
AI研修のeラーニングとは、生成AIの使い方と注意点を、動画と確認テストで社員それぞれが自分のペースで学ぶ研修の形です。社員全員に受けてもらう場合は、講座の数よりも、受講状況を管理画面で追えるかと、人数をかけた年間の総額で選ぶと失敗が少なくなります。最後まで受講してもらえるかは教材より運用で決まり、割り当て・期限・声かけの段取りを先に決めておくと、全員の受講完了に近づけることが出来ます。受講が終わった翌日から使える、会社公認のAI環境も一緒に用意しておきましょう。
研修の種類の違いや助成金の計算、集合研修との比べ方といった全体の話は、生成AI研修の選び方・費用・助成金の解説にまとめています。
eラーニングでAI研修を行うメリットと、向いている会社
eラーニングの強みは、全社員に同じ内容を、仕事の合間に受けてもらえるところにあります。集合研修のように全員の予定を1日そろえる必要がなく、営業や現場の方も空いた時間に少しずつ進めることが出来ます。動画の内容は回ごとに変わらないため、どの部署の方にも同じ基準の注意点が伝わります。
費用の面でも、1人あたりの月額や1人あたりの受講料で値段が決まるサービスが多く、人数が決まれば年間の出費を前もって読むことが出来ます。どの形が安くなるかは人数と契約期間で入れ替わるため、後の節で公開価格をもとに人数別の総額を計算しています。
向いている会社と、先に別のことを決めたい会社
社員が10〜200名ほどで、拠点や勤務時間がばらばらの会社には、とくに相性のよい形になります。反対に、どの業務でAIを使うかがまだ決まっておらず、まず経営陣で方針を話し合いたい段階なら、社内ルールを先に決めてから研修に進むほうが無理がありません。研修の中で「自社では何を入れてはいけないか」を示せないと、受講した方が迷ってしまうためです。社内ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で解説しています。
もう1つ知っておきたいのは、動画を見終えただけで、翌日から自分の仕事でAIを使いこなせるようにはならないという点です。eラーニングは知識をそろえる道具で、使える状態にするには受講後の宿題と使う場所が要ります。この2つは後半の節で、具体的な進め方を紹介しています。
AI研修eラーニングを選ぶ6つのチェックポイント
全社員向けのeラーニングは、講座の多さより、最後まで受けてもらえる仕組みがあるかで選ぶと失敗が少なくなります。実際に比べるときは、次の6つを順に確かめてみてください。
- 受講する方のレベルに合っているか初めてAIに触れる方向けの基礎と、業務での使い方の回が分かれているかを見ます。全員に必ず受けてもらう範囲は、合計1〜2時間ほどに収まると無理がありません。
- 自社の仕事に近い内容かメールの下書き・会議の要約・表の整理など、自社の業務に近い例で説明されているかを確かめます。抽象的な話が中心だと、受講後に何に使えばよいかが残りません。
- 最後まで続けられる仕組みがあるか1本10分前後の短い動画か、期限の設定・リマインドの送信・受講状況の一覧が管理画面で出来るかを確かめます。
- 内容が新しく保たれているか生成AIは画面や機能の変わり方が速い分野です。講座の更新日や、更新の方針が示されているかを見ます。
- 安全な使い方の回が入っているか情報漏えい・著作権・社内ルールの扱いを学ぶ回があるかを確かめます。操作の回だけの教材は、全員必須には向きません。
- 人数をかけた総額が予算に収まるか1人あたりの単価だけでなく、最低契約数・契約期間・初期費用・支払い方法を含めて、年間の総額で比べます。
このうち、全社員向けで差が出やすいのは3つ目の続けられる仕組みと、6つ目の総額になります。受講状況を一覧で見られない教材では、人数が増えるほど誰が終わっていないかを追えなくなってしまいます。試用の段階で管理画面を実際に開き、未受講の方の一覧が出せるかまで確かめてみましょう。
5つ目の安全の回は、教材ごとに扱う深さがまちまちです。一般的な注意点を学ぶ回が入っていれば充分で、自社ならではの禁止事項は、後で触れる社内ルール1枚で補う形が現実的でしょう。
公開価格で比べる、人数別の年間総額
料金を比べるときは、1人あたりの単価を並べるより、自社の人数をかけた年間の総額に直すと判断しやすくなります。下の表は、各社が公式ページに出している価格だけを使い、社員10名・30名・50名・100名で計算したものを並べました。
| サービス(計算に使った価格) | 10名 | 30名 | 50名 | 100名 |
|---|---|---|---|---|
| AirCourse コンテンツプラス(年間契約一括払い。1〜99ライセンスは1ライセンス月500円、100〜299ライセンスは月380円・税抜。初期費用0円) | 60,000円 | 180,000円 | 300,000円 | 456,000円 |
| D-Marketing Academy(12か月契約。1ID月7,000円・税抜。3ID以上) | 840,000円 | 2,520,000円 | 4,200,000円 | 8,400,000円 |
| Udemy Business チームプラン(1ユーザー年38,000円・税表記なし) | 380,000円 | 1,140,000円 | 1,900,000円 | 計算していません |
| リスキル AI研修 全体像理解編・買い切り(249,000円。人数・期間の制限なし・税表記なし) | 249,000円 | 249,000円 | 249,000円 | 249,000円 |
| リスキル 同講座・4週間レンタル(1人2,490円・税表記なし) | 24,900円 | 74,700円 | 124,500円 | 249,000円 |
※価格は2026年10月6日時点で各社の公式ページに表示されている金額です(各社が公開している価格で、第三者が検証したものではありません)。AirCourse と D-Marketing Academy は税抜、Udemy Business とリスキルは確認したページに税の表記がないため、表示の金額のまま計算し、税は足していません。リスキルの2行は1年分ではなく、1回の受講分の金額です。Udemy Business の100名は、チームプランで契約できる人数を公式ページで確かめてから計算してください。
AirCourse:単価が低く、全員に配りやすい形
AirCourse のコンテンツプラスは、自社で作ったコースに加えて、受け放題の動画研修が使えるプランです。年間契約一括払いなら1〜99ライセンスは1ライセンス月500円(税抜)で、計算は月500円×人数×12か月となります。30名なら500円×30名×12か月で年180,000円、月にならすと15,000円の出費です。100名になると単価が380円の区分に入り、380円×100名×12か月で年456,000円になります。
月間契約にすると1〜99ライセンスの単価は月600円(税抜)に上がるため、1年続ける前提なら年間一括払いのほうが安く済みます。初期費用は0円で、99ライセンスまではインターネットで注文してクレジットカードで払う形、100ライセンス以上は銀行振込の請求書払いという案内です。自社で作ったコースだけを配るベーシックは、1〜99ライセンスの年間契約一括払いで月300円(税抜)からとなっており、お試し用に一部のコースを使えるフリープランも用意されています。
D-Marketing Academy:AIに絞った講座の数と管理機能で選ぶ形
D-Marketing Academy は、AIの動画講座を約400本そろえていると同社が案内しているサービスです。料金は1IDあたりの月額(税抜)で、6か月契約は10,000円、9か月契約は7,500円、12か月契約は7,000円と、契約期間が長いほど単価が下がる仕組みになります。12か月契約で30名なら7,000円×30名×12か月で年2,520,000円となり、契約は3ID以上からです。同じページには1IDあたり500円からの受け放題の定額プランもあると書かれているため、条件は見積もりの段階で問い合わせてみてください。
Udemy Business:1ユーザーの年額で払う形
Udemy Business のチームプランは、1ユーザーあたり年38,000円の年額で、請求は年に1回の形です。確認したページには税の表記がなかったため、表の金額は表示のまま計算しています。30名なら38,000円×30名で年1,140,000円となり、10名なら年380,000円となります。ユーザーの利用状況レポートなどの分析機能はチームプランにも付いていると案内されています。
リスキル:1本の講座を買い切って全員で見る形
リスキルの「AI研修 全体像理解編」は、76分(動画4本)の講座をmp4で買い切る形で、価格は249,000円です。人数と期間の制限がないため、10名でも100名でも支払いは249,000円のまま変わりません。1人ずつオンラインで見るレンタルもあり、4週間なら1人2,490円で、100名分を借りると2,490円×100名で249,000円と、ちょうど買い切りと同じ額になります。テキスト・確認テスト・字幕が付き、レンタルの場合は管理システムで受講者ごとの実施状況を出力できると案内されています。買い切りで配る場合に誰が見終えたかをどう記録するかは、購入前に確かめておきましょう。
AVILEN:1人あたりの研修費で払う形
AVILEN は、eラーニング形式の「生成AI業務プロセス適用研修(全コース)」を1名66,000円(税込)からと案内しています。導入事例では、習熟度を把握するテストや、自社の学習管理システムへの教材の搭載も紹介されているので、あわせて見てみてください。
金額の差は、付いてくる中身の差です
表の金額は、同じものを比べた値ではありません。AirCourse と Udemy Business は多くの講座を見放題や年額で使う形、リスキルは1本の講座を全員で見る形、D-Marketing Academy はAIに絞った講座の数と管理機能に費用をかける形となります。比べる軸は単価ではなく、全員に受けてほしい内容が、その金額の中に入っているかどうかです。見放題の形を選ぶ場合は、AIの講座がどれだけ入っているかを、無料の試用や資料で先に確かめてみてください。
判断に迷ったら、全員必須の1回分と、希望者が続けて学ぶ分を分けて考えると整理しやすくなります。例えば全員には短い基礎の講座を1本受けてもらい、もっと使いこなしたい方にだけ見放題のIDを配る形にすれば、総額を人数で膨らませずに済みます。
見積もりや申し込みの前に確かめたいこと
公開価格だけでは分からない点は、申し込みの前に問い合わせて確かめておきましょう。とくに全社員向けでは、契約の途中で人数が変わったときの扱いと、退職した方のIDを新しく入った方に付け替えられるかで、1年間の出費が変わってきます。最低の契約数や契約期間の縛りがあるサービスでは、試しに一部の部署だけで始める形が取りにくい場合もあります。
支払い方法も、総務の手間に関わる点です。クレジットカード払いに限られるのか、請求書払いが選べるのかは、ライセンス数によって変わるサービスもあるため、見積もりの段階で聞いてみてください。
人材開発支援助成金の対象になるか
厚生労働省の人材開発支援助成金には「人への投資促進コース」があり、定額制訓練(サブスクリプション型)などを実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などを助成すると説明されています。定額制のeラーニングも対象になり得るコースがあるものの、要件の細かな条件は労働局で確かめる必要があります。申請を考えているなら、契約の前に問い合わせておきましょう。助成額の計算の仕方は、冒頭で紹介した生成AI研修の選び方の解説で扱っています。
受講しても使う場がないと、社員は私物のAIに戻ってしまう
eラーニングを全員が修了しても、翌日から会社で使ってよいAIが決まっていなければ、学んだことは仕事に結びつきません。研修で入力してはいけない情報を学んだ方ほど、どのAIなら業務の資料を入れてよいのかで迷ってしまいます。その結果、手元のスマホに入っている無料のAIや、自分で契約したアカウントに戻って使い続ける形になりがちです。
会社が把握していないAIの使い方はシャドーAI(野良AI)と呼ばれ、入力した情報がどこに残るかを会社から確かめられなくなってしまいます。研修で安全な使い方を教えても、使う場所が私物のままでは、その教えが守られているかを誰も確かめることが出来ません。研修の費用を決めるときは、受講後に全員が使う会社のAI環境も同時に決めましょう。
実際には、研修の最終回で使ってよいAIの名前と使い方の手順まで案内できると、受講した方がその日のうちに手を動かせます。研修と使う環境を別々の時期に用意すると、間が空いた分だけ覚えた内容が薄れ、私物のAIに慣れてしまう方が増えてしまうでしょう。
受講後に使うAIを会社で1つに決めれば、研修の教えを全員が同じ環境で守れます。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
全員に受けてもらう回:情報漏えい・著作権・社内ルール
全員必須にする回は、操作の上手さより、やってはいけないことを全員が同じ基準で知る内容にすると効き目が見えやすくなります。業務でAIを使う場面で事故につながりやすいのは、入力する情報と、出てきた文章や画像の扱いの2つです。
情報漏えい:入れてはいけない情報を自社の例で示す
eラーニングの安全の回は、どの会社にも当てはまる一般論で作られています。顧客の氏名や連絡先、取引先との契約の中身、公表前の数字など、自社で入力を禁じる情報は、講座とは別に自社の例で示してみてください。受講した方が自分の机の上の書類に置き換えて考えられると、迷う場面がぐっと減ります。
入れてよい情報と入れてはいけない情報を、3つずつ書いた1枚の表を配るだけでも効き目があります。迷ったら入れずに総務へ聞く、という逃げ道を案内文に書いておくと、判断を1人で抱え込む方が減るでしょう。
著作権:出てきた文章や画像を社外に出す前の確認
AIが作った文章や画像をそのまま社外の資料や広告に使う前に、誰が中身を確かめるかを決めておきましょう。他社の文章や画像を読み込ませて似たものを作らせる使い方は、権利の確認が必要になる場合があります。研修では、社外に出すものは必ず人が確認する、という手順を全員に覚えてもらう形がおすすめです。
AIの答えをそのまま信じない
生成AIは、もっともらしい文章で事実と違うことを答える場合があります。数字や固有名詞、制度の説明は、出典や公式の情報で確かめてから使うという習慣を、全員必須の回で身につけてもらいましょう。研修では、AIの答えをうのみにして困る例を1つ見せると、受講した方の記憶に残りやすくなります。
社内ルールとセットで受けてもらう
安全の回を受けた直後に、自社のガイドラインを読んで確認テストに答えてもらうと、一般論が自社のルールに結びつきます。点検の項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリストにまとめているので、研修の前に自社のルールと照らし合わせてみてください。
最後まで受講してもらう運用の手順
全社員の受講は、IDを配って終わりにすると途中で止まりやすくなります。割り当て・期限・リマインド・遅れた方への声かけの4つを、配る前に決めておきましょう。
手順1:割り当ては全員必須と希望者向けに分ける
全員に受けてもらう範囲は、合計1〜2時間ほどに絞るのが現実的です。見放題の教材でも、最初から何十本も並べると、どれを見ればよいか分からず手が止まってしまいます。全員必須の講座を3〜6本ほどに決めて一覧の先頭に置き、残りは希望者向けとして分けて案内してみてください。
部署ごとに受講の担当者を1人決めておくと、総務が全員を1人ずつ追いかける必要がなくなります。担当者には、部署の受講状況を週に1回見てもらう程度の役割で充分でしょう。
手順2:期限は開始から2〜3週間にし、中間日を置く
期限が1か月を超えると、最後の数日にまとめて受けようとして間に合わなくなる方が出やすくなってしまいます。開始から2〜3週間を期限にし、その間に中間日を1つ置くと進み具合を確かめやすくなるでしょう。中間日の時点で1本も見ていない方に声をかけるのが、完了まで持っていくいちばんの近道です。
繁忙期と重なる部署には、最初から期限をずらした別の日程を用意しておきましょう。決算期の経理や、繁忙期の営業に一律の期限を当てると、受講が後回しになり、全体の完了が遅れる原因となってしまいます。
手順3:リマインドは3回までに絞る
全員宛てのリマインドは、開始日・中間日・期限の3日前の3回に絞ると読まれやすくなります。回数を増やすと、受講を終えた方にも同じメールが届き、案内そのものが読み飛ばされやすくなってしまいます。中間日と期限前のメールには、全体の完了の割合を添えると、まだの方が自分から動きやすくなるでしょう。
手順4:遅れた方には一斉メールではなく個別に声をかける
中間日を過ぎても未着手の方には、全員宛てのメールではなく、上長か総務から個別に一言かけてみてください。責めるのではなく、ログインできない、時間が取れないといった事情を聞く形にすると、本当の理由が見えてきます。ログインの不具合なら総務で直し、時間が取れない方には業務時間内に受ける30分を上長と一緒に決めると、期限内に終えやすくなるでしょう。
手順5:終わった部署を小さく紹介する
全員が受講を終えた部署を、朝礼や社内の掲示で紹介するだけでも、ほかの部署の後押しになります。人事評価に組み込むほどの仕組みにしなくても、経営者が開始の案内に一言添え、完了した部署に声をかけるだけで、会社として本気で取り組んでいることが伝わります。
手順6:あとから入った方の受講も決めておく
全社員の受講が終わったあとも、新しく入った方や異動してきた方の受講は続きます。入社の手続きの中に、全員必須の講座の受講と社内ルールの確認を1つの項目として入れておくと、担当者が替わっても抜けが出にくくなります。IDを人数分だけ契約している場合は、退職した方のIDを止める手順も同じ一覧に並べておきましょう。
社員への受講案内文のひな形(開始・期限前・未受講の方向け)
案内文は、目的・所要時間・期限・困ったときの窓口の4つが1通で分かる形にすると、問い合わせが減ります。下の3通は、総務の方がメールや社内チャットにそのまま貼って使えるように作ったひな形です。◯の部分を自社の内容に置き換えて使ってみてください。
開始の案内(全員宛て・開始日に送る)
件名:【全員受講】生成AIの使い方研修(eラーニング)のご案内 皆さん、お疲れさまです。総務の◯◯です。 会社として生成AIを業務で安全に使うため、全社員にeラーニングでの研修を受けていただきます。 ・内容:生成AIの基本の使い方と、業務で使うときに守ること ・所要時間:合計◯分(1本10分ほどの動画◯本と確認テスト) ・期限:◯月◯日(◯)まで ・受け方:下のURLからログインし、一覧の先頭にある全員必須の講座を上から順に受講してください (URL) ・スマホからも受講できます(※使う教材に合わせて書き換えてください) 研修を受けた方から、会社で用意したAIの環境を◯月◯日から使えるようにします。 それまでは、業務の情報を個人のAIアカウントに入力しないようお願いします。 分からないことは、総務の◯◯(内線◯◯)までご連絡ください。
開始の案内には、受講後に使えるAI環境の開始日を入れておくのがおすすめです。受講が使い始める条件になるため、自分から受けようとする方が増えます。
期限前のリマインド(全員宛て・期限の3日前に送る)
件名:【あと3日】生成AI研修の受講期限は◯月◯日です 皆さん、お疲れさまです。総務の◯◯です。 生成AI研修の受講期限が◯月◯日(◯)に近づいてきました。 現在、全体の◯割の方が受講を終えています。ご協力ありがとうございます。 まだの方は、残りは合計◯分ほどです。業務の合間や移動中にご覧ください。 期限までの受講が難しい場合は、◯日までに総務へご相談ください。個別に日程を調整します。 すでに受講を終えた方は、このメールへの対応は不要です。
期限前のメールには、すでに終えた方への一言を必ず入れておきましょう。終えた方が自分宛てかどうかを迷わずに済み、まだの方だけが読む内容になります。
未受講の方への声かけ(個別・中間日を過ぎた方に送る)
件名:生成AI研修の受講について(個別のご連絡) ◯◯さん、お疲れさまです。総務の◯◯です。 生成AI研修について、まだ受講の記録が確認できていなかったため、個別にご連絡しました。 お忙しいところ恐縮ですが、◯月◯日(◯)までに受講をお願いできますでしょうか。 全員必須の講座は合計◯分ほどで、スマホからも見られます。 ログインできない、まとまった時間が取れないなどの事情があれば、遠慮なく教えてください。 受けやすい時間や方法を一緒に考えます。
個別の声かけは、送る相手が少ないうちに出すほど効き目があります。中間日の翌日に未着手の方の一覧を出し、その日のうちに送ってみてください。
経営者・総務が見る進捗と理解度の見方
管理画面で追う数字は、受講を終えた人数、まだ1本も見ていない人数、確認テストの結果の3つで足ります。細かな視聴時間まで追いかけると、見る側の手間が増えるだけで、次に何をすべきかが見えにくくなってしまいます。
受講状況を管理画面で確かめられるかは、サービスごとに違います。D-Marketing Academy は学習者の進捗や理解度を管理画面やレポートで把握できると記載しており、Udemy Business にはユーザーの利用状況レポートなどの分析機能があります。リスキルはレンタルの場合に受講者ごとの実施状況を出力でき、テストの実施状況をリアルタイムで確かめられると書かれています。AirCourse は受講履歴の保存期間がフリープランでは30日間、有料プランでは無制限と案内されているため、無料のまま全社研修を回すと、後から記録をさかのぼれなくなる点に気をつけましょう。
見るのは中間日と期限の前の2回で足りる
総務が受講状況を見るのは、中間日と期限の3日前の2回を基本にすると無理がありません。部署ごとの担当者を置いている場合は、担当者が週に1回、自分の部署だけを見る形にすると、総務の手間が増えずに済みます。
未着手の方と、途中で止まった方を分けて見る
同じ未完了でも、1本も見ていない方と、途中まで進んで止まっている方では、かける言葉が違います。1本も見ていない方にはログインや時間の事情を聞き、途中で止まった方には残りの時間を伝えます。一覧を出したら、この2つに分けてから声をかけてみてください。
確認テストの有無と使い方
確認テストは、点数で社員を評価するためより、全員が同じところで間違えていないかを見つけるために使うと役に立ちます。D-Marketing Academy は理解度テストやテストの自動生成機能、リスキルは確認テスト、AVILEN は導入事例で習熟度を把握するテストを紹介しています。
間違いが多かった問題は、研修の内容が自社の実態と合っていないか、説明が足りていないところです。たとえば、入力してはいけない情報の問題で間違いが多ければ、社内ルールの1枚に具体例を足して全員に配り直しましょう。テストのない教材を選んだ場合は、社内ルールに沿った5問ほどの小テストを、社内のフォームで作って補う方法もあります。
経営者への報告は1行にまとめる
経営者に伝えるのは、何名中何名が終わり、未着手が何名いて、どの部署に多いかの1行で充分でしょう。例えば「◯月◯日時点で50名中42名が完了、未着手は5名(うち営業部が3名)」という形にすると、経営者が部署の責任者に一言かけるだけで動きが出ます。
期限を過ぎた方の扱い
期限を過ぎても終わらなかった方は、名前を全体に出さず、上長と本人だけで次の期限を決める形にしましょう。全体の完了の割合が9割を超えたあたりで、残りの方に総務が個別に日程を聞くと、最後の数名まで受講を終えてもらいやすくなります。どうしても時間が取れない方には、会議室で30分だけ一緒に受ける時間を作るのも1つの方法です。
スマホ受講の現実的な注意
スマホで見られる講座は、移動中や待ち時間に少しずつ進められるため、外回りや現場の方の受講完了を後押ししてくれます。D-Marketing Academy は1講座10分弱で、スマホからも見られると案内しています。現場にタブレットを置いている会社なら、休憩時間に共用の端末で受けてもらう方法もあります。一方で、スマホで受けてもらうなら、会社として先に決めておきたいことがいくつか出てきます。
私物のスマホで受けてもらうときの決めごと
会社のスマホがない方には、私物の端末で受けてもらう場面もあるでしょう。ログインのIDとパスワードを端末に保存してよいか、通信量はどう扱うか、勤務時間の外に見た分をどう考えるかは、案内を出す前に会社として決めておきましょう。業務時間内に受けてよいと明記するだけで、私物のスマホで夜に見る負担が減り、受講も進みます。
実際にAIを触る演習はパソコンで
動画を見るだけの回はスマホでも困りませんが、実際にAIに文章を入れて試す演習は、パソコンの画面で取り組むほうが進めやすくなります。私物のスマホで演習をすると、手元の個人のAIアプリに業務の内容を入れてしまうきっかけにもなりかねません。演習の回はパソコンで、会社が用意したAI環境を使うと決めてみてください。
音が出せない場所では字幕を使う
移動中に見てもらうなら、字幕が付いた講座のほうが受講を進めやすくなります。リスキルの全体像理解編は字幕つきと案内されているため、こうした機能があるかも選ぶときの材料になるでしょう。
eラーニングだけでは身につかない部分と、受講後2週間の宿題
eラーニングは知識をそろえるのは得意な一方で、自分の仕事にどう当てはめるかまでは、動画だけでは身につきにくくなります。質問できる相手がいないことと、自分の仕事で手を動かす機会がないことの2つが、eラーニングの弱いところです。この2つは、受講後の短い宿題と質問の窓口で補うことが出来ます。
1週目:自分の仕事で1回使ってみる
受講を終えた週のうちに、自分の仕事から1つを選んで、会社のAI環境で実際に作ってもらいましょう。社内向けメールの下書き、会議メモの要約、表の項目の整理など、10分ほどで終わる作業が向いています。提出してもらうのは、AIに入れた指示の文と、出てきた結果のどこを直したかを3行で書いたものだけで充分です。
2週目:うまくいった使い方を部署で共有する
2週目は、部署ごとに15分ほど集まり、1人1つずつ試した使い方を見せ合ってみてください。うまくいった指示の文は、共有のフォルダや社内チャットに貼っておくと、ほかの方がそのまま使えます。同じ部署の方の使い方は、動画の例よりも自分の仕事に近いため、真似されやすくなります。
質問の窓口を1つに決める
受講後の質問は、社内チャットに専用の場所を1つ作り、総務かAIに詳しい社員が答える形にすると、質問が集まりやすくなるでしょう。同じ質問が何度も来るようなら、答えを社内ルールの1枚に書き足していきましょう。
集合研修やOJTと組み合わせるかどうか
全員がeラーニングを終えたあとで、業務への落とし込みをもう一段進めたい場合は、部署単位の短い集合研修や、詳しい社員が隣で教えるOJTを組み合わせる方法もあります。集合研修との費用の比べ方は、冒頭で紹介した生成AI研修の選び方の解説にまとめているので、そちらで確かめてみてください。
研修後に使うAI環境の線引き
研修の最後に、どのAIを、どの情報まで使ってよいかを1枚で示すと、学んだ内容がそのまま日々の使い方になります。線引きを決めるときに見る点は、次の4つです。
- 入力した内容がAIの学習に使われない設定になっているか社員1人ずつの設定に任せず、会社として全員に同じ設定を当てられる環境かを確かめます。
- 管理者が利用の記録を確認できるか誰がいつ使ったかを会社側で見られると、ルールが守られているかを後から確かめられます。
- 全社員に同じ環境を配れるか一部の方だけに配ると、配られなかった方が私物のAIに戻りやすくなります。費用が人数でどう増えるかも合わせて見ます。
- 用途に合わせてAIを使い分けられるか調べもの・長い文書の読み込み・文章の下書きなど、用途ごとに向くAIを選べるかを確かめます。
この4つを満たす環境を、研修の最終回で使ってよいAIとして名前を出して案内すると、受講した方が迷わずに使い始められます。反対に、会社が契約していないAIや、個人のアカウントで業務の情報を扱うことは、ルールの1枚の中ではっきり禁止として書いておきましょう。用途ごとのAIの選び方は主要4AIの違いと使い分けで解説しています。
線引きの表は、研修の教材と同じ場所に置いておくと、あとから入社した方にも同じ順番で案内できます。新しく入った方には、eラーニングの全員必須の講座、社内ルールの1枚、使ってよいAI環境の3つをまとめて渡す形にしてみてください。
研修で教えた使い方を、全社員が同じ安全な環境で
UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約・1つの画面で使える法人向けサービスです。管理者ダッシュボードで利用ログや権限、使うモデルのオン・オフを管理でき、よく使う指示と手順をBOTにして社内限定で共有することも出来ます。データの保管とログの管理は国内サーバー(AWSの日本リージョン)で行います。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
AI研修のeラーニングは、全員にどれくらいの時間を受けてもらえばよいですか?
期限までに受講しない社員がいる場合はどうすればよいですか?
無料の教材だけで全社研修を済ませてもよいですか?
スマホだけで受講してもらっても問題ありませんか?
eラーニングのAI研修に助成金は使えますか?
研修が終わったら、社員にどのAIを使ってもらえばよいですか?
まとめ
社員全員にAI研修をeラーニングで受けてもらうなら、講座の多さより、受講状況を一覧で追える管理機能と、人数をかけた年間の総額で選ぶと失敗が少なくなります。年額で契約する形の公開価格で比べると、30名なら年180,000円(AirCourse コンテンツプラス・税抜)から年2,520,000円(D-Marketing Academy 12か月契約・税抜)まで開きがあり、付いてくる中身もそれぞれ違います。
最後まで受講してもらえるかは、教材より運用で決まります。全員必須の範囲を1〜2時間ほどに絞り、期限は2〜3週間で中間日を置き、リマインドは3回まで、中間日に未着手の方には個別に声をかける、という段取りを配る前に決めておきましょう。案内文は、目的・所要時間・期限・窓口の4つが1通で分かる形にすると問い合わせが減ります。
受講後は、自分の仕事で1回使ってみる宿題と、部署での短い共有で、知識を使える状態に変えていきます。そのためにも、研修の最終回で使ってよいAI環境と線引きの1枚を示し、私物のAIに戻らない形を整えておきましょう。法人のAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。
