ChatGPTのモデル比較。現行モデルと思考レベルを社内でどう割り当てるか

ChatGPTのモデル比較とは、現行のGPT-5.6 Luna・Terra・Sol・Sol ProとGPT-6 Astra、そして即時モードからProまで5段ある思考レベルの違いを見比べて、どの作業に何を使うかを決めることです。会社で使うのであれば、社員一人ひとりに選ばせるより、標準で使う段を1つ決めておき、上の段を使ってよい場面だけを短く配るほうが早く定着します。選ぶ対象がモデル名から思考レベルへ移ったことで、判断の軸も「どれが賢いか」から「この作業に何分待てるか」へ移っています。

ChatGPTのモデル選びは、いま何を選ぶことになったのか

いまのChatGPTで選ぶ対象は、モデル名ではなく思考レベルになりました。対象の有料プランの画面に並ぶのは即時モード・中程度・高・超高・Proという5つの段で、このうち即時モードから超高までを動かしているのはGPT-5.6 Solという1つのモデルです。OpenAIのヘルプには、GPT-5.6 Solが対象の有料プランで即時モード・中程度・高・超高を動かし、GPT-5.6 Sol ProがGPT-5.6ファミリーのPro向けの選択肢にあたる、と書かれています。

この違いは、社内のルール作りにそのまま効いてきます。手順書に「この業務はGPT-5.6 Solで」と書いても、社員が見ている画面にその名前は出ていないためです。社内に配る文書へ書くべきは、モデル名ではなく即時モードや高といった段の名前になります。画面の言葉と社内文書の言葉がずれていると、それだけで情シスへの問い合わせが増えてしまいます。

無料版とGoの扱いは、有料プランと分けて考える必要があります。ヘルプには、ログアウト中の利用者と無料版・Goの利用者はGPT-5.6 Solを利用できず、既定のモデルはGPT-5.6 Lunaで、Thinkも同じLunaが動かすと書かれています。社員が自宅の個人アカウントで試したときの手ごたえと、会社のアカウントでの手ごたえが食い違うのは、ここに原因がある場合も少なくありません。

会社として決めることは、突き詰めると2つだけになります。普段どの段を標準にするか、そして、どういう場面なら上の段へ上げてよいかの2点です。この2つを先に決めておけば、モデル名が入れ替わっても配った紙を書き直さずに進められますので、更新の手間もほとんどかかりません。

ここから先は、現行のモデルと思考レベルを一覧にしたうえで、プランごとに選べる段、利用枠の実際、職種ごとの割り当て方、管理者にできることの順に並べていきます。読みながら自社の標準を1つ決めてみてください。

現行のモデルは5つ|GPT-5.6 Luna・Terra・Sol・Sol ProとGPT-6 Astra

ChatGPTで名前が出てくる現行のモデルは、GPT-5.6 Luna・GPT-5.6 Terra・GPT-5.6 Sol・GPT-5.6 Sol Proの4つと、GPT-6 Astraの合計5つになります。系統としては、日常の速さを担うLunaとTerra、専門的な仕事を担うSol、難しい作業と長く走る処理を担うSol ProとAstra、という3層の構えです。かつてのようにThinking系やoシリーズを別のモデル名として選ぶ形ではなくなり、深く考える段もGPT-5.6 Solが担当しています。

モデル公式ヘルプ・開発者向けページの位置づけ主にどこで選ぶか
GPT-5.6 LunaGPT-5.6ファミリーの中で最も速く、最も低コストなモデル無料版とGoの既定モデル(ヘルプは順次移行中と記載)。有料プランの通常の会話では選択肢に出ず、ChatGPT Work・Codex・APIで選ぶ形
GPT-5.6 Terra日常の業務に向けて、能力・速度・費用の釣り合いをとったモデル通常の会話では選択肢に出ない。ChatGPT Work・Codex・APIで選ぶ形
GPT-5.6 Solコーディング、ナレッジワークと調査、サイバーセキュリティ、科学、コンピュータ操作、デザインにまたがる複雑な作業向け対象の有料プランで即時モード・中程度・高・超高を動かす
GPT-5.6 Sol Pro難しい作業と長く走る処理に向けた、GPT-5.6で最も能力の高い選択肢Proの段。Pro・Business・Enterpriseで利用
GPT-6 Astra最も難しい一連の作業のために作られた、最も能力の高いモデル(開発者向けページの表現)ChatGPTではGPT-6 Proとして提供。Pro・Business・Enterpriseで利用でき、PlusはChatGPT WorkとCodexで利用

※モデルの位置づけと提供範囲は、2026年9月20日にOpenAIのヘルプページと開発者向けページで確認した内容です。

表を見て最初に気づいていただきたいのは、LunaとTerraの行に書いてある「通常の会話では選択肢に出ない」という点です。ヘルプの日本語版には、TerraとLunaは通常のChatGPTの会話では選択可能なオプションではありません、とはっきり書かれています。この2つは、普段のチャット画面でモデル名を探しても見つからないという扱いになります。

もう1つ押さえておきたいのがGPT-6 Astraの位置です。ChatGPTの画面ではGPT-6 Proという名前の段として提供され、対象となるEnterprise・Eduのワークスペースでは、提供開始の時点で既定では無効と記載されています。対象のワークスペースでは、Enterpriseを契約しただけではGPT-6 Astraは社員の画面に出てこないという前提で、導入の段取りを組んでおきましょう。

現行の5つを覚え直す必要はありません。会社で押さえておくのは、通常の会話で選ぶのは段であること、そしてChatGPT WorkとCodexとAPIでは軽いモデルを名前で選ぶこと、この2点で足ります。社員向けの説明では、モデルの名前を5つ並べるより、いま使っている画面にどの選択肢が出ているかを一緒に見てもらったほうが早く伝わります。

速度と精度の関係は、おおよそ表の並び順のとおりになります。Lunaがいちばん速くて軽く、Terraがその次、Solは専門的な仕事に耐える代わりに考える時間が伸び、Sol ProとAstraは長く走る処理まで引き受ける代わりに回数の枠が厳しくなるという並びです。他社のAIも含めて見比べたい場合は、主要AIのモデルの比較もあわせてご覧ください。

思考レベル5段(即時モード・中程度・高・超高・Pro)の使い分け

思考レベルとは、同じモデルにどれだけ時間をかけて考えさせるかを選ぶ段のことになります。日本語の画面では即時モード・中程度・高・超高・Proの5つが並び、下の4段はGPT-5.6 Solが、Proの段はGPT-5.6 Sol ProまたはGPT-6 Proが担当する形です。段を1つ上げるほど答えの筋道は丁寧になりますが、そのぶん待ち時間が伸び、利用枠の減り方も速くなります。

段(日本語表示)ヘルプに書かれている説明動かすモデル
即時モード日常の質問に対する速い応答対象の有料プランはGPT-5.6 Sol、無料版とGoはGPT-5.6 Luna
中程度GPT-5.6 Solによる標準的な思考GPT-5.6 Sol
高GPT-5.6 Solによる拡張された思考GPT-5.6 Sol
超高GPT-5.6 Solで利用できる最も高い思考レベルGPT-5.6 Sol
Pro難しい作業と長く走る処理のためのProモデルGPT-5.6 Sol Pro/GPT-6 Pro

※段の名前と説明は、2026年9月20日にOpenAIのヘルプページで確認した内容です。日本語の画面表示は即時モード・中程度・高・超高・Proの5つでした。

Enterpriseの画面だけは、少し表示が違っています。EnterpriseとEduのヘルプでは、ピッカーの表示が即時モード・中程度・高・超高・Pro 標準・Pro 拡張の6つになっていて、Proが2つに分かれて見えます。同じヘルプには、ピッカーのラベルを変更しても、基盤となるモデル、コンテキストウィンドウ、使用上限、適用料金は変わりませんとも書かれていますので、表示名を社内で言い換えても中身は動かないと考えて差し支えありません。

もう1つ、名前の混同で相談が多いのがProという言葉です。ChatGPT Businessのヘルプには、Proはモデルのオプションであり、プレミアムシートの別名ではないことに注意してください、と明記されています。Proの段を使えることと、プレミアムシートを割り当てることは別の話になります。シートの違いについては標準シートとプレミアムシートの違いで整理していますので、席の設計と合わせて確認しておきましょう。

実務の感覚でいえば、即時モードと中程度の差は体感しやすく、高と超高の差は作業によっては感じ取れません。答えの形が決まっている仕事、たとえば議事録の要約やメールの下書きでは、段を上げても出来上がりはほとんど変わらないためです。段を上げて効くのは、条件が複数あって順番に詰める必要がある仕事に限られると考えておくと、選び方で迷う時間が減ります。

段の名前は、会社で言い換えないほうが無難になります。画面の表示と社内の呼び方がそろっていれば、操作の相談を受けたときに、いま何を選んでいるかを口頭で確かめられるためです。呼び方を独自に決めてしまうと、新しく入った社員が画面と手引きを突き合わせる手間が増えてしまいます。

料金プラン別に使えるモデルと思考レベルの対応表

選べる段はプランによってはっきり分かれています。OpenAIのヘルプにあるプラン別の一覧では、無料版とGoは中程度・高・超高・Proのいずれも含まれず、Plusは中程度と高までで、超高とProはPro・Business・Enterpriseにだけ含まれる形です。Plusを契約しても、いちばん深い2段には手が届きません。

思考レベル無料版・GoPlusProBusinessEnterprise
中程度と高含まれない含まれる含まれる含まれる含まれる
超高含まれない含まれない含まれる含まれる含まれる
Pro含まれない含まれない含まれる含まれる含まれる

※プラン別の可否は、2026年9月20日にOpenAIのヘルプページに表示されていた一覧(Availability by ChatGPT plan)の内容です。即時モードはこの一覧とは別に、無料版とGoではGPT-5.6 Luna、対象の有料プランではGPT-5.6 Solが動かすと記載されています。

即時モードだけは、どのプランでも使えます。ただし動かしているモデルが違いますので、同じ即時モードという名前でも、無料版とGoはGPT-5.6 Luna、対象の有料プランはGPT-5.6 Solという中身の差が残ります。同じ画面表示でも中身が違うという点は、社内で比較の話をするときに食い違いの原因になりやすいので、最初に共有しておきましょう。

この表から会社として読み取ることは2つあります。1つは、超高やProの段を業務で当てにするなら、PlusではなくPro・Business・Enterpriseのいずれかが前提になるという点です。もう1つは、深い段を必要とする社員が数人しかいないなら、全員分を上位プランにする必要はないという点になります。

プランそのものの選び方と金額はChatGPTの料金プランに、法人でどの契約を選ぶかの考え方は会社で使うならどのプランかにまとめています。モデルの話とプランの話は切り離せませんので、段の割り当てを決める前に一度目を通してみてください。

通常のChatとWork・Codex・APIでは選べるモデルが違う

同じChatGPTでも、通常の会話・ChatGPT Work・Codex・APIの4つでは、選べるモデルが別々に決まっています。通常の会話で選ぶのは思考レベルの段で、モデル名として表に出てくるのはSol系とGPT-6 Proだけです。一方でWorkとCodex、そしてAPIでは、GPT-5.6 TerraやGPT-5.6 Lunaといった軽い側のモデルを名前で選ぶことになります。

使う場所選べるモデル
通常のChat思考レベルの段で選ぶ(GPT-5.6 Sol/GPT-5.6 Sol Pro/GPT-6 Pro)。GPT-5.6 TerraとGPT-5.6 Lunaは選択肢に出ない
ChatGPT WorkGPT-5.6 Sol/GPT-5.6 Terra/GPT-5.6 Luna(Plus・Pro・Business・Enterprise)。GPT-6 Astraは別枠で、Plus・ProのChatGPT WorkとCodexで利用できると記載
Codex無料版とGoはGPT-5.6 Terra、有料プランはGPT-5.6 Sol/GPT-5.6 Terra/GPT-5.6 Luna
OpenAI APIGPT-5.6 Sol/GPT-5.6 Terra/GPT-5.6 Luna(一覧にはGPT-6 Astraも掲載)

※どの場所でどのモデルが選べるかは、2026年9月20日にOpenAIのヘルプページで確認した内容です。

ここを混同すると、社内の説明がすれ違います。情シスがCodexでGPT-5.6 Terraを使っていて軽さを褒めていても、総務の社員が通常の会話でTerraを探すと見つかりません。どの画面の話をしているのかを先に言い添えるだけで、この種のすれ違いはほとんど消えます。

API向けの軽いモデルとトークン単価の目安

社内システムに組み込んで大量に処理する場合は、APIの単価が判断材料になります。OpenAIの開発者向けページには、100万トークンあたりの単価として次の金額が表示されていました。いずれも短いコンテキストの場合の金額で、長いコンテキストでは別の単価が適用される旨も併記されています。

モデル入力(100万トークンあたり)出力(100万トークンあたり)
GPT-6 Astra$10.00$50.00
GPT-5.6 Sol$4.00$20.00
GPT-5.6 Terra$2.00$12.00
GPT-5.6 Luna$0.20$1.20

※単価は2026年9月20日にOpenAIの開発者向けページに表示されていた金額です。同ページにはGPT-5.6 Solの価格について、少なくとも2026年11月21日までの期間限定価格である旨が記載されています。

入力単価だけを見ると、GPT-5.6 LunaはGPT-5.6 Solの20分の1になります。1ドル150円で計算した場合、入力100万トークンあたりLunaは30円、Solは600円まで開きます。定型の分類や振り分けのように答えの形が決まっている処理を軽いモデルに寄せると、同じ処理量でも費用の桁が変わりますので、APIを使う場面では最初にここを設計しておきたいところです。

ChatGPT WorkとCodexの枠が通常のChatとは別に動く点も、情シスには伝えておきたいところになります。通常の会話で上限に当たっていなくても、Codex側だけ先に使い切っているという状態が起こるためです。どちらの枠の話をしているのかが分からないまま相談を受けると、原因にたどり着くまでに時間がかかってしまいます。

深い段を選ぶほど、使える回数は減る

上の段には、必ず回数の枠が付いてきます。OpenAIのヘルプには、Proのサブスクリプションには、GPT-6 Proモデルの無制限の利用は含まれません、とはっきり書かれています。枠はプランとシートの種類ごとに違いますので、深い段を業務の前提に組み込む前に、月あたり何件使えるのかを必ず確かめておきましょう。

プラン・シートPro系メッセージの枠(通常のChat)
Pro($200)GPT-6 Proは週200件。GPT-5.6 Sol Proは別に1日170件。ただし2つのモデルを合わせても1日200件まで
Pro($100)2つのモデルで共有して週50件
Business 標準シート2つのモデルで共有して月15件
Business プレミアムシート2つのモデルで共有して週50件

※利用枠は2026年9月20日にOpenAIのヘルプページで確認した内容です。ChatGPT WorkとCodexの枠はこれとは別に設定されています。

Business標準シートの月15件という数字は、社内で配る前に一度声に出して確かめておきたい水準になります。20人の部署で分け合うと1人あたり1件に届きませんので、Proの段は全員の日常業務には組み込めません。ヘルプには、2つのモデルを切り替えても、その共有利用枠が増えたりリセットされたりすることはありませんとも書かれていました。

ChatGPT WorkとCodexの側には、別の目安が公開されています。ChatGPT Businessのヘルプの「シートタイプ別のローカルメッセージ見積もり」には、標準シートが5時間枠あたりに送れるローカルメッセージ数の目安として、GPT-6 Astraが5〜45、GPT-5.6 Solが10〜100、GPT-5.6 Terraが25〜200、GPT-5.6 Lunaが250〜2,000という幅が示されていました。この表に並ぶGPT-5.6 TerraとGPT-5.6 Lunaは通常の会話では選べないモデルですので、この数字は通常のチャットの回数ではなく、ChatGPT WorkとCodexの目安として読んでください。同じ表には、実際の使用量はモデルやタスクによって異なりますという注も添えられています。

この幅の広さは、どのモデルを使わせるかに直結します。軽いモデルなら5時間で数百件こなせるのに対し、いちばん重いモデルでは一桁の件数で枠を使い切ることもある、という差だからです。同じヘルプには、ChatGPT WorkとCodexでは、長いタスクは短いタスクよりも利用枠を多く消費する場合があるため、一定のメッセージ数は残りの使用量を測る信頼できる指標ではありません、という断りも添えられていました。

プレミアムシートについては、ChatGPT WorkとCodexの利用枠が標準シートの5倍含まれ、5時間の上限がないため、ユーザーはセッションを中断することなく、より長く利用できますと説明されています。ただし同じページには、これはすべてのChatGPTモデルや機能の上限がより高いという意味ではありません、という但し書きも添えられていました。また、実質的に無制限のアクセスは即時モードのチャットに適用され、推論、Pro、ChatGPT Work、Codex、その他のツールが無制限に利用できるようになるわけではない、という注記も同じページにあります。無制限という言葉が指しているのは即時モードのチャットだけという理解で読むと、枠の設計を読み違えずに済みます。

枠に達したときの挙動も押さえておきましょう。ヘルプには、GPT-5.6の思考の上限に達した場合、ChatGPTは別の利用可能なモデルで処理を続けることがあると書かれています。さらにChatGPT Businessのヘルプには、含まれる利用枠の上限に達した場合でも、クレジットが利用可能で、ワークスペースの支出管理で許可されていれば、対象となる利用は購入済みのワークスペースクレジットで継続できる、という記載もありました。回数制限そのものの仕組みはChatGPTの回数制限で詳しく整理しています。

深い段の枠は限られています。使う環境は会社で1つに

枠の配り方で迷う前に、使う環境を会社で1つに揃えておくと判断が早くなります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

目的別の選び方|文章・企画書・分析・プログラミング・大量処理

目的別の割り当ては、細かくするほど守られなくなります。現実に運用できるのは、日常は即時モード、考える仕事は1段上、長く走らせる仕事だけ申請制、という三段構えくらいの粗さです。下の表は、その粗さのまま使えるように整理したものになります。

作業向く段・場所選ぶ理由
メール・社内連絡の下書き即時モード答えの形が決まっていて、段を上げても出来上がりがほとんど変わらない
議事録の要約・文章の整形即時モード速さがそのまま使い勝手になる。枠の消費も軽い
企画書・提案の骨子づくり中程度条件を並べて筋を通す作業で、標準的な思考が効いてくる
数字を伴う分析・資料の突き合わせ高手順を踏んで確かめる必要があり、拡張された思考が向く
条件が複数絡む設計・長い調査超高(Pro・Business・Enterpriseのみ)いちばん深い段。待ち時間と引き換えに筋道の粗さが減る
プログラミングCodex(無料版とGoはGPT-5.6 Terra、有料はSol・Terra・Lunaから選択)通常のChatとは別の枠と別のモデル一覧で動く
大量処理・システム組み込みAPI(GPT-5.6 TerraまたはGPT-5.6 Luna)1件あたりの単価が効く領域。軽いモデルに寄せると費用の桁が変わる

この表で意図的に外したのが、翻訳や画像の読み取りといった機能の話です。機能の有無はモデルの段とは別の軸で決まりますので、段の割り当てに混ぜると判断がぼやけてしまいます。まずは考える深さだけで割り当てて、機能の話は別の一覧で管理しておきましょう。

もう1つ、割り当てを決めるときに見落とされやすいのが、同じ作業でも回数によって答えの求め方が変わるという点になります。月に1回の企画書と、1日に30通のメールでは、1件あたりに許される待ち時間がまるで違うためです。頻度の高い作業ほど下の段に置くという原則を先に立てておけば、細かい業務名を並べずに済みます。

ChatGPT以外のAIも併用している会社では、段の選び方より前に、そもそもどのAIを使うかという判断が効く場面があります。調べものと長文の読み込みでは得意なAIが分かれますので、ChatGPTの中で段を上げるより、別のAIに渡したほうが早いこともあるためです。用途ごとの振り分けは4つのAIの使い分けでまとめています。

士業や会計事務所のように、正確さが成果物の価値に直結する仕事では、割り当てをもう一段はっきりさせておくと安全です。下書きと要約は即時モード、条文の読み合わせや計算ロジックの検討は高、最終的な判断と数字の確認は人、という三分割にしておくと、どこまでAIに任せたかが後から追えます。AIに任せた工程と人が確かめた工程を分けて記録しておくと、確認漏れが起きた場所を特定できます。

待ち時間で線を引く|3分待てる作業だけ上の段へ

段を上げるかどうかの基準は、難しさではなく待ち時間で決めると運用が安定します。難しさは人によって感じ方が違いますが、待てるかどうかは誰でも同じ尺度で答えられるためです。目安としては、その答えを3分待てる作業だけ上の段へ、それ未満なら即時モードのまま、という1行で足ります。

場面待てる時間選ぶ段
会議の直前に要点を確かめる数十秒即時モード
送る前のメールを整える数十秒即時モード
提案書の構成を組み立てる3分前後中程度
複数の資料を突き合わせて矛盾を探す5分以上高
朝に投げて昼までに戻ればよい調査数十分超高またはPro(枠の範囲で)

この線引きが効くのは、待ち時間と利用枠がほぼ同じ方向に動くからです。長く考えさせる段ほど1件あたりの枠の消費も重くなりますので、待てない仕事を上の段へ送らないというルールは、そのまま枠の節約にもなります。1日に何十回も繰り返す作業は、内容が難しくても上の段へ上げないでください。

もう1つ気をつけたいのが、自動で段が上がる動きです。ChatGPT Businessのヘルプには、ChatGPTは即時モードが選択されている場合も、推論を自動的に追加できると書かれており、さらに自動推論は即時モードが選択されたままでも、推論の利用枠を使用する場合がありますという注も添えられています。即時モードに固定したつもりでも枠が減っていく場合は、この動きを疑ってみましょう。

この自動推論を管理する場所も、同じヘルプに書かれています。設定から一般を開き、より高い応答性能を調整するという手順です。待ち時間で線を引く運用にするなら、この設定の扱いも社内で1つに決めておいたほうが、体感の差が出にくくなります。

職種別に「使ってよい段」を割り当てる表と社内周知文のひな形

用途別の割り当てまでは多くの会社が作りますが、実際に迷いが消えるのは人単位まで落としたときになります。自分の職種の行だけ読めば済む形にしておくと、読む側の負担がぐっと軽くなるためです。下の表は、社員10〜200名の会社を想定して、標準の段と例外だけを書き出したものになります。

職種標準の段上げてよい場面気をつけること
経営者・役員即時モード事業計画の前提整理、長い資料の読み合わせは高までProの段は件数が少ないため、使う前に情シスへ一声
営業即時モード提案書の骨子づくりは中程度まで顧客名や見積の内訳は入力しない
経理・財務即時モード突き合わせの手順を組み立てるときは高まで計算結果は必ず人が検算する。数字をそのまま転記しない
総務・人事即時モード規程案のたたき台づくりは中程度まで個人情報と選考に関する情報は入力しない
情シス中程度障害の切り分けや設定の比較は高・超高までCodexの枠は通常のChatとは別。使い切りに注意

この表をそのまま配るのではなく、自社の言葉に置き換えてから配ってみてください。とくに気をつけることの欄は、業種によって中身がまるで変わります。建設や不動産なら物件の情報、医療や介護なら利用者の情報というように、自社でいちばん外に出してはいけないものを名指しで書いてください。

そのまま貼れる社内周知文のひな形

配る文章は、5行を超えると読まれなくなります。次のひな形は、標準・例外・禁止・連絡先の4点だけに絞ったものになりますので、丸括弧の部分を自社の名前に置き換えてお使いください。

  • 普段は画面の初期設定のまま(即時モード)でお使いください。
  • 答えを3分待てる仕事に限り、1段だけ上(中程度)に上げてかまいません。
  • 超高とProの段は件数が限られています。使う前に(担当部署)へ一声お願いします。
  • 顧客名・個人情報・未公表の数字は入力しないでください。
  • 迷ったら(担当者名)まで。画面に出ている段の名前を添えてもらえると早く答えられます。

この5行の狙いは、社員にモデルを選ばせないという点にあります。選択肢を見せて考えさせるほど、人によって使い方がばらけていくためです。既定のまま使ってもらい、迷ったときだけ1段上げるという運用にしておけば、教える内容も1行で済みますし、モデル名が入れ替わっても書き直す必要がありません。

割り当て表を作ったあとは、部署ごとに1人だけ相談役を決めておくと運用が回りやすくなります。全員が情シスへ直接聞く形にすると窓口が詰まりますし、同じ質問が何度も届いてしまうためです。部署の中で先に一度受け止めてもらえれば、情シスへ上がってくるのは本当に権限や設定が絡む相談だけになります。

管理者にできること・できないこと|法人利用の注意点

管理者の権限は、プランによって差があります。OpenAIのヘルプには、BusinessとEnterpriseのワークスペースでは、管理者がワークスペースのメンバーが使用できるモデルを制御できる場合がある、と書かれています。ここから先の細かい画面と手順は、EnterpriseとEduのヘルプにだけ記載されていました。

EnterpriseとEduで公開されているのは、次の3つです。自動ルーティングの管理、モデルアクセスの管理、そして実際に適用される権限を確かめるテストの機能になります。

自動ルーティングについては、EnterpriseとEduの管理者は、ワークスペース設定からモデルを開いて自動ルーティングを管理できる場合があると記載されています。同じページには、自動ルーティングが適用されるのは、選択したChatの利用環境がリクエストを推論に振り分ける場合のみであり、メンバーは許可されている推論オプションを引き続き自由に選べるとも書かれていました。

モデルアクセスについては、対象となるEnterpriseおよびEduのワークスペースでは、GPT-6 Astraは提供開始時点でデフォルトでは無効であり、ワークスペースのオーナーがワークスペース設定のモデルアクセス管理で、ワークスペース全体または特定のロールに対して有効にできると説明されています。あるロールでアクセスが許可されている場合、別のロールで無効にしていてもアクセスは有効なまま、という注意書きも添えられていました。

3つ目のテストの機能は、社内の問い合わせ対応でそのまま使えます。手順は、管理コンソールを開いてChatGPTワークスペースを選び、モデルを開いてテストを選択し、メンバーを名前またはメールアドレスで検索する、という流れです。そのメンバーに実際に適用されるモデルアクセス、ワークスペースのデフォルト、モデル権限、ロール、設定を確認でき、テストによってモデルが有効になったり、権限や使用上限が変更されたりすることはないと明記されています。

この機能があると、あの社員の画面にだけ段が出ないという相談を、推測で追いかけずに済みます。見えないという報告を受けたら、まず管理コンソールのテストでその人の実際の権限を確かめてください。ロールの掛け合わせで権限が残る仕様がある以上、設定画面を眺めるだけでは判断を誤ります。

情報の取り扱いとハルシネーションは、別の軸で決める

モデルの割り当てとは別に、入力した情報の扱いも決めておく必要があります。OpenAIのヘルプには、ChatGPTなど個人向けのサービスを利用する場合、コンテンツをモデルのトレーニングに使用することがあると書かれている一方で、ChatGPT BusinessやChatGPT Enterpriseなどのビジネス向けサービスのコンテンツはモデルのトレーニングに使用しないと明記されています。個人向けプランについても、料金ページの比較表では学習への利用が無効化可能と表示されていました。

出力の正しさについても、同じヘルプが率直に書いています。ChatGPTは時折、事実を作り上げたり、出力を幻覚したりすることがあるという記載と、モデルからの回答が正確かどうか確認することをおすすめしますという案内です。段を上げても、この性質そのものは消えませんので、人が確かめる工程は段の割り当てとは別に用意しておきましょう。

管理者にできないことも、はっきりさせておく価値があります。社員が個人のアカウントで契約したプランは会社の契約とは別のものですので、会社の管理画面から利用状況や学習への利用の設定を確かめる手段はありません。会社の契約を整える前に、個人契約のまま業務で使っている状態を先に片付けておかないと、段の割り当てを決めても社内の出力はそろわないままです。この状態への対処は野良AIの実態と止め方で扱っています。

導入の進め方としては、順番を間違えないことがいちばん効きます。先に会社の契約を1つに決め、次に標準の段を決め、そのあとで例外の申請先を決めるという順です。上の段を誰に配るかの議論から始めてしまうと、個人契約が残ったまま話が進んでしまいますので、あとから決め直しになりやすくなります。

モデルの切り替え手順と、勝手に段が上がるのを止める設定

段の切り替えは、モデルピッカーと呼ばれる選択欄から行います。EnterpriseとEduのヘルプには、iOSとAndroidではピッカーは会話画面の上部に表示され、Webではメッセージ入力欄に表示されると書かれています。スマートフォンとパソコンで場所が違いますので、社内で手順を案内するときは両方を書き添えておきましょう。

  1. Webの場合はメッセージ入力欄、スマートフォンの場合は会話画面の上部にあるモデルピッカーを開きます
  2. 即時モード・中程度・高・超高・Proの中から、使う段を選びます(EnterpriseとEduではProがPro 標準とPro 拡張に分かれて表示されます)
  3. そのまま質問を入力します。会話の途中で段を変えたい場合は、同じピッカーから選び直します

手順そのものより相談が多いのが、選んだつもりの段と違う動きをするという声です。ChatGPT Businessのヘルプには、ChatGPTは即時モードが選択されている場合も、推論を自動的に追加できると書かれています。この動作を管理するには、設定から一般に移動し、より高い応答性能を調整すると案内されていますので、動きが気になる場合はここを確認してみてください。

反対に、頼んでも段が上がらない場合もあります。OpenAIのヘルプには、PlusとProのプランでは、即時モードが複雑なリクエストに対して自動的に上位の思考レベルに切り替わることはなく、もっと深く考えてや深く考えてと頼んでも、別の思考レベルに自動的に切り替わることはないと書かれています。深く考えてと言葉で頼んでも段は上がりませんので、ピッカーで選び直してください。同じページには、安全上の理由でChatGPTが自動的に切り替えることはある、という補足も添えられていました。

※切り替えの画面と設定の名称は、2026年9月20日にOpenAIのヘルプページで確認した内容です。日本語の画面表示に基づいています。

会話の途中で段を変えたときの扱いも、あらかじめ伝えておくと親切になります。前のやり取りの内容はそのまま引き継がれますので、途中から深い段に切り替えても、最初から説明をやり直す必要はありません。反対に、軽い段へ戻したときも、同じ会話の続きとして進められます。

社内に案内を出すときは、この2つをセットで書いておくと問い合わせが減ります。勝手に上がる動きは設定で調整でき、言葉で頼んでも上がらない、という2点です。どちらも画面の操作で解決しますから、手順書には段の名前と設定の場所だけを書いておけば足ります。

モデル名は短い周期で入れ替わる|旧モデルの廃止と移行への備え

モデル名は、社内文書の寿命より短い周期で入れ替わります。OpenAIのヘルプには、2026年2月13日時点でChatGPTがGPT-4o、GPT-4.1、GPT-4.1 mini、OpenAI o4-mini、GPT-5(InstantおよびThinking)を廃止したこと、そして2026年3月11日時点でGPT-5.1 Instant、GPT-5.1 Thinking、GPT-5.1 Proを廃止したことが記載されています。1か月足らずの間に、2度の入れ替えがあった形です。

日付ChatGPTで廃止されたモデル
2026年2月13日GPT-4o/GPT-4.1/GPT-4.1 mini/OpenAI o4-mini/GPT-5(InstantおよびThinking)
2026年3月11日GPT-5.1 Instant/GPT-5.1 Thinking/GPT-5.1 Pro
2026年4月3日までBusiness・Enterprise・EduのカスタムGPT内でGPT-4oを利用可。4月3日以降はすべてのプランで完全に廃止

※提供終了の日付は、2026年9月20日にOpenAIのヘルプページで確認した内容です。同ページには、これらはOpenAI APIでは引き続き利用でき、今後APIで廃止する場合は事前に知らせる旨も記載されています。

業務への影響がいちばん出やすいのは、カスタムGPTになります。ヘルプには、廃止されたモデルを使用しているGPTは、GPT-5.3 InstantとGPT-5.4 Thinking/Proのうち、最も近い相当モデルに自動的に移行されると書かれています。止まってしまうわけではありませんが、指定していたモデルとは別のモデルで動く形になりますので、出力の調子が変わったという報告が上がってくることがあります。音声モードと画像については、この更新による変更はないとも記載されていました。

四半期に1度の棚卸しで、書き換えの手間をなくす

入れ替わりを前提にすると、備え方は1つに絞られます。社内の文書にモデル名を直書きしないという方針です。手順書・社内プロンプト集・カスタムGPTの説明文には、モデル名ではなく段の名前だけを書いてください。段の名前は画面の表示そのものですから、裏で動くモデルが替わっても書き直す必要がありません。

それでも、どこかにモデル名が残ってしまうのが現実です。四半期に1度、次の4か所だけを見る棚卸しの時間を取っておけば、入れ替えの連絡が来てから慌てずに済みます。担当は情シスかAIの窓口担当の1名で足ります。

  • カスタムGPTの設定と説明文指定しているモデル、説明文に書かれたモデル名、動作が変わっていないかの確認
  • 社内プロンプト集・業務手順書モデル名の記載が残っていないか。残っていれば段の名前に置き換える
  • 研修資料・新人向けの手引き画面の説明図が古いままになっていないか。ピッカーの表示名と一致しているか
  • APIで組み込んだ仕組み指定しているモデルIDと、提供終了の告知が出ていないか

GPTシリーズの歴史とバージョンの進化は、日付が確かめられるものだけを並べる

モデルの世代を説明するときは、一次資料で日付を確かめられるものだけを並べたほうが安全です。年表の形で出回っている情報には出所のはっきりしないものが混ざりますので、社外に出す資料では特に気をつけたいところになります。確かめられる範囲では、次の3つが節目です。

  • 2017年6月12日、Transformerを提案した論文がarXivに初めて投稿されました(最終改訂は2023年8月2日)
  • 2020年5月28日、GPT-3の論文がarXivに投稿され、1,750億パラメータの言語モデルとして説明されました
  • 2022年11月30日、ChatGPTが公開され、研究プレビューの期間中は無料で利用できると案内されました

この3つの節目から数えて、いまのGPT-5.6ファミリーとGPT-6 Astraに至ります。世代を追う話で押さえておきたいのは、性能の伸び方そのものより、名前の付け方が何度も変わってきたという事実のほうです。GPT-4系の番号、oシリーズ、Thinkingという呼び名、そして現在の段の名前と、呼び方はそのたびに入れ替わってきました。社内の文書を名前に依存させないという判断は、この歴史からそのまま導けます。

社外に出す資料で世代の話に触れるときは、日付の出どころを1行添えておくと安心です。論文の投稿日なのか、公式の発表日なのか、媒体の記事の掲載日なのかで、同じ出来事でも書かれている日付がずれてしまいます。出どころを添えておけば、読んだ方が自分で確かめられますし、後から直す場面も減らせます。

「賢い段にすれば良くなる」が当てはまらないとき

出力が思わしくないときに段を上げるのは、半分しか当たらない対処になります。原因が入力の不足にある場合、どれだけ深く考えさせても足りない情報は補われないためです。段を上げる前に、症状から原因を切り分けておくと、枠も時間も無駄になりません。

症状まず疑うこと段を上げて効くか
内容が浅い・当たり前のことしか返らない前提・読み手・分量・形式を伝えていない効かない。入力を足すほうが早い
事実が違う・存在しない数字が出る根拠になる資料を渡していない効かない。資料を添えるか人が確かめる
途中で切れる・前半の指示を忘れる1回に渡した量が多い効かない。分けて渡す
毎回答えがばらつく指示が曖昧で、手順が示されていない部分的に効く。手順を番号で書くほうが確実
筋道が雑・条件の1つを見落とす条件が複数絡んでいて、考える時間が足りていない効く。1段上げて様子を見る

表の下3行と上2行では、対処がまったく違います。段を上げて効くのは、条件が絡んで考える時間が足りていない場合だけです。浅い、事実が違う、という2つの症状は入力側の問題ですから、Proの段まで上げても同じ結果が返ってきます。

社内で相談を受ける側としては、この切り分けを質問の形で持っておくと早く進みます。何を目的に、誰に向けて、どれくらいの分量で書きたいのかを伝えましたか、という1問です。この1問で解決する相談が思いのほか多く、段の話にすらならずに終わることもあります。

もう1つ覚えておきたいのが、同じ質問を2回投げて答えが大きく変わる場合の見方になります。ばらつきが大きいのは、たいてい指示の側に決め切れていない部分が残っているしるしです。番号を振った手順に書き直すだけで落ち着くことが多く、段を上げるより手早く片づきます。

ChatGPTの中で段を上げ続けても届かない場合は、別のAIに渡すほうが早い場面も出てきます。長い文書の読み込みと要約、最新の情報を含む調べものでは、得意なAIが分かれるためです。ChatGPTの段だけで解こうとして時間を使う前に、用途ごとにAIそのものを選び直すという選択肢も持っておきましょう。

コンテキストウィンドウと、1回に渡せる量

コンテキストウィンドウとは、1回のやり取りでモデルが一度に見られる文章の量の上限を指す言葉になります。ここが足りないと、長い資料の後半だけを読んで答えたり、会話の前半の指示を忘れたりという現象が起きます。段の選び方と同じくらい、実務では効いてくる要素です。

区分無料版GoPlusPro
GPT Instantのコンテキストウィンドウ上限27K54K54K128K
入力上限の目安約12ページ分約40ページ分約40ページ分約250ページ分
GPT 推論のコンテキストウィンドウ上限場合によって異なります256K256K400K
入力上限の目安(推論)記載なし記載なし記載なし約680ページ分

※この数値は、2026年9月16日にChatGPTの公式料金ページの比較表に表示されていた内容です。同じ表には、ユーザーが入力に使用できる領域は、コンテキストウィンドウ全体よりも小さくなっていますという注記も付いていました。

無料版とPlusの差が、ここでははっきり出ています。即時モードにあたる区分で見ると無料版は約12ページ分、Plusは約40ページ分ですから、長い契約書や仕様書を丸ごと渡す使い方は、無料版では最初から難しい形です。長い資料を扱う社員がいるなら、段の話より先にプランの話になります。

APIの側は、これとは別の値が公開されています。開発者向けページのモデル一覧では、GPT-6 Astra・GPT-5.6 Sol・GPT-5.6 Terra・GPT-5.6 Lunaのいずれもコンテキストウィンドウが1,050,000、最大入力が922,000、最大出力が128,000と表示されていました。これはAPIの値であり、ChatGPTのアプリの上限とは別のものですから、社内の説明で混ぜないように気をつけましょう。

実務での対処は、量を減らすことに尽きます。長い資料は章ごとに分けて渡し、前の回答を要約して次に引き継ぐという進め方です。段を上げても一度に見られる量が増えるわけではありませんので、切れる・忘れるという症状が出たら、まず渡し方を変えてみてください。

会社で決めておく1枚|配るチェックリスト

ここまでの内容を、配れる1枚に落とし込んでおきます。項目を増やすほど読まれなくなりますから、標準・例外・禁止・確認・連絡先の5つに絞るのが現実的です。それぞれの空欄を自社の言葉で埋めれば、そのまま社内に配れる形になります。

  • 標準の段普段はこの段を使う、という1つを書く。多くの会社では即時モードで足ります
  • 上の段を使ってよい場面答えを3分待てる作業に限る、など時間で書く。業務名で列挙すると抜けが出ます
  • 申請が要る段超高とProは件数が限られるため、誰に一声かけるかを書く
  • 入れてはいけない情報顧客名・個人情報・未公表の数字など、自社で外に出してはいけないものを名指しで書く
  • 人が確かめる工程数字・日付・固有名詞・引用は誰が確認するかを書く。段を上げても自動では直りません
  • 困ったときの連絡先担当者名と、画面に出ている段の名前を添えてほしいという一言を書く

この1枚を作るときに、いちばん悩むのが標準の段の決め方です。迷ったら即時モードにしておいて構いません。日常業務の大半は答えの形が決まっていますし、枠の消費も軽く、待ち時間も短いためです。

配り方も決めておくと定着が早まります。全社メールに添付するだけでは読まれませんので、朝礼や部署の定例で1分だけ読み上げてもらう形にしてみましょう。紙で配るなら、机の上に置きっぱなしにできるA4の片面1枚に収めるのが現実的です。

配ったあとは、3か月ほど様子を見てから1度だけ見直してみましょう。上の段への申請が想定より多ければ、標準を中程度に上げるか、申請の対象を超高とProだけに絞るかのどちらかになります。申請が月に1件も出ていない場合は、上の段の存在が知られていないと考えたほうが実態に合います。

プランの見直しも、この段階で一緒に行うと無駄がありません。超高やProの申請が特定の数人に集中しているなら、その人たちだけシートを変えるという選択肢が出てきます。席の設計と料金の関係は会社で使うならどのプランかで整理していますので、見直しの前に確認しておいてください。

よくある質問

無料版で最新のモデルは使えますか?
無料版とGoの既定のモデルはGPT-5.6 Lunaで、OpenAIのヘルプには、無料版とGoの利用者はGPT-5.6 Solを利用できないと記載されています。Thinkを使った場合も同じLunaが動きます。中程度・高・超高・Proの思考レベルは、プラン別の一覧では無料版とGoのいずれにも含まれていません。長い資料を扱う業務や、筋道を詰める必要がある業務では、有料プランを前提に考えることになります。
GPT-4oやo3はまだ使えますか?
ChatGPTでは利用できません。OpenAIのヘルプには、2026年2月13日時点でGPT-4o、GPT-4.1、GPT-4.1 mini、OpenAI o4-mini、GPT-5(InstantおよびThinking)を廃止したこと、2026年3月11日時点でGPT-5.1 Instant、GPT-5.1 Thinking、GPT-5.1 Proを廃止したことが記載されています。Business・Enterprise・EduのカスタムGPT内でのGPT-4oの利用も2026年4月3日で終了し、以降はすべてのプランで完全に廃止されたと書かれています。なお、これらはOpenAI APIでは引き続き利用できるとも記載されています。
Plusで超高やProの段を使うことはできますか?
できません。OpenAIのヘルプのプラン別の一覧では、Plusに含まれるのは中程度と高までで、超高とProはいずれも含まれないと表示されています。超高やProの段を業務で使うのであれば、Pro・Business・Enterpriseのいずれかが前提になります。なお、同じヘルプには、PlusとProのプランでは、もっと深く考えてと頼んでも自動的に別の思考レベルに切り替わることはないとも書かれています。
モデルはどれくらいの頻度で入れ替わりますか?
頻度そのものは公表されていませんが、直近の提供終了は2026年2月13日と2026年3月11日で、1か月足らずの間に2度ありました。社内の手順書やプロンプト集にモデル名を直書きしていると、そのたびに書き直しが発生してしまいます。画面に表示される段の名前だけを書いておき、四半期に1度、カスタムGPTの設定・プロンプト集・研修資料・APIで指定しているモデルIDの4か所を見直す運用にしておくと、入れ替えの連絡が来ても慌てずに済みます。
即時モードを選んでいるのに、回答が遅くなることがあるのはなぜですか?
ChatGPT Businessのヘルプには、ChatGPTは即時モードが選択されている場合も、推論を自動的に追加できると記載されています。同じページには、自動推論は即時モードが選択されたままでも、推論の利用枠を使用する場合がありますという注も添えられています。この動作を管理するには、設定から一般に移動し、より高い応答性能を調整すると案内されていますので、速さを優先したい場合はここを確認してみてください。
社員全員に同じ段を使わせて問題ありませんか?
日常業務が中心であれば、全員を即時モードにそろえる形で支障が出ることはほとんどありません。段を上げて効くのは、条件が複数絡んでいて考える時間が足りない作業に限られるためです。むしろ、社員一人ひとりに選ばせるほうが使い方がばらけていきます。既定のまま使ってもらい、答えを3分待てる作業のときだけ1段上げる、という1行のルールにしておくと、教える内容も減らせます。

まとめ

ChatGPTで選ぶ対象は、モデル名から思考レベルへ移りました。現行のモデルはGPT-5.6 Luna・Terra・Sol・Sol ProとGPT-6 Astraの5つで、このうち即時モードから超高までを動かすのはGPT-5.6 Sol、Proの段を担うのがGPT-5.6 Sol ProとGPT-6 Proになります。GPT-5.6 TerraとGPT-5.6 Lunaは通常の会話では選択肢に出ず、ChatGPT Work・Codex・APIで名前を選ぶ形です。

プランごとに選べる段は、はっきり分かれています。無料版とGoは中程度以上の段を持たず、Plusは中程度と高まで、超高とProはPro・Business・Enterpriseにだけ含まれます。深い段には必ず回数の枠が付き、Business標準シートではPro系のメッセージが月15件という水準ですので、全員の日常業務に組み込める性質のものではありません。

会社として決めるのは、標準の段と、上の段を使ってよい場面の2つだけで足ります。上げる基準を難しさではなく待ち時間に置き、答えを3分待てる作業だけ1段上げるという線引きにしておくと、誰が見ても同じ判断ができます。職種ごとに標準と例外を1行ずつ書いた表を配り、社員にモデルを選ばせない形にしておけば、教える手間も問い合わせも減らせます。

そして、モデル名は短い周期で入れ替わります。手順書・社内プロンプト集・カスタムGPTの説明文にモデル名を直書きせず、画面に出ている段の名前だけを書いておきましょう。四半期に1度の棚卸しを決めておけば、提供終了の連絡が来てから対応に追われることもなくなります。法人でのAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧にまとめています。

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