メルカリ、AI利用率100%の舞台裏

COPLUS AI NEWS朝版

AIを「配る」から「前提に働く」へ。全社で使い切る会社と、国ごとにAIを選び分ける会社

ニュース2本・約4分で読めます

週明けの朝は、AIの「使われ方」に関する2本です。メルカリは全社員がAIツールを使う状態をつくったうえで、業務そのものをAIエージェント前提に組み替えようとしています。Appleは中国でのAI機能の提供にあたり、現地のAlibabaのモデル「Qwen(千問)」を組み込むと発表しました。どのAIを、どの業務に、どこの国で使うかを、会社が選ぶ時代になっています。

① メルカリ、全社員のAIツール利用率が100%に 非エンジニア1,000人以上が業務を1日止めてAIエージェントを作る「AI Agent Day」を実施

出典:ITmedia ビジネスオンライン / 2026年11月2日公開(10月15日のオンラインカンファレンスでの講演をもとにした記事)

ITmedia ビジネスオンラインは11月2日、メルカリの執行役員CHRO兼CAIO(最高AI責任者)の木村俊也氏がAI前提の組織づくりについて語った講演を記事にしました。同社の決算説明資料によると、全従業員のAIツール利用率は1月末時点で100%に達し、エンジニア1人あたりの開発量はAI化前(2024年6月期)の7.6倍になったと同社は示しています。ただしツールが行き渡っても成果につながらないという課題があり、同社は1,000人以上いる非エンジニア社員を対象に、丸1日業務を止めて自分の業務用のAIエージェントを作る「AI Agent Day」を実施しました。あわせて1チームを5〜6人に絞る「AI Pods」という働き方を試し、生産性が大きく伸びた社員には当面インセンティブで報いる方針も語られています。

💡 コプラスの視点

「全員にアカウントを配った」だけでは業務は変わらない、というのは多くの企業に共通する壁です。メルカリの例は、使う時間を会社として確保し、評価や報酬の設計まで人事と一緒に見直す段階まで踏み込んでいる点が参考になります。中小企業でも、半日でもよいので「自分の仕事を1つAIに任せてみる時間」を業務として設けることが、定着への近道になります。

ITmedia ビジネスオンラインの記事を読む →

② Apple、中国でApple Intelligenceを提供へ SiriやWriting ToolsでAlibabaの「Qwen(千問)」を利用可能に、11月4日から開発者向けベータで試験

出典:Apple(中国大陸)ニュースルーム / 2026年10月31日発表

Appleは10月31日、中国のiPhoneユーザー向けにApple Intelligenceの最初の機能群を提供すると発表しました。ライブ翻訳、Writing Tools(作文ツール)、ビジュアルインテリジェンス、メールの要約などが対象で、11月4日から最新のiOS開発者向けベータ版で試験が始まり、12月のiOS 27.3の正式リリースで中国のユーザーに提供されると同社は説明しています。Alibabaとの協業により、Siri、Writing Tools、ビジュアルインテリジェンスの中でAlibabaのモデル「千問(Qwen)」を使えるようになり、写真やPDF・プレゼン資料について質問することもできるとしています。一方、WWDC 2026で発表した「Siri AI」など次世代の機能は今回の提供に含まれず、iPhone以外のデバイスへの対応は必要な審査の承認後になるとしています。

💡 コプラスの視点

世界最大級の端末メーカーでも、国や地域の規制に合わせて組み込むAIモデルを変えています。企業にとっても「1つのAIに固定する」より、業務やデータの扱いに応じてモデルを選び分ける設計のほうが現実的になりつつあります。社内で使うAIを選ぶ際は、性能だけでなく、提供元の国やデータの保存先も確認項目に入れておくと安心です。

Appleの発表を読む(中国語)→

本日のまとめ

メルカリは、AIを全員が使える状態の次に「AIを前提にした働き方と評価」へ進もうとしています。Appleは、国ごとの規制に合わせて組み込むAIモデルを選び分けています。どちらも、AIを入れること自体よりも「どのAIを、誰が、どう使い続けるか」を設計する段階に入ったことを示しています。

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