
NotebookLMの文字起こしとは、会議などの録音ファイルをノートブックのソースとして追加したときに、音声が自動でテキストに変換され、そのテキストがソースとして保存される仕組みのことです。結論から言うと、会議の録音は1ファイル200MBまでなら取り込めて、チャットで全文を書き出させたり、決定事項とToDoを整理した議事録の下書きにしたりできます。ただし、話者を区別する機能やタイムスタンプについては公式ヘルプに記載がなく、会議中にリアルタイムで書き起こす使い方でもありません。この記事では、録音時間の目安、取り込めないときの原因、結果の確かめ方、議事録の型、そして会社の会議録音を扱う前に決めておくことまでを、公式ヘルプの記載に沿って解説します。
NotebookLM(2026年7月から名称が Gemini Notebook に変わりました。これまでのNotebookLMはそのまま Gemini Notebook として使え、既存のノートブックにも引き続きアクセスできます)の定義、機能の一覧、料金プラン、データの扱いの全体像、法人での契約経路は、親記事のNotebookLMの使い方|手順・料金と会社で使う前の注意点で解説しています。この記事は、その中の「会議の録音を文字起こしして議事録にする」という使い方だけに絞った続編です。以下、名称は検索でよく使われるNotebookLMで統一します。
※仕様・上限・対応形式は、2026年9月19日時点で Gemini Notebook(旧NotebookLM)ヘルプ、Google Meet ヘルプ、個人情報保護委員会の公表資料を確認した内容です。実際の操作画面や上限は変更されることがあります。
NotebookLMで文字起こしはできるか|仕組みとできないこと
できます。録音ファイルを取り込んだ時点で文字起こしが行われ、以後はそのテキストを材料に質問や要約ができる仕組みです。一方で、専用の文字起こしツールにあるような話者分離やタイムスタンプの機能は、ヘルプに記載がありません。何ができて何ができないかを先に押さえておくと、使いどころを誤りません。
音声はソースとして取り込まれ、テキストで保存される
ヘルプには、ローカルの音声ファイルはインポート時に文字起こしされ、そのテキストが保存されて新しいソースとして使われると書かれています。つまり、NotebookLMが以後の回答で参照するのは録音そのものではなく、取り込み時に作られたテキストです。音声のインポートに対応している言語には日本語が含まれています。
取り込んだソースは、左側のソースビューアで開くと、自動生成された全体の要約(ソースガイド)を確認できます。会議の中身をもう一度使える形で残すには、次の章で紹介するように、チャットで書き出させた結果をメモとして保存するのが基本の流れになります。
会議中のリアルタイム文字起こしではない
ヘルプで説明されているのは、録音済みのファイルを取り込む方法です。会議の進行に合わせて画面に字幕を出すような使い方は想定されていません。会議はスマートフォンやICレコーダー、オンライン会議の録音機能などで先に録音し、終わってからファイルを追加します。オンライン会議の中で文字起こしを残したい場合は、後述する Google Meet の文字起こし機能との使い分けになります。
話者の区別とタイムスタンプはヘルプに記載がない
音声のインポートについて説明しているヘルプの節には、話者を区別する機能や、発言時刻(タイムスタンプ)を付ける機能についての記述がありません(2026年9月19日時点)。解説記事の中には、指示文で発言者ごとに分けられたという体験談もありますが、公式の仕様として約束されているものではありません。
運用で補う方法:録音の中に名前が入るように会議を進めると、書き起こしの中から発言者を確かめやすくなります。たとえば、冒頭で出席者が一人ずつ名乗る、司会が「では〇〇さん」と指名してから話してもらう、同時に話さない、といった進め方です。それでも発言者の割り当ては推測を含むため、議事録に載せる前に人が確認します。
会議の録音を文字起こしする手順
手順は、ノートブックを作る、音声ファイルを追加する、チャットで書き出しや整理を依頼する、の3段階です。基本操作の画面説明は親記事にまとめているため、ここでは録音を扱うときに押さえる点を中心に説明します。
パソコンでの手順(ノートブック作成→音声追加→チャットで依頼)
- パソコンのブラウザでNotebookLM(Gemini Notebook)を開き、ノートブックを新規作成します。会議ごと、または定例会議のシリーズごとに1つのノートブックにまとめると整理しやすくなります。ヘルプによれば、各ノートブックは独立していて、複数のノートブックの情報に同時にアクセスすることはできません。過去の会議と見比べたい場合は、同じノートブックに入れておく必要があります。
- ソースの追加で、パソコンに保存した録音ファイルをアップロードします。取り込みが終わると、音声がテキスト化されたソースが一覧に並びます。
- チャット欄で、全文の書き出しや議事録の作成を依頼します。複数のソースが入っている場合は、ソース一覧のチェックボックスで、今回の会議の録音だけを選んでから依頼すると、ほかの会議の内容が混ざりません。
- 良い結果が出たら[メモに保存]を選びます。メモは表やクリックできる引用を含めて元の形式のまま保存されるため、後から根拠をたどれます。
チャットの設定では、会話のスタイル(デフォルト・学習ガイド・カスタム)と回答の長さ(デフォルト・長め・短め)を選べます。全文を書き出させたいときは、回答の長さを長めにしておくと依頼の意図が伝わりやすくなります。
スマホアプリから音声ファイルを追加する
モバイルアプリでも、ソースの追加で[PDF][ウェブサイト][YouTube][音声ファイル][コピーしたテキスト]を選べるとヘルプに書かれています。スマートフォンで録音した会議を、そのままアプリから追加する流れが取れます。
ただし、アプリではチャットの設定が使えず、メモの生成・表示にも対応していないとヘルプに記載があります。取り込みまではスマートフォンで済ませ、議事録の整理とメモの保存・書き出しはパソコンで行う、という分担が現実的です。
全文を書き出させる指示文
単に「文字起こしして」と頼むと、要約で返ってくることがあると解説記事の中でも指摘されています。全文がほしいときは、要約しないこと、言い換えないこと、聞き取れない箇所の扱いを明示します。
選択しているソース「(録音ファイル名)」の文字起こしを、冒頭から順に、要約や言い換えをせずにそのまま書き出してください。
・話し言葉の言い回しは直さないでください。
・聞き取れない、または意味が通らない箇所は[不明]と書いてください。
・発言者が名乗っている、または呼ばれている箇所は、その名前を行頭に付けてください。名前が分からない箇所には付けないでください。
・途中で終わる場合は、最後に書き出した一文を示してください。
長い会議では、1回の回答で最後まで出ないこともあり得ます。その場合は、最後に出た一文を示して「この続きから同じ条件で書き出してください」と依頼します。回答1回あたりの長さの上限はヘルプに記載がないため、出てきた全文が録音の最後まで届いているかは、書き出しの末尾と録音の終わり方を見比べて確かめます。
対応形式と、200MBに入る録音時間の目安
一般的な録音形式はほぼ対応しており、実際に効いてくる制限は1ファイル200MBという容量です。何時間の会議まで1ファイルで入るかは、録音のビットレート(1秒あたりのデータ量)で決まります。
対応している音声・動画の形式
ヘルプに挙がっている音声ファイルの形式は、3g2、3gp、aac、aif、aifc、aiff、amr、au、avi、cda、m4a、mid、mp3、mp4、mpeg、ogg、opus、ra、ram、snd、wav、wma などです。スマートフォンのボイスメモで多いm4a、ICレコーダーで多いmp3やwav、会議アプリの録画で多いmp4が含まれています。
1ファイル200MBに何時間の録音が入るか
ヘルプには、アップロードできるファイルのサイズは200MBまで、1つのソースは最大50万語までと書かれています。ここでは、200MBを少なめに見積もって200,000,000バイトとし、ビットレートから入る時間を計算しました。計算式は、200,000,000バイト×8÷(ビットレート×1,000)=秒数です。
- MP3・AAC 32kbps:約13時間53分
- MP3・AAC 64kbps:約6時間56分
- MP3・AAC 96kbps:約4時間37分
- MP3・AAC 128kbps:約3時間28分
- MP3・AAC 192kbps:約2時間18分
- WAV 16bit・16kHz・モノラル(256kbps):約1時間44分
- WAV 16bit・44.1kHz・ステレオ(1,411.2kbps):約18分53秒
- WAV 16bit・48kHz・ステレオ(1,536kbps):約17分21秒
※計算値は目安です。実際のファイルにはデータ本体以外の情報も含まれ、可変ビットレートの録音では時間あたりのサイズが変わります。1ソース50万語という別の上限もありますが、日本語で語をどう数えるかはヘルプに書かれていないため、時間には換算していません。
ここから分かるのは、同じ1時間の会議でも、MP3やAACで録っていれば余裕をもって1ファイルに収まり、高音質のWAVでは20分足らずで上限に達するということです。お使いの録音のビットレートは、ファイルのプロパティや録音機器の設定画面で確認できます。
長時間の録音は圧縮するか分割する
200MBを超える録音は、そのままではインポートできません。対処は2つです。1つは、音声編集ソフトなどでMP3やAACに変換してサイズを下げる方法です。もう1つは、録音を前半と後半のように分けて、それぞれを1つのソースとして追加する方法です。
分割したファイルは別々のソースとして数えられるため、無料版の上限である1ノートブック50件に近づく点には注意します。また、ヘルプには音声の品質が低い場合はインポートに失敗することがあるとも書かれています。ビットレートを下げすぎると取り込めなくなるおそれがあるため、上の目安で1ファイルに収まる程度にとどめるのが無難です。
動画ファイルとYouTube動画の扱い
解説記事の中には、動画は音声に変換しないと入れられないという説明も見られますが、現在のヘルプの音声ファイル形式にはmp4、avi、mpegが含まれています。そのため、オンライン会議の録画ファイルも200MBに収まれば取り込める可能性があります。うまくいかない場合は音声だけを書き出して追加します。また動画は音声だけのファイルよりサイズが大きくなりやすいため、録画が200MBを超える場合は音声だけを書き出してから追加します。
YouTube動画はURLで追加できますが、取り込まれるのは字幕(文字起こし)の部分だけです。ヘルプによれば、字幕付きの公開動画のみが対象で、字幕がアップロードされたものか自動生成かは問いません。アップロードから72時間が経っていない動画は取り込めない場合があり、発話を含まない動画は対象外です。ヘルプの対象は公開動画のため、社内の会議を限定公開や非公開の動画にしている場合は取り込めないことがあり、その場合はファイルとして取り込みます。
取り込めないとき・うまく書き起こせないときの原因
取り込めない原因は、ヘルプに書かれている条件にほぼ集約されます。まず次の条件に当てはまっていないかを確かめ、そのうえで録音の質を見直します。
ヘルプに書かれている上限と、取り込みに失敗する条件
- ファイルサイズが200MBを超えている:圧縮するか分割します。
- 1ソースの上限である50万語を超えている:長時間の録音は分割します。
- 発話が含まれていない:無音や音楽だけの音声はサポートされていません。
- 音声の品質が低い:品質が低い場合はインポートに失敗することがある、と書かれています。
- 音声のインポートに対応していない言語:日本語は対応言語に含まれています。
- YouTubeの場合:リンクが無効、動画が安全でない可能性がある、字幕ファイルがない、動画の言語に対応していない、が一般的な原因として挙がっています。
このほか、ソースの数が上限(無料版は1ノートブック50件)に達していると追加できません。職場のアカウントでNotebookLMそのものが開けない場合は、管理者がサービスを有効にしていない可能性があるとヘルプに書かれているため、社内のWorkspace管理者に確認します。
録音の質と雑音、同時発言
書き起こしの出来は、録音の段階でほぼ決まります。ヘルプが明記しているのは品質が低いと取り込みに失敗することがある点までで、精度そのものの数値は公表されていません。そのうえで、会議の録音で一般に効果が大きいのは次の工夫です。
- 録音機器を話者の近く、テーブルの中央に置く。空調やプロジェクターのファンから離す
- 複数人が同時に話さない。相づちや笑い声が重なる場面は聞き取りにくくなる
- 数字・金額・日付は、区切ってはっきり言い直す
- オンライン会議では、各自がマイクをミュートにしてから話し始め、発言者の音声だけが入るようにする
議題や用語集を一緒に入れる(書き起こし自体は直らない)
議題、出席者の名簿、社内の用語集をソースとして一緒に入れておくと、議事録にまとめる段階で役立ちます。チャットの回答はソースに含まれる情報をもとに作られるため、議事録を作るときに正しい表記を参照させられるからです。
ただし、解説記事の中には関連資料を入れると文字起こしの精度が上がるという説明もありますが、ヘルプでは音声はインポート時に文字起こしされ、そのテキストが保存されると説明されています。後から資料を足しても、すでに保存された書き起こしのテキストが書き換わるとは書かれていません。資料は、書き起こしを直すものではなく、議事録にするときの表記合わせの材料と考えるのが正確です。
文字起こし結果の確認チェックリスト
文字起こしと議事録は、人が照合してから配るのが前提です。NotebookLMの回答には引用が付き、引用部分を選ぶとソースの該当箇所に自動で移動します。この機能を使えば、怪しい箇所だけを書き起こしで確かめ、必要ならその場面だけ録音を聞き直す、という確認ができます。印刷して使える形で、確認する項目をまとめました。
- 数字・金額・日付・期限桁、単位、税込・税抜、年度と暦年の取り違えがないか。議事録の数字には必ず引用を付けさせ、引用元の書き起こしと一致するかを見ます。
- 人名・社名・製品名などの固有名詞同音異字や、似た社名への置き換えが起きやすい箇所です。出席者名簿や用語集と突き合わせます。
- 担当者と期日の組み合わせ「誰が」「いつまでに」が入れ替わっていないか。ToDoは発言した本人に確認してから確定させます。
- 否定・保留・条件付きの言い回し「やらない」「検討する」「〇〇なら進める」が、決定事項として書かれていないか。取り違えると、決まっていないことが決まったこととして配られてしまいます。
- 聞き取れずに飛んだ箇所[不明]と書かせた箇所、話題が急に変わっている箇所は、録音を聞き直します。
- 発言者の取り違え発言者名は推測を含みます。社外の方の発言、役職者の発言は特に確認します。
- ソースにない内容が混ざっていないか引用が付いていない一文は、会議で話されていない内容の可能性があります。引用のない文は削るか、確認してから残します。
※ヘルプには、ソースの内容が短すぎる場合は個々のテキストではなくドキュメント全体が参照される、とも書かれています。短い録音では引用から該当箇所に飛べないことがあります。
議事録に仕上げる型と指示文
議事録は、項目の型を先に決めてから指示すると、毎回同じ形で出てきます。社内の定例会議や、取引先との打ち合わせで使いやすい型と、そのまま使える指示文を示します。
議事録の項目テンプレート
- 会議名/日時/場所または会議ツール
- 出席者(社内・社外を分ける)
- 議題
- 決定事項(決まったことだけ。理由を1行添える)
- 保留事項・継続検討(決まらなかったことと、決めるために必要なもの)
- ToDo(内容・担当者・期日)
- 次回の予定と、次回までの宿題
- 確認が必要な箇所(聞き取れなかった部分、数字の確認が必要な部分)
最後の「確認が必要な箇所」を型に入れておくのがポイントです。AIが自信を持てなかった部分を最初から一覧にさせておくと、前章のチェックリストでの確認が短く済みます。
そのまま使える指示文
選択しているソース「(録音ファイル名)」をもとに、次の項目で議事録を作ってください。
1. 会議名・日時・出席者(分かる範囲。不明な項目は空欄)
2. 議題
3. 決定事項(箇条書き。各項目に根拠となる発言の引用を付ける)
4. 保留事項・継続検討
5. ToDo(内容・担当者・期日の3列の表。担当者や期日が発言にない場合は「未定」と書く)
6. 次回の予定
7. 確認が必要な箇所(聞き取れなかった部分、数字や固有名詞に自信がない部分)
条件:会議で話されていないことは書かないでください。「検討する」「持ち帰る」と話された事項は決定事項に入れず、保留事項に入れてください。
担当者や期日を推測で埋めさせないために、発言にない場合は未定と書くよう明記しています。ToDoの担当者は、推測で埋まっていると、後から誰の仕事かで食い違いが起きやすい項目です。
なお、NotebookLMのチャットはソースに含まれる情報をもとに回答するため、ソースにない情報は答えられないとヘルプに書かれています。社外向けのお礼メールに書き換える、社内報向けに読みやすく清書する、といった表現の作業は、議事録を確定させたあとで、文章づくりが得意なほかのAIに渡すという分担も取れます。複数のAIの向き不向きは主要4AIの違いと使い分けで整理しています。
発言者ごとに整理させるときの注意
発言者ごとの論点整理(誰がどの立場だったか)を頼むこともできますが、前述のとおり話者の区別は公式の機能として書かれていません。名前が録音の中で呼ばれている箇所を根拠にさせ、根拠のない割り当てはしないよう指示文に入れておきます。社外の方の発言を議事録に載せる場合は、発言の要旨が正しいかを先方に確認してから確定させるのが安全です。
メモに保存し、Googleドキュメントに書き出して共有する
できあがった議事録は、チャットの回答を[メモに保存]し、メモのその他メニューからGoogleドキュメントへエクスポートできます。メモ内のデータテーブルはGoogleスプレッドシートにも書き出せます。書き出す前に知っておきたい点が3つあります。
- チャットの回答から保存したメモは、あとから編集できません。修正はGoogleドキュメントに書き出してから行います
- 書き出したドキュメントで行った変更は、元のメモには同期されません
- 共有権限は書き出したファイルに引き継がれません。ドキュメント側で共有相手を設定し直します
ノートブックそのものを共有する方法もあります。閲覧者はソースとメモを読み取り専用で見られるため、録音の書き起こし全文まで相手に見えることになります。議事録だけを配りたい場合は、ノートブックを共有するのではなく、書き出したドキュメントを共有するほうが範囲を絞れます。
録音や議事録を社員ごとのアカウントに置くと、誰が見られるかを会社が把握できません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
Google Meetの文字起こしとの使い分け
オンライン会議を Google Meet で開いている会社なら、Meet側の文字起こし機能と組み合わせる選択肢があります。ただし、使えるかどうかは契約している Google Workspace のエディションで分かれます。
Google Meet のヘルプによれば、文字起こしに対応しているのは Business Standard、Business Plus、Enterprise Starter、Enterprise Standard、Enterprise Plus、Teaching and Learning Upgrade、Education Plus、Workspace Individual です。文字起こしは主催者のGoogleドライブの「Google Meet」フォルダに会議ごとに保存され、会議の終了後には、主催者・共同主催者・文字起こしをオンにした人に、文字起こしへのリンクが記載されたメールが届きます。文字起こし中は、参加者全員の画面の右上に文字起こしのアイコンが表示されます。対応言語には日本語が含まれ、利用できる端末はパソコン、ノートパソコン、Androidデバイスと書かれています。
一方、NotebookLM(Gemini Notebook)は、Business Starter でもコアサービスとして提供されています。つまり、Business Starter の会社では Meet の文字起こしは対応エディションに含まれず、録音ファイルをNotebookLMに取り込む方法が中心になります。
- Meetで開くオンライン会議で、対応エディションを契約している:Meetの文字起こしを残す。そのうえで、議事録への整理にNotebookLMを使う
- 対面の会議、電話、Meet以外のツールで開いた会議:録音ファイルをNotebookLMに取り込む
- Business Starter などMeetの文字起こしに対応していないエディション:録音ファイルをNotebookLMに取り込む
NotebookLMはGoogleドライブから対応形式のファイルをソースとして取り込めます。Meetの文字起こしがGoogleドキュメントとして保存されていれば、そのままソースに追加して議事録の指示文を使えます。Meetのヘルプページには、文字起こしに発言者名や時刻が入るかは書かれていないため、保存されたファイルの中身を一度確かめてから運用を決めてください。
※Google Meet の条件は、Google Meet ヘルプ「Google Meet で文字起こしを使用する」(2026年9月19日確認)の記載です。
無料版で足りるか|ソース数と使用量の上限
月に数回の会議を文字起こしする程度なら、無料版でも試せます。ヘルプの表では、無料版は1ユーザーあたり100件のノートブック、1ノートブックあたり50件のソースまでで、Plusは200件・100件、Proは500件・300件です(変更される場合がある、と注記されています)。
回数については、2026年9月2日からコンピューティング量に基づく使用量上限が適用され、上限に達した場合は5時間ごとに割り当てがリセットされ、週単位の上限まで使える仕組みに変わっています。長い録音の全文を何度も書き出させると、使用量を多く消費する可能性があります。会議が多い部署で日常的に使うなら、個人の有料プランではなく、会社として Google Workspace で使う形を検討するのが筋です。プラン全体の比較は親記事のNotebookLMの使い方|手順・料金と会社で使う前の注意点にまとめています。
会社で会議録音を扱う前に決めること
会議の録音は、人の声と名前、取引先の情報、社内の未公開の話が一度に入る、扱いの重いデータです。便利だからと各自が自分のアカウントで入れ始める前に、会社として4つのことを決めておくと安全に使えます。
録音前に参加者へ伝える(告知文と社内通知文のひな形)
個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」は、個人情報に当たる例として、本人の氏名が含まれる等の理由により特定の個人を識別できる音声録音情報を挙げています。会議で名前を呼び合う録音は、これに当たり得ます。
また、同委員会の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)は、個人情報取扱事業者が個人情報を含むプロンプトを生成AIサービスに入力する場合には、利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること、あらかじめ本人の同意を得ずに個人データを含むプロンプトを入力し、その個人データが応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合には法違反となる可能性があるため、提供事業者が機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること、を注意点として示しています。録音ファイルをAIサービスに入れる場合も、この考え方に沿って確認しておくと安全です。
録音や文字起こしに参加者の同意が法的に必要かどうかは、会議の内容や参加者との関係によって判断が分かれるため、この記事では判断しません。必要に応じて専門家に確認してください。そのうえで、実務では、録音すること・目的・使うサービスを前もって伝え、伝えたことを記録に残しておく運用が取りやすい方法です。
本日の会議は、議事録を作成するために録音します。録音は、会社が利用を認めたAIサービスで文字起こしし、議事録を作成したあとは社内のルールに沿って保管・削除します。録音してほしくない話題がある場合は、その場でお知らせください。録音を止めてからお話しいただけます。
本日は議事録作成のため、録音をさせていただいてもよろしいでしょうか。録音は社内での議事録作成にのみ使い、議事録の完成後は社内のルールに沿って削除します。
会議の議事録作成を効率化するため、以下のルールで会議の録音とAIによる文字起こしを行います。
1. 対象:社内の定例会議、プロジェクト会議(人事評価・懲戒・健康・採用選考に関する会議は対象外)
2. 使うサービス:会社が契約したアカウントの(サービス名)のみ。個人のアカウントには録音を入れない
3. 告知:会議の冒頭で録音することを伝える。社外の方がいる場合は了承を得てから録音する
4. 保管:録音と文字起こしは(保存場所)に保存し、議事録の確定後(期間)で削除する
5. 確認:議事録は担当者が内容を確認してから配布する。AIの出力をそのまま配らない
6. 問い合わせ先:(部署・担当者)
対象外にする会議を最初に書いておくのが実務上のポイントです。人事や健康に関わる話は、録音しないことを先に決めておくほうが、後から入れてしまった場合の対応よりはるかに負担が軽く済みます。社内ルール全体の作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で解説しています。
個人アカウントとGoogle Workspaceの違い
同じNotebookLMでも、個人のGoogleアカウントで使うか、会社のGoogle Workspaceアカウントで使うかで、データの扱いが変わります。公式サイトのよくある質問では、個人ユーザーはフィードバックを共有しない限りデータがトレーニングに使用されることはない、Workspaceのお客様はフィードバックを提供したときでもアップロード・クエリ・モデルの回答が生成AIモデルのトレーニングに使用されることはない、と説明されています。
Workspaceのエディションごとの扱いは、ヘルプの表で列が分かれています。Business Starter、Business Standard、Business Plus などはコアサービスとして、エンタープライズグレードのセキュリティとプライバシーの列に並んでいます。一方、Workspace Individual などは追加サービスとしての提供で、別の列です。会社で使う前に、管理者が自社のエディションがどの列に当たるかを確認してください。データの扱いの比較表と契約経路の全体は、親記事にまとめています。
高評価・低評価のボタンを押すと、人のレビュー対象になり得る
見落とされやすいのが、回答に付いている高評価・低評価のボタンです。ヘルプによれば、高評価または低評価のフィードバックを送信すると、プロンプト、ソース、アップロード、生成された出力などの関連コンテンツが収集されます。そのデータは特別なトレーニングを受けたチームがレビューし、レビューの前にGoogleアカウントから切り離され、レビュー済みのものは最長3年間保存されます。ヘルプには、フィードバックに機密情報やデリケートな情報を含めないように、とも書かれています。
会議録音をソースに入れた状態でボタンを押すと、その録音の書き起こしもレビューの対象となる関連コンテンツに含まれ得ます。個人アカウントで使う場合は、確認作業中に評価ボタンを押さない、と社内で決めておくのが安全です。なお、Google Workspace と Google Workspace for Education のユーザーについては、フィードバックを提供した場合でも、アップロード、クエリ、モデルの回答は人間のレビュアーが確認することも、AIモデルのトレーニングに使われることもないとヘルプに書かれています。ただし、Workspace Individual など追加サービスとして提供されるエディションは扱いが異なるため、ヘルプのエディション表で確認してください。
学習させない設定・ログ・配布・複数AIの使い分けを会社で揃える
最後に、会議録音をAIで扱う仕組みを会社として整えるときの論点を4つ挙げます。
- 学習させない設定を、社員個人の操作に任せない:個人アカウントの設定やボタン操作に頼ると、1人の操作で、録音の書き起こしがGoogleの人によるレビューの対象に入る経路ができます。会社の契約で、全員に同じ条件が適用される形にします。
- 誰がいつ何を入れたかを会社が把握できるようにする:録音を入れたアカウント、入れた日、共有の範囲を後から確かめられるかどうかは、取引先から問われたときの説明力に直結します。
- 使えるアカウントを会社から配る:会社が用意しないと、社員は自分のアカウントで使い始めます。会社から見えないAI利用、いわゆるシャドーAI(野良AI)の典型的な入り口です。
- 文字起こし・要約・清書でAIを使い分けられるようにする:録音の整理はNotebookLM、文章の清書や社外向けの書き換えは別のAI、というように、工程ごとに向いたAIに渡せると作業が速くなります。その際、どのAIにも同じ管理の条件がかかっているかを確認します。
点検すべき項目の一覧は生成AIのセキュリティ対策チェックリストにまとめています。
会議録音の読み込みから、要約・清書まで1つの環境で
UPGEAR AIは、会議録音や動画も読み込める法人向けAI基盤です。1契約で ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexity の4つのAIを使え、会話の途中でもモデルを切り替えられるため、読み込んだ会議録音の内容を、ほかのAIで要約・清書まで続けられます。管理者ダッシュボードでは利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理でき、UPGEAR AI上の会話履歴や利用ログは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。UPGEAR AIの料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
NotebookLMの文字起こしは無料で使えますか?
1時間の会議の録音は1ファイルで入りますか?
話者ごとに分けて文字起こしできますか?
文字起こしの結果を関連資料で直せますか?
議事録をファイルで保存・共有できますか?
会社の会議録音を入れても大丈夫ですか?
Google Meetの文字起こしとどちらを使えばよいですか?
まとめ
NotebookLM(Gemini Notebook)は、会議の録音ファイルをソースとして追加すると文字起こしし、そのテキストをもとに全文の書き出しや議事録の下書きを作れます。1ファイル200MBまでという上限は、128kbpsのMP3やAACなら約3時間28分に当たり、一般的な会議なら1ファイルに収まります。高音質のWAVは20分足らずで上限に達するため、変換や分割が必要です。
一方で、話者の区別やタイムスタンプはヘルプに記載がなく、リアルタイムで書き起こす使い方でもありません。後から資料を足しても書き起こしそのものは直らないため、録音の段階で名前を呼ぶ進め方と音質を整え、仕上げでは引用をたどって数字・固有名詞・担当と期日を人が照合します。
会社の会議録音を扱うなら、録音前の告知、個人アカウントではなく会社の契約での利用、評価ボタンの扱い、そして文字起こしから清書までを管理された環境で行えるかを、先に決めておくことが大切です。NotebookLMの全体像はNotebookLMの使い方|手順・料金と会社で使う前の注意点、ほかの活用法はAI活用コラム一覧をご覧ください。
