
Google Meetの議事録とは、Google Meetで行ったオンライン会議の内容を、要点・決定事項・次の作業が分かる形で文書に残したものです。有料のGoogle Workspace(Business Standard以上など)を使っていれば、Geminiの自動メモ生成と文字起こしで議事録の下書きを自動で作れます。Business Starterや無料のGoogleアカウントの場合は、文字起こしを別の手段で用意して生成AIで整える方法が現実的です。ただし社外の人が参加する会議では、作り方より先に、相手への告知と、記録の保存・共有・学習利用の設定を決めておく必要があります。この記事では、エディションごとに使える機能、画面操作の手順、2026年9月21日以降に予定されている既定設定の変更、社外の参加者への告知文例、会社として決めておくルールまでを順に解説します。
Google Meetで議事録を作る3つの方法と選び方
Google Meetの議事録は、契約しているGoogle Workspaceのエディションによって作り方が分かれます。自社がどれに当たるかを先に確かめると、読むべき節が絞れます。
- Geminiの自動メモ生成と文字起こしを使う:Business Standard・Business Plusなど対応エディションで使えます。会議中にボタンを押すと、会議の主催者のGoogleドライブにメモが保存されます。追加の契約は不要です。
- 文字起こしを用意して、生成AIで議事録の形に整える:Business Starterなど自動メモの対象外のエディションや、無料のGoogleアカウントで会議をしている場合の方法です。文字起こしの用意の仕方と、生成AIに渡す前の情報の伏せ方が要点になります。
- 議事録ツールを使う:会議の音声を取り込み、文字起こしと要約を行う専用のサービスを使う方法です。Google Meet以外の会議ツールもまとめて扱いたい会社で検討されます。
どの方法でも、AIが作った要約をそのまま配るのではなく、会議に出ていた人が確認してから共有する工程は残ります。また、社外の人が参加する会議では、方法を問わず、記録することを相手に伝える手順を先に決めておくことをおすすめします。
自動メモで議事録を作るメリットと活用シーン
自動メモを使うメリットは、議事録を書く役の人も議論に加われることと、会議が終わった時点で共有できる下書きがあることです。
自動メモ・AI議事録のメリット
- 議論に集中できる:書記役を置いていた会議では、その人が発言やメモ取りに追われずに済みます。少人数の会議ほど、1人が書記に回る負担は大きくなります。
- 共有までが速くなる:メモは会議の主催者のドライブに保存されるため、会議が終わってから清書を始める必要がありません。確認と修正だけで共有に進めます。
- 欠席者への説明が減る:決定事項と次の作業が文書で残るため、口頭で説明し直す手間が減ります。
- 言った・言わないの確認がしやすい:文字起こしを併用しておくと、要約だけでは分からない発言の前後関係を後から確かめられます。
一方で、記録が自動で残ることは、残したくない話まで残ることでもあります。メリットを受けるには、記録する会議と記録しない会議を分けておくことが前提になります(後述の社外の参加者がいる会議で記録するときで扱います)。
活用シーン(定例会議・商談・1on1・研修)
- 社内の定例会議:参加者が社内だけで、議題も決まっているため、自動メモの効果が出やすい場面です。毎回のメモを並べると、決定事項の推移も追えます。
- 取引先との打ち合わせ・商談:決まったことと宿題の確認に役立ちます。ただし相手への告知が必要で、社外の人に共有するかどうかも会議ごとに判断します。
- 1on1:本人の悩みや評価に触れる場面が多いため、記録するかどうかを本人と決めてから使います。記録しないと決めておくのも1つの運用です。
- 社内研修・説明会:質疑応答をまとめて後から配布する用途に向いています。長時間の研修では、文字起こしも残しておくと後で聞き直さずに済みます。
- 対面の会議:Googleは、会議室での対面の会議でもメモを取れる機能を2026年8月に発表しています(対面会議のメモで扱います)。
使えるエディションと3機能の違い
自動メモ生成・文字起こし・録画は、それぞれ対象となるエディションが異なり、Business Starterでは自動メモと録画が対象外です。この節では、公式ヘルプに書かれている対象と、機能ごとの違いを整理します。
※この節の内容は、2026年9月17日時点で Google 公式ヘルプおよび Google Workspace Updates ブログに記載されている内容です。エディションの対象は変わることがあるため、契約前には各ページで最新の記載を確認してください。
自動メモ生成(Gemini)が使えるGoogle Workspaceのエディション
Geminiの自動メモ生成(ヘルプでの名称は「Gemini でメモを取る」)を使うには、対象となるGoogle Workspaceエディションか、Google AIプランへの登録が必要だと公式ヘルプに書かれています(Google Meet ヘルプ 14754931)。
日本語を含む7言語が追加された2025年3月12日のGoogleの発表では、対応エディションとして次が挙げられています(Google Workspace Updates 2025年3月12日)。
- Business Standard / Business Plus
- Enterprise Standard / Enterprise Plus
- Gemini Education Premium アドオン
Google Workspaceの料金ページの機能一覧でも、会議の要約やメモ作成に当たる項目(ページ上の表記は「AI を活用して会議の要約や翻訳を行ったり、会議メモを作成したりします」)は、Business Starterが対象外、Business StandardとBusiness Plusが対象として表示されています。
料金は、年間プランでBusiness Starterが1ユーザーあたり月800円、Business Standardが月1,600円、Business Plusが月2,500円です。年間プランを選ばないフレキシブルプランでは、それぞれ月950円・月1,900円・月3,000円です(いずれも税別)。社員30名の会社がBusiness StarterからBusiness Standardに年間プランで切り替える場合、差額は1ユーザーあたり月800円なので、800円×30名×12か月で年間288,000円(税別)増えます。
※料金は2026年9月16日時点でGoogle Workspaceの料金ページ(日本円表示)に表示されている金額で、ユーザー1人あたりの月額・税別です。期間限定の割引表示は計算に含めていません。
Business Standardにすると、自動メモ以外にもGmailやGoogleドキュメントなどでGeminiを使える範囲が広がります。Workspaceの中でのGeminiの使い方はGeminiの使い方、有料プランの考え方はGeminiの有料プランで解説しています。
無料の個人アカウントとBusiness Starterで自動メモを使う場合の考え方
Business Starterは、料金ページの機能一覧で自動メモ(会議メモの作成)と録画が対象外として表示されています。無料のGmailアカウントは、自動メモ・文字起こし・録画のいずれについても、公式ヘルプの対応エディションの一覧に含まれていません。
この場合に取れる道は2つです。1つは、自動メモを使いたい人だけでなく会社全体でBusiness Standard以上に切り替える方法です。もう1つは、エディションはそのままにして、別の手段で文字起こしを用意し、生成AIで議事録に整える方法です(自動メモが使えないときの議事録の作り方で扱います)。
なお、個人向けのGoogle AIプランでも自動メモの対象になる場合があると公式ヘルプは案内していますが、個人で契約したプランを業務の会議に使うと、記録の保存先が個人のドライブになり、会社から管理できません。業務の会議には、会社が契約するWorkspaceで使える状態を作るほうが管理しやすくなります。個人向けのプランについてはGoogle AI Proの記事も参考にしてください。
文字起こしが使えるエディションと対応端末
文字起こしの対象として公式ヘルプに挙げられているのは、Business Standard / Business Plus、Enterprise Starter / Enterprise Standard / Enterprise Plus、Teaching and Learning Upgrade、Education Plus、Workspace Individual です(Google Meet ヘルプ 12849897)。名前の似たEnterprise Starterは一覧にありますが、Business Starterは一覧にありません。
同じヘルプには、パソコン・ノートパソコン・Androidでのみ利用できると書かれており、iPhoneやiPadは含まれていません。会議の主催者はパソコンから参加して文字起こしを始める運用にしておくと確かめやすくなります。
録画機能の併用と、録画を開始できる人
録画は、発言の内容だけでなく画面共有の資料や表情も残せるため、自動メモや文字起こしと併用されることがあります。公式ヘルプで録画の対象とされているのは、Business Plus、Business Standard、Essentials、Education Plus、Enterprise Essentials、Enterprise Plus、Enterprise Standard、Enterprise Starter、2TB以上のGoogle One、Teaching and Learning Upgrade、Workspace Individualです(Google Meet ヘルプ 9308681)。
録画を行えるのは、主催者、共同主催者に昇格したユーザー(主催者の組織外の人を含む)、主催者向けの管理機能がオフの場合の主催者の組織の所属ユーザーで、いずれも主催者に録画の権限があることが前提です。録画ファイルも主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダに保存されます。録画できないときのヘルプにはパソコン版のみと書かれていますが、録画のヘルプではAndroidも対象とされているため、パソコンから操作すると確かめやすくなります。
録画は情報量が多いぶん、社外に出てはいけない画面や、参加者の顔・声がそのまま残ります。議事録が目的なら、まず自動メモと文字起こしで足りるかを考え、録画は研修や操作説明など映像が必要な会議に絞ると、保存と共有の管理が軽くなります。
自動メモ・文字起こし・録画の違いを項目ごとに整理する
3つの機能は、残るものも対象エディションも違います。表にすると横に長くなるため、機能ごとに箇条書きで整理します。
自動メモ生成(Gemini でメモを取る)
- 残るもの:Geminiが作る会議のメモ(Googleドキュメント)
- 対象:Business Standard / Plus、Enterprise Standard / Plus、Gemini Education Premium アドオン(2025年3月12日の発表時点)、またはGoogle AIプラン(2026年の告知ではFrontline Plus、Google AI Pro for Education アドオンも対象として記載)
- 保存先:会議の主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダ
- 共有先:主催者の設定で「すべての招待済みゲスト(組織外のユーザーも含む)」「組織内の招待済みゲスト」「主催者と共同主催者のみ」から選ぶ
- 主な制限:一度に1つの言語のみ。15分から8時間までの会議向け
- 出典:14754931、16909639(2026年9月17日確認)
文字起こし
- 残るもの:会議の発言を文字にした全文
- 対象:Business Standard / Plus、Enterprise Starter / Standard / Plus、Teaching and Learning Upgrade、Education Plus、Workspace Individual
- 保存先:主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダ内に、会議ごとのサブフォルダ
- 端末:パソコン・ノートパソコン・Android
- 言語:英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語
- 出典:12849897(2026年9月17日確認)
録画
- 残るもの:会議の映像と音声(画面共有を含む)
- 対象:Business Plus / Standard、Essentials、Education Plus、Enterprise Essentials / Plus / Standard / Starter、Google One(2TB以上)、Teaching and Learning Upgrade、Workspace Individual
- 保存先:主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダ
- 開始できる人:主催者、共同主催者に昇格したユーザー(主催者の組織外の人を含む)、主催者向けの管理機能がオフの場合の主催者の組織の所属ユーザー(いずれも主催者に録画権限があることが前提)
- 端末:パソコン(録画のヘルプではAndroidも対象、トラブルシューティングのヘルプではパソコン版のみと記載)
- 出典:9308681、10619995(2026年9月17日確認)
3つとも保存先が主催者のドライブである点は共通です。つまり、誰が会議を主催したかで記録の置き場所が決まります。部署の定例会議を毎回違う人が主催すると、メモが複数の人のドライブに散らばるため、主催者を固定するか、共有ドライブへの移し替えを決めておくと探しやすくなります。
Geminiの自動メモと文字起こしで議事録を作る手順
自動メモは会議中に右上のアイコンから始められ、会議前にGoogleカレンダーの予定で設定しておくこともできます。ここではパソコンでの操作を、公式ヘルプの画面表示に沿って説明します。
※手順は2026年9月17日時点で Google 公式ヘルプに記載されている内容です。画面の表示名は更新で変わることがあります。
会議中に自動メモ生成を開始・停止する手順
- パソコンのブラウザでGoogle Meetの会議に参加します。
- 画面右上の「自動メモ生成」アイコン(鉛筆の形)をクリックします。
- 表示されたパネルで「メモの作成を開始」をクリックします。
- 参加者全員にメモの作成中であることが通知され、画面に鉛筆のアイコンが表示されます。
- 止めるときは、画面右下の「会議ツール」から「自動メモ生成」を開いて停止します。停止できるのは主催者の組織内の参加者で、主催者向けの設定がオンの会議では主催者と共同主催者のみです。
会議の途中で機密の話題に入る場合は、話し始める前に止めます。止めたことを参加者に口頭で伝えると、相手も安心して話せます。
Googleカレンダーの予定作成時にメモを自動で始める設定
毎回ボタンを押し忘れる場合は、会議前にGoogleカレンダーの予定から設定しておけます。公式ヘルプでは、カレンダーの予定の編集画面にある「ビデオ通話オプション」から自動メモを選べると案内されています。
- Googleカレンダーで、Google Meetのリンクが付いた予定を開き、編集画面に進みます。
- 「ビデオ通話オプション」を開きます。
- 左の列の[会議の記録]をクリックし、[Gemini でメモを生成する]のチェックボックスをオンにして保存します。
録画と文字起こしも、主催者が同じ[会議の記録]で[会議を録画][会議を文字起こし]を選べば、会議の開始時に自動で始められます(主催者または共同主催者がウェブから会議に参加するまでは始まりません)。組織全体の既定は、管理コンソールの「Meet の動画設定」にある「自動録画」「自動文字起こし」「自動メモ作成」として管理者向けに用意されています(対象はBusiness Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、Education Plus、Enterprise Essentials、Enterprise Essentials Plus)。利用者の画面でどこまで選べるかは、この管理者側の設定に左右されます。
今後の会議で自動メモを自動的にオンにする個人の設定
自分が主催する会議でいつもメモを取りたい場合は、個人の設定でまとめて指定できます(Google Meet ヘルプ 16909639)。
- ブラウザで meet.google.com を開き、右上の設定アイコンをクリックします。
- 「会議の記録」を選びます。
- 「今後の会議での自動メモ作成」で、次の3つから選びます。
- オフ
- 自分が主催者の予定された会議のすべてが対象
- 自分が主催者で3人以上のゲストがいるすべての会議が対象(主催者を含めて3人目のゲストが追加されると自動でオン)
- [保存]をクリックします。
3つ目の選択肢は、Googleの告知では早くても2026年9月21日から順次表示されるとされており、それまでは表示されない場合があります。
社外の人が入る会議も対象に含まれる選び方をすると、告知を忘れたまま記録が始まるおそれがあります。社外との会議が多い営業担当などは、オフにしておき、会議ごとに開始するほうが運用ミスを防げます。
自動メモと文字起こしを併用して全文も残す
自動メモは要点をまとめたものなので、誰がどう言ったかを後から正確に確かめたい会議では、文字起こしも同じ会議で使っておくと安心です。どちらも主催者のドライブの「Google Meet」フォルダに保存されるため、要約で気になった箇所を文字起こしの全文で確かめる、という使い方ができます。
ただし、全文が残るということは、雑談や言い間違い、途中で撤回した発言もそのまま残るということです。社内の定例会議では併用し、取引先との会議では自動メモだけにする、といった使い分けを決めておくと、残す情報を必要な範囲に抑えられます。
会議中に文字起こしを開始・停止する手順
- パソコンでGoogle Meetの会議に参加します。
- 画面右下の「会議ツール」を開きます。
- 「文字起こし」を選び、「文字起こしを開始」をクリックします。
- 確認の表示で「開始」をクリックします。
- 止めるときは、同じ「会議ツール」の「文字起こし」から停止の操作を行います。
文字起こしは主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダに、会議ごとのサブフォルダとして保存されます(12849897)。
保存先は主催者のGoogleドライブ|会議後にメモを探す
自動メモも文字起こしも録画も、保存先は会議の主催者のGoogleドライブにある「Google Meet」フォルダです。会議の後にメモが見当たらないときは、まず自分が主催者だったかを確かめます。主催者でなかった場合、メモは主催者のドライブにあり、自分が見られるかどうかは次の共有範囲の設定で決まります。
- 自分が主催者:自分のドライブの「Google Meet」フォルダを開きます。
- 他の人が主催者:主催者に、メモの共有範囲を確認してもらいます。
- 社外の人が主催者:記録は相手の組織のドライブに残ります。自社で記録を持ちたい会議は、自社側が主催する形にします。
メモの共有範囲とアクセス権を決める
自動メモを誰に共有するかは、主催者の設定で「すべての招待済みゲスト(組織外のユーザーも含む)」「組織内の招待済みゲスト」「主催者と共同主催者のみ」の3つから選べます(14754931)。
- すべての招待済みゲスト(組織外のユーザーも含む):社外の招待者を含めて共有されます。要約に誤りや社内向けの話が入っていても、確認する前に相手に届く可能性があります。
- 組織内の招待済みゲスト:自社のアカウントを持つ招待者に絞れます。社外の人がいる会議では、まず社内で確認し、必要な部分だけを相手に送る運用にできます。
- 主催者と共同主催者のみ:主催者が内容を確かめてから共有したいときに向いています。
ここでいう招待済みゲストは、実際の参加者ではなくカレンダーの招待状に入っている人です。カレンダーで予定を作らない即席の会議では、メモは主催者とメモを始めた人にだけ共有されます。
社内の既定は「組織内の招待済みゲスト」か「主催者と共同主催者のみ」にしておき、社外への共有は人が確認してから行う、と決めておくと、確認前の要約が外に出ることを防げます。
記録を開始すると参加者全員に通知される
自動メモを始めると、参加者全員にメモの作成中であることが通知され、鉛筆のアイコンが表示されます(14754931)。管理者が参加者の明示的な同意を必須にする設定(既定はオフ)をオンにしている場合は、参加者が[開始][参加][続行]を選んでから機能が使われます。
画面に通知が出るからといって、相手が内容を理解して了承したとは限りません。通知は画面の端に出るため、資料の説明に集中している人は見落とすこともあります。社外の人がいる会議では、画面の通知とは別に、口頭で一言伝えることをおすすめします。文例は社外の参加者への告知文例にまとめています。
自動メモに書かれる内容と、人が確認してから共有する理由
自動メモは会議の要点をまとめた文書で、内容はGoogleドキュメントとして保存されます。公式ヘルプでは、メモの長さを[標準]か[より長く]から選べ、ベータ版のユーザーは[セクション]で「概要」「決定事項」「次のステップ」「詳細」を含めるかを選べると案内されています(日本語の「決定事項」はベータ版ユーザー向け)。10秒以上画面に表示されたプレゼンテーションなどのスクリーンショットがメモに入ることがあり、この設定は管理者がオフにしていない限り既定でオンです。会議後には、共有先のユーザーにメモへのリンクと要約・推奨される次のステップが書かれたメールが届き、メモはカレンダーの予定にも添付されます。対面会議向けのメモについては、Googleは構造化されたメモ・アクション項目・文字起こしをドキュメントにまとめると発表しています。
AIの要約は、話の流れを読み違えることがあります。確認するときは次の点を見ます。
- 決定事項と、検討中のまま終わった事項が区別されているか
- 担当者の名前と期限が、会議で話した内容と合っているか
- 数字(金額・日付・数量)が正しいか。聞き間違いが残りやすい部分です
- 冗談や仮の話が、決まったことのように書かれていないか
- 社外に出してはいけない社内の事情が含まれていないか
確認する人は会議ごとに決めておきます。多くの場合は主催者か、その会議の進行役が適任です。
Googleドキュメント上のGeminiでメモを加工・質問する
自動メモはGoogleドキュメントとして保存されるため、Business Standard以上のエディションでは、ドキュメントの中でGeminiを使って加工できます。料金ページでは、Business Standardの機能として「Gmail、Google ドキュメント、Google Meet などの Gemini AI アシスタント」が挙げられています。
使い方の例です。
- 社外に送る用に、社内向けの話を除いた短い要約を作る
- 決定事項と担当者だけを箇条書きで抜き出す
- 前回の議事録と比べて、持ち越しになっている課題を挙げてもらう
- 会議に出ていない上司向けに、3行の報告文にする
加工した文も、元のメモと同じく人が確認してから共有します。複数の会議記録や資料をまとめて読み込ませて調べたい場合は、Gemini Notebook(旧NotebookLM)のような資料を読み込んで答えるツールも選択肢になります。
日本語への対応と会議の言語
自動メモは2025年3月12日から日本語への対応が順次始まり、文字起こしも日本語で使えます。自動メモは会議ごとに1つの言語で使う前提です。
日本語に対応している言語の一覧
自動メモは、2025年3月12日にフランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語の7言語が追加され、同日からロールアウトが始まったとGoogleが発表しています(Google Workspace Updates)。
文字起こしについては、公式ヘルプに英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・日本語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語が挙げられています(12849897)。
会議の言語を日本語にする
日本語で話す会議では、メモを始める前に会議の言語が日本語になっているかを確かめます。公式ヘルプでは、会議中は「自動メモ生成」のパネルの[設定]にある[会議の言語]で、会議前はGoogleカレンダーの予定の「ビデオ通話オプション」→[会議の記録]→[言語を選択]で選べると案内されており、メモの開始後でも変更できます。会議の設定と違う言語が30秒以上話されると、[言語を変更]か[無視]を選ぶ通知が表示されます(この変更は今後の会議や定期的な会議には適用されません)。重要な会議では、冒頭の数分で鉛筆のアイコンからここまでのメモを開き、日本語で書かれているかを確かめておくと安心です。
複数言語が混在する会議は1会議1言語で考える
自動メモについて、公式ヘルプには一度に1つの言語のみを使え、複数の言語が使われる会議には対応していないと書かれています(14754931)。解説記事の中には、複数の言語が混ざる会議でも言語を識別できると紹介しているものもありますが、2026年9月17日時点の公式ヘルプの記載は1会議1言語です。
海外の取引先と日本語・英語を行き来する会議では、次のように運用すると混乱が減ります。
- 会議で主に使う言語を1つ決め、その言語でメモを取る
- もう一方の言語で話した部分は、会議後に人が補う
- 言語を切り替える時間帯がはっきりしている場合は、会議を分けることも検討する
文字起こしとメモの精度を上げる
文字起こしとメモの精度は、機能の設定よりも、話し方と音声の環境で大きく変わります。今日から変えられることを挙げます。
文字起こし・メモの精度を上げるコツ
- 1人ずつ話す:声が重なった部分は、どちらの発言も崩れやすくなります。進行役が発言者を指名する形にすると重なりが減ります。
- マイクを口元に近づける:ノートパソコン内蔵のマイクより、ヘッドセットや外付けマイクのほうが声を拾いやすくなります。
- 雑音を減らす:キーボードの打鍵音、空調、周囲の話し声は誤認識の原因になります。話さないときはミュートにします。
- 固有名詞は区切ってはっきり言う:社名・製品名・人名は誤変換が起きやすい部分です。会議の冒頭で議題と一緒に固有名詞を読み上げておくと、確認のときに照合しやすくなります。
- 決定事項を口に出して確認する:会議の最後に進行役が「決まったことは3つです」と読み上げると、要約に決定事項が反映されやすく、確認もしやすくなります。
- 指示語を減らす:「これ」「あの件」は文字だけでは何を指すか分かりません。画面共有で見ている資料の名前を言葉にします。
話者の識別と、会議室から複数人で参加するハイブリッド会議
会議室の1台のパソコンから複数人が参加すると、Google Meet上では1つの参加者として扱われるため、誰が話したかの区別が付きにくくなります。議事録で発言者を区別したい会議では、次の工夫が考えられます。
- 会議室にいる人も、それぞれ自分のパソコンで会議に参加し、音声は会議室の機器だけから出す
- 発言の前に名前を名乗る(「営業の田中です、」と一言添える)
- 確認の段階で、担当者名が入る決定事項だけは人が照合する
会議室での対面の会議そのものを記録したい場合は、次に説明する対面会議のメモという機能も発表されています。
自動メモが使えないときの議事録の作り方
自動メモが使えないエディションでも、文字起こしを用意して生成AIで整えれば、議事録の下書きは作れます。ただし、文字起こしを外部のAIに貼る前に、伏せる情報と使うAIの契約形態を決めておくことが条件です。
文字起こしを生成AIに渡して議事録に整える方法とプロンプト例
文字起こしが手元にあれば、ChatGPT・Gemini・Claudeなどの生成AIに渡して議事録の形に整えられます。流れは次のとおりです。
- 文字起こしを用意する(Meetの文字起こし機能、議事録ツール、端末の録音から作った文字起こしなど)
- 顧客名・個人名・金額などを記号に置き換える(次の伏せる情報と手順を参照)
- 会社が契約し、学習に使わない設定を確認済みのAIに貼り、プロンプトで議事録の形を指定する
- 出てきた議事録を、会議に出ていた人が文字起こしと照らして確認する
- 記号を元の名前に戻してから共有する
プロンプトは、出力の形を具体的に指定すると修正が少なくなります。例を示します。
次の会議の文字起こしから議事録を作ってください。
形式:1. 会議名と日時 2. 参加者 3. 決定事項(箇条書き)4. 次の作業(担当・期限を併記)5. 持ち越しの課題 6. 議論の要点(議題ごとに3行以内)
条件:文字起こしにない内容を補わないでください。担当や期限が発言から読み取れない場合は「未定」と書いてください。発言者の意図が曖昧な箇所は「要確認」と印を付けてください。A社・B氏などの記号はそのまま使ってください。
(ここに文字起こしを貼る)
文字起こしにない内容を補わないよう指示する一文と、読み取れない部分を「未定」「要確認」にさせる一文を入れておくと、確認の手間が減ります。複数のAIで同じ文字起こしを整えて比べると、要約の抜け漏れに気づきやすくなります。複数のAIの使い分けについてはマルチAIとはで解説しています。
無料で議事録を作る方法と、その限界
費用をかけずに議事録を作るなら、無料で使える生成AIに文字起こしを貼って要約させる方法があります。ただし、業務の会議の文字起こしを個人の無料アカウントのAIに貼ることは、社内の情報が会社の管理外に出ることを意味します。
たとえば個人向けのGeminiアプリについて、Gemini アプリのプライバシー ハブ(最終更新2026年8月10日)には、人間のレビュアー(トレーニングを受けた Google のサービス プロバイダのレビュアーを含む)が収集したデータの一部をレビューすることがあり、レビュアーに見られたくない機密情報やサービスの改良に使われたくない機密情報は入力しないよう書かれています。アクティビティの保存をオフにすれば、フィードバックを送った場合を除き今後のチャットはAIモデルの改良に使われないとされていますが、その場合も72時間はアカウントに保持され、Googleはユーザーへの応答や保護のためにチャットを使用する(人間のレビュアーによるレビューも含む)と書かれています。この設定は社員それぞれのアカウントでの操作なので、会社から一律に確かめることはできません。
そのため無料の方法は、社外秘を含まない会議や、公開済みの情報だけを扱う会議に限るのが現実的です。社員が会社の知らないところで個人のAIに会議の記録を貼る状態は、いわゆる野良AI(シャドーAI)の典型的な入口になります。
※Gemini アプリのプライバシー ハブの内容は、2026年9月16日時点で公式ページに記載されている内容です。
議事録ツールを使う方法
議事録ツールは、会議の音声を取り込んで文字起こしと要約を行う専用サービスです。Google Meet以外にZoomやTeamsなど複数の会議ツールを使っている会社や、対面の打ち合わせの録音もまとめて扱いたい会社で検討されます。
Zoomの会議で議事録を作る場合の設定と注意点は、Zoomの議事録を自動で作る方法で解説しています。
サービスによって仕組みが大きく異なるため、比べるときは機能の数より次の点を確かめます。
- 会議にどう参加するか:会議に参加者として入る方式か、手元の端末で録音する方式か。参加者として入る方式では、社外の参加者から見て何が表示されるか
- データの保存場所と保存期間、削除の方法
- 入力した音声や文字起こしが、サービスの改善やAIの学習に使われるかどうか。使われない場合、それは契約上どう定められているか
- 会社の管理者が、誰がどの会議を記録したかを確認できるか
- 社員が退職したとき、その人の記録を会社で引き継げるか
Workspaceの有料エディションを契約していて、会議がGoogle Meetにほぼ集約されている会社であれば、別のツールを追加する前に自動メモで足りるかを試すほうが、管理する場所を増やさずに済みます。
3つの方法の比較(自動メモ・文字起こし+生成AI・議事録ツール)
Geminiの自動メモと文字起こし
- 向く会社:Business Standard以上を契約し、会議の多くがGoogle Meet
- 費用:契約中のエディションに含まれる。Business Starterからの切り替えなら差額がかかる
- 記録の置き場所:主催者のGoogleドライブ(会社の管理下)
- 注意点:1会議1言語。主催者によって保存先が分かれる
文字起こし+生成AIで整える
- 向く会社:Business Starterなど自動メモの対象外で、まず費用をかけずに試したい
- 費用:使う生成AIの契約による
- 記録の置き場所:文字起こしの保存先と、使ったAIのサービス側の両方
- 注意点:伏せる手順が必要。個人の無料アカウントでは会社から管理できない
議事録ツール
- 向く会社:複数の会議ツールや対面の打ち合わせをまとめて扱いたい
- 費用:ツールごとの契約(利用者数や時間で決まる形が多い)
- 記録の置き場所:ツールの提供会社のサーバー
- 注意点:データの扱いの確認、社外の参加者への見え方、管理する場所が1つ増える
文字起こしを別のAIに渡す前に伏せる情報と手順
文字起こしを自動メモ以外のAIに渡すときは、会社が契約したAIであっても、必要のない固有の情報を伏せてから渡すと、万一の漏えいの影響を小さくできます。議事録を整えるだけなら、相手の実名や金額の実数がなくてもAIは十分に形を作れます。
伏せる情報
- 顧客・取引先の会社名、個人名(社員の名前も、人事の話題を含む場合は伏せる)
- 金額、見積額、売上などの具体的な数字
- 電話番号、メールアドレス、住所、口座番号
- 未発表の製品名、案件名、社内のコードネーム
- 健康状態、家族の事情など、個人の事情に関わる発言
手順
- 文字起こしをテキストエディタに貼り、伏せる語を洗い出す
- 「株式会社○○→A社」「山田様→B氏」「350万円→金額1」のように、記号に置き換える
- 置き換えの対応表は社内のファイルに残し、AIには渡さない
- 置き換え後の文をAIに貼り、議事録に整える
- 出てきた議事録の記号を、対応表を見ながら元の語に戻す
- 対応表と、AIに貼った文字起こしの保管期間を決めておき、不要になったら削除する
置き換えは一括置換で機械的に行えますが、話し言葉では同じ相手が「○○さん」「○○社長」「あちら」と別の呼び方で出てくるため、置換の後に目で読み直して取りこぼしを探します。
自動メモが使えないプランや社外会議では、議事録を手で起こす作業がそのまま残ります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
メモ・文字起こし・録画が使えないときの原因チェック
ボタンが表示されない、押しても始まらないときは、エディション・管理者の設定・主催者かどうか・端末の4つを順に確かめると、原因を切り分けやすくなります。公式ヘルプに分かれて書かれている条件を、1か所にまとめます。
※このチェック項目は、2026年9月17日時点で Google 公式ヘルプ(14754931、16909639、12849897、9308681、10619995)と管理者向けヘルプに記載されている内容をもとにしています。
- 契約エディションが対象に入っているかBusiness Starterは料金ページで自動メモと録画が対象外。文字起こしの対象一覧にもBusiness Starterはありません。無料のGmailアカウントはいずれの対応一覧にも含まれていません。
- 管理者が管理コンソールで機能をオンにしているか録画できない原因として、管理者が管理コンソールでMeetの録画をオンにしていないことが公式ヘルプに挙げられています。自動メモは「Geminiの設定」の「Google AIによるメモ作成」で管理されます。
- パソコンから操作しているか録画はパソコンから操作するのが確かです(ヘルプによりAndroidも対象と記載)。文字起こしの対応端末はパソコン・ノートパソコン・Androidです。
- 主催者に権限があるか、主催者のアカウントが有効か録画は、参加者に権限があっても主催者に録画権限がなければ行えません。主催者のアカウントが無効な場合も録画できません。
- 会議室のデバイスや別の仕組みで作った会議ではないかMeetハードウェアなど会議室のデバイスで作った会議や、Chromeプラグインなど別のプロセスで作られた会議は録画できないと書かれています。
- 会議の長さと設定が条件に合っているか自動メモは15分から8時間までの会議向けです。スマート機能の設定が無効だと選択できません。話された単語が50語未満の会議では機能しません。
- 会議の言語が話している言語と合っているか自動メモは一度に1つの言語のみ。出力が期待した言語でない場合は、言語の選択を見直します。
- 自分が主催者か、共有範囲に入っているかメモが見つからない場合、保存先は主催者のドライブです。主催者が共有範囲を「主催者と共同主催者のみ」にしていると、他の参加者は開けません。
主催者向けの管理機能と、開始できる人
記録を始められる人は、会議の「主催者向けの管理機能」がオンかオフかで変わります。公式ヘルプの記載は次のとおりです。自動メモは、オフのときは主催者と主催者の組織内の参加者が開始・停止でき、オンのときは主催者と共同主催者のみです(14754931)。文字起こしは、オフのときは主催者のドメイン内のユーザーなら誰でもオンにでき、オンのときは主催者と共同主催者のみです(12849897)。録画は、主催者、共同主催者に昇格したユーザー(主催者の組織外の人を含む)、主催者向けの管理機能がオフの場合の主催者の組織の所属ユーザーが行えます。いずれも主催者に録画の権限があることが前提です(9308681)。参加者が始められないときは、主催者向けの管理機能がオンになっていないかを主催者に確認し、必要なら主催者に始めてもらいます。
社外の組織から招待された会議での記録
取引先が主催する会議に招待された場合、記録の保存先は主催者、つまり相手の組織のドライブになります。公式ヘルプでは、自動メモを開始・停止できるのは会議の主催者と主催者の組織内の参加者(主催者向けの設定がオンなら主催者と共同主催者のみ)とされ、主催者の組織外の参加者は含まれていません。また、自動メモを使うには会議の主催者が対象エディションのWorkspaceを使っている必要があります。
社外が主催する会議の内容を自社でも残したいときは、次のどれかを選びます。
- 相手に、議事録を共有してもらえるか会議の最後に頼む
- 自社の担当者が手でメモを取り、会議後に自社のドライブに保存する
- 次回以降は自社側が会議を主催する
相手の了承なく、別の録音アプリや議事録ツールで記録するのは避けます。相手の会社のルールで記録が禁止されている場合もあるためです。
管理者が先に確認する設定
自動メモの運用は、管理コンソールの設定で会社全体の既定が決まるため、社員に使い方を案内する前に、管理者が設定の現状を確認しておく必要があります。とくに2026年9月21日以降に予定されている既定設定の変更と、同意を必須にする設定は、社外との会議の扱いに直結します。
管理コンソールで管理者が機能を有効化・制限する
自動メモに関わる管理者の設定は、管理コンソールの次の2か所にあります。
- Geminiの設定:管理コンソールで「アプリ」→「Google Workspace」→「Google Meet」→「Geminiの設定」→「Google AIによるメモ作成」。対象はBusiness Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus(管理者向けヘルプ)
- Meet の動画設定:管理コンソールで「アプリ」→「Google Workspace」→「Google Meet」→「Meet の動画設定」の「自動録画」「自動文字起こし」「自動メモ作成」。対象はBusiness Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、Education Plus、Enterprise Essentials、Enterprise Essentials Plus(管理者向けヘルプ)
社員数10〜200名の会社では、情シスの専任がおらず、Workspaceの管理者が総務や経営者を兼ねていることがあります。管理コンソールを開く機会が少ない場合でも、自動メモを使い始める前に、この2か所の現在の状態を画面で確認し、記録に残しておくと、後で設定を変えたときの比較がしやすくなります。
2026年9月21日以降に予定されている自動メモの既定設定の変更
Googleは2026年7月、自動メモについて、3人以上の参加者がいる会議のみを対象にする新しいオプションを管理者向けと利用者向けに追加すると告知しています(Google Workspace Updates 2026年7月)。告知では、次のように案内されています。
- Business Standard / Business Plus:3人以上の会議で自動メモを自動的に取る新しいオプションが既定でオン
- Enterprise Standard / Enterprise Plus、Frontline Plus、Google AI Pro for Education アドオン:既定でオフ
- 利用者への反映は早くても2026年9月21日から。それより前に利用者への影響はないとされています
※2026年9月17日時点では施行前のため、Googleの告知内容として記載しています。実際の反映の時期や画面の表示は、管理コンソールと公式ヘルプで確認してください。
※Business Standardは、管理者向けヘルプの「Meet の動画設定」の対象一覧には含まれていませんが、2026年7月の告知では新しい設定の対象とされています。設定の表示場所は管理コンソールで確認してください。
自動メモの対象であるBusiness StandardとBusiness Plusで既定がオンとされている点が、管理者にとっての要点です。何も決めずに9月21日以降を迎えると、3人以上が参加する会議で、主催者が操作しなくても自動メモが始まる状態になる可能性があります。
9月21日より前に、次のことを済ませておくことをおすすめします。
- 管理コンソールの「Google Meet」の設定で、自動メモに関する項目の現在の状態を確認し、画面を記録しておく
- 社外の参加者がいる会議を自動メモの対象にしてよいかを社内で決める
- 決めた方針に合わせて、会社の既定を選ぶ
- 社員に、個人の設定「今後の会議での自動メモ作成」の3つの選択肢と、社外との会議でどれを選ぶべきかを案内する
- 9月21日を過ぎたら、実際の会議で表示がどう変わったかを1回確かめる
参加者の同意を必須にする管理者設定
Googleは2026年5月5日付けの告知で、自動メモ・録画・文字起こしを始める前に、参加者の明示的な同意を必須にできる管理者向けの設定を案内し、同日からロールアウトを始めています。この設定は既定でオフです(Google Workspace Updates 2026年5月5日)。
既定でオフなので、管理者がオンにしない限り、同意を必須にする動きにはなりません。取引先との会議が多い会社や、個人の相談を受ける業種では、この設定をオンにするかどうかを、告知のルールと合わせて検討する価値があります。オンにする場合は、社員が会議の冒頭で戸惑わないよう、画面の流れを事前に試しておきます。
対面会議のメモ
Googleは2026年8月、対面の会議でもメモを取れる機能の提供を発表しました(Google Workspace Updates 2026年8月)。発表によると、概要は次のとおりです。
- 開始:Google Meetのホーム画面(Web/モバイル)のメモ作成ボタン(英語の告知では「Take notes」)から始める
- 出力:会議の終了後、構造化されたメモ・アクション項目・文字起こしをGoogleドキュメントにまとめ、ドライブに保存する
- 対象:Business Standard / Plus、Enterprise Standard / Plus、Google AI Pro / Ultra(個人)、Frontline Plus、AI Pro for Education
- 展開:Androidは2026年8月11日から、Webは早くても8月14日から、iOSは早くても8月31日から段階的に展開
対面の会議では、参加者がそれぞれ画面を見ているオンライン会議と違い、記録が始まっていることに相手が気づきにくくなります。会議室のテーブルに置いたスマートフォンで記録していても分かりにくいため、オンライン会議以上に口頭での告知が大切になります。社内ルールでも、対面での利用を対象に含めておきます。
対面の会議やMeet以外で行った会議の録音を、GeminiアプリやGemini Notebookに上げて議事録にする手順は、Geminiで議事録を作る方法で解説しています。
社外の参加者がいる会議で記録するとき
社外の参加者がいる会議で自動メモや文字起こしを使うときは、事前の告知・冒頭の一言・断られたときの切り替えの3つを決めておけば、相手との関係を損ねずに運用できます。
社外の参加者への告知文例
相手の会社にも記録に関するルールがある場合があります。告知は、相手が断りやすい形で行うことが大切です。そのまま使える文例を示します。
招待メールやカレンダーの説明欄に入れる一文
会議の冒頭で読み上げる一文
断られたときの切り替え
断られた場合は、その場でメモや文字起こしを止め(始める前なら始めず)、担当者が手でメモを取ります。会議の最後に決定事項を口頭で確認し、後で送る議事録の文面を相手に確かめてもらえば、記録を使わなくても認識のずれは防げます。断られたことは、次回以降の会議でも同じ扱いにできるよう、顧客管理の記録などに残しておくと引き継ぎが楽になります。
文例の言い回しは、自社の普段のメールの書き方に合わせて調整してください。社名や担当者名を入れると、誰が記録を管理するのかが相手に伝わりやすくなります。
記録する会議・しない会議の線引き
会議の種類ごとに、記録してよいか、相手の同意を取ってからか、記録しないかを先に決めておくと、社員が毎回迷わずに済みます。一般的な目安を示します。会社の業種や取引先との契約によって変わるため、自社の実情に合わせて調整してください。
自動メモを使ってよい会議
- 社内の定例会議、プロジェクトの進捗会議
- 社内研修、社内向けの説明会
- 公開済みの情報だけを扱う打ち合わせ
相手の了承を得てから記録する会議
- 取引先・顧客との打ち合わせ、商談
- 業務委託先、協力会社との会議
- 1on1(本人と記録の扱いを決めてから)
原則として記録しない会議
- 採用面接(応募者の個人情報や、合否に関わる発言が残るため)
- 人事評価、処遇、懲戒に関する面談
- M&A、資金調達、未発表の提携など、関係者を限って進める案件
- 顧客の個人情報や、健康・家計・税務など個人の事情を扱う相談
- 法的な紛争やクレーム対応の方針を決める会議
記録しない会議に分類した場合でも、会議の最後に決定事項だけを人が短くまとめて残す、という運用にすれば、議事録そのものは作れます。
機密の話題では記録を途中で止める
記録してよい会議でも、途中で機密の話題に入ることがあります。そのときは話し始める前に自動メモと文字起こしを止め、話題が終わったら再開します。
- 止めるときは「ここから先は記録を止めます」と口に出す
- 再開するときも「記録を再開します」と伝える
- 文字起こしは一時停止できず、再開すると別のファイルになります。自動メモも、途中から始めた場合はそれより前にさかのぼって記録されないため、止めていた間の発言は残りません。
- 止めている間に決まったことは、会議の後に人が必要な範囲だけ書き足す
- 止め忘れた場合は、会議後にメモと文字起こしの該当部分を削除し、共有前であることを確認する
話題の切り替わりに気づくのは進行役であることが多いため、止める役目は進行役に決めておくと漏れが減ります。
会社で安全に使うためのルールづくり
会議の記録をAIで作ることを会社として認めるなら、学習利用の扱い、記録の保存と管理、社員に配るルールの3つを先に整えておく必要があります。
機密情報とセキュリティ|Workspaceと個人向けAIでの学習の扱い
Google Workspaceの生成AIに関するプライバシーハブ(最終更新2026年8月14日)には、Workspaceは顧客からの事前の許可や指示がない限り、モデルのトレーニングに顧客データを使用しないこと、また、コンテンツが人間にレビューされることも、許可なくドメイン外で生成AIモデルのトレーニングに使われることもないことが記載されています(Google Workspace の生成 AI に関するプライバシー ハブ)。
一方、社員が個人のGoogleアカウントでGeminiアプリを使う場合は、前述のとおり、人間のレビュアーがデータの一部をレビューすることがあると個人向けのプライバシーハブに書かれており、扱いが異なります。同じGeminiという名前でも、会社のWorkspaceアカウントで使うか、個人のアカウントで使うかで、データの扱いの説明が別になっている点を社員に伝えておく必要があります。
学習に使われないことは、記録が漏れないことと同じではありません。共有範囲の設定を誤れば社外に届き、主催者のドライブの共有設定によっては社内の関係のない人にも見えます。学習の扱いと、共有・保存の管理は、別々に確認する項目です。社内で確認する項目の全体像は生成AIのセキュリティチェックリストにまとめています。
※プライバシーハブの内容は、2026年9月16日時点で公式ページに記載されている内容です。
記録の保存と管理について管理者に確認する項目
自動メモ・文字起こし・録画は主催者のドライブに保存されるため、保存期間や人の異動・退職のときの扱いを会社として決めておく必要があります。これらはWorkspaceの契約や組織の設定によって異なるため、次の項目を自社の管理者に確認してください。
- 会議の記録を、いつまで保存し、いつ削除するか。組織として保持に関する設定をしているか
- 主催者が異動・退職したとき、その人のドライブにある会議の記録を誰が引き継ぐか
- メモの共有範囲について、社内の既定をどれにするか
- 部署の定例会議の記録を、個人のドライブから共有ドライブに移すかどうか
- 誰がどの会議を記録したかを、管理者が後から確認する必要があるか。あるならどの方法で確認するか
ここで決めたことは、次の社内ルールのひな形に反映します。
社員に配る社内ルールのひな形
会議をAIで記録するときの最低限のルールを、A4で1枚に収まる形でまとめたひな形です。自社の状況に合わせて、各項目の中身を書き換えて使ってください。生成AI全般の社内ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で解説しています。
- 使ってよい記録の方法会社が契約するGoogle Workspaceの自動メモ・文字起こし・録画と、会社が認めたAIだけを使う。個人のアカウントのAIや、会社が認めていない録音アプリ・議事録ツールは使わない。
- 記録しない会議採用面接、人事評価・懲戒の面談、M&Aや資金調達など関係者を限る案件、個人の事情を扱う相談は記録しない。迷ったら主催者の上長に確認する。
- 社外の参加者への告知招待時に記録の予定を伝え、会議の冒頭でも口頭で伝える。断られたら記録を使わず、手でメモを取る。
- 記録を止める役と、止める場面進行役が、機密の話題に入る前に記録を止め、口頭で伝える。
- 確認してから共有する担当者AIが作ったメモは、主催者または進行役が決定事項・担当・期限・数字を確認してから共有する。社外への共有は、社内向けの話を除いてから行う。
- 共有範囲の既定メモの共有範囲は「組織内の招待済みゲスト」を既定にする。「すべての招待済みゲスト(組織外のユーザーも含む)」にするのは、社外の参加者と共有することが事前に決まっている会議だけ。
- 保存と削除会議の記録の保存期間と、主催者が異動・退職したときの引き継ぎ先を決め、社員に周知する。
- 別のAIに渡すとき文字起こしを別のAIに渡す場合は、会社が認めたAIに限り、顧客名・個人名・金額などを記号に置き換えてから渡す。対応表はAIに渡さない。
- 対面の会議対面の会議でメモ機能を使うときも、オンライン会議と同じく口頭で告知する。
複数の生成AIを使い分ける場合の管理
議事録の作成では、Workspaceの自動メモに加えて、長い文字起こしの整理や、議事録からの報告書づくりに別の生成AIを使いたい場面も出てきます。社員が用途ごとに別々のAIを個人で使い始めると、どのAIに何が入力されたかを会社が把握できなくなります。
複数のAIを使う場合は、会社として使ってよいAIを決め、契約と設定を会社の側でそろえ、誰がどのAIを使ったかを管理者が確認できる状態にしておくと、議事録以外の用途に広がったときにも同じルールで管理できます。
会議の録音も読み込める、会社で管理する生成AI
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityの4つのAIを1契約・1画面で使える法人向けの生成AIです。会議の録音や動画も読み込めるため、Google Meet以外の打ち合わせの記録整理にも使えます。管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・使えるモデルのオンオフを管理でき、会話履歴や操作ログは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Business StarterでもGoogle Meetの議事録は作れますか?
無料のGmailアカウントでGoogle Meetの自動メモは使えますか?
社外の人に伝えずに自動メモを取ってもよいですか?
自動メモや文字起こしの内容はAIの学習に使われますか?
会議の主催者が退職したら、メモや文字起こしはどうなりますか?
日本語と英語が混ざる会議でも自動メモは使えますか?
2026年9月21日から自動メモの設定はどう変わりますか?
自動メモのボタンが表示されない、または始められないのはなぜですか?
まとめ
Google Meetの議事録は、Business Standard以上などの対応エディションであれば、Geminiの自動メモ生成と文字起こしで作れます。会議中に右上の「自動メモ生成」アイコンから始めるか、カレンダーの予定や個人の設定で自動にしておけば、会議の主催者のGoogleドライブにメモが保存されます。Business Starterや無料のGoogleアカウントでは自動メモが対象に含まれていないため、文字起こしを用意して、会社が認めたAIで伏せ字にしてから整える方法を取ります。
どの方法でも、AIの要約は人が確認してから共有すること、自動メモは1会議1言語で使うことが前提です。社外の参加者がいる会議では、招待時と冒頭の告知、断られたときの切り替え、記録しない会議の線引きを先に決めておきます。
管理者は、2026年9月21日以降に予定されている自動メモの既定設定の変更と、参加者の同意を必須にする設定を確認し、社内の既定と社員への案内をそろえておくことをおすすめします。
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