Gemini、Windowsアプリ提供開始

COPLUS AI NEWS | 2026.09.12

AIが、作業の手元までやって来る

Alt+Spaceで、作業中の画面の上にGeminiが現れる。もう1本は、ロボットのタブレットで図面を読み取り、溶接の条件と動きをAIが組み立てるファナックの新商品です。

本日の2本は、どちらもAIを作業の手元に置く話です。1本目は、Windowsの画面にショートカット1つでGeminiを呼び出せるGoogleのデスクトップアプリ。2本目は、部品の図面を読み取り、溶接条件とロボットの動作をAIが自動で生成するファナックの「AI溶接エージェント」です。別の画面やサイトへ移らなくても使えるようになるほど、AIに何を読ませてよいかの判断は、使う人の手元に近づいてきます。

① Google、Windows向けGeminiアプリを公開 Alt+Spaceで作業中の画面に呼び出し

出典:Google 公式ブログ / 2026年9月10日(現地時間)(国内ではITmedia NEWSが9月11日に報道)

Googleは現地時間9月10日、Windows向けのデスクトップアプリ「Gemini app for Windows」を公開しました。対象はWindows 10と11を搭載したPCで、全世界向けに提供を始めています。ITmedia NEWSによると日本語にも対応しています。最大の特徴は、作業中にAlt+Spaceを押すとGeminiが画面の上に重なって現れる点で、開いている資料のファクトチェックやプレゼン資料のタイトル案出しなどを、ほかのアプリから離れずに頼めます。

ITmedia NEWSによると、ログインすればこれまでGeminiで使ってきた機能をアプリ内でひと通り使えます。GmailやGoogleドライブから情報を引き出してまとめる機能のほか、複数の手順からなる作業を任せるAIエージェント「Gemini Spark」、画像生成の「Nano Banana」、動画生成の「Gemini Omni」も含まれます。Googleは、SparkとOmniの利用にはGoogle AIのサブスクリプション契約が必要で、提供状況は地域によって異なり、対象は18歳以上としています。また、アプリはPCの動作を遅くしない設計だとし、デスクトップならではの機能を今後順次追加するとしています。

💡 コプラスの視点

デスクトップアプリはPCに入れておけば、Alt+Spaceで作業中の画面の上にすぐ呼び出せます。インストールを制限していないPCなら、社員が自分で入れることもできます。手軽になるほど、会社が把握していない個人のアカウントで業務の資料が読まれる場面も増えかねません。GmailやGoogleドライブとつながる機能や、作業をAIに任せる機能が、どのアカウントで、どの業務データに向けて使われているのか。社内のPCに入っているAIアプリの棚卸しと、業務で使ってよいアカウントの線引きを、この機会に確かめておきたいところです。

Googleの発表を読む →(Google公式ブログ・英語)
国内報道:ITmedia NEWS

② ファナック、図面を読み取り溶接ロボットを動かす「AI溶接エージェント」

出典:ファナック ニュースリリース / 2026年9月11日(AI Watchが同日に報道)

ファナックは9月11日、Googleとの協業により、新商品「AI溶接エージェント」を開発したと発表しました。部品の図面を読み取り、ロボットがアーク溶接を行うシステムで、Google Cloudの企業向け生成AI「Gemini Enterprise」を活用しています。AIが図面から使う材料や作る部品を理解したうえで、電流・電圧などの溶接条件とロボットの動作を自動で生成し、同社はこれを「ゼロ設定、ゼロ教示」と表現しています。オペレーターは、生成された条件をそのまま実行することも、微調整してから溶接させることもできます。

図面の読み取りには同社の協働ロボットCRXのタブレットに内蔵されたカメラを使うため、図面読み取り用のカメラや専用の機器を追加する必要はないとしています。読み取らせた図面などのデータはGemini Enterpriseのセキュリティで保護され、別のユーザーのAI学習に流用されることはないと説明しています。9月16日から東京ビッグサイトで開かれる国際ウエルディングショーで実演し、12月末に出荷を始める予定です。提供はファナックとの既存契約の枠組みで使えるサブスクリプション形式で、リリースに価格の記載はありません。

💡 コプラスの視点

目を引くのは、図面を読むという機能と並べて、そのデータが別のユーザーの学習に使われないことを特長に掲げている点です。図面は製造業にとって外に出したくない情報の代表で、それをAIに読ませる以上、どこで守られ、何に使われないかの説明が導入の前提になっています。オフィスでAIに契約書や顧客資料を読ませる場合も同じで、渡す情報の扱いを先に確かめ、出てきた結果は人が確認して必要なら直す。生成された溶接条件を微調整できる作りも、その順序に沿ったものです。

ファナックの発表を読む →
報道:AI Watch

本日のまとめ

Googleは、Alt+Spaceで作業中の画面にGeminiを呼び出せるWindows向けアプリを公開し、GmailやGoogleドライブとの連携、作業を任せるGemini Spark(Google AIのサブスクリプションが必要で、提供状況は地域により異なる)まで、同じアプリから使えるようにしました。ファナックは、図面を読み取って溶接条件とロボットの動作を生成するAI溶接エージェントを発表し、図面データが別のユーザーの学習に流用されないことを特長に挙げています。AIが手元に近づくほど、どのアカウントで使うか、何を読ませてよいかを先に決めておくことが、安心して任せる前提になります。

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