鹿島、AIで配筋の立会検査7割短縮

COPLUS AI NEWS / 2026.09.12 夕

速く作るほど、確かめ方が問われる

配筋検査の立会時間を減らすAI、ロボットに手本を見せるデータ工場、根拠の一文を示す営業リストのAI。9月12日夕のAI動向5本。

この日は、建設現場の検査、ロボットの学習データづくり、営業リストの作成と、人が時間をかけてきた確認や下準備をAIで肩代わりする発表や報道が並びました。一方で、生成AI時代のシステムインテグレーションを検証したホワイトペーパーは、会社が認めていないAIの利用や、記録の残らないAIエージェントの存在を指摘しています。Slack上でデータを画面に変える新機能もあわせて、9月12日夕のAI動向5本を整理します。

① 鹿島、移動式AI配筋検査システムを開発 立会検査の時間を約70%削減

出典: 鹿島建設株式会社(プレスリリース)/ 2026年9月11日

鹿島が9月11日、三菱電機エンジニアリングと共同で移動式AI配筋検査システムを開発し、大深度掘削の山留めや止水壁に使うRC地中連続壁の長大な鉄筋籠に適用したと発表しました。2台のステレオカメラで撮影した画像を1台のタブレットで統合処理し、門型の移動装置と組み合わせることで、鉄筋籠全体の鉄筋の本数や径、間隔を計測できるようにしたものです。関西高速鉄道が発注した大阪市内の工事で初めて適用したところ、同社の発表によると、鉄筋籠1基あたりの発注者の立会検査時間が約300分から約100分へと約70%短縮し、検査要員も減らせました。検査の関係者が鉄筋籠の上を歩く必要がなくなり、安全性も向上したとしています。1台のカメラで使う従来の可搬型AI配筋検査システムは、これまでに300社以上で採用されているといいます。

💡 コプラスの視点:約70%という数字は鹿島の発表で、1つの工事での実績です。注目したいのは、減ったのが作業する側ではなく、確認する側である発注者の立会時間だという点です。建設に限らず、立会や目視の確認に時間を取られている業務でAIを検討するときは、確認する人の時間がどれだけ減るかを効果の物差しに置くと、社内外への説明がしやすくなります。

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② ツムラや山善が参加するフィジカルAIのデータ収集拠点、35台のヒューマノイドが稼働

出典: ITmedia AI+ / 2026年9月11日

ITmedia AI+が9月11日、ロボットを動かすフィジカルAIの学習データを集める「J-HRTI 関東データファクトリー」(千葉県習志野市)の内部を取材した記事を掲載しました。運営するのは、ツムラ、ディーエムエス、芙蓉総合リース、山善と社名非公開の1社による民間5社のコンソーシアムで、事務局はヒューマノイドロボットの基盤開発を手がけるINSOL-HIGHが担います。約1400平方メートルの拠点で8月26日から35台のヒューマノイドが稼働し、オペレーターがVRゴーグルとコントローラーで遠隔操作して、物をつかんで移す、箱から商品を取り出すといった動作のデータを集め、映像に注釈を付けています。記事によると、2026年度内に搬送などの単純なタスクを現場で実装し、2027年度に拠点を全国10カ所へ広げ、2028年度に産業特化型モデルの提供を目指すとしています。運営委員長を務める山善の担当者は、中小企業への展開はすぐには難しく、まずデータを多く集めることが先だとの見方を示しました。

💡 コプラスの視点:ロボットに仕事を覚えさせるには、人が手本を見せたデータが大量に要ります。1社では負担しきれない設備と人員を、業種の違う企業で分け合う形は、データ不足という共通の壁への一つの答えと言えます。当面は大手が中心になりそうなので、中堅・中小企業にとっての現実的な備えは、自社のどの作業が単純な搬送や移し替えに当たるのかを棚卸ししておくことです。

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③ URITAI、対話で営業リストを作るAIエージェント 100万社超のホームページ本文を検索

出典: HELATH株式会社(PR TIMES)/ 2026年9月11日

大阪市のHELATHが9月11日、営業リスト作成サービス「URITAI」で、対話するだけで営業リストが完成するAIエージェントの提供を開始しました。売りたい商品を文章や資料で伝えると、国内100万社超のホームページ本文から候補企業を抽出し、件数の確認とプレビューを経てリストを出力します。業種や従業員規模といった属性データでは拾えない「受発注をいまも紙で行っている」といった条件で探せるのが特徴で、どのページのどの一文が条件に一致したのかを根拠として確認できるとしています。各社のサイトを読み込んで100点満点またはABCDの4段階で採点する機能や、既存顧客リストとの法人番号による突き合わせ、有料プランでは国や自治体の補助金制度から、その制度を使えそうな企業を探す機能も備えます。料金は無料プラン(登録なしで20社程度、登録ありで月100社程度)と、月額3万円(税別)のプロプランです。

💡 コプラスの視点:営業に割ける人が少ない会社ほど、リスト作りに時間を取られて商談の時間が削られがちです。AIに候補を選ばせるときに大切なのは、なぜその会社が選ばれたのかを人が確かめられることです。無料の範囲で自社の商品の条件を試し、根拠として示された一文が本当に妥当かを営業担当者が見てから、本格的に使うかどうかを判断するのが順当です。

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④ 未承認AIを使う知識労働者は52%との調査も NTTデータ先端技術ら3社がSIのホワイトペーパー

出典: 株式会社NTTデータ先端技術(PR TIMES)/ 2026年9月11日

NTTデータ先端技術が9月11日、YCP Holdings、AIブレインパートナーズと共同で、ホワイトペーパー「生成AI時代のシステムインテグレーション(SI)」を発行しました。3社が2026年3月に示した7つの仮説を約4か月後に再検証したもので、生成AIでSIの供給能力が拡大する、勝ち残るSIはAIインテグレーターになるという2つの仮説を「大きく進展」と判定しています。一方で、エージェントを運用する仕組みの製品化は進んだものの統制が追いついていないとし、知識労働者の52%が未承認のAIツールを使い、稼働しているエージェントの半数超が監視やログのないまま動いているとの調査もあると指摘しました。開発の速さについては、コードの95%超をAIで生成して開発速度を約10倍と見積もる企業の例と、熟練者が慣れた大規模なコードで使うと約19%遅くなったという試験結果を並べ、レビューや検証の負担が次の主戦場になるとしています。10月、11月にも続編を発行する予定です。

💡 コプラスの視点:52%や半数超という数字の調査元はリリースには示されておらず、引用する際はホワイトペーパー巻末の出典で確かめる必要があります。それでも、会社が認めていないAIが使われ、動いているエージェントの記録も残っていないという論点は、SIに限らずどの会社にも当てはまります。まずは自社で、どのAIが誰にどんな用途で使われているかを把握するところから始めるのが近道です。

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⑤ Salesforce、Slack上でデータを画面に変えるSlackforce Surfacesを発表

出典: 株式会社セールスフォース・ジャパン(PR TIMES)/ 2026年9月11日(米国での発表は現地時間9月10日)

Salesforceが現地時間9月10日、Slack上でデータを可視化して活用する新機能「Slackforce Surfaces」を発表し、日本法人が9月11日にその翻訳を公開しました。Slackbotに自然言語で指示すると、Salesforceをはじめとする社内のデータやSlackでのやり取りをもとに、インタラクティブなダッシュボード、経営層向けのプレゼンテーション、計算ツールなどの画面を生成します。IT部門がAIの社内での利用状況やトークン消費量、コストを把握する画面を作るといった使い方も紹介されています。既存のアクセス権限がそのまま適用され、閲覧を許可された情報だけを扱えるとしています。Slackbotを有効にしているEnterprise+、Business+、Pro、Legacy、Free Teamsの全プランで利用でき、データ元の変更を画面に反映するリアルタイムデータ連携は10月から順次提供されます。

💡 コプラスの視点:会話の流れのまま報告資料やダッシュボードができるのは、集計担当者への依頼待ちを減らす方向の機能です。一方で、見栄えのよい画面ほど、中の数字をそのまま信じてしまいがちです。日本語での使い勝手や料金はリリースでは触れられていないため、Slackを使っている会社は、まず限られたチャンネルで元のデータと突き合わせながら試すと安心です。

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明日への展望

Slackforce Surfacesのリアルタイムデータ連携は10月から順次始まり、NTTデータ先端技術ら3社のホワイトペーパーも10月に続編が予定されています。J-HRTIは2026年度内に搬送などの単純なタスクを現場で動かす計画です。AIで作る速さや検査の速さが上がるなか、確かめる仕組みがどこまで追いつくのか。現場で使われ始めてから出てくる数字に注目したいところです。

本日のまとめ

鉄筋の検査は、確認する人の時間を減らす方向へ。営業リストのAIは、選んだ理由の一文を示す方向へ。SIのホワイトペーパーは、作る速さの次に、検証と統制が主戦場になると見ています。AIに任せる範囲が広がるほど、何をどう確かめるかを先に決めておくことが、使い続けられるかどうかを分けます。

社内のAI、誰が何に使っているか把握できていますか

コプラスは、業務の棚卸しから利用ルールの整備、社内定着までを一緒に進めています。主要4AIを国内サーバー・学習オフで使えるUPGEAR AIとあわせて、確認の手順まで含めた使い方をご提案します。

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