九州国博、ポスターの生成AI使用で訂正

COPLUS AI NEWS / 2026.09.18 夕

AIを使ったと、言える準備

博物館の訂正、通信会社のエージェント支援、区役所の全庁展開、消費財の需要予測、日本酒の好み診断。9月18日夕のAI動向5本。

17日から18日にかけては、AIを使う現場の広がりと、その使い方をどう説明するかが問われる動きが並びました。九州国立博物館は、特別展のポスターとチラシのイラストの一部に生成AIを使っていたと公表し、当初の「使っていない」という説明を訂正しました。KDDIは企業向けにAIエージェントの企画から導入までを支える新サービスを始め、東京都千代田区ではCopilotの全庁展開による業務削減が年間4000時間に迫っていると報じられています。消費財メーカー向けのAI需要予測の新サービス、新潟の日本酒イベントでのAI活用もあわせて、9月18日夕のAI動向5本を整理します。

① 九州国立博物館、特別展ポスターのイラストに生成AIの使用を公表 当初の説明を訂正しおわび

出典: 九州国立博物館 お知らせ / 2026年9月17日(ITmedia AI+も同日報道)

九州国立博物館が9月17日、特別展「卑弥呼の鏡」のポスターとチラシのイラストについて、訂正とおわびを公式サイトに掲載しました。同館は以前、取材に対して生成AIは使用していないと回答していましたが、デザインの制作過程を確かめたところ、一部に生成AIを活用していたことが分かったとしています。ITmedia AI+によると、当初はすべてイラストレーターによる作図だと説明していました。同館は、誤った情報を伝えた関係者に対しておわびしています。

💡 コプラスの視点:問題になったのは生成AIを使ったこと以上に、発注した側が制作の中身を把握しないまま「使っていない」と答えてしまった点です。制作を外部に任せる場合も、AIを使ったかどうかを納品時に確認する項目を契約や発注書に入れておくと、説明の食い違いを防げます。自社で作る資料についても、AIの利用をどこまで開示するかを社内ルールで決めておきたいところです。

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② KDDI、Gemini Enterpriseを使ったAIエージェントの開発支援を開始 データの整備から導入まで

出典: KDDI ニュースリリース / 2026年9月18日

KDDIが9月18日、法人向けに「KDDI AIエージェント開発支援」の提供を始めました。GoogleのGemini Enterpriseを使い、情報収集や分析、申請・承認、レポート作成など、人手で行ってきた業務の一部をAIエージェントで自動化するため、企画・開発・導入までを支援します。Gemini Enterpriseのライセンス提供に加え、KDDIの閉域網を経由した接続や、PDF・表計算・プレゼン資料・メール・図面などをAIが扱える形に整えるデータクレンジングも用意しています。専門人材が足りない企業や、セキュリティに懸念がある企業、データが整理されていない企業を主な対象としており、料金は個別の問い合わせとしています。

💡 コプラスの視点:AIエージェントの導入で最初につまずくのは、モデルの選択よりも、社内の資料がばらばらでAIに読ませられないことです。データの整備をサービスの中に組み込んでいる点は、その現実を反映しています。自社で進める場合も、まず任せたい業務を1つ決め、その業務で使う資料の置き場所と形式をそろえるところから始めると失敗が少なくなります。

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③ 千代田区、Copilotを全事務職員約900人に 業務削減は年間4000時間に迫る

出典: ITmedia ビジネスオンライン / 2026年9月17日

ITmedia ビジネスオンラインが9月17日、東京都千代田区の生成AI活用の取り組みを報じました。同区は全事務職員約900人に「Microsoft 365 Copilot」の有償ライセンスを付与しており、Copilotのダッシュボードによる分析では、年間の業務削減時間が4000時間に達する勢いだとしています。区の専用環境の中でデータが完結し、AIの学習に使われない仕組みを整えたことで、機密情報を扱う職員の心理的な抵抗を減らしたと伝えています。記事は、次の課題として紙の資料を美しく作り込む習慣の見直しを挙げています。

💡 コプラスの視点:全員に配っただけでは使われないAIが定着したのは、入力した情報が外に出ない仕組みを先に示したからだといえます。一方で、AIで浮いた時間が資料の見栄えづくりに消えては効果が薄れます。導入時には、削減時間を測る方法と、浮いた時間を何に回すかをあわせて決めておくと成果が見えやすくなります。

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④ フォーティエンスコンサルティング、消費財向けにAI需要予測の構築支援 19種類の手法から自動選択

出典: フォーティエンスコンサルティング ニュースルーム / 2026年9月17日

フォーティエンスコンサルティング(旧クニエ)が9月17日、食品・飲料・日用品などの消費財企業向けに「AI駆動型需要予測FDEサービス」の提供を始めました。FDEはForward Deployed Engineeringの略で、コンサルタントが顧客の現場に入り込み、オープンソースを使って顧客の環境に合わせたAI需要予測の仕組みを作ります。統計モデルや機械学習、深層学習、時系列基盤モデルなど19種類の予測手法を比べ、商品(SKU)ごとに最適なモデルを自動で選ぶとしています。同社は、多くの企業の需要予測がExcelや単一の統計モデルにとどまり、特売や新商品による変動に対応しきれず、欠品や過剰在庫、廃棄の増加につながっていることを背景に挙げています。

💡 コプラスの視点:需要予測は、生成AIよりも前から使われてきた機械学習が力を発揮する分野です。1つの手法に頼らず、商品ごとに合うやり方を選ぶという考え方は、規模の小さい事業者の発注業務にも通じます。まずは売れ筋と特売の実績をきちんと記録に残すことが、どの手法を使う場合でも出発点になります。

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⑤ SCENTMATIC、越後長岡酒の陣で好みの日本酒をAIが提案

出典: AI Watch / 2026年9月17日

AI Watchによると、SCENTMATICは9月19日に新潟県長岡市のアオーレ長岡で開かれる「越後長岡酒の陣2026」で、AIを使った唎酒の体験を提供します。使われるのは「KAORIUM for Sake & Wine」で、日本酒やワインの風味を言葉で見える形にし、来場者が味わった感想をもとに好みに合うお酒を提案する仕組みです。人の感性と大量の言語データを取り入れたAIで、お酒の風味データと個人の好みを結び付けるとしています。

💡 コプラスの視点:言葉にしにくい好みをAIが言葉に置き換えることで、詳しくない客でも選びやすくなります。酒蔵や飲食店、小売店にとっては、接客の経験の差を埋める道具にもなり得ます。自社の商品説明を、客が使う言葉で整理し直すきっかけとしても参考になる取り組みです。

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明日への展望

九州国立博物館の件を受けて、公共機関や企業の広報物でAIの利用をどう確認し、どう開示するかが改めて問われそうです。KDDIのように、AIエージェントの導入をデータの整備から請け負うサービスは、今後も通信会社やITベンダーから増えるとみられます。千代田区のように削減時間を数字で示す自治体の事例も増えており、明日以降は、AIで生まれた時間を何に振り向けたかまで示す取り組みに注目したいところです。

本日のまとめ

AIを業務に取り入れる動きは、通信会社の支援サービスから区役所、消費財メーカー、地域の酒のイベントまで広がっています。その一方で、どこでAIを使ったかを把握していなければ、説明を誤って信頼を損なうことも今日の事例は示しました。AIを使うことと、使ったことを正しく説明できることは、これからセットで求められます。

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