保険代理店のAI活用。募集文書の下書きと顧客情報の線引き

保険代理店のAI活用とは、意向把握の記録や比較の説明、社内の照会への回答といった文章の下書きを生成AIに任せ、確認と判断を募集人が受け持つ使い方のことです。答えから言うと、AIに入れるのはお客様を特定できない形に置き換えた材料だけにし、病歴や証券番号は入れないと決めれば、多くの業務で下書きの時間を減らすことが出来ます。反対に、氏名や健康状態をそのまま貼ったり、AIが書いた比較の説明をそのままお渡ししたりすると、保険業法や個人情報のルールに触れるおそれが出てきてしまいます。業務ごとの指示文と人が必ず確かめる点に加えて、使い始める前に所属保険会社へ確かめる2つのことも載せましたので、使えそうな節から試してみてください。

AI導入の進め方そのものや補助金、費用の考え方は、中小企業のAI導入の進め方(全体像)にまとめてあります。ここでは保険代理店の経営者・管理者の方に向けて、実務の線引きだけに絞ります。

保険代理店がAIに任せるのは下書きまで|業務の一覧と人の役割

保険代理店でAIに任せてよいのは文章の下書きと整理までで、提案の判断とお客様への説明は募集人が受け持ちます。下書きに向く業務は、思っているより多くあります。面談のあとに書く意向把握の記録、重要事項説明(重説)の前の説明の準備、乗合代理店での比較の説明、見直しの提案での不利益の洗い出し、更改で前年と変える点の説明、事故受付のあとのご連絡、代理店の中での照会への回答、募集人向けの勉強会資料が代表的な業務になります。

どれも型が決まっていて、毎回ゼロから書くと時間がかかる文章です。AIはその型に沿った下書きをすぐに出してくれるため、募集人は中身の確認と、お客様に合わせた言い足しに時間を回すことが出来ます。

一方で、AIに任せてはいけないこともはっきりしています。どの商品を勧めるかの判断、お客様の意向と契約内容が合っているかの確認、告知の扱いは、募集人の仕事のまま残ります。保険業法第294条の2は、意向の把握、意向に沿った提案、意向と契約内容が合っていることをお客様が確かめる機会の提供を、保険募集人の義務として定めています。下書きをAIに頼んだ場合でも、記録の中身に責任を持つのは記録を残した募集人になります。AIが書いた文は、募集人が読んで直すまで社外に出さないと決めましょう。

役割を分けると、AIは型どおりに書く係、募集人は中身を確かめて決める係として考えることが出来ます。この分け方を最初に社内で共有しておけば、AIの文をそのままお客様に出してしまう事故を減らせます。

紙の申込書を読み取るOCRや、お客様向けのチャットボットもよく挙がる用途ですが、どちらも下書きより先に決めることが多くなります。OCRで読み取る画像には氏名や告知の欄がそのまま写り、チャットボットは募集の行為との線引きを別に考える必要が出てきます。まずは募集人が確かめてから使う下書きで慣れ、OCRやチャットボットはそのあとで検討する順番にしましょう。

時間の目安も出してみます。仮に面談記録の清書に1件20分かかり、それが月に60件あるとすると、月1,200分、およそ20時間を清書だけに使っている計算になります。時給2,000円で見積もると、月におよそ4万円分の人件費となってしまいます。AIの下書きを読み直して直す形にして1件8分で済めば、同じ60件で月480分、8時間ほどまで縮めることが出来ます。人件費に直すと月1万6千円ほどで、差はおよそ2万4千円分になります。

※1件20分・月60件・1件8分・時給2,000円は、計算の仕方を示すための仮の数字です。自社の件数と時給に置き換えて計算してください。

個人情報の線引き|入れてよい・置き換えて入れる・入れない

保険代理店がAIに入れる材料は、「入れてよい」「置き換えて入れる」「入れない」の3段で分けると迷いが減ります。

いちばん下の「入れない」に入るのが、金融分野の個人情報保護ガイドラインが機微(センシティブ)情報と呼ぶものです。同ガイドラインの第5条第1項は、要配慮個人情報に加えて、労働組合への加盟、門地、本籍地、保健医療、性生活に関する情報を機微情報と定め、取得・利用・第三者提供を原則として禁じています。保険業等については同項第8号の要件、つまり適切な業務運営、本人の同意、業務の遂行上必要な範囲の3つを満たす場合に限って扱うことが出来ます。

個人情報保護委員会のFAQは、保険金の支払いのために被保険者の健康状態を、同意を得て必要な範囲で取得する場面を例に挙げています。その一方で、本籍地を取得することは原則として必要な範囲と認められない、という整理になります。

見落としやすいのは、保健医療の範囲が要配慮個人情報より広いことです。医師の診断によらず、自分の判断で市販薬を飲んでいるといった情報まで含まれると、同じFAQの図に示されています。面談メモに「花粉症で市販薬を飲んでいる」と一言あるだけでも、そのメモは機微情報を含む文書になってしまいます。

ガイドラインは現在、令和6年3月12日改正・令和6年4月1日適用の版が適用されています。令和8年7月24日改正・令和9年4月1日適用の版もすでに公表されているため、社内ルールを作るときはどの版を見たかを書き添えておきましょう。

※出典:個人情報保護委員会「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」FAQ(https://www.ppc.go.jp/all_faq_index/faq2-q3-1)、金融庁 金融分野の個人情報保護ガイドライン等(https://www.fsa.go.jp/common/law/kj-hogo-2/index.html)。確認日:2026年10月16日。

生成AIに入れるときの個人情報保護委員会の注意喚起

個人情報保護委員会は令和5年6月2日に「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を出し、事業者向けの注意点を2つ示しました。1つ目は、個人情報を含む指示文を入れるなら、特定した利用目的の達成に必要な範囲かどうかを十分に確かめることになります。2つ目は、本人の同意なく個人データを含む指示文を入れ、そのデータが応答の出力以外の目的で扱われると、個人情報保護法に違反する可能性があるという点です。そのため、入れる場合は提供事業者が個人データを機械学習に使わないことなどを十分に確かめるよう求めています。

なお、要配慮個人情報の取得についての注意喚起はOpenAIに向けたもので、事業者に入力そのものを禁じたものではありません。とはいえ保険代理店の場合は、上の金融分野ガイドラインが別に効いてくるため、機微情報はAIに入れない側に置くのが無理のない線引きになります。

※出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」令和5年6月2日(https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_alert_generative_AI_service.pdf)。

保険業法と監督指針が代理店に求める顧客情報の管理

保険業法第294条の3は、保険募集人に業務運営の体制を整える義務を課しており、その中に募集の業務で得たお客様の情報の適正な取扱いが入っています。監督指針のII-4-2-9は、顧客情報の適正な管理を含む態勢を社内規則などに定め、教育・管理・指導をしているかを点検する形になります。顧客情報の管理は、外部の委託先を含め、代理店の規模や業務の特性に応じて基本的にII-4-5に準じるとされています。

II-4-5は、顧客情報へのアクセスと利用を業務上の必要がある役職員に限るNeed to Know原則をもとにした管理を求めるものです。生成AIに置き換えて考えると、担当外の募集人がAIの会話履歴からほかの方の顧客情報を見られる状態は、この原則から外れてしまいます。AIの会話履歴は、使う人が増えるほど顧客情報の置き場所の1つになっていきます。誰の履歴を誰が見られるのか、退職した募集人のアカウントはどうなるのかを、使い始める前に決めておきましょう。この取り決めは、II-4-2-9が挙げる教育・管理・指導の中身として、募集人向けの研修でも一度扱っておくと、所属保険会社に説明するときの材料に使えます。

※出典:保険業法(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105)、金融庁「保険会社向けの総合的な監督指針」II-4(https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/ins/02d.html)。確認日:2026年10月16日。

3段の線引きを社内に配る

線引きは、紙1枚にして募集人全員に配ると守られやすい形になります。下の3つの箱に、自社の業務で出てくる情報を書き足して使ってみてください。

  • 入れてよい一般に公開されている商品パンフレット・約款・説明書、社内マニュアル、個人を含まない業務の手順、文章の型(敬語の直し・構成の整理)。所属保険会社が代理店向けに出している資料のうち、社外秘・代理店限りと表示されたものや、代理店システムの画面・操作マニュアルは、所属保険会社の了解を確かめてから入れる
  • 置き換えて入れる年代・性別・職業・家族構成・ご意向の要点・既契約の種類は、「Aさん」「40代男性・会社員」「配偶者と子ども2人」のように置き換えて入れる。お客様ご本人から預かった他社のご契約の内容は、ご本人の了解を得て、置き換えたうえで比較の材料にする使い方が考えられる(所属保険会社のルールもあわせて確かめる)。氏名・住所・電話番号・メールアドレス・勤務先名・証券番号・車のナンバーは消すか「〔証券番号〕」のように伏せる
  • 入れない病歴・通院歴・服薬(市販薬を含む)・健康状態・告知の内容・事故でのけがの具合・本籍地・労働組合への加盟など、金融分野ガイドライン第5条の機微情報にあたるもの。保険会社や出向者を通じて得た、ほかのお客様の契約者情報。代理店システムや顧客管理の画面のコピー・画面写真

置き換えるときは、組み合わせるとお客様が特定できてしまう細かさにも気を付けたいところです。「〇〇町で歯科医院を営む50代の院長」のように、地域と職業を重ねると1人に絞れてしまう場合があります。年代は10歳刻み、職業は「自営業」「会社員」程度の粗さにそろえ、それで下書きに足りるかを試してみてください。病歴と告知の内容は、置き換えても入れない側に置きましょう。告知の要約まで任せたくなる場面はありますが、そこは募集人が自分の手で書く部分として残しておくのが安全になります。

置き換えの例(名前・数字はすべて架空)

元のメモ:山田太郎様(45歳)、〇〇市在住、△△商事勤務。妻、長男10歳、長女8歳。他社の医療保険あり(証券番号12-3456789)。高血圧で通院中。
AIに入れる形:Aさん(40代男性・会社員)。配偶者と子ども2人(小学生)。他社の医療保険あり(内容の利用はご本人の了解済み)。
消した情報:氏名、年齢の数字、住所、勤務先名、証券番号
入れない情報:通院の事実(保健医療の情報で、機微情報にあたる)

所属保険会社に先に確かめる2つのこと

AIを使い始める前に、所属保険会社のルールを2つ確かめておきましょう。1つ目は、代理店委託契約の情報管理や再委託についての条項で、外部のAIサービスに顧客情報や保険会社の資料を入れることが認められているかという点です。置き換えた情報だけを入れる使い方でも扱いが決められていることがあるため、条項を読み、分からなければ代理店担当の方に聞いてみてください。

2つ目は、お客様に渡す文書が募集文書に当たる場合の、所属保険会社の審査・承認の手順になります。AIで下書きした案内文や比較の説明も、お客様にお渡しするなら、所属保険会社のルールに沿った確認を通す前提で扱いましょう。使うAIを決めたら、代理店担当の方にサービス名と会話履歴の保存先を伝えておけば、点検で聞かれたときにもすぐ答えることが出来ます。

  • 置き換えた顧客情報を、外部のAIサービスに入れてよいか条件があれば、その条件(届け出・承認・使えるサービスの範囲など)も聞いておきます。
  • 社外秘・代理店限りの資料や代理店システムのマニュアルを、AIに読ませてよいか資料ごとに扱いが違うこともあるため、読ませたい資料の名前を挙げて聞きます。
  • AIで下書きしたお客様向けの文書は、どの様式・どの承認の手順を通すか案内文・比較の説明・更改の説明文など、文書の種類ごとに確かめます。
  • 使うAIのサービス名と会話履歴の保存先を、どの窓口に伝えればよいか代理店担当の方か、別の窓口かを確かめておきます。

確かめた内容は、条項の番号、確かめた日、答えてくれた担当の方の名前と一緒に、社内の記録に残しておきましょう。所属保険会社の担当の方が替わったときや、取り扱う保険会社が増えたときにも、同じ確認を一からやり直さずに進めることが出来ます。乗合代理店であれば、保険会社ごとに答えが違うこともあるため、1社ずつ分けて残すのが確実なやり方になります。

損保の情報漏えい問題から代理店が学ぶこと

保険会社の点検では、これからAIの使い方も聞かれると考えておくのが安全です。金融庁は令和7年(2025年)3月24日、東京海上日動火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険の4社に業務改善命令を出し、その背景には乗合代理店や出向者を通じた他社の契約者情報の共有などの情報漏えい事案がありました。監督指針のII-4-2-13も、出向者を通じた顧客情報の共有が個人情報保護法などに触れるおそれを挙げ、乗合代理店への出向では特に気を付けるよう求めています。

※出典:金融庁「損害保険株式会社4社に対する行政処分について」(https://www.fsa.go.jp/news/r6/hoken/20250324/20250324.html)、同「保険会社向けの総合的な監督指針」II-4-2-13。確認日:2026年10月16日。

AIに貼り付けた時点で、情報は別の置き場所に移る

生成AIを使うと、この「情報がどこまで広がるか」という問題が、もう1段身近な話になってきます。募集人が面談メモを個人で契約した無料のAIに貼り付けると、その文は会社が管理できない場所に残ってしまいます。会社が契約していないAIでは、学習に使われる設定かどうか、履歴がいつまで残るかを会社が確かめられません。乗合代理店であれば、A社とB社の商品を比べる会話が募集人の個人アカウントにたまっていき、その履歴を誰が見られるのかもあいまいなままになりがちです。

情報が漏れる経路を、代理店の業務に当てはめて並べてみましょう。

  • 募集人が私物のスマートフォンで個人向けの無料AIを使い、面談メモをそのまま貼る
  • 退職した募集人の個人アカウントに、お客様とのやりとりの履歴が残ったままになる
  • 乗合代理店で、担当外の保険会社の契約情報まで同じAIの履歴に入り、ほかの募集人も見られる
  • 事故受付のメモに書かれたけがの具合を、連絡文の下書きのためにAIへ貼る
  • 代理店システムの画面を写真に撮り、操作の質問のためにAIへ貼る

どれも悪意のない使い方から起きるのが、厄介なところです。禁止の通知を回すだけでは、満期が重なる忙しい時期ほど守られなくなってしまいます。会社が把握していないこうしたAIの使われ方は、野良AI(シャドーAI)とも呼ばれます。会社が使ってよいAIを1つ決めて全員に配り、会話履歴を誰がどこまで見られるかを管理者が決められる状態にすれば、Need to Know原則に沿った運用に近づけることが出来ます。会社の環境でも、終わった案件の会話をいつまで残すかを決めておけば、顧客情報の置き場所が必要以上に増えません。

乗合代理店で決めておきたい3つのこと

乗合代理店では、所属保険会社ごとに情報を分けて扱う意識を、AIの使い方にも持ち込む必要があります。1つ目は、どの情報を比較に使ってよいかの書き分けになります。お客様ご本人から預かった他社のご契約の内容は、ご本人の了解を得て、置き換えたうえで比較の材料にする使い方が考えられます。所属保険会社のルールもあわせて確かめてください。入れないのは、保険会社や出向者を通じて得た、ほかのお客様の契約者情報です。2つ目として、出向者や保険会社の社員が代理店のAIの履歴を見られる状態は作らないようにしましょう。監督指針のII-4-2-13が出向者による情報の共有に触れているのは、まさにこの点に当たります。3つ目は、会話履歴を募集人ごとに分け、管理者以外がほかの方の履歴を開けない設定にしておくことになります。

取り扱う会社が多い代理店ほど、AIに読ませる資料も増えていきます。資料の置き場所も保険会社ごとにフォルダを分け、どの資料をいつ読ませたかを残しておけば、後から聞かれたときに説明しやすくなります。この3つと資料の分け方を紙に書いて、乗合の担当者全員で読み合わせてみてください。

誤って入れてしまったときの動き方

気を付けていても、面談メモを消し忘れたまま貼ってしまうことは起こりえます。そのときに慌てないよう、動き方を先に決めておきましょう。まず、気付いた募集人は、何を・どのAIに・いつ入れたかを書き出して、その日のうちに責任者へ知らせます。会社が契約した環境であれば、管理者が履歴とログから入った範囲を確かめ、サービスの手順に沿って該当する会話を消します。AIの提供元側での保持期間は各社の仕様によるため、あわせて確かめておきましょう。個人で契約した無料のAIに入れた場合は、会社から履歴を確かめられないため、本人に履歴の削除と設定の確認をしてもらうことになります。所属保険会社への報告に加え、個人情報保護法などの漏えい等の報告に当たるかどうかも、責任者が確かめましょう。

知らせたあとの流れが決まっていれば、募集人は隠さずに知らせやすくなります。この手順は、社内に配るルール1枚の「困ったとき」の欄にも書いておいてください。

私物のAIへの貼り付けをなくし、履歴を会社が見渡せる形に

募集人ごとの無料のAIをやめ、会社が契約した1つの環境に履歴と権限をまとめると、顧客情報がどこにあるかを説明できるようになります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

業務別の指示文|意向把握から研修資料まで

どの業務も、置き換えた材料と決まった型を渡せば、AIは直して使える下書きを返してくれます。指示文は貼ってすぐ使える形にしてあるので、〔 〕の中だけ自社の内容に変えて使ってみてください。

意向把握の記録(意向把握シート・面談記録)の下書き

意向把握の記録は、面談で聞いたことを決まった項目に整える作業なので、AIの下書きと相性のよい業務になります。入れる材料は面談の手書きメモを置き換えた要点で、氏名の代わりに「Aさん」、年齢の代わりに「40代男性・会社員」と書きます。健康状態や告知に関わる話は、メモから外してから入れてください。お客様が自社の規程で定める年齢以上の方であれば、同席者の有無、面談の回数、ご理解をどう確かめたかを記録する項目も足しておきましょう。

指示文(そのまま貼れます)

あなたは保険代理店の募集人の補助をします。
次の面談メモをもとに、意向把握の記録の下書きを作ってください。

【条件】
・お客様は「Aさん」と書き、氏名や連絡先は書かない
・項目は「主な関心事」「保障を考えるきっかけ」「当初のご意向」「必要と考えている保障」「保険料の考え方」「保障期間の希望」「比較・推奨についてのご意向」「最終のご意向」「当初と変わった点とその理由」「確認が必要な点」の順にする
・メモに書かれていないことは推測で埋めず、「未確認」と書く。お客様の言葉から保障の種類を決めつけない
・「最終のご意向」と「当初と変わった点とその理由」は、メモになければ「未確認(提案後に確認)」とする
・商品名や保険料の金額は書かない
・社内記録として、短く言い切る文体でよい

【面談メモ】
40代男性・会社員。配偶者と子ども2人(小学生)。住宅ローンあり。
勤務先の団体保険のみで、子どもの教育費が気になっている。
保険料は月1万円前後まで。今の勤務先を辞めたあとも続けられる保障を希望。
いくつか比べて決めたい。医療の保障は今回は相談しない。

出てくる文の例

主な関心事:子どもの教育費
保障を考えるきっかけ:勤務先の団体保険だけで、退職後に続く保障がない
当初のご意向:勤務先を辞めたあとも続けられる保障を、保険料月1万円前後までで考えたい
必要と考えている保障:未確認(教育費が気になるとのお話。保障の種類は次回確認)
保険料の考え方:月1万円前後まで
保障期間の希望:勤務先を辞めたあとも続けられるもの
比較・推奨についてのご意向:いくつか比べて決めたい
最終のご意向:未確認(提案後に確認)
当初と変わった点とその理由:未確認(提案後に確認)
確認が必要な点:保障の種類と金額/保障期間をいつまでにするか/医療の保障は今回は相談しないとのご意向

出てきた記録は、面談を思い出しながら募集人が読み直し、足りない点を書き足して仕上げます。

  • ご意向が、お客様の言っていない言葉に置き換わっていないか「教育費が気になる」が「学資を最優先」のように強められていないかを見ます。
  • 「未確認」の欄を、次の面談で確かめる予定に入れたか空欄のまま提案に進まないようにします。
  • 当初と最終のご意向の違いが、理由とともに残っているか提案の途中でご意向が変わったときに、どう変わったかを後から説明できるようにします。
  • 健康や告知の話が紛れ込んでいないかメモ側で消し忘れた一言が、記録にそのまま写ることがあります。

AIの記録は、第294条の2が求める意向に沿った提案と、意向と契約内容の一致をお客様が確かめる機会の土台になります。ただ、最終的な意向の確認は、お客様と向き合って募集人が受け持つ部分として残ります。

重要事項説明の前の顧客向け説明文(説明の準備)

重説の前に、説明書のどこを特に丁寧に話すかを整理しておくと、当日の説明が通りやすくなります。お客様にお渡しする文書は所属保険会社が承認した様式と文面を使うのが前提で、AIの下書きは募集人の説明の準備に使います。入れる材料は、所属保険会社の公開済みのパンフレットや説明書の文面と、置き換えたお客様の属性だけで足ります。

指示文(そのまま貼れます)

あなたは損害保険代理店の募集人の補助をします。
下に貼る「商品の説明書(公開資料)」の文面だけを使って、契約手続きの説明の前に、募集人がお客様にご説明する要点の下書き(社内の説明準備用)を作ってください。

【条件】
・説明書にない内容は書かない。言い換えるときは意味を変えない
・保険金が支払われない主な場合、告知義務と通知義務、ほかのご契約との補償の重複の3点を必ず入れ、それぞれ説明書のページを添える
・クーリングオフは、説明書で対象とされている契約のときに入れる。対象外と書かれていればその旨を、書かれていなければ「要確認」と書く
・「必ず」「絶対」「損はしない」「一番お得」などの言い切りと、他の商品との比べ合わせは書かない
・お客様の呼び方は「お客様」とし、氏名は入れない
・60代のお客様に話す想定で、です・ます調、400字程度

【説明書の文面】
〔ここにパンフレット・説明書の該当部分を貼る〕

出てくる文の例(架空の住まいの保険の説明書から作った場合。ページ番号も架空)

1.保険金が支払われない主な場合(説明書4ページ)
地震・噴火・津波による損害は、この保険では補償の対象外です。地震による損害への備えは、地震保険のお申込みの有無とあわせてご説明します。

2.告知義務と通知義務(説明書6ページ)
お申込みのときに、建物の構造や所在地などを正しくお知らせいただく必要があります。ご契約のあとに建物の用途を変えたときなどは、ご連絡をお願いします。

3.補償の重複(説明書8ページ)
個人賠償責任の特約は、自動車保険などほかのご契約に付いている場合があります。重ねて付けると補償が重なることがあるため、ほかのご契約の内容を一緒に確かめます。

4.クーリングオフ(説明書10ページ。対象となる契約の場合)
説明書では、このご契約はクーリングオフの対象とされています。お申込みの日などから説明書に書かれた期間内であれば、お申込みを撤回できます。期間と手続きは10ページのとおりです。
  • 説明書にない言葉や数字が混ざっていないか1行ずつ説明書と突き合わせます。ページ番号が実際の説明書と合っているかも見ます。
  • 支払われない場合・告知義務と通知義務・補償の重複の3点と、クーリングオフの扱いが抜けていないかAIは読みやすさを優先して、例外の段落を短く削ることがあります。
  • 言い切りや比べ合わせの言い方が入っていないか次の節の第300条の言い回しの例と照らし合わせます。
  • クーリングオフの対象外の契約で、撤回できると書いていないか保険期間1年以下の契約など、対象外とされる契約があります。説明書の記載どおりかを確かめます。
  • お客様にお渡しするのは、所属保険会社が承認した様式・文面だけかAIの下書きはそのままお渡しせず、社内の説明準備に使います。

説明の準備メモはあくまで社内の資料で、重説そのものを置き換えるものではないと、社内で共有しておきましょう。

比較推奨販売の説明(乗合代理店)

乗合代理店の比較の説明は、AIに表を作らせると早い反面、誤解を招く言い方が入りやすい業務の1つです。保険業法第294条の3は、2つ以上の所属保険会社を持つ募集人に、比較した事項の提供などの措置を求めています。入れる材料は、各社の公開資料から募集人が抜き出した比較項目と、絞り込みの基準、お客様の意向の要点です。保険料や保障内容の数字はAIに調べさせず、資料から写した値だけを渡してください。

指示文(そのまま貼れます)

あなたは乗合代理店の募集人の補助をします。
下の「絞り込みの基準」「推奨方針」「比較項目」「お客様のご意向」だけを使って、お客様に比較の内容をご説明するための下書きを作ってください。

【条件】
・最初に、比べる商品をどう絞り込んだか(絞り込みの基準)を書く
・代理店の推奨方針で絞った場合は、その方針と理由を、意向による絞り込みとは分けて書く
・比較項目に書かれた値だけを使い、値を足したり丸めたりしない
・どちらが優れているかの言い切りはしない。違いを並べたうえで、ご意向のどの点に沿うかを書く
・推奨する商品があるときは、推奨の理由を「ご意向のどの点に合うか」で書き、不利になる点もあわせて書く
・今回比べていない項目があれば、「今回は比べていない項目」として書き出す
・最後に「この比較は〔日付〕時点の各社資料にもとづきます」と入れる

【絞り込みの基準】
勤務先を辞めたあとも続けられる死亡保障のうち、保険料が月1万円前後のもの

【推奨方針】
当代理店は〔保険会社名〕の商品を優先してご案内しています(理由:〔事故対応の体制など、代理店が定めた理由〕)

【比較項目】(架空の商品・数字)
商品X:保険期間 65歳まで、保険料 月9,600円、死亡保障 1,500万円、特約なし
商品Y:保険期間 70歳まで、保険料 月10,800円、死亡保障 1,500万円、介護の特約あり

【お客様のご意向】
40代男性・会社員。保険料は月1万円前後まで。勤務先を辞めたあとも続けられる保障を希望。
次回面談で、死亡保障を希望と確認済み。

出てくる文の例(商品・数字は架空)

絞り込みの基準:勤務先を辞めたあとも続けられる死亡保障のうち、保険料が月1万円前後のものから、商品Xと商品Yの2つを選びました。
推奨方針(意向による絞り込みとは別):当代理店は〔保険会社名〕の商品を優先してご案内しています(理由:〔代理店が定めた理由〕)。

商品Xと商品Yは、どちらも死亡保障が1,500万円です。
保険料は商品Xが月9,600円、商品Yが月10,800円で、どちらも月1万円前後というご意向に近く、商品Xのほうが月1,200円低くなります。
保険期間は商品Xが65歳まで、商品Yが70歳までで、商品Yのほうが5年長くなります。
商品Yには介護の特約が付いています。

今回は比べていない項目:解約返戻金、保険料の払込みが終わる時期
推奨の理由:どちらも退職後も続けられますが、当代理店の推奨方針に沿って商品Yを先にご案内します。保険料が月1,200円高くなる点もあわせてご説明します。
この比較は〔日付〕時点の各社資料にもとづきます。

比較推奨販売については、乗合代理店に向けた内閣府令と監督指針が新しく整えられています。改正内閣府令は令和8年8月28日に公布され、令和10年(2028年)3月1日に施行、改正監督指針も同じ日から適用になります。金融庁は、施行日を待たずにできるだけ早く体制を整えることが望ましいという考えを示しました。意向把握義務(第294条の2)と権限明示義務(第294条第3項)は今回の改正の対象外とされ、金融庁は現時点でも適時・適切に対応する必要があると明記しています。2028年までは何もしなくてよい、という話ではない点に気を付けましょう。

※出典:金融庁 令和8年8月28日公表(比較推奨販売に係る内閣府令・監督指針の改正)(https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260828/20260828.html)。確認日:2026年10月16日。

  • 絞り込みの基準と推奨方針が書かれているかなぜこの商品を比べたのかを、お客様に説明できる形で残します。
  • 比較項目の値が、各社の資料と一字一句同じかAIが「約1万円」のように丸めていないかを見ます。
  • 比べていない項目を隠していないか都合のよい項目だけを並べると、誤解させるおそれのある比較に近づきます。
  • 推奨の理由が、意向把握の記録にあるお客様の言葉と結びついているか記録にないご意向を理由に書いていないかを確かめます。
  • 資料の日付が入っているか保険料や商品は改定されるため、いつの資料かを残します。

乗換(見直し)提案の不利益事項の確認

今のご契約をやめて新しい契約に乗り換える見直しの提案では、お客様が失う可能性のある点を先に書き出すと、説明の抜けを防げます。第300条第1項第4号は、不利益となるべき事実を告げずに既存の契約を消滅させ、新しい契約の申込みをさせる行為を禁じています。入れる材料は、お客様ご本人から預かった今のご契約の内容を置き換えたものと、新しい提案の説明書の文面になります。

指示文(そのまま貼れます)

あなたは保険代理店の募集人の補助をします。
下の「今のご契約」と「新しい提案」を比べ、乗り換えた場合にお客様が失う可能性のある点を書き出してください。

【条件】
・解約返戻金、予定利率、保険料(加入時の年齢が上がることによる変化)、告知のやり直し、保障が始まるまでの期間の5点は必ず確かめる
・説明書や契約内容のお知らせに書かれている範囲だけで書く。書かれていない点は「要確認」とする
・乗り換えを勧める言い方や、損得の言い切りはしない
・お客様のお名前や証券番号は書かない

【今のご契約】(お客様ご本人から預かった内容を置き換えたもの)
〔契約の種類〕〔加入した年〕〔保険期間〕〔予定利率の記載〕〔解約返戻金の記載〕

【新しい提案】
〔説明書の該当部分を貼る〕

出てくる文の例(架空)

乗り換えた場合に失う可能性のある点
・解約返戻金:今のご契約を解約すると、契約内容のお知らせに記載の〔 〕円が戻り、それ以降の積み立ては終わります
・予定利率:今のご契約の予定利率は〔 〕%と記載があります。新しい提案の予定利率は説明書に記載がなく、要確認です
・保険料:新しい提案は今の年齢で加入するため、保険料は説明書〔○〕ページの〔 〕歳の欄で月〔 〕円です。今のご契約の保険料〔 〕円との差は要確認です
・告知のやり直し:新しい提案はお申込みの際に告知が必要で、健康状態によってはお引き受けできない場合があると説明書に記載があります
・保障が始まるまでの期間:新しい提案の責任開始の時期は説明書〔○〕ページに記載があります。新しい保障が始まる前に今のご契約を解約すると、保障のない期間ができる可能性があります
  • 5点がすべて書かれているか解約返戻金・予定利率・保険料(加入時の年齢による変化)・告知のやり直し・保障が始まるまでの期間のどれかが抜けていないかを見ます。
  • 「要確認」の点を、説明の前に調べたか分からないまま説明に入らないようにします。
  • 乗り換えを勧める言い方が混ざっていないか「新しいほうがお得です」のような一言は削ります。

書き出した点は、所属保険会社の乗換確認書などの様式に沿ってお客様に確かめていただき、意向把握の記録にも残しましょう。

満期・更改の案内(前年と変える点の説明文)

満期のご案内の定型文は所属保険会社の仕組みを使い、AIには前年と補償を変える点の説明文だけを任せると、役割がはっきりします。入れる材料は、契約の種類、変える点とその理由など、個人が特定できない項目に限ります。お客様のお名前や満期日は〔 〕のまま残し、AIの外で差し込んでください。

指示文(そのまま貼れます)

あなたは損害保険代理店の事務担当の補助をします。
更改のご案内に添える、前年と補償を変える点の説明文の下書きを作ってください。

【条件】
・宛名は「〔お客様名〕様」、契約は「〔契約の種類〕」、満期日は「〔満期日〕」のまま残す
・証券番号、車のナンバー、保険料の金額は書かない
・変える点は1つずつ、変える理由とお客様に確かめたいことをセットで書く
・決めつけず、「ご意向をうかがったうえで決めます」とする
・60代のお客様向けに、やわらかい敬語で300字程度

【今回の内容】
契約の種類:自動車保険(家庭用)
変える点:運転される方の範囲。前年はご家族。お子様が独立されたとうかがったため、ご夫婦に変えるご提案

出てくる文の例(架空。運転者の範囲の区分名と対象は保険会社の説明書で確かめてください)

〔お客様名〕様

いつもお世話になっております。〔代理店名〕の〔担当者名〕です。
〔満期日〕に満期を迎える〔契約の種類〕について、更改にあたって見直したい点が1つございます。

運転される方の範囲を、いまの「ご家族」から「ご夫婦」に変えるご提案です。お子様が独立されたとうかがったため、範囲を合わせることを考えました。
お子様が帰省の際などに運転されることがあれば、運転される方の範囲に入るかどうかを、説明書〔○〕ページで一緒に確かめます。

運転される方のご予定をうかがったうえで決めますので、ご都合のよいときにお知らせください。

確かめる点は、変える理由がお客様から聞いた事実と合っているか、去年の文面を引きずった古い特約名が残っていないか、決めつける言い方になっていないかの3つになります。差し込みは顧客管理システムやメールの差し込み機能に任せれば、線引きを守ったまま件数をこなすことが出来ます。このご案内が所属保険会社の募集文書の扱いになるかは、先に確かめた承認の手順に沿って判断してください。

事故受付後の顧客連絡

事故の受付のあとのご連絡は、お客様が不安な時期に届く文なので、早く出せるほど喜ばれる場面が多くなります。ただし、事故の連絡はけがの具合や相手方の情報など、入れてはいけない情報が混ざりやすい業務でもあります。入れる材料は、事故の種類と、これからの流れ、お客様にお願いしたいことだけに絞りましょう。

指示文(そのまま貼れます)

あなたは損害保険代理店の事故受付担当の補助をします。
事故の受付のあと、お客様にお送りする連絡文の下書きを作ってください。

【条件】
・お客様のお名前、相手方の情報、けがの具合、事故の場所は書かない
・〔お客様名〕〔事故受付番号〕〔損害サービス担当の連絡先〕〔担当者名〕の欄を残す
・保険金が支払われるかどうか、過失の割合、支払いの金額や時期は書かない。「保険会社の損害サービス担当から改めてご連絡します」とする
・お見舞いの一言から始める。250字程度

【お願いしたいこと】
・相手方とその場で支払いの約束をしないこと
・修理に出す前に一度ご連絡いただくこと
・修理工場の名前と入庫の予定日を知らせていただくこと

【今回の内容】
事故の種類:自動車の物損事故(相手方あり)

出てくる文の例

〔お客様名〕様

このたびは突然のことで、さぞ驚かれたことと存じます。お身体のほうはいかがでしょうか。
事故のご連絡をいただき、ありがとうございました。
事故受付番号:〔事故受付番号〕

このあと、保険会社の損害サービス担当から改めてご連絡いたします(連絡先:〔損害サービス担当の連絡先〕)。
お手数ですが、次の3点をお願いいたします。
・相手方とその場で、お支払いのお約束はなさらないでください
・お車を修理に出す前に、一度ご連絡ください
・修理工場の名前と入庫の予定日を、わかりしだいお知らせください

ご不明な点は、いつでも〔担当者名〕までご連絡ください。
  • 支払いの可否や過失の割合をにおわせる言い方がないか「保険で直せます」のような一言を探して消します。
  • 材料にない事実が足されていないか「保険会社へのご報告は済ませております」のように、渡していない事実をAIが書き足すことがあります。
  • 〔事故受付番号〕〔損害サービス担当の連絡先〕が正しく埋まったか番号と連絡先は、AIの外で差し込みます。

この連絡文で人が必ず確かめるのは、支払いの可否や過失の割合をにおわせる言い方が紛れていないかという点です。「保険で直せますのでご安心ください」のような一言は、AIが気を利かせて足しやすい言い回しになります。支払いの判断は保険会社がするものなので、見つけたら消してから送りましょう。

代理店からの照会と社内FAQ

社内の照会への回答は、社内マニュアルや公開資料を読ませておけば、AIが答えの候補と根拠の箇所を出してくれる業務になります。新人の募集人が「この特約は途中から付けられるか」「書類の不備はどこに連絡するか」を先輩に聞く時間を、少しずつ減らすことが出来ます。代理店限りの資料や代理店システムのマニュアルを読ませたいときは、所属保険会社の了解を確かめてからにしましょう。

指示文(そのまま貼れます)

あなたは保険代理店の社内ヘルプ担当です。
下に貼る「社内マニュアル」と「公開資料」だけを根拠にして、質問に答えてください。

【条件】
・資料に答えがないときは「資料に記載がありません。〔所属保険会社の窓口〕に確認してください」と答える
・答えの最後に、根拠にした資料名と章・ページを書く
・お客様ごとの判断(引受けできるか、支払われるか)には答えず、確認先だけを示す

【質問】
〔例:ご家族の運転者を契約の途中で追加するときの手続きは?〕

【資料】
〔マニュアルの該当部分を貼る〕

出てくる文の例

手続きは、〔異動の申込書〕に〔必要事項〕を記入し、〔提出先〕へ提出します。保険料が変わる場合は、〔資料の記載〕に沿ってお客様にご案内します。
根拠:社内マニュアル 第〔 〕章〔 〕ページ

確かめる点は、根拠として出たページを実際に開き、本当にそう書いてあるかを見ることになります。資料が古いまま残っていると、AIは古い手続きをもっともらしく答えてしまいます。マニュアルを差し替えたら、AIに読ませている資料も同じ日に差し替えると決めておきましょう。

募集人の研修・社内勉強会の資料

勉強会の資料づくりは、顧客情報をまったく使わずに済むため、最初に試す業務として向いています。条文や監督指針の文面を貼って、募集人向けの確認問題や事例問題を作らせると、準備の手間を減らすことが出来ます。

指示文(そのまま貼れます)

あなたは保険代理店の研修担当の補助をします。
下に貼る保険業法第300条第1項の条文をもとに、募集人向けの勉強会で使う確認問題を5問作ってください。

【条件】
・各問は「この言い方は問題があるか」を問う形にし、募集の場面で実際に出そうな一言を題材にする
・答えには、どの号に関わるかと、言い直した例を付ける
・実在の会社名・商品名・人名は使わない
・条文に書かれていないことを答えの根拠にしない

【条文】
〔e-Gov法令検索から第300条第1項の条文を貼る〕

出てくる文の例(1問目)

問1 「この保険は、配当で実質の負担がほとんどなくなりますよ」
答え 問題があります。将来の配当の金額は確実ではないため、断定的判断を示す言い方(第7号)に関わります。
言い直した例 「配当の金額は将来の状況で変わるため、お約束はできません。これまでの実績は〔資料〕のとおりです」

できあがった問題は、研修担当が条文と照らし合わせてから配ってください。AIが号の番号を取り違えることもあるため、答えの欄だけは人の目で1問ずつ確かめましょう。

AIの下書きで触れやすい保険業法第300条の禁止行為

AIの下書きで特に気を付けたいのは、第300条第1項の第1号・第6号・第7号に触れる言い回しが、文章を整える途中で紛れ込むことです。AIは読みやすさを優先して、条件や例外を削ったり、言い切りに直したりすることがあります。

第1号は、虚偽を告げること、または契約条項のうち判断に影響を及ぼす重要な事項を告げないことを禁じています。第6号は、ある契約の内容を他の契約と比べた事項で、誤解させるおそれのあるものを告げたり表示したりする行為が対象になります。第7号は、将来の契約者配当など金額が不確実な事項について、断定的判断を示したり、確実だと誤解させるおそれのあることを告げたりする行為を禁じています。見直しの提案では、不利益になる事実を告げずに今の契約をやめさせて新しい契約に乗り換えさせる行為(第4号)にも気を付けたいところです。

避ける言い方と直した言い方

AIが書いた下書きで出てきやすい形を、避ける言い方と直した言い方に分けて並べてみました。

関わる号避ける言い方直した言い方
第1号入院したら給付金が出ます説明書〔○〕ページの条件にあてはまる入院が、給付金の対象になります。対象にならない場合は〔○〕ページにまとめられています
第1号解約してもお金は戻ってきます解約されたときに戻るお金の扱いは、説明書〔○〕ページに書かれているとおりです
第4号今の保険より新しいほうが保障が広いので、乗り換えたほうがお得です乗り換えると、今のご契約の解約返戻金が〔 〕円になること、告知をやり直すこと、新しい保障が始まるまでの期間があることをご説明したうえで、ご判断いただけます
第6号A社よりB社のほうが保障が手厚くてお得です入院の保障はB社のほうが日額〔 〕円多い一方、保険料は月〔 〕円高くなります。今回比べていない項目は〔 〕です
第6号ほかの商品はどれも割高です今回比べたのはXとYの2つで、ほかの商品とは比べていません
第7号配当で実質の負担はほとんどなくなります配当の金額は将来の状況で変わるため、お約束はできません
第7号将来の受取額は〔 〕円になります〔 〕円は〔前提〕で計算した例で、決まった金額ではありません

指示文の条件に「言い切らない」「比べていない項目を書き出す」と入れるのが、最初の手当てになります。それでもゼロにはならないため、お客様に出す前に「必ず」「絶対」「お得」「一番」の4語を探す習慣を付けてみてください。AIが削ったただし書きを戻すのは、募集人の仕事として残しましょう。

権限明示(第294条第3項)も、AIの下書きで抜けやすい項目の1つになります。募集を始めるときは、所属保険会社の商号や名称と、代理か媒介かの別を、あらかじめお客様に明らかにする決まりがあります。案内文の型の冒頭に〔所属保険会社名〕と〔代理・媒介の別〕の欄を作り、AIに消させないようにしておきましょう。

※出典:保険業法第294条・第294条の2・第294条の3・第300条(e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105)。表の言い回しは説明のための例です。

保険会社の生成AI事例と、金融庁・業界団体の資料

実名で公表されている生成AIの事例は、いまのところ保険会社が自社や代理店向けに作った仕組みが中心になります。

あいおいニッセイ同和損保と大日本印刷:代理店向けFAQチャットボット

あいおいニッセイ同和損保と大日本印刷(DNP)は、生成AIを使った代理店向けのFAQチャットボットを開発し、2025年2月27日に約4万店の代理店に向けて運用を始めました。代理店専用システム(ADvance1)のログインや操作の質問に、マニュアルやFAQなどの最新の情報から答える仕組みになります。代理店専用システムを使う全代理店への提供は損保業界で初めてだと、両社は発表しています。コンタクトセンターが毎月4,000件以上受けているログイン・接続操作の照会を半分に減らすことが、両社の示す目標になります。

東京海上日動:代理店からの照会応答を生成AIで効率化する検証

カラクリの2024年12月20日の発表(IT Leaders報道)によると、東京海上日動火災保険は代理店からの照会への応答を生成AIで効率化する検証を始めました。東京海上日動によると、代理店からの1日に数千件の問い合わせを、人が目で確かめて振り分けているとのことです。検証の中身は、問い合わせの要約、マニュアルなどからのFAQの生成、コンタクトセンター・営業拠点・FAQの3つへの自動の振り分け、代理店ごとの問い合わせの傾向の分析になります。

三井住友海上:社内向けの生成AIチャット MS-Assistant

三井住友海上火災保険は、Azure OpenAI Serviceをもとに情報セキュリティの安全性を確保した生成AIチャット「MS-Assistant」を作り、2023年5月17日から全社員で使い始めたと、2023年7月14日に発表しました。お客さま情報や機密情報の保護などを考えた業務運営のルールも作られました。今後の展開には、マニュアルや約款に答えられる機能の拡充と、保険代理店への提供が計画として記されています。あくまで計画の段階で、代理店に提供済みというわけではありません。

3社の事例は、どれも社内や代理店からの照会に答える使い方から始まっています。代理店が自分たちで使い始めるときも、照会と社内FAQから入ると線引きがしやすくなります。

※件数・目標・日付は各社の発表にもとづく数字で、第三者が検証したものではありません。出典:あいおいニッセイ同和損保・大日本印刷 2025年2月27日発表(https://www.aioinissaydowa.co.jp/corporate/about/news/pdf/2025/news_2025022701393.pdf)、IT Leaders 2024年12月20日(https://it.impress.co.jp/articles/-/27263)、三井住友海上 2023年7月14日発表(https://www.ms-ins.com/news/fy2023/pdf/0714_1.pdf)。確認日:2026年10月16日。

金融庁のAIディスカッションペーパーと、お客様に直接答えるAI

金融庁は、金融機関などのAI活用の論点をまとめた資料として「金融機関等におけるAIの活用実態と健全な利活用の促進に向けた初期的な論点整理」を公表しています。第1.0版は2025年3月に公表され、第1.1版は令和8年(2026年)3月3日に、2025年6〜12月の金融庁 AI官民フォーラムで得た知見を反映して公表されました。社内でAIのルールを作るときの読み物として、管理者の方が目を通しておきたい資料になります。

お客様が直接やりとりするチャットボットに商品の案内や推奨までさせると、募集の行為との線引きを別に考える必要が出てきます。この記事で扱っているのは、募集人が確かめてから使う社内の下書きに限った使い方になります。お客様向けのAIを置くと決める前に、所属保険会社へ相談してみてください。

※出典:金融庁 AIディスカッションペーパー(https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260303/aidp.html)。確認日:2026年10月16日。

業界団体の生成AI指針

日本損害保険協会、生命保険協会、日本損害保険代理業協会の生成AIの利用についての指針は、確認日(2026年10月16日)時点で公表は見当たりません。そのため代理店の社内ルールは、保険業法と監督指針、金融分野の個人情報保護ガイドライン、個人情報保護委員会の注意喚起、所属保険会社のルールを土台に、自分たちで作ることになります。

導入は1か月・1業務から|社内ルール1枚のひな形

保険代理店のAI導入は、顧客情報を使わない業務から1か月だけ試し、問題がなければ範囲を広げる順番が進めやすくなります。始める前の週に、所属保険会社に先に確かめる2つのことを済ませておきます。1週目は研修資料と社内FAQの下書きで、顧客情報をまったく入れない使い方に慣れてもらいます。2週目からは更改で前年と変える点の説明文に広げ、差し込み欄を〔 〕のまま残す練習をします。3週目に意向把握の記録の下書きを置き換えた面談メモで試してもらうと、線引きが身に付いているかが見えてきます。4週目は、使った件数と直した箇所を振り返り、続ける業務と見送る業務を管理者が決めましょう。

振り返りでは、AIの下書きを人が直した箇所を集めておくと、指示文の条件をどこに足せばよいかがはっきりします。1か月で使える型が3つそろえば、小さな代理店でも十分な出だしになります。

社内に配る「AI利用ルール」1枚のひな形

ルールは長い規程より、募集人が机の横に置ける1枚のほうが守られます。下のひな形を、代理店名と使ってよいAI、相談先を書き換えて使ってみてください。

〔代理店名〕 生成AI利用ルール(募集人・事務担当向け)
制定日:〔 〕 責任者:〔 〕

1.使ってよいAI
・会社が契約したAIだけを使う。個人で契約したAI・無料のAIに業務の情報を入れない
・アカウントは会社が配る。退職・異動のときは責任者がその日のうちに止める
・使うAIのサービス名と会話履歴の保存先は、所属保険会社の代理店担当に伝えてある

2.入れてよい情報
・一般に公開されている商品パンフレット・約款・説明書、社内マニュアル
・置き換えた属性(「Aさん」「40代男性・会社員」「配偶者と子ども2人」)
・お客様ご本人から預かった他社のご契約の内容は、ご本人の了解を得て、置き換えたうえで比較の材料にする(所属保険会社のルールもあわせて確かめる)
・所属保険会社の社外秘・代理店限りの資料、代理店システムのマニュアルは、所属保険会社の了解を確かめてから

3.入れない情報
・氏名・住所・電話番号・メールアドレス・勤務先名・証券番号・車のナンバー(〔 〕で伏せる)
・病歴・通院歴・服薬(市販薬を含む)・健康状態・告知の内容・事故でのけがの具合
・本籍地・労働組合への加盟など、金融分野ガイドライン第5条の機微情報
・保険会社や出向者を通じて得た、ほかのお客様の契約者情報
・代理店システム・顧客管理の画面のコピーや画面写真

4.AIに任せない判断
・どの商品を勧めるか、引受け・支払いの可否、過失の割合
・お客様の意向と契約内容が合っているかの確認

5.お客様に出す前の確認
・お渡しする文書は、所属保険会社が承認した様式・文面を使う
・説明書・資料と突き合わせる(数字・条件・支払われない場合)
・「必ず」「絶対」「お得」「一番」を探して直す
・所属保険会社名と、代理・媒介の別が入っているか
・比べていない項目と、乗り換えで失う可能性のある点を書き出しているか

6.困ったとき
・迷ったら入れずに〔責任者〕に聞く
・誤って入れたときは、何を・どのAIに・いつ入れたかを書き出し、その日のうちに〔責任者〕へ知らせる

「誤って入れたときの知らせ先」は、作るときに抜けやすい項目になります。知らせても叱られないと分かっていれば、募集人は小さなうちに知らせてくれるでしょう。迷ったら入れずに聞く、という一行は必ず残しておきましょう。

会社で安全に使うには|学習設定・ログ・配布・複数AIの使い分け

保険代理店がAIを安全に使い続けるには、ルールの紙に加えて、会社が契約した1つの環境を全員に配り、所属保険会社に説明できる状態にしておくことが土台になります。個人情報保護委員会の注意喚起が求めていたのは、入れる前に、提供事業者が個人データを機械学習に使わないことなどを確かめることでした。個人で契約した無料のAIでは、この確認を募集人1人ずつに任せることになってしまいます。

所属保険会社に説明できるか

使うAIを選ぶときは、所属保険会社の代理店担当の方に聞かれて答えられるかを基準にすると、確かめる点がはっきりします。入力が学習に使われない設定が全員分まとめて効いているか、会話履歴と利用ログがどこに保管されるかは、どのサービスを選ぶ場合でも確かめたい点になります。設定を募集人それぞれに任せる形だと、1人でも外していれば、その人の面談メモは学習に使われうる状態になってしまいます。

募集人ごとの履歴と、退職した募集人のアカウント

監督指針のII-4-5が求めるNeed to Know原則に沿うには、会話履歴を誰が見られるかを会社が決められる必要があります。誰がいつどのAIを使ったかを管理者が見られれば、機微情報を入れてしまった場合にも、範囲を確かめて手を打つことが出来ます。募集人ごとの履歴がほかの募集人からどう見えるか、退職した募集人のアカウントをその日のうちに止められるか、会話履歴をいつまで残せるかは、どのサービスでも、契約前に資料やデモで確かめておきたい点になります。点検の項目は、生成AIのセキュリティ対策チェックリストで一覧にしています。

募集人全員に配る

一部の募集人にだけAIを配ると、配られなかった方が自分のスマートフォンで無料のAIを使い始めてしまうことがあります。繁忙期に事務を手伝う方やパートの方も含めて、業務で文章を書く方には同じ環境を渡すのが安全な形になります。1人ずつ課金されるサービスで15人分をそろえると、毎月の費用は1人分の単価の15倍に膨らんでしまいます。人数で費用が増えるかどうかは、全員に配れるかどうかを左右する条件として見ておきましょう。

複数のAIを業務で使い分ける

保険代理店の業務には、長い約款を読む作業と、短い案内文を書く作業が混ざっています。長い資料の読み込みが得意なAI、言い回しの自然さが得意なAI、Web検索で出典を示すのが得意なAIと、得意分野はサービスによって分かれます。同じ比較の下書きを2つのAIに作らせ、違いが出た箇所を人が確かめると、思い込みの混ざった文を見つけやすくなります。使い分けの考え方は主要4AIの違いと使い分けで、社内ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で詳しく扱っていますので、あわせて読んでみてください。

募集人全員に、会社が管理できるAIを

UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使い分けられる法人向けサービスです。全モデルで学習非利用を標準適用し、全社一律で効くため、募集人ごとの設定操作は要りません。管理画面では、UPGEAR AI上で誰が・いつ・どのAIを・どう使ったかを一覧で確かめられ、使わせるAIも会社が選べます。会話履歴・利用ログ・アカウントは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。社内マニュアルを読み込ませて答える社内文書RAGや、よく使う指示文を社内限定のBOTにして共有するカスタムプラスも使えます。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。人数の目安は利用量から見た目安で、何人で使っても月額は変わりません。たとえば募集人と事務担当で30名ほどの代理店なら、目安はプレミアム(月額100,000円・税抜)になります。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。募集人どうしの履歴の見え方など、本文で確かめたいとした点は、資料でご確認ください。

UPGEAR AIの詳細を見る

よくある質問

ChatGPTに顧客の面談メモを入れてもよいですか?
氏名や連絡先、証券番号を消し、年代や職業を「40代男性・会社員」のように置き換えた形であれば、下書きの材料として使えます。病歴や服薬、告知の内容は、金融分野の個人情報保護ガイドライン第5条の機微情報にあたるため、置き換えても入れない側に置くのが安全です。使うAIは、入力が学習に使われない設定を会社として確かめたものに限り、所属保険会社との代理店委託契約の情報管理の条項も先に確かめてください。
市販薬を飲んでいるという話も機微情報になりますか?
なります。個人情報保護委員会のFAQは、金融分野ガイドラインの保健医療の情報は要配慮個人情報より範囲が広く、医師の診断によらず自分の判断で市販薬を服用しているといった情報も含むと示しています。面談メモに一言あるだけでも、そのメモは機微情報を含む文書として扱う必要があります。
比較推奨販売の新しいルールはいつから始まりますか?
乗合代理店の比較推奨販売についての改正内閣府令は令和8年8月28日に公布され、令和10年(2028年)3月1日に施行されます。改正監督指針も同じ日から適用です。金融庁は施行日を待たずにできるだけ早く体制を整えることが望ましいとしており、意向把握義務と権限明示義務は改正の対象外で、現時点でも適時・適切に対応する必要があると明記しています。
AIが作った比較表をそのままお客様に見せてもよいですか?
そのまま見せるのはおすすめしません。AIは数字を丸めたり、比べていない項目を省いたりすることがあり、保険業法第300条第1項第6号の誤解させるおそれのある比較に触れる心配があります。値を各社の資料と一字一句突き合わせ、絞り込みの基準と比べていない項目、資料の日付を書き添えたうえで、所属保険会社のルールに沿った確認を通してからお渡しください。
損保協会や代協に生成AIのガイドラインはありますか?
日本損害保険協会・生命保険協会・日本損害保険代理業協会の生成AI利用の指針は、確認日(2026年10月16日)時点で公表は見当たりません。代理店の社内ルールは、保険業法、保険会社向けの総合的な監督指針、金融分野の個人情報保護ガイドライン、個人情報保護委員会の注意喚起(令和5年6月2日)、所属保険会社のルールを土台に作ることになります。
小さな代理店は、どの業務からAIを試せばよいですか?
顧客情報をまったく使わない研修資料や社内FAQの下書きから始めるのがおすすめです。慣れてきたら、更改で前年と変える点の説明文、置き換えた面談メモでの意向把握の記録へと、1か月ほどかけて順に広げていきます。始める前に、所属保険会社との委託契約の条項と、お客様に渡す文書の承認の手順を確かめておいてください。

まとめ

保険代理店のAI活用は、下書きをAIに任せ、判断と確認を募集人が受け持つ形にすると、業法と個人情報のルールの中で続けやすくなります。入れる材料は「入れてよい」「置き換えて入れる」「入れない」の3段で分け、病歴や服薬、告知の内容は入れない側に置きましょう。使い始める前には、所属保険会社との委託契約の条項と、お客様に渡す文書の承認の手順を確かめます。AIが下書きした募集文書は、第300条第1項の第1号・第4号・第6号・第7号に触れる言い回しがないかを、お客様に出す前に人が確かめることになります。比較推奨販売の新しいルールは2028年3月1日の施行ですが、意向把握と権限明示は今も対応が要る義務です。まずは顧客情報を使わない研修資料と社内FAQから、1か月だけ試してみてください。

法人のAI活用についてのほかの記事は、AI活用コラム一覧にまとめています。