生成AIのプロンプトのコツ。回答の質が上がる7つの書き足し

生成AIのプロンプトとは、AIに何をしてほしいかを伝える指示文のことです。回答の質を上げたいときは、言葉を飾って長くするより、足りない情報を7つの項目で書き足していくほうが扱いやすくなります。役割や背景、出力の形、制約、見本、逆質問、確認の流れまで決めておくと、同じ依頼でも返ってくる答えが変わってきます。社内で使う方は、良いプロンプトを個人のメモで終わらせず、みんなが同じ環境で使い回せる形にしてみてください。

生成AIのプロンプトのコツは、7つの書き足しで整える

生成AIのプロンプトは、上手な文章を書く才能より、抜けている条件を見つけて足していくものになります。最初から完璧な一文を狙うより、短い依頼に少しずつ情報を足すやり方のほうが、社内でも教えやすいでしょう。

プロンプトの書き方を基本から順に知りたい方は、ChatGPT プロンプトの書き方やプロンプトエンジニアリングの基本も合わせて読んでみてください。

公式ガイドの言い方は、提供元ごとに少しずつ違います。Google Workspaceの日本語ガイドでは、ペルソナ、タスク、背景情報、形式の4要素が挙げられています。Microsoft 365 Copilotの案内だと、目的、コンテキスト、ソース、期待する項目という4つの部分で考える形になります。Anthropicの場合は、Claudeを文脈を知らない新入社員のように考え、理由や前提の文脈まで渡すよう勧めています。

名前の違いに引っ張られすぎると、プロンプト作りが型の暗記になってしまいます。業務で使う方は、型は正解の順番ではなく、抜け漏れを探すチェック表として使うと決めておきましょう。

この記事で使う7つの書き足しは、次の表の順番になります。元の依頼は、総務の担当の方が社内向けのお知らせ文を作る場面にしました。どのAIを使う場合でも、まずはこのくらい身近な依頼から試してみてください。

順番書き足すもの狙い
1役割誰の目線で答えるかをそろえる
2背景・目的なぜその文章が必要かを伝える
3出力形式表、箇条書き、メール文など形を決める
4制約条件文字数、トーン、禁止事項を入れる
5見本望む言い回しや粒度を示す
6逆質問情報不足のまま走らせない
7確認と再指示事実確認と直しの会話を前提にする

型・フレームワークは、短い依頼を育てる道具にする

深津式、RTCF、5要素など、プロンプトの型はいくつもあります。どれか1つを正解に決めるより、社内では共通の入力欄を作ってしまうほうが迷いにくくなります。

たとえば、役割、背景、出力形式、制約、見本、逆質問、確認の7つの欄を用意してみます。埋められない欄があっても構いません。Google Workspaceの日本語ガイドにも、4要素を毎回すべて満たす必要はないものの、いくつか取り入れると効果があると書かれています。

型を使う目的は、AIに命令する雰囲気を出すことではありません。依頼する側の頭の中にある前提を、外に出してあげることになります。まずは普段の依頼文に、1つの欄だけ足すところから始めてみてください。

書き足し1・2:役割と背景を渡す

役割と背景を入れると、AIの回答は一般論から、業務で使える下書きに近づいていきます。誰として答えるのか、何のために作るのかが見えるようになるためです。

まずは、何も足していない依頼を見てみましょう。これ自体が悪いわけではありませんが、回答の方向をAIに任せすぎている状態になります。

社内向けに、生成AIの使い方のお知らせ文を書いて。

このままだと、研修の案内なのか、禁止事項の連絡なのか、利用開始の案内なのかが分かりません。文体も、堅い通達になるか軽い案内になるかを、AIがその場で決めることになってしまいます。

役割の指定は、専門家らしさより読み手との距離を決める

役割を書くときは、何の専門家かだけでなく、誰に向けて話す立場なのかまで入れると扱いやすくなります。Anthropicも、システムプロンプトで役割を与えると、1文だけでも違いが出ると説明しています。

総務の例であれば、社外の専門家より、社内の総務担当者として書くほうが自然でしょう。読み手は全社員で、専門用語に慣れていない方も含まれます。この前提があるだけで、難しい言葉を避けた案内に仕上がりやすくなります。

あなたは社員向けのお知らせ文を作る総務担当者です。
専門用語に慣れていない社員にも伝わる文章にしてください。
社内向けに、生成AIの使い方のお知らせ文を書いて。

ここでのコツは、役割を大きくしすぎないことです。世界最高の専門家のような言い方を足しても、社内文の読みやすさとは別の方向へ進んでしまう場合があります。実際に使う文章なら、読者との距離を決める役割にしてみてください。

背景・目的・文脈は、なぜ必要かまで書く

背景は、依頼の理由を伝えるための欄になります。Anthropicは、Claudeを優秀だが文脈を持たない新入社員と考え、指示の理由まで伝えるよう案内しています。文脈を知らない同僚に見せて混乱するような指示なら、AIも同じように混乱しやすいという考え方です。

背景を足すと、同じお知らせ文でも中身がずいぶん変わってきます。利用を広げたいのか、禁止したいのか、ルール違反を減らしたいのかで、必要な言い方が違ってくるからです。

背景:
来月から、会社で認めた生成AI環境を使い始めます。
目的:
社員が個人アカウントへ業務情報を入れないようにし、
使ってよい場面と避ける場面をやわらかく伝えたいです。

背景は、長く書けば良いというものでもありません。読み手、目的、避けたい誤解の3つが入っていれば、たいていの社内文は作りやすくなります。最初の依頼に迷った方は、この3つだけ先に埋めてしまいましょう。

書き足し3・4:出力形式と制約条件を指定する

出力形式と制約条件を入れておくと、回答をそのまま社内の作業へ移しやすくなります。AIの自由度を下げるというより、後から整える手間を減らすための指定と考えてみてください。

Google Prompting Guide 101の2024年10月版PDFでは、タスクに動詞や命令を入れることが、最も大切な要素として扱われています。同じ資料によると、良い結果が出たプロンプトは英語で平均約21語あるのに、実際に試されるものは9語未満が多いそうです。これは英語の語数の話なので、日本語の字数には置き換えず、短すぎる依頼が多いという目安として受け取っておくとよいでしょう。

出力形式の指定は、使う場所から逆算する

Microsoft 365 Copilotの案内では、目的、コンテキスト、ソース、期待する項目を分けて考えます。期待する項目を決めておくと、AIの回答は読み物ではなく、そのまま貼り付けやすい部品になります。

たとえばメールに入れるなら、件名、本文、注意書きに分けて頼みます。社内ポータルに載せるなら、見出し、短い説明、禁止事項、問い合わせ先に分けたほうが使いやすいでしょう。Perplexityのプロンプトガイドにも、リストがほしいなら件数を指定するよう書かれています。

出力形式:
1. 件名を1案
2. 本文を500字以内
3. 箇条書きで注意点を3つ
4. 最後に問い合わせ先を書く欄を残す

形式を細かくしすぎると、あとで直しにくくなってしまいます。最初は、見出しの数、文字量、表か文章かだけを決めてみてください。足りなければ、次の会話で整えれば大丈夫です。

制約条件は、禁止よりも望む動きで書く

制約には、文字数、トーン、禁止したい情報、表記のルールなどが入ります。Anthropicは、何をしないかではなく、何をするかを伝えるよう勧めています。

禁止だけを並べると、AIは避けるものばかりに目が向き、何を優先すればよいのか分かりにくくなります。たとえば「堅くしないで」と書くより、「総務からのやわらかい案内として書いてください」と入れたほうが、出力の向きが決まりやすいでしょう。

Google CloudのGemini 3プロンプトガイドには、複雑な依頼では冒頭に置いた否定の制約や字数などが無視されることがあり、最も大切な制限は最後の行に置くよう書かれています。絶対に守ってほしい制約は、プロンプトの最後にもう一度書くと決めておきましょう。

制約:
・総務からのやわらかい案内として書いてください。
・専門用語は短く補足してください。
・個人名、取引先名、金額、未公開情報は入れないでください。

最後に必ず守ること:
個人名、取引先名、金額、未公開情報は入れないでください。

会社で共有するプロンプトでは、制約を個人の好みに任せないほうが安心です。入力してはいけない情報を毎回のテンプレに入れておけば、忙しい方でも同じ注意を守りやすくなります。

良い指示を個人のメモで止めない

部署ごとに同じプロンプトを作り直す前に、使う環境を会社で1つにそろえてみる手があります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

書き足し5:Few-shotとして見本を示す

見本を入れると、AIは説明を読むより、具体的なパターンのほうを拾いやすくなります。社内の文章のトーンや、過去に通った言い回しを使い回したい場面で、とくに頼りになる書き足しです。

Few-shotとは、入力と出力の例をいくつか見せてから、新しい依頼に答えてもらうやり方を指します。Anthropicは、例を3〜5個用意し、関連性と多様性を持たせるよう勧めています。OpenAI APIのガイドでも、多様な入出力の例からモデルがパターンを拾うと説明されており、考え方は同じになります。

見本は、正解を丸写しさせるためのものではありません。文章の長さ、敬語の強さ、見出しの付け方、注意書きの位置を伝えるための材料になります。まずは社内で使いやすかった文章を1つ選び、個人情報や社名を置き換えてから使ってみてください。

見本:
件名:新しい勤怠ルールのお知らせ
本文:
来月から、勤怠申請の確認方法が変わります。
毎日の入力方法はこれまでと同じです。
迷った場合は、総務部までご連絡ください。

この見本と同じくらいの温度感で、生成AI利用開始のお知らせを書いてください。

見本を入れたあとでも、AIの出力はそのまま使わない前提にしておきましょう。Google Workspaceの日本語ガイドにも、出力を使う前に見直し、最終的なアウトプットには利用者自身が責任を持つと書かれています。社内文であれば、事実、表記、責任者名、問い合わせ先を人が確かめてから出す流れにしてください。

見本の置き方:OpenAI、Anthropic、Googleの各ガイドでは、MarkdownやXMLタグで指示、文脈、資料を区切るやり方が勧められています。社内テンプレでも、見本ここから、見本ここまでのように範囲を分けるだけで、本文と混ざりにくくなります。

書き足し6:足りない情報をAIに逆質問させる

逆質問の指定は、情報が足りないままAIが走り出すのを止めるための工夫になります。公式の推奨として確認できた手法ではないため、万能の型ではなく、実務での使い方の1つとして扱うのがよいでしょう。

プロンプトを書いていると、自分では前提を入れたつもりでも、AIには伝わっていないことがよくあります。とくに対象者、締切、禁止事項、社内ルール、確認先は抜けやすいところです。抜けたまま文章を作らせると、もっともらしいけれど使えない下書きになってしまいます。

足りない情報があれば、回答を作る前に先に質問してください。
質問は最大5つまでにしてください。
推測で補ってよい部分と、確認が必要な部分を分けてください。

この指定を入れると、AIが先に確認事項を返してくることがあります。たとえば、誰に向けた案内か、使える生成AI環境の名前は何か、問い合わせ先を書くか、禁止事項をどこまで強く出すかを聞いてくる形になります。

質問には、全部答えなくても構いません。分からないものは未定と返し、未定のまま書ける範囲で下書きしてくださいと続ければ十分です。確認待ちで作業が止まらないように、AIへの返し方も社内で決めてみてください。

逆質問は、部下に仕事を頼んだときの聞き返しによく似ています。質問を許すとAIの回答は少し遅くなりますが、使えない下書きを直す時間は減りやすくなります。急ぎの定型文では省き、取引先や全社員に出す文書では入れるなど、場面に合わせて切り替えましょう。

悪い例と良い例から、よくある失敗を直す

悪い例と良い例を並べてみると、プロンプトのどこが足りないのかを社内で説明しやすくなります。コツを言葉で覚えるより、直す前と後を見比べたほうが早いと感じる方も多いでしょう。

まずは悪い例からです。依頼の文は短く、役割も背景も書かれていません。出力形式もないので、回答はAIの判断に寄りかかることになってしまいます。

生成AIのルールを社員に知らせる文章を作って。

この依頼で起きやすい失敗は、主に3つあります。1つ目は、誰が読む文章か分からないまま、表現が固くなりすぎてしまうことです。2つ目は、禁止事項があいまいになり、社員が何を避ければよいのか迷ってしまう点になります。3つ目は、本文が長くなり、社内メールに貼るまでの直しが増えてしまうことです。

直すときは、足りない要素を1つずつ足していきます。いきなり完璧な長文にせず、役割、背景、形式、制約の順に足していくと、どの指定が効いたのかを見分けやすくなります。

あなたは社員向けのお知らせを作る総務担当者です。
来月から会社で認めた生成AI環境を使い始めます。
目的は、個人アカウントへ業務情報を入れないようにすることです。

出力形式:
・件名1案
・本文500字以内
・最後に注意点を3つ

最後に必ず守ること:
個人名、取引先名、金額、未公開情報は入れないでください。

良い例は、文章が長いから良いわけではありません。読み手、目的、形、避けたいことが見えているから、使いやすくなっています。プロンプトの改善は、言葉を増やす作業ではなく、判断をAI任せにしない作業になります。

よくある失敗は、どの業務でも似通っています。調査では出典の条件を書かない、要約では残す項目を指定しない、議事録では決定事項と宿題を分けない、メールでは相手との関係を入れない、などの抜けがよく起こります。この4つを社内のチェックリストにしておけば、直すときの目安になるでしょう。

書き足し7:一度で完璧を求めず、対話で再指示する

プロンプトは一回で完成させるものではなく、回答を見ながら直していく前提で使うものになります。最初の出力を採点し、足りない部分だけを次の依頼で足していけば、無駄な書き直しも減っていきます。

OpenAIヘルプの日本語版では、応答を見て言い回しや文脈を直す、反復的な改善が案内されています。Google Workspaceの日本語ガイドにも、会話形式にして補足のプロンプトを足し、見直しを繰り返すという考え方があります。Microsoftも、ほとんどの場合は別のプロンプトで結果をフォローアップすると説明しています。

再指示で大切なのは、全部やり直してと言わないことです。どこを残してどこを直すのかを分けて伝えると、AIは前の出力を活かしながら直しやすくなります。次のような一文を、社内の共通フレーズにしてみてください。

前の回答の構成は残してください。
本文だけを300字ほど短くしてください。
社員を責める表現を弱めて、案内の文章に寄せてください。
最後に、確認すべき事実を3つ挙げてください。

AIにプロンプトそのものを直してもらう方法もあります。Google Workspaceの日本語ガイドでは、Geminiをプロンプトのエディタとして使い、元のプロンプトをよりよい形にしてもらう方法が紹介されています。

次のプロンプトを、より回答の質が上がる形に直してください。
不足している条件も補足してください。

[元のプロンプト]
生成AIの社内ルールを説明する文章を書いて。

この使い方は、プロンプト作りに慣れていない方の練習にもぴったりです。AIに直してもらったプロンプトをそのまま使うだけでなく、どの条件が足されたのかも見てみてください。役割、背景、形式、制約のどれが足されたのかが分かると、次からは自分でも書けるようになります。

再指示の最後には、確認のお願いを必ず入れておきましょう。出力に事実として確認が必要な箇所があれば挙げてください、推測で補った箇所があれば分けてください、という書き方です。ハルシネーション(AIがもっともらしい誤りを書くこと)を完全になくせる指定ではありませんが、人が見る場所を絞る助けになります。

業務別テンプレを社内で使い回し、機密と事実確認を守る

社内で使うなら、プロンプトの上手な方を増やすだけでなく、良いプロンプトを使い回せる形にしておくことが大切になります。個人のメモに置いたままだと、同じ失敗と同じ直しが部署ごとに繰り返されてしまいます。

テンプレは、完成した長文のプロンプトではなく、入力欄を持ったひな形にしておきます。使う場面、入力する情報、出力形式、注意点を分けておけば、初めて使う方でも迷いにくいでしょう。

使う場面:
社内メールの下書き

入力欄:
・読み手:[全社員/管理職/特定部署]
・目的:[知らせたいこと]
・背景:[なぜ今知らせるか]
・必ず入れる内容:[3つまで]
・入れてはいけない内容:[個人名、取引先名、金額、未公開情報など]

依頼文:
あなたは社員向けのお知らせを作る総務担当者です。
上の入力欄をもとに、件名1案と本文500字以内を作ってください。
足りない情報があれば、作成前に最大5つまで質問してください。

この形にしておくと、プロンプトを共有するときに、なぜこの書き方なのかも一緒に残せます。メール用、要約用、議事録用の3つだけでも、日々の業務で使う場面はかなり多くなります。

メール、要約、議事録は最初にそろえる

メールでは、相手との関係、目的、望む温度感を入れておきます。返信の文なら、断るのか、頼むのか、確認するのかを先に書いてみてください。最後に、事実として確認が必要な箇所を別に出してもらうと、送る前のチェックがしやすくなります。

要約では、短くしてと頼むだけでは足りません。残す項目、削ってよい項目、読む方、使う場面まで入れておきます。たとえば経営会議で見る要約なら結論と判断材料を前に、担当者向けなら宿題と期限を前に出すほうが使いやすくなるでしょう。

議事録では、決定事項、未決事項、担当者、期限、次回までの宿題を分けて出してもらいます。録音やメモをそのまま入れる前に、個人情報や未公開の取引情報が含まれていないかを確かめてください。社内ルールの作り方は、生成AIの社内ガイドラインの作り方も参考になります。

機密情報は置き換えルールをプロンプトに組み込む

個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用に関する注意喚起等の中で、個人情報を含むプロンプトが利用目的の達成に必要な範囲内かを十分に確認するよう示しています。入力すること自体が常に違法という話ではなく、必要性と範囲を確かめる必要がある、という扱いになります。

社内テンプレには、機密を入れないための置き換えを最初から書き込んでおきましょう。社名はA社、担当者名は担当者A、金額は金額X、未公開の製品名は製品Xのように置き換えていきます。置き換え表を別に持つ場合も、AIへは表そのものを入れないでください。

機密情報の扱い:
社名はA社、担当者名は担当者A、金額は金額Xに置き換えます。
個人名、取引先名、未公開情報は入力しません。
出力にも、具体名を補わないでください。

ハルシネーションへの対策も、プロンプトだけでは終わりません。出力の最後に、確認が必要な事実、推測で書いた箇所、根拠のない表現を分けて出してもらうと、人が確認する順番を作れます。生成AIを安全に使う範囲を広げるなら、生成AIのセキュリティ対策チェックリストも合わせて確認してみてください。

会社の出費は、ツール代だけでなく作り直しの時間にも出る

プロンプトが個人管理のままだと、メール用、議事録用、要約用の指示を、部署ごとに作り直すことになってしまいます。請求書の金額には出にくいものの、同じ説明を何度も作る時間も、会社にとっては立派な出費になります。

たとえば10人がそれぞれ別の場所でプロンプトを直していると、良い直し方が共有されません。1人が見つけた改善を全員で使える場所に置けば、次の10人は同じ失敗から始めなくて済みます。プロンプトを社内の資産として扱うなら、保管場所、更新する方、使う場面のメモまで決めておきましょう。

複数のAIを会社でどう使い分けるかは、複数AIの併用・マルチAIや主要4AIの使い分けで考え方を整理できます。個人アカウントに流れている利用を減らしたい場合は、野良AIの対策も早めに見ておいてください。

良いプロンプトを、社内で使い回せる環境へ

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で使える法人向けサービスです。GPTs・Gem・Claudeプロジェクトの社内版にあたるカスタムプラスを使えば、よく使う指示や手順をBOTにまとめて、社内だけで共有することが出来ます。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。

UPGEAR AIの詳細を見る

よくある質問

生成AIのプロンプトは長いほど良いですか?
長ければ良いというわけではありません。役割、背景、出力形式、制約、見本など、回答に必要な情報が入っているかどうかで見てみてください。短い依頼で足りる場面もありますが、社内文書や取引先向けの下書きでは、読み手や目的を足したほうが直しやすくなります。
プロンプトの型はどれを使えばよいですか?
最初は、役割、背景、出力形式、制約、見本、逆質問、確認の7つの欄で十分です。深津式やRTCFなどの型を覚えるより、社内で同じ入力欄を使うほうが運用しやすくなります。型は正解の順番ではなく、抜け漏れを探すチェック表として使ってみてください。
AIに逆質問させるプロンプトは毎回入れるべきですか?
毎回でなくても構いません。急ぎの定型文では省き、全社員向けの案内や取引先に出す文章など、情報が足りないまま進むと困る場面で入れると使いやすくなります。公式の推奨として確認できた手法ではないため、実務上の工夫として扱ってください。
機密情報を入れないためには、どう書けばよいですか?
社名はA社、担当者名は担当者A、金額は金額Xのように置き換えるルールを、プロンプトの中に入れておいてください。個人名、取引先名、未公開情報は入力しない、出力にも具体名を補わない、という制約を最後にもう一度書いておくと、守られやすくなります。
回答が期待と違うときは、最初から書き直すべきですか?
最初から作り直すより、残す部分と直す部分を分けて再指示したほうが扱いやすくなります。構成は残す、本文だけ短くする、表現をやわらかくする、確認すべき事実を挙げる、のように具体的に伝えてみてください。

まとめ

生成AIのプロンプトのコツは、上手な言い回しを覚えることではありません。役割、背景、出力形式、制約、見本、逆質問、確認を順に足していき、AIに任せる判断を減らしていくことになります。

公式ガイドの表現は、Google、Anthropic、Microsoft、OpenAI、Perplexityで少しずつ違っています。それでも、文脈を渡す、形を指定する、見本を示す、出力を見直すといった考え方は、多くのガイドに共通して見られます。まずは社内でよく使うメール、要約、議事録から、テンプレを作ってみてください。

良いプロンプトは、個人の工夫で終わらせてしまうともったいないものです。誰が使っても同じ注意を守れるように、入力欄、機密の置き換え、確認の手順までセットにして共有しましょう。生成AIの社内利用を広げる流れは、AI活用コラム一覧でも続けて読むことが出来ます。