管理職46.5%がシャドーAI

COPLUS AI NEWS | 2026.09.10

ルールを作った人から、はみ出す

禁止の一文を書く側が、いちばん外を使っている。もう1本は、社内のAI利用が増える前提に立って、トークンの単価そのものを10分の1へ絞りにいくNECの話です。

会社としてAIをどう使うかを決める段になると、話は禁止と許可の線引きに向かいがちです。ところが本日の2本は、どちらもその手前にある現実を突きつけます。ルールを作る側の管理職ほど公式外のAIを使っているという調査と、使う量そのものは増える前提に立ったうえで、トークンの実質的な単価を10分の1に絞ると掲げた大企業の話です。禁止で止まらないなら、使わせ方と原価をどう設計するかが残ります。

① 公式外のAI利用経験は管理職46.5%、一般社員38.1% 『AI白書2026』の調査

出典:@IT / 2026年9月10日(調査は角川アスキー総合研究所が2026年8月10日に公表。掲載書籍『AI白書2026』は8月20日発売)

角川アスキー総合研究所が『AI白書2026』で公表した独自調査に、会社が公式に認めていないAIツールの業務利用、いわゆるシャドーAIの実態が示されています。同社の発表によると、公式外AIツールの業務利用経験があると答えた割合は、課長以上の管理職で46.5%、係長・主任以下の一般社員で38.1%でした。ルールを作り、守らせる立場にある管理職のほうが利用経験が多いという結果です。

もう1つの数字が、ガイドラインの効き目に関するものです。全社共通のガイドラインを整備済みと答えた企業でも、公式外AIツールの業務利用経験は46.9%ありました。調査は、上場企業または従業員数300人以上の非上場企業に勤める経営者・役員および従業員310人を対象に、2026年4月24日から25日にかけてインターネットアンケート形式で実施されたものです。回答者数が310人と限られる点は、数字を読むうえで押さえておく必要があります。

💡 コプラスの視点

管理職の利用経験が一般社員を上回るという結果は、規律の問題というより、公式に用意されたAIが仕事の速さに追いついていない可能性を示しています。ガイドラインを配った企業でも約半数に利用経験があるのなら、次に確かめるべきは文書の有無ではなく、社内で承認したAIが管理職の実務に耐えるかどうかです。会社が用意する側を先に強くしないと、禁止の一文はいちばん忙しい層から形骸化しかねません。

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一次情報:角川アスキー総合研究所の発表(企業における生成AI導入の投資・統制・成果実態調査)

② NEC、社内のAIトークンコストを下期に10分の1へ

出典:ITmedia AI+ / 2026年9月10日(説明会は9月9日)

NECが9月9日、全社員の役割をAIが担う新組織として8月1日付で設置したコーポレートAI・Workforce部門についてメディア向け説明会を開き、その質疑応答で社内のAIコストに関する目標が示されました。執行役 Corporate EVP 兼 CAXOの小玉浩氏によると、2026年4月時点の社内AI利用状況を基準に、実質的なトークンコストを2026年の上期中に5分の1、下期中に10分の1まで下げるとしています。同氏は、同じ使われ方だったら10分の1にするという考え方だと説明しています。ただし利用量そのものは増える見通しだとしており、社内のAI支出の総額が10分の1になるという話ではありません。

取り組んでいる手段として挙げられたのは、タスクに応じて最適なモデルへ処理を振り分けるルーティング、高性能なフロンティアモデルとオープンウェイトモデルの使い分け、過去の入力を再利用するキャッシュの活用、そしてタスク実行時に参照するコンテキストデータの整備です。加えて、固定料金型サービスの利用も視野に入れるとしています。いずれも同社の説明であり、削減の実績値が公表されたものではありません。

💡 コプラスの視点

中小企業が同じ仕組みを社内に作るのは現実的ではありませんが、考え方は流用できます。全部を最上位モデルで処理しない、同じ資料を毎回貼り直さない、そして月額が読める契約を選ぶ。特に3つ目は効きます。従量課金のまま人数を増やすと、翌月の請求が出るまで原価が分からない状態が続きます。NECが前提に置いたとおり使う量が増えていくのなら、上限の見える契約に寄せておくほうが社内の説明も通ります。

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本日のまとめ

全社共通のガイドラインを整備済みの企業でも、公式外AIの業務利用経験は46.9%ありました。別の集計では、その利用経験は管理職の46.5%が一般社員の38.1%を上回っています。一方で、社内の利用量が増える前提に立った大企業は、単価のほうを10分の1に絞る計画を進めている。この2本を並べると、次に決めるべきことがはっきりします。使わせない方法ではなく、会社が用意したAIを実務に耐える速さと価格で置くことです。

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