脈に埋もれた機密は見つけにくい多くは不要機密を扱う部署に絞る検討

※規模ごとの目安は社員10〜200名の会社を想定した編集上の目安で、公的な基準ではありません。製品の費用はこの表では扱っていません。

Microsoftの説明では、Defender for Cloud Appsで未承認にしたアプリは、Defender for Endpointと連携した端末で自動的にブロックされ、遮断の代わりに警告と注意を出す使い方も選べるとされています。どの製品も、会社の通信や管理端末を通ったものしか見えない点は共通していると考えておくとよいでしょう。

管理画面で確かめる場所の一覧

専用の製品を入れる前に、今ある管理画面で分かることは意外と多くあります。

画面場所分かること
Google Workspace 管理コンソールメニュー → セキュリティ → アクセスとデータ管理 → API の制御 → アプリのアクセスを管理Googleのデータへのアクセスを許可したアプリと使っている人数。アプリごとに信頼できる・限定・ブロック中などを設定
Google 管理コンソール(Chrome)デバイス → Chrome → 設定 → ブラウザに関するレポート管理対象のChromeに入っている拡張機能の名前と権限、管理者が入れたものか社員が入れたものか
Google 管理コンソール(Chrome)デバイス → Chrome → 設定 → コンテンツ → ブロックされる URL管理対象のChromeで開けないURLの登録(最大1,000個)
Microsoft Entra 管理センターIdentity → Applications → エンタープライズ アプリケーション → 同意とアクセス許可 → ユーザーの同意設定社員が自分の判断で外部のアプリに会社のデータへのアクセスを許可できるか(既定では、管理者の同意が要らない範囲は社員が許可できる)
Microsoft Defender ポータルCloud apps → Cloud discovery → Discovered apps会社の通信から見つかったクラウドアプリ(Defender for Cloud Appsの契約が前提)
ChatGPT(個人向け)設定 → データコントロール → すべての人のためにモデルを改善する本人の会話を学習に使うかどうか(社員本人が操作する)
Claude(個人プラン)Settings → Privacy → Help improve our AI models本人の会話を学習に使うかどうか(社員本人が操作する)

※画面の名前と場所は2026年9〜10月に各社の公式ヘルプで確認したものです。契約しているエディションで使えるかどうかは、各社のヘルプでご確認ください。

画面ごとの詳しい見方は野良AI(シャドーAI)の見つけ方に、CASBでどこまで見えるかはCASBでシャドーAIを見つけるにまとめました。

社員教育は部門ごとの具体例で伝える

教育では、禁止の理由と、その部署で実際に起きそうな場面をセットで伝えると伝わりやすくなります。IPAの10大脅威の解説書は社員向けの対策として、社内の秘密情報を安易に入力しないこと、AIが指示どおりの答えを返すとは限らずハルシネーションがあると理解すること、AIに頼りすぎないことを挙げています。

  • 営業:顧客リストや見積もりを貼ってメール文を作らせる場面。顧客名と金額は伏せ、公認の環境で使う
  • 人事・総務:評価のコメントや健康に関わる情報を要約させる場面。要配慮個人情報は入れない
  • 経理:取引先の財務資料や未公開の決算数字を分析させる場面。公認の環境以外には入れない
  • 開発:ソースコードを貼って直させる場面。社外秘のコードは個人のアカウントでは扱わない

教材には、IPAの「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」が使えます。AIにもセキュリティにも詳しくない利用者やマネージャー向けに作られた資料で、社内研修にも使えるようスライドの形で公開されています。総務省の「生成AIはじめの一歩」も、ノート欄に話す内容のメモが付いた研修向けの資料になります。使う前にページに書かれた連絡先へ知らせる決まりがあるので、確かめてから使ってください。研修の進め方と説明文の例はシャドーAIを防ぐ社員教育で紹介しています。

ガイドラインに書く項目と窓口・違反時の流れ

社内ルールに書く項目は、使ってよいAIの一覧、入力してはいけない情報、申請と相談の窓口、違反したときの対応の4つが柱になります。IPAの解説書は、経営者向けの対策に、個人アカウントでの業務利用の制限や規程違反時の対応の明確化、トラブルに備えた専門家や相談窓口の確保を並べています。窓口は1か所に決め、迷ったらここに聞けばよいと社員が分かる状態を作りましょう。

違反が見つかったときは、責めるより先に、何を入れたかを本人から聞き取ることが優先になります。入れた情報に個人データが含まれていれば、個人情報保護委員会への報告が必要な場合に当たるかを確かめます。同委員会は、要配慮個人情報が含まれる場合や本人の数が1,000人を超える場合などを報告が必要な例に挙げ、速報は知った時点から概ね3〜5日以内が目安になります。懲戒を考える場合は、懲戒の定めがある就業規則を社員に周知していることが前提だと、厚生労働省のQ&Aが最高裁の判決を引いて説明しています。

配布用ひな形:申請フォームの項目(6項目)

  • 使いたいAIサービスの名前と提供元
  • 契約の形(会社契約・個人の無料版・個人の有料版)
  • 使う業務と目的
  • 入れる情報の種類(公開・社内・社外秘・個人情報)
  • 出力を社外に出すかどうか
  • 学習に使う設定をオフにできるかどうか

配布用ひな形:うっかり入力・違反の報告フロー(5段階)

  1. 気づいたら、その日のうちに窓口へ報告する(自分から報告した場合の扱いは、先に社内で決めて伝えておく)
  2. 窓口は、使ったサービス・入れた情報・日時を聞き取る
  3. 個人データが含まれていれば、個人情報保護委員会への報告が必要な場合に当たるかを確かめる
  4. 履歴の削除とアカウントの整理をして、許可済みの環境へ移す
  5. 同じことが起きないように、線引きと教育の中身を直す

就業規則の書き方と処分の線引きはシャドーAIで懲戒処分はできる?就業規則の書き方と処分の線引き、ルール文書全体の作り方は生成AIガイドラインの作り方で詳しく見られます。

点検と見直しの周期|毎月・四半期・年1回

点検は、毎月の軽い確認、四半期ごとの見直し、年1回の棚卸しの3つの周期に分けると続けやすくなります。年1回の棚卸しはIPAの人材育成プログラムの手引書が最低限として示す頻度で、毎月と四半期の項目は社員10〜200名の会社向けに組んだ目安です。

周期確かめること担当の目安
毎月法人カードの明細と経費精算にAIサービスの課金がないか/アクセス済みアプリと拡張機能の一覧に新しいものがないか/申請と相談の処理が止まっていないか総務
四半期許可・条件付き許可の一覧の見直し(新しいサービス、仕様が変わったサービス)/公認環境の利用ログで、使われていない部署や使い方の偏りを確かめる/教育で使う事例の差し替え総務・経営者
年1回以上匿名アンケートでの実態の把握(手引書は最低でも年1回)/ガイドラインの改定経営者
そのつど大きなアップデート、重大な事故、ガイドラインの改定のとき(手引書が追加の把握を求める場面)/入社・退職・異動のとき総務

手引書は、ログの全件を目で見るのは無理なので、重要なシステムのごく一部だけでも毎日人が確かめるのが望ましいとも書いています。ガートナージャパンも、仕様の変更でリスクが動くため、定期的な棚卸しが大切だと述べていました。決めた周期を予定表に入れてしまえば、担当が替わっても点検が止まりにくくなります。点検の項目を30項目で確かめたい方は、生成AIのセキュリティ対策チェックリストを使ってみてください。

情シスがいない会社の最小構成

情報システムの担当者がいない会社でも、経営者が決め、総務の1人が窓口と点検を受け持つ形にすれば、シャドーAI対策は回せます。先ほどの商工組合中央金庫の調査のとおり、使い方を個人に任せている中小企業は多く、何も決まっていない状態から始める会社のほうが一般的でしょう。

役割担う人仕事
決める人経営者3段階の線引き、公認環境の契約、違反があったときの判断
窓口と点検総務の担当者1名(兼務)申請と相談の受付、毎月の点検、アンケートの集計
部署の相談役各部署でAIに詳しい人使い方の相談、教育で使う事例集め
外の相談先ITやセキュリティの外部の専門家、顧問の社会保険労務士・弁護士技術的な制御、就業規則と懲戒の相談

外の相談先は、事故が起きてから探すと時間がかかってしまいます。申請から返事までの日数は、たとえば3営業日以内のように決めて社内に伝えましょう。返事が遅いと、待ちきれない人が個人のアカウントで済ませてしまうからです。最初から完璧を目指さず、表の4つの役割に名前を入れるところから始めれば十分になります。

公的機関の情報と、国内外の公表事案

シャドーAIは、国の機関や警察が名前を出して注意を呼びかける段階に入っています。

IPA・警視庁・個人情報保護委員会が示していること

  • IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」(2026年1月29日公開)では、組織編の3位に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて選ばれました。解説書[組織編]は、職場が個人アカウントでのAIの業務利用を認識できないこともリスクとしています。
  • IPAの人材育成プログラムの成果物「生成AIおよびAIエージェントを安全に活用するための手引書」(2026年7月)は、シャドーAIへの対応方針として、公認AIの提供、ルールの明文化と教育、技術的な検知・遮断の3本柱を示しています。内容はIPAの意見を代表するものではなく著者の見解だと、手引書自身が明記しています。
  • 警視庁サイバーセキュリティ対策本部は2026年5月12日、公式Xで、組織が管理していない生成AIを業務で使うシャドーAIへの注意を呼びかけました。図で挙げた3つのリスクはITmedia AI+の報道で文字になっています。
  • 個人情報保護委員会は2023年6月2日に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を出し、個人データを含むプロンプトを入れる場合は、提供元が機械学習に使わないことなどを十分に確認するよう求めています。
  • ガートナージャパンは2026年6月18日、国内企業の75%が未承認の生成AIの利用を何らかの形で認める一方、73%がシャドーAIを有効に管理できていないとする調査を発表しています。

IPAの10大脅威は選考会の審議と投票で決まるもので、法律上の義務を定めたものではありません。警視庁の件も注意を呼びかける投稿で、ガイドラインを出したわけではない点に気をつけてください。警視庁の注意喚起の受け止め方は警視庁がシャドーAIに注意喚起、会社は何をすればいいのか、IPAの資料の使い分けはシャドーAI対策のIPA手引書が示す最低限とは?にまとめています。

国内外で公表された事案

国内では、RIZAPが2026年9月3日、従業員が会社の許可していない外部の生成AIサービスへデータをアップロードしていたと公表しました。委託元の健康保険組合の公表によると、判明したのは2026年8月20日で、本人の申告がきっかけでした。RIZAPは対応として、業務利用の禁止の再周知、アクセス権限と利用環境の見直し、AIマネジメントシステムの導入の検討を挙げています。

海外では、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の再建庁が2025年10月、元の契約スタッフが承認されていないChatGPTに洪水被災者の情報を含む表をアップロードしていたと公表しました。2026年3月26日の更新では、データがChatGPTにアップロードされた人は2,031人とされています。会社のログに残らない使われ方が多いため、公表された事案が少ないことは、起きていないことを意味しないと考えたほうがよいでしょう。事例ごとの発覚の経緯と会社の措置はシャドーAIの事例、漏洩事例の一覧は生成AI・シャドーAIの情報漏洩事例で見られます。

最初の30日の進め方

最初の30日は、実態をつかむ1週目、線引きを決める2週目、公認環境を選ぶ3週目、全社に配る4週目という順で進めると無理がありません。

  1. 1週目:処罰しないと伝えたうえで匿名アンケートを配り、法人カードの明細とアクセス済みアプリの一覧を確かめる
  2. 2週目:3段階の線引きと入力禁止の5区分を決め、窓口の担当者を1人決める
  3. 3週目:公認のAI環境を選んで契約し、学習に使わない設定とログの見え方を確かめる
  4. 4週目:全社に配り、部門ごとの例を使った説明会を開く。毎月の点検日を予定表に入れる

この日程は社員10〜200名の会社を想定した目安で、決裁に時間がかかる会社は1〜2週間ずれても構わないでしょう。週ごとの細かな手順はシャドーAI対策|会社が取りかかる順番と、最初の30日でやることで詳しく扱っています。社員が個人のChatGPTを使っていたと分かった場合の動き方は、社員が個人のChatGPTを業務で使っていたらも参考になります。

使ってよいAIを、会社の管理画面からまとめて配る

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。全モデルで学習非利用を標準適用し、管理画面では誰が・いつ・どのAIを・どう使ったかが一覧でき、使わせるAIも会社が選べます。データの保管とログ管理は国内サーバー(AWSの日本リージョン)で行います。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。

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よくある質問(シャドーAI・野良AI)

野良AIとシャドーAIは同じ意味ですか?
ほぼ同じ意味で使われます。シャドーAI(Shadow AI)は英語由来の呼び方で、野良AIは日本語での言い換えにあたります。どちらも、会社が承認・把握していないAIを社員が業務で使っている状態を指します。
シャドーAIとシャドーITは何が違いますか?
シャドーITは、会社が許可していないクラウドサービスやアプリ、私物の端末を業務に使うこと全般を指す広い言葉で、シャドーAIはその中の生成AIに関わるものを指します。提供元の設定によっては入力した内容が学習に使われたり、サーバーに残ったりするため、渡した情報を取り戻しにくい点が大きな違いです。
シャドーAIは全面禁止すれば解決しますか?
禁止だけでは届かない範囲が残ります。会社の端末やネットワークを通らない私物のスマホや自宅のパソコンには、遮断の仕組みが効きにくいためです。IPAの人材育成プログラムの手引書も、禁止を先に打ち出すだけでは申告されない利用が増え、実態がつかみにくくなると書いています。使ってよいAIを会社が用意し、許可・条件付き許可・禁止の線引きで管理するのが現実的です。
個人向けのAIに入れた内容は、学習に使われますか?
サービスと設定によって異なります。OpenAIはChatGPTのPlusとProについて、学習をオフにしない限り会話がモデルの改善に使われる場合があると説明しており、Claudeの個人プランも設定がオンなら学習に使うとAnthropicが発表しています。法人向けのChatGPT BusinessやClaude Team・Enterpriseは、既定で学習に使わないと各社が説明しています。
情報システムの担当者がいない会社でも対策できますか?
できます。経営者が線引きと公認環境を決め、総務の担当者1人が窓口と毎月の点検を受け持つ形が最小の構成になります。技術的な制御は、今使っているGoogle WorkspaceやMicrosoft 365の管理画面と、会社のPCのブラウザの管理から始め、CASBやDLPは情報の重い部署から検討すれば足ります。
社員がシャドーAIを使っていたと分かったら、まず何をすればよいですか?
責める前に、使ったサービス・入れた情報・日時を本人から聞き取ります。個人データが含まれていれば、個人情報保護委員会への報告が必要な場合に当たるかを確かめ、履歴の削除とアカウントの整理をしたうえで、許可済みの環境へ移します。懲戒を考える場合は、懲戒の定めがある就業規則を社員に周知していることが前提になります。
シャドーAI対策は何から始めればよいですか?
処罰しないと伝えたうえでの匿名アンケートと、法人カードの明細やアクセス済みアプリの一覧の確認から始めるのがおすすめです。実態が分かったら、許可・条件付き許可・禁止の3段階の線引きと入力してはいけない情報を決め、公認のAI環境を配り、毎月と四半期の点検を予定に入れていきます。
シャドーAI(野良AI)をテーマ別にくわしく

シャドーAIが会社からどこまで見えるのかは、シャドーAIとは?会社にバレる範囲とバレない範囲で詳しく扱っています。

まとめ

シャドーAI(野良AI)とは、会社が把握していないまま社員が個人のAIを業務に使う状態で、情報漏洩や学習への利用、記録が残らないことなど5つのリスクにつながります。全面禁止は会社の端末とネットワークの外には届きにくく、対策の軸は、使ってよいAIを会社が用意して管理することになります。進め方の目安は、匿名アンケートでの見える化、3段階の線引きと入力禁止の5区分、公認環境の用意、規模に合わせた技術的な制御、部門ごとの教育、毎月・四半期・年1回の点検の順番です。情シスがいない会社でも、経営者が決めて総務の1人が回す形なら始められます。まずは処罰しないと伝えたうえで、社内アンケートを配るところから始めてみてください。

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執筆:中里 吉利(コプラス株式会社 代表取締役)/Interactive Advertising Bureau(IAB)公認 Google デジタルマーケティング認定資格・Google アナリティクス認定資格・Google 広告測定認定資格