米中AI陣営、各国に選択迫る
COPLUS AI NEWS朝版
どの国のAIを使うかが外交の争点になり、どのAIに入れてよいかは職場の争点になる
ニュース2本・約4分で読めます
米国と中国がそれぞれAIの国際的な枠組みに仲間を集め、各国が「どちらの陣営のAIを使うか」の判断を迫られているとAP通信が報じました。一方、米国の病院では職員が許可されていないAIに患者情報を入れ、約3,000人に通知する事態になっています。国のレベルでも職場のレベルでも、「どのAIを使ってよいか」を決めることが重い意味を持ち始めています。
① 米国主導の「Pax Silica」と中国主導の「世界AI協力機構」、各国がどちらにつくかで板挟みとAP通信 日本は米国寄りでも安価な中国モデルを一部で使う可能性
出典:AP通信(WKMG News 6掲載) / 2026年10月25日
AP通信は10月25日、米国が主導するAIの協力枠組み「Pax Silica」と、中国が呼びかけた「世界AI協力機構(WAICO)」の間で、各国が選択を迫られつつあると報じました。米国務省は、競合する構想に関わりながら信頼できるPax Silicaの協力国でいることはできないとの立場で、中国側はAIを大国だけのものにすべきではないと訴えています。記事では、両方に加わるカザフスタン、両にらみのインドネシアやシンガポール、NVIDIAと組みながら中国のオープンモデルも使うサウジアラビアの例を挙げ、多くの国が「両天秤」をかけていると伝えています。日本については、京都外国語大学の教授の見方として、半導体や信頼できるAI、標準づくりでは米国と足並みをそろえる一方、リスクの低い用途では安価な中国のAIモデルを拒まないだろうと紹介しています。
💡 コプラスの視点
どの国の、どの会社のAIを使うかは、今後は取引先や官公庁から問われる項目になりえます。社内で使っているAIサービスの提供元と、入力したデータがどこで扱われるかを一覧にしておくと、方針が変わったときにも慌てずに説明できます。
② 米ジョンズ・ホプキンス・ベイビュー医療センター、職員が許可されていない外部のAIに患者3,182人分の情報を入れたとして通知 AI提供元にデータ削除を依頼
出典:The Baltimore Banner / 2026年10月25日
米メリーランド州のジョンズ・ホプキンス・ベイビュー医療センターで、職員が病院の許可していない外部のAIツールに患者情報の表計算ファイルをアップロードしていたと、地元紙The Baltimore Bannerが10月25日に報じました。対象は5月から9月に受診した患者3,182人で、氏名、入院・治療日、診療記録番号、口座番号、投与された薬、担当医などが含まれていた可能性があり、社会保障番号や金融口座の情報は含まれていないと病院は説明しています。病院は職員にAIツール上のやり取りとファイルを削除させたうえで、ツールの提供元にもデータの削除を依頼し、承認済み・未承認ツールに関する規程と研修を強化するとしています。使われたAIツールの名称は記事では明らかにされておらず、影響を受けた患者には12か月分の信用情報監視サービスが提供されます。
💡 コプラスの視点
本人が画面上で消しても、外部のサービスに渡ったデータは提供元に削除を頼むしかありません。禁止の通知だけで終わらせず、仕事で使ってよいAIを用意して「こちらを使う」と示すことが、持ち出しを防ぐいちばんの近道です。
The Baltimore Bannerの記事を読む(英語)→
本日のまとめ
国の間では米国と中国のどちらのAIの枠組みに加わるかが問われ、職場では許可されていないAIに情報を入れてしまう事故が続いています。規模は違っても、「使ってよいAIを決めて、その中で使う」ことの大切さは同じです。


