生成AIの導入率。国内調査の数字を規模・業種別にまとめる

生成AIの導入率とは、会社が業務で生成AIを使っている割合のことで、何を「導入」と数えるかは調査ごとに違います。国内の主な調査を並べると2割台から8割台まで開きがあり、差の多くは、設問の決め方や回答者、調査の時期の違いによるところが大きいと考えられます。全国1万社規模の帝国データバンク調査(2026年3月)では、業務で生成AIを活用している企業は34.5%で、従業員5人以下では29.6%、1,000人超では63.6%でした。社員10〜200名の会社に近い6〜300人の区分では、30.1%から44.4%の間となります。

会社として生成AIをどう始めてどう進めるか、事例や費用、補助金までの全体像は中小企業のAI導入|はじめ方・進め方と事例・費用・補助金にまとめています。

生成AIの導入率は何割か|調査によって2割台から8割台まで開く

国内の会社で生成AIがどのくらい使われているかは、どの調査を見るかで答えが2割台から8割台まで変わってしまいます。主な調査の数字を、低い順に並べると次のとおりです。

  • ICT総研(2025年7月発表) 導入済24.4%
  • 帝国データバンク(2026年3月調査・有効回答1万312社) 活用している34.5%
  • 日経BP(2025年7月調査・媒体の読者など1,450人) 勤務先で導入64.4%
  • パーソルキャリア HiPro Biz(2025年9月発表・売上高1,000億円以上の企業の部長職以上522名) 導入・活用中79.9%
  • 総務省 令和8年版 情報通信白書(2026年1〜2月調査・従業員10名以上の企業の管理職以上) 何らかの業務で利用86.4%
  • PwC Japanグループ(2026年2月調査・売上高500億円以上の企業の課長職以上932名) 活用・推進度87%

数字が高く出る調査ほど、回答者が大きな会社の役職者や、デジタル化にすでに取り組んでいる会社の管理職に寄る傾向があります。全国の会社に広く聞いた帝国データバンクの調査では34.5%で、同じ調査の中でも従業員の少ない会社ほど低い値が出ています。数字の開きは、使い方の差というより、誰に何をいつ聞いたかの差によるところが大きいでしょう。自社の位置を確かめるときは、どの調査の、どの設問と比べているのかを先にそろえてみてください。

導入率・利用率・活用率の違い|7つの調査主体は何を数えたか

「導入率」と紹介される数字には、会社として使っている割合、社員が使ったことのある割合、使い込んでいる割合が混ざっています。会社を1社ずつ数えるか、社員を1人ずつ数えるかでも値は大きく変わってしまいます。調査ごとに、何を聞いたか・誰に聞いたか・いつ聞いたかを並べると、次のようになります。

帝国データバンク|全国1万社に活用状況を聞いて34.5%

帝国データバンクが2026年5月14日に発表した「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」は、2026年3月17日〜31日に全国2万3,349社を対象に実施され、有効回答は1万312社(回答率44.2%)でした。設問は生成AIの活用状況で、「非常に活用している」4.4%と「やや活用している」30.2%を合わせた34.5%を、同社は『活用している』企業として集計しています。残りの回答は、あまり活用していない13.6%、ほとんど活用していない23.3%、今後の活用を検討14.2%、今後も活用する予定はない8.6%、活用を禁止している0.4%、分からない5.4%でした。

※4.4%と30.2%の和と34.5%の差は、端数の処理によるものです。8.6%と5.4%は同社資料の図表1から読み取った値です。

会社単位で、使い込みの度合いまで含めて聞いているところがこの調査の特徴になります。「あまり」「ほとんど」と答えた会社まで足し合わせると約7割となり、数え方1つで値は2倍を超えます。どこまでを使っている会社と見るかで、同じ回答からでも数字は大きく動くことが分かります。

※約7割は同社の集計ではなく、公表値を足し合わせた参考値です(34.5%+13.6%+23.3%で71.4%、内訳の4.4%と30.2%から足すと71.5%)。

総務省 令和8年版 情報通信白書|管理職に聞いて86.4%

総務省が2026年7月に公表した令和8年版 情報通信白書の概要では、自社の何らかの業務で生成AIを利用していると答えた割合が、日本で86.4%と示されています。回答者は、従業員10名以上で、2025年までにデジタル化の取組を始めた企業の管理職以上となります。調査は2026年1〜2月で、日本の回答は515件(大企業353件・中小企業162件)、86.4%の母数は477件でした。何らかの業務と広く聞いていることと、デジタル化に着手した会社に絞っていることは、数字を読むときに押さえておきたい点になります。

総務省 令和7年版 情報通信白書|方針を知る人の回答から推計して55.2%

1つ前の令和7年版では、何らかの業務で生成AIを利用している割合は、日本で55.2%と示されていました。白書の脚注によると、この値は所属企業のAI活用方針を知っている人の回答を基にした推計です。令和8年版の86.4%とは調査年度も推計の方法も異なりうるため、2つの差をそのまま1年間の伸びとして読むのは避けたほうがよいでしょう。

日経BP|媒体の読者1,450人に勤務先を聞いて64.4%

日経クロステックが2025年9月10日に報じた日経BPの独自調査は、2025年7月に日経BPの各種媒体の読者など1,450人へ聞いたものになります。勤務先の導入状況は「全社的に導入している」38.8%、「一部の組織で導入している」25.7%で、合わせて64.4%と発表されています。PoC完了・実施中は3.0%、導入やPoCを検討中は13.9%、いずれもしていないは14.7%でした。回答者は媒体の読者で、企業を無作為に選んだ調査ではない点に気をつけてください。

※38.8%と25.7%の和と64.4%の差は四捨五入によるもので、同社も記事で注記しています。PoCは、本格導入の前に効果を試す検証のことです。

ICT総研|導入済は24.4%、導入予定はないが46.2%

ICT総研が2025年7月2日に発表した「2025年7月 法人向け生成AIサービス利用動向調査」では、業務で利用している15.0%とトライアルで利用している9.4%を合わせた24.4%を導入済としています。導入していないが検討しているのは7.4%で、導入予定はないが46.2%、答えられないが7.2%、わからないが14.7%でした。同社は法人の導入社数を2025年末に41.3万社と見込み、2027年末には59.2万社と予測しており、いずれも同社の推計となります。

パーソルキャリア HiPro Biz|大手企業の部長職以上に聞いて79.9%

パーソルキャリアのHiPro Bizが2025年9月26日の記事で発表したアンケート調査は、売上高1,000億円以上の大手企業に勤務する部長職以上522名が対象です。「全社的に導入・活用中」と「一部の部署で導入・活用中」を合わせて79.9%となり、大手企業の役職者から見た数字として読むのが自然でしょう。

PwC Japanグループ|大企業で導入に関わる課長職以上に聞いて87%

PwC Japanグループが2026年6月10日に公表した「生成AIに関する実態調査2026 春 6カ国比較」は、2026年2月12日〜19日に実施されました。日本の回答者は、売上高500億円以上の企業で生成AIの導入に関わる課長職以上の932名となります。日本の生成AIの活用・推進度は87%で、前回から11ポイント上がったと同社は発表しています。期待通り以上の効果を得ているとする割合は64%でした。大企業の導入に関わる方が対象のため、中小企業の数字として読まないようにしましょう。

IPA DX動向2026|AI全般の導入で100人以下は16.6%

情報処理推進機構(IPA)が2026年7月16日に公表したDX動向2026のポイントでは、AIを導入している割合が従業員1,001人以上で8割近く、100人以下で16.6%と示されています。調査期間は2026年4月17日〜6月12日で、回収は1,799社、100人以下の回答は583件でした。ここでのAI導入は生成AIに限らないため、ほかの調査と同じ物差しでは比べられません。

数字を読むときに確かめる4つの点

調査の数字を自社と比べる前に、次の4つを見ると読み違いが減ります。

  • 回答者が会社の代表か、管理職や部長職か、媒体の読者か
  • 数えているのが会社の数か、人の数か
  • 試しに使っている段階や、一部の部署だけの利用まで導入に含めているか
  • 回答の割合そのものか、ほかの回答を基にした推計か

この4つが違えば、近い時期の調査どうしでも2倍以上の差が出ることは珍しくありません。

企業規模別の導入率|従業員数で29.6%から63.6%まで

規模で見ると、従業員が多い会社ほど生成AIを活用している割合は高くなります。帝国データバンクの調査では、大企業46.5%、中小企業32.4%、小規模企業28.0%と発表されています。同じ調査の図表1-bにある従業員数別の値を並べると、次のとおりです。

  • 5人以下 29.6%
  • 6〜20人 30.1%
  • 21〜50人 34.3%
  • 51〜100人 36.7%
  • 101〜300人 44.4%
  • 301〜1,000人 51.9%
  • 1,000人超 63.6%

※6〜20人・21〜50人・51〜100人・101〜300人は、同社資料の図表1-bから読み取った値です。5人以下・301〜1,000人・1,000人超は本文でも示されています。大企業・中小企業・小規模企業の人数の区切りは、発表ページに書かれていません。

社員10〜200名の会社に当てはまるのは、主に6〜20人から101〜300人までの4区分で、30.1%から44.4%の幅となります。50人までは3割台の前半にとどまり、100人を超える区分で4割台に入る形です。まずは自社が入る区分の値と比べて、上か下かを見てみてください。

方針を決めている会社の割合も規模で分かれる

活用の方針を決めているかどうかでも、規模の差ははっきり出ています。総務省の令和8年版 情報通信白書の概要では、活用方針がある企業は大企業74.0%に対し、中小企業は58.1%でした。令和7年版の本文でも、中小企業では「方針を明確に定めていない」との回答が多く、約半数を占めると書かれています。

IPAのDX動向2026では、生成AIに限らないAIの導入でも、従業員100人以下は16.6%にとどまりました。小さな会社ほど、方針を決めないまま、使いたい社員だけが使う形になりやすいと考えられます。導入率の数字だけでなく、会社として決めごとがあるかどうかも、あわせて確かめておきたいところです。

使う人だけが使う状態を、会社の環境から整える

方針を決めきる前でも、社員が使うAIの入口を会社で1つにそろえることは出来ます。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

業種別の導入率|サービス業が47.8%で最も高い

業界別に見ると、帝国データバンクの調査では「サービス」が47.8%で最も高いと発表されています。図表1-bの値で9業界を高い順に並べると、次のとおりです。

  • サービス 47.8%
  • 金融 38.6%
  • 不動産 34.9%
  • 製造 33.0%
  • 小売 31.5%
  • 卸売 31.2%
  • 農・林・水産 30.0%
  • 運輸・倉庫 27.5%
  • 建設 26.4%

※製造、小売、卸売、農・林・水産は、同社資料の図表1-bから読み取った値です。サービス、金融、不動産、運輸・倉庫、建設は本文でも示されています。

サービスと建設の間には、21.4ポイントの開きがあります。同じ調査では、コード生成などのプログラミング支援を主な活用業務に挙げた割合は全体で5.9%でしたが、サービス業では13.3%と高い値になりました。建設と運輸・倉庫はどちらも3割を下回り、業界の差(最大21.4ポイント)は、大企業と小規模企業の差(18.5ポイント)と同じくらいの大きさになります。比べる相手は全体の34.5%ではなく、自社と同じ業界と規模の値にしましょう。

総務省 情報通信白書の数字|令和8年版と令和7年版を別々に読む

総務省の情報通信白書は、年度によって調査の対象や推計の方法が変わることがあるため、版ごとに別の数字として読むのが安全です。令和8年版(2026年7月公表)と令和7年版の主な数字を、版ごとに分けてまとめました。

令和8年版(2025年度調査)の数字

  • 自社の何らかの業務で生成AIを利用している 86.4%(n=477)
  • 生成AIの活用方針がある(積極的に活用する方針と、領域を限定して利用する方針の合計) 68.9%(2024年度調査は49.7%)
  • 活用方針がある企業の規模別 大企業74.0%・中小企業58.1%
  • 生成AIによる業務変革に組織的な取組はない 27.0%(n=497)
  • 個人の生成AI利用経験率 58.8%(2024年度調査は26.7%。2025年度調査から15〜19歳を対象に加えており、20歳以上に限ると52.2%)

令和7年版(2024年度調査)の数字

  • 生成AIの活用方針を定めている企業 49.7%(2023年度調査は42.7%)
  • 中小企業では方針を明確に定めていないとの回答が約半数
  • 何らかの業務で生成AIを利用している 55.2%(所属企業のAI活用方針を知っている人の回答を基にした推計)
  • メールや議事録、資料作成等の補助に使っている 47.3%
  • 導入の懸念の1位 効果的な活用方法がわからない30.1%

※令和8年版の数字は総務省「令和8年版 情報通信白書(概要)」、令和7年版の数字は同白書の本文によります。令和7年版の出典表記は、総務省(2025)「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究」です。

86.4%と55.2%は、どちらも何らかの業務での利用を示す数字ですが、回答者の条件や推計の方法が同じとは限りません。2つの差を1年間の伸びとして読むことは避け、各版の数字として別々に扱いましょう。個人の利用経験率も対象の年齢が広がっているため、58.8%と26.7%の差をすべて利用の広がりと見るのは早いでしょう。

海外との比較|米国・ドイツ・中国はいずれも9割以上

令和8年版の概要では、何らかの業務で生成AIを利用している割合は米国90.9%、ドイツ91.6%、中国98.1%で、日本の86.4%は4か国の中で最も低い値でした。差がより大きく出ているのは、組織としての取り組みのほうになります。業務変革に組織的な取組はないと答えた割合は、日本27.0%に対し、米国1.4%、ドイツ4.9%、中国2.6%で、白書も日本は約3割弱と他の3か国より高いと述べています。海外との差は、使っている割合よりも、会社として仕組みにしているかどうかに大きく表れる形です。

導入しても使いこなせていない|週4日以上使う人は11.7%

会社として導入していても、社員が日常的に使うところまで届いているとは限りません。パーソル総合研究所の2026年3月12日のコラムは、同社の「生成AIとはたらき方に関する実態調査」を基に、業務で生成AIを週4日以上使っている就業者は11.7%にとどまると紹介しています。応用レベルとされる「相手や用途に合わせて複数の生成AIを使い分けている」は、34.6%でした。

帝国データバンクの調査では、生成AIの悪影響として「使いこなせる社員と使いこなせない社員の格差が拡大」を挙げた企業が18.8%あり、大企業では23.6%にのぼりました。令和7年版 情報通信白書でも、導入の懸念の1位は「効果的な活用方法がわからない」の30.1%となっています。

導入率は会社として使える状態かを示す数字で、社員がどれだけ使っているかまでは示しません。導入済みかどうかに加えて、誰がどのくらいの頻度で使っているのかを、社内で確かめてみましょう。

何に使っているか|文章の作成・要約・校正が45.1%で最多

活用している会社の使い道は、文章を書く仕事とまとめる仕事が中心になります。帝国データバンクの調査で、活用している企業3,560社が挙げた主な活用業務は次のとおりです。

  • 文章の作成・要約・校正 45.1%
  • 情報収集 21.8%
  • 企画立案時のアイデア出し 11.0%
  • データの集計・分析 7.4%
  • コード生成などのプログラミング支援 5.9%

大手企業の部長職以上に聞いたHiPro Bizの調査では、資料作成・要約が58.2%、文章要約・翻訳が51.6%、情報収集・リサーチが46.6%と発表されています。令和7年版 情報通信白書でも、メールや議事録、資料作成等の補助に使っている割合は47.3%でした。調査主体や回答者は違っても、文章を作ってまとめる仕事が入口になっている点は共通しています。社内で用途を聞くときも、この並びを選択肢に使うと他社と比べやすくなります。

導入効果の実感|86.7%が効果ありと回答

効果の実感については、紹介した調査ではいずれも前向きな回答が多く出ています。帝国データバンクの調査では「大いに効果が出ている」25.2%、「やや効果が出ている」61.5%で、合わせて86.7%が『効果あり』でした。規模別では、小規模企業の「大いに効果が出ている」が29.7%で、大企業の20.8%を上回りました。小さな会社は使っている割合こそ低いものの、使っている会社では手応えを強く感じている様子がうかがえます。

PwC Japanグループの調査でも、日本の回答者の64%が期待通り以上の効果を得ていると答えています。ただし回答者は売上高500億円以上の企業で導入に関わる課長職以上のため、中小企業にそのまま当てはめることは出来ません。効果の実感は回答者の自己評価で、削減できた時間を測った数字ではない点に気をつけてください。

課題と懸念|情報の正確性・人材不足・情報漏洩

生成AIについて気にされている点は、帝国データバンクの調査で挙がった懸念・課題(3つまで回答)は、次のとおりです。

  • 情報の正確性 50.4%
  • 専門人材・ノウハウ不足 41.3%
  • 生成AIを活用すべき業務の範囲 40.0%
  • 情報漏洩のリスク 33.5%
  • トラブル時の責任所在などのルール整備 25.5%

小規模企業では、システム導入への資金不足が相対的に高いことも示されています。同じ調査で活用を禁止している会社は0.4%にとどまり、禁止するかどうかより、どう使わせるかを決めることが課題になっている様子がうかがえます。

ルール整備と人材育成は導入の後に残る課題

懸念・課題には、専門人材・ノウハウ不足の41.3%と、ルール整備の25.5%が入っています。令和8年版 情報通信白書で、日本の27.0%が業務変革に組織的な取組はないと答えていることも、使い方を個人に任せている会社が少なくない様子を表す数字になります。導入率が上がった後に差がつきやすいのは、使い方の決めごとと、社員が学ぶ場があるかどうかです。ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で、社員に使ってもらう前に確かめたい点は生成AIのセキュリティ対策チェックリストで整理しています。

導入済みでも社員の個人利用は残る|会社の環境を1つにそろえる

会社として生成AIを導入していても、社員が自分のアカウントで別のAIを業務に使う状態は残ることがあります。IPAは、情報セキュリティ10大脅威 2026の組織編3位に「AIの利用をめぐるサイバーリスク」を挙げました。解説書では、職場でAIサービスの利用が無い場合などに、従業員が個人的に利用しているAIサービスを業務で使うことがあるとして、これをシャドーAIと呼んでいます。対策の1つには「個人アカウントにおける業務利用の制限」が挙げられています。

ガートナージャパンが2026年6月18日に発表した日本のエンドユーザー調査(2026年2月・回答数414)では、シャドーAIを「把握できていない」が43%、「把握しているが、有効な対策を取れていない」が30%で、合わせて73%でした。導入率の数字が上がっても、会社の目が届かない使い方まで消えるわけではありません。会社で安全に使うために整えたいのは、次の4つになります。

  • 入力した内容を学習に使わせない設定社員ごとの操作に任せず、会社として全員に同じ設定をかけられるかを確かめます。
  • 会社で見られる利用ログ誰がいつどのAIを使ったかを、会社の側で後から確かめられるようにしておきます。
  • 使う人全員への配布一部の社員にだけ配ると、配られなかった社員が個人のアカウントで使い始める入口になりがちです。
  • 複数のAIの使い分け用途に合わせて別のAIを使いたい社員の分も、会社の環境の中で選べるようにします。

4つを別々のサービスと契約で満たそうとすると、管理する場所が増え、設定の漏れも起きやすくなってしまいます。使うAIの入口を会社で1つにそろえ、そこに設定とログと配布をまとめると、個人のアカウントに流れる理由を減らすことが出来ます。複数のAIを1つの環境で使う形はマルチAIの解説で、AIごとの得意な用途は主要4AIの違いと使い分けで紹介しています。社内で使われているAIを把握するところから始めるなら、野良AI(シャドーAI)の対策も参考にしてみてください。

自社の導入率を測る社内アンケートのひな形

調査の数字と自社を比べるには、自社の数字を同じ物差しで測る必要があります。社員全員に次の8問を聞けば、定義ごとに数え直せる形で集計することが出来ます。

  1. 会社として決めた生成AIの使い方のルールを知っていますか(知っている/聞いたことはあるが内容は知らない/知らない)
  2. この3か月の間に、業務で生成AIを使いましたか(使った/使っていない)
  3. 使った方に伺います。どのくらいの頻度で使っていますか(週4日以上/週1〜3日/月に数回/ほとんど使っていない)
  4. 使っているのは、会社が用意したものですか(会社が用意したものだけ/個人で登録・契約したものだけ/両方)
  5. 主に使っている業務を3つまで選んでください(文章の作成・要約・校正/情報収集/企画のアイデア出し/データの集計・分析/プログラミング支援/その他)
  6. 使っているサービスをすべて選んでください(ChatGPT/Microsoft Copilot/Gemini/Claude/Perplexity/その他)
  7. 業務への効果を感じますか(大いに感じる/やや感じる/あまり感じない/感じない)
  8. 使っていない方に伺います。理由に近いものはどれですか(使ってよいか分からない/使い方が分からない/必要な業務がない/その他)

5問目の選択肢は帝国データバンクの活用業務の区分に、7問目は同じ調査の効果の聞き方に合わせてあります。そろえておくと、調査の数字と自社の結果を横に並べやすくなります。

4つの率に数え直す

集計では、回答者全員を分母にして次の率を出してみましょう。

  • ルールの認知率は、1問目で知っていると答えた人の割合
  • 利用率は、2問目で使ったと答えた人の割合
  • 定着率は、3問目で週4日以上と答えた人の割合
  • 個人アカウントの併用率は、4問目で個人のものだけ、または両方と答えた人の割合(分母は2問目で使ったと答えた人)

定着率は、パーソル総合研究所が紹介した週4日以上の11.7%と並べると、自社の位置の目安になります。回答者の条件が違うため厳密な比較ではないものの、日常的に使う社員がどのくらいいるかをつかむ手がかりにはなるでしょう。帝国データバンクの34.5%は会社単位の数字なので、社員の利用率とは並べず、会社として活用している側に入るかを考える材料にしてください。

個人アカウントの併用率が高い場合は、会社の環境では足りない用途がある合図になります。同じアンケートを半年ごとに続ければ、ルールを決めたり環境をそろえたりした後の変化も追うことが出来ます。

社員が使うAIを、会社の環境1つにそろえる

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よくある質問

生成AIの導入率は、中小企業だとどのくらいですか?
帝国データバンクの調査(2026年3月)では、中小企業の32.4%、小規模企業の28.0%が生成AIを活用していると発表されています。従業員数別の図表の値では、6〜20人で30.1%、21〜50人で34.3%、51〜100人で36.7%、101〜300人で44.4%となります。
調査によって導入率が34.5%だったり86.4%だったりするのはなぜですか?
何を導入と数えるか、誰に聞いたかが違うためです。34.5%の帝国データバンク調査は全国の会社に活用状況を聞き、非常に活用している会社とやや活用している会社を数えています。86.4%の令和8年版 情報通信白書は、従業員10名以上でデジタル化の取組を始めた企業の管理職以上に、何らかの業務で使っているかを聞いた数字です。
令和7年版の55.2%から令和8年版の86.4%へ、1年で大きく伸びたのですか?
そのようには読めません。令和7年版の55.2%は、所属企業のAI活用方針を知っている人の回答を基にした推計で、令和8年版の86.4%とは調査年度も推計の方法も異なりうるためです。それぞれの版の数字として、別々に扱うのが安全です。
業種によって導入率に差はありますか?
あります。帝国データバンクの調査ではサービスが47.8%で最も高く、図表の値では金融38.6%、不動産34.9%と続き、建設は26.4%でした。自社と比べるときは、全体の34.5%ではなく、同じ業界と規模の値を基準にすることをおすすめします。
自社の導入率はどうやって測ればよいですか?
社員全員に、ルールの認知、この3か月の利用、使う頻度、会社のものか個人のものか、用途、効果を聞くアンケートを取り、回答者全員を分母に率を出す方法があります。週4日以上使う人の割合は、パーソル総合研究所が紹介した11.7%と並べると目安になります。
会社で導入すれば、社員の個人アカウントでの利用はなくなりますか?
なくなるとは限りません。IPAは情報セキュリティ10大脅威 2026で、従業員が個人的に利用しているAIサービスを業務に使うシャドーAIを取り上げ、対策として個人アカウントでの業務利用の制限を挙げています。学習に使わせない設定や利用ログを会社でそろえ、使う人全員に配ることが対策の土台になります。

まとめ

生成AIの導入率は、国内の主な調査で2割台から8割台まで開きがあり、その差の多くは何を数えたかと誰に聞いたかの違いから来ています。全国の会社に聞いた帝国データバンクの調査では34.5%で、従業員数別では5人以下の29.6%から1,000人超の63.6%まで、業界別ではサービスの47.8%から建設の26.4%までの幅がありました。社員10〜200名の会社に近い区分では、3割から4割台前半がひとつの目安になります。

国内の法人向け生成AIの料金を比べるときは、ナレフルチャットの料金と、ほかの法人向け生成AIとの比較も参考になります。導入の費用を抑えたい場合は、デジタル化・AI導入補助金の対象になるかも確かめておきましょう。

一方で、導入率は社員がどれだけ使っているかまでは示さず、週4日以上使う就業者は11.7%という紹介もあります。会社で導入していても個人のアカウントでの利用は残りうるため、学習させない設定・ログ・配布・使い分けを会社の環境1つにそろえることが次の一歩になります。社内アンケートで自社の数字を測り、調査の数字と同じ物差しで並べてみてください。

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