Alli LLM App Marketの料金。月30万円からに含まれるものと比較の進め方

Alli LLM App Marketとは、Allganize Japan株式会社が提供する、生成AIアプリとAIエージェントを会社で使うための法人向けサービスです。公開情報を見る限り、料金は初期費用30万円+月額30万円〜となり、人数ごとの席代ではなく利用価値をもとに見る料金体系になります。金額だけで高い・安いを決めてしまう前に、何が含まれていて、何人で使うと会社の出費がどう見えるのかをそろえておくと、ぐっと比べやすくなるでしょう。税込か税別か、利用形態でどう変わるのかは公開されている欄からは読み切れないので、見積もりの前に確かめるつもりで読み進めてみてください。

Alli LLM App Marketの料金は初期30万円+月額30万円〜です

Alli LLM App Marketの料金は、まず初期費用と月額の最低額を分けて見るところから始めると分かりやすくなります。

Allganize公式の製品ページでは、Alli LLM App Marketのライセンス料として、初期費用30万円+月額30万円〜と案内されています。税込か税別かの記載は見当たらないため、ここでは税を足さず、公式ページに出ている金額のまま扱っていきます。月額には「〜」が付いていますので、30万円はあくまで最低額という扱いです。どこまで上がるのか、プランの段階があるのかは、個別の見積もりで確かめる必要があります。

会社の出費に直してみると、1年目は初期費用30万円+月額30万円×12か月で390万円となります。2年目以降も月額30万円のままなら、年間の支払いは360万円です。短く試す場合でも、料金欄にある最短2か月で計算すると、初期費用30万円+月額30万円×2か月で90万円かかってしまいます。まずはこの3つの数字を書き出して、社内の予算感と照らし合わせてみてください。

税を勝手に足さず、公開されている30万円という数字のまま見積もりを始めるのがよいでしょう。

料金欄とFAQで、契約期間の書き方が少し違う点も見落としたくないところです。料金欄には最短2ヶ月から契約でき、1ヶ月のPoCプランがあると書かれています。一方でFAQには、1ヵ月単位から契約できるという説明があります。どちらも公式ページの記載ですので、契約の前に、自社が申し込むプランの最低期間はどちらなのか、PoCから本契約へ移るときに費用がどうつながるのかを聞いておきましょう。

※料金と仕様は2026年10月3日にAllganize公式ページで確認した内容です。税込・税別の記載がないため、税額を足した試算はしていません。

月額30万円〜という数字だけを見ると、人数課金の生成AIサービスより大きく見える方もいるでしょう。ただ、Alli LLM App Marketはユーザー数無制限、利用人数に関係なく定額と案内されています。比べるときは、月額30万円を単価のように見るのではなく、何人で使うのか、何が一緒に付いてくるのかをそろえてから見る必要があります。

たとえば10名で使うなら、月額30万円を10名で割って1人あたり月3万円になります。100名で使うなら1人あたり月3,000円、500名で使うなら1人あたり月600円です。これは最低月額だけを人数で割った見方となり、実際の見積もりが30万円で止まるという意味ではありません。それでも、人数が増えたときにどう見えるかをつかむ最初のものさしとして使うことができます。

反対に、少人数だけで使う会社では割高に見えやすくなります。5名で月額30万円なら1人あたり月6万円となり、10名のときの2倍です。料金表を見た段階で高いと決めるより、実際に何名へ渡すのか、全社で使うのか、特定部門だけで使うのかを先に決めましょう。

稟議で説明する方は、月額を人数で割った表と、年間の総額を並べて出すと伝わりやすくなります。たとえば最低額のまま20名で1年間使う前提なら、1人あたり月15,000円に見えますが、会社の初年度支払いは390万円です。100名なら1人あたり月3,000円に下がりますが、会社の支払いは同じく初年度390万円となります。人数割りの見え方だけで承認を取ろうとすると、あとから使う部門が少なかったときに、説明が苦しくなってしまいます。

そこで料金の比較表には、人数割りの列とは別に、どの業務で使うかの列も作ってみてください。社内規程の問い合わせ、提案前の調査、議事録の整理、契約書の下読みなど、使う場面を具体的に入れておくと、費用がただのAI代ではなく、業務を支える土台の費用として見えてきます。利用人数が多くても、使う場面が曖昧なら支払いの理由は弱くなってしまいます。

もう1つ、初期費用30万円の扱いも分けて見ましょう。初年度だけにかかる費用ですので、2年目以降の比較に混ぜてしまうと判断がぶれやすくなります。1年目は390万円、2年目以降は360万円と2行に分けて書き、初年度に何を立ち上げるのかを添えて説明してみてください。PoCから本番へ進む場合も、試す期間の費用と本番の費用を同じ行に入れないほうが見やすくなります。

月30万円〜に含まれるもの|標準アプリ・RAG・AIエージェント

月30万円〜に含まれるものは、生成AIの席だけではなく、標準アプリ、社内文書回答、AIエージェント作成、標準サポートまでをまとめた枠になります。

公式ページの料金欄には、含まれるものとして7つの項目が並んでいます。100種類以上のプロンプト・アプリ・AIエージェントが使い放題、社内文書対応Deep Research、図表対応の高精度独自RAG、最新LLMの自由な選択(GPT・Gemini・Claudeなど)、ノーコードでのアプリやAIエージェントの開発・改修機能、管理機能・セキュリティ、専任カスタマーサクセスによる標準サポートです。単体のチャットサービスと比べるときに、この中身を抜きにしてしまうと、比べ方そのものがずれてしまいます。

100種類以上の業務アプリ・AIエージェント標準搭載に含まれるもの

最初から用意されたプロンプト、アプリ、AIエージェントを使える点は、Alli LLM App Marketの大きな特徴になります。社内で生成AIを入れたとき、最初につまずくのはモデルの性能よりも、社員の方が何を入力すればよいか分からないという点になりがちです。標準アプリがあれば、部署ごとにゼロから使い方を考える手間を減らすことができます。

たとえば営業部門なら提案前の調査、管理部門なら規程や社内文書の確認、企画部門なら調査メモの整理というように、業務の入口をアプリとして見せられます。現場の方に、まずは該当するアプリから触ってもらう形にすると、自由入力だけのチャットより始めやすくなるでしょう。

ただ、標準アプリが多いことと、自社の業務に合うことは別の話になります。見積もり前の相談では、100種類以上という数だけで終わらせず、自社の部署名を出して、どのアプリから使う想定になるかを聞いてみてください。その場で候補がすぐに挙がるようなら、PoCの設計も進めやすくなるでしょう。

ノーコードで自社用アプリ・エージェント作成

標準アプリだけで足りない場合に、自社用のアプリやAIエージェントをノーコードで作成・改修できる点も料金に含まれる項目です。ノーコードとは、プログラムを書かずに画面操作で設定する作り方になります。社内の担当者が、よく使う指示文や参照する資料を組み合わせて、自社向けの入口を作ることができます。

この機能を見るときは、誰が作るのかを先に決めると現実的になります。現場のリーダーが作るのか、情シスが作るのか、導入チームが一度作って各部署に配るのかで、必要な教育や承認の流れが変わります。ノーコードだから誰でもすぐ作れると見なすより、作成者と公開前の確認者を分けておくほうが落ち着いて運用できます。

よくある失敗は、最初からすべての業務をアプリにしようとしてしまうことです。まずは問い合わせが多い社内文書、よく繰り返す調査、定型の下書きなど、週に何度も出てくる作業から選びましょう。1つのアプリで作業が何分減ったかを測っておけば、月額の説明もしやすくなります。

独自RAGによる社内文書への高精度回答

RAGとは、社内文書など手元の資料を参照しながらAIに答えさせる仕組みのことです。Alli LLM App Marketの料金欄には、図表対応の高精度独自RAGと、社内文書対応Deep Researchが含まれるものとして並んでいます。社内文書を使った回答を重視する会社であれば、チャットの料金というより、社内の資料を活かすための土台の費用として見たほうがしっくりくるでしょう。

実際に検討する方は、どの文書を入れるかを先に棚卸ししてみてください。規程、マニュアル、提案資料、FAQ、議事録など、入れたい文書は多く出ます。ただ、最初から全部を入れると、どの回答がどの資料を根拠にしているのかを確認しにくくなります。PoCでは文書の種類を絞り、回答の正しさを人が見られる範囲にするほうが進めやすいでしょう。

RAGの価値は、資料を大量に入れることより、よく聞かれる質問に正しく返せる範囲を決めることにあります。

確かめておきたいのは、RAGがあるかどうかだけではありません。社内文書を誰が追加するのか、古い資料をどう外すのか、回答が違ったときに誰が直すのかまで決めて、はじめて運用と呼べるものになります。料金比較の表には出にくい部分ですが、ここを決めないと、せっかくのRAGが使われないまま残ってしまいます。

AIエージェント(Super Agent・Deep Research等)の扱い

AIエージェントとは、1回の質問に答えるだけでなく、調査や整理といった作業を決まった流れで進めてくれる機能のことです。公式ページの料金欄では、AIエージェントが使い放題の対象に含まれ、社内文書対応Deep Researchも並んでいます。Deep Researchのような調査系の機能を使う場合は、出力の質だけでなく、確認にかかる人の時間も合わせて見ましょう。

たとえば調査担当の方が1回2時間かけていた下調べを、AIエージェントの出力確認を含めて45分にできるなら、1回あたり75分の削減になります。この作業が月20回あるなら、月25時間の削減です。時給3,500円で計算すると、月87,500円分の時間になります。これは同社の公式試算と同じ時給前提を使った見方なので、実際の賃金や作業内容に合わせて置き直してください。

AIエージェントは便利に見える一方で、任せる範囲を広げすぎると確認の負担が増えます。最初は、調査の入口を集める、社内文書から候補を出す、会議前のたたき台を作るなど、最終判断を人がしやすい範囲にしましょう。何を自動化するかより、どこで人が確認するかを先に決めると失敗しにくくなります。

管理機能・セキュリティで確認する範囲

料金欄には、高度な管理機能・セキュリティも含まれるものとして書かれています。ここは機能の名前を細かく追いかけるより、自社として説明できるようにしておきたい範囲を決めるほうが、実際の運用には役立ちます。誰が利用できるのか、どのデータを入れてよいのか、ログや権限をどう扱うのかを、契約前に聞く項目としてまとめておきましょう。

生成AIを社員に配るときは、費用だけでなく、データがどこを通るのかも問われます。Alli LLM App Marketの公式ページには、日本リージョンに対応していること、オンプレミスやプライベートクラウドにも対応していることが書かれています。取引先からデータの扱いを聞かれる会社では、この説明を自社の言葉に直せるかが大事になります。

ここで気をつけたいのは、機能があると聞いただけで社内の不安が消えるわけではないことです。どの部署に何を許すか、入力してはいけない情報をどう周知するか、退職者や異動者をどう外すかまで決めてください。仕組みとルールを一緒に見ないと、便利な環境がかえって管理しにくくなってしまいます。

生成AIの社内ルールをまだ作っていない方は、生成AIの社内ガイドラインの作り方も合わせて見ると、料金の話と運用の話を分けて考えやすくなります。

含まれる機能を見積もりで確認するときは、使う順番も聞いてみてください。標準アプリから始めるのか、RAGを先に作るのか、AIエージェントの作成まで初月に触るのかで、現場にかかる負担が違います。全部を初月に並べると、担当者が説明しきれず、使う方も何から始めるか迷ってしまいます。

おすすめは、最初の1か月で標準アプリを触り、次に社内文書回答を試し、その後に自社用アプリを作る流れです。PoCが1か月なら、すべてを評価しようとせず、1つの部署で1つの業務を深く見たほうが判断しやすいでしょう。社内文書の回答精度を測るなら、質問を20個ほど用意し、回答を正しい、要修正、使えないの3つに分けるだけでも材料になります。

機能の数が多いサービスでは、比較する側が疲れてしまうことがあります。その場合は、含まれるものを3つに分けてください。1つ目は現場が毎日使う機能、2つ目は管理者が見る機能、3つ目は導入時に支援を受ける部分です。現場の機能ばかりを見ると管理の話が抜け、管理の話ばかりを見ると使う理由が弱くなります。3つに分けるだけで、社内の会議で話が散らかりにくくなるでしょう。

ユーザー数に依存しない課金体系の読み方

人数で料金が変わらない仕組みは、使う人数が多い会社ほど見え方が大きく変わってきます。

公式ページでは、ユーザー数無制限、利用人数に関係なく定額、利用人数が10名でも1,000名でも変わらない、という説明が出ています。同じページには、生成AIアプリやAIエージェントの利用価値に基づくバリューベースの料金体系という説明もあります。人数ごとの席代ではなく、会社で使う環境全体に対して費用を払う考え方になります。

この料金体系を読むときは、月額30万円を1人あたりに割り直すだけで終わらせないほうがよいでしょう。10名、100名、500名で割った数字は目安として役に立ちますが、会社が実際に払うのは月額の総額になります。予算の承認の場で聞かれるのは、1人あたりの月額よりも、初年度の390万円をどの業務の改善で説明するのかという点でしょう。

人数が増えるほど1人あたりは小さく見えますが、会社が払う初年度390万円は変わりません。

公式ページには同社の効果試算もあります。20名チームでは、月間120時間削減、月間目安約42万円のコスト削減、投資回収の目安は最短2〜3ヶ月とされています。100名規模では、月間600時間削減、月間目安約210万円、投資回収の目安は最短1〜2ヶ月です。どちらも時給3,500円で計算した同社自身の試算で、第三者が検証した数字ではない点には気をつけてください。

この試算を自社で使うなら、同じ式に置き換えるのがよいでしょう。削減時間×時給で月の削減額を出し、初期費用と月額に対して何か月で回収できるかを見ていきます。たとえば社内の対象業務で月80時間しか減らないなら、同じ時給3,500円でも月28万円です。これでは月額30万円に届かないため、標準アプリを使う場面を広げるか、対象の人数を増やすことを考える必要が出てきてしまいます。

見積もり時には、何人で始めるかだけでなく、何人まで広げる計画かも聞かれやすくなります。20名の部門導入で終わるのか、半年後に100名へ広げるのか、1,000名以上を見ているのかで、説明すべき効果が変わります。まず3か月後、6か月後、1年後の利用人数をざっくり置いてみてください。

人数で割る前に会社の使い方をそろえる

部署ごとにAIの契約がばらばらだと、費用も管理も見えにくくなってしまいます。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

少人数で始める会社は、月額の最低額を人数で割ると重く見えます。その場合は、全社員へ配る前提で見積もるのではなく、標準アプリを使う部門、社内文書回答を使う部門、AIエージェントを使う部門を分けて考えましょう。使う部門が狭いままなら、人数課金のサービスや、別の会社定額型のサービスと比べたほうが納得しやすくなります。

ありがちなのが、使う人数だけを増やして、使う業務は増やさないままにしてしまうことです。ログインできる社員が増えても、業務で使う入口が用意されていなければ、削減時間は増えません。料金を説明する方は、人数の表と同じくらい、利用場面の表も作ってみてください。

生成AI全体の費用管理を考える方は、生成AIのコスト管理も合わせて確認すると、月額、初期費用、部門配賦を分けて整理しやすくなります。

部門配賦を考える場合も、単純に人数で割るより、使う頻度で分けたほうが納得されやすいでしょう。たとえば100名に配るとしても、毎日使う20名、週に数回使う50名、月に数回だけ使う30名では、感じる価値が違います。月額30万円を100名で均等に割ると月3,000円ですが、毎日使う部門が費用の大半を説明する形にしたほうが自然な会社もあります。

ただし、社内請求を細かくしすぎると、導入そのものが進みにくくなります。最初の3か月は共通費として扱い、利用ログや部署別の利用状況を見てから配賦を決める方法もあります。公式ページには利用人数に関係なく定額とありますが、社内でどう負担するかは別の話です。経理や管理部門の方も早めに入れて、どの費目で持つかを決めましょう。

それから、人数で料金が変わらない仕組みだと、退職された方や異動された方のアカウント削除を後回しにしがちです。人数で料金が増えないため、アカウントを放置しても請求額にすぐ出ません。だからこそ、誰が使える状態なのかを定期的に棚卸しする必要があります。費用が増えないことと、管理しなくてよいことは別だと覚えておいてください。

選べるLLM(GPT・Azure OpenAI・Claude・Gemini)の確認点

選べるLLM(文章を作るAIの中身にあたるモデル)は、名前の多さより、自社の業務やデータの扱いに合うかどうかで見ていきたい項目です。

公式ページでは(2026年10月3日時点)、GPT-5.2、Claude Opus 4.6、Gemini 3.1 Proをはじめ、主要なLLMを選択・切替できると案内されています。FAQには、OpenAI GPT、Claude、Gemini、Azure OpenAIをはじめとする主要LLMに対応し、Allganize提供の日本語LLMも利用できるという説明があります。

この部分は、一覧に名前があるかどうかだけでは判断しきれません。自社が使いたいLLMを、どの利用形態で使えるのか、既存契約のLLMを使うと費用がどう分かれるのか、モデルを切り替える権限を誰が持つのかを聞きましょう。特にAzure OpenAIをすでに使っている会社では、今の契約やネットワーク設計とどうつながるかを確認してみてください。

モデル名が多いほど良いのではなく、使う部署が迷わず選べる設計になっているかが見どころです。

複数のLLMを選べる環境では、使い分けのルールが必要になります。調査は検索や出典確認に向くもの、長文文書の読み込みは文脈の保持に向くもの、日常の下書きは既定のものというように、最初はざっくりした割り当てで十分でしょう。モデルごとの特徴を詳しく見たい方は、主要4AIの違いと使い分けを参考にしてみてください。

料金面では、LLM利用料がライセンス料にどこまで含まれるかが大事になります。公式の料金欄には月額30万円〜とありますが、規約には従量課金について、ユーザーとあらかじめ合意した内容に従って算定して通知するという条文があります。何が従量になるかは製品ページだけでは分からないため、利用量が多い部署を想定している会社ほど、見積書で確認しましょう。

もう1つ確認したいのは、モデルを新しく追加するときの流れです。生成AIはモデルの更新が早く、選定した時点の正解が半年後も同じとは限りません。追加や切り替えが見積もりや契約変更に影響するのか、管理画面の設定で済むのかを聞いておくと、後から慌てにくくなります。

社内で使い分けを始めるときは、最初から細かいルールを作りすぎないほうが続きます。営業資料の下書きはこのモデル、長文の読み込みはこのモデル、調査はこのモデルという程度で十分です。使う方が迷ったときの既定モデルを1つ決めておくと、選択肢の多さで止まりにくくなります。

既存の生成AI契約がある会社では、二重払いにも注意しましょう。いまの契約(Azure OpenAIなど)をAlli LLM App Marketの中で使えるのか、使える場合にどの費用が既存契約側に残るのかは、公式ページからは読み取れません。見積もりの段階で確かめておきたい項目になります。今ある契約を残すのか、置き換えるのか、部署ごとに併用するのかを決めてから相談してみてください。

利用形態(SaaS/プライベートクラウド/オンプレミス)で費用感は変わる

利用形態は、料金の上限や導入の重さを左右するため、月額30万円〜とは別に確認したい項目です。

公式ページのトップには、オンプレミス・プライベートクラウド対応という表記があります。FAQでは、オンプレミス環境での運用に対応し、ネットワーク内で完結する構成やプライベートクラウド環境、ローカルLLMとの組み合わせにも対応できると案内されています。本文では日本リージョンへの対応も確認できます。

ここから読み取れるのは、同じAlli LLM App Marketでも、SaaS(インターネット経由でそのまま使う形)と、プライベートクラウドやオンプレミス(自社の設備の中で動かす形)とでは、準備の重さが変わってくるという点になります。公式ページには利用形態ごとの金額は出ていません。月額30万円〜がどの形態を前提にした数字なのか、オンプレミスで追加費用が出るのかは、見積もりで確認する必要があります。

利用形態確認したいこと社内で起きやすい迷い
SaaS日本リージョンの扱い、データの保管、既存LLM契約との関係早く始めたいが、取引先への説明が足りるか迷う
プライベートクラウド環境構築の範囲、運用者、月額と初期費用の分かれ方セキュリティ要件を満たせるが、費用の上限が読みにくい
オンプレミスネットワーク内で完結する構成、ローカルLLM、インフラ費管理しやすい反面、社内の運用負担が増えやすい

月額30万円〜だけでは、SaaSとオンプレミスの出費差までは判断できません。

オンプレミスという言葉に安心感を持つ方もいるでしょう。ただ、オンプレミスは自社側の環境や運用も絡みます。サーバーやネットワーク、バックアップ、障害時の対応など、生成AIサービスの外側にある費用も無視できません。情報システム部門の方を早い段階で同席させ、ライセンス料以外に何が必要かを洗い出してください。

プライベートクラウドを選ぶ場合も、考え方は同じになります。セキュリティ要件に合わせやすい一方で、標準のSaaSより設定や構築が増える可能性があります。契約前の質問では、初期構築、月額運用、LLM利用料、保守、サポートのどれが見積もりに入っているかを分けて聞きましょう。

早く試したい会社では、標準アプリを使ったPoC環境を最短2週間程度で用意できるというFAQの記載も参考になります。PoCでどの利用形態を使うのか、本番移行で形態を変えると費用が変わるのかを確認すると、試した後の会議が進めやすいでしょう。

利用形態の話は、経営者、情シス、現場で見ているものがそれぞれ違います。経営者の方は支払いの総額を、情シスの方はネットワークや運用の負担を、現場の方は早く使えるかどうかを気にしています。この3つをばらばらに扱っていると、どこかで話が止まってしまいます。見積もりを取る前に、それぞれが気にしている点を1枚にまとめてみてください。

SaaSで試してオンプレミスへ移るような進め方を考える場合は、データ移行や設定移行も質問に入れましょう。PoCで作ったアプリや文書設定を本番へ持ち込めるのか、作り直しになるのかで、現場の負担が大きく変わります。PoCが安く済んでも、本番で作り直しが多ければ、結局は導入の費用が重くなってしまいます。

公式に載っている料金と、見積もりで確かめること

公式ページに金額は載っていますが、見積もりを取らないと分からない部分もまだ残っています。

公式ページで確認できる金額は、初期費用30万円と月額30万円〜です。一方で、月額の上限、利用量が増えたときの扱い、利用形態ごとの差、既存LLMを使う場合の費用、販売代理店経由の支払い条件は、公開欄だけでは判断できません。分からないままにしておかず、見積もりのときの質問に変えておくことが大切になります。

Allganizeの利用規約には、利用料金のうち従量課金については、ユーザーとあらかじめ合意した内容に従って算定して通知するという記載があります。銀行振込の振込手数料はユーザー負担とも書かれています。販売代理店から購入する場合は、支払い条件が販売代理店との契約条件に従うという条文もあります。公式ページの月額だけで、請求の全体が分かったつもりになるのは避けたいところです。

見積書では、月額の内訳と、従量になる項目の有無を同じ表で確認しましょう。

質問のリストは、短くても構いません。初期費用に含まれる作業、月額30万円〜の範囲、利用量が増えたときの計算、LLM利用料の扱い、SaaSとオンプレミスの差、PoC費用、本番移行時の費用、販売代理店経由の支払い条件を聞けば、社内で比較する材料がそろいます。

見積もりで気をつけたいのは、合計金額だけを見て、何に払っているのかを分けずに済ませてしまうことです。標準アプリ、RAG、AIエージェント、管理機能、サポート、利用形態、LLM利用料が一体になっていると、別サービスとの比較で抜け漏れが出ます。総額の横に、含まれるものと別費用になるものを並べてください。

販売代理店経由で相談する場合も、同じ見方になります。支払い条件やサポート窓口が提供元と販売代理店でどう分かれるのかを聞きましょう。請求書の発行元、契約更新、PoC後の本契約、問い合わせ先が分かれていると、導入後の社内案内にも影響します。

無料相談や資料請求を申し込む前には、自社の前提を1枚にまとめておくと話が早くなります。対象人数、利用部門、入れたい社内文書、使いたいLLM、希望する利用形態、PoCで見たい業務を決めましょう。相談の場ではじめて考えるより、ずっと社内の合意が取りやすくなるでしょう。

見積書を受け取ったら、最初に総額、次に条件、最後に除外項目を見てください。総額だけを見ると、安い見積もりが魅力的に見えます。条件を見ると、利用人数、利用量、利用形態、サポート範囲が違うことに気づけます。除外項目まで見ると、自社で用意する作業や別費用が見えてきます。

社内会議では、見積書の数字をそのまま読み上げるより、判断材料に直したほうが伝わります。初年度の会社負担、2年目以降の会社負担、PoCだけで止めた場合の負担、全社へ広げた場合の想定人数、削減したい作業時間を1枚に並べましょう。月額30万円〜という見出しより、会社で何を試し、何をやめられるかのほうが議論しやすくなります。

質問を残したまま契約へ進むと、導入後に小さな不満が積み上がります。LLM利用料の扱い、従量になる項目、支払い条件、販売代理店経由の窓口、PoC後の本番移行、オンプレミス時の追加費用は、契約前に潰しておきましょう。分からない項目は、分からないと書いた行を見積書の横に並べておき、1つずつ確かめていくと早く進みます。

導入支援・コンサルティングと導入事例の見方

Alli LLM App Marketは、導入後の支援まで含めて見ると、ただのチャットの契約とは性格の違う費用だと分かってきます。

料金欄には、専任カスタマーサクセスによる標準サポートが含まれるものとして書かれています。カスタマーサクセスとは、導入した後の使い方や社内への定着を手伝ってくれる担当のことです。生成AIは、契約しただけで社内に広がっていくものではありません。標準アプリの選び方、社内文書の入れ方、部門への案内、効果の測り方まで、伴走してもらえる範囲を確認しましょう。

同社FAQには、標準アプリを活用する場合、最短2週間程度でPoC環境を用意できるという記載があります。PoCは、本格導入前に小さく試す段階になります。ここで見るべきなのは、画面の使いやすさだけではありません。社員が実際の業務で使うか、回答の確認にどのくらいかかるか、対象部署の責任者が継続したいと言えるかを見てください。

PoCのゴールを利用開始ではなく、継続判断に必要な材料集めに置くと失敗しにくくなります。

導入事例を見るときは、社名や業界だけで自社に近いと判断しないほうがよいでしょう。公式FAQには、製造、通信・ITサービス、金融を中心に、従業員1,000名以上のエンタープライズで多くの導入実績があると書かれています。従業員300〜1,000名規模の中堅企業にも、スモールスタートから段階的に拡張できる設計だという説明もあります。

この説明を読む限り、主に想定されているのは、ある程度人数の多い会社だと考えられます。社員10〜50名の会社が同じように使うなら、初期費用と月額に対して、どの業務で回収するかをかなり具体的に置く必要があります。逆に、300名以上で部署横断の社内文書回答やAIエージェントを考える会社では、人数ごとの席代ではない点が効いてきます。

導入支援を聞くときは、標準サポートでどこまで見てもらえるかを確かめましょう。アプリの選定、RAGに入れる文書の整理、社員向け説明会、利用ログの見方、効果測定のひな形など、欲しい支援は会社ごとに違います。標準サポートの範囲と、別途相談になる作業を分けておくと、あとから想定外の費用に見えにくくなります。

社内で比較表を作る方は、料金の列の横に支援の列を置いてください。初月にどこまで一緒に進めるか、PoC後の本番移行を誰が設計するか、運用開始後に誰へ相談できるかを入れると、金額だけでは見えない差が出ます。

導入事例を読むときは、自社と同じ業界かどうかだけでなく、同じ使い方かどうかを見ましょう。製造業でも、現場の手順書検索に使うのか、営業提案の調査に使うのか、社内規程の問い合わせに使うのかで評価軸が変わります。金融や通信・ITサービスの事例を参考にする場合も、扱うデータの厳しさ、利用人数、RAGの対象文書を分けて見てください。

スモールスタートから段階的に拡張できる設計という説明も、社内では具体的な段階に直す必要があります。最初は管理部門20名、次に営業部門100名、最後に全社員というように、いつ誰へ広げるかを決めましょう。段階がないままスモールスタートと言うと、小さく始めたまま終わってしまいます。

PoCの評価項目は、回答精度だけにしないほうが実態に近くなります。使い始めるまでの時間、社員が迷った場所、管理者が設定で困った場所、社内文書の更新にかかった手間も見てください。料金に標準サポートが含まれるなら、困ったときにどのくらい返ってくるかも、PoC中に確認しておくとよいでしょう。

他のサービスと比べるときは、人数・使えるAI・データの扱いをそろえる

比較では、月額だけでなく、人数、使えるAI、データの扱い、作れる業務アプリの範囲をそろえる必要があります。

Alli LLM App Marketの月額30万円〜は、100種類以上のアプリやAIエージェント、RAG、ノーコード作成、最新LLMの自由な選択(GPT・Gemini・Claudeなど)、管理機能・セキュリティ、標準サポートを含む料金として案内されています。これを1人あたりのチャット利用料とそのまま横に並べてしまうと、高く見えすぎたり、反対に機能の差を見落としたりしてしまいます。まず比べる相手を、単体LLM契約、複数AIを使える会社定額型、社内文書RAG基盤、AIエージェント基盤のどれとして見るかを決めましょう。

人数で課金するサービスと比べるなら、人数×単価×12か月で年間の費用を出してみてください。会社単位の定額サービスであれば、初期費用+月額×12か月で初年度を計算することになります。Alli LLM App Marketの場合、公開されている最低額で初年度390万円、2年目以降は360万円です。ここに見積もりで分かった別の費用を足して、ようやく実際の出費に近い数字になります。

比較表の最初の列は月額ではなく、1年目に会社から出ていく総額にしましょう。

使えるAIを比べるときは、名前の数だけでなく、誰が切り替えられるのかも見ておきたいところです。現場の方が自由に選べるのか、管理者が部署ごとに決めるのか、既存のLLM契約を使えるのかで、運用の手触りが変わります。複数AIを会社で使う考え方は、マルチAIとは何かでも整理しています。

データの扱いでは、社内文書を入れる前提があるかどうかを分けましょう。RAGを使う会社は、文書の保管場所、参照範囲、更新方法、誤回答時の修正方法が必要になります。チャットだけでよい会社よりも、準備する資料と運用担当が増えます。ここを料金に含めて見るのか、社内の手間として見るのかを決めておいてください。

シャドーAI(会社が把握していない生成AIの利用)への目配りも外せません。社員が個人アカウントで生成AIを使っている会社では、安い席を数名分だけ買っても、配られなかった方が個人利用を続けることがあります。全社で使う公認環境を渡す目的なら、人数ごとの席代より、会社として管理できる環境をどこまで広げられるかが効いてきます。見えない利用の整理は、野良AI(シャドーAI)の記事も参考になります。

最後に、会社の規模を合わせて考えましょう。従業員300〜1,000名規模や1,000名以上を想定する説明が公式FAQにあるため、数百名に広げる前提なら料金体系の意味が出やすくなります。反対に、10名ほどのチームだけで使うなら、標準アプリやRAG、AIエージェントをどこまで使うかを厳しく見たほうがよいでしょう。

法人向け生成AIサービス全体の横並びを見たい方は、法人向け生成AIサービスの料金比較も確認してみてください。単体のChatGPT法人プランと比較したい場合は、ChatGPT法人プランの料金から見ると、人数課金との違いをつかみやすくなります。

比較表を作るときは、列を増やしすぎないことも大切です。初年度総額、2年目以降、人数の増え方、使えるAI、社内文書RAG、業務アプリ作成、利用形態、サポートの8列ほどに絞ると、会議で読める表になります。細かい機能名を並べるより、自社が払う理由に近い列を優先しましょう。

10〜50名ほどの会社では、全社導入といっても利用頻度に差が出ます。毎日使う方が数名なら、月額30万円〜の環境を持つより、もっと小さく始める選択肢のほうが合うかもしれません。100名以上で複数部署が使い、社内文書回答やAIエージェントまで使うなら、会社定額型の意味が出やすくなります。自社の人数を一度だけ見ず、半年後にどこまで広げるかも入れて判断しましょう。

比較で迷ったら、まず消去法で考えてみてください。社内文書を使わないならRAG基盤の比重は下がります。主要LLMを複数切り替えないなら、選べるLLMの価値は小さくなります。オンプレミスが必要ないなら、利用形態の幅よりSaaSの始めやすさを見れば足ります。逆に、これらが全部必要なら、単価だけの比較では足りないということになります。

よくある質問

料金を見るときに迷いやすい点を、公開情報の範囲で整理します。

Alli LLM App Marketの料金は月30万円だけで使えますか?
公式ページでは、ライセンス料として初期費用30万円+月額30万円〜と案内されています。月額には「〜」が付いているため、30万円は最低額として見るのが自然です。税込か税別かの記載は確認できないため、税額を足した試算はせず、上限や利用量が増えたときの扱いは見積もりで確認してください。
初年度の会社の出費はいくらで見ればよいですか?
公開されている最低額だけで計算すると、初期費用30万円+月額30万円×12か月で1年目は390万円になります。2年目以降に月額30万円のまま使うなら年360万円です。実際の見積もりでは、利用形態や利用量、既存LLMの扱いなどで変わる可能性があるため、最終的な会社の出費は見積書で確認しましょう。
ユーザー数無制限なら、人数が多いほど得になりますか?
月額を人数で割ると、人数が多いほど1人あたりの見え方は小さくなります。ただし、会社が払う総額は別です。最低月額30万円で計算すると、10名なら1人あたり月3万円、100名なら月3,000円、500名なら月600円になりますが、実際の見積もりが30万円で止まるという意味ではありません。
月30万円〜には何が含まれますか?
公式ページの料金欄では、100種類以上のプロンプト・アプリ・AIエージェント、社内文書対応Deep Research、図表対応の高精度独自RAG、最新LLMの自由な選択(GPT・Gemini・Claudeなど)、ノーコードでのアプリやAIエージェントの開発・改修機能、管理機能・セキュリティ、専任カスタマーサクセスによる標準サポートが含まれるものとして並んでいます。
契約期間は1か月ですか、2か月ですか?
公式ページ内で記載が分かれています。料金欄には最短2ヶ月から契約でき、1ヶ月のPoCプランがあると書かれています。一方でFAQには、1ヵ月単位から契約できるという説明があります。自社が申し込む条件ではどちらが適用されるのか、PoCから本契約へ移るときの費用と合わせて確認してください。
オンプレミスやプライベートクラウドでも月30万円〜ですか?
公式ページにはオンプレミス・プライベートクラウド対応と書かれていますが、利用形態ごとの料金は公開されていません。月額30万円〜がどの構成を前提にした数字なのか、オンプレミスやプライベートクラウドで追加費用が出るのかは、見積もりで確認する必要があります。

まとめ

Alli LLM App Marketの料金は、公開情報では初期費用30万円+月額30万円〜です。税込か税別かの記載は見当たらないため、税は足さずに見ています。最低額だけで計算すると、1年目は390万円、2年目以降は年360万円となります。最短2か月の契約で見るなら、初期費用30万円+月額30万円×2か月で90万円です。

月額30万円〜に含まれるものは、単体のチャット利用だけではありません。100種類以上のプロンプト・アプリ・AIエージェント、社内文書対応Deep Research、図表対応の独自RAG、最新LLMの自由な選択(GPT・Gemini・Claudeなど)、ノーコード作成、管理機能・セキュリティ、専任カスタマーサクセスによる標準サポートまでが料金欄に並んでいます。

比べるときは、人数、使えるAI、社内文書の扱い、利用形態、導入支援をそろえましょう。10名で割ると1人あたり月3万円、100名なら月3,000円、500名なら月600円ですが、これは公開最低月額を割った見方です。実際の会社の出費は、初期費用、月額、利用量、利用形態、既存LLMの扱いまで含めて確認する必要があります。

見積もりに進む前には、対象人数、使う部署、入れたい社内文書、希望する利用形態、PoCで測る業務を決めましょう。無料相談や資料請求の場で聞くことが決まっていると、月30万円〜が自社に合う出費かどうかを判断しやすくなります。

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