Anthropic、ナスダック上場を申請
COPLUS AI NEWS朝版
AIを作る会社は資本市場へ、AIを使う会社は手元のサーバーへ
ニュース2本・約4分で読めます
Claudeを開発するAnthropicが、米ナスダックへの上場に向けた手続きを公表しました。一方の国内では、日本総研が国産の大規模言語モデルを自社のサーバーに置いて全社で使い始めています。AIの提供側が大きな資金を集める動きと、利用側が「どこでAIを動かすか」を選ぶ動きを、2本のニュースで整理します。
① Anthropic、ナスダック上場に向けた登録届出書(S-1)を米SECに提出 ティッカーは「ANT」、株数と価格は未定
出典:Anthropic(同社発表)/The Next Web(S-1の数値の報道) | 公開日:2026年10月26日(米国時間)
AnthropicはClass A普通株式の新規株式公開に向け、登録届出書(Form S-1)を米証券取引委員会(SEC)に提出したと発表しました。上場先はNasdaq Global Select Marketで、ティッカーは「ANT」です。発行する株数や価格帯は発表時点で決まっておらず、目論見書の入手先としてGoldman SachsとMorgan Stanleyが挙げられています。The Next Webの報道によると、S-1では2026年1〜6月の売上高が約163億ドル(前年同期は約11.6億ドル)と開示され、同期間の純損失約807億ドルの大部分は転換社債の評価替えなど現金支出を伴わない会計上の費用とされています。
💡 コプラスの視点
上場すれば、決算や事業上のリスクが定期的に開示されるようになり、AIの提供元を選ぶときに参照できる公開情報が増えます。一方で、提供元の経営方針は料金や提供条件の変更にもつながりえます。特定のAIだけに業務を寄せすぎず、複数のAIを切り替えられる体制にしておくと、こうした変化に左右されにくくなります。
② 日本総研とPFN、国産LLM「PLaMo」のライセンス契約を締結 オンプレミス環境で「PLaMo 3.0 Prime」を全社利用、金融システムの開発・運用に
出典:Preferred Networks(同社発表) | 公開日:2026年10月26日
日本総合研究所とPreferred Networks(PFN)は、PFNが開発する国産の大規模言語モデル「PLaMo」のライセンス契約を結んだと発表しました。日本総研は2026年10月から、自社のオンプレミス環境で「PLaMo 3.0 Prime」の全社利用を始めています。用途は、金融システムの設計書やソースコードのレビュー支援、障害時の影響範囲の調査、既存システムの仕様や過去の対応履歴への問い合わせ対応のほか、社内規程の検索、議事録・報告書の作成、翻訳などのバックオフィス業務です。あわせて自社データによる追加学習(ファインチューニング)の検証も始め、約半年かけて性能と業務への適合性を確かめるとしています。
💡 コプラスの視点
設計書やソースコード、障害対応の履歴など、外部のクラウドに出しにくい情報を扱う業務から、AIを社内に置いて使う選択肢が現実的になってきました。ただし自社でサーバーを持つ運用には、設備や保守の体制も必要です。扱う情報の機密度ごとに「クラウドで使うAI」と「社内で動かすAI」を分けて考えると、自社に合う形を選びやすくなります。
本日のまとめ
AIを開発する会社が上場によって資金と情報開示の段階へ進む一方、AIを使う会社では「どの情報を、どこで動くAIに任せるか」を自社で決める動きが広がっています。提供元の変化に備えつつ、扱う情報に合わせてAIの使い方を選ぶことが、これからの社内ルールづくりの軸になりそうです。


