
法人GAIとは、株式会社ギブリーが提供している法人向けのChatGPT活用プラットフォームです。その料金は、2026年9月20日時点で提供元の公式サイトに公開されていません。公開の場に出ている金額は、2023年3月の発表時点(当時の製品名は法人GPT)の1ユーザーあたり980円からという価格と、販売代理店が期限付きで掲載していた価格表だけになります。どの金額がいつの・誰の情報なのかを仕分けしたうえで、見積りを取るときに何を聞けばよいかまでを並べていきます。
法人GAIとは何か|提供元と、名前が指しているもの
法人GAIは、株式会社ギブリーが提供している法人向けの生成AIプラットフォームです。公式の製品ページでは、自社データとの連携ができる法人向けChatGPT活用プラットフォームと説明されています。
社員が個人のアカウントでChatGPTを使う形とは違い、会社が1つの契約を結んだうえで、社員にアカウントを配る形をとります。入力した内容が大規模言語モデルの学習に使用されないことが公式ページに明記されており、管理者は誰がどれだけ使っているかを画面で確認できます。
ところが、料金を調べようとすると最初に引っかかるのが名前の問題になります。法人GAIと名前のよく似た製品が、別の会社からも出ています。先に3つの名前をほどいてから、金額の話に入っていきましょう。
提供元の株式会社ギブリー
提供元は株式会社ギブリー(東京都渋谷区南平台町、設立2009年4月28日、代表取締役社長 井手高志)になります。事業ブランドはMANAで、製品の情報はブランドサイトのgomana.aiにまとまっています。法人GAIのほかに、営業GAI・ヘルプデスクGAI・マーケGAI・行政GAIといった製品が、同じ製品一覧に並んでいます。
会社の名前とブランドの名前が別なので、検索で情報がばらけます。givery.co.jpのニュースリリースと、gomana.aiの製品ページ、この2か所が一次情報の置き場になりますので、料金の裏を取るときはこの2つを開いてみてください。
検索すると混ざる3つの名前(法人GAI・ビジネスGAI・行政GAI)
法人GAIの料金を調べると、検索結果にビジネスGAIと行政GAIが混ざってきます。名前は似ていても、提供している会社も、対象としている相手も違います。
| 名前 | 提供している会社 | 提供開始 | その後の動き |
|---|---|---|---|
| 法人GAI | 株式会社ギブリー | 2023年3月24日に法人GPTとして発表、同年4月4日に正式リリース | 2023年4月25日に法人GAI Powered by GPT-4へ改称 |
| ビジネスGAI | 株式会社Algomatic(DMMグループ) | 2023年5月16日 | 2023年8月にシゴラクAIへ改称 |
| 行政GAI | 株式会社ギブリー | 公式の発表日は確認できていません | 行政機関向けの製品として、公式の製品一覧に掲載 |
価格の話でいちばん紛れやすいのが、ビジネスGAIの1ユーザー980円(税込1,078円)からという金額です。法人GAIの前身である法人GPTの2023年3月の発表にも1ユーザーあたり980円からという記載があるため、よく似た数字が2つの製品で見つかります。どちらの980円を見ているのかは、出典のURLで確かめてみてください。
料金は公式には非公開です|初期費用も月額も要問い合わせ
2026年9月20日時点で、提供元の公式サイトに法人GAIの料金は掲載されていません。製品ページにある導線は、資料請求とお問い合わせの2つだけになります。
比較メディアやレビューサイトを開いても、金額の欄は埋まっていません。AIsmileyの製品ページは利用料金も初期費用もお問合せください、ITreviewの価格タブは価格情報は現在調査中です、デジタル化の窓口は初期費用も月額利用料金も要相談という表示になっています。
いまの法人GAIの金額を、公開情報だけで知る方法はありません。それでも、過去に公開された金額と、費用がどう積み上がるかの構造は残っています。ここから先は、その残っている材料を1つずつ仕分けしていきます。
公開されている金額を並べると、次の5行になります。公式の一次情報で金額が出ているのは1行目だけで、実額の価格表があるのは2行目の販売代理店の告知に限られます。
| 金額 | 出典 | 公式か代理店か | いつの情報か | 現在も有効か |
|---|---|---|---|---|
| 1ユーザーあたり980円から | givery.co.jp/news/n20230324/ | 公式(提供元のプレスリリース) | 2023年3月24日 | 旧名称 法人GPT の先行予約時点の料金体系。現在の公式サイトにこの金額の記載はありません |
| 月額10,000円から/年額120,000円・360,000円・600,000円・1,200,000円 | www.mecom.jp/archives/2072 | 販売代理店(株式会社メコム)の告知 | 掲載は2025年1月7日 | キャンペーンの期限は2025年3月31日で、すでに過ぎています |
| 実額なし(初期費用+プラットフォーム利用料+ライセンス) | iguazu-sol.jp の参考価格欄 | ディストリビューター(イグアス) | 2026年9月20日に取得(更新日の表記なし) | 費用の構造だけが公開されています |
| 要問い合わせ/要相談 | aismiley.co.jp、digi-mado.jp | 比較メディア | AIsmileyは2026年9月20日に取得、デジタル化の窓口は2026年6月29日が最終更新 | 金額の記載はありません |
| 価格情報は現在調査中です | itreview.jp の価格タブ | レビューサイト | 2025年1月16日 | 金額の記載はありません |
※上記はいずれも2026年9月20日に各ページを開いて確認した内容です。公式サイトに記載のない金額は、推測で埋めずに「記載なし」としています。
仕分けの結論:法人GAIの金額として引用できるのは、①2023年3月の発表時点の1ユーザー980円から ②販売代理店が2025年1月に掲載した年額の価格表(期限は2025年3月31日) ③ディストリビューターが書いている3層の費用構造、の3つだけになります。いずれも現在の公式価格ではありませんので、社内の稟議に載せるときは出典と日付を必ず添えます。
法人GPT・法人GAI・MANAの関係|名前が分かれている理由
法人GAIの情報が読みづらいのは、製品名と事業ブランドが別々に動いてきたためです。製品名が変わったのは2023年4月25日の1回で、MANAは法人GAIなどを包括する事業ブランドの名前になります。2023年3月の発表から2026年1月までの動きを、日付と出典で並べていきます。
| 日付 | できごと | 出典 |
|---|---|---|
| 2023年3月24日 | 法人GPTを1ユーザーあたり980円からで発表。同日から先行予約の受付を開始 | givery.co.jp/news/n20230324/ |
| 2023年4月4日 | 法人GPTを正式リリース | givery.co.jp/news/n20230404001/ |
| 2023年4月25日 | 法人GPTから法人GAI Powered by GPT-4へ改称 | 同上(記事冒頭の公式注記) |
| 2023年10月24日 | 法人GAIなどを包括する事業ブランドMANAを立ち上げ。ブランドサイトはgomana.ai | givery.co.jp/news/n20231024_1/ |
| 2024年12月23日 | MANA Studioをリリース。第一弾としてMANA AI Chatを提供開始 | gomana.ai/news/241223/ |
| 2025年4月23日 | MANA StudioでAIエージェントのMANA Buddyを提供開始 | gomana.ai/news/ |
| 2026年1月5日 | MANA StudioでWeb会議を支援するMANA Meetingを提供開始 | gomana.ai/news/ |
表を見ると、法人GAIという製品名が登場したのは2023年4月25日からだと分かります。それより前に書かれた記事は法人GPTという名前を使っているため、980円という金額も法人GPTの時点のものになります。
いまの提供状況は、2つの事実を並べて読みます
現在の提供状況については、公式サイトに2つの事実が並んでいます。どちらも2026年9月20日に確認したものです。
- 公式の製品一覧 gomana.ai/product/ には、営業GAI・ヘルプデスクGAI・マーケGAI・行政GAIと並んで、法人GAIが今も掲載されています。パートナープログラムのページでも、法人GAI・行政GAIという名前が使われています
- 一方で、公式ブランドサイトの製品ナビに並ぶのはMANA Studio(MANA AI Chat/MANA Buddy)で、法人GAI名義の新しい発表は2024年5月16日が最後です。それ以降のモデル追加は、MANA StudioまたはMANA AI Chatの名義になっています
提供を終了したという公式の告知も、継続しているという告知も見つかりません。両方の事実を並べたうえで、新規の申し込みを受け付けているかどうかは、問い合わせのときに直接ご確認ください。
公開されている金額を、出典ごとに読む
金額を読むときは、誰が出した情報かを先に見ます。公式なのか代理店なのかで、確かめに行く相手も変わってきます。
1ユーザー980円から始まった課金の形(2023年3月の発表時点)
公式の一次情報で金額が出ているのは、2023年3月24日のプレスリリース1件だけです。ここで示されたのは1ユーザーあたり980円からという料金体系になります。当時の製品名は法人GPTでした。
課金の単位が1人あたりだったことは、費用の増え方を考えるうえで手がかりになります。人数に比例して増える形であれば、社員が増えるほど総額が上がっていきます。ただし、この金額をそのまま今の見積りの目安にはできません。2023年3月の発表を最後に、公式サイトに単価が掲載されていない状態が続いています。
同じ発表のなかでは、導入支援プログラムの案内も製品とは別に置かれていました。月額の単価だけを見て総額を組むと、支援の費用が抜け落ちてしまいます。
実額の価格表は販売代理店の告知だけ(期限は2025年3月31日)
実際の金額が並んだ価格表を出しているのは、販売代理店の株式会社メコムが2025年1月7日に掲載した告知になります。IT導入補助金の対象となる中小企業向けのキャンペーンという位置づけで、キャンペーンの期限は2025年3月31日と書かれています。
| 年間の文字数 | 年額 | 告知に書かれたおすすめ人数 |
|---|---|---|
| 2,400万文字 | 120,000円 | 10〜30名 |
| 7,200万文字 | 360,000円 | 30〜50名 |
| 12,000万文字 | 600,000円 | 50〜100名 |
| 24,000万文字 | 1,200,000円 | 100名〜 |
オプションと契約条件も、同じ告知に書かれていました。オプションは追加400万文字が20,000円/式、自社データ連携が75,000円/月、音声データ連携(100時間/月)が50,000円/月です。条件としては、最低契約期間が12か月、申し込みに独自ドメインのメールアドレスが必要、gpt-4o-miniを使ったときは文字数を1/5で換算する、という3点が挙げられています。
月額の表示は10,000円からで、年額の最小プランである120,000円を12で割った金額と一致します。人数ではなく年間の文字数でプランが分かれている点が、1ユーザー980円という形との大きな違いになります。
この価格表はキャンペーンの告知で、期限の2025年3月31日はすでに過ぎています。現在も同じ条件で契約できるかどうかは確認が取れていませんので、金額の幅をつかむ材料として読んでみてください。
ディストリビューターが書いている費用の3層構造
イグアスの製品ページには実額がなく、参考価格の欄に費用の構造だけが書かれています。内訳は初期費用・プラットフォーム利用料・ライセンスの3つに分かれ、詳細は問い合わせという案内が添えられます。
金額が分からなくても、この3層は見積書を読むときの目印になります。見積りを受け取ったら、まず3つのどれに当たる費用なのかを行ごとに分けてみましょう。
課金の単位を、同じ年額に直して並べる
比べにくさの正体は、課金の単位がそろっていない点にあります。1人あたりいくらという形と、年間の文字数で決まる形と、会社単位の定額では、金額の増え方がまったく違ってきます。
そこで、3つの形を同じ年額に直してみます。1人あたりの単価は2023年3月の発表時点の980円を使い、人数と12か月を単純に掛けた目安として並べています。
| 課金の形 | 10名 | 30名 | 50名 | 100名 |
|---|---|---|---|---|
| 1人あたり月980円 (2023年発表時点の単価で単純に掛けた場合の目安) | 117,600円 | 352,800円 | 588,000円 | 1,176,000円 |
| 年間の文字数で決まるプラン (販売代理店の告知・おすすめ人数で読んだ場合) | 120,000円 (2,400万文字) | 360,000円 (7,200万文字) | 600,000円 (12,000万文字) | 1,200,000円 (24,000万文字) |
| 会社単位の定額 (UPGEAR AI・公式ページの人数の目安で読んだ場合) | 600,000円 (月50,000円) | 1,200,000円 (月100,000円) | 1,200,000円 (月100,000円) | 目安の記載なし (要相談) |
※1人あたり980円は2023年3月の発表時点の単価で、現在の価格ではありません。980円×人数×12か月は、当時の単価で単純に掛けた場合の目安としてご覧ください。年間の文字数で決まるプランの金額は販売代理店の告知にある表示で、キャンペーンの期限は2025年3月31日です。人数の境目(30名・50名・100名)は、上の帯のプランで読んでいます。会社単位の定額はUPGEAR AIの公式ページに掲載されているプラン料金(税抜)と人数の目安で計算したもので、初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。金額はいずれも2026年9月20日に確認したものです。1ユーザー980円と年額プランの金額には、出典に税の表記がありません。税抜と税込のどちらかは、見積りのときにあわせてご確認ください。
同じ年額に直すと、増え方の違いがはっきりしてきます。1人あたりの課金は人数に正比例して上がり、100名のところで1,176,000円まで伸びます。年間の文字数で決まるプランは人数ではなく使用量で段が上がり、会社単位の定額も、人数ではなく利用量に応じてプランが分かれる形になります(プランごとに人数の目安が添えられています)。
面白いのは、代理店の年額プランを、告知に書かれたおすすめ人数の下限で割ったときの数字です。120,000円を10名と12か月で割ると1人あたり月1,000円、360,000円を30名で割っても月1,000円、600,000円を50名でも、1,200,000円を100名でも、同じ月1,000円になります。文字数で売っているように見えて、下限の人数では1人あたり月1,000円前後という設計だと読み取れます。
逆に、同じプランのまま人数を上限まで増やすと、1人あたりは下がっていきます。120,000円を30名で割れば1人あたり月333円、360,000円を50名で割れば月600円という計算です。文字数で買う形は、同じ量を多人数で分け合うほど1人あたりが下がります。
金額そのものより先に、自社がどの形で買うのかを決めるほうが早く進みます。人数が増える予定があるのか、使う量のほうが読めるのかで、選ぶべき形が変わってきます。
どの形を選ぶにしても、見積りが返ってくるまで金額が分からない状態は変わりません。待っている間にできるのは、社内で使う環境の形を先に決めてしまうことになります。
課金の単位が違うサービスを見比べるときは、会社として使う環境の形を先に決めると迷いません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
1万文字あたりの単価に直すと、比べる軸が1つになります
人数でも使用量でもない、共通の物差しがあると比べやすくなります。年間の文字数で決まるプランは、1万文字あたりいくらに直せます。
以下の単価は、販売代理店の株式会社メコムが2025年1月7日に掲載した価格表(キャンペーンの期限は2025年3月31日)の金額を直したものです。年額120,000円で2,400万文字なら、1文字あたり0.005円、1万文字あたり50円になります。同じように計算すると、360,000円で7,200万文字、600,000円で12,000万文字、1,200,000円で24,000万文字は、いずれも1万文字あたり50円でそろいます。
| プラン | 年額 | 年間の文字数 | 1万文字あたりの単価 |
|---|---|---|---|
| 年額プラン1 | 120,000円 | 2,400万文字 | 50円 |
| 年額プラン2 | 360,000円 | 7,200万文字 | 50円 |
| 年額プラン3 | 600,000円 | 12,000万文字 | 50円 |
| 年額プラン4 | 1,200,000円 | 24,000万文字 | 50円 |
| 追加400万文字(オプション) | 20,000円/式 | 400万文字 | 50円 |
※上の表の金額は販売代理店の告知にある表示で、公式の価格ではありません。キャンペーンの期限は2025年3月31日で、すでに過ぎています。
4つのプランと追加分の単価は、いずれも1万文字あたり50円でそろっています。段が上がっても単価が下がらない設計になっているため、この告知の価格表では、まとめ買いによる割安さは出てきません。上のプランを選ぶ理由は、単価の安さではなく上限の高さのほうです。
では、自社は年間で何文字使うのかという話になります。2,400万文字を12か月で割ると月に200万文字になり、10名で分けると1人あたり月20万文字です。この数字を先に出しておけば、文字数で決まるプランも人数で決まるプランも、同じ土俵に乗せられます。
実際の使用量は、いまの社内の作業から逆算できます。1人が1日にAIへ投げる文章と受け取る文章を合わせて1万文字と置き、20営業日で月20万文字、これに人数と12か月を掛けると年間の総量が出ます。10名なら2,400万文字となり、代理店の告知にあった最小プランとちょうど重なります。
この見積もり方であれば、1人あたりの課金でも、文字数のプランでも、会社単位の定額でも、同じ前提で金額を並べられます。プランの名前ではなく、使う量のほうで比べてみてください。
社内で使う量をどう見積もり、どう抑えていくかという話は生成AIのコスト管理でも扱っています。
法人GAIでできること|料金に効く機能とオプション
機能そのものより、どの機能が別料金になるのかが見積りに効いてきます。公式の製品ページに書かれている機能と、代理店の価格表でオプションとして並んでいた項目を、突き合わせて見ていきます。
自社データ連携(RAG)で社内文書を読ませる
自社データ連携は、社内の文書を読み込ませて、その内容を踏まえた回答を返す仕組みになります。RAG(検索拡張生成)と呼ばれる方式で、就業規則や商品資料を読ませておけば、新人からの質問にも社内の決まりに沿って返せます。
代理店の価格表では、自社データ連携は月75,000円のオプションでした。年額の最小プラン120,000円に、12か月分の900,000円が乗る形になり、本体より大きな金額になる組み合わせもあります。
見積りを取るときは、RAGが基本料金に含まれるのか、別料金なのかを必ず分けて聞いてみてください。
100以上のプロンプトテンプレートで、指示文が書けなくても使える
公式の製品ページには、100以上のプロンプトテンプレートが用意されていると書かれています。プロンプトは、AIに出す指示文のことです。全社員向け・営業向け・マーケティング向け・人事向けといった職種ごとのひな形が並び、指示文の書き方を覚えていない方でも、選ぶだけで使い始められます。
代理店の価格表には、プロンプトレシピ管理という項目が、キャンペーンで0円と書かれていました。通常は月50,000円という表示が添えられており、テンプレートを会社として管理する部分が別料金だった時期があると読めます。
音声・動画の文字起こしと要約
公式ページには、音声・動画の自動文字起こしと要約ができると書かれています。会議の録音や動画ファイルをそのまま読み込ませ、議事録の下書きを作る使い方になります。
代理店の価格表では、音声データ連携(100時間/月)が月50,000円のオプションでした。ただし告知には、この音声データ連携を使うには自社データ連携オプション(月75,000円)の契約が必要と書かれています。両方を1年続ける前提なら、年額1,500,000円が本体とは別に乗ってきます。
入力データは学習に使われず、機密情報はマスキングされる
公式の製品ページには、利用されたデータは大規模言語モデルの学習に使用されないと明記されています。個人情報や機密情報のマスキング処理も、機能として挙がります。
製品ページに掲げられているのは、ISO 27001(JP24/0000005)とISO 27017(JP24/00000201)になります。認証を取得しているのは株式会社ギブリーで、会社情報ページによればISO 27001の登録範囲に法人GAIの開発・保守・運用が、ISO 27017の登録範囲に法人GAIの提供とAzureおよびOpenAI APIの利用が挙げられています。基盤として名前が出ているのもChatGPTとAzure OpenAI Serviceで、ClaudeやGeminiへの対応は公式ページに記載が見当たりません。
複数のAIを使い分けたい場合は、対応しているモデルの一覧を見積りの前に確認します。あとから増やせるのか、増やすと金額が変わるのかまで聞いておくと、比較の土台がそろいます。
アカウント管理と利用状況のダッシュボード
管理者向けには、アカウントの発行と、利用状況を見るダッシュボードが用意されています。誰がどれだけ使っているかを把握できる仕組みで、社内に広げるときの土台になります。
年間の文字数でプランが決まる契約では、この画面が上限管理そのものになってしまいます。上限に近づいたときに通知が来るのか、超えたら止まるのか、それとも追加で請求されるのかは、契約前に必ず確かめておきましょう。
導入支援・研修・コンサルティングは別のサービス
公式の製品ページには、プロフェッショナルサービスという欄が別に設けられています。2023年3月の発表でも、導入支援プログラムが製品とは分けて案内されていました。
ディストリビューターが書いている初期費用は、この導入支援にあたる部分と重なる可能性があります。見積書の初期費用が何の作業を指しているのかは、項目名ではなく作業の中身で聞くほうが確実です。
導入事例から規模が合うかを読む|効果は載っても人数は載っていない
公式ページに並ぶ導入事例は、社名と効果までは読めても、契約人数は書かれていない形になります。2024年5月16日の公式ニュースでは、清水建設が全従業員向けに法人GAIを導入し、利用を開始したと発表されています。
このニュースには、採用理由として営業やカスタマーサービスの信頼性、価格面が決め手という記載があります。ただし、契約人数も金額も書かれていません。ほかに公式ページへ名前が挙がっているのは、三菱商事マシナリ・豊島・駒澤大学・山陰合同銀行・東北大学・インクルード・タクトシステムの各社です。
公式の導入事例に従業員数は書かれていないため、自社と同じ規模で使えているかは公開情報だけでは分かりません。社員10〜200名の規模でどう使われているかは、資料請求や商談の場で直接聞くことになります。
全従業員向けに配る導入の仕方は、1人あたりの課金だと総額が大きく膨らみます。自社と同じ規模の事例を出してもらえるかどうかは、見積りを依頼するときにあわせて聞いてみましょう。
規模が合うかを見るときは、導入した会社の従業員数と、全員に配ったのか一部に配ったのかの2つを聞きます。全員に配った事例しか出てこない場合、費用の前提が自社とずれたままになってしまいます。
導入した会社は、アカウントを全員に配っていたか
提供元のサイトには導入企業へのインタビュー記事もあり、山陰合同銀行とインクルードの2本は効果を数字で載せています(2026年10月16日時点)。
効果の数字は提供元の記事に載っている各社の声で、外部の機関が測ったものではありません。山陰合同銀行は2023年6月の導入で、丸1日かかっていたアンケートの分析が30分で終わるようになったと紹介されています。インクルードの記事では、社内への指示文書やメールマガジンなどを、従来の10分の1ほどの時間で作れるようになったとあります。
料金の目で読むと、気になるのは配り方のほうです。山陰合同銀行は各部署から関心のある行員を募って優先的にアカウントを渡し、インクルードはITに詳しい社員を中心に配ったと書かれています。どちらの記事も、金額や契約人数には触れていません。
全従業員向けに導入した清水建設と、一部の社員から始めた2社とでは、見積りの前提がそもそも違います。見積りを頼むときは、少ない人数で始めた場合の費用と、途中で人数を増やすときの単価や手続きを聞いておくと比べやすくなります。
見積書を受け取ったときの確認項目
料金が公開されていないサービスでは、見積書が唯一の一次情報になります。受け取ったら、次の7つを1つずつ確かめてみてください。
- 費用は3層に分かれているか初期費用・プラットフォーム利用料・ライセンスのどれに当たる費用なのかを、行ごとに分けてもらいます。イグアスの参考価格欄が示しているのがこの3層です。
- 上限を超えたら停止か、追加請求か文字数や利用量の上限に達したときに止まるのか、追加で請求されるのかを、金額つきで書いてもらいます。ここが曖昧なままだと、年度の途中で予算が動きます。
- 最低契約期間は何か月か代理店の告知では12か月と書かれていました。途中で解約したときの扱いと、残りの期間の支払い義務まで確認します。
- 申し込みに独自ドメインのメールアドレスが要るか代理店の告知には必要と書かれていました。会社のドメインをまだ持っていない場合の取り扱いも、あわせて聞いておきます。
- 自社データ連携(RAG)は別料金か代理店の価格表では月75,000円のオプションでした。基本料金に含まれるかどうかで、年額が900,000円分動きます。
- 音声の文字起こしは別料金か代理店の価格表では100時間/月で月50,000円でした。この告知では、音声データ連携の利用に自社データ連携オプション(月75,000円)の契約が必要と書かれていましたので、2つをまとめて見積もってもらいます。
- 軽量モデルを使うと文字数の数え方が変わるか代理店の告知では、gpt-4o-mini利用時は文字数を1/5で換算すると書かれていました。どのモデルがどの換算になるのかを、一覧でもらっておきます。
この7つは、どれも契約してからでは変えにくい部分になります。特に上限の扱いと最低契約期間は、後から交渉しにくい項目です。
見積書に3層の内訳がない場合は、内訳を出してもらってから比べます。総額だけが並んだ見積書は、他社と横に置いたときに何が違うのか読み取れません。
料金が非公開のサービスを、同じ条件で比べる手順
非公開のサービスを複数検討するときは、こちらから条件をそろえて渡す方法が効きます。同じ1枚を各社に同時に渡せば、返ってきた見積りをそのまま横に並べられます。
渡す1枚に書いておく項目は、次のとおりです。A4で1枚に収まる分量で足ります。
- 利用する人数(現在の人数と、1年後の見込み)
- 月間の想定文字数(1人1日あたりの文字数×営業日×人数で計算した数字と、その計算式)
- 自社データ連携(RAG)の要否と、読ませたい文書の種類・おおよその件数
- 音声・動画の文字起こしの要否と、月あたりの時間数
- 使いたいモデルの名前(ChatGPT系だけでよいのか、複数のAIを使い分けたいのか)
- 管理者が必要とする機能(アカウントの発行と停止、利用状況の確認)
- 契約の希望(契約期間、支払い方法、開始したい時期)
- 回答の期限と、回答してほしい形式(初期費用・月額・オプションを行で分けた見積書)
この1枚があると、各社の営業担当が前提を置き換えることがなくなります。人数だけを伝えると1人あたりの単価で返ってきて、使用量だけを伝えると文字数のプランで返ってきますので、両方を同じ紙に書いておきます。
そろえる順番:先に人数と月間文字数の2つだけを決めてしまい、そのあとでRAGと音声の要否を足していくと、各社への依頼文が1日で書けます。逆に機能の要望から書き始めると、各社が違う前提で見積りを作るため、返ってきた紙を横に並べられなくなってしまいます。
返ってきた見積りは、年額に直してから並べてみてください。月額と年額が混ざったまま比べると、最低契約期間の違いが見えなくなってしまいます。
複数のAIを1つの環境でまとめて使う形との比べ方はマルチAIとはに、ChatGPTを法人契約した場合の金額はChatGPTの法人プランの料金にまとめてあります。公開されている金額と、問い合わせないと分からない金額が分かれているもう1つの例は、F&M One GeNNectの料金で整理しています。
補助金は、現在の制度名で確かめます
法人GAIは、2023年9月7日にIT導入補助金2023の対象ITツールとして採択されたと、公式ニュースで告知されています。導入・利用費の最大50%を補助金として申請できる、という案内でした。
ただし、これは2023年度の話になります。2026年度の制度名は、デジタル化・AI導入補助金2026に変わっています。2026年度の対象ITツールに登録されているかどうかは、公式のITツール検索でご自身で確かめる必要があります。
確かめる手順は次のとおりです。中小企業基盤整備機構のサイト(it-shien.smrj.go.jp)を開き、ITツール検索に製品名を入れて、登録の有無と枠を見ます。登録があれば、次に補助率と上限額、申請の締切日まで確認していきます。
補助金は、申請してから交付が決まるまでに時間がかかります。導入の時期を補助金に合わせるのか、先に導入して次の公募を待つのかは、見積りと一緒に決めていきましょう。
※IT導入補助金2023の採択は、提供元の2023年9月7日の公式ニュースで確認した内容です。2026年度のデジタル化・AI導入補助金2026について、法人GAIが対象ITツールに登録されているかどうかは確認できていません。制度名は2026年9月20日に中小企業基盤整備機構のサイトで確認しています。
他のサービスと横に並べるときに見る3つのこと
料金の公開状況がサービスごとに違うため、横に並べるときは列を絞ると読みやすくなります。金額そのものより、料金が公開されているかと、課金の単位がそろっているかを先に見ます。
| サービス | 料金が公開されているか | 課金の単位 | 公開されている金額 |
|---|---|---|---|
| 法人GAI (公式・2026年9月20日時点) | 公開されていません | 公式サイトに記載がありません | なし(導線は資料請求と問い合わせ) |
| 法人GAI (2023年3月の発表時点) | 公開されていました | 1人あたり | 1ユーザーあたり980円から |
| 法人GAI (販売代理店の告知・2025年1月) | 公開されていました | 年間の文字数 | 月額10,000円から/年額120,000円〜1,200,000円(期限は2025年3月31日) |
同じ製品でも、いつの情報かで料金の見え方が変わります。比較表を作るときは、金額の横に確認日と出典のURLを必ず添えます。日付のない比較表は、社内の議論の土台になりません。
国内の法人向け生成AIサービスを横並びにした一覧は法人向け生成AI 38サービスの料金比較にまとめており、法人GAIもこの一覧に入っています。料金を公開しているサービスと非公開のサービスが混ざっている状況も、そちらで確認できます。
よくある質問
料金について寄せられやすい質問を、出典と日付つきでまとめました。
法人GAIの料金はいくらですか?
1ユーザー980円という金額は、今も使えますか?
法人GAIは現在も提供されているのですか?
ビジネスGAIと法人GAIは同じものですか?
社員30名の会社だと、年間でいくらくらいになりますか?
法人GAIは補助金の対象になりますか?
まとめ
法人GAIの料金は、2026年9月20日時点で公式には非公開です。分からないまま終わらせないために、公開されている金額を、公式か代理店か・いつの情報か・現在も有効かの3点で仕分けしてきました。
- 公式の一次情報で金額が出ているのは、2023年3月24日のプレスリリースにある1ユーザーあたり980円からだけです。旧名称の法人GPTの時点の料金体系で、現在の価格ではありません
- 実額の価格表は、販売代理店が2025年1月7日に掲載した告知に限られます。年額120,000円から1,200,000円までの4段で、キャンペーンの期限2025年3月31日はすでに過ぎています
- 費用の構造は、初期費用・プラットフォーム利用料・ライセンスの3層です。見積書はこの3層に分けてもらうと、他社と横に並べられます
- 名前が法人GPT・法人GAI・MANA Studioと変わってきたため、検索で出てくる情報は時点がばらばらになっています。別会社のビジネスGAIも混ざります
- 2026年度の補助金は、デジタル化・AI導入補助金2026という制度名で、対象かどうかは公式のITツール検索で確かめます
手を動かすところは、人数と月間の想定文字数を書いた1枚を作るところになります。1人1日1万文字という置き方で構いませんので、計算式ごと紙に残しておきましょう。
その1枚を各社に同時に渡せば、非公開のサービスどうしでも同じ前提の見積りが並びます。あとは年額に直して、初期費用・利用料・ライセンス・オプションの行ごとに比べていきます。
※出典(いずれも2026年9月20日に確認)。提供元公式:法人GAI 製品ページ https://gomana.ai/product/hojin-gai/ /製品一覧 https://gomana.ai/product/ /ニュース一覧 https://gomana.ai/news/ /MANA Studio リリース https://gomana.ai/news/241223/ /法人GPT 発表 https://givery.co.jp/news/n20230324/ /正式リリースと改称の注記 https://givery.co.jp/news/n20230404001/ /事業ブランドMANA https://givery.co.jp/news/n20231024_1/ /IT導入補助金2023 採択 https://givery.co.jp/news/20230907_1/ /清水建設の導入 https://givery.co.jp/news/20240516_1/ 。販売代理店:株式会社メコムの告知 https://www.mecom.jp/archives/2072 (掲載2025年1月7日)。ディストリビューター:イグアス https://www.iguazu-sol.jp/solutions/s02/c0201/hojingpt /SB C&S IT-EXchange https://www.it-ex.com/products/maker/givery/hojingai.html 。比較・レビュー:AIsmiley https://aismiley.co.jp/product/givery_hojin-gai/ /ITreview https://www.itreview.jp/products/generative-ai-utilization-consultant-givery/price /デジタル化の窓口 https://digi-mado.jp/products/12b09558-1e4f-41d9-94e6-05e02f785ff9/ 。別製品:ビジネスGAI https://dmm-corp.com/press/service/2758/ /シゴラクAIへの改称 https://dmm-corp.com/press/service/3061/ 。認証の登録範囲:株式会社ギブリー 会社情報 https://givery.co.jp/company/ 。補助金の制度名:中小企業基盤整備機構 https://it-shien.smrj.go.jp/ 。
課金の単位で迷わない、会社単位の生成AI環境
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