ELYZA、完全国産AIを無料公開
COPLUS AI NEWS | 夕版
国産のAIを、地域と現場の手元へ
KDDI傘下のELYZAが、国立情報学研究所の「LLM-jp-4」をもとにした日本語モデルを10月2日に無料で公開しました。地方銀行が取引先の生成AI導入を後押しする協業や、市のホームページに答える生成AIの提供開始など、AIを地域や業種の現場に届ける動きが続いています。国内産業と現場寄りの話題を5本まとめます。
📋 本日のトピック
① ELYZA、国立情報学研究所の「LLM-jp-4」をもとにした日本語モデル2種を無料公開 「AIによるAI開発」の研究組織も設立
ELYZA / 2026年10月2日
KDDI傘下のELYZAは10月2日、国立情報学研究所(NII)が開発した「LLM-jp-4」シリーズをもとに日本語の処理性能を高めたモデル「ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-33b」と「ELYZA-Thinking-1.0-llm-jp-4-32b-a3b」を、商用利用が可能な形でHugging Face上に公開しました。ITmedia AI+によると、ライセンスはApache 2.0で、一部のベンチマークではNIIが9月28日に発表したLLM-jp-4.1シリーズを上回るスコアを示したとしています。同日、AIが自らの能力や開発の手順を繰り返し改善する「再帰的自己改善(RSI)」を研究する組織「ELYZA RSI Research」の設立も発表しました。
💡 コプラスの視点
国内で開発された基盤を使い、商用で使えるモデルが無料で手に入ることは、社外のクラウドに情報を出しにくい業務でAIを試す選択肢を広げます。一方で、自社でモデルを動かす場合は、サーバーの用意や更新、利用ルールの整備まで自分たちで担うことになります。性能だけでなく、運用にかかる手間も含めて比べることが大切です。
② AI CROSS、熊本銀行と顧客紹介の基本契約 取引先企業の生成AI・AIエージェント導入を支援
AI CROSS(PR TIMES) / 2026年10月1日
AI CROSSは10月1日、ふくおかフィナンシャルグループの熊本銀行と顧客紹介に関する基本契約を結び、熊本銀行の取引先企業を対象に生成AIやAIエージェントの導入支援に取り組むと発表しました。SMS・RCSを使ったコミュニケーションDXサービスの導入、生成AI導入支援ソリューションや需要予測の「Deep Predictor」などAI関連サービスの導入、業務改善に関する助言を行います。同社は2026年2月の福岡銀行、9月の十八親和銀行に続く協業で、グループとの連携をさらに広げるとしています。
💡 コプラスの視点
中小企業にとって、AIを入れたいが誰に相談すればよいか分からないことが、最初の壁になりがちです。普段から取引のある地方銀行が窓口になれば、相談の入口はぐっと身近になります。紹介を受けた際も、どの業務に使い、どの情報をAIに入れてよいかを社内で先に決めておくと、導入後の混乱を防げます。
③ 両備システムズとSENSY、アパレル向け基幹システムにAI需要予測を連携へ 新商品の初期投入量の予測にも対応
LNEWS / 2026年10月1日
両備システムズは10月1日、SENSYと業務提携し、アパレル業向け基幹システム「Sunny-Side」にSENSYのAI需要予測技術を連携させた新機能を、2027年3月から段階的に提供すると発表しました。商品の需要予測や発注計画、店舗間の商品移動、値下げの判断などを支援し、販売実績がない新商品の初期投入量の予測にも対応するとしています。物流ニュースのLNEWSが報じました。
💡 コプラスの視点
アパレルでは、作りすぎによる在庫と、売れ筋の欠品の両方が利益を圧迫します。日々使う基幹システムの中に予測が組み込まれれば、担当者がAIを別に立ち上げなくても判断の材料が手元に届きます。予測をどこまで発注に反映させ、最後に誰が決めるかを、あらかじめ決めておくことが運用の鍵になります。
④ 栃木県真岡市、市のホームページに生成AIチャットボット 約4,700ページをもとに24時間365日回答
SDT(PR TIMES) / 2026年10月1日
SDTは10月1日、栃木県真岡市の公式ホームページで生成AIチャットボットの提供が始まったと発表しました。同社の「Panorama AI」を使い、市のホームページ約4,700ページの情報をもとに、各種手続き、税、子育て、健康・福祉、ごみ・環境など市政全般の質問に24時間365日回答します。独自データを参照して答えるRAGの仕組みと誤った回答の抑制機能を備え、ホームページの更新は自動で反映され、月ごとの分析で精度を高めていくとしています。
💡 コプラスの視点
自治体の窓口や電話への問い合わせは、ホームページに答えが載っている内容も多く含まれます。公開済みの情報だけを答えのもとにする設計は、誤った案内を抑えながら職員の負担を減らす現実的な使い方です。企業でも、社内規程やFAQをもとに答える仕組みは、総務やバックオフィスへの問い合わせ対応に応用できます。
⑤ 生成AIパスポート、2027年試験からシラバスを大幅改訂 シャドーAIやプロンプトインジェクションなどを追加
生成AI活用普及協会(GUGA) / 2026年10月1日
生成AI活用普及協会(GUGA)は10月1日、資格試験「生成AIパスポート」のシラバスを大幅に改訂し、2027年2月に開く試験から適用すると発表しました。AIエージェントに関する章を組み直し、RAGやMCP、コンテキストエンジニアリング、プロンプトインジェクションなどの内容を強化します。リスク予防・AI倫理・ガバナンスの内容も大きく広げ、シャドーAIや安全保障といったテーマを加えたほか、マーケティングやデータ分析など業務別の活用方法と、AIの出力を評価・検証する方法も新たに盛り込みました。
💡 コプラスの視点
資格の出題範囲に、社員が会社の認めていないAIを使うシャドーAIや、AIへの不正な指示を仕込むプロンプトインジェクションが入ったことは、これらが一部の専門家だけの話ではなくなったことを示しています。社内研修でも、便利な使い方と並べて、入れてはいけない情報や出力の確かめ方を教えることが欠かせません。
明日への展望
今日の5本は、国内で開発されたAIの公開と、地方銀行や自治体、業種向けシステムを通じてAIが現場に届く動きが並びました。ELYZAのモデルを企業がどのように試し始めるか、地方銀行による導入支援がほかの地域へ広がるかは、今後の続報が待たれます。使う側の企業にとっては、どの業務にどのAIを使い、社員に何を教えるかを、今のうちに整理しておくことが備えになります。
本日のまとめ
国産の日本語モデルの無料公開、地方銀行による取引先へのAI導入支援、アパレルの需要予測、自治体のホームページ案内、そして資格試験へのシャドーAIの追加と、AIが地域や業種の現場に入っていく動きが重なった一日でした。どのAIをどの業務に使い、社員にどんなルールを伝えるかを先に決めておくことで、現場は安心してAIを使えます。コプラスは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを国内サーバー経由で1つの環境から使える法人向けAI「UPGEAR AI」と、社内ルールづくり・研修で、AIを業務に根付かせるお手伝いをしています。


