ChatGPTのカスタム指示とは。設定・書き方と、会社で指示をそろえる方法

ChatGPTのカスタム指示とは、自分の役割や答え方の好みを前もって書いておき、すべてのチャットに自動で反映させる設定です。無料版を含む全プランで使え、保存できる上限は無料・Goが1,500文字、Plus・Pro・Business等が5,000文字となりますが、社員それぞれのアカウントに付く設定のため、会社で同じ指示をそろえるには共有する側に指示を置く必要があります。実際に、共有プロジェクトやGPTでは各自のカスタム指示が使われないと、OpenAIの公式ヘルプに書かれています。設定の手順と書き方の例に加え、会社で配るひな形と、書いてはいけない情報まで順に見ていきましょう。

※上限・設定名は2026年9月25日時点のOpenAI公式ヘルプの記載です。

ChatGPTのカスタム指示とは

カスタム指示は、毎回のチャットで伝え直していた前提や答え方の好みを、1か所に書いておける設定になります。OpenAIの公式ヘルプでは、ChatGPTに回答時に考慮してほしいことを何でも共有できる機能と説明されており、書いた内容はすべてのチャットにすぐ適用されます。

仕事で使う方がよく書き込むのは、自分の職種や担当、回答を読む相手、文体、出力の形といった項目です。チャットのたびに、総務担当であること、社内向けの文面であること、敬語は丁寧すぎない形でよいことを打ち込んでいた手間が、一度の設定でなくなってしまいます。同じような依頼を1日に何度も出す方ほど、効き目を感じやすいでしょう。

メモリとの違いも先に押さえておくと、設定の役割が見えやすくなります。メモリは会話を重ねる中でChatGPTが覚えていく情報で、カスタム指示はユーザーが自分で直接書く指示だと、OpenAIのヘルプは整理しています。自分で書いて、自分で書き換えられる点が、カスタム指示の分かりやすさと言えます。

無料版を含む全プランで使える

カスタム指示は、Web、デスクトップ、iOS、Androidのすべてのプランで利用できると公式ヘルプに書かれています。無料版のままでも設定でき、ヘルプの中でプランごとに違うと示されているのは、次の節で触れる文字数の上限です。

なお、開発者向けのAPIには、カスタム指示と同じ仕組みは用意されていません。公式ヘルプは、同様の効果を得る方法としてChat Completions APIのシステムメッセージを使うよう案内しています。社内のシステムにChatGPTを組み込む場合は、画面の設定とは別に、システムメッセージの中で指示を渡すことになるでしょう。

カスタム指示の文字数の上限は、無料・Go 1,500文字、Plus以上5,000文字

カスタム指示に保存できる文字数はプランで分かれ、無料版とGoは1,500文字、Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationは5,000文字まで保存できます。会社で契約するBusinessやEnterpriseも、5,000文字の側に入ります。

1,500文字あれば、役割・読み手・文体・出力の形・避けてほしいことを箇条書きで並べても、多くの場合は収まる量です。5,000文字になると、部署の決まりごとや、よく使う文書の型まで書き込める余裕が生まれます。ただし、長く書くほど指示同士がぶつかる箇所も増えるため、上限いっぱいまで使う必要はありません。会社で配る共通部分は短く保ち、各自が書き足す余白を残しておくほうが扱いやすいでしょう。

長い指示は、上限の文字数に収まっているかを確かめてから保存しましょう。無料版やGoで書いた指示をPlus以上のプランに合わせて広げるときも、まずは今の指示で足りない点だけを足すところから始めると無理がありません。

カスタム指示の設定方法(PC・スマホ)

設定はパーソナライズの画面から行い、PCでもスマホでも、スイッチを確かめて欄に書き込むだけで終わります。画面の文言はPCとスマホで少し違うため、それぞれの手順を分けて載せました。

PC(Web・デスクトップアプリ)で設定する

  1. 画面下のプロフィール(名前の表示)から設定を開きます。
  2. 設定で「パーソナライズ」を選択します。
  3. 「カスタマイズを有効にする」がオンになっていることを確認します。
  4. 「カスタム指示」欄に指示を入力します。

項目の位置は画面の更新で変わることがあるため、見当たらないときは設定の中からパーソナライズの項目を探してみてください。

スマホ(iOS・Android)で設定する

  1. アプリの「設定」を開きます。
  2. 「ChatGPT をカスタマイズ」を選択します。
  3. 「カスタマイズを有効にする」がオンになっていることを確認します。
  4. 「カスタム指示」欄に指示を入力します。

カスタム指示のヘルプではスマホは「ChatGPT をカスタマイズ」と案内されていますが、アプリの版によっては「パーソナライズ」と表示されることもあります。どちらかの名前が見つかれば、その先の手順はPCと同じように進められます。

入力する欄と、画面に並ぶほかの項目

公式ヘルプの手順では、「カスタム指示」欄に入力するよう案内されています。この欄は、ChatGPTに知っておいてほしいことと、応答の仕方の両方を書く欄として説明されている項目です。パーソナライズの画面には、メモリやパーソナリティといった別の設定も並びます。メモリのヘルプでも、機能や設定はプラン、地域、プラットフォーム、ワークスペース設定によって異なる場合があると書かれており、画面の見え方は人によって違うことがあります。迷ったときは、自分の立場も答え方の好みも、まずカスタム指示の欄にまとめて書いてみましょう。

設定はすぐ効き、過去のやり取りは書き換わらない

公式ヘルプでは、カスタマイズの設定変更はすべてのチャットにすぐ適用される一方、指示の更新は今後の会話に反映されると案内されています。以前の会話に残った古い指示や回答までは、書き換わりません。以前の会話から古い指示を消したい場合の方法としては、その会話をチャット履歴から消去することが示されています。書き直した指示が効いているかは、新しいチャットを開いて確かめましょう。

カスタム指示の無効化と、反映されないときの確認点

一時的に止めたいときはスイッチを切り、効かないと感じたときは、スイッチ・使っている場所・指示の中身の順に確かめると原因を絞り込めます。

無効化・解除の方法

  1. PCは設定の「パーソナライズ」を選び、「カスタム指示」を開きます。スマホは「ChatGPT をカスタマイズ」を開きます。
  2. 「カスタマイズを有効にする」をオフに切り替えます。
  3. 必要であれば、欄に書いた指示を削除します。

公式ヘルプでは、欄から指示を削除する手順は任意の扱いになっています。しばらく使わないだけならオフに切り替え、内容そのものを消しておきたい場合は削除まで行う、と使い分けるとよいでしょう。作り直す前の指示は、手元のメモに控えてから消すと、元に戻したくなったときに困りません。

反映されないときの確認点

  • 「カスタマイズを有効にする」がオンになっているかオフのままだと、欄に書いた指示は使われません。
  • 上限の文字数を超えていないか無料版とGoは1,500文字、Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationは5,000文字までです。
  • 一時チャットで「パーソナライズなし」を選んでいないかパーソナライズなしの一時チャットは、メモリ、カスタム指示、プラグインを使いません。会話を始めた後は変更できません。
  • GPTの中で話していないかGPTは保存済みメモリ、カスタム指示、以前の会話を使わず、各会話は新しい状態で始まります。
  • プロジェクトの中で話していないかプロジェクトの指示は、そのプロジェクト内でグローバルなカスタム指示より優先されます。EnterpriseとEduでは、プロジェクト内のチャットでカスタム指示は使えず、プロジェクトの指示だけが使われます。
  • 指示同士や、その場の依頼とぶつかっていないか「常に箇条書きで」と「手紙の文面を書いて」のように、互いに打ち消す指示がないかを見直します。

確かめるときは、新しいチャットを開き、指示に書いた文体や出力の形が出るかを短い質問で試すと分かりやすくなります。それでも効かない場合は、指示を3行ほどに減らして試し、どの行で結果が変わるかを見ていくと原因にたどり着けます。

カスタム指示の書き方のコツ

書き方の基本は、誰として・誰に向けて・どんな形で答えてほしいかを、短い箇条書きで具体的に並べることです。長い文章で思いを伝えるより、1行に1つの決まりを書くほうが、ChatGPTにも本人にも読み返しやすくなります。

役割・読み手・出力の形を先に決める

最初に決めたいのは、自分の立場と、回答を読む相手です。立場と読み手が決まると、言葉の硬さや、前提の説明をどこまで省くかをChatGPTが選びやすくなります。続けて、見出しの有無、箇条書きか文章か、長さの目安といった出力の形を決めていきましょう。

【役割】社員50名の製造業で総務を担当している
【読み手】主に社内の社員。ITに詳しくない人も多い
【出力の形】結論を先に1〜2文で書き、手順は番号付きの箇条書きにする。全体は400字程度まで
【文体】です・ます調。社内向けなので、かしこまりすぎない表現にする

3〜5点に絞り、具体的に書く

決まりごとは3〜5点に絞ると、ぶつかり合いが起きにくくなります。「分かりやすく」のようなあいまいな言葉より、「専門用語には一言の説明を添える」「数字は半角で書く」のように、守れたかどうかを見て判断できる書き方が向いています。書いたあとに自分で読み返して、別の人が読んでも同じ意味に取れるかを確かめてみてください。

してほしくないことは、代わりにしてほしいことと一緒に書く

「長くしないで」とだけ書くより、「300字以内にまとめる」と、代わりにしてほしい形を書くほうが伝わりやすくなります。否定だけの指示は、何をすればよいかが残らないためです。禁止したいことがある場合も、「断定は避け、確認が必要な点はその旨を明記する」のように、次の行動まで書いておきましょう。

ぶつかったときの優先順位を書いておく

指示が増えると、同時には満たせない場面が出てきます。そのため、「正確さを最優先し、次に読みやすさ、最後に短さを重視する」のように、どれを先に守るかを1行で決めておくと判断がぶれにくくなります。優先順位の行は、指示の最後に置くと読み返すときにも見つけやすいでしょう。

カスタム指示と個別プロンプトの矛盾を避ける

カスタム指示は全部のチャットにかかる既定値、個別のプロンプトはその場の注文と考えると整理できます。カスタム指示に「常に箇条書きで」と書いたまま、取引先へのお礼状を頼むと、2つの指示がぶつかってしまいます。こうした食い違いを避けるには、カスタム指示の側に「その場の依頼で形式の指定があれば、そちらに合わせる」と1行添えておく方法が使えます。その場の依頼の書き方は、ChatGPTのプロンプトの書き方で詳しくまとめています。

ハルシネーション・迎合・質問返しを抑える書き方

ハルシネーションとは、AIがもっともらしい誤りを事実のように答えてしまう現象のことです。迎合は、こちらの意見に合わせすぎて問題点を指摘しなくなること、質問返しは、確認の質問ばかりで回答が進まないことを指します。いずれもカスタム指示に対処の仕方を書き込むことで、起こりにくくする工夫が出来ます。

・分からないことは推測で埋めず、分からないと書く
・数字、日付、法令名、制度名を書くときは、確認が必要な箇所をその場で示す
・私の案に問題や抜けがあれば、同意する前に指摘する
・依頼があいまいでも、妥当な前提を置いてまず回答し、置いた前提を最後に1行で示す
・確認の質問を返すのは、前提によって結果が大きく変わる場合だけにする

ただし、こうした指示は誤りを減らす助けになっても、なくす保証にはなりません。社外に出す文書や数字は、指示の出来にかかわらず、人が元の資料と照らして確認してください。回答の根拠を知りたいときは、その場の依頼で出典や確認先を示すよう頼む形が合っています。

用途別のカスタム指示の設定例(コピペ用)

設定例は、自分の仕事に合わせて言葉を差し替えて使う前提で載せています。どの例にも顧客名や金額は入れておらず、カスタム指示には誰が読んでも困らない決まりだけを書くという考え方でそろえました。

文章を書くことが多い方の例

社内の案内文、メール、報告書の下書きが多い方向けの例になります。

・私は中小企業で社内外の文書を作る担当です
・文体はです・ます調。社外向けは丁寧に、社内向けは簡潔にする
・メールは件名案を1つ付け、本文は結論、理由、お願いの順にする
・1文は60字程度までを目安にし、長くなる場合は2文に分ける
・その場の依頼で形式の指定があれば、そちらに合わせる

調べものが多い方の例

制度や市場の下調べにChatGPTを使う方は、確かさを優先する書き方にしておくと安心です。

・最初に結論を2〜3文で書き、その後に根拠を箇条書きで示す
・情報が古い可能性がある場合や、確認が必要な場合はその旨を書く
・数字には、いつ時点の、誰が出した数字かを添える
・分からないことは分からないと書き、推測で補った部分は推測と明記する

会議メモ・議事録をよく作る方の例

文字起こしやメモを貼り付けて整えてもらう方は、決まった型を指定しておくと仕上がりがそろいます。

・議事録は、決定事項、宿題(担当者と期限)、保留事項、の順に見出しを立てる
・発言をそのまま写さず、要点を1行ずつにまとめる
・メモにない内容は補わない。不明な担当者や期限は「未定」と書く

会計事務所の例(顧問先への月次メール)

会計事務所で顧問先への月次の連絡を下書きする場合の例です。顧問先の名前や数字は、カスタム指示には書かず、その都度の依頼で必要な範囲だけを渡す形にしています。

・私は会計事務所の担当者で、顧問先の経営者に月次の連絡を書く
・専門用語は使う場合も一言で言い換えを添える
・構成は、今月のご報告、ご対応いただきたいこと(期限つき)、次回のご予定、の順にする
・税務の判断を断定しない。判断が必要な点は、担当税理士が確認する旨を書く

業務別の例をさらに増やすより、まずは1つの例を1週間ほど使い、足りない行を少しずつ足していくほうが、自分に合った指示に育てやすいでしょう。

メモリ・プロジェクト・パーソナリティとの違い

カスタム指示は本人が書く全チャット共通の指示、メモリは会話からChatGPTが覚える情報、プロジェクトの指示はそのプロジェクトの中だけの指示と、役割がそれぞれ分かれています。似た設定が多いため、違いを1つの表にまとめました。

誰が書くかどこで使われるかほかの人との関係
カスタム指示本人が直接書くすべてのチャット(パーソナライズなしの一時チャット、GPT、EnterpriseとEduのプロジェクト内では使われない)共有リンクの閲覧者には共有されない。共有プロジェクトからは読めない
メモリ会話を重ねる中でChatGPTが記憶するメモリが有効なチャット各個人のアカウントに紐付く
プロジェクトの指示プロジェクトの所有者と編集権限のあるメンバーそのプロジェクト内だけ。グローバルなカスタム指示より優先共有プロジェクトならメンバーのチャットに使われる
GPTの指示GPTの作成者そのGPTとの会話だけ共有すれば同じ指示で使える。GPTはカスタム指示とメモリを使わない

メモリとの違い

メモリは、会話を重ねる中で得られた関連情報や、利用できる他のソースの情報を使う仕組みになります。カスタム指示との違いは、ユーザーが直接指定するかどうかにあり、プランや地域によってはメモリの参照元にカスタム指示も含まれると、OpenAIのヘルプに記載されています。自分で決めて変えたくない前提はカスタム指示に書き、会話の流れで覚えてほしいことはメモリに任せる、という分け方が分かりやすいでしょう。会社としてメモリをどこまでオンにするかの判断は、ChatGPTのパーソナライズとメモリ、会社はどこまでオンにするかで表にまとめています。

プロジェクトとの使い分け

プロジェクトの指示はそのプロジェクト内でのみ適用され、グローバルなカスタム指示より優先されます。全部の仕事に共通する自分の好みはカスタム指示に、特定の案件や業務だけで使う決まりはプロジェクトの指示に書くと、指示同士が混ざりにくくなるはずです。プロジェクトには資料のファイルも置けて、2026年9月25日時点の公式ヘルプの記載では、ファイルの上限は無料版5件、GoとPlusが25件、Edu・Pro・Business・Enterpriseが40件となっています。

パーソナリティ(応答のスタイルとトーン)との関係

パーソナリティは、ChatGPTが応答するときに使うスタイルとトーンのことで、デフォルトのほか、プロフェッショナル、フレンドリー、率直、ユニーク、効率重視、シニカルから選べます。OpenAIのヘルプは、パーソナリティを変えても変わるのは伝え方だけで、できることや安全のルールは変わらないと説明しています。口調の大枠はパーソナリティで選び、役割や出力の形といった中身の前提はカスタム指示に書く、と分けて考えると整理しやすくなります。なお、保存済みメモリにパーソナリティと食い違う好みが残っていると、パーソナリティの特徴が上書きされたり弱まったりすることがあると、同じヘルプに書かれています。

一時チャットでは、使わない選択もできる

一時チャットでは、開始前に、既存のメモリ、カスタム指示、プラグインを使うかどうかを選べます。使わない場合は「パーソナライズなし」を選び、会話を始めた後にこの選択を変えることはできません。いつもの前提を外して、まっさらな状態の答えを見たいときに向いた使い方です。アカウントやワークスペースの制限は、個々の一時チャットで選んだ設定より優先されると公式ヘルプに書かれている点も、会社で使う場合は覚えておきましょう。

共有プロジェクトとGPTでは、各自のカスタム指示は使われない

カスタム指示は本人のアカウントに付く設定のため、各自の欄に同じ文面を貼ってもらうだけでは、全員に同じ版が届いているとは限りません。さらに、共有プロジェクトやGPTの中では、各自の欄に書いた指示とは別の指示が使われます。

共有プロジェクトは、メンバーのカスタム指示を読めない

OpenAIのプロジェクトのヘルプには、共有プロジェクトから各メンバーのコンテキスト、カスタム指示、プロジェクト外のメモリにアクセスすることはできないと書かれています。チームで1つのプロジェクトを共有して作業する場合、そこで効くのはプロジェクトの指示で、各自が自分の欄に書いた決まりは持ち込まれません。部署で守ってほしい決まりは、個人の欄ではなく、共有プロジェクトの指示に書く必要があります。

GPTは、カスタム指示もメモリも使わない

GPT(カスタムGPTとも呼ばれます)について、公式ヘルプは、保存済みメモリ、カスタム指示、以前の会話を使用せず、各会話は新しい状態で開始されると説明しています。社内向けに作ったGPTを使う場合、利用する社員のカスタム指示は反映されず、GPTに書かれた指示だけで動きます。

また、Free、Go、Plus、Proを含む個人向けのアカウントでは、新しいGPTの作成と公開は出来ません。Business、Enterprise、Eduのワークスペースでは、ワークスペースの設定と権限で許可されていれば、GPTを作成し、編集し、公開できます。ただし、対象のEnterpriseワークスペースでは、新しいGPTの作成は2026年10月26日で終わる予定です。OpenAIはカスタムGPTの提供終了を計画しているとヘルプで案内しており、対象のEnterpriseワークスペースでは2026年12月11日が提供終了の予定日で、ほかのプランも同じ日程に従う予定とされています。日程は変更される場合があるとも書かれているため、これから指示を配る手段としては、GPTよりも共有プロジェクトや社内BOTを中心に考えるほうが無理がありません。GPTそのものの作り方はGPTsの作り方でご覧いただけます。

EnterpriseとEduのプロジェクト内では、プロジェクトの指示だけ

EnterpriseとEduについては、プロジェクト内のチャットでカスタム指示は利用できず、プロジェクトの指示のみが使われると、プロジェクトのヘルプの表に記載されています。会社がこれらのプランを使っている場合、社員が自分の欄にいくら丁寧な指示を書いても、プロジェクトの中では効き目がないということになります。プロジェクトを業務の中心に置く会社ほど、指示の置き場所を先に決めておく意味は大きくなるでしょう。

業務の指示文を個人の欄だけに置かない

カスタム指示はChatGPTのデータエクスポートに含まれ、OpenAIのアカウントを削除すると、アカウントに紐づくカスタム指示も30日以内に削除されると公式ヘルプに書かれています。業務で磨いてきた指示文が担当者の個人の欄にしかなければ、担当者が異動や退職で手を離れると、個人の欄に書いた指示文は会社から引き継ぎにくくなってしまいます。個人向けのアカウントと会社で契約するワークスペースの違いは、ChatGPTの個人プランとBusinessの違いで詳しく比べています。業務で使う指示文は、個人の欄とは別に、会社の共有の場所へ正本を置いてみてください。

各自の設定に頼らず、全員に同じ指示を届けるには

指示を個人の欄から会社の共有の場所へ移すなら、使うAIの環境も会社で1つにそろえると管理がしやすくなります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

カスタム指示に書いてはいけない情報

カスタム指示には、誰に見られても困らない役割と書き方の決まりだけを書き、個人や取引の情報は入れないのが基本になります。全部のチャットに毎回渡る情報なので、1つのチャットで入力する場合よりも、使われる場面が広くなるからです。

具体的には、次のような情報を書かないよう、社内で共有しておきましょう。

  • 顧客、取引先、顧問先の名前、担当者名、連絡先
  • マイナンバー、口座番号、健康に関する情報などの個人情報
  • 社内システムのURL、ログインID、パスワード
  • 未公表の売上、見積金額、取引条件、人事や評価の情報
  • 社外秘の方針、未発表の計画、社内規程の全文

理由は、公式ヘルプに書かれているデータの扱いです。カスタム指示のヘルプには、カスタム指示の使用に関する情報はモデルのパフォーマンス向上にも使用されるという記載があります。サードパーティのプラグインを使う場合は、モデルが指示の中の関連情報をプラグインの開発者に提供することがあるとも書かれています。

別のヘルプには、Business、Enterprise、Edu、ヘルスケア向けChatGPTのワークスペースのコンテンツを、既定ではモデルのトレーニングに使わないという案内もあります。とはいえ、プランの設定にかかわらず、カスタム指示の欄はパスワードや顧客情報を置く場所ではありません。名前や金額が必要な依頼は、その都度のチャットで必要な範囲だけを渡す形にしましょう。学習に使わせない設定の確かめ方はChatGPTに学習させない設定、入力した情報が外に出る経路はChatGPTの情報漏洩リスクと対策で整理しています。

なお、カスタム指示は、会話の共有リンクを開いた人には共有されないと公式ヘルプにあります。共有リンクから指示の中身が見えるわけではありませんが、だからといって機密を書いてよい理由にはならない点に注意が必要です。

すでに書いてしまった場合

顧客名やパスワードをすでに書いてしまった場合は、まず欄からその行を削除しましょう。ただし、公式ヘルプによれば指示の更新は今後の会話にのみ反映され、以前の会話に残った過去の指示はそのまま残ります。以前の会話から消したいときの方法として、公式ヘルプはその会話をチャット履歴から消去することを案内しています。どの会話で使われていたかを1件ずつ探すのは手間がかかるため、欄に書く前に一度立ち止まる習慣のほうが大切になります。会社の契約で使っている場合は、書いてしまった内容と時期を担当者に伝え、社内のルールに沿って扱いを決めてください。

会社でカスタム指示をそろえる方法

会社で指示をそろえる方法は、共通のひな形を配って各自の欄に貼ってもらう段階と、指示そのものを共有プロジェクトや社内BOTに置く段階の2つに分かれます。まずはひな形を配って書き方の足並みをそろえ、部署で繰り返す仕事から共有する側へ移していく順番が進めやすいでしょう。

全員に配る共通のひな形

ひな形は、全員に共通する部分と、各自が書き足す欄に分けておくと使いやすくなります。共通部分は短くまとめ、版の番号と更新日を必ず入れてください。

――― 会社の共通部分(第1版・2026年9月25日更新/変更しないでください)―――
・回答は日本語、です・ます調で書く
・結論を先に書き、理由や手順はその後に箇条書きで示す
・分からないことは推測で埋めず、分からないと書く
・数字、日付、制度名、法令名には、確認が必要な箇所を示す
・私の案に問題があれば、同意する前に指摘する
・その場の依頼で形式の指定があれば、そちらを優先する

――― 各自が書き足す欄 ―――
・私の担当:(例:総務、営業、経理)
・主な読み手:(例:社内の社員、取引先の担当者)
・よく作るもの:(例:社内案内、提案メール、月次の報告)
・文体の好み:(例:社外向けは丁寧に、社内向けは簡潔に)

※顧客名、取引先名、金額、パスワード、社外秘の情報は書かないでください

共通部分に会社の細かなルールまで詰め込むと、各自の書き足しと食い違う場面が増えてしまいます。共通部分は答え方の土台に限り、業務の決まりは次の部署別の行や、共有する側の指示に回すのが扱いやすい形です。

部署ごとに書き足す行の例(総務・営業・経理)

各自が書き足す欄には、部署ごとに次のような行を足すと、仕事に合った答えが返りやすくなります。

【総務】
・社内向けの案内は、対象者、期限、手続きの方法、問い合わせ先の順に書く
・規程に関わる回答は、最後に「最新の規程で確認してください」と添える

【営業】
・提案メールは、相手の課題、提案の要点、次の打ち合わせ候補の順に書く
・値引きや納期の約束に当たる表現は使わず、確認のうえ回答する形にする

【経理】
・経費精算の問い合わせへの回答は、必要な書類、提出期限、提出先を必ず含める
・税務の扱いを断定せず、判断が必要な点は担当者か顧問税理士に確認する旨を書く

書き足す行は部署で1つの案にまとめ、各自はそこから選んで使う形にしておくと、同じ部署の中で答えの書き方がそろってきます。

配り方と更新の運用

ひな形は、社内の共有フォルダなど1か所に正本を置き、各自はそこから写して使う形にしてみてください。版の番号と更新日を共通部分の先頭に入れておけば、古い版を使っている人がいても見分けがつきます。更新したときは、全員への連絡と一緒に変更点を3行ほどで伝えると、貼り替えの手間が少なく済むでしょう。

ただし、個人の欄に貼ってもらう方法は、本人が書き換えればそれまでで、全員が同じ版を使い続けているとは限りません。会社として必ず守ってほしい決まりほど、個人の欄に頼らず、共有プロジェクトの指示や社内で共有するBOTの指示として置くほうが確実になります。

指示を、共有する側に置く

共有する側に置く方法としては、ChatGPTの共有プロジェクトの指示や、社内で共有するBOTの指示が中心です。どちらも、指示を書く人を決めておけば、使う人の設定に関係なく同じ指示で動かせる点が共通しています。GPTは先に触れたとおり提供終了が予定されているため、これから新しく配る手段として選ぶことはおすすめしません。

指示を共有する側に移すと、書き換える場所が1か所で済むため、各自の欄を直してもらう手間がなくなります。ルールの変更が多い部署ほど、早めに切り替える価値があるでしょう。共有する側の指示にも版の番号と更新日を入れておけば、いつ何を変えたのかを後から追うことが出来ます。

会社で安全に使うには

会社でカスタム指示を含めたChatGPTの使い方を整えるなら、学習させない設定、利用状況の把握、ルールと指示文の配布、複数のAIの使い分けの4点をまとめて考えることになります。カスタム指示の書き方だけをそろえても、どの環境で使っているかが分からなければ、会社としての管理にはつながらないためです。

学習に使わせない設定を、会社側で確かめる

個人向けのアカウントと会社で契約するワークスペースでは、入力した内容の扱いが異なります。Business、Enterprise、Eduのワークスペースは、既定でコンテンツをモデルのトレーニングに使わないと案内されている一方、個人向けのアカウントは各自の設定に左右されます。社員が個人のアカウントで業務に使っている場合は、会社で契約した環境へ移すところから始めましょう。移した後は、各自の欄のカスタム指示も共通のひな形に沿って書き直してもらう段取りを組むと、移行の足並みがそろいます。

誰がどう使っているかを、会社で把握する

社員が個人のアカウントでAIを使っていると、どんな指示で何を入力しているかは会社から見えません。会社が把握していないAIの利用は野良AI(シャドーAI)と呼ばれ、情報の扱いが本人任せになりやすいことが問題になります。見えない利用を減らす考え方は、野良AI(シャドーAI)とはで整理しています。利用の記録を会社で確認できる環境を用意し、そこへ使い方を集めていくのが現実的な進め方でしょう。使い方が1か所に集まれば、どの部署でどんな指示がよく使われているかも見えてきて、共通のひな形を直すときの手がかりとして役立ちます。

ルールと指示文を、一緒に配る

共通のひな形は、入力してはいけない情報や、出力を人が確認する決まりといった社内ルールと一緒に配ると、意味が伝わりやすくなります。指示文だけを配ると、なぜその行があるのかが分からず、各自の判断で消されてしまうことがあるためです。ひな形を配るときは、カスタム指示に書いてはいけない情報の一覧も同じ文書に載せておくと、書き足す欄に顧客名を入れてしまう事故を防ぎやすくなります。ルール文書の作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方にまとめています。

複数のAIでも、同じ指示で使えるようにする

ChatGPTのほかにClaudeやGeminiも使う会社では、指示の置き場所がサービスごとに分かれてしまいがちです。サービスごとに別々の場所で指示を管理すると、どれが最新なのかを追う手間が増えてしまいます。共通のひな形を1つの文書で管理し、どのサービスにも同じ版を写すと決めておけば、サービスが増えても答え方の土台はそろえられます。複数のAIを1つの環境で使う方法と選び方は、マルチAIとはで比べていますので、指示の管理をまとめたい方は合わせて読んでみてください。

よく使う指示を、社内限定のBOTにして全員で

UPGEAR AIのカスタムプラスは、GPTs・Gem・Claudeプロジェクトの社内版です。よく使う指示と手順をBOTにして社内限定で共有できるため、各自のカスタム指示に頼らず、同じ指示で使い始められます。ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使え、利用ログ・権限・モデルのオン・オフは管理者ダッシュボードで管理できます。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

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よくある質問

ChatGPTのカスタム指示は無料版でも使えますか?
使えます。OpenAIの公式ヘルプでは、カスタム指示はWeb、デスクトップ、iOS、Androidのすべてのプランで利用できると案内されています。無料版で保存できる上限は1,500文字です。
カスタム指示の文字数の上限は何文字ですか?
無料版とGoは1,500文字、Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationは5,000文字まで保存できます。2026年9月25日時点のOpenAI公式ヘルプの記載です。
カスタム指示を書き換えると、過去の会話にも反映されますか?
公式ヘルプでは、カスタマイズの設定変更はすべてのチャットにすぐ適用される一方、指示の更新は今後の会話に反映されると案内されています。以前の会話に残った古い指示や回答が書き換わるわけではなく、消したい場合はその会話をチャット履歴から消去する方法が示されています。
共有プロジェクトやGPTでも、自分のカスタム指示は使われますか?
使われません。公式ヘルプには、共有プロジェクトから各メンバーのカスタム指示にはアクセスできないこと、GPTはカスタム指示や保存済みメモリを使用しないことが書かれています。全員に同じ指示で使ってほしい場合は、共有プロジェクトの指示など、共有する側に書く必要があります。
一時チャットでもカスタム指示は使われますか?
一時チャットでは、開始前にメモリやカスタム指示を使うかどうかを選べます。パーソナライズなしを選ぶとカスタム指示は使われず、会話を始めた後にこの選択を変えることはできません。
カスタム指示に会社の情報を書いても大丈夫ですか?
担当業務や文体の好みなど、誰に見られても困らない内容にとどめてください。公式ヘルプには、カスタム指示の使用に関する情報がモデルのパフォーマンス向上にも使用されると書かれています。顧客名、取引先名、金額、パスワード、社外秘の方針は書かず、必要な情報はその都度のチャットで必要な範囲だけを渡す形がおすすめです。

まとめ

ChatGPTのカスタム指示は、役割や答え方の好みを前もって書いておき、すべてのチャットに反映させる設定です。無料版を含む全プランで使え、上限は無料版とGoが1,500文字、Plus・Pro・Business・Enterprise・Educationが5,000文字となっています。設定の変更はすぐに全チャットへ適用され、指示の更新は今後の会話に反映されますが、過去の会話に残ったやり取りまでは書き換わりません。

書くときは、役割・読み手・出力の形を3〜5点に絞り、ぶつかったときの優先順位と、その場の依頼を優先する一文を添えると扱いやすくなります。顧客名や金額、パスワードのような情報は、カスタム指示には書かないようにしましょう。

一方で、カスタム指示は本人のアカウントに付く設定のため、共有プロジェクトやGPTでは使われず、担当者が異動や退職で手を離れると、個人の欄に書いた指示文は会社から引き継ぎにくくなってしまいます。会社で全員に同じ指示を届けたいなら、共通のひな形を配ったうえで、守ってほしい決まりは共有プロジェクトや社内BOTの指示として置いてみてください。法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧からご覧いただけます。