情報漏えい多発、AI悪用を専門家が指摘

COPLUS AI NEWS | 2026年10月8日 夕版

攻める側もAIを使う時代の、守りと備え

夏以降に相次ぐ情報漏えいについて、セキュリティの専門家が、攻撃側がAIを使っている可能性は高いとする見解を示しました。一方で、データを外に出さずに使えるオフライン型の生成AIや、地下トンネルを転用したデータセンターなど、AIを安全に使うための土台づくりも進んでいます。研究開発や中小建設業での活用とあわせ、夕方のAI動向5本を整理します。

📋 本日のニュース

  1. ① 相次ぐ情報漏えい、攻撃側のAI活用は「否定する方が難しい」 セキュリティ専門家3人が合同で見解
  2. ② ユサコ、研究データを外部のAIに渡さないオフライン生成AI「Sovereign GaiXer」を学術・研究機関向けに販売開始
  3. ③ 神戸市の山中に残るトンネル跡を地中型データセンターに 三井不動産・熊谷組・ゲットワークスが2027年末の運用開始を予定
  4. ④ JTの研究組織「D-LAB」、FRONTEOの医学論文探索AI「KIBIT Amanogawa」を導入 論文に書かれていない関連性から仮説を探索
  5. ⑤ 東京都中小建設業協会の会員向けに生成AIの実践講座 AIエージェントで現場監督の補佐や内訳表の作成を演習

① 相次ぐ情報漏えい、攻撃側のAI活用は「否定する方が難しい」 セキュリティ専門家3人が合同で見解

ITmedia AI+/2026年10月8日

夏以降に相次ぐ情報漏えいを受け、マクニカ、伊藤忠サイバー&インテリジェンス、セキュアスカイ・テクノロジーの専門家3人が合同で見解を示したとITmedia AI+が報じました。攻撃者は特定の手法に絞らず、システムの不備を幅広く探して情報に届く手法を試行錯誤していると指摘しています。AIを使った直接の証拠は確認されていないものの、人手では難しい広さの調査が行われていることから、AIの活用を否定する方が難しい状況だとしています。対策として、直近1か月のアクセスログの点検、弱いパスワードの見直しと多要素認証の導入、異常の検知と対応手順の整備を挙げました。

💡 コプラスの視点

挙げられた対策は、どれも新しい製品を買わずに今日から始められるものです。特にアクセスログの点検は、自社が既に狙われていないかを確かめる最初の一歩になります。社内で使っている生成AIサービスについても、管理者がログを見られるか、多要素認証を必須にしているかを、この機会にあわせて確認しておくと安心です。

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② ユサコ、研究データを外部のAIに渡さないオフライン生成AI「Sovereign GaiXer」を学術・研究機関向けに販売開始

PR TIMES(ユサコ株式会社発表)/2026年10月8日

学術情報サービスのユサコは、FIXERが開発したオンプレミス型の生成AI機器「Sovereign GaiXer」を、学術・研究機関向けに10月7日から販売していると発表しました。データを外部のAIサービスに送らず、組織のネットワークの中だけで処理する仕組みで、未発表の研究データや患者情報を扱う機関を想定しています。NVIDIAのBlackwell世代のプロセッサと128GBのメモリを搭載し、最大2,000億パラメータ規模の大規模言語モデルに対応するとしています。価格は3年保証込みの買い切りで税抜380万6,400円、利用量に応じた料金はかからないと案内しています。

💡 コプラスの視点

外部に出せないデータを持つ組織では、クラウドの生成AIをどこまで使ってよいかが導入の壁になりがちです。手元で動く機器を置く方法と、学習に使わない契約のクラウドを使う方法には、それぞれ費用や使えるモデルの新しさに違いがあります。扱うデータの機密度に合わせて、両方を使い分ける設計も選択肢になります。

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③ 神戸市の山中に残るトンネル跡を地中型データセンターに 三井不動産・熊谷組・ゲットワークスが2027年末の運用開始を予定

PR TIMES(パシフィックコンサルタンツ株式会社発表)/2026年10月8日

パシフィックコンサルタンツは、兵庫県神戸市で既存のトンネルを使った地中型データセンターの開発を、協力事業者として支援すると発表しました。事業者は三井不動産、熊谷組、ゲットワークスの3社で、2005年9月まで造成用の土砂運搬に使われたベルトコンベア用トンネル(総延長14.5km)のうち約3km、約17,000㎡を活用します。コンテナ型の設備を置き、将来は最大受電容量20MW規模を目指すとしています。初期開発分は2027年末の運用開始を予定しています。発表では、外部顧客向けの商用データセンターとして既存トンネルを使う例は日本初としています(2026年9月時点、三井不動産調べ)。

💡 コプラスの視点

データセンターは、生成AIを含むクラウドサービスを支える土台です。用地や建設費の確保が課題になるなか、使われなくなった地下空間を転用する発想は、地方都市にとって新たな産業誘致の形にもなり得ます。利用する企業の側では、データがどの国・どの地域で保管されるかを契約前に確かめる習慣をつけておくと、社内説明もしやすくなります。

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④ JTの研究組織「D-LAB」、FRONTEOの医学論文探索AI「KIBIT Amanogawa」を導入 論文に書かれていない関連性から仮説を探索

PR TIMES(株式会社FRONTEO発表)/2026年10月8日

FRONTEOは、日本たばこ産業(JT)のコーポレートR&D組織「D-LAB」が、同社の医学論文探索AI「KIBIT Amanogawa」を導入したと発表しました。KIBIT Amanogawaは4,000万報を超える医学・生命科学論文を解析し、論文に直接書かれていない関連性を見つけることを特長とする自然言語処理AIです。D-LABは「心の豊かさ」を研究テーマに100件以上のプロジェクトを進めている組織で、創薬研究の分野から新しい技術シーズにつながる仮説の探索に使うとしています。

💡 コプラスの視点

生成AIの活用は文章作成や要約が中心になりがちですが、膨大な文献から人が気づかない組み合わせを探す使い方は、研究開発の現場で効果が出やすい分野です。医療や製薬に限らず、社内に蓄積された報告書や過去の案件記録から次の打ち手を探すという発想は、多くの企業に応用できます。

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⑤ 東京都中小建設業協会の会員向けに生成AIの実践講座 AIエージェントで現場監督の補佐や内訳表の作成を演習

PR TIMES(ネクストビルダーズ株式会社発表)/2026年10月8日

ネクストビルダーズは、一般社団法人東京都中小建設業協会の会員企業の経営者や実務担当者を対象に、10月7日に生成AIの実践講座を開いたと発表しました。AIエージェントによる現場監督の補佐、設計図からの3Dモデル作成、Excelの内訳表や緊急連絡先リストの作成など、建設会社の実務に沿った演習を行ったとしています。参加者は23名で、満足度は5点満点で平均4.64点でした。講座では、セキュリティ対策やAIの出力を人が確かめることの大切さも共有されました。

💡 コプラスの視点

中小企業では、一般的なAIの使い方を聞いても自社の仕事にどう当てはめるかで止まってしまうことが少なくありません。業界団体を通じて、同業の実務に沿った演習を受けられる場は、導入の最初の一歩として有効です。社内に持ち帰る際は、使ってよいデータの範囲と、出力を誰が確認するかをあわせて決めておくと、現場に定着しやすくなります。

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明日への展望

情報漏えいの多発を受け、各社のセキュリティ担当者は当面、アクセスログの点検や多要素認証の徹底を急ぐとみられます。AIの活用を広げる動きと、データを外に出さない仕組みや保管場所を選ぶ動きが同時に進むなか、使う側にも「どこで処理され、どこに残るか」を確かめる姿勢が一段と求められそうです。

本日のまとめ

攻撃側のAI活用を指摘する専門家の見解、データを外に出さないオフライン生成AI、地下トンネルを使ったデータセンター、論文探索AIによる研究開発、中小建設会社向けの実践講座と、AIを使いながら守りも固める動きが並んだ一日でした。

コプラス株式会社は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの画面で使える法人向け生成AI「UPGEAR AI」を提供しています。安全な使い方の設計や社内ルールづくりのご相談は、お気軽にお問い合わせください。