脆弱性の発見、AI普及で2.4倍に
COPLUS AI NEWS | 2026年10月18日 夕版
AIは脆弱性を見つける速さを上げ、現場では秘書やシフト係を担い始める
ITシステムの脆弱性の発見件数が、生成AIの普及後に2021年の2.4倍まで増えたと報じられました。仕事の経緯を覚える秘書AIや介護のシフトを自動で作るAI、生成AIが勧める弁護士事務所の調査、AI関連株の利益見通しとあわせ、夕方のAI動向5本を整理します。
📋 本日のニュース
- ① ITシステムの脆弱性、生成AIの普及後に急増 2025年は4万8千件超で2021年の2.4倍と米MITREが集計
- ② 松江市のXiNAPSE、ChatGPT・Claudeに仕事の経緯を覚えさせる秘書AI「XiNAPSE-Agent」β版を提供開始
- ③ 生成AIに「弁護士事務所のおすすめ」を聞くと、ChatGPTは89%の回答で事務所名を挙げず ブランディングワークスが調査
- ④ エッジアウト、介護事業者向けAIメンター「MentCare」にシフト自動作成機能 他施設からの応援配置も自動で
- ⑤ AI関連株の利益成長、2026年のほぼ100%から2028年は約22%へ鈍化とジェフリーズが予測 「AI以外にも分散を」
① ITシステムの脆弱性、生成AIの普及後に急増 2025年は4万8千件超で2021年の2.4倍と米MITREが集計
共同通信(Yahoo!ニュース掲載)/2026年10月17日
共同通信は10月17日、世界のセキュリティー関係者が見つけたITシステムの脆弱性の件数が、対話型の生成AIが普及してから急増していると報じました。脆弱性に「CVE」と呼ばれる識別番号を付けて管理している米非営利団体MITREの集計で、2025年は4万8千件を超えて2021年の2.4倍となり、2026年も6月までに3万5千件を超えて過去最多のペースだとしています。AIを使うことで短い時間に大量の脆弱性を見つけられるようになったことが背景とされています。国内でも大手サービスで情報漏えいが相次ぎ、政府が10月9日に企業へ脆弱性対策の徹底を要請したことにも触れています。
💡 コプラスの視点
脆弱性が見つかる速さが上がれば、修正プログラムが出てから攻撃に使われるまでの時間も短くなると考えておく必要があります。中小企業でも、使っている機器やソフトの一覧を持ち、更新の通知が来たら誰がいつ適用するかを決めておくことが基本の守りになります。外部に保守を任せている場合は、更新をどの頻度で当ててもらう契約になっているかを一度確かめておきたいところです。
② 松江市のXiNAPSE、ChatGPT・Claudeに仕事の経緯を覚えさせる秘書AI「XiNAPSE-Agent」β版を提供開始
株式会社XiNAPSE 発表(PR TIMES)/2026年10月17日
島根県松江市の株式会社XiNAPSEは10月17日、利用者がすでに契約しているChatGPTやClaudeに秘書用の手順を組み込み、仕事の経緯を覚えている秘書として使えるようにする「XiNAPSE-Agent」のβ版の提供を始めました。案件ごとの経緯を利用者のGoogleドライブに記録し、新しいチャットを開いたりAIを替えたりしても前回の続きから相談できるとしています。その日にやる3件を理由つきで選ぶ機能や、メールの返信をGmailの下書きとして作る機能もあり、送信は利用者が行います。料金は先行価格で月払いが月6,000円(税込)、年契約が月あたり5,000円(同)で、ChatGPTやClaudeの利用料は別にかかります。
💡 コプラスの視点
AIに毎回背景を説明し直す手間は、個人事業主や少人数の会社ほど負担になりやすく、経緯を手元のドライブに残す設計は使い続けるうえで助けになります。一方で、案件の記録や設定の回答がどこに保存されるかは、取引先の情報を扱う業務ほど事前に確かめておくべき点です。社内で使う場合は、どの案件の情報まで記録させてよいかを決めてから始めると安心です。
③ 生成AIに「弁護士事務所のおすすめ」を聞くと、ChatGPTは89%の回答で事務所名を挙げず ブランディングワークスが調査
株式会社ブランディングワークス 発表(PR TIMES)/2026年10月17日
AI検索対策のサービスを手がける株式会社ブランディングワークスは10月17日、ChatGPTとGeminiのAPI(Web検索を有効にした状態)に「弁護士事務所のおすすめは?」と同じ質問を繰り返し、回答に出てきた事務所名を集計した結果を発表しました。9月18日〜30日のうち9日間、1日3回ずつ両方のAIに尋ねた有効回答54件をもとにしています。2つのAIを合わせた言及率はベリーベスト法律事務所とアディーレ法律事務所が44.4%で並び、ChatGPTは回答の89%で特定の事務所名を挙げず、地域や相談内容を尋ねたり選び方を説明したりする回答が中心でした。回答の根拠として引かれたのは比較サイトやランキング記事が中心で、同社は調査がサービスの優劣を評価するものではないとしています。
💡 コプラスの視点
同じ質問でもAIによって紹介される相手が大きく変わるため、士業や専門サービスは、どのAIでどう紹介されているかを一度確かめておく価値があります。AIが比較サイトやランキング記事を根拠にしやすい点からは、自社の得意分野や対応地域を外部のサイトでも正しく伝えておくことが大切だとわかります。なお有効回答は54件と少なく、発表元もこの分野のサービス提供者である点は割り引いて読む必要があります。
④ エッジアウト、介護事業者向けAIメンター「MentCare」にシフト自動作成機能 他施設からの応援配置も自動で
エッジアウト株式会社 発表(PR TIMES)/2026年10月16日
エッジアウト株式会社は10月16日19時、介護事業者向けのAIメンター「MentCare」に、毎月のシフト作成を支える「AIシフト機能」を追加し、同日から提供を始めたと発表しました。職員の希望休や夜勤のルール、必要な人数を設定するとシフト案を自動で作り、連勤や人数不足を自動で確認して問題のある箇所を知らせます。人手が足りない日には、承認済みのヘルプ登録をもとに他の施設のスタッフを配置し、二重配置も防ぐとしています。市販のツールでは難しかった複数施設にまたがるシフト作成を背景に開発したとし、料金は発表文に記載がありません。
💡 コプラスの視点
シフト作成は、希望休や夜勤の決まりを突き合わせる必要があり、管理者にとって毎月の負担になりやすい業務です。条件を入れて案を作り、ルール違反を機械に確かめさせる使い方は、AIの判断を最終決定にせず人が確認する前提でも時間を減らしやすい領域です。複数の施設を持つ事業者ほど応援配置の調整の手間が大きいため、効果を測りやすい導入先になりそうです。
⑤ AI関連株の利益成長、2026年のほぼ100%から2028年は約22%へ鈍化とジェフリーズが予測 「AI以外にも分散を」
IANS(インド通信社)配信/2026年10月17日
インドのIANS通信は10月17日、投資銀行ジェフリーズのレポートとして、世界の株式指数「MSCI ACワールド指数」に含まれるAI関連株の利益成長率の市場予想が、2026年のほぼ100%から2027年は30%、2028年は約22%に下がる見通しだと伝えました。予想株価収益率は均等加重でAI関連株が約23倍、それ以外の株が約13倍で、利益の伸びが鈍る中での評価の高さを懸念点に挙げています。レポートは「AI以外にも分散投資する時期が来た」とし、AIの基盤を供給する企業は保有を続ける一方、AIへの設備投資を自ら行う企業は避けるとしています。今週はAI関連の取引が続くかへの疑いや債務への懸念から、世界の株式市場が大きく売られたとも伝えています。
💡 コプラスの視点
投資家の目がAIの「期待」から「利益」に移りつつあることは、AIを提供する企業の値付けや事業の続け方にも影響します。利用する側の企業にとっては、契約しているAIサービスの料金や提供条件が今後見直される可能性を頭に置き、特定の1社だけに頼り切らない選び方をしておくことが備えになります。なお本記事は市場の見通しの紹介で、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。
明日への展望
脆弱性の件数が過去最多のペースで増えるなか、国内でも政府の要請を受けて企業が更新の体制を見直す動きが広がるかが注目されます。秘書AIやシフト作成AIのように、既存のAIや業務の流れに組み込んで使う製品が増えており、記録の保存先や人の確認の手順をどう設計しているかが選ぶ際の目安になりそうです。AI関連株の利益見通しが慎重になる中で、AIを提供する企業が料金や提供条件をどう見直していくかも見どころです。
本日のまとめ
AIで脆弱性が見つかる速さが上がり守りの更新が急がれる一方、仕事の経緯を覚える秘書AIや介護のシフトを作るAI、AIに紹介される側の対策、AI関連株の利益見通しの変化と、AIの広がりが攻めと守りの両面で実務に及んだ一日でした。
コプラス株式会社は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの画面で使える法人向け生成AI「UPGEAR AI」を提供しています。安全な使い方の設計や社内ルールづくりのご相談は、お気軽にお問い合わせください。

