ChatGPT Businessのワークスペース、管理者が社員を招待する前にやる7つの設定

ChatGPT Businessのワークスペースとは、独自の設定、メンバー、リソースを持つ、会社専用のChatGPT環境です。社員を招待する前に管理者が済ませておきたいのは、①ワークスペース名、②2人目のオーナー、③ドメイン認証、④参加の入口(ワークスペースの検出と自動承認)、⑤招待の方法と社員への案内、⑥アプリ連携とメモリの方針、⑦クレジットの上限、の7つです。ワークスペースの検出は既定でオンのため、ドメインを認証すると、会社のメールで登録した人がワークスペースを見つけて参加を申請できるようになります。ほかにも、アプリ連携は初期状態でオン、クレジットの支出には上限がありません。この記事では、7つの設定を公式ヘルプの画面名つきで順に説明し、退職・異動で席を外す手順、設定では止められないこと、会社の規模別の判断表、社員に送る案内文のひな形までをまとめます。

プランの料金表や人数別の総額はChatGPT Businessの料金(法人プランの人数別総額と選び方)で解説しています。この記事は、契約したあとのワークスペースを、社員を迎えられる状態に整える作業だけを扱います。

※2026年9月19日時点のOpenAI公式ヘルプ(日本語版)の記載に基づきます。画面の表示名は、画面の言語や製品の更新で変わる場合があります。

結論:社員を招待する前に済ませる7つの設定

招待前の7つは、どれも一度招待を始めてから直すと手間が増えるものです。最初の招待メールを送る前に、次のチェックリストを上から順に確認してください。左の見出しが設定、下の説明が初期状態とおすすめの対応です。

  • ①ワークスペース名初期状態:自分で変えるまで、新しく入る人には汎用の名前が表示される。おすすめ:社名がわかる名前に変え、個人用ワークスペースと見分けられるようにする。
  • ②2人目のオーナー初期状態:契約した人だけがオーナー。おすすめ:請求を見られる別の人を所有者として招待し、オーナーを2人にする。
  • ③ドメイン認証初期状態:未認証。おすすめ:会社のメールのドメインをDNSで認証する。SSOは、社内ですでにIDを一元管理している会社だけが検討する。
  • ④参加の入口初期状態:ワークスペースの検出はBusinessでは既定でオン。おすすめ:自動承認は使わずオーナーが承認するか、使うなら空き席の数を管理する。協力会社を入れるときだけ外部ドメインへの招待を許可する。
  • ⑤招待の方法初期状態:既定のシートタイプは標準。おすすめ:既定は標準のまま、CSVでまとめて招待し、招待メールより先に社員へ案内文を送る。
  • ⑥アプリ連携とメモリ初期状態:アプリとGoogle ドライブの統合アクションはオン。おすすめ:使ってよいアプリと、メモリをワークスペースで使うかを招待前に決める。メモリはあとからオフにすると、社員が保存したメモリが消える。
  • ⑦クレジットの上限初期状態:すべてのシートとユーザーに上限なし。おすすめ:シートタイプ別の月間上限を入れ、自動リロードを使うなら月間リチャージ上限を空欄にしない。

7つのうち、所有者(オーナー)にしかできない操作が多く含まれます。ドメイン認証、既定のシートタイプの変更、クレジットの購入などです。オーナーが1人しかいない状態で作業を始めると、その人が休んだだけで設定が止まるため、②を早めに済ませておくと後の作業が楽になります。

ChatGPT Businessのワークスペースとは|個人用ワークスペースとの違い

ワークスペースは、会社の設定とメンバーとデータを1か所にまとめる単位で、社員が個人で使うChatGPTとは別の場所として扱われます。公式ヘルプは、ワークスペースを独自の設定、メンバー、リソースを持つ個別のChatGPT環境と説明しています。

1つのアカウントで、個人用ワークスペースと会社のBusinessワークスペースの両方に入れます。切り替える場所は、ウェブ版ではプロフィールメニュー、モバイルアプリではサイドバーです。会社のワークスペースで作った会話は会社側に、個人用で作った会話は個人側に残るので、社員がどちらで作業しているかを取り違えないことが運用の出発点になります。ワークスペース名を最初に変える理由もここにあります。

旧ChatGPT Teamからの名称変更(2025年8月29日)

ChatGPT Businessは、2025年8月29日にChatGPT Teamから名称が変わったプランです。公式ヘルプは、名称の変更だけでは機能、料金、利用上限は変わらなかったとしています。その後に料金やシートの選択肢が変わったのは、名称変更とは別の改定です。社内の稟議書や古い手順書にTeamと書かれていても、同じプランを指しています。

料金とシート|最低2席、標準とプレミアムの2種類

Businessを始めるには、有料シートが2席以上必要です。シートは標準(Standard)とプレミアム(Premium)の2種類で、標準1席とプレミアム1席の組み合わせでも最低要件を満たせます。登録した人は自動的にオーナーのロールになります。

  • 標準シート:月払いで1人月25ドル、年払いで1人月20ドル
  • プレミアムシート:月払いで1人月125ドル、年払いで1人月100ドル。標準の5倍の利用枠があり、5時間ごとの利用上限がない

※公式ヘルプに記載の米ドル建ての料金です。国や通貨によって異なる場合があります。2026年8月24日以降に作成したワークスペースは、標準とプレミアムの合計で最大200席です。

誰にプレミアムを割り当てるかの判断はChatGPT Businessのプレミアムシートは誰に割り当てるか、年払いと月払いの差はChatGPT Businessの年払いと月払いの違いで扱っています。

業務データは既定でモデルの学習に使われない

Businessワークスペースのデータは、既定でOpenAIのモデルの学習から除外され、転送時と保存時に暗号化されます。社員が個人のアカウントで学習をオフにする設定をしなくても、会社のワークスペースで入力した内容は学習に使われません。ただし、同じ社員が個人用ワークスペースで入力した内容は、個人側の設定に従います。会社の仕事は会社のワークスペースで行う、というルールがここでも必要になります。

管理者もメンバーのチャットは見られない

各ユーザーには専用のチャット履歴があり、ほかのメンバーには自動で表示されません。公式ヘルプによると、既定では管理者と所有者もメンバーの非公開チャットをすべて見ることはできません。管理者が見られる利用状況の分析や支出の管理は、チャット履歴へのアクセスとは別のものです。社員には、上司に会話を読まれる心配はないが、入力してよい情報の線引きは自分で守る必要がある、と伝えるのが正確です。

ロールは4種類|所有者・管理者・分析閲覧者・メンバーの権限

誰を何のロールにするかは、7つの設定の前に決めておくべきことです。ロールは所有者、管理者、分析閲覧者、メンバーの4種類で、公式ヘルプの権限表を整理すると次のとおりです。

  • 所有者(オーナー):請求、ID管理、ワークスペース設定を含むすべての権限。ロールの変更、シートタイプの切り替え、新しい管理者や所有者の招待、請求書の表示、ID とプロビジョニング(Identity & Provisioning)の表示と管理、GPT設定の管理は所有者だけができる
  • 管理者:ユーザーやグループの管理と日常の管理作業。招待の取り消し、ユーザーの削除、アプリの表示と管理、支出管理の設定、ワークスペース設定の表示と管理ができる
  • 分析閲覧者:ワークスペース情報と分析データの閲覧に限定された権限を持つ役割
  • メンバー:ChatGPTを使う社員。新しいメンバーを招待することもできる

10〜200名の会社でよくある分担は、所有者を2人(総務の責任者と経理か情シスの責任者)、管理者を日々の招待と削除を担う1〜2人、残りの社員をメンバーにする形です。分析閲覧者は、利用状況を報告する役目の人がいる場合に使います。請求とシートの操作が所有者に集中するため、所有者を増やしすぎず、かといって1人にもしない、という置き方が扱いやすいはずです。

①ワークスペース名を社名がわかる名前に変える

最初の作業は、ワークスペース名を社員が一目で会社のものとわかる名前に変えることです。公式ヘルプによると、名前を自分で変えるまで、新しく入る人には汎用の名前が表示されます。個人用ワークスペースと並んで表示されたときに見分けがつかないと、社員が個人側で業務の会話を始めてしまう原因になります。

  1. ChatGPTの画面でプロフィールアイコンを選び、「ワークスペース設定」を開く
  2. ワークスペース名の横にある鉛筆のアイコンを選ぶ
  3. 新しい名前を入力して保存する

名前の変更は反映までに時間がかかる場合があります。招待メールを送る直前ではなく、ワークスペースを作った当日に済ませておくと安心です。名前は、正式な社名に加えて、グループ会社や拠点で複数のワークスペースを持つ予定があるなら拠点名まで入れておくと、後から混乱しません。

②2人目のオーナーを置く

オーナーは2人にしておくのが基本です。請求、シートの増減、参加リクエストの承認、クレジットの購入はオーナーにしかできず、オーナーが1人だけだと、その人の不在や退職で会社のワークスペースを誰も動かせなくなります。公式ヘルプも、サインインの要件を変える前に権限のある別のオーナーか承認済みの復旧方法を用意すること、オーナーが1人だけのときはその人が離れる前に所有権を譲ることを求めています。

  1. 「ワークスペース設定」→「メンバー」→「メンバーを招待」を開く
  2. 2人目にしたい人の会社のメールアドレスを入力する
  3. ロールで所有者を選んで招待する(所有者を招待できるのは所有者だけ)

同じワークスペースの責任者を交代するときも、既存のオーナーが別のアカウントを招待して所有者のロールを割り当てる、という同じ手順になります。Businessワークスペース同士を統合することはできず、新しいワークスペースを作り直しても以前の内容や契約は引き継がれません。オーナーの退職をきっかけに作り直す、という事態を避けるためにも、2人目は最初に置いておきます。

③ドメインを認証する|SSOは要るか

会社のメールのドメインを認証しておくと、④のワークスペースの検出やSSOの前提が整います。単独で契約したBusinessでは、オーナーがChatGPTの「ID とアクセス」からドメインを検証できます。

ドメイン認証の手順と期限

  1. 「ワークスペース設定」→「ID とアクセス」を開き、確認済みドメインの欄で会社のドメインを追加する
  2. 表示されたTXTレコードを、会社のDNS(ドメインの設定画面)に追加する
  3. 反映を待って検証を完了する

DNSの反映には最大24時間かかることがあり、7日以内に検証が完了しないと、その試行は期限切れになります。DNSを外部の制作会社やサーバー会社に任せている場合は、依頼から反映までの日数を見込んで、7日の期限の中に収まるよう段取りしてください。一度完了した検証に有効期限はありません。

注意点は2つあります。1つ目は、親ドメインを認証してもサブドメインは自動では対象にならないことです。部署や拠点で別のサブドメインのメールを使っている会社は、それぞれ認証が必要です。2つ目は、ドメインを認証しただけでは、社員が招待されることも、ワークスペースに入れるようになることも、SSOが有効になることもない点です。社員の既存の個人用ワークスペースが消えたり統合されたりすることもありません。

SSOは要るか|BusinessはSAMLとOIDCに対応、SCIMはない

SSO(シングルサインオン。会社のIDで各サービスにログインする仕組み)は、ChatGPT Businessにも含まれており、SAMLとOIDCという2つの方式に対応しています。設定はオーナーが「ワークスペース設定」→「ID とアクセス」→「ID とプロビジョニング」を開き、「確認済みドメイン」でドメインを確認したうえで、「シングルサインオン(SSO)」の「SSO を設定」から進めます。

要るかどうかの目安は、社内ですでにIDを一元管理するサービス(IdP)を使っているかです。使っていない会社が、ChatGPTのためだけにSSOを入れる必要は薄いはずです。導入する場合は、公式ヘルプのとおりテスト用のユーザーでサインインを確かめてから社員を招待し、署名証明書の期限を管理表に書いておきます。証明書が期限切れになると、社員がサインインできなくなる恐れがあるためです。

見落としやすいのは、SSOはサインインの方法を決めるだけで、社員を招待したり、席を割り当てたりはしないことです。さらに、単独契約のBusinessには、SCIM(社内の名簿と利用者を自動で同期する仕組み)、同期グループ、ディレクトリからの自動プロビジョニングは含まれません。人事の入退社の情報がChatGPTに自動で反映されることはないので、⑤の招待と、後で説明する退職時の削除は、手作業の手順として決めておく必要があります。なお、利用できる場合は「アカウントの自動作成を有効にする」で、確認済みドメインのメールでサインインした対象者を追加する方法があります。これはSCIMとは別の機能で、SSOがなくても使えます。

④参加の入口を決める|ワークスペースの検出と自動承認

招待メール以外にも、社員がワークスペースに入ってくる入口があることを先に押さえておきます。それがワークスペースの検出です。公式ヘルプの説明では、認証済みの会社のメールで登録したユーザーが、参加の流れの中で会社のワークスペースを見つけ、参加リクエストを送れる機能です。この機能はChatGPT Businessでは既定でオンになっています(EnterpriseとEduは既定でオフ)。

設定の場所は「ワークスペース設定」→「ID とアクセス」→「ユーザープロビジョニング」で、次の2つを切り替えます。

  • 「ワークスペースの検出を有効にする」:会社のメールで登録した人に、ワークスペースを見つけさせるかどうか
  • 「参加リクエストを自動的に承認する」:届いた参加リクエストを人の確認なしに通すかどうか

検出をオンのままにすると、招待の漏れがあっても社員が自分で申請できるので、手間は減ります。一方で自動承認までオンにすると、会社のメールを持つ人が申請するたびに参加が決まり、席の空きが想定より早く埋まることがあります。参加リクエストを承認できるのはオーナーだけなので、自動承認を使わない場合は、申請を誰がいつ見るかを決めておきます。

協力会社を入れる場合は外部ドメインへの招待を許可する

業務委託先や協力会社など、会社と別のドメインのメールを使う人を招待するには、オーナーが「外部ドメインへの招待を許可」をオンにします。この設定は、オンにしたあとの新しい招待にだけ適用されます。社外の人を入れる予定がなければオフのままにし、必要になったときに、誰を招待するかを決めてからオンにする順番が安全です。

⑤社員を招待する|CSVの書き方と案内文のひな形

招待は、社員に案内文を送ってから、CSVでまとめて行うのが効率的です。招待の画面は「ワークスペース設定」→「メンバー」→「メンバーを招待」で、CSVファイルを読み込むか、メールアドレスを1件ずつ入力します。

CSVの書き方

CSVは1行に1人で、「メールアドレス,ロール,シートタイプ」の順に書きます。シートタイプの欄は standard か premium です。公式ヘルプによると、ロールの欄を省いた行、ロールの書き方が正しくない行、書いた人にそのロールを与える権限がない行は、メンバーとして追加されます。この仕様を使い、一般の社員はロールの欄を空けておき、管理者や所有者にする人はCSVに入れず画面から個別に招待すると、ロールの書き間違いを防げます。

sato@example.co.jp,,standard suzuki@example.co.jp,,standard takahashi@example.co.jp,,premium tanaka@example.co.jp,,standard

※メールアドレスは例です。社員がすでに個人でChatGPTを使っている場合は、そのOpenAIアカウントに登録済みのメールアドレスで招待してください。別のアドレスで招待すると新しいアカウントが作られ、以前のチャット履歴が見えなくなったように見えることがあります。

既定のシートタイプは標準のままにする

新しく入る人の席の種類は、既定のシートタイプで決まります。既定は、プレミアムだけのワークスペースを除いて標準です。変えられるのはオーナーで、場所は「ワークスペース設定」→「請求」→「シート設定」です。招待のときに選んだシートタイプは、既定より優先されます。

ここで効いてくるのが、メンバーも既定のシートタイプで他の人を招待できるという仕様です。既定をプレミアムにすると、社員が同僚を招待するたびに高い席が使われていきます。既定は標準のままにし、プレミアムはCSVや画面で個別に指定するのが無難です。

招待しても席は確保されない

招待メールの送信は、席の購入や予約を意味しません。招待された人が承諾した時点で空きの席が確かめられ、空きがなければその人は「参加をリクエスト」を選び、オーナーの承認を待つことになります。全社に一斉に招待する日は、招待する人数ぶんの席があるかを請求画面で先に確認してください。

社員がワークスペースを切り替える場所(ウェブはプロフィールメニュー、モバイルはサイドバー)

社員からよく届きそうな質問の1つが、会社の画面と個人の画面の行き来です。ウェブ版ではプロフィールメニューから、モバイルアプリではサイドバーからワークスペースを切り替えます。①で変えたワークスペース名を、案内文にそのまま書いておくと迷いが減ります。

個人用ワークスペースは統合するか分けるか(統合は元に戻せない)

個人でChatGPTを使ってきた社員には、個人用ワークスペースのデータを会社のワークスペースに統合するかの案内が表示されることがあります。統合は取り消せません。対応する内容が会社側にコピーされ、個人用ワークスペースは無効になって切り替えメニューから消えます。ウェブで購入した個人のサブスクリプションは自動で解約され、未利用分が返金されますが、App StoreやGoogle Playで買った分は各ストアで本人が解約する必要があります。後から統合したい場合は、会社のワークスペースで「設定」→「データ コントロール」→「個人用ワークスペースからデータを統合」から行えます。

大事なのは、会社の管理者は社員に統合や個人用ワークスペースの削除を要求できないことです。判断は本人に委ね、迷ったら先に相談するよう案内文に書いておきます。個人プランとの違いや移行の詳しい流れはChatGPTビジネスプランと個人プランの違いで説明しています。

招待前に社内で決める利用ルール(入力しない情報・共有の線引き)

公式ヘルプは、全社に広げる前に、既存の個人・Plus・Proのアカウントを持つ社員を含む少人数で試すことを勧めています。3〜5人で試すあいだに、入力してはいけない情報(顧客の個人情報、未公開の決算、パスワードなど)と、会話の共有リンクを誰に送ってよいかを決めておきます。ルールの項目とひな形は生成AIの社内ガイドラインの作り方にまとめています。

社員への案内文のひな形

公式ヘルプが、展開前に社員へ伝える事項として挙げている5点(招待の届くメールアドレス、選ぶワークスペース、SSOを使う場合のサインイン方法、個人アカウントの移行の案内が出る可能性、判断の前の問い合わせ先)をもとにした案内文です。招待メールの2〜3日前に送ると、届いた招待を迷惑メールと誤解されにくくなります。

件名:会社のChatGPT(ChatGPT Business)への招待について

○月○日に、OpenAIから会社のChatGPTへの招待メールが届きます。次の5点を確認してから参加してください。

  1. 招待が届くアドレス:会社のメールアドレス(○○@example.co.jp)に届きます。個人でChatGPTを使っている人も、会社のアドレスで参加してください。
  2. 選ぶワークスペース:参加後は「(ワークスペース名)」を選んで使ってください。ウェブ版はプロフィールメニュー、スマートフォンのアプリはサイドバーで切り替えます。業務の会話は必ずこちらで行ってください。
  3. サインイン方法:(SSOを使う場合)会社のアカウントでサインインしてください。(使わない場合)会社のメールアドレスでサインインしてください。
  4. 個人のデータの統合:個人用ワークスペースのデータを統合するかを聞かれることがあります。統合は取り消せません。会社から統合を求めることはないので、迷ったら進めずに下の窓口へ相談してください。
  5. 問い合わせ先:総務部 ○○(内線○○、メール○○)

使い始める前に、社内の生成AI利用ルール(リンク)を読んでください。顧客の個人情報とパスワードは入力しないでください。

⑥アプリ連携とメモリの方針を決める

アプリ連携とメモリは、Businessでは初期状態で使える側に倒れているため、招待前に方針を決めておきます。特にメモリは、あとから止めると社員の保存内容が消えるので、順番が大切です。

アプリ連携(コネクタ・プラグイン)は既定でオン

ChatGPT Businessでは、外部サービスとつなぐアプリ(コネクタ)が既定で有効です。管理者は、ワークスペース全体でのアプリの利用可否を「管理者」→「プラグイン」から変えられます。画面によっては「アプリ」の管理ページが残っている場合もあります。Google ドライブの統合アクションも、EnterpriseとEduでは管理者が有効にするまでオフですが、Businessでは既定でオンです。

ロールごとにアプリを出し分ける機能はEnterpriseとEduのもので、Businessでは使えません。アプリを使わせるかどうかは、ワークスペース全体で決めることになります。Google ドライブをつなぐ場合は、社員それぞれがアクセスできる範囲の内容が対象になるので、共有ドライブの権限が整理されているかを先に確かめます。なお、アプリを通じて読み込んだ情報も、既定ではモデルの学習に使われません。

メモリはあとからオフにすると保存内容が消える

オーナーは、パーソナライズとメモリをワークスペース全体で使えるようにするかを管理できます。注意したいのは、オーナーがワークスペースのメモリをオフにすると、社員が保存していたメモリが削除されることです。使い始めて数か月後に方針を変えると、社員が育てた前提の情報が一度に消えることになります。

顧客の個人情報を日常的に扱う部署が多い会社は、メモリをオフで始めるほうが説明がしやすいでしょう。反対に、文章の書き方や社内用語を覚えさせたい会社はオンで始め、覚えさせない情報をルールで決めます。社員一人ひとりも、自分の設定からいつでもメモリを無効にできます。

カスタムGPTは作り込みすぎない

Businessでは、GPTの作成、共有、公開の可否はワークスペースの設定と権限で決まり、GPT設定を管理できるのは所有者だけです。ただし、OpenAIはカスタムGPTの提供終了を予定しています。公式ヘルプによると、対象のEnterpriseワークスペースは2026年12月11日の予定で、その他のプランも同じスケジュールに従う予定です。代わりにプラグインへの移行が勧められています。初期設定の段階で社内向けのGPTを多く作り込むより、まず社員に標準の機能で慣れてもらうほうが、手戻りが少なく済みます。

⑦クレジットの上限を決める

クレジットの上限は、経理と総務が最初に押さえるべき設定です。クレジットは、席に含まれる利用枠を使い切ったあとに追加で使う分で、既定ではすべてのシートとユーザーに上限が設定されていません。

設定の場所は「ワークスペース設定」→「請求」で、次の項目を扱います。

  • クレジットの追加:購入したクレジットは12か月有効。購入できるのはオーナーだけ
  • 自動リロード:最低残高、目標残高、月間リチャージ上限を決めて自動で買い足す。管理できるのはオーナーだけ
  • 月間のクレジット使用上限:シートタイプ別の上限と、ユーザーごとの上書き。所有者と管理者が設定できる

見落としやすいのは、自動リロードの月間リチャージ上限を空欄にすると、1か月に自動で買い足す金額に上限がなくなることです。自動リロードを使うなら、この欄には稟議で決めた月の予算を必ず入れます。月間の使用上限は、まず標準シートに低めの値を入れ、足りない人だけユーザー別に上書きする順番にすると、一部の人の使いすぎを防げます。

支払いはカードが基本|請求の画面と支払い方法

請求の画面では、シート数、次回の請求額、過去の請求書、支払い方法、請求スケジュール、解約を管理します。請求情報を見られて管理できるのは所有者だけです。支払いはクレジットカードかデビットカードで、対象ならワークスペースのウォレット残高も充当できます。セルフサービスのBusinessでは、請求書払い、銀行振込、電信送金、発注書、後払いは使えません。請求書払いが必須の会社は、契約前に経理と確認しておく必要があります。

ChatGPT APIはBusinessとは別請求

社内のシステムからChatGPTを呼び出すAPIの利用料は、Businessの請求とは別です。Businessのクレジットや席でAPIの費用がまかなわれるわけではないので、開発部門がAPIを使う場合は、その予算と管理者を別に決めておきます。

退職・異動で席を外す手順|削除しても請求の席は減らない

退職者が出たときは、メンバーの削除と席の削減を別々に行います。メンバーを削除するとその人のアクセスはすぐに止まりますが、請求の対象になる席の数は減りません。Businessは、各請求サイクルの初めに、メンバーに割り当てているかどうかに関係なく、ワークスペースのすべての有料席について請求するためです。

  1. 管理者か所有者が「ワークスペース設定」→「メンバー」で退職者を探し、「•••」→「メンバーを削除」を選ぶ(退職者が管理者や所有者の場合は、所有者が削除する)
  2. 空いた席を後任に回すなら、後任を招待する(空きの席の割り当ては追加料金なし)
  3. 席を減らすなら、オーナーが「ワークスペース設定」→「メンバー」→「ユーザー」→「シートを管理」で削減を予約する。削減は次の請求サイクルから反映される

たとえば標準シートを月払いで10席契約していて1人が退職した場合、削除だけで止めると、翌月も10席分の250ドルが請求されます。削減を予約して初めて、次の請求サイクルから9席分の225ドルになります(公式ヘルプの米ドル建ての料金で計算。国や通貨によって異なる場合があります)。年払いの場合は、期中に追加した席は年間契約の終わりまで契約に残り、削減は次の年間請求サイクルの初めに適用されます。使っていない席について、未使用を理由にした返金は原則ありません。

退職前に業務で使う資料や手順を共有の場所に移してもらう、という引き継ぎ項目を退職の手続きに入れておきます。削除後のデータの扱いの詳細は個人プランとの違いの記事の退職時の節で扱っています。

退職の手続きに足す3行:①メンバーの削除(管理者か所有者。退職者が管理者や所有者の場合は、所有者が削除する)②席の削減の予約か後任への再割り当て(オーナー)③退職者がオーナーだった場合は、退職前に所有権を別の人へ譲る。SCIMがないので、人事の退職処理とは連動しません。人事から総務への連絡の流れに、この3行を入れておきます。

異動の場合は、ChatGPTを使わない部署へ移るなら退職と同じ手順で席を外し、引き続き使うなら何もしなくてかまいません。管理者から一般の社員へ戻る人は、所有者がロールを変更します。

人の出入りのたびに、席の数を合わせ続けますか

席の数を人の出入りに合わせて増やし減らしする契約とは別に、AIを使う環境を会社で1つにまとめる選び方もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

設定では止められないこと

Businessには、管理画面で止めたくても止められないことがいくつかあります。これらは設定ではなく、社内のルールと運用で補うしかありません。

メンバーによる招待は制限できない

メンバーは、既定のシートタイプで他の人を招待でき、公式ヘルプによると現時点ではこれを制限できません。保留中の招待を取り消したり、再送したりできるのは管理者と所有者です。社員が同僚を招待する前に総務へ一報を入れる、というルールを決め、週に一度は保留中の招待とメンバーの一覧を見直すと、知らない人が増えるのを防げます。

共有リンクはワークスペース内だけ、ただし全体では止められない

会話の共有リンクは、同じワークスペースのメンバーだけが見られます。ワークスペースの外の人が開くと、アクセス権がない旨が表示され、ChatGPTのホームへ移動します。社外に漏れる心配は小さい一方で、ワークスペース全体で共有リンクを無効にする機能はEnterpriseだけのもので、Businessにはありません。不要になった共有リンクは、社員それぞれが「設定」→「データ管理」→「共有リンク」→「管理」から削除します。

データのエクスポートはできない

ChatGPT Businessのワークスペースでは、データのエクスポートが使えません。社員が会社のワークスペースでの会話を一括で書き出すこともできないので、残しておきたい成果物は、その都度社内の共有フォルダーへ保存する習慣を付けてもらいます。

ワークスペースの無効化・削除とデータの扱い

解約したあとや支払いに失敗したとき、ワークスペースは無効になる場合があります。無効になってもデータ自体は削除されませんが、メンバーはアクセスできず、再び有効にできるのはオーナーだけです。これに対して、Businessワークスペースが完全に削除されると、会話やメモリを含むすべてのユーザーデータが完全に削除され、復元できません。カードの有効期限切れで支払いが失敗し、全社で使えなくなることがないよう、カードの期限もオーナー2人で管理します。

Enterpriseなら設定できて、Businessではできないこと

ここまでの内容をEnterpriseと比べると、差は主に管理の細かさにあります。

  • 共有リンクをワークスペース全体で無効にする機能は、Enterpriseだけ
  • ロールごとにアプリの利用を分ける機能は、EnterpriseとEduだけ
  • ワークスペースの検出とGoogle ドライブの統合アクションは、Enterpriseでは既定でオフ、Businessでは既定でオン
  • 請求書払いが必要な場合、公式ヘルプはEnterpriseなどの契約プランについて営業部への問い合わせを案内している
  • Businessは1契約で標準とプレミアムの合計200席まで。それを超える場合、公式ヘルプはEnterpriseの検討を案内している

これらが社内の規程でどうしても必要なら、Businessの設定では満たせないので、別の契約や仕組みを考えることになります。

規模別の判断表|10名・50名・200名で何を変えるか

7つの設定の答えは、会社の人数と、社内にIDを管理する担当がいるかで変わります。次の表は、ここまでの公式の仕様をもとにした設定の一例で、OpenAIが推奨しているものではありません。自社の規程と照らして調整してください。

設定10〜30名(専任の情シスなし)31〜100名(兼任の情シスあり)101〜200名(情シスあり)
2人目のオーナー代表者か経理の責任者総務と情シスの責任者で2人情シスの責任者と総務の責任者で2人
ドメイン認証するする(サブドメインも確認)する(サブドメインも確認)
SSOIdPがなければ見送るIdPがあれば設定する設定し、証明書の期限を管理する
ワークスペースの検出オンのままオンのままオンのまま
参加リクエストの自動承認オフ(オーナーが承認)オフ(承認の担当と曜日を決める)入社手続きと空き席を管理できるならオンも検討
アプリ連携使うアプリを決めるまでオフ必要なものを洗い出してからオンドライブの権限を点検してからオン
メモリオン(覚えさせない情報をルールで決める)扱う情報で決める個人情報を扱う部署が多ければオフで開始
クレジットの上限標準シートに低めの月間上限シートタイプ別の上限と月間リチャージ上限ユーザー別の上書きまで使い、月次で見直す

※表は設定の考え方の一例です。規模の区切りは説明のための目安で、公式の区分ではありません。

表で人数が増えるほど右側の作業が増えるのは、SCIMがなく、招待と削除と席の増減を人の手で回すからです。200名に近づくと席の上限にも近づくので、グループ会社への展開を考えている会社は、1契約200席の枠に収まるかも最初に見ておきます。

設定のあとに残る運用|会社で安全に使い続けるには

7つの設定を済ませても、会社としてAIを安全に使い続けるための仕事は残ります。残るのは、主に次の4つです。

  • 学習させない範囲の確認:会社のワークスペースは既定で学習に使われませんが、社員の個人用ワークスペースや、ChatGPT以外のAIは別です。個人のアカウントでの設定方法はChatGPTに学習させない方法で解説しています
  • 利用の記録:管理者はメンバーのチャットの中身を見られず、データのエクスポートもできません。何に使われたかを会社として説明する必要がある場合は、利用状況の分析に加えて、報告のルールを別に用意することになります
  • 社員への配布:席は1人ずつ買って配るので、入社、退職、異動のたびに招待、削除、席の増減の3つの作業が発生します。担当者と手順を文書にしておきます
  • ほかのAIの扱い:ChatGPTだけを会社で用意すると、ClaudeやGeminiを使いたい社員が個人のアカウントで使い始めることがあります。会社が把握していないAIの利用を防ぐ考え方はシャドーAI(野良AI)の対策にまとめています

どれも、ChatGPT Businessの設定画面の外にある仕事です。1人ずつ席を配る契約で続けるか、利用人数に関係なく会社で1つの契約にまとめるかは、席の増減の手間も含めて比べると判断しやすくなります。

よくある質問

管理者とオーナー(所有者)は何が違いますか?
請求、ロールの変更、シートタイプの切り替え、ID とプロビジョニングの管理、GPT設定の管理、新しい管理者や所有者の招待は、所有者だけができます。管理者は、ユーザーの管理と日常の管理作業を担い、招待の取り消し、ユーザーの削除、アプリの管理、支出管理の設定ができます。
管理者は社員のチャットの内容を見られますか?
既定では見られません。各ユーザーには専用のチャット履歴があり、公式ヘルプによると、管理者と所有者もメンバーの非公開チャットをすべて見ることはできません。利用状況の分析や支出の管理は、チャット履歴へのアクセスとは別のものです。
ドメインを認証すれば、社員は自動でワークスペースに入りますか?
入りません。ドメインを認証しただけでは、社員の招待も、アクセス権の付与も、SSOの有効化も行われません。ワークスペースの検出がオンなら、認証済みの会社のメールで登録した人が参加リクエストを送れるようになり、オーナーの承認か自動承認で参加します。
SSOを設定しないとChatGPT Businessは使えませんか?
SSOは必須ではありません。BusinessにはSAMLとOIDCに対応したSSOが含まれていますが、社内でIDを一元管理するサービスを使っていない会社は、会社のメールアドレスでのサインインで始められます。なお、SCIMによる名簿の自動同期は単独契約のBusinessには含まれません。
退職者をメンバーから削除すれば、翌月の請求は減りますか?
削除だけでは減りません。削除でアクセスは止まりますが、請求の対象になる席の数はそのままです。オーナーが「ワークスペース設定」→「メンバー」→「ユーザー」→「シートを管理」で削減を予約すると、次の請求サイクルから席が減ります。
社員の個人アカウントを会社のワークスペースに統合させるべきですか?
会社から統合を求めることはできません。管理者は社員に個人用ワークスペースの統合や削除を要求できず、統合は取り消せないため、本人が判断します。案内文で、迷ったら進めずに窓口へ相談するよう伝えておくと安心です。
カスタムGPTは最初に作っておくべきですか?
作り込みすぎないほうが無難です。OpenAIはカスタムGPTの提供終了を予定しており、対象のEnterpriseワークスペースは2026年12月11日の予定、その他のプランも同じスケジュールに従う予定です。公式ヘルプはプラグインへの移行を勧めています。

まとめ

ChatGPT Businessのワークスペースは、会社の設定とメンバーとデータをまとめる会社専用のChatGPT環境です。社員を招待する前に、ワークスペース名、2人目のオーナー、ドメイン認証、参加の入口、招待の方法と案内文、アプリ連携とメモリ、クレジットの上限の7つを決めておくと、招待後の手戻りを減らせます。特に、ワークスペースの検出とアプリ連携は既定でオン、クレジットの上限は既定でなし、メモリはあとからオフにすると保存内容が消える、という初期状態は先に押さえておきたい点です。

一方で、メンバーによる招待の制限、共有リンクの一括無効化、データのエクスポートは、Businessの設定では扱えません。退職時の席の削減も手作業です。設定で決めることと、社内ルールと手順で補うことを分けて文書にしておけば、担当者が替わっても同じ運用を続けられます。法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。

1人ずつ席を配る契約と、会社で1つの契約を並べて判断する

ChatGPT Businessは席を1人ずつ買い、席の増減は所有者が行い、招待・削除・クレジットの上限は所有者と管理者が管理します。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスで、ユーザーごとの課金はありません。全モデルで学習非利用を標準適用し、管理画面ではUPGEAR AI上の誰が・いつ・どのAIを・どう使ったかを一覧で確認でき、使わせるAIも会社が選べます。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

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