
AIでのポスター作成とは、ポスターの背景や挿絵を生成AIに描かせ、デザインツールで文字を組んで、掲示や配布に使う1枚に仕上げる作り方です。背景や絵はAIに描かせ、日時・場所などの文字はデザインツールで文字として入れ、貼る前に人が確かめる、という分業で進めると失敗が少なくなります。チラシと共通の基本はAIチラシ作成の手順とプロンプトに譲り、ここでは総務・広報の方が社内掲示やイベント告知のポスターを作る場面に絞ってお伝えします。用途別の確認の判断表、AIに入れてはいけない情報、印刷に要るピクセル数、起案から撤去までの流れを、そのまま社内で使える形にしてあります。
AIでのポスター作成とは|チラシとの違いと分業の考え方
ポスターは、決まった場所に一定の期間貼られ、通りがかった方が少し離れた所から目にする掲示物です。手に取って読んでもらうチラシと違い、立ち止まって見てもらえる時間は短く、伝えられるのは行事名と日時・場所くらいになります。そのぶん、絵で目を止めてもらい、少ない文字を確実に読ませる作りが大切でしょう。
背景はAI、文字はデザインツールで入れる分業
生成AIが役に立つのは、背景の写真風の絵やイラスト、季節を感じさせる飾りなど、雰囲気を決める部分です。反対に、行事名・日時・場所・持ち物・問い合わせ先は、AIの画像の中に描かせず、デザインツールの上で文字として載せましょう。画像に入った文字は後から直せませんが、文字として載せておけば、日程が変わっても1か所の打ち直しで済みます。背景と文字を別々に持っておく形は、毎年同じ行事のポスターを作る総務にとって、翌年の使い回しのしやすさにもつながってきます。
日時・場所・連絡先は画像に焼き込まない
画像生成AIに日本語の文字ごと描かせると、字の形が崩れたり、実在しない漢字のような形が混ざったりすることがあります。Googleは、Geminiのヘルプで、対応するすべての言語で、スペルがより正確な文字を画像に入れられるようになったと案内しています。それでも、AIが描いた文字は1字ずつ人が確かめる手間が残るため、正確さが要る情報ほどデザインツールで入れるほうが確実でしょう。日付や会場を1字でも誤ったまま貼ると、社員全員が間違った予定で動くことになってしまいます。
用途3段階の判断表|社内だけ・来訪者に見える・社外に配る
同じAIのポスターでも、どこに貼って誰の目に入るかによって、確かめる中身と承認の重さを変えると無理なく回せます。休憩室にだけ貼る納涼会の案内と、受付に貼って来訪者が目にする展示会の告知では、間違えたときの影響の大きさがまったく違ってきます。
| 段階 | 例 | 目にする方 | 確かめること | 承認の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 1 社内だけに貼る | 防災訓練・健康診断・社内表彰・納涼会の案内 | 社員 | 日時・場所・持ち物が正しいか/社員の氏名や写真を載せるなら本人の了承/会社で認めたツールで、会社のアカウントで作ったか | 行事を担当する部署の責任者1名 |
| 2 来訪者の目に入る場所に貼る | 受付・会議室前・ショールームの掲示、来社イベントや見学会の告知 | 社員に加えて取引先・来訪者・求職者 | 段階1に加えて、使ったツールの規約で業務での利用が認められているか/既存の作品・他社のロゴ・キャラクターに似ていないか/取引先名を出してよいか | 部署の責任者と、総務または広報 |
| 3 社外に配る・展示会・採用 | 展示会のブース、採用説明会、地域のイベント、WebやSNSへの掲載 | 不特定の社外の方 | 段階2に加えて、似た作品がないかの確認結果を記録に残す/実物より良く見せる表現がないか/プロンプトと生成画像の保存/印刷会社の入稿条件 | 広報に加えて、経営者または法務の担当 |
※段階の分け方と承認者は、社員10〜200名規模の会社を想定した一例です。社内の決裁規程に合わせて読み替えてください。
段階1でも規約の確認を省いてよいわけではなく、会社として使ってよいツールかどうかは、どの段階でも最初に確かめてください。段階が上がるほど確認の項目と承認者を足していき、段階1は部署の中で完結させて、総務や広報の手を空けておく形がおすすめです。
社内向けのつもりで作った掲示も、来訪者の通る廊下に貼れば段階2の扱いになります。迷ったら、写真に撮られて社外に出ても困らないかを考え、1つ上の段階として扱いましょう。採用説明会や展示会のように、ポスターが会社の顔として社外の方に見られる場面では、経営者が最後に目を通すと安心でしょう。
AIでポスターを作れるツールと無料の範囲(Canva・Adobe Firefly・Microsoft Copilot)
会社のポスター作りで候補になりやすいのは、テンプレートと文字入れまで1つで済むCanva、画像を作ることに強いAdobe Firefly、Microsoft 365の環境から使えるCopilotの3つでしょう。どれも無料で試せる範囲がありますが、回数や条件が決まっているので、会社で使う前に中身を確かめてください。
Canva:テンプレートと文字入れまで1つで済む
Canvaは、AIポスターの案内ページで、無料でもAIポスターを作れると説明しています。画像はマジック生成という機能で作り、アプリからマジック生成を開いて作りたい画像を文章で入力し、写真やアニメ、水彩画などのスタイルを選ぶ流れになります。テンプレートに入れたAI画像は、レイアウトを変えずに画像だけ差し替えられると案内されており、毎年の行事ポスターを型にして使い回すのに向いています。ただし、料金ページの案内では、無料版で使えるAI機能(標準・高品質モデル)は月に最大20回までで、利用枠は毎月リセットされます。
有料のCanvaプロは、公式料金ページの表示で1人あたり年11,800円、月払いなら月1,180円です。5名がそれぞれCanvaプロを年払いで使う場合、公式料金ページの表示価格の合計は年59,000円になります。印刷の注文もCanvaから出来て、A1・A2・A3の3つのサイズから選ぶことが出来ます。
Adobe Firefly:画像づくりと商用利用の説明が手厚い
Adobe Fireflyは、プランに入らなくても、画像などを毎日決まった回数まで無料で生成できるとしています。1日に何回までかという数字は、確認した公式ページには書かれていません。アドビは、自社のFireflyモデルで作った画像は商用利用に適していると説明しており、社外に出すポスターの背景を作るときに選びやすいでしょう。Fireflyの画面ではGoogleやOpenAIなどのパートナーモデルも選べますが、その生成物が案件に合うかは利用者が判断する扱いになっています。生成した画像にはContent Credentialsという来歴の情報が自動で付き、利用者が削除したり変更したりすることは出来ません。
Microsoft Copilot:職場のアカウントで使う
Microsoft Copilotには、文章の指示から画像を作る機能が組み込まれています。気をつけたいのは、個人のMicrosoftアカウントで使うCopilotの規約が、利用を本人の私的な用途に限っている点です。この規約は職場や学校のアカウントでサインインした利用者には適用されないと書かれているので、会社で使うなら職場のアカウントに切り替えましょう。Microsoft 365 Copilotアプリで画像を作るには、対象となるMicrosoft 365の契約が要ると案内されています。職場の環境では、画像に見える透かしを入れる機能を利用者がオンに出来て、オンにしない場合も画像のメタデータに来歴の情報が加わる仕組みです。
ChatGPT・Gemini:背景の案出しに使う
ChatGPTやGeminiのようなチャット型のAIでも、指示文から画像を作ることが出来ます。背景の案を何枚か出して雰囲気を比べる使い方なら手軽ですが、画像の中に文字が入った場合は、どのAIでも誤字や崩れがないかを人が確かめてください。ポスターの仕上げと印刷用の書き出しは、テンプレートと文字を扱いやすいデザインツールに移すほうが手戻りが少なくなります。
※Canvaの料金とAI機能の回数は2026年9月18日、AIポスターのページは2026年10月4日、Adobe FireflyとMicrosoft Copilotは2026年9月18日、Geminiのヘルプは2026年9月19日に、各社の公式ページで確認した内容です。Canvaの料金は公式料金ページの表示価格で、税込・税抜の表記はありません。
商用利用の可否は各社の規約で確かめる(2026年9月確認)
AIで作ったポスターを会社の業務に使ってよいかはツールごとの規約で決まるため、使う前に1度は原文に目を通しておきましょう。同じ会社のツールでも、個人向けと法人向け、無料と有料で、適用される規約が分かれていることがあります。社内だけの掲示でも会社の業務で使う点は変わらないので、段階1から確認の対象になります。
Canva:出力は利用者のもの、Canvaの素材を加工したものは別
Canvaは、AI製品の利用規約(2026年6月26日発効)で、出力は利用者のものとし、合法な目的であれば自己責任で使えると定めています。一方で、Canvaのライブラリの写真をAIで加工したものは、利用者の所有になりません。同じ規約には、似た出力がほかの利用者にも出ることがあるとも書かれているので、自社だけのものにしたいシンボルマークのような絵柄には向かないでしょう。
Adobe Firefly:Fireflyモデルの生成物は商用利用に適すると同社発表
アドビは、FireflyのAIモデルで作ったコンテンツは商用利用に適していると発表しています。パートナーモデルで作ったものが案件に合うかどうかは利用者自身が判断する必要があるとしており、同じFireflyの画面でもモデルによって扱いが分かれます。法人向けの案内では、ベータ版でない機能の出力は商用の案件に使えるとも説明されています。
Microsoft Copilot:個人向けは私的利用に限る、職場のアカウントは別の規約
Microsoftの個人向けCopilotの補足規約(2026年8月18日発効)は、Copilotの利用を本人の私的な用途に限る内容です。法人向けのProduct Termsでは、出力は顧客のデータとされ、Microsoftは出力を所有しないと定められています。会社のポスターに使うなら、個人のアカウントではなく、会社が契約した職場のアカウントで作りましょう。
権利の申し立てへの補償は法人向けの一部の契約だけ
第三者から権利の侵害を申し立てられたときの補償は、3社とも法人向けの一部の契約に限って用意されています。Canvaは対象となるエンタープライズの顧客、アドビはエンタープライズ版で利用資格を購入した組織、Microsoftは有料の法人向けCopilotを対象とする仕組みです。ChatGPTやGeminiで作った画像を使う場合も、業務での利用と生成物の扱いを各社の規約で確かめてください。
※Canva(AI Product Terms、2026年6月26日発効)、Adobe Firefly(料金ページと法人向けFAQ)、Microsoft(Copilot補足規約、2026年8月18日発効/法人向けProduct Terms)の内容を、2026年9月18日に各社の公式ページで確認しました。商用利用の説明はいずれも各社の発表です。規約は改定されるため、使う前に最新の原文をご確認ください。
AIに入れてはいけない情報|社員の氏名・顔写真・未発表の行事
ポスターを作るときは、AIへの指示文や読み込ませる画像に、社員の氏名や顔写真、まだ発表していない行事の中身を入れないようにしましょう。背景を作るだけなら、行事の種類と季節、雰囲気が伝われば十分な絵が出てきます。名前や写真が必要になるのは文字入れと仕上げの工程で、そこはAIを通さずにデザインツールの中で済ませることが出来ます。
AIに入れない情報の例は次のとおりです。
- 社員の氏名・所属・顔写真(社内表彰の受賞者、行事の担当者など)
- 健康診断の受診状況や再検査の対象者など、健康に関わる情報
- まだ社内に発表していない行事・人事・組織変更の中身
- 取引先名や来訪予定の会社名、展示会で発表する前の新製品の写真
- 社内の見取り図や入館の方法など、外に出ると困る建物の情報
入れてよいのは、防災訓練や表彰式のような行事の種類、季節、色の好み、余白の位置など、誰に知られても困らない指定までになります。
個人の無料版・個人アカウントに入れると何が問題か
個人情報保護委員会は、令和5年6月2日の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」で、入力した情報がサービス提供者のAIの学習に使われる予定がある場合に、利用する事業者に課される規律を示しました。同委員会は、個人データを第三者に提供するときは、原則としてあらかじめ本人の同意を得なければならないと、個人情報保護法第27条・第28条を挙げて説明しています。社員の氏名と顔写真が並ぶ表彰者の一覧は、個人データにあたる場合があります。表彰者の氏名と顔写真は、学習に使われる設定のままのAIには入れないでください。
もう1つの問題は、社員が自分の個人アカウントで作業すると、何を入れたのかが会社から見えなくなる点です。学習に使わせない設定も、個人向けのサービスでは本人が切り替える形のものがあり、Canvaも学習への利用はユーザーが自分で管理できると案内しています。前の節のとおり、Microsoftの個人向けCopilotの規約は利用を本人の私的な用途に限っており、会社の掲示物を作る使い方はその想定から外れてしまいます。
社員の写真を載せる場合は、AIを通すかどうかに関係なく、掲示の前に本人の了承を取る決まりにしておきましょう。了承は口頭で済ませず、掲示する場所と期間を伝えたうえで、メールやチャットで返事をもらうと後からでも確かめられます。個人アカウントでの作業が続くと、どの社員がどのAIに何を入れたのか、会社として説明できない状態が積み上がっていきます。
ポスターの背景づくりも、設定とログを会社で管理できる環境で回せば、社内の情報が個人のアカウントに散らばりません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
著作権:既存の作品やキャラクターに似せない
AIで作った画像でも、既存の作品と似ていて、しかもその作品をもとにしたと見られる場合は、著作権の侵害になり得ます。文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)は、表現が似ているか(類似性)と、既存の作品をもとにしたか(依拠性)で侵害かどうかを考えると整理しています。同資料はそれ自体に法的な拘束力はないとしたうえで、AIでの生成が適法でも、生成物の利用まで直ちに適法になるわけではないという立場です。
社内の納涼会のポスターでも、有名なアニメのキャラクター風や、テーマパークの雰囲気をそのまま求める指示は避けましょう。作家名や作品名をプロンプトに入れると、依拠を疑われる材料を自分で残すことになってしまいます。文化庁が令和6年7月31日に公表したチェックリストとガイダンスは、AIを使う側に、社内ルールづくりや似た作品がないかの事前確認、プロンプトの記録の保存を勧めています。段階2・3のポスターでは、使ったツール・プロンプト・生成した画像を、掲示物の元データと一緒に保存しておきましょう。社外の目に入る掲示では、他社のロゴや商品、実在の人物に似た絵が紛れ込んでいないかも、拡大して確かめることが大切になります。
AIでポスターを作る基本の手順(5ステップ)
社内掲示のポスターは、次の5つの順で進めると、AIに任せる所と人が持つ所が混ざらずに進められます。
手順1:貼る場所と見る距離からサイズを決める
最初に、どこに何枚貼り、見る方がどのくらい離れて立つかを決めましょう。エレベーター前の掲示板ならA3、食堂や受付の壁で目立たせたいならA2というように、場所からサイズを決めると、AIで作る画像の縦横の比率もそこで決まります。A判はどのサイズも縦横の比率が同じなので、A3で作った版をA2に広げて使うことも出来ます。ただし、広げるほど1インチあたりの画素は少なくなるため、大きく刷る予定があるなら最初から大きいサイズで作っておくと安心です。
手順2:載せる文字を入力項目シートに書き出す
次に、ポスターに載せる文字を、AIに渡す前に1枚の入力項目シートへ書き出します。このシートが正本となり、確認者はポスターとシートを並べて照らし合わせることになります。
- 行事名(例:秋季防災訓練)
- 日時(曜日まで。開始と終了の時刻)
- 場所(建物名・階・部屋名)
- 対象者と持ち物・服装
- 申し込みの要否と締め切り
- 問い合わせ先(部署名と内線番号。個人名は必要なときだけ)
- 掲示期間と撤去日
- 段階(1・2・3のどれか)と承認者
シートの文字はAIには渡さず、デザインツールへ直接写しましょう。
手順3:背景の画像をAIで作る
AIには、手順1で決めた比率と、行事の雰囲気、文字を載せる余白の位置だけを伝えます。1回で決めようとせず、何枚か出して、文字を載せたときに読みやすいものを選ぶと仕上がりが安定してきます。指示文は、後の節の場面別プロンプトを書き換えて使ってみてください。
手順4:デザインツールで文字を入れる
選んだ背景をデザインツールに読み込み、シートから行事名・日時・場所を文字として載せます。見出しは遠くから読める大きさにし、日時と場所は文字の後ろに帯や白い縁取りを付けて、背景の上でも読めるようにするのがおすすめです。社内の掲示物にフォントと色の決まりがあるなら、テンプレートを1つ作り、毎回それに当てはめていきましょう。
手順5:印刷用に書き出して確認に回す
最後に、貼るサイズに合わせてPDFや画像で書き出し、確認者に回します。社内の複合機で出す場合も、まず1枚だけ刷り、色の沈み方や文字のつぶれを紙で見てから必要な枚数を刷ると無駄が出にくくなります。印刷に必要なピクセル数は、場面別プロンプトの次の節で表にしてあります。
プロンプトの組み立てと場面別のコピペ用例文(防災訓練・健康診断・社内表彰・納涼会)
背景用のプロンプトは、用途・雰囲気・配色・余白の位置・縦横の比率の5つを入れ、最後に文字を描かないよう念を押すと、デザインツールにそのまま持っていける画像になりやすくなります。下の例文は、【 】の中を自社に合わせて書き換えて使ってください。どれも社員の氏名や会社名を入れずに作れる形にしてあります。
防災訓練のお知らせ(段階1)
縦長のポスターの背景画像を作ってください。 用途:社内に掲示する【秋季】防災訓練のお知らせ 雰囲気:落ち着いていて信頼できる印象。晴れた昼間のオフィスビルと、避難の備えを思わせる穏やかな絵柄 配色:【紺と白】を基調に、差し色として【オレンジ】を少しだけ 構図:上から3分の1と、下の4分の1は後から文字を載せるため、模様の少ない無地に近い余白にする 比率:A判の縦長(縦横比 約1.41対1) 禁止:文字・数字・ロゴ・看板・標識の文字は画像の中に一切描かない。実在の人物や建物は描かない。炎や倒れた建物は描かない
防災のポスターは、炎や倒れた建物を強く描くと不安をあおる絵になりやすいので、備えや安心を感じさせる穏やかな絵柄を選ぶと社内に貼りやすいでしょう。
健康診断の案内(段階1)
縦長のポスターの背景画像を作ってください。 用途:社内に掲示する【定期】健康診断の案内 雰囲気:清潔で安心感のある、やわらかい印象 配色:白と【淡い水色・ミントグリーン】 モチーフ:医療器具や人物ではなく、植物の葉や朝の光のような抽象的な絵柄 構図:中央から下半分は、日程と会場を後から載せるため、明るく無地に近い余白にする 比率:A判の縦長(縦横比 約1.41対1) 禁止:文字・数字・ロゴ・マーク類は画像の中に一切描かない。実在の人物は描かない
健康診断の案内には受診者の名前や再検査の対象者を載せず、日程表は別紙で配る形にすれば、AIにも掲示にも個人の情報が乗りません。
社内表彰の告知(段階1〜2)
縦長のポスターの背景画像を作ってください。 用途:社内表彰式の告知 雰囲気:華やかで誇らしい、式典の舞台 配色:【濃紺と金】 モチーフ:スポットライト、舞い落ちる紙吹雪、トロフィーのシルエット。人物は描かない 構図:中央に、後から受賞者の写真を置ける大きな空白を残す。上部は表彰式の名前を載せる余白にする 比率:A判の縦長(縦横比 約1.41対1) 禁止:文字・数字・ロゴ・エンブレム・実在の賞のトロフィーに似た形は描かない
受賞者の写真と氏名は、本人の了承を取ったうえでデザインツールの中で配置し、AIには読み込ませないでください。
納涼会・社内イベントの案内(段階1)
縦長のポスターの背景画像を作ってください。 用途:社内の【納涼会】の案内 雰囲気:夏の夕暮れ、にぎやかで楽しい 配色:【藍色と、提灯の橙色】 モチーフ:提灯、うちわ、遠くの花火。特定のキャラクターや、有名な祭り・テーマパークに似せない 構図:上から3分の1は会の名前、下の3分の1は日時と会場を載せるため、模様の少ない余白にする 比率:A判の縦長(縦横比 約1.41対1) 禁止:文字・数字・ロゴ・のれんや看板の文字は画像の中に一切描かない。実在の人物は描かない
来訪者も参加する地域の夏祭りや工場見学会の告知に使う場合は段階2になるため、規約と類似の確認を足しましょう。出てきた画像に文字のような模様が残っていたら、その部分を消すか、もう1度生成し直すと仕上げが楽になります。
印刷サイズと解像度|A4〜A1に必要なピクセル数
印刷したポスターが粗く見えるかどうかは、紙の大きさに対して画像のピクセル数が足りているかで決まります。ラクスルのポスターのデータ作成ガイドは、印刷に適した解像度を原寸で350〜400ppiとしています。ppiは1インチ(25.4mm)あたりに並ぶ画素の数で、紙の寸法を25.4で割って350を掛けると、必要なピクセル数の目安が出ます。
| サイズ | 仕上がりの寸法 | 350ppiで必要なピクセル数(目安) | 社内で使う場面の例 |
|---|---|---|---|
| A4 | 210×297mm | 約2,900×4,100ピクセル | 各階の掲示板の小さな告知、席への配布 |
| A3 | 297×420mm | 約4,100×5,800ピクセル | エレベーター前・掲示板・休憩室 |
| A2 | 420×594mm | 約5,800×8,200ピクセル | 受付や食堂の壁、来社イベントの告知 |
| A1 | 594×841mm | 約8,200×11,600ピクセル | 展示会のブース、大きな会場の入口 |
※必要なピクセル数は、ラクスル「ポスターのデータ作成ガイド」(2026年10月4日確認)の350ppiを使い、寸法÷25.4×350で計算して100ピクセル単位に丸めた目安です。紙の寸法はCanvaの用紙サイズのページによります。400ppiで作る場合は、この約1.14倍になります。
生成AIが1回で出す画像はこの表の大きさに届かないことが多く、そのまま大きく刷ると粗さが出てしまいます。ぼかしやグラデーションのような粗さが目立ちにくい背景に限って引き伸ばし、細い線や細かい絵柄の背景は作り直すか差し替えを考えましょう。行事名や日時を文字として入れておけば、どの大きさに広げても文字はくっきり刷り上がります。ラクスルは、粗い画像は縮小しても鮮明にならないとして、解像度の高い別の画像に差し替えるよう案内しています。手元の画像のピクセル数はファイルのプロパティで確かめられるので、表と見比べてみてください。
RGBとCMYK・塗り足しの書き出し設定
画面の色はRGB、印刷の色はCMYKという別の仕組みで表すため、画面で鮮やかに見えた色が紙ではくすんで見えることがあります。印刷会社の入稿ガイドにはRGBとCMYKの違いを説明する項目を設けている所があり、プリントパックの技術ガイドにもその項目が載っています。印刷会社に出すときは、入稿先が指定する色の形式とファイルの形式に合わせて書き出してください。紙の端まで色を付けるデザインなら、ラクスルの案内どおり、背景を仕上がりの線より外側に3mm伸ばした塗り足しを付けましょう。社内の複合機で刷る掲示物なら、ここまでの設定は要らないことが多く、試し刷りで色と文字を確かめれば足りるでしょう。
起案から撤去までの社内フロー|誰が何を確かめるか
AIで作ったポスターを安心して貼るには、作る人と確かめる人を分け、撤去までを1つの流れとして決めておきましょう。人数の少ない会社でも、作った本人だけで貼り出す形は避け、2人目の目を通すと日付や会場の取り違えに気づきやすくなります。
- 起案は行事の担当部署が受け持ち、入力項目シートを埋めて段階を決め、総務・広報に依頼します。
- 制作は総務・広報が受け持ち、会社で認めたツールと会社のアカウントで背景を作り、デザインツールで文字を入れます。使ったツール・プロンプト・生成した画像も保存します。
- 確認は作った人とは別の1名が受け持ち、シートとポスターを1項目ずつ照らし合わせます。日時は曜日まで、場所は階と部屋名まで読み上げて確かめると取り違えが見つかりやすくなります。
- 承認は段階に応じた承認者が受け持ち、段階2・3では規約と似た作品がないかの確認結果も見ます。
- 掲示は総務が受け持ち、掲示した場所と枚数、撤去日を掲示の一覧に記録します。
- 撤去は撤去日に総務が受け持ちます。日程が変わったときは同じ版を直して差し替え、古い版を回収します。
※役割の分け方は一例です。社員10名前後の会社なら、制作と掲示を総務の1名が兼ね、確認だけ別の方に頼む形でも回ります。
撤去日を決めずに貼ると、終わった行事のポスターが何か月も残り、来訪者の目に入る場所では会社の印象を下げてしまいます。差し替えのときは古い版を回収し、回収した枚数まで記録しておきましょう。同じ廊下に違う日付のポスターが並ぶと、どちらが正しいのか社員が迷うことになります。
掲示前・印刷前のチェックリスト
確認者は次の項目を上から順に見て、すべてに印が付いてから承認に回してください。段階1のポスターなら上の6項目、段階2・3なら全項目が目安になります。
- 行事名・日時・場所が入力項目シートと一字一句同じ日付と曜日の組み合わせはカレンダーで確かめます。開始と終了の時刻、階と部屋名まで見ます。
- 画像の中にAIが描いた文字や数字が残っていない背景の看板や書類に、読めそうで読めない文字が紛れていないかを拡大して見ます。
- 社員の氏名・写真は本人の了承が取れている了承の返事(メールやチャット)を保存してあるかも確かめます。
- 会社で認めたツールを、会社のアカウントで使って作った個人アカウントや個人の無料版で作った画像は使いません。
- 印刷するサイズに対してピクセル数が足りているA3なら約4,100×5,800ピクセルが目安です。足りない場合は、粗さが目立ちにくい背景に限って引き伸ばし、細かい模様の絵は作り直すか差し替えます。文字はデザインツールで入れます。
- 撤去日が決まり、掲示の一覧に記録した差し替えたときに古い版を回収する担当も決めておきます。
- 使ったツールの規約で業務での利用が認められている(段階2・3)規約を確認した日を記録に残します。パートナーモデルや個人向けプランで作っていないかも見ます。
- 有名な作品・キャラクター・他社のロゴに似ていない(段階2・3)プロンプトに作家名や作品名が入っていないか、似た画像がないかを確かめます。
- 取引先名や社外向けの表現を広報が確認した(段階2・3)段階3は経営者または法務の担当も目を通します。実物より良く見せる表現がないかも見ます。
- プロンプトと生成した画像を元データと一緒に保存した(段階2・3)翌年の使い回しと、問い合わせを受けたときの説明に使います。
チェックリストは掲示の一覧と同じファイルに入れておけば、翌年の同じ行事で確認に抜けがなかったかを振り返る材料にも使えます。
会社で安全に使うには|個人アカウントに社内情報を入れない
AIのポスター作りを総務・広報の普段の仕事にするなら、ツール選びより先に、どの環境で作るかを会社として決めておきましょう。社員がそれぞれ個人の無料版や有料版で作り始めると、何を入れたかも、どの規約のもとで作ったかも、会社からは見えなくなってしまいます。会社が把握していないこうしたAIの利用は、シャドーAI(野良AI)と呼ばれています。個人の無料版で作った画像は、中身が正しくても会社の掲示には使わない決まりにしましょう。
会社で配る環境を1つに決める
まず、ポスター作りに使ってよいツールを会社で決め、社員には会社のアカウントを配ってください。画像を作るAIと文章を考えるAIが別々の契約に分かれていると、学習に使わせない設定やアカウントの停止を、契約の数だけ管理することになります。使う環境を1つにまとめれば、退職や異動のときに止めるアカウントも1つで済みます。
学習に使わせない設定と利用ログを会社で持つ
次に、入力した内容がAIの学習に使われない設定を、社員の操作に任せず会社側で一律にかけられるかを確かめましょう。誰がいつどのAIを使ったかを会社で見られる環境なら、問題が起きたときに、どのポスターをどの環境で作ったかをさかのぼることが出来ます。入力してよい情報と、生成物を掲示に使うときの承認の決まりは、生成AIの社内ガイドラインに1項目として書き足しておくとよいでしょう。点検すべき項目の全体は、生成AIのセキュリティ対策チェックリストで確かめてみてください。
まとめ
AIでのポスター作成は、背景や絵をAIに任せ、日時や場所はデザインツールで文字として入れ、貼る前に人が確かめる分担にすると失敗が少なくなります。どこに貼るかで段階を3つに分け、社内だけ、来訪者の目に入る場所、社外に配る場面の順に、規約・類似・表示の確認を足していきましょう。
社員の氏名・顔写真・未発表の行事は、AIに入れずにデザインツールの中で扱うのが基本です。個人の無料版や個人アカウントで作ると、学習の設定も入力した中身も会社から見えず、Microsoftの個人向けCopilotのように私的な利用に限る規約もあります。会社として使う環境を1つに決め、学習に使わせない設定と利用ログを会社で持つ形を整えてください。
印刷では、A3なら約4,100×5,800ピクセルを目安に、足りない場合は粗さが目立ちにくい背景に限って引き伸ばし、細かい絵柄は作り直すか差し替え、文字はデザインツールで入れると仕上がりが安定します。起案から撤去までの流れとチェックリストを一度作れば、毎年の防災訓練や健康診断のポスターは、入力項目シートを書き換えるだけで回せるようになります。業務別のAIの使い方はAI活用コラム一覧でも紹介しています。
ポスターの背景づくりも、会社の環境で
UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスで、画像・PDF生成にも対応しています。全モデルで学習非利用を標準適用し、管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理できます。会話履歴・利用ログ・アカウントの保管先は、国内サーバー(AWSの日本リージョン)です。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
UPGEAR AIの詳細を見る