東京海上、AIロボット保険を11月から

COPLUS AI NEWS夕方版

AIを入れた後に備え、現場に根づかせる。保険・研修・営業基盤・院内開発の動き

ニュース5本・約7分で読めます

東京海上日動火災保険が10月26日、AIロボットの機体損害や賠償責任に加え、稼働が止まったときの代替人材の人件費まで補償する「AIロボット保険」を11月から提供すると発表しました。物流各社では生成AIの利用者率の公表や、AIを組み込んだ営業基盤の導入も続いています。病院の職員が生成AIで自ら業務ツールを作る取り組みや、中小企業向けの生成AI活用診断とあわせ、本日夕方のAI動向5本を整理します。

① 東京海上日動、AIロボットの機体損害・賠償責任・稼働停止時の事業継続費用を補償する「AIロボット保険」を11月から提供 車輪型・4足歩行・ヒューマノイドなど自律移動型が対象

東京海上日動火災保険(ニュースリリース) / 2026年10月26日

東京海上日動火災保険は10月26日、フィジカルAIを実装した自律移動型ロボットを対象とする「AIロボット保険」を2026年11月から提供すると発表しました。対象には車輪型ロボット、4足歩行ロボット、ヒューマノイドロボットなどが含まれます。補償は、自然災害や衝突などの突発的な事故による修理・交換費用の「機体補償」、対人・対物事故で導入企業が負う法律上の損害賠償の「賠償責任補償」、機体損害で止まった際の代替人材の人件費や代替ロボットのレンタル費用などの「事業継続費用補償」の3つです。サイバーインシデントに起因する損害は対象外で、引受条件と保険料は用途や稼働環境を確認して個別に設定するとしています。

💡 コプラスの視点

ロボットの導入を検討する企業にとって、「壊れたら」「止まったら」の費用は見積もりに入れにくい部分でした。保険の選択肢ができたことで、導入時の費用試算やリスクの説明がしやすくなります。一方で、サイバー攻撃が原因の損害は対象外とされているため、ネットワークにつながるロボットでは、セキュリティ対策や別の保険での手当ても合わせて確認しておく必要があります。

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② 安田倉庫、全社の生成AI利用者率が34.6%に 中期経営計画の2027年度目標20%を前倒しで達成、2026年8月からは約100人でAIエージェントを試験活用

安田倉庫(プレスリリース) / 2026年10月26日

安田倉庫は10月26日、全社の生成AI利用者率が2026年6月時点で34.6%となり、中期経営計画で掲げた2027年度の目標20%を前倒しで達成したと発表しました。利用者率は、営業日に1日1回以上生成AIを使った従業員を「1人日」として数え、年間の延べ利用者数を延べ従業員数で割って算出しています。2025年10月から2026年1月には本社部門と各営業所を巡回し、348人を対象に計57回の実演形式の研修を行ったほか、新入社員研修に生成AIのリスクや社内の利活用ガイドラインを学ぶ講習を加えました。2026年8月からは約100人を対象にAIエージェントの試験活用を始めており、今後は2030年度目標の50%に向けて、業務時間や品質などの効果も検証するとしています。

💡 コプラスの視点

「利用者率」を、何をどう数えた数字かまで定義して公表している点が参考になります。利用状況を測る物差しを先に決めておくと、研修の効果や次の打ち手を判断しやすくなります。部門ごとの業務に合わせた実演や、新入社員研修にガイドラインの講習を組み込むやり方は、規模を問わず取り入れやすい定着策です。

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③ 三菱商事ロジスティクス、マツリカの「Mazrica」で3カンパニーの営業状況を一元管理 AIで提案のたたき台づくりやLPでの問い合わせ対応も

マツリカ(PR TIMES) / 2026年10月26日

マツリカは10月26日、三菱商事ロジスティクスが同社の営業支援サービス「Mazrica」を導入したと発表しました。三菱商事ロジスティクスは3つのカンパニーの営業活動と案件の進み具合を全社で見える化し、カンパニーをまたいだクロスセルの機会づくりや、担当者個人に頼る状態の解消を目指すとしています。AIの活用では、企業データベース「Mazrica Target」で自社サービスを組み合わせた提案のたたき台を作ることを想定しており、現在は本格運用に向けた準備段階とされています。また、マーケティングAIエージェント「Mazrica Engage」を自社の7つのLPに入れ、チャットでの来訪者の質問にAIが応答しています。

💡 コプラスの視点

AIに提案の下書きを任せるには、その前提として営業の記録が1か所にたまっていることが欠かせません。今回の事例も、まず営業情報の一元化を進め、その上にAIの機能を載せる順番になっています。中小企業でも、顧客情報や案件の記録が担当者ごとに散らばっている場合は、AI導入より先に記録の置き場所をそろえることが効果を左右します。

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④ 倉敷中央病院とSUNABACO、医療従事者が生成AIで業務ツールを自ら作る「市民開発」のカンファレンスを開催 音声入力のカルテ作成支援や手術物品の搬送システムなどを発表

SUNABACO(PR TIMES) / 2026年10月26日

SUNABACOは10月26日、倉敷中央病院と共催した医療現場の生成AI×市民開発のカンファレンス「せとうちMED Innovationカンファレンス」の開催報告を公表しました。10月24日に倉敷中央病院付属予防医療プラザで開かれ、参加者は会場で延べ200人、オンラインで2,000人だったとしています。発表では、音声入力によるカルテ作成支援ツール、食事管理アプリ、倉敷中央病院と共同開発した手術物品の搬送システム、生成AIを用いた市民開発による院内DXなどの実践例が紹介されました。寺井章人院長はDXの目的を「医師・看護師などの直接業務の時間を確保」することだと述べ、日本マイクロソフトの担当者がセキュリティの基礎をテーマに基調講演を行いました。

💡 コプラスの視点

専門部署に頼らず、現場の職員が生成AIで自分たちの業務に合った道具を作る動きが医療にも広がっています。こうした取り組みを続けるには、患者情報をどこまで扱ってよいかのルールと、作ったツールを誰が管理し続けるかを決めておくことが欠かせません。セキュリティが基調講演のテーマに選ばれたことも、その点を映しています。

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⑤ DXクルーズ、中小企業向けの生成AI活用診断「AI業務活用ナビ」を提供開始 業務の聞き取りから活用候補と「最初の一手」をレポートに

ASTRO Siblings・四拾萬堂(PR TIMES) / 2026年10月26日

ASTRO Siblingsと四拾萬堂が共同で運営する「DXクルーズ」は10月26日、中小企業の経営者や管理者を対象に、自社業務のどこで生成AIを使えるかを診断する「AI業務活用ナビ」の提供を始めました。合計2〜4時間程度のインタビューで普段の業務を聞き取り、2週間から1か月程度を目安に診断レポートで結果を説明します。レポートには、現状の業務の流れ、AIで支援できる作業と人が確認・判断すべき点、優先して試す候補と着手に必要な準備を盛り込むとしています。費用は個別見積もりで、診断後の導入や定着の支援は別料金です。

💡 コプラスの視点

中小企業のAI導入では、ツールを選ぶ前に「どの業務のどの作業に使うか」を決める段階でつまずくことが少なくありません。業務の棚卸しから始め、AIに任せる部分と人が確認する部分を分けて示す進め方は、外部の支援を使うかどうかにかかわらず参考になります。小さく試す候補を1つ決めてから、ツールや予算を考える順番が失敗を減らします。

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明日への展望

東京海上日動の「AIロボット保険」は11月から提供が始まります。安田倉庫は利用者率に加え、AIエージェントの試験活用で業務時間や品質にどんな効果が出るかを検証するとしており、数字の続報が注目されます。また、官邸では10月26日18時からサイバーセキュリティに関する関係閣僚会議が開かれると報じられており、大規模な情報漏えいが相次ぐなかで、どのような対策の方向性が示されるかも確認したいところです。

本日のまとめ

AIロボットが止まったときの費用まで補償する保険が登場し、AIを「入れた後」のリスクに備える選択肢が増えました。物流企業では利用者率を定義して測る取り組みや、営業記録を集約してAIを載せる基盤づくりが進み、病院では職員が自らAIで道具を作る動きも見られます。どの事例も、使う業務と測り方を先に決めていることが共通点です。

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