
Notion AIの議事録(AIミーティングノート)とは、Notionのページ上で会議の音声を文字起こしし、要約と対応事項まで自動でまとめてくれる機能です。ビジネスプラン以上の契約があれば、ページに /meet と入力して「文字起こしを開始」を押すだけで使うことが出来ます。Web会議は相手の声まで拾えるデスクトップアプリで録るのが基本で、始める前に参加者全員へ伝えて同意をもらう流れになります。社外秘を含む会議は、経営会議・人事面談・商談など種類ごとに、録るか録らないかを会社で先に決めておきましょう。
Notion AIの機能や料金の全体像はNotion AIとは何か、機能と料金のまとめで、ほかの議事録ツールとの比べ方はAI議事録ツールの選び方で扱っています。ここから先は、Notionをすでに契約している会社が会議を録るときの話になります。
Notion AIの議事録が使える条件|プラン・アプリ・対応言語
AIミーティングノートを使えるのは、Notionのビジネスプランかエンタープライズプランを契約しているワークスペースになります。フリープランとプラスプランにもNotion AIの体験版は付いていますが、AIミーティングノートの利用条件はビジネスプラン以上と公式ヘルプに書かれています。Notion AIを含む一部のモバイルサブスクリプションでも使えるとされているものの、対象となる条件は契約前にNotionへ確かめてみてください。
端末側の条件は2つあります。デスクトップアプリはバージョン4.7.0以降、Macで使う場合はmacOS 13以降が必要となります。社内でパソコンやアプリを一括で配っている会社は、録音を始める前にバージョンをそろえておくとよいでしょう。
対応言語は日本語・英語・中国語・韓国語など16言語で、日本語の会議もそのまま文字起こし出来ます。ただし、発言者を自動で見分ける話者ラベルは現在英語でのみ使え、日本語の会議では付きません。
ビジネスプランの料金を人数で計算する
ビジネスプランの表示価格は、月払いで1メンバーあたり月3,800円、年払いで月3,150円相当(年37,800円)です。月払いで計算すると、10人なら毎月38,000円、50人なら毎月190,000円の出費になります。30人なら毎月114,000円で、年払いの表示価格で計算し直すと、10人で月31,500円、30人で月94,500円、50人で月157,500円相当まで下がります。
プラスプランの月払い2,000円と比べると、ビジネスプランは1人あたり月1,800円高く、10人なら毎月18,000円の差になってしまいます。議事録のためにプランを上げるときは、この差額を会社の出費として見積もってみてください。
AIミーティングノートには、公式ヘルプで1人1日10時間までという使用制限が示されているため、会議が1日中続く部署は注意が必要でしょう。
※料金・仕様は2026年10月4日時点でNotion公式ヘルプ・料金ページで確認した内容です。料金は表示価格で、料金ページには「日本の消費税(該当する場合)」と添えられています。
起動から停止までの手順|/meetから要約が届くまで
録音から要約までの流れは、/meet でブロックを作り、同意を確かめて文字起こしを始め、会議の終わりに止めるという4つの段階になります。
- Notionのデスクトップアプリで議事録を残したいページを開き、/meet と入力します。ブラウザで入力した場合は、デスクトップアプリを開くか、ダウンロードするよう案内が出ます。
- ブロックを選ぶと、続ける前にAIミーティングノートを使うことを参加者に伝え、全員から同意をもらうよう求められます。チャットへの文面の貼り付けか、同意メッセージの音声再生で伝えることが出来ます。
- 会議が始まったら「文字起こしを開始」を選びます。このボタンを押すことは、参加者全員が録音と文字起こしに同意したと確認する意味を持ちます。
- 会議が終わったら文字起こしを止めると、要約が作られます。要約には少なくとも300文字(約1分間の音声)の文字起こしが必要になります。
Notionカレンダーを接続しておくと、カレンダーの予定から直接ノートを作り、文字起こしを始め、要約を見るところまで出来ます。会議の前にノートを作って議題やメモを書いておけるので、定例会議は予定からノートを開く形にすると迷いません。
録り始める前に、ノートがどのページの中に作られるかも見ておきましょう。メモは保存先のページの権限を引き継ぐため、共有ページで録ると、見られる人の範囲もそのまま広がります。人事や商談の会議を部署の共有ページで録ると、部署の全員が読める状態になってしまいます。
Web会議はデスクトップアプリ、対面はブラウザかスマホで録る
録る端末は、Web会議ならデスクトップアプリ、会議室での対面ならブラウザかスマートフォンと使い分けるのが基本となります。
デスクトップアプリはパソコンのシステム音声とマイクの両方を取り込むため、Zoom・Google Meet・Microsoft Teamsで話す相手の声まで文字起こし出来ます。ブラウザはマイクの音声しか拾えないので、目の前の人と話す対面の会議に向いています。スマートフォンのNotionアプリもマイクで録る仕組みで、公式ヘルプにも対面の会議向けと案内があります。
ヘッドフォンを使うと相手の声が入らない
よくある失敗は、ブラウザやスマートフォンで録りながら、ヘッドフォンやイヤフォンで会議を聞いてしまうケースです。この場合は相手の声が取り込まれず、自分の発言だけの議事録になってしまいます。Web会議に出る方はデスクトップアプリで録るか、スピーカーで聞くようにしてみてください。
Google Meetはブラウザ拡張機能で話者を分けられる
Google Meetを使う会社は、Chromeの「Notion Meetings アドオン」というブラウザ拡張機能をデスクトップ版で使うと、グループ会議でも話者ラベルを付けられるようになります。拡張機能を使っているときは、文字起こしを始めるとMeetのチャットにメッセージが投稿・固定され、カメラ映像の上に録音中の表示が出ます。途中から入ってきた参加者も、録音されていることに気付くことが出来ます。
ただし、話者ラベルは現在英語でのみ使えるとヘルプにあるため、日本語の会議で話者が分かれるかどうかは、自社の会議で一度試してから判断しましょう。
参加者の同意の取り方と、告知文のひな形
Notionで文字起こしを始めるときは、参加者全員に使うことを伝えて同意をもらう手順が組み込まれています。
伝え方は2通りあります。1つはテキストで、ブロックのスライダーアイコンから同意の文面を開いて編集し、会議アプリのチャットに貼り付けるやり方です。もう1つは音声で、ブロック下部のスピーカーのボタンから同意メッセージを全員に再生でき、言語ごとに読み上げの声も選べるようになっています。
管理者と個人で決める同意の設定
ワークスペースオーナーは、設定 → Notion AI → AIミーティングノートの「ワークスペースメンバー全員の同意を取る」をオンにすると、使うたびに同意メッセージが再生されるように出来ます。個人の設定では、同じ画面の「開始時に同意メッセージを自動再生する」で、「自分で同意を得る」か「音声を自動的に再生」かを選ぶことになります。
日本の会議で同意をどう考えるか
ヘルプには録音と文字起こしの法的な注意点も載っていますが、書かれているのは米国やEUを念頭に置いた一般的な説明です。日本の法律で録音に同意が必須かどうかまでは、ヘルプからは読み取れません。
そのうえでヘルプは、いちばん厳しい同意の決まりに合わせて常に全員から同意を得ることと、同意を得た方法の記録を残すことをすすめています。文字起こしの途中で新しい参加者が入ってきたら、いったん止めて、その人の同意を得てから続けるのがヘルプの示す手順になります。録音や文字起こしをどう使い、誰と共有するかを参加者へはっきり伝えることも、あわせて挙げられています。
録音していることは相手に伝わるのか
Google Meetの拡張機能を使った場合はチャットと画面に録音の表示が出ますが、それ以外の会議で相手に自動の知らせが届くかどうかは、ヘルプでは確かめられません。相手が気付く前提には立たず、こちらから必ず伝える運用にしておきましょう。
告知文のひな形(チャット用・口頭用・社外商談用)
そのまま使える文面を3つ用意しました。会社名や保存先は、自社に合わせて書き換えてみてください。
【チャット貼り付け用・社内会議】 この会議では、Notion AIのミーティングノートで文字起こしと要約を作ります。 ・録音と文字起こしは、議事録を作るためだけに使います ・議事録は(保存先:〇〇部の会議データベース)に残し、参加者が見られる状態にします ・録られたくない話が出るときは、その場で声をかけてください。文字起こしを止めます 差し支えなければ、このチャットに「OK」と返信をお願いします。
【口頭用・会議の冒頭で読み上げ】 始める前に1点お知らせです。今日の会議は、議事録を作るためにNotionのAIで文字起こしをします。録音と文字起こしは議事録づくりにだけ使い、保存先は参加者だけが見られるページです。録られたくない方や、途中で止めてほしい話があれば、遠慮なくおっしゃってください。よろしければ始めます。 【途中から参加した方へ】 いま議事録のために文字起こしをしています。このまま続けてもよろしいでしょうか。
【社外の商談用・事前の案内メールに一文+当日の冒頭で確認】 (事前の案内メール) 当日は議事録作成のため、Notion AIによる文字起こしを使わせていただきたいと考えております。ご都合が悪い場合は、ご返信いただくか当日お申し付けください。その場合は文字起こしを使わずに進めます。 (当日の冒頭) 本日、議事録のために文字起こしを使わせていただいてもよろしいでしょうか。内容は社内の議事録づくりにだけ使い、取引先など第三者に共有することはございません(文字起こしはNotionのサービス上で処理されます)。お断りいただいても、本日の進め方は変わりません。
社外の商談では、断られても商談に影響しないと先に伝えると、相手も気兼ねなく答えやすくなります。同意をもらったチャットの返信や案内メールは、同意を得た記録としてそのまま残しておきましょう。
社外秘の会議は種類ごとに録る・録らないを決める(判断表)
社外秘の会議を録るかどうかは、その場で主催者が決めるより、会議の種類ごとに会社として先に決めておくほうが迷いません。
下の表は、社員10〜200名の会社でよくある会議を並べた目安です。取引先との契約や社内規程によって答えは変わるため、最終的な線引きは会社で決めてください。
| 会議の種類 | 録音の目安 | 録る場合の条件・考え方 |
|---|---|---|
| 社内定例・朝会・進捗確認 | 録ってよい | 参加者が社員だけで、すでに社内で共有している話が中心です。保存先は部署の会議データベースで足ります。 |
| 部署内の企画・アイデア出し | 録ってよい | 未発表の企画や価格の話が出る回は、保存先を関係者だけのページに切り替えます。 |
| 上司と部下の1on1 | 本人が望むときだけ | 悩みや評価の話に触れやすいため、毎回本人に聞いてから録ります。保存先は2人だけのページにします。 |
| 経営会議・取締役会 | 条件付き | 資金繰り・人事・取引の交渉など、限られた人だけで扱う議題がある回は録りません。録る回も保存先は役員だけのページにし、要約を人が確かめてから残します。 |
| 人事面談・評価面談・懲戒の聞き取り | 原則録らない | 健康状態や家庭の事情など、本人が他人に知られたくない話が出やすい場です。記録が要るときは、担当者が手でメモを取ります。 |
| 採用面接 | 原則録らない | 相手は社外の応募者で、録音を断りにくい立場にあります。録るなら面接の案内で事前に知らせ、当日も口頭で確かめます。 |
| 取引先との商談 | 条件付き | 冒頭で相手の同意を得られた場合だけ録ります。相手が断ったら録らずに手でメモを取り、断られたことも記録に残します。 |
| 顧客の個人情報や顧問先の数字を扱う打ち合わせ | 原則録らない | 顧客との契約で、外部サービスに情報を渡すことに条件が付いている場合があります。契約の中身を確かめるまでは録りません。 |
| 弁護士・税理士など専門家への相談 | 原則録らない | 相談の中身そのものが社外秘になりやすい場です。録るなら専門家の了承を得てからにします。 |
表の中で「原則録らない」とした会議は、録音の瞬間よりも、その後の扱いを気にして線を引いています。心配の中心は、文字起こしと要約がワークスペースに残り続けることになります。一度要約が共有されると、誰がどこへ転記したかを後から追うのは難しくなってしまいます。
判断表は作って終わりにせず、社内の会議案内のテンプレートに録音の目安を1行入れておけば、主催者が毎回迷わなくなるでしょう。実際に運用が崩れやすいのは、録らないと決めた会議を、社員が自分のスマートフォンや個人で登録したAIアプリで録ってしまう場面です。会社のNotionの外で録られた音声には、この表も保存先の権限も届かず、そのまま残ってしまいます。
個人のアプリで録られる抜け道をふさぐには、社員が使うAIの環境を会社で1つに決めておくのが近道です。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
要約と対応事項(ToDo)の自動生成、タスクDBへの移し方
文字起こしが終わると、Notion AIが要約と対応事項、参加者などをまとめたノートを作ってくれます。
ノートの構成は、営業電話・朝会や夕会・チームミーティングなど、会議の種類に合わせて組み立てられます。「+カスタム指示を追加」から自分で要約の型を決めることもでき、作った指示は既定で自分だけのものとして扱われます。よく使う指示はデフォルトに設定でき、毎回選び直す手間を省くことが出来ます。
社内定例向けのカスタム指示の例
決定事項と宿題を取りこぼさないために、社内定例であれば次のような指示を入れてみましょう。
次の順で、日本語の議事録にまとめてください。 1. 決定事項(決まったことだけ。検討中の話は入れない) 2. 対応事項(担当者・期限・内容を1行ずつ。担当者が発言から分からないときは「担当未定」と書く) 3. 保留事項と、次回までに確かめること 4. 議論の要点(3〜5行) 数字・固有名詞・日付は文字起こしにあるとおりに書き、推測で補わないでください。
日本語の会議では話者ラベルが付かないため、担当者を文字起こしから読み取れない場合もあります。「担当未定」と出た行は、会議の終わりに口頭で担当を決めてしまうのが確実でしょう。
対応事項をタスクのデータベースへ移す
対応事項をタスク管理のデータベースへ自動で移す手順は、AIミーティングノートのヘルプには書かれていません。基本は要約の対応事項を人が確かめ、担当と期限を付けてタスクDBへ移す運用です。
自動にしたい場合は、Notion公式のカスタムエージェントのテンプレートに、会議メモの対応事項をタスクデータベースへ登録する「Meeting Notes Task Creator」が用意されています。カスタムエージェントは無料で試せたあと、月額1,000 Notionクレジットあたり10ドルの費用がかかる仕組みになります。2026年7月のリリースノートでは、AIミーティングノートが終わった直後にカスタムエージェントを動かせるようになったと案内されています。
人が確かめる前の対応事項がそのままタスクになると、聞き違えた担当や期限まで登録されてしまいます。まずは手で移す運用で要約の癖をつかみ、慣れてから自動化を考えるとよいでしょう。
録音済みの音声ファイルをアップロードして議事録にする
その場で録れなかった会議も、録音ファイルをアップロードすれば、AIミーティングノートで文字起こしと要約を作れます。
対応しているフォーマットはAAC・M4A・MP3・WAVの4つです。ファイルはブロックへ直接アップロードするか、/オーディオ や /動画 からアップロードしてブロックに変換する形になります。ICレコーダーやスマートフォンの録音アプリで録ったファイルは、形式を確かめてから上げてみてください。
気を付けたいのは、保存のされ方の違いです。ライブ録音と違い、アップロードしたファイルはNotionのサーバーに保存されます。社外秘の会議の録音を上げる場合は、その場で録るとき以上に、判断表の線引きと保存先の権限を確かめるようにしましょう。
録音データはどこへ行き、何日残るか
録音データの行き先は、デスクトップアプリかブラウザで録るか、モバイルアプリで録るか、ファイルをアップロードするかで変わります。
音声の処理には、サブプロセッサーと呼ばれる外部の事業者が使われています。サブプロセッサーとは、Notionが処理の一部を任せている委託先のことです。ヘルプには、OpenAI、Anthropic、Fireworks、Baseten Labs, Inc.、X.AI LLC、AssemblyAI Inc.の6社が挙がっています。
| 録り方 | 音声が送られる先 | 処理がうまくいった場合 | 処理に失敗した場合 |
|---|---|---|---|
| デスクトップアプリ・ブラウザ | サブプロセッサーへ直接送られ、リアルタイムで文字起こしされます。サブプロセッサーは音声を保存しません | 端末のローカルコピーは、処理の成功後か24時間後の早い方で削除 | Notionのサーバーにアップロードされ、最大3日間保持 |
| モバイルアプリ | Notionのサーバーにアップロード | サーバーからは直ちに削除。端末のローカルコピーは1日以内に削除 | サーバーで最大3日、端末で最大1週間保持 |
| 録音ファイルのアップロード | Notionのサーバー | ファイルはNotionのサーバーに保存される | ヘルプに記載なし |
音声とは別に、文字起こしと要約はページとしてワークスペースに残ります。文字起こしだけを消したいときは、ブロックのスライダーアイコンから文字起こしを削除する項目を選ぶか、親のページごと削除する方法があります。ページを削除した場合は、ワークスペースのデータ保持設定に従って扱われます。
エンタープライズプランでは、設定 → Notion AI の「自動文字起こし削除」で削除のスケジュールを決められます。この場合も要約とメモは残り、法的保持がかかったページは削除されない点を覚えておきましょう。
音声をローカルに保存する設定
設定 → Notion AI の「音声をローカルに保存」をオンにすると、最近の10件の録音が録った人の端末に保存され、ダウンロード出来るようになります。どのプランでも、既定はオフになっています。社外秘の会議の音声が社員のパソコンに残る設定のため、オンにするかどうかは会社として決めておきたい項目です。
AIの学習とデータの保持
Notionは、NotionとAIのサブプロセッサーがユーザーのデータを既定でモデルの学習に使わないこと、サブプロセッサーとの契約でも学習への利用を禁じていることを説明しています。文字起こしや要約に使われる言語モデルの提供元は、エンタープライズプランではデータを保持せず、それ以外のプランでは既定で削除まで30日以内の保持となります。
どちらにも「既定で」という言葉が付いているため、設定や一部の機能では扱いが変わる余地があります。実際にヘルプでは、データを保持する言語モデルが必要なAI機能のために、管理者が有効にできるワークスペース設定が用意されていると書かれています。社内には「絶対に学習されない」ではなく、既定の設定で使っていると伝えましょう。
共有範囲の事故を防ぐ|既定は自分のみ、権限は保存先から
作ったミーティングノートは、既定では自分だけが見られるプライベートな状態になっています。
見られる範囲が広がるきっかけは2つあります。1つ目は保存先で、メモは保存先のページの権限を引き継ぐため、部署の共有ページやチームのデータベースの中に作ると、そのページを見られる人が皆読めるようになります。2つ目は「社内のカレンダーイベント参加者と自動で共有」の設定で、オンにするとカレンダーの参加者に閲覧と編集の権限が付きます。
この設定が有効な場合、Notionカレンダーから作ったメモは、ワークスペースのメンバーである会議の参加者と自動で共有されます。サイドバーのMeetingsタブにも、自分が参加したカレンダーの予定にひもづくノートが並びます。共有範囲の事故が起きやすいのは、次のような場面でしょう。
- 人事面談を、部署の共有データベースが保存先のまま録ってしまう場面です。部署の全員が面談の文字起こしを読める状態になってしまいます。
- 自動共有をオンにしたまま、人事や経営の話をする予定からノートを作る場面です。社内の参加者全員に、閲覧だけでなく編集の権限まで付いてしまいます。
- 役員だけのページで作った経営会議の要約を、全社のページへ貼り付ける場面です。貼り付けた文章は、貼り付け先を見られる人全員の目に触れることになります。
- 部署の会議を各自のプライベートなノートで録り続ける場面です。記録が個人の手元に散らばり、異動や退職のときに引き継ぎにくくなってしまいます。
保存先と自動共有の2つを会社で決めてしまえば、共有範囲の事故はかなり減らせます。人事・経営・顧客の会議を録る人には、自動共有をオフにしておくよう案内してみてください。
管理者が先に決める設定チェックリスト
社員に使わせ始める前に、ワークスペースオーナーが設定 → Notion AI の画面で次の項目を決めておきましょう。
- ワークスペースでの利用可能性設定 → Notion AI。ワークスペースでAIミーティングノートを使えるようにするかを決めます。判断表と告知文がそろう前に全員へ開かないのが無難です。
- ワークスペースメンバー全員の同意を取る設定 → Notion AI → AIミーティングノート。オンにすると、使うたびに同意メッセージが再生されます。告知文のひな形と合わせ、全社でそろえるかを決めます。
- 社内のカレンダーイベント参加者と自動で共有設定 → Notion AI(各自が切り替える個人の設定)。オンにすると、Notionカレンダーから作ったメモがワークスペースのメンバーである参加者と共有され、閲覧・編集の権限が付きます。オーナーが一括で止める設定ではないため、人事・経営の会議を録る人はオフにする、と社内ルールに書いておきます。
- 開始時に同意メッセージを自動再生する設定 → Notion AI → AIミーティングノート(個人の設定)。「自分で同意を得る」か「音声を自動的に再生」かを選びます。社外の商談が多い営業部門は、自動再生にそろえる方法もあります。
- 音声をローカルに保存設定 → Notion AI。既定はオフです。オンにすると最近の10件の録音が録った人の端末に残るため、社外秘の会議を録る部署では慎重に決めます。
- デフォルトの会議データベースノートの既定の保存先です。メモは保存先の権限を引き継ぐため、見られる人の範囲が判断表と合っているかを確かめます。
- 自動文字起こし削除(エンタープライズのみ)設定 → Notion AI。文字起こしの削除スケジュールを決めます。要約とメモは残り、法的保持のページは削除されません。
- データを保持する言語モデルを使う設定一部のAI機能のために、管理者が有効にできるワークスペース設定です。有効にする場合は、対象の機能とデータの扱いを確かめてからにします。
決めた内容は判断表や告知文と一緒に1枚の社内ルールにまとめ、議事録を録る人が見られる場所に置いておくとよいでしょう。ルール文書の作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方も参考になります。
議事録の管理|会議データベースとカレンダー連携
議事録が増えてきたら、保存先を会議用のデータベースにそろえると探しやすくなるでしょう。
設定でデフォルトの会議データベースを決めておけば、/meet で作ったノートが1か所に集まるようになります。Notionカレンダーと接続すると、予定から直接ノートを作って文字起こしを始められ、終わった会議の要約もカレンダーから開けます。サイドバーのMeetingsタブには、参加したカレンダーの予定にひもづくノートも表示されるため、自分が出た会議の記録を後から探すときに便利です。
会議の種類ごとにデータベースを分けるか、1つのデータベースに会議の種類の項目を足すかは、判断表の線引きに合わせて決めてみてください。人事や経営の会議は、全社の会議データベースとは別の、限られた人だけのページに分けておくのが安全でしょう。
文字起こしの精度と、日本語の会議で人が確かめるところ
文字起こしの出来は、AIの性能より先に、どの音声を拾えているかに左右されます。
ヘッドフォン越しの相手の声は取り込まれず、仮想デスクトップではマイクの音しか入らないこともあるため、録り方が合っていないと発言の半分が抜けた議事録になってしまいます。録る前に、端末と聞き方の組み合わせが正しいかを確かめることが出発点になります。
もう1つの注意は話者です。日本語の会議では話者ラベルが付かず、誰の発言かは人が補う必要があります。要約を共有する前に、会議の主催者が次の5点に目を通すルールにしておきましょう。
- 数字・金額・日付に聞き違いがないか
- 取引先名・商品名・人名の表記が合っているか
- 検討中の話が、決定事項として書かれていないか
- 対応事項の担当者と期限が埋まっているか
- 録らないと決めた話題が、文字起こしに入っていないか
最後の点で問題が見つかったときは、文字起こしの内容を削除したうえで、要約から該当する部分を手で消してみてください。
情シスが先に知っておきたい落とし穴
全社に広げる前に、情シスの方に知っておいてほしい制限がいくつかあります。
- VDI(仮想デスクトップ)ではマイクの音しか拾えないことがある会議の相手の声が入らない場合があります。手元のパソコン(シンクライアント)にNotionのプラグインを入れると、システム音声をRDP経由で渡せます。
- 1日の使用は1人10時間まで会議が1日中続く役員や営業は上限に近づく場合があります。録る会議を判断表で絞る運用と合わせて考えます。
- 要約には300文字(約1分)以上の文字起こしが必要数十秒だけのテスト録音では要約が作られず、動かないと勘違いされやすいところです。
- 話者ラベルは英語のみ日本語の会議では発言者が自動で分かれません。議事録の確認手順に、話者を補う作業を入れておきます。
- デスクトップアプリ4.7.0以降・macOS 13以降古いMacでは、OSの更新が先に必要になる場合があります。
- ブラウザ・スマホとヘッドフォンの組み合わせでは相手の声が入らない社員向けの使い方案内に必ず1行入れておきたい注意です。
- Google Meetでの話者分けはChromeの拡張機能が前提拡張機能を社内で入れてよいかを、社内のポリシーと照らして先に決めておきます。
社員向けの案内には、この中から少なくともヘッドフォンと300文字の2点を入れておくと安心です。テスト録音は1分以上話してから止めるよう、最初に伝えてみてください。
会社で安全に使うには|Notionの外で録られる会議をなくす
Notionの設定をいくら整えても、Notionを契約していない部署や、個人の道具で録られる会議までは守れません。
よくあるのは、AIミーティングノートが使えない部署の社員が、個人で登録したNotionや無料のAIアプリで会議を録って要約してしまう場面です。会社が把握していないAIの使い方は、シャドーAI(野良AI)と呼ばれています。個人のアカウントに入った会議の音声や要約には、会社の判断表も、保存先の権限も、削除の設定も届かず、そのまま残ってしまいます。
社員が個人の道具に頼るのは、会社が用意した環境では足りないと感じているからでもあります。禁止の通知を出すだけでは見えない利用は減りにくいものです。会社として使うAIの環境を1つに決め、そこで同じ作業が出来るようにしましょう。
Notionを全社で使っている会社なら、ビジネスプランの範囲でAIミーティングノートを公認の道具にし、判断表と告知文で運用を固める形が考えられます。Notionを使っていない部署が多い会社では、録音ファイルを読み込める会社契約のAI環境を別に用意し、どの会議をどこで扱うかを判断表に書き足してみてください。社内で使われているAIの把握と対策は、野良AI(シャドーAI)の対策で詳しく扱っています。
会議の録音も読み込めるAIを、会社契約の1つの環境に
UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約・1つの画面で使える法人向けサービスです。会議録音や動画も読み込める音声・動画入力と、利用ログ・権限・モデルのON/OFFを扱う管理者ダッシュボードを備え、基盤はAWSの日本リージョンで稼働しています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Notion AIの議事録は、フリープランやプラスプランでも使えますか?
ZoomやTeamsの会議も文字起こしできますか?
録音していることは、会議の相手に伝わりますか?
日本の会議でも、参加者の同意は必要ですか?
録音した音声はNotionに残りますか?
日本語の会議で、誰が話したかは分かりますか?
まとめ
Notion AIの議事録は、ビジネスプラン以上で /meet から文字起こしを始めるだけで作れ、Web会議はデスクトップアプリで録るのが基本になります。
始める前には参加者全員に伝えて同意をもらい、社外秘を含む会議は、種類ごとに録る・録らないを会社で決めておきましょう。保存先のページの権限と自動共有の設定、録音データの行き先と保持期間も、使い始める前に確かめておきたいところです。
Notionの外で録られる会議まで含めて守るには、会社で使うAIの環境を1つに決めることが近道となります。法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧からご覧ください。
