AskDonaの料金と評判。評価・判定業務向けAIの使いどころ

AskDonaとは、株式会社GFLOPSが開発・提供する、社内の規程・マニュアル・報告書を根拠つきで調べて答え、基準に照らした評価・判定までまとめて扱う法人向けの生成AIプラットフォームです。料金は公式サイトに掲載がなく、問い合わせフォームから相談して見積もりを受け取る形になります。誰もが使う汎用チャットの置き換えというより、社内文書にもとづく根拠つきの回答と、評価・判定業務の一括処理に強いタイプのサービスです。生成AIサービス全体の横並びは法人向け生成AIの料金比較(38社)で確かめてみてください。

AskDonaとは何をするAIか|社内文書を根拠つきで答える仕組み

AskDonaは、会社が持っている規程やマニュアル、報告書を読み込ませておき、質問に対して該当する文書の箇所を示しながら答える仕組みを土台にしたサービスになります。この仕組みはRAG(検索拡張生成)と呼ばれ、AIが自分の知識だけで答えるのではなく、登録された文書を先に探してから回答を組み立てる方式です。同社のサイトでは、この土台の上に3つの機能が並んでいます。

3つの機能(同社発表)

  • RAGナレッジは、引用つきで監査可能な回答を社内文書から引き出すナレッジベースとして紹介されており、数十万件規模の文書に対応すると説明されています。
  • Batch Assessmentは、評価・判定・確認の業務を一括で処理する機能とされています。
  • Deep Researchは、探す・読む・突き合わせるといった調査をAIエージェントに任せる機能として案内されています。

規程や基準に照らした一括の判定は、一般的なチャット型の生成AIではあまり見かけない機能で、AskDonaを検討するかどうかの分かれ目になりやすいところです。

情報がないときは見つからないと答える設計

同社のトップページには、登録された文書に答えの手がかりがないときは、情報が見つからないと明示して答える旨が書かれています。生成AIはもっともらしい作り話をしてしまうことがあるため、答えられないときに無理に答えない振る舞いは、規程やマニュアルの問い合わせ対応では大切な性質になります。実際に試すときは、文書に書かれていない質問をわざと混ぜて、どう返ってくるかを見てみましょう。

対応ファイル形式と使われるAIモデル

登録できるファイルは、同社のよくある質問によると、PDF、Word(.docx)、PowerPoint(.pptx)、Excel(.xlsx)、CSV、HTML、画像ファイルなどとなっています。どの大規模言語モデル(LLM、文章を生成するAIの本体)を使っているかは、公式サイトでは確認できませんでした。セルフホスト版については、組織が採用するLLMを使う形(Bring your own LLM)と書かれています。モデルの名前が気になる方は、見積もりの相談の場で聞いてみてください。

AskDonaの料金|公式サイトに金額はなく問い合わせ制

AskDonaの料金は、2026年10月4日時点で公式サイトに金額の掲載がなく、問い合わせて見積もりを受け取る形となります。公式サイトのメニューはプラットフォーム、ユースケース、セキュリティ、コンテンツ、お問い合わせで構成されており、料金の専用ページは見当たりません。お問い合わせのページには、デモの予約や料金、トライアル、パートナーシップの相談を受け付ける旨が書かれていて、問い合わせの種別にも「料金について」「トライアル利用」が用意されています。金額やプラン名、何に対して料金がかかるのか、初期費用の有無、トライアルが無料かどうかは、どれも公式の情報では確認できませんでした。

※2026年10月4日時点で公式サイト・提供元の発表で確認した内容です。

公開されている情報と、確認できない情報

見積もりの前に、いま分かっていることと分かっていないことを分けてみましょう。

  • 分かっていること:料金は問い合わせ制で、問い合わせの種別に「料金について」「トライアル利用」がある。
  • 分かっていること:提供元が運用するクラウド版と、組織のクラウドで動かすセルフホスト版の2つの形がある。
  • 分からないこと:金額、課金の単位(1人ごとか、組織ごとか、使った量か)、初期費用、最低契約期間、最低利用人数、トライアルの条件。

分からない項目が多いほど、ほかのサービスと単純に金額で並べることが難しくなってしまいます。そこで、料金の決まり方の型を先に知っておき、見積もりを受け取ったら型に当てはめて年間の総額に直すと、比べやすくなります。

社内文書AIの料金の決まり方は大きく4つ

法人向けの生成AIサービスの料金は、多くの場合、次の4つの型のどれか、または組み合わせで決まります。

  • 1人あたりの月額(席数課金)。使う人数に比例して費用が増えます。
  • 組織ごとの月額(会社定額)。人数ではなく、利用量や機能でプランが分かれる形が多くなります。
  • 使った量に応じた料金(従量課金)。質問の数や処理した文書の量で費用が変わってきます。
  • 初期費用や導入支援の費用。文書の登録や設定の作業に対してかかることがあります。

型が分かれば、会社の出費に直す式も決まってきます。席数課金なら1人あたりの月額×人数×12か月、会社定額ならプランの月額×12か月、従量課金なら想定する月の利用量×単価×12か月に、初期費用を足したものが1年目の総額となります。たとえば1人あたりの月額がA円のサービスを30人で使うなら、1年でA×30×12円、A円の360倍がかかる計算です。見積もりは月額ではなく、2〜3年分の総額に直してから比べましょう。人数が増える予定のある会社や、使う量が月によって大きく変わる会社ほど、型の違いが総額に大きく効いてきます。

ほかの選択肢と比べる4つの軸|料金の決まり方・使えるAI・人数・データの扱い

AskDonaを検討するときは、料金の決まり方、使えるAI、使う人数、データの扱いの4つの軸で、ほかの選択肢と並べてみると判断しやすくなります。

軸1:料金の決まり方

AskDonaは金額も課金の単位も見積もりで確かめる必要があり、手元の候補と同じ物差しで比べるには、前の節の式に当てはめる作業が欠かせません。1人あたりで課金される型なのか、組織ごとの型なのかが分かるだけでも、人数が増えたときの費用の伸び方が見えてきます。

軸2:使えるAI

AskDonaで使われるモデルの名前は公式サイトに載っておらず、クラウド版でどのAIが動いているかは問い合わせで確かめることになります。一方で、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityのように、用途に合わせて複数の生成AIを切り替えて使いたい会社もあります。文章の下書きは1つのAI、調べものは検索に強い別のAI、というように使い分けたいなら、複数のAIを1つの契約で使えるサービスも候補に入ってきます。主要な4つのAIの違いは主要4AIの違いと使い分けにまとめています。

軸3:使う人数

規程の照合や評価・判定を担当するのが一部の部署だけなら、使う人は限られるため、席数課金でも総額は大きくなりにくいでしょう。反対に、全社員が毎日の調べものや文章作成に使う前提だと、人数に比例する型では費用が人数とともに積み上がってしまいます。誰が、どの業務で、どのくらいの頻度で使うのかを、見積もりを頼む前に部署ごとに書き出してみてください。

軸4:データの扱い

AskDonaは、アップロードしたファイルを日本国内のサーバーで管理し、送った質問やファイルを生成AIモデルの学習に使わないと発表しています。社内文書を登録する以上、どの国のサーバーに置かれるか、AIの学習に使われないか、解約したときにデータがどうなるかは、どのサービスを選ぶ場合でも確かめたい項目になります。社内文書を入れるAIは、保管場所と学習への利用を契約書で確かめてから選びましょう。点検する項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリストにもまとめています。

4つの軸で比べるなら、複数のAIを会社で1つにまとめる案も

社内文書の検索に加えて文章作成や調べものにも使うなら、複数のAIを会社で1つの環境にまとめる選択肢も並べてみてください。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

根拠の提示と回答精度|90%以上は同社発表の数字

AskDonaが示す精度や削減時間の数字は、いずれも提供元が公開した発表や検証レポートによるもので、第三者が独立に確かめた結果は確認できませんでした。同社のトップページには、判定精度90%以上、1システムあたり平均45%の工数削減、年間の工数削減約2,000時間という数字が掲げられています。これらはJSOLとの検証の結果として紹介されており、90%以上と約2,000時間の検証の条件は次の節で触れる内容となります。45%の数字については、条件の説明が公式サイトには見当たらない状態となっています。

根拠つき回答とは

根拠つき回答とは、AIの答えに、もとになった文書の名前や該当する箇所を添えて返す方式のことです。同社はRAGナレッジを、引用つきで監査可能な回答を返す仕組みと説明しています。答えが合っているかを人が元の文書に戻って確かめられるため、規程の解釈や判定の理由を残しておきたい業務と相性のよい作りになります。

数字を読むときの注意

精度90%以上という数字は、どんな文書を、どんな区分で判定したときの値かによって意味が変わってきます。JSOLの検証は4つの区分に振り分ける判定での精度として発表されており、ほかの業務や文書でも同じ精度が出るとは限りません。精度の数字は、自社の文書で試したときの結果で判断しましょう。試すときは、正解の分かっている過去の案件を20〜30件ほど用意し、AIの判定と人の判定がどれだけ一致するかを数えてみると、自社での実力が見えてきます。

Batch Assessment|規程・基準に照らした一括評価・判定

Batch Assessmentは、規程や基準の項目を一覧にして、それぞれに当てはまるかどうかをまとめて評価・判定する機能として紹介されています。同社のサイトでは、数百項目に及ぶ判定をまとめて扱い、質問ごとに回答案・判定・理由・参照元を一覧で出力したうえで、担当者が根拠を確かめながら修正・承認・最終判断をする流れが説明されており、確認の作業を人とAIで分ける形になります。

JSOLの検証で発表された内容

2026年7月9日の提供元のニュースによると、JSOLは2025年4月から10月にかけて、SMBCグループの400項目のリスク評価項目と、100を超えるシステムの設計・運用文書を専用のRAGに登録して検証しました。その結果、4区分の判定で90%以上の精度が出たこと、JSOL全社で年間約2,000時間(約270人日)の工数を削減したことが、同社の発表として示されています。作業時間は4,300時間から2,300時間に減ったとされており、どちらの数字も第三者の検証ではなく提供元の発表となります。

中小企業で形が似ている業務

研究機関や大手の事例が中心ですが、規程や基準の項目を一つずつ確かめる作業は、少人数の会社にもあります。

  • 取引先から届くセキュリティのチェックシートに、社内規程を見ながら回答する作業。
  • 就業規則や社内規程に照らして、申請や届出の内容に問題がないかを確かめる作業。
  • ISMSやプライバシーマークの内部監査で、項目ごとに証跡を探す作業。
  • 業界のガイドラインの改訂に合わせて、自社のマニュアルとの差を洗い出す作業。

こうした作業が年に何百項目も発生するなら、Batch Assessmentのような一括の判定は検討する価値が出てきます。項目が年に数十件ほどなら、汎用の生成AIに規程を読ませて一件ずつ聞く方法でも足りる場合があるでしょう。

導入実績|理化学研究所「富岳」の利用者サポート

AskDonaの代表的な導入事例は、理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS)がスーパーコンピュータ「富岳」の利用者サポートに使っている例です。理化学研究所は2024年7月9日に、富岳のサポートサイトへのAskDonaの採用を発表しました。事例の数字は提供元が公開したレポートとニュースの2つの資料に分かれており、同じ項目でも値が違うものがあるため、資料ごとに分けて紹介します。

提供元のレポートの数字(2024年7月〜2026年6月)

提供元が公開した「富岳 × AskDona Report vol.2」第1章によると、2024年7月から2026年6月までの24か月で、質問は13,461件、新規のセッションは3,107件でした。月平均にすると、質問は約561件、新規セッションは約129件となります。文書に答えが見つからず情報不足と返した割合は月平均で約8.3%で、低い月は2024年10月の3.3%、高い月は2026年4月の18.7%でした。人が対応した質問のチケットは、導入前の1年間(2023年7月〜2024年6月)の796件から、導入後1年目に580件(27.1%減)、2年目に327件まで減ったと報告されています。2年目の327件は、1年目から43.6%、導入前から58.9%少ない件数になります。

提供元のニュースの数字

2026年7月9日の提供元のニュースでは、富岳について、2025年2月に一次問い合わせ対応の完全移行を終え、月平均約680件の問い合わせに対応していると発表されています。複雑な質問を集めたベンチマークで83点、業務対応の工数を最大61%削減という数字も、同じニュースで示されたものです。月平均の件数はレポートの約561件とニュースの約680件で異なり、資料の中に違いの説明は見当たりません。対象の期間や数え方が違う可能性がありますが、引用するときはどちらの資料の数字かを添えてください。

事例から読み取れる向き不向き

富岳の事例は、マニュアルや手順書がたくさんあり、同じような問い合わせが毎月数百件届く職場で、一次対応をAIに任せた例と読めます。人の対応が減った一方で、情報不足と返す割合は月によって3%台から18%台まで動いており、文書に書かれていない質問を人が引き取る仕組みも合わせて考えておきたいところです。社内の問い合わせが少なく、マニュアルもあまり整っていない会社では、同じ効果を期待するのは難しいでしょう。

提供形態とセキュリティ|クラウド版・セルフホスト版と第三者認証

AskDonaは、提供元が運用するクラウド版(マネージドクラウド版)と、利用する組織のクラウドで動かすセルフホスト版の2つの形で提供されています。セルフホスト版は認証やデータの保管を組織の側で管理する形で、使うLLMも組織が選ぶことが出来ます。同社は、情報セキュリティの国際規格であるISO/IEC 27001:2022の認証を取得していると発表しています。公式サイトには、国際認定機関フォーラム(IAF)の認証検索サイトで認証を確かめられるリンクも置かれており、誰でも開いて確認することが出来ます。

データの保管場所と学習への利用

同社のよくある質問によると、RAGのデータベースにアップロードしたファイルは日本国内のサーバーで管理されます。送った質問やファイルがChatGPTなどの生成AIモデルの学習に使われることはなく、今後採用するモデルも学習にデータを使わない契約のものに限る方針とされています。セキュリティのページでも、API経由で使う場合に入力と出力が学習に使われないことを規約などに明記しているモデルだけを採用する、という説明になります。社内のどの文書まで登録してよいかは、こうした説明とは別に、自社のルールとして決めておく必要があります。ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方が参考になります。

販売・導入支援体制|GFLOPS・理研数理・JSOLの3社

AskDonaは、開発元のGFLOPSに加えて、理研数理とJSOLの3社で販売と導入支援を担う体制になっています。2026年7月9日の提供元のニュースで、3社は販売・導入支援体制の強化を発表しました。理研数理は、理化学研究所・理研イノベーション・JSOLの共同出資で2020年10月1日に設立された会社と、同じニュースで紹介されています。GFLOPSの会社概要のページに載っている所在地は、東京都渋谷区道玄坂です。窓口が複数あるため、問い合わせる前に、どの会社から提案を受けるかで導入支援の範囲や見積もりの中身が変わらないかを確かめてみてください。公式サイトに名前が出ている導入先には、理化学研究所、国立情報学研究所、JSOL、東急ホテルズがあります。

AskDonaの評判|公開情報から言えること・言えないこと

2026年10月4日時点で、ITreviewやBOXILなどのレビューサイトでは、AskDonaの口コミや評点を確認できませんでした。同じ日に「AskDona」で検索したときも、表示されたのは公式サイトや提供元、導入した機関のページで、料金や評判をまとめた第三者の記事は見当たらない状況となっています。評判の代わりに、公開されている資料から言えることと、言えないことを分けておきます。

公開情報から言えること

  • 研究機関のスーパーコンピュータの利用者サポートで、2年にわたって使われていること。
  • 人が対応した質問のチケットが、導入前の1年間と比べて減ったと提供元のレポートが報告していること。
  • 規程・基準に照らした判定で90%以上の精度が出たと、提供元がJSOLとの検証結果として発表していること。

公開情報からは言えないこと

  • 現場の利用者が、使い勝手や回答の質をどう感じているか。
  • 導入した会社が使い続けているか、途中でやめた例があるか。
  • 中小企業や少人数の事務所で使ったときの効果や費用感。

言えない部分は、デモやトライアルの場で、自社の文書と自社の担当者で確かめるしかありません。導入済みの組織の話を聞けないか、問い合わせのときに相談してみるのも一つの方法になります。

社内文書RAG型と汎用チャット型の違い

社内文書RAG型と汎用チャット型の違いは、答えのもとを自社の文書に絞るか、AIが学んだ幅広い知識で答えるかにあります。AskDonaは前者の形で、ChatGPTのような汎用チャット型は後者にあたります。実際には汎用チャット型にも文書を読み込ませる機能があり、両者の境目は近づいていますが、判断の目安としては次の表のように整理できます。

観点社内文書RAG型汎用チャット型
答えのもと前もって登録した社内文書AIが学んだ知識と、その場で渡した資料
根拠の示し方文書名や該当箇所を添えるのが基本サービスや設定によって異なる
社内データの登録大量の文書をまとめて登録して使う会話ごとにファイルを添付する使い方が中心
判定の一括処理項目の一覧をまとめて判定する機能を持つものがある一件ずつ聞くのが基本
得意な仕事規程の照合、問い合わせの一次対応、自己点検文章の下書き、要約、アイデア出し、調べもの
主な使い手特定の部署や担当者全社員

どちらか一方を選ぶのではなく、判定や照合は社内文書RAG型、日々の文章作成は汎用チャット型と、役割を分けて両方を持つ会社もあるでしょう。その場合は、2つの契約の総額と、社員がどちらを使えばよいか迷わない運用のルールまで含めて比べてみてください。

AskDonaが向く業務・向かない業務

AskDonaが向くのは、規程やマニュアル、基準書がたくさんあり、それに照らして答えたり判定したりする作業が繰り返し発生する業務です。

向く業務

  • 社内規程や業務マニュアルへの問い合わせに、一次対応として答える業務。
  • 規程や基準の項目を一覧にして、当てはまるかどうかを判定する自己点検や内部監査。
  • 取引先から届くチェックシートへの回答づくり。
  • 専門的な技術文書が多く、新しく来た方が答えを探すのに時間がかかっている職場。

向かない業務

  • 社内の文書が少なく、登録しても答えのもとになる情報が足りない場合。
  • 文章の下書きや企画のアイデア出しなど、自由に書く仕事が中心の場合。
  • 社員全員が日々の調べものに使う、汎用のAIとして配りたい場合。

向かない側に当てはまるものが多いなら、高機能な社内文書AIより先に、汎用の生成AIで足りるかを確かめる順番になります。判定の件数が少ないうちは、専用の仕組みより先に汎用の生成AIで試しましょう。

少人数の会社・会計事務所に当てはめると

富岳やJSOLの事例は、数百件の問い合わせや数百の評価項目を抱える組織の話で、社員数十名の会社にそのまま当てはまるとは限りません。会計事務所であれば、所内の規程や業務マニュアルよりも、税法や通達、顧問先ごとの資料を調べる時間のほうが長いことも多いでしょう。その場合は、まず汎用の生成AIに資料を渡して調べものや下書きに使い、所内の手順書が増えてきた段階で社内文書RAG型を検討する順番も考えられます。手順書がまだ少ないなら、AIを入れる前に、よく聞かれる質問とその答えを10〜20件ほど書き出すところから始めると、どちらの型を選ぶにしても役に立ちます。

見積もり依頼で確かめる10の質問

料金が公開されていないサービスでも、見積もりを頼むときに聞く項目をそろえれば、ほかのサービスと同じ条件で比べることが出来ます。

  • 料金は1人ごとか、組織ごとか、使った量ごとか課金の単位が分かると、人数が増えたときの総額の伸び方が見えてきます。
  • 初期費用の有無と、その中身文書の登録や設定の作業が含まれるのか、別にかかるのかを確かめます。
  • 最低契約期間と最低利用人数途中で人数を減らしたいときや、やめたいときの条件もあわせて聞いておきます。
  • トライアルの有無と条件問い合わせ種別に「トライアル利用」があるため、期間・費用・登録できる文書の量を確かめます。
  • クラウド版とセルフホスト版の費用の違いセルフホスト版では、自社側のクラウド費用やLLMの利用料が別にかかるかを聞きます。
  • 登録できる文書の量と、量による料金の変化数十万件規模に対応すると発表されていますが、量で料金が変わるかどうかは別に確かめます。
  • クラウド版で使われるAIモデルと、変更時の扱いモデルが変わったときに、精度や料金に影響があるかも聞いておきます。
  • データの保管先、学習への利用、解約後の削除国内のサーバーで管理し学習に使わないという発表が、契約書にも書かれているかを確かめます。
  • 判定結果を人が確認する流れと、根拠の見せ方Batch Assessmentの結果を、誰がどの画面で見直すのかを具体的に聞きます。
  • 導入支援の窓口と範囲GFLOPS・理研数理・JSOLのどこが担当し、文書の整理まで手伝ってもらえるかを確かめます。

10問のうち、料金の単位・初期費用・最低契約期間・データの扱いの4つは、ほかのサービスの見積もりを取るときにも同じ聞き方で使えます。回答はそのまま社内の稟議の資料にも使えるため、質問と答えを1枚の表にまとめておきましょう。

導入前の進め方|問い合わせからトライアルまで

AskDonaの検討は、使う業務と文書を先に決めてから問い合わせると、見積もりもトライアルも具体的になります。

  1. 最初に試す業務を1つに絞ります。規程への問い合わせ対応なのか、チェックシートの判定なのかで、必要な文書も確かめ方も変わってきます。
  2. 登録する文書を集めて、量と形式を数えます。PDFやWord、Excelなど、対応している形式かどうかもここで確認出来ます。
  3. 問い合わせフォームで「料金について」を選び、前の節の10の質問を添えて見積もりを依頼します。
  4. トライアルが使える場合は、正解の分かっている過去の案件で、AIの答えと人の答えを比べてみてください。
  5. 見積もりの総額とトライアルの結果を、汎用の生成AIで同じ業務を試した結果と並べて判断します。

手順2で文書を数えてみると、登録したい文書が思っていたより少なかったり、古い版が混ざっていたりすることもあるでしょう。その場合は、文書の整理そのものが最初の仕事になってしまいます。導入支援の体制は3社で用意されているため、文書の整理をどこまで手伝ってもらえるかも、手順3の見積もりの場で聞いてみてください。

社内文書の検索も毎日の文章作成も、会社定額の1つの契約で

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスです。自社資料を読み込ませて回答させる社内文書RAGと、利用ログ・権限・モデルのON/OFFを扱う管理者ダッシュボードを備え、基盤はAWSの日本リージョンで稼働しています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

UPGEAR AIの詳細を見る

よくある質問

AskDonaの料金はいくらですか?
2026年10月4日時点で、公式サイトに金額は掲載されていません。問い合わせフォームで「料金について」を選んで相談し、見積もりを受け取る形になります。課金の単位や初期費用、最低契約期間も公式の情報では確認できないため、見積もりの際にまとめて確かめてみてください。
AskDonaに無料トライアルはありますか?
問い合わせの種別に「トライアル利用」が用意されています。ただし、無料かどうかや期間、登録できる文書の量などの条件は、公式サイトでは確認できませんでした。条件は問い合わせの際に確かめる必要があります。
AskDonaの判定精度90%以上は信頼できる数字ですか?
判定精度90%以上という数字は、JSOLとの検証の結果として提供元が発表したもので、第三者が独立に確かめた結果は確認できませんでした。4つの区分に振り分ける判定での値のため、自社の文書と業務で試した結果で判断することをおすすめします。
AskDonaの評判や口コミはどこで見られますか?
2026年10月4日時点で、ITreviewやBOXILなどのレビューサイトではAskDonaの口コミや評点を確認できませんでした。公開されている情報としては、理化学研究所「富岳」の利用者サポートについて提供元が公開したレポートや、JSOLとの検証結果の発表があります。
AskDonaに登録したデータはAIの学習に使われますか?
提供元は、送った質問やアップロードしたファイルがChatGPTなどの生成AIモデルの学習に使われることはないと発表しています。アップロードしたファイルは日本国内のサーバーで管理されるとも説明されています。契約の前に、契約書や利用規約でも同じ内容になっているかを確かめてください。
汎用の生成AIとAskDonaは、どちらを選べばよいですか?
規程や基準に照らした判定や、マニュアルへの問い合わせ対応が多いなら、社内文書RAG型のAskDonaが候補になります。文章の下書きや要約、調べものが中心で社内文書が少ないなら、汎用の生成AIで足りる場合が多いでしょう。両方の業務がある会社は、役割を分けて両方を使う形も考えられます。

まとめ

AskDonaは、社内の規程やマニュアルを根拠つきで答えるRAGと、基準に照らした一括の評価・判定を中心にした法人向けの生成AIプラットフォームです。料金は公開されておらず、金額も課金の単位も、問い合わせて見積もりで確かめることになります。精度90%以上や年間約2,000時間の削減、富岳での問い合わせ件数の変化はどれも提供元が発表した数字で、第三者の検証や利用者の口コミは確認できませんでした。料金の決まり方、使えるAI、使う人数、データの扱いの4つの軸で、ほかの選択肢と並べてから決めましょう。

ほかのサービスとの横並びは法人向け生成AIの料金比較、法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧で読むことが出来ます。