ChatGPTのプロンプトの書き方。コツ・型・業務別の例文と社内で共有するときのルール

ChatGPTのプロンプトとは、ChatGPTに入力する指示や質問の文章のことです。回答の質を安定させるには、目的・前提となる情報・欲しい出力の形・守ってほしい制約の4点を押さえて書くのが近道で、会社で使うなら、うまくいったプロンプトを個人の工夫で終わらせずに共有し、入力してよい情報のルールまで決めておくことが成果の差になります。この記事では、OpenAIとMicrosoftの公式ガイドを手がかりに書き方のコツと代表的な型を整理し、メール・議事録・要約などコピペで使える例文、総務・経理・情シス向けのテンプレート、社内で共有するときの台帳と版管理、入れてはいけない情報の置き換え方までを解説します。

ChatGPTのプロンプトとは|指示文で回答の質が変わる理由

プロンプトはChatGPTへの指示文であり、ChatGPTは書かれていない事情を推測で補うため、指示の書き方しだいで回答の質が大きく変わります。

OpenAIのヘルプ記事「ChatGPTのプロンプトエンジニアリングのベストプラクティス」では、大規模言語モデル向けのプロンプトを、会話を始めたりモデルから応答を引き出したりするためのテキスト入力と説明しています。同じ記事は、入力するプロンプトを設計し最適化する作業をプロンプトエンジニアリングと呼んでいます。難しく聞こえますが、実務で求められるのは、相手に仕事を頼むときと同じように、目的と材料と仕上がりのイメージを文章で渡すことです。

回答の質が変わる理由は単純で、ChatGPTは頼んだ人の立場も、読み手が誰かも、社内の事情も知らないからです。たとえば「お客様への案内文を書いて」とだけ入力すると、ChatGPTは業種・相手との関係・伝えたい内容・文字数をすべて一般的な想定で埋めます。その結果、誰にでも当てはまるが誰にも使えない文章が出てきます。反対に、相手は長年の取引先で、用件は価格改定の事前連絡、失礼のない丁寧さで300字程度、と書けば、手直しの少ない下書きが返ってきやすくなります。

考え方の出発点:ChatGPTの回答が期待外れだったとき、原因の多くはモデルの性能ではなく、プロンプトに書かれていない情報です。何を補えば伝わるかを考える習慣が、この記事で扱うコツや型の土台になります。

公式ガイドが示すプロンプトの基本要素

OpenAIとMicrosoftはどちらも、プロンプトを目的・背景・出力の条件といった要素に分けて考える方法を公式に案内しており、両者を並べると押さえるべき点がはっきりします。

OpenAIヘルプが挙げる3つの助言と、この記事のコツの対応

先ほどのOpenAIのヘルプ記事が挙げている一般的なベストプラクティスは、大きく3つです。1つ目は、プロンプトを明確かつ具体的にし、十分なコンテキスト(背景となる情報)を与えること。日本語版には「モデルが質問内容を理解できるよう十分なコンテキストを提供してください。」という一文があります。2つ目は、最初のプロンプトで終わらせず、応答を見て言い回しを調整したり、コンテキストを足したり、依頼を簡潔にしたりする反復のやり方です。3つ目は、フォーマル・カジュアル・親しみやすい・プロフェッショナルといったトーンを表す言葉で、応答の雰囲気を導けるという点です。

この3つを、次の章で紹介する7つのコツに対応させると次のようになります。

  • 明確・具体的に書く:コツ1(具体的・明確に指示する)、コツ2(役割を設定する)
  • 十分なコンテキストを与える:コツ4(参考情報・背景・前提を渡す)
  • 応答を見て直す反復:コツ5(タスクを分割する)、コツ6(追加質問と対話で磨く)
  • トーンを言葉で指定する:コツ3(出力形式・文字数・条件を指定する)

コツ7(その時点で選べる上位のモデルを使う)だけはプロンプトの書き方ではなく使う環境の話ですが、同じ指示でも結果が変わる要因なので並べて扱います。

OpenAI Academyの4要素とMicrosoftの4要素を比べる

OpenAIの学習サイトOpenAI Academyのプロンプトのページ(原文は英語)では、良いプロンプトの材料として、Goal(ChatGPTに何をしてほしいか)、Context(どんな情報や資料が役立つか)、Output(どんな形式・長さ・詳しさが必要か)、Boundaries(変えてはいけないこと、避けてほしいこと、実行前に確認してほしいこと)の4つを挙げています。あわせて、役立つ部分だけ使えばよく、すべての項目を埋めたり決まった形式に従ったりする必要はない、と添えています。

Microsoftのサポートページ「Microsoft Copilot でプロンプトの記述を開始する」は、Microsoft Copilot(旧 Microsoft 365 Copilot)向けの説明として、プロンプトに目標・コンテキスト・期待値・ソースの4つの部分を含めることができるとし、必要なのは明確な目標だと述べています。

考えることOpenAI Academy(英語の原文を訳出)Microsoft(Copilot向け)ChatGPTに書くときの例
何をしてほしいか目標(Goal)目標取引先への納期遅延のお詫びメールを作成してください。
判断の材料コンテキスト(Context)コンテキスト遅延は3日、原因は部材の入荷遅れ、先方とは5年の取引があります。
仕上がりの形出力(Output)期待値件名と本文、本文は300字程度、丁寧だが言い訳がましくない文体で。
使ってよい情報源コンテキストに含めて考えるソース下に貼る社内メモの事実だけを使ってください。
してはいけないこと制約(Boundaries)明示的な項目はない新しい納期は断定せず、確定次第連絡すると書いてください。

比べると、Microsoftは情報源(ソース)を独立した要素として立て、OpenAI Academyは変えてはいけないことや確認してほしいことを制約として独立させている点が違います。業務で使う場合は両方の良いところを取り、目標・背景・出力の形・使う情報源・制約の5つを確認項目として持っておくと、抜け漏れに気づきやすくなります。

※公式ページの内容は2026年9月17日時点で確認したものです。OpenAI Academyのページは英語で公開されているため、要素名は原文を訳して紹介しています。Microsoftの4要素はMicrosoft Copilot(旧 Microsoft 365 Copilot)向けの説明です。

伝わるプロンプトの書き方のコツ7つ

書き方のコツは、足りない情報を先回りして渡すことに集約され、次の7つを確認すれば多くの依頼で回答が安定します。

コツ1:具体的・明確に指示する

依頼の動詞と対象をはっきり書きます。「いい感じにまとめて」「わかりやすくして」のような言葉は、人によって受け取り方が違うため、ChatGPTにも伝わりません。まとめるなら何のために誰に向けて何点に絞るのか、わかりやすくするなら専門用語を減らすのか文を短くするのか、を具体的にします。

あいまいな指示を具体化するときは、その仕事を新人に頼む場面を想像すると抜けが見つかります。新人が質問してきそうなこと、たとえば締め切り・読み手・分量・参考にすべき過去の文書は、最初からプロンプトに書いておきます。

コツ2:役割(ロール)を設定する

冒頭で「あなたは中小企業の総務担当者です」「あなたは経験のある法人営業の上司として添削してください」のように立場を与えると、語彙や視点がそろいやすくなります。役割は、それだけで専門家並みの正確さを保証するものではありません。読み手の想定や文体を決める手がかりとして使い、事実の正確さは別に確認する前提で使います。

役割を設定するときは、立場と一緒に目的も書くと効きます。「あなたは採用担当者です」だけより、「あなたは採用担当者です。応募者に不安を与えずに選考日程の変更を伝える文面を考えます」のほうが、出力の方向が定まります。

コツ3:出力形式・文字数・条件を指定する

欲しい形を先に決めて伝えます。箇条書きか文章か、表にするか、見出しを付けるか、何文字程度か、敬語のレベルはどの程度かを書きます。OpenAIのヘルプ記事が挙げているように、フォーマル、カジュアル、親しみやすいといったトーンの言葉も有効です。

条件が多い場合は、文章に埋め込まず、見出しや箇条書きで分けて書くと読み違いが減ります。OpenAIのAPI開発者向けガイドでも、Markdownの見出しやリスト、XMLタグでプロンプトの区切りを示すことが役立つと説明されています。ChatGPTの画面で使う場合も、#条件、#入力文のように見出しを付けて区切る書き方がそのまま応用できます。

コツ4:参考情報・背景・前提を渡す

回答の材料になる情報を貼り付けます。社内メモ、過去のメール、商品の仕様、会議のメモなど、ChatGPTが知り得ない情報を渡すほど、一般論ではない回答になります。あわせて、使ってよい情報の範囲も書きます。「貼り付けた資料に書かれていないことは推測で補わず、不明と書いてください」と添えておくと、もっともらしい作り話が混ざるのを抑えやすくなります。

ただし、背景を渡すことと、何でも貼り付けることは別です。顧客名や個人情報、未公開の数字は、後述するように置き換えてから渡します。

コツ5:タスクを分割し段階的に指示する

一度にたくさんの作業を頼むと、どれかが雑になります。たとえば、アンケート結果を読んで課題を抽出し、対策を考え、社内報告書にまとめる、という依頼は、抽出・対策・清書の3回に分けたほうが、途中で方向を修正できます。

OpenAIのAPI開発者向けガイドにも、ユーザーの依頼を必要な小さな依頼に分解し、それぞれが完了したかを確認するよう指示する例があります。1回のプロンプトの中で分けるなら、「手順1で〜、手順2で〜、最後に〜」と番号を振って書く方法もあります。

コツ6:追加質問と対話で出力を磨く

最初の回答はたたき台と考え、続けて直します。「2段落目をもっと短く」「結論を先頭に」「専門用語に注釈を付けて」と具体的に頼むと、ゼロから書き直すより早く仕上がります。OpenAIのヘルプ記事も、最初のプロンプトから始めて応答を確認し、出力に基づいてプロンプトを改善する反復的なやり方を勧めています。

もう一つの使い方は、ChatGPTから質問させることです。「回答を作る前に、足りない情報があれば質問してください」と書いておくと、自分では気づかなかった前提の抜けを指摘してもらえます。うまくいった最終形は、次回はそのまま使えるように、対話で足した条件を最初のプロンプトに書き戻して保存しておきます。

コツ7:その時点で選べる上位のモデルを使う

同じプロンプトでも、使うモデルによって回答の質は変わります。ChatGPTで選べるモデルや使える量はプランや時期によって変わるため、込み入った文書の作成や分析のように質が問われる作業では、その時点で選べる上位のモデルを使うのが基本です。一方で、短い言い換えや定型文の作成なら、軽いモデルで足りる場面も多くあります。

会社で使う場合は、モデルの選択肢だけでなく、入力したデータの扱いもプランによって違う点に注意が必要です。法人向けプランの違いと料金はChatGPTの法人プランの料金と選び方で整理しています。

改善前後の比較|同じ依頼に要素を足していく

プロンプトの改善は、書き方を丸ごと変えることではなく、足りない要素を1つずつ足していく作業で、法人業務の同じ題材で比べると違いがよくわかります。

題材は、社内向けに経費精算のルール変更を知らせる文章です。

改善前

経費精算のルールが変わったので、社内向けのお知らせを書いてください。

このままでは、何がどう変わったのか、いつからか、誰が読むのかが伝わらず、ChatGPTは一般的な変更案内を想像で作ります。

改善後

あなたは社員80名の会社の総務担当者です。(役割)
全社員に向けて、経費精算のルール変更を知らせる社内チャットの投稿文を作成してください。(目的)

#変更内容(背景)
・領収書の提出期限:翌月10日 → 翌月5日
・適用開始:来月分の精算から
・理由:月次決算を早めるため

#出力の条件(出力の形)
・400字以内
・冒頭の2行で、変更点と開始時期がわかるように
・箇条書きを1か所使う
・丁寧だが堅すぎない文体

#守ること(制約)
・上に書いていない例外や罰則は書かない
・問い合わせ先は[部署名]のまま残す

足したのは、役割・目的・背景・出力の形・制約の5つです。特に効くのは、変更内容という事実を箇条書きで渡したことと、書いていないことを付け足さないという制約です。社内向けの文書では、ChatGPTが気を利かせて存在しない例外規定を書き足すと誤った案内になるため、制約の1行が手直しの量を大きく左右します。

改善の手順:回答が期待と違ったら、どの要素が足りなかったかを、目的・背景・出力の形・情報源・制約の5つに当てはめて探します。原因の要素が見つかったら、その行だけ足して再実行します。全部を書き直すより、どの1行が効いたのかがわかるため、社内テンプレートを育てるときにも役立ちます。

代表的なプロンプトの型5つ

型は、ここまでのコツを決まった枠に落とし込んだもので、覚えておくと毎回ゼロから考えずに済みますが、型の名前より中身の要素を押さえることが大切です。

深津式プロンプト

深津式プロンプトは、深津貴之氏が公開した型として知られています。一般には、命令書・制約条件・入力文・出力文という見出しでプロンプトを区切る構成として紹介されています。命令書に依頼の内容を、制約条件に守ってほしい条件を箇条書きで、入力文に材料となる文章を書き、出力文の見出しの後ろにChatGPTが回答を続ける形です。

#命令書
あなたは社内報の編集者です。以下の制約条件と入力文をもとに、社内報の記事の見出し案を出してください。

#制約条件
・見出しは20字以内
・5案出す
・社外の人が読んでもわかる言葉にする

#入力文
[記事の本文を貼り付け]

#出力文

見出しで区切るため、条件を追加したり入力文だけを差し替えたりしやすく、社内テンプレートの形としても扱いやすい型です。

ゴールシークプロンプト

ゴールシークプロンプトは、最終的に達成したい目標をChatGPTに伝え、目標に必要な情報をChatGPTから質問させながら、最適なプロンプトや成果物に近づけていく型として紹介されています。何を書けばよいか自分でも整理できていないときに向いています。

私の目標は、新入社員向けの情報セキュリティ研修の案内文を作ることです。
この目標を達成するために、あなたが必要とする情報を1つずつ質問してください。
十分な情報が集まったら、案内文を作成するためのプロンプトを提示し、そのプロンプトで案内文を作成してください。

ReActプロンプト

ReActは、Yaoほか(2022年)の研究論文に由来する手法で、考えること(Reasoning)と行動すること(Acting)を交互に繰り返しながら答えに近づける考え方です。ここでの行動は、検索やツールの利用のような外部への働きかけを指します。ChatGPTの画面で応用するなら、調べる、わかったことを整理する、足りない点を次に調べる、という手順を明示して指示します。

次の手順を繰り返して、[調べたいテーマ]について報告してください。
1. 考える:いま何がわかっていて、何が足りないかを書く
2. 調べる:足りない点について情報を探す(出典のURLを残す)
3. 振り返る:調べた結果で、足りない点が埋まったかを書く
足りない点がなくなったら、結論と出典の一覧をまとめてください。

Web検索を使える環境かどうかで、調べる手順の結果は変わります。検索できない環境では、手元の資料だけで判断するよう書き換えます。

Few-shotプロンプト(手本を示す)

Few-shotは、少数の入力と出力の例をプロンプトに含めて、ChatGPTに期待する形を示す方法です。OpenAIのAPI開発者向けガイドは、プロンプトに一握りの入出力例を含めることで新しいタスクに誘導できると説明し、例を示すときは想定される入力の幅を示すよう勧めています。

問い合わせの文章を読んで、担当部署を1つ選んでください。

例1
問い合わせ:請求書の宛名を変更したい
担当部署:経理

例2
問い合わせ:社用パソコンにログインできない
担当部署:情報システム

例3
問い合わせ:来客用の駐車場を予約したい
担当部署:総務

問い合わせ:[分類したい文章]
担当部署:

社内の分類ルールや文体のように、言葉で説明しにくいものを伝えるときに向いています。例が似通っていると、その偏りまで真似されるため、性質の違う例を混ぜます。

Chain-of-Thoughtプロンプト

Chain-of-Thoughtは、Weiほか(2022年)の研究論文に由来する手法で、最終的な答えだけでなく、そこに至る途中の考え方の筋道を示させることで、複数の段階を踏む問題への回答を改善しようとするものです。

業務で応用するなら、考えた過程をすべて出させるより、結論の根拠と、判断に使った前提を分けて書かせるほうが、人が確認しやすくなります。

以下の2つの見積もりのうち、どちらを採用すべきか検討してください。
回答は、1. 判断に使った前提、2. 比較した観点ごとの評価、3. 結論、の順で書いてください。
前提に不明な点があれば、仮定したことを明記してください。

[見積もりA]
[見積もりB]

※深津式とゴールシークは、一般に紹介されている構成と使い方の範囲で説明しています。ReActとChain-of-Thoughtは研究論文に由来する手法の考え方を、ChatGPTの画面で応用する例として示したものです。

コピペで使える業務別テンプレート・例文集

例文は、[ ]の部分を自社の情報に置き換えるだけで使える形にしてあり、そのまま使うより自社用に条件を足して保存しておくと効果が続きます。いずれも、顧客名や個人情報を入れる前に、後述の置き換えを行ってください。

翻訳を頼むときのプロンプトの書き方と、会社として入れてよい文書の線引きは、ChatGPT翻訳の使い方|手順・プロンプトと線引きでまとめています。

例文:ビジネスメール・返信・お詫び文

あなたは[業種]の営業担当者です。
以下の状況で、取引先に送るお詫びのメールを作成してください。

#状況
・相手:[A社のご担当者](取引歴[年数])
・起きたこと:[例:納品が予定より3日遅れる]
・原因:[例:部材の入荷遅れ]
・こちらの対応:[例:入荷次第、優先して出荷する]

#条件
・件名と本文を出す
・本文は350字以内、結論から書く
・責任を認め、言い訳に聞こえる表現は避ける
・確定していない日付は書かない

返信文を作る場合は、相手から届いたメールを[受信メール]として貼り、「この内容に対して、[承諾/お断り/日程の再調整]の返信を作成してください」と方針を先に書くと、返信の向きがぶれません。

例文:議事録作成

以下の会議メモから議事録を作成してください。

#出力の形
1. 会議名・日時・参加者(メモにある範囲で)
2. 決まったこと
3. 保留になったこと
4. 次の行動(担当と期限。メモにない場合は未定と書く)

#守ること
・メモにない発言や決定を補わない
・発言者の名前は役職名に置き換える

#会議メモ
[メモを貼り付け]

決まったことと保留を分けて出させるのがポイントです。会議の後で揉めやすいのは、決まったと思っていたことが実は保留だったという行き違いだからです。

例文:文章の要約・校正・リライト

【要約】
以下の文書を、[読み手:例 忙しい役員]が1分で読めるように要約してください。
・結論を1文で先頭に
・根拠を3点まで箇条書き
・数値は原文のまま使い、丸めない

【校正】
以下の文章の誤字脱字、表記ゆれ、敬語の誤りを指摘してください。
修正案は、元の文と修正後の文を並べて示し、文章全体の書き換えはしないでください。

【リライト】
以下の文章を、専門知識のない[読み手]に向けて書き直してください。
専門用語は言い換えるか、初出で短く説明してください。意味は変えないでください。

[文章を貼り付け]

例文:アイデア出し・企画

[目的:例 社内の資料作成の時間を減らす]ための施策案を10個出してください。

#前提
・会社規模:[人数]
・使える予算:[範囲]
・すでに試したこと:[内容]

#出力の形
・施策名、概要(1文)、始めるまでの手間(小・中・大)を並べる
・すぐ始められる順に並べる
・最後に、10案の中から組み合わせると効果が出そうなものを2つ挙げ、理由を書く

アイデア出しでは、すでに試したことを書いておくと、同じ案が並ぶのを防げます。数を出させてから人が絞る、という役割分担で使います。

例文:SNS投稿文

会社の公式アカウントで発信する投稿文を3案作成してください。

#伝えたいこと
[例:来月開催するセミナーの告知]

#条件
・想定する読み手:[例:中小企業の経営者]
・1案あたり[文字数]以内
・誇大な表現、根拠のない最上級の言葉は使わない
・3案はそれぞれ、問いかけ型、事実紹介型、体験談型にする

公式アカウントの投稿は、そのまま会社の発言になります。数字や実績を含む投稿は、ChatGPTが作った文をそのまま使わず、元の資料と照らし合わせてから公開します。

例文:データ分析・アンケート分析

以下は社内アンケートの自由記述の回答です。

#してほしいこと
1. 回答を内容ごとに分類し、分類名と件数を出す
2. 件数の多い分類から、代表的な回答を2件ずつ引用する
3. 改善につながりそうな指摘を3点まとめる

#守ること
・件数は数え直して正確に出す。自信がない場合はその旨を書く
・回答にない意見を作らない

#回答
[回答を貼り付け(氏名や部署は削除しておく)]

件数のような数字は、ChatGPTの集計を鵜呑みにせず、表計算ソフトでも確認します。分析の方向づけや分類の叩き台づくりに使い、最終的な数字は人が確かめる、という分担が安全です。

例文:翻訳

以下の日本語のメールを、[言語]に翻訳してください。

#条件
・相手は[例:海外の取引先の購買担当者]
・ビジネスメールとして自然な丁寧さにする
・日付、数量、金額は原文のまま変えない
・訳した後に、原文と意味がずれる可能性のある箇所があれば日本語で指摘する

[原文を貼り付け]

訳文の後に意味のずれを指摘させる1行を足しておくと、読めない言語でも確認すべき箇所の見当がつきます。契約や価格に関わる文書は、翻訳の結果を必ず人が確認します。

例文:Excel関数・コード生成

Excelで次の処理をする数式を教えてください。

#表の構成
・A列:日付、B列:部署名、C列:金額
・データは2行目から500行目まで

#してほしいこと
・[部署名]ごとに、[月]の金額の合計を出したい

#出力の形
・数式と、どのセルに入れるか
・数式の各部分が何をしているかの説明
・データが増えたときに直す箇所

表の列構成を具体的に書くことが前提になります。列の位置がわからないと、ChatGPTは架空の表を想定して数式を作ります。マクロやプログラムのコードを作らせた場合は、本番のファイルで動かす前に、複製したファイルで試してください。

例文:画像やファイルを使うプロンプトと画像生成

ChatGPTでは、文章だけでなく画像やファイルを添付して指示することもできます。添付したときも、何を読み取ってほしいか、何を出してほしいかを文章で書くのは同じです。

【ファイルの読み取り】
添付したPDFは[文書の種類:例 取引先から届いた見積書]です。
品目、数量、単価、合計金額を表にしてください。読み取れない箇所は空欄にし、推測で埋めないでください。

【画像の生成】
社内説明会のスライドに使う挿絵を作成してください。
・内容:[例:オフィスで複数人がノートパソコンを囲んで話し合う様子]
・雰囲気:明るく落ち着いた、イラスト調
・避けること:文字を入れない、実在の企業ロゴや人物に似せない
・形:横長

画像を生成させるときは、被写体・雰囲気・避けること・縦横の形を分けて書くと、意図に近い結果になりやすくなります。生成した画像を社外に出す場合の注意は、後の注意点の章で扱います。

※ChatGPTのプロジェクト機能で1つのプロジェクトにアップロードできるファイル数の上限は、OpenAIのヘルプ上、Freeが5、GoとPlusが25、Edu・Pro・Business・Enterpriseが40と案内されています(2026年9月17日時点)。

部門別の活用例と総務・経理・情シス向けテンプレート

部門ごとに使いどころは違いますが、どの部門でも効果が出やすいのは、毎月同じ形で繰り返す文書づくりを、決まったテンプレートに置き換える使い方です。

部門別(営業・マーケ・総務・経理・人事など)の活用例

  • 営業:商談前の質問リストづくり、提案書の構成案、商談メモから次回までの宿題の整理、お礼メールの下書き
  • マーケティング:セミナー告知文の複数案、ブログ記事の見出し案、アンケートの設問案、競合の公開情報の整理
  • 人事:求人票の言い回しの見直し、面接の評価観点の整理、社内研修の案内文、制度変更のお知らせ
  • 総務:社内規程の要約、社内通知文、備品や施設の利用ルールの案内、問い合わせへの回答案
  • 経理:月次報告のコメントの下書き、経費精算ルールの案内、取引先への支払い条件の連絡文
  • 情報システム:ヘルプデスクの回答案、操作手順書の下書き、障害時の社内連絡文

人事の評価や採用の合否のように、人に関する判断そのものをChatGPTに任せるのは避けます。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」も、入力データやプロンプトに含まれるバイアスへの配慮を利用者に求めています。

総務・経理・情シス向けのテンプレート

管理部門の業務は、同じ形の文書を繰り返し作ることが多く、テンプレート化の効果が出やすい領域です。

【総務:社内規程の要約】
以下の社内規程を、全社員向けに要約してください。
・社員が守ることと、会社がすることを分けて書く
・日付、金額、期限は原文のまま書き、丸めない
・原文にない解釈は加えず、判断が分かれそうな箇所は、総務に確認と書く
[規程の本文を貼り付け]

【経理:月次報告のコメント下書き】
以下の月次の数値(前年同月比を含む)をもとに、役員会向けのコメントを300字で下書きしてください。
・増減の大きい項目を3つ取り上げる
・増減の理由は、下の補足メモに書かれている範囲だけで説明し、推測は書かない
・理由が不明な項目は、要確認と書く
[数値の表][補足メモ]

【経理:稟議書のたたき台】
次の購入について、稟議書のたたき台を作成してください。
項目は、目的、内容、金額、比較した選択肢、期待する効果、リスクと対策。
金額と比較した選択肢は、下の情報だけを使ってください。
[購入の内容と見積もりの情報]

【情シス:ヘルプデスクの回答案】
社員からの次の問い合わせに対する回答案を作成してください。
・ITに詳しくない社員でも操作できるよう、手順を番号付きで書く
・社内の手順書に書かれている内容だけを使う
・手順書で解決しない場合は、情報システム担当への連絡方法を案内する
[問い合わせ][社内手順書の該当部分]

4つに共通するのは、渡した資料の範囲だけで書かせ、不明な点は要確認と書かせる制約です。管理部門の文書は、社内で事実として扱われるため、ChatGPTが気を利かせて補った一文が、そのまま誤った社内ルールとして広まるおそれがあります。

会計事務所で使う場合も考え方は同じで、顧問先への案内文なら、案内する制度の内容を事務所で確認した資料として渡し、その範囲で書かせます。

プロンプト自体をAIに作らせる・改善させる

プロンプトを書くのが苦手なら、ChatGPTにプロンプトを作らせたり、書いたプロンプトを添削させたりする方法が有効で、ゴールシークの考え方を日常的に使う形になります。

【プロンプトを作らせる】
私は[業務の内容]を毎月行っています。この作業をChatGPTに手伝ってもらうためのプロンプトを作ってください。
作る前に、必要な情報を質問してください。
完成したプロンプトは、毎月差し替える部分を[ ]で示してください。

【プロンプトを改善させる】
以下は私が使っているプロンプトです。
目標、背景、出力の形、使う情報源、制約の5つの観点で、足りない点と改善案を示し、改善後のプロンプトを提示してください。
[いま使っているプロンプト]

作らせたプロンプトは、そのまま社内に配らず、実際に何回か使って結果を確かめてから保存します。ChatGPTは、もっともらしいプロンプトを作るのは得意ですが、社内の事情に合っているかは使ってみないとわかりません。

カスタム指示・GPTs・プロジェクトで前提を固定する

毎回同じ前提を書くのが面倒なら、カスタム指示・GPTs・プロジェクトといったChatGPTの機能で前提を固定でき、プロンプトを短くしながら回答の質をそろえられます。

カスタム指示

カスタム指示は、ChatGPTに回答時に考慮してほしいことを登録しておく機能です。OpenAIのヘルプでは、Web、デスクトップ、iOS、Androidのすべてのプランで利用できると案内されています。自分の職種、よく書く文書の種類、好みの文体(結論から書く、箇条書きを使うなど)を登録しておくと、毎回のプロンプトで繰り返す必要がなくなります。

GPTs(カスタムGPT)

GPT(カスタムGPTとも呼ばれます)は、OpenAIのヘルプで、特定の目的向けに設定されたChatGPTのバージョンと説明されています。議事録作成用、問い合わせ回答用のように、指示と参考資料をまとめて保存できます。

ただし、Free、Go、Plus、Proといった個人向けのChatGPTアカウントでは、新しいGPTの作成と公開はできないと案内されています。Business、Enterprise、Eduでは、ワークスペースの設定と権限によっては、作成して特定のユーザーやワークスペース内に共有できます。また、OpenAIはカスタムGPTの提供終了を計画しており、ワークフローをプラグインへ移行することを勧めるとヘルプで案内しています。対象となるEnterpriseのワークスペースでは、提供終了は2026年12月11日の予定とされ、その他のプランも同じスケジュールに従う予定と案内されています。これからGPTsを前提に社内の仕組みを作る場合は、この案内を確認したうえで判断してください。作成の手順と移行の注意点はGPTsの作り方で解説しています。

プロジェクト

プロジェクトは、OpenAIのヘルプで、長期的な取り組みに関するすべてを1か所にまとめるワークスペースと説明されている機能です。関連する会話やファイルをまとめておけるため、特定の案件や定例業務ごとに使えます。データの扱いはプランで異なり、Business・Enterprise・Eduではプロジェクトからアクセスした情報をデフォルトではモデルのトレーニングに使用しないとされる一方、Free・Plus・Proではモデル改善の設定がオンの場合にトレーニングに使用することがあると案内されています。

※カスタム指示・GPTs・プロジェクトの内容は、2026年9月17日時点のOpenAIのヘルプの記載に基づきます。提供条件は変更されることがあるため、利用前に最新のヘルプをご確認ください。

プロジェクトを社内で共有してプロンプト集を配る手順と、コピーして使える業務別のプロンプトは、ChatGPTプロンプト集|会社で配れる業務別の実物と共有の固め方で詳しく紹介しています。

良いプロンプトを会社で共有する|台帳・版管理・レビュー

個人がうまく使えているプロンプトは会社の資産ですが、置き場所と版を決めずに回し始めると、古い版や誤った版が残り続けるため、台帳と版管理とレビューの3点を最初に決めておきます。

よくあるのは、誰かが作った便利なプロンプトがチャットで転送され、各自が少しずつ手を加えた結果、同じ業務に何種類もの版が並ぶ状態です。規程が改定されても古い版が使われ続け、改定前のルールに基づく文書が作られる、といった事故につながります。また、作った本人が異動や退職をすると、なぜその条件が入っているのかが誰にもわからなくなります。

テンプレート台帳に持たせる項目

共有するプロンプトは、表計算ソフトなどで1つの台帳にまとめ、次の項目を持たせます。

  • 名称と用途例:月次報告コメント下書き。何の業務の、どの工程で使うかを1文で書きます。
  • 担当部署と作成者問い合わせ先になる部署と、中身を説明できる人です。作成者が異動しても部署で引き継げるように、個人名だけにしません。
  • 版数と最終確認日いつ誰が確認した版かを残します。最終確認日が古いものは、棚卸しの対象になります。
  • 入力してよい情報の区分公開情報のみ、社内情報まで、個人情報は置き換え必須、のように、そのテンプレートに入れてよい情報の範囲を明記します。
  • 使う環境会社が承認したAI環境のどれで使う前提かを書きます。個人アカウントで使われるのを防ぐためです。
  • 出力の確認者出力をそのまま使ってよいのか、誰の確認が必要なのかを書きます。

改訂と版管理のルール

改訂は台帳の担当部署だけが行い、版数を上げて変更点を1行残します。配布先には最新版だけを置き、古い版は台帳の履歴に移して、使える場所からは外します。規程や料金表など、プロンプトに書き込んだ事実が変わったときは、その事実を参照しているテンプレートを台帳から探して一緒に改訂します。

配布方法は、社内ポータルや共有フォルダ、チャットツールの固定メッセージ、生成AIツールのテンプレート機能などが考えられます。どれを選ぶ場合も、最新版が1か所にしかない状態にすることが大切です。チャットで転送された文面は版の管理ができないため、配布は台帳へのリンクで行います。

配布前のレビューで確認すること

新しいテンプレートを配る前に、作成者以外の人が次の点を確認します。

  • 出力の正確性実際の業務データに近い題材で3回程度実行し、事実の誤りや、渡していない情報の付け足しがないかを見ます。
  • 入力情報の区分テンプレートの使い方として、個人情報や機密情報の入力を前提にしていないか。置き換えの手順が書かれているかを確認します。
  • 制約の有無資料にないことを補わない、不明な点は要確認と書く、といった制約が入っているかを確認します。
  • 文体と表現社外に出る文書なら、会社として使ってよい言葉遣いか、誇大な表現が出ないかを見ます。
  • 承認者社外向けや人に関わる文書のテンプレートは、担当部署の責任者の承認を得てから台帳に載せます。

効果の測り方と使われないテンプレートの棚卸し

テンプレートの効果は、作業ごとの所要時間を導入前後で記録すると確かめられます。対象の業務を決め、導入前に数回、導入後に数回、下書き作成から完成までの時間と、手直しにかかった時間を分けて記録します。手直しの時間が減らないテンプレートは、制約や背景の渡し方を見直す候補です。

あわせて、半年に1回程度、台帳を見直します。最終確認日から長く更新されていないもの、利用者に聞いて使われていないものは、改訂するか台帳から外します。使われないテンプレートが並ぶと、必要なものが探しにくくなり、各自が自作の版に戻ってしまいます。

よく効く指示文は、個人のメモでなく社内の共有BOTに

良いプロンプトが作った人のメモにあるだけだと、他の社員はまた一から書き直します。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

プロンプトを書くときの注意点

プロンプトの書き方以上に会社として決めておくべきなのは、何を入力してよいか、出力をどう確認するか、生成物をどう使ってよいかの3点です。

注意点1:個人情報・機密情報を入力しない/学習利用の設定を確認する

個人情報保護委員会は、令和5年6月2日に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を公表しています。事業者向けには、個人情報を含むプロンプトを入力する場合は、特定した利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認するよう求めています。さらに、本人の同意なく個人データを含むプロンプトを入力し、その個人データが応答の出力以外の目的で取り扱われる場合には、個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性があるとし、生成AIサービスの提供事業者がその個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認するよう求めています。一般の利用者に向けても、利用規約やプライバシーポリシー等を十分に確認し、入力する情報の内容を踏まえて利用を判断するよう呼びかけています。

総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(令和8年3月31日)も、AIの利用者に対して、AIシステム・サービスへ個人情報を不適切に入力しないよう注意を払うこと、機密情報等を不適切に入力しないよう注意を払うことを挙げています。

これらを踏まえ、社内ルールでは、プロンプトに入れてはいけない情報を具体的に書き出しておきます。

  • マイナンバー(個人番号)文書作成の手伝いに入力する必要がない情報です。例外を作らず、対象外と決めておきます。
  • 顧客・取引先担当者の氏名、連絡先、住所メールや議事録の下書きで、そのまま貼り付けてしまいやすい情報です。
  • 社員の給与、人事評価、健康に関する情報人事や総務の文書づくりで混ざりやすく、漏れたときの影響が大きい情報です。
  • 未公開の決算数値、業績の見通し、組織再編の計画公表前の経営情報は、社外に出た時点で問題になります。
  • 取引先との契約条件、見積もりの単価取引先との守秘義務の対象になっていることがあります。
  • パスワード、APIキーなどの認証情報設定の相談やエラーの調査で、画面ごと貼り付けてしまいやすい情報です。

そのうえで、業務の文脈を伝えるために必要な場合は、入力する前に置き換えます。

【置き換えの例】
・株式会社山田商事の佐藤様 → A社のご担当者様
・東京都港区〇〇1-2-3 → 都内(または削除)
・請求額 1,234,560円 → 約120万円(文章の目的に金額が不要なら削除)
・社員番号、メールアドレス、電話番号 → 削除
・来期の売上見通し 前年比18%増 → 前年を上回る見通し(数字は清書のときに人が入れる)
・顧問先の会社名 → 顧問先B(事務所内で対応表を管理し、AIには渡さない)

置き換えた文書は、ChatGPTから出力された後に、人が元の名前や数字に戻します。この戻す手順まで含めてテンプレートに書いておくと、置き換えが習慣になります。

入力情報のルールとあわせて、使っている環境の学習利用の設定も確認します。ChatGPTの個人向けプランでは、料金ページの比較表で、コンテンツをモデルの学習に使用する設定は無効化可能と表示されており、オフにしない限り学習に使われる場合があります。一方、Businessの料金ページでは、デフォルトではビジネスデータを学習に使用しないと案内されています。個人向けプランを業務で使う場合、設定を社員一人ひとりに任せることになる点が、会社としての管理の難しさです。

※個人情報保護委員会の注意喚起は公表資料(令和5年6月2日)、AI事業者ガイドラインは第1.2版(令和8年3月31日)の記載に基づきます。ChatGPTの学習利用の設定は、2026年9月17日時点のOpenAIの公式ページの記載です。

注意点2:回答の誤り(ハルシネーション)を確認する

ChatGPTは、事実と異なる内容を、もっともらしい文章で出力することがあります。これをハルシネーションと呼びます。プロンプトを工夫しても完全には防げないため、確認の工程を業務の流れに組み込みます。

  • 日付、金額、法令名、制度の条件、固有名詞は、元の資料や公式の情報で確認する
  • 出典を出させた場合は、その出典を実際に開いて、書かれている内容と一致するかを見る
  • プロンプトに、資料にないことは書かない、不明な点は不明と書く、という制約を入れる
  • 社外に出す文書は、作成者とは別の人が確認する

同じ質問を別の生成AIにも投げて、答えが食い違う箇所を重点的に確認する方法もあります。生成AIごとの得意分野の違いはChatGPT・Claude・Geminiの使い分けで解説しています。

注意点3:出力の著作権・商用利用を確認する

ChatGPTで作った文章や画像を社外向けの資料、広告、ウェブサイトに使う場合は、既存の著作物や他社の表現に似ていないかを確認してから使います。特定の作品や作家、他社のキャッチコピーに寄せるような指示は、プロンプトの段階で避けます。

あわせて、使っている生成AIサービスの利用規約で、出力の扱いを確認します。社内の判断基準がない場合は、社外に出す生成物の確認者と確認の観点を、社内ガイドラインで決めておくと現場が迷いません。ガイドラインに入れる項目は生成AIの社内ガイドラインの作り方で整理しています。

会社でプロンプトを安全に使うには

プロンプトの工夫を会社の成果につなげるには、社員が会社の承認した環境でテンプレートを使える状態を作り、個人アカウントへの流出を防ぐことが前提になります。

便利なプロンプトが社内で広まるほど、社員は手元の無料版や個人の有料アカウントでも同じことを試したくなります。会社が環境を用意していないと、議事録や顧客とのメールが、学習利用の設定を会社が確認できない個人アカウントに貼り付けられていきます。こうした会社が把握していないAIの利用は、野良AI(シャドーAI)と呼ばれます。実態と対策は野良AI(シャドーAI)とはで解説しています。

禁止だけでは、この流れは止まりにくいものです。現実的なのは、会社として承認した環境にテンプレートを置き、そこで使うほうが手間の少ない状態を作ることです。そのために、次の順で整えます。

  1. 会社として使うAI環境を決め、学習利用の設定を会社側で確認する
  2. 入れてはいけない情報と置き換えのルールを、社内ガイドラインに書く
  3. よく使う業務のテンプレートを台帳に登録し、承認した環境から使えるようにする
  4. 利用状況を定期的に確認し、使われていないテンプレートや、個人アカウントへの流出の兆候を見直す

点検の項目を一覧で確認したい場合は、生成AIのセキュリティ対策チェックリストを参考にしてください。

よくできたプロンプトを、社内限定のBOTにして共有

UPGEAR AIのカスタムプラスは、GPTs・Gem・Claudeプロジェクトの社内版です。よく使う指示と手順をBOTにして、社内限定で共有できます。ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約・1つの画面で使え、管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理できます。料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。

UPGEAR AIの詳細を見る

よくある質問

プロンプトは長く書くほど良い回答が返ってきますか?
長さそのものより、必要な情報がそろっているかが大切です。目標・背景・出力の形・使う情報源・制約のうち、その依頼に必要なものが入っていれば、短いプロンプトでも十分な回答が返ってきます。反対に、関係のない情報を大量に貼り付けると、重要な条件が埋もれることがあります。OpenAI Academyも、役立つ要素だけを使えばよく、すべての項目を埋める必要はないと案内しています。
無料版でも、プロンプトの書き方のコツは同じですか?
書き方の考え方は同じです。違うのは、選べるモデルや使える量、入力したデータの扱いです。業務で使う場合は、書き方の前に、使っている環境で入力内容が学習に使われる設定になっていないかを確認してください。個人向けプランでは設定が各自に任されるため、会社として管理しにくい点に注意が必要です。
顧客の名前を出さずに相談したい場合、どう書けばよいですか?
会社名はA社、担当者はご担当者様、金額は概数や範囲に置き換えて入力し、出力された後に人が元の情報に戻します。住所や電話番号、メールアドレスは、文書の目的に不要であれば削除します。置き換えと戻す手順をテンプレートに書いておくと、毎回迷わずに済みます。
社内で作ったプロンプトを配るとき、何から始めればよいですか?
まず台帳を作り、名称と用途、担当部署、版数と最終確認日、入力してよい情報の区分を記録します。次に、作成者以外の人が実際の業務に近い題材で試し、誤りや付け足しがないかを確認してから配布します。配布はチャットでの転送ではなく、最新版が1か所にある台帳や社内ポータルへのリンクで行うと、古い版が残りません。
GPTsを作れば、プロンプトを毎回書かなくて済みますか?
指示と参考資料を保存しておけるため、毎回の入力は短くなります。ただし、OpenAIのヘルプでは、Free・Go・Plus・Proの個人向けアカウントでは新しいGPTの作成と公開はできないと案内されており、新しいGPTを作成・共有できるのはBusiness・Enterprise・Eduのワークスペース(設定と権限による)とされています。また、OpenAIはカスタムGPTの提供終了を計画しているとヘルプで案内しているため、これから仕組みを作る場合は最新の案内を確認してください。

まとめ

ChatGPTのプロンプトは、ChatGPTへの指示文です。回答が期待外れになる原因の多くは、プロンプトに書かれていない情報にあります。OpenAI AcademyとMicrosoftの公式ガイドを重ねると、目標・背景・出力の形・使う情報源・制約の5つを確認項目にすると抜け漏れに気づきやすくなります。

書き方のコツは、具体的に指示する、役割を与える、出力の形を決める、背景を渡す、作業を分ける、対話で磨く、その時点で選べる上位のモデルを使う、の7つです。深津式やゴールシーク、ReAct、Few-shot、Chain-of-Thoughtといった型は、これらの要素を決まった枠に落とし込んだものと考えると使い分けやすくなります。

会社で使う段階では、うまくいったプロンプトを台帳に登録し、版を管理し、配布前にレビューする仕組みが必要です。そして、プロンプトに入れてはいけない情報を具体的に決め、置き換えてから入力するルールと、学習利用の設定を会社が確認できる環境をそろえることで、プロンプトの工夫を安全に全社の成果へ広げられます。

法人のAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。