
AI研修の比較とは、集合研修・公開講座/オンラインLive・eラーニング・伴走型という受け方の違いを、自社の人数と目的に当てはめて選び分けることです。答えを先にお伝えすると、社員全員の基礎はeラーニングで揃え、自社業務を使った演習は一社向けの集合研修かオンラインLiveに任せ、研修後は全員が使える会社の環境と質問先を用意する組み合わせが、無理なく回しやすい形になります。どの形式を主にするかは、対象人数と、研修で何をできるようにしたいかで決まります。
研修会社そのものの絞り込み方は、AI研修のおすすめ|法人向けの選び方と比べる5つの軸で扱っています。会社名を比べる前の段階、どの受け方で学ぶかを決めるときの手元の資料として使ってみてください。
AI研修の4つの形式:集合(一社向け)・公開講座/オンラインLive・eラーニング・伴走型
AI研修の形式は、誰が日程と中身を決めるかで4つに分けると選びやすくなります。集合研修(一社向け)は自社の社員だけを集める研修で、日程も中身も会社と研修会社の相談で決めます。公開講座とオンラインLiveは、研修会社が決めた日程に社員が申し込み、他社の受講者と一緒に学びます。eラーニングは録画された講義を各自の都合で見る形、伴走型は研修の後も一定の期間、専門家が実務への当てはめを手伝う形を指します。
集合研修(一社向け・講師派遣)
一社向けの研修は、日程・場所・人数・カリキュラムを自社の要望に合わせて組めるのが特徴です。トレノケートの一社向け研修のページでは、スケジュールや場所、人数、カリキュラムを要望に合わせて提案するとしたうえで、eラーニングと集合研修を組み合わせる例も挙げています。AVILENの案内では、集合形式(対面・Web・ハイブリッド)の標準的な実施時間は半日(約4時間)か1日(約7時間、休憩1時間の注記つき)となります。料金はどちらも公開されておらず、規模やカスタマイズの内容に応じた見積もりで決まります。自社の書類や業務を題材にした演習を入れやすいぶん、事務局が会場や接続を手配する手間は増えてしまいます。
公開講座/オンラインLive
公開講座は、研修会社が決めた日程に、いくつもの会社の受講者が集まって学ぶ形です。例としてトレノケートの「ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用」は、1日(13:00〜17:30)の講義とハンズオン演習で、受講料は33,000円(税込)となります。2026年10月3日の確認では、掲載されていた日程5件はすべてオンラインLiveでした。社員が少人数ずつ別々の日に受けられるため、業務を止めずに学ばせたい会社に向いています。一方で、教材はどの会社にも共通の内容になるため、自社の書類を使った演習までは期待しにくい形になります。
eラーニング
eラーニングは、録画された講義を各自が好きな時間に見て進める形です。スキルアップAIの「ビジネスパーソンのための対話型生成AI講座」は、動画講義約1.7時間・標準学習時間約3時間で、1名27,500円(税込)と公開されています。1人ずつの料金のほかに、ユースフルの法人向けのように1IDあたり月額350円から(税別・初期導入費用は別途)の年間契約で27コースを見られる形もあります。日程調整がいらないぶん、見たかどうか・終えたかどうかの確認は事務局の仕事として残ってしまいます。自社の業務に合わせた演習は入らないため、基礎を全員で揃える役に向いています。
伴走型
伴走型は、研修の後もしばらく専門家が付き、実務への当てはめや質問に応える形です。スキルアップAIの伴走支援サービスは、AI開発やデータ分析のPoC(試しに作って効果を確かめる段階)を3〜4か月サポートするもので、質問会に加えてチャットでいつでも質問できる環境を整えると案内しています。対象は開発や分析の担当者で、全社員向けの使い方研修とは目的が違う点に気をつけましょう。AVILENも「伴走型研修で定着まで」と掲げていますが、期間と料金は公開されていません。伴走型の料金は確認できた範囲ではどの会社も公開しておらず、見積もりで決まる形になります。
目的別の3分類(全社リテラシー・業務実践・AI人材育成)と形式の当てはめ
研修の目的を全社リテラシー・業務実践・AI人材育成の3つに分けると、主にする形式は目的ごとにおおよそ決まってきます。
| 目的 | 学ぶこと | 主にする形式 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 全社リテラシー | 使ってよい範囲、入力してはいけない情報、基本の使い方 | eラーニング(必要に応じて短い集合の回) | 全社員 |
| 業務実践 | 自社の書類や業務を題材にした演習 | 一社向けの集合研修、オンラインLive | 部署・職種ごと |
| AI人材育成 | AI開発・データ分析、社内での活用の旗振り | 公開講座、伴走型 | 推進担当・開発担当の数名 |
社員10〜200名の会社では、全社リテラシーと業務実践の2つを組み合わせる形が中心になることが多いでしょう。AI人材育成まで社内で抱える会社は限られるため、まず全員の基礎と部署ごとの演習を決め、開発や分析は必要が出た段階で伴走型を検討してみてください。研修の全体像や費用の総額、内製するかどうかの判断は、生成AI研修の選び方で詳しく扱っています。
形式の比較ポイント:5つの軸の判断表
形式を比べるときは、対象人数・日程の自由度・実習の深さ・事務局の手間・助成金の扱いの5つの軸で見ると、自社に合う形が絞り込めます。
| 軸 | 集合(一社向け) | 公開講座/オンラインLive | eラーニング | 伴走型 |
|---|---|---|---|---|
| 対象人数 | 1回に集める人数で決まる。部署単位から全社まで組める | 少人数を何回かに分けて申し込む | 人数が多いほど配りやすい | 推進担当など数名 |
| 日程の自由度 | 自社で決められるが、全員の予定を合わせる必要がある | 研修会社の掲載日程から選ぶ | 受講期間の中で各自の都合で進められる | 数か月の期間の中で定例を組む |
| 実習の深さ(自社業務への合わせやすさ) | 深い。自社の書類や業務を題材にしやすい | 中くらい。どの会社にも共通の演習 | 浅い。動画で基礎を学ぶ | 深い。実務そのものを扱う |
| 事務局の手間 | 多い。会場・接続・講師との打ち合わせ | 中くらい。申込と日程の割り振り | 少なめ。ID配布と進み具合の確認 | 中くらい。参加者の選定と定例の調整 |
| 助成金の扱い | 通学制・同時双方向型として経費助成と賃金助成の対象になり得る | オンラインLiveは同時双方向型として集合と同じ扱い | 経費助成のみ。上限は中小企業で1人15万円、年度1回の制限あり | 研修の部分は形式ごとの扱い。コンサルタントによる指導は対象外 |
※実習の深さと事務局の手間は、各社の公開情報をもとにした目安で、主観を含みます。助成金の扱いは人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の令和8年8月3日版パンフレットによるもので、実訓練時間10時間以上などの条件があります。
表の中で会社ごとに答えが分かれやすいのは、事務局の手間の行です。研修担当が総務や人事と兼務の1人であれば、基礎はeラーニングに任せ、集合やオンラインLiveは演習に絞ると手間と深さの両方を取りやすくなります。反対に、自社の書類を使って演習したい部署が多いなら、一社向けの集合研修を主にして、日程を部署ごとに分ける組み方が合います。
研修後の定着:使う環境と質問先がないと続かない
どの形式を選んでも、研修の後に会社で使える環境と質問できる相手がなければ、学んだ使い方は職場で続きにくくなります。パーソル総合研究所「生成AIとはたらき方に関する実態調査」(2025年10月24日〜28日、スクリーニング調査は全国の就業者1万9,855名、本調査は正規雇用者3,000名)では、全国の就業者で業務に生成AIを使っている割合は32.4%でした。内訳は、週4日以上のヘビーユーザーが11.7%、週1〜3日のミドルユーザーが12.4%、月数日以下のライトユーザーが8.4%に分かれます。同じ調査の本調査では、生成AIを業務で使っている方の所要時間が平均で16.7%(週26.4分)減っていたとも報告されています。
帝国データバンク「生成AIに関する企業の動向調査」(2026年3月17日〜31日、対象2万3,349社、有効回答1万312社・回答率44.2%)でも、生成AIを業務で活用している企業は34.5%で、中小企業に限ると32.4%でした。生成AI活用の懸念・課題として、専門人材・ノウハウ不足を挙げた企業は41.3%(3つまでの複数回答)にのぼります。
研修でノウハウを入れても、職場に戻った社員が使える会社のAIがなければ、試す場は個人のアカウントか、使わないかのどちらかになってしまいます。個人情報保護委員会は2023年(令和5年)6月2日の注意喚起で、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入れる場合は、そのデータが応答以外の目的、たとえば機械学習に使われないことなどを十分に確認するよう呼びかけています。研修で入れてはいけない情報を教えても、守れる環境が会社になければ、守っているかどうかを確かめる手立てもありません。研修を検討する段階で、研修後に使う環境と、困ったときの質問先を一緒に決めておきましょう。
研修のあとに社員が迷わず試せるよう、使う場所を会社で1つに決めておく方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
事務局の手間:形式ごとの作業チェックリスト
事務局の作業は、日程調整・会場や接続・受講管理・出欠と修了の確認・質問対応・助成金の書類の6つで比べると、形式ごとの差がはっきりします。
| 作業 | 集合(一社向け) | 公開講座/オンラインLive | eラーニング | 伴走型 |
|---|---|---|---|---|
| 日程調整 | 全員か部署ごとの日を決め、講師と調整する | 掲載日程から社員ごとに割り振る | 受講期間を決めるだけ | 定例の日時を参加者と決める |
| 会場・接続 | 会議室と機材、Web開催なら接続先の案内 | 教室の場所か、オンラインの接続方法を各自に案内 | IDの配布と、社内のパソコンで動画が見られるかの確認 | 定例の会議の接続と、チャットへの参加 |
| 受講管理 | 参加者名簿の作成 | 申込と受講票の管理 | 管理画面で進み具合を見る | 参加者と課題の一覧 |
| 出欠・修了確認 | 出欠を記録する(助成金では受講時間が実訓練時間の8割以上) | 受講の記録を研修会社から受け取る | 受講期間中の修了を確かめ、修了証を集める | 期間中の参加記録 |
| 質問対応 | 当日に講師へ。後日の窓口は研修会社に確認 | 当日に講師へ。後日の窓口は研修会社に確認 | 研修会社の質問窓口の有無を確認。なければ社内で受ける | 質問会やチャットで受ける形がある |
| 助成金の書類 | OFF-JT実施状況報告書(様式第8-1号)、賃金助成の内訳(様式第5号)、賃金台帳と出勤簿の写しなど | 同時双方向型・通学制として集合と同じ書類 | 実施結果報告書(様式第8-3号)、修了証、LMS(学習管理の仕組み)の情報の写し | 研修の部分は形式ごとの書類 |
※助成金の書類は、人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)令和8年8月3日版パンフレットに載っている主なものです。ほかの添付書類はパンフレットの一覧でご確認ください。関係書類は支給決定後5年間の保存が必要です。
兼務の担当者が1人で回すなら、作業が多い集合研修は回数を絞り、残りをeラーニングとオンラインLiveに振り分けると負担が読みやすくなります。助成金を使う場合、自社の会議室で研修を開くと、受講中に仕事をしていないか、会議室などで受けているかを労働局が審査で確認することがある点にも気をつけてください。
- 誰がどの形式で受けるかの割り振り全員の基礎、部署ごとの演習、推進担当の学びを分けて名簿にします。
- 研修中の業務の扱い助成金の賃金助成は所定労働時間内の分だけが対象です。eラーニングでも受講中の賃金の支払いが必要になります。
- 修了をどう確かめるか出欠の記録、修了証、管理画面の進み具合のどれを使うかを先に決めます。
- 研修後の質問先と、その期間研修会社の窓口か、社内の担当者か。期間が過ぎた後の受け先も決めておきます。
- 研修後に使う会社のAI環境研修で使ったAIを、職場に戻っても同じ設定で使えるかを確かめます。
助成金の扱いは形式で変わる
人材開発支援助成金の事業展開等リスキリング支援コースでは、同じAI研修でも形式によって助成の中身が変わります。厚生労働省のパンフレット(令和8年8月3日版)では、中小企業の場合、経費助成は75%、賃金助成は1人1時間あたり1,000円とされています。
| 形式(助成金の区分) | 経費助成(中小企業) | 賃金助成 | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 集合研修・公開講座の教室(通学制) | 75%(大企業60%) | 1人1時間1,000円(大企業500円)。所定労働時間内の分のみ | 受講時間が実訓練時間の8割以上 |
| オンラインLive(同時双方向型の通信訓練) | 通学制と同じ | 通学制と同じ | 受講時間が実訓練時間の8割以上 |
| eラーニング・通信制 | 75%。上限は1人1訓練15万円(大企業10万円) | なし | 実施期間中に修了。8月3日以降の計画届は同じ社員につき1年度1回まで |
| 定額制サービス | 1人1か月2万円が限度 | なし | 他の実施方法と組み合わせられない |
※出典:厚生労働省 人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース パンフレット(令和8年8月3日版)。経費助成の限度額は実訓練時間で変わり、10時間以上100時間未満なら中小企業で1人1訓練30万円です。
共通の条件として、実訓練時間は10時間以上が必要になります。2026年10月6日に確認した公開講座とeラーニングの例は、トレノケートの1日講座(13:00〜17:30)もスキルアップAIの講座(標準学習時間3〜5時間)も10時間に届かず、1講座だけでは条件を満たしません。単独で受けられる研修を組み合わせて1つの訓練として申請するには内容に連続性があることなどが条件で、実施方法が違えばそれぞれの要件を満たす必要があります。eラーニングの上限15万円(中小企業)は、通学制や同時双方向型と組み合わせる場合も含めて数える点に注意してください。
中身にも条件があり、令和8年8月3日からの変更点では、生成AIで汎用的なプロンプトの作り方を学ぶだけの訓練は対象外の例に挙がっています。営業担当者が生成AIで商品提案書の構成案作成や文章生成、修正方法を学ぶ訓練は、対象の例です。自社の業務を題材にした演習を入れやすい集合研修やオンラインLiveは、この点でも助成の考え方に沿いやすい形となります。研修の後にAIを使うための利用料は助成の対象にならず、パンフレットには「AI研修費用は対象経費ですが、AIツール導入費用は対象経費ではありません」と書かれています。
計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に出し、支給申請は訓練終了日の翌日から2か月以内に済ませる決まりです。このコースは令和8年度末までの時限措置とされており、最終的な判断は管轄の労働局と最新の支給要領で確かめるようにしましょう。
公開価格の一覧比較表:形式別に見た講座の例
公式ページで料金を確認できた講座を形式別に並べると、同じeラーニングでも1人ごとの料金とIDごとの月額で、費用の出方が大きく違ってきます。
| 形式 | 提供元・講座名 | 料金(公式の表示) | 時間・契約の単位 |
|---|---|---|---|
| 公開講座(オンラインLive) | トレノケート「ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用」 | 33,000円(税込) | 1日(13:00〜17:30)、講義+ハンズオン演習 |
| 公開講座 | インソース「ChatGPTプロンプトエンジニアリング研修~使いこなすための応用手法を学ぶ」 | 会員価格45,800円(日程表の見出しは「会員価格(税込)」) | オンライン/東京 |
| eラーニング | スキルアップAI「ビジネスパーソンのための対話型生成AI講座」 | 1名27,500円(税込) | 動画講義約1.7時間、標準学習時間約3時間 |
| eラーニング | スキルアップAI「AIリテラシー講座」 | 1名55,000円(税込) | 動画講義約2.5時間、標準学習時間約5時間、視聴期間1年 |
| eラーニング | AVILEN「生成AIリテラシー研修」 | 1人22,000円(税込) | eラーニング形式のオンライン学習 |
| eラーニング | AVILEN「生成AI業務プロセス適用研修(全コース)」 | 1名66,000円(税込)から | eラーニング形式 |
| eラーニング(ID課金) | ユースフル(法人向け) | 1IDあたり月額350円から(税別) | 27コース、年間契約、初期導入費用は別途 |
| eラーニング(ID課金) | Schoo for Business | 1IDあたり1,650円(同社コラム・2024年6月更新時点の表記。月額か年額か・税の扱いは見積もりで確認) | 20IDから、年間契約のみ |
| 集合(一社向け) | トレノケート、AVILEN、インソース | 公開なし(見積もり) | AVILENの標準は半日(約4時間)か1日(約7時間) |
| 伴走型 | スキルアップAI、AVILEN | 公開なし(見積もり) | スキルアップAIはPoCを3〜4か月 |
※料金は2026年10月6日時点(インソースとユースフルは2026年10月3日時点)で各社の公式ページに表示されている金額です。Schooは同社公式サイトのコラム(2024年6月20日更新)に載っている表記で、現在の価格は見積もりで確認が必要です。インソースは会員価格で、一般価格と会員の条件は確認していません。
同じ会社でも講座によって料金が大きく違うのは、扱う中身と時間が違うためで、会社の優劣を示すものではありません。一覧を見るときは、料金と並べて講座の時間と演習の有無を確かめてみてください。一社向けの集合研修と伴走型は、確認した範囲では公開価格を載せている会社がなく、人数・時間・カリキュラムをもとにした見積もりで金額が決まります。
費用の出し方:社員10名・50名・200名の組み合わせ例
費用の増え方は形式で違い、1人ごとの料金は人数に比例し、IDごとの月額は人数と月数の掛け算で増え、一社向けの研修は開く回数と時間で見積もりが変わります。下の例は公開価格のある講座だけで計算し、見積もりで決まる部分は金額を空けています。
社員10名:eラーニングで基礎、オンラインLiveで演習
10名なら、全員にeラーニングで基礎を受けてもらい、そのあと全員がオンラインLiveの公開講座に参加する組み方が考えやすいでしょう。
| 段階 | 講座の例 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 基礎 | スキルアップAI「ビジネスパーソンのための対話型生成AI講座」 | 27,500円×10名 | 275,000円(税込) |
| 演習 | トレノケート「ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用」 | 33,000円×10名 | 330,000円(税込) |
| 研修費の合計 | 605,000円(税込) | ||
| 研修後 | 会社で使うAIの環境と質問先 | 別途 | 助成の対象外 |
10名を一度に講座へ出すと業務が止まるため、日程を2〜3回に分けて申し込むと現場の負担が軽くなります。この組み合わせは2講座を合わせても10時間に届かないので、助成金を使う前提で組むなら、時間数と中身を研修会社に相談してみましょう。
社員50名:1人ごとの料金とIDの月額を比べる
50名になると、基礎のeラーニングを1人ごとの講座で揃えるか、ID課金の年間契約で揃えるかで、費用が大きく変わります。
| 段階 | 講座の例 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 基礎(1人ごと) | AVILEN「生成AIリテラシー研修」 | 22,000円×50名 | 1,100,000円(税込) |
| 基礎(ID課金) | ユースフル(法人向け) | 350円×50ID×12か月 | 年210,000円から(税別・初期導入費用は別途) |
| 演習 | 一社向けの集合研修を部署ごとに | 回数と時間で見積もり | 見積もりで決まる |
ID課金は初期導入費用を除いて1年分で並べると1人ごとの講座より低く出ますが、講座の中身と時間が違うため、金額だけでなく中身も並べて比べてください。部署ごとの演習は、50名を部署単位で3〜4回に分けて一社向けで開くと、自社の書類を題材にしやすくなります。
社員200名:IDで全員、演習は代表者から
200名を全員集合研修に集めるのは日程の面で難しいため、基礎はIDで全員に配り、演習は部署の代表者から始める組み方が合います。
| 段階 | 講座の例 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 基礎(ID課金) | ユースフル(法人向け) | 350円×200ID×12か月 | 年840,000円から(税別・初期導入費用は別途) |
| 基礎(ID課金) | Schoo for Business | 1ID 1,650円(同社コラムの表記)×200ID | 月額か年額かの記載がないため見積もりで確認(ID数による割引あり) |
| 演習(代表者20名) | トレノケート「ChatGPTで学ぶ生成AIビジネス活用」 | 33,000円×20名 | 660,000円(税込) |
| 部署ごとの演習、推進担当の伴走 | 一社向けの集合研修、伴走型 | 見積もり | 見積もりで決まる |
※金額は2026年10月6日時点(ユースフルは2026年10月3日時点)の公式の表示をもとにした計算で、助成金は差し引いていません。研修後に使うAIの利用料は、厚生労働省のパンフレット(令和8年8月3日版)で助成の対象経費ではないとされています。
代表者が演習で学んだ使い方を部署に持ち帰る形にすれば、全員分の集合研修を開くより事務局の手間を抑えることが出来ます。その際、代表者が戻ってから部署で教える場や質問を受ける役を決めておかないと、学びが代表者だけに留まってしまいます。
伴走型(伴走支援)を足すかどうかの判断
伴走型は全社員に配るものではなく、推進担当や開発・分析の担当者など、研修の後に社内で旗を振る数名に絞って足す使い方が合います。スキルアップAIの伴走支援の事例には、期間3.5か月・参加者3名と書かれています。人数を絞るぶん自社の実際のデータや業務を題材にでき、研修だけでは越えにくい、試したけれど続かない段階を一緒に越える役を任せることが出来ます。一方で料金は公開されておらず、助成金ではコンサルタントによる指導は対象にならないとされています。伴走型を検討するときは、伴走の期間、質問の受け方(定例かチャットか)、終わったときに何ができるようになっているかを、見積もりの前に確かめましょう。
導入事例の読み方:形式・人数・研修後の3点を見る
研修会社の導入事例を読むときは、どの形式で、何人に、研修の後に何を続けたかの3点を拾うと、自社に当てはめられるかが分かります。事例は研修会社が自社の紹介として載せているものなので、うまくいった面が中心になります。人数が自社と大きく違う事例や、研修後の使い方に触れていない事例は、参考の度合いを下げて読むのがおすすめです。
厚生労働省のパンフレットにも、AIを活用した問診など診療領域のDX化のために医療の従業員へDX訓練を受けさせる例や、RPAとAIを使って書類の電子化と自動化を進めるデジタル人材育成の訓練の例が載っています。どちらもAIの使い方そのものではなく、どの業務に当てはめるかから書かれている点が、事例を読むときの目安になります。自社の事例を作るつもりで、研修の前に対象の業務を1つ決めておくと読み比べがしやすくなるでしょう。
研修会社への確認質問のひな形
形式の組み合わせが見えてきたら、候補の研修会社には同じ質問を送り、答えを横に並べて比べましょう。下のひな形は、メールや問い合わせフォームにそのまま貼って使えます。
件名:AI研修のご相談(形式・時間・研修後の対応について) 〇〇株式会社 ご担当者様 社員〇〇名の会社で、生成AIの研修を検討しております。 次の点を教えていただけますでしょうか。 1. 形式:集合(一社向け)・オンラインLive・eラーニング・伴走型のうち、対応しているもの 2. 時間:1回あたりの研修時間と、全体の回数 3. 実訓練時間:休憩や事前学習・確認テストを除いた研修の時間 4. 演習:自社の書類や業務を題材にした演習ができるか 5. 修了の確認方法:出欠の記録、修了証、管理画面の進み具合のどれで確認できるか 6. 研修後の質問対応:質問できる期間と方法(メール・チャット・質問会など) 7. 料金:人数と回数ごとの見積もり(税込・税別の別、初期費用の有無) 8. 助成金:計画届に必要な訓練カリキュラムや受講案内を出していただけるか 9. 研修で使うAI:どのAIサービスを使うか、自社で契約したアカウントで受講できるか 以上、よろしくお願いいたします。
答えのうち、実訓練時間と研修後の質問対応の期間は、資料に載っていない場合もあるため、文面で確かめておいてください。パンフレットでは、社会保険労務士でない教育訓練機関などが報酬を得て支給申請の手続きを代わりに引き受けることは社会保険労務士法で禁止されているとしており、申請の代行をうたう誘いには注意が必要になります。
研修の後に、同じ環境で使い続けられるようにする
研修の成果を残すには、研修で教えた使い方を、全社員が同じ安全な環境でそのまま続けられるようにしておくことが近道になります。確かめておきたいのは、入力した内容をAIの学習に使わせない設定、誰がいつ使ったかの記録(ログ)、全社員へのアカウントの配布、用途に応じて複数のAIを使い分けられるかの4点です。研修で使ったプロンプトや手順を社内で共有できる環境なら、受講した社員が戻ってからも同じやり方を部署に広げやすくなります。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(令和8年3月31日)は、共通の指針の「教育・リテラシー」で、AIに関わる者が十分なレベルのAIリテラシーを確保するために必要な措置を講じることを挙げています。研修はその措置の一部で、使う環境とルールが揃って初めて職場での利用につながっていきます。社内ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方、複数のAIの使い分けは主要4AIの違いと使い分けを参考にしてみてください。
- 学習に使わせない設定を会社で揃えられるか社員ごとの設定に任せず、全員に同じ設定をかけられるかを確かめます。
- 利用の記録(ログ)を会社で見られるか研修で教えたルールが守られているかを、後から確かめる手段になります。
- 受講した全員にアカウントを配れるか一部の人だけに配ると、配られなかった人が個人のアカウントで試すことになりがちです。
- 研修で使ったAIを職場でも使えるか研修と職場でAIが違うと、教わった手順をそのまま試せません。複数のAIを用途で使い分けられるかも見ておきます。
研修で覚えたAIの使い方を、職場の同じ画面で
UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約・1つの画面で使える法人向けサービスです。よく使う指示と手順をBOTにして社内限定で共有できるカスタムプラスで、研修で教えたやり方を部署に広げられます。利用ログ・権限・モデルのON/OFFは管理者ダッシュボードで扱え、基盤はAWSの日本リージョンで稼働しています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別にかかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
AI研修は集合研修とeラーニングのどちらがよいですか?
オンラインLiveの研修も助成金の対象になりますか?
eラーニングだけで助成金を使えますか?
一社向けのAI研修の費用はいくらですか?
伴走型の研修は小さな会社にも必要ですか?
研修の後に社員がAIを使わなくなるのを防ぐにはどうすればよいですか?
研修後に使うAIの利用料も助成金の対象になりますか?
まとめ
AI研修の比較は、研修会社を選ぶ前に、集合(一社向け)・公開講座/オンラインLive・eラーニング・伴走型の役割を決めるところから始まります。社員10〜200名の会社なら、基礎をeラーニングで揃え、演習を集合研修かオンラインLiveに任せ、推進担当には必要に応じて伴走型を足す形が組みやすくなります。形式によって事務局の手間と助成金の扱いは変わり、eラーニングは経費助成のみで、汎用的なプロンプトの作り方だけの研修は対象外の例に挙がっています。研修の後に全員が同じ安全な環境で使い続けられるかどうかで、研修の成果が職場に残るかが決まってきます。法人のAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。
