LINEヤフー、AIが情報収集を代行

COPLUS AI NEWS / 2026.09.13 夕

AIが、人と情報のあいだに立つ

情報を集め続けるAI、電話をかけるAI、旅行先を薦めるAI。9月13日夕のAI動向5本。

この日は、利用者に代わって情報を集め続けるAIや、企業に代わって電話で話すAIなど、人と相手のあいだにAIが入る動きが目立ちました。生成AIが訪日旅行者にどの地域を薦めるかを毎日測る試みや、AIを研究に取り入れる研究者を後押しする国の事業の採択結果、AIサーバー向け部品の増産報道もあわせて、9月13日夕のAI動向5本を整理します。

① LINEヤフー、Agent iにタスク機能 登録した情報収集をAIが続けて通知

出典: LINEヤフー株式会社(プレスリリース)/ 2026年9月11日

LINEヤフーが9月11日、AIエージェント「Agent i」で、知りたい情報をタスクとして登録すると、Agent iが情報収集を続けて指定したタイミングで知らせる「タスク機能」の提供を開始しました。チャット画面で提案されたタスクをワンタップで登録できます。業界情報や人物に関するニュースを追い続けるキーワード登録(実行の頻度は毎日・毎週のほか、曜日や時間でも指定可能)、複数のECサイトの価格を見張り、指定した額以上値下がりしたら知らせるお買い物エージェント、設定した都道府県のイベント情報を毎週届けるおでかけエージェントに対応します。通知はAgent iのトップ画面のほか、Yahoo! JAPANアプリとLINEアプリのプッシュ通知で受け取れ、利用にはYahoo! JAPAN IDでのログインが必要です。同社は今後、店舗の予約や商品の購入など、より幅広い作業の代行へ対応を広げる予定としています。

💡 コプラスの視点:聞かれたら答えるAIから、頼んでおけば続けてくれるAIへの変化です。業界ニュースの定点観測は、職場では担当者が毎朝検索しているような作業で、身近なアプリでもそれを任せられるようになりました。仕事の情報収集に使う場合は、取引先名や検討中の案件名などを個人のアカウントに登録してよいかどうか、社内で線を引いておくと安心です。

LINEヤフー株式会社の記事を読む →

② nocall、シリーズAで約8億円を調達 AIが企業に代わって電話で話す

出典: nocall株式会社(PR TIMES)/ 2026年9月11日

生成AIの電話サービス「nocall.ai」を提供するnocallが9月11日、シリーズAで約8億円を調達したと発表しました。JAFCOとArchetype Venturesが共同でリードし、既存投資家のCoreline Venturesも参加して、累計の調達額は10億円を超えたとしています。nocall.aiは、AIが企業に代わって電話で会話するサービスです。同社によると、導入企業のMOTAでは査定予約の確認電話を自動化して当日キャンセル率が約15%から5.7%に下がり、ラクーンフィナンシャルでは長年使っていたロボットコールを置き換えて、督促業務での入金約束の獲得率が3〜4倍に向上しました。リリースに寄せられた投資家のコメントでは、電話AgentのAPIでの提供も始めていると紹介されています。調達した資金は、プロダクト開発と、顧客の成果づくりを担う人材の採用に充てるとしています。

💡 コプラスの視点:キャンセル率や獲得率の数字は、導入企業での実績として同社が公表したものです。電話は相手の時間を使う分、自動化の効果が見えやすい一方で、AIが話していることをどう伝えるか、想定外の質問をどこで人に引き継ぐかで相手の受け止め方が変わります。人手が足りず電話を取り切れない会社は、予約の確認のように話す内容が決まっている電話から試し、人に戻す基準を先に決めておくのが順当です。

nocall株式会社の発表を読む →

③ 岡山大学、文科省のAI for Science事業に20課題が採択 全国は2回で3万件超の応募

出典: 国立大学法人岡山大学(PR TIMES)/ 2026年9月13日

岡山大学が9月13日、文部科学省の「AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD)」に同大から20課題が採択されたと発表しました。SPReADは、AIを使った経験が少ない研究者も含め、幅広い研究者の挑戦を後押しする事業で、研究資金とAI導入の伴走支援を提供します。発表によると、全国では第1回公募に15,868件の応募があって456件が採択(採択率2.9%)、第2回公募は17,914件の応募に対して656件が採択(同3.7%)でした。岡山大学は第1回で5件、第2回で15件が採択され、第2回の応募件数は全国で10番目に多かったとしています。採択された課題には、肺癌の病理画像から核酸収量を予測するAIの基盤づくりや、全国の熱中症の症例データを機械学習で分析する研究など、医学や農学、工学から歴史資料の分析まで、幅広い分野の研究が並びます。

💡 コプラスの視点:2回の公募で合わせて3万件を超える応募が集まったことは、自分の研究にAIを取り入れたい研究者の裾野の広さを示しています。AIの専門家ではない人が、自分の分野の課題にAIを持ち込むという構図は企業にも通じます。社内でも、AIの担当部署だけでなく、現場の担当者が自分の業務で試したいテーマを出し、小さく試せる枠を設けると、使いどころが見つかりやすくなります。

国立大学法人岡山大学の発表を読む →

④ 生成AIは訪日客にどこを薦めるか 56projectが14地域の登場状況を毎日観測

出典: 合同会社56project(PR TIMES)/ 2026年9月13日

東京都江東区の56projectが9月13日、訪日旅行者が英語で生成AIに旅行先を尋ねたとき、日本のどの地域が薦められるかを毎日観測するダッシュボード「JAPAN INBOUND AI VISIBILITY」を公開し、初回のレポートを発表しました。観光庁が選定した14のモデル観光地を対象に、Web検索付きのOpenAI Responses API(gpt-5-mini)へ英語の固定質問8問を毎日投げ、回答に登場した地域を記録します。9月13日の観測では、北陸が8問中7問の回答に登場して最多で、せとうち、松本・高山、鹿児島・阿蘇・雲仙が8問中5問で続き、14地域のうち12地域が何らかの回答に登場しました。前日の観測から山形が初めて登場するなど、日によって顔ぶれが変わるとしています。同社は、APIでの観測でありChatGPTの画面を直接測ったものではないこと、出現率は旅行者数や予約数、売上を示すものではないことを注記しています。

💡 コプラスの視点:旅行の相談相手が検索エンジンからAIへ移るほど、AIの回答に名前が出るかどうかが集客の入口になります。ただ、今回は1つのモデル、8問、数日分の観測で、順位のように読むのは早計です。観光や地域の事業者は、まず自分の地域や施設について英語でAIに尋ね、どんな情報を根拠に紹介されているかを確かめると、公式サイトで補うべき情報が見えてきます。

合同会社56projectの発表を読む →

⑤ TDK、AIサーバー向け部品の増産に400億円と報道 山梨と山形の2工場で

出典: 日本経済新聞 / 2026年9月11日

日本経済新聞は9月11日、TDKがAIサーバー向け電子部品の増産に3年間で計400億円を投じると報じました。電流を整える薄膜インダクターの生産能力を国内の2工場で増やすもので、記事によると、甲府工場(山梨県)に350億円、鶴岡東工場(山形県)に50億円を、2028年3月期までに投じます。半導体への電力供給の効率を高める新しい給電方式に対応し、AI向けの需要を取り込む狙いだとしています。

💡 コプラスの視点:生成AIの広がりは、クラウドや半導体そのものだけでなく、電源まわりの部品を作る国内工場の設備投資にまで及んでいます。AIサーバーの電力をどれだけ効率よく使えるかは、データセンターの運営費を通じて利用料金にも関わる論点です。部品や素材、設備の取引先を持つ製造業にとっては、AI向けの需要がどの工程まで波及しているかを追うことが、商機を探す手がかりになります。

日本経済新聞の記事を読む →

明日への展望

LINEヤフーは、Agent iの対応を店舗の予約や商品の購入の代行へ広げる予定としています。56projectの観測は毎日更新され、地域ごとの登場状況が日を追ってどう動くかが見えてきます。情報を集める、電話をかける、行き先を薦めるといった、人と相手のあいだに入る仕事をAIがどこまで担うのか。週明けも、実際に使われ始めた現場から出てくる数字に注目したいところです。

本日のまとめ

情報収集も電話も、AIに頼んでおけば続けてくれる形が整ってきました。一方で、AIが旅行先を薦める場面では、AIに見つけてもらえるかどうかが集客の入口になりつつあります。任せる側としても、見つけてもらう側としても、AIが間に入ったあとに何が起きているかを自分で確かめる習慣が、これからの差になります。

AIに任せる業務、どこから始めるか決まっていますか

コプラスは、業務の棚卸しから利用ルールの整備、社内定着までを一緒に進めています。主要4AIを国内サーバー・学習オフで使えるUPGEAR AIとあわせて、自社に合った始め方をご提案します。

無料で相談する