CopilotでAIエージェントを作る。エージェント ビルダーとCopilot Studioの違いと手順

Copilotのエージェントとは、Microsoft 365 Copilotに指示・参照する資料・機能を組み合わせて、特定の業務だけを受け持たせた専用のCopilotのことです。作り方は2通りあり、自分や小さなチームで社内のQ&Aに使うならエージェント ビルダー、部門・全社・社外の顧客向けや、承認フロー・Microsoft 365以外のシステムとの連携が要るならCopilot Studioを選ぶことになります。どちらも作る作業そのものは難しくありませんが、会社で作らせるなら、作れる人・共有の範囲・参照させる資料の権限を先に決めておく必要があります。手順と判断の表は、2026年10月7日にMicrosoft Learnで確認した内容をもとにしています。

AIエージェントそのものの定義や全体像はAIエージェントとは何かで整理していますので、先に読んでおくと話がつながりやすくなります。ChatGPTやGeminiも含めた、ツールをまたいだ作り方はAIエージェントの作り方をご覧ください。

Copilotのエージェントとは|Copilot Chatとの違い

Copilotのエージェントは、いつものCopilotに「この業務だけを、この資料をもとに、この形で答える」という役割を覚えさせたものになります。Microsoft Learnでは、エージェント ビルダーで作るものを宣言型エージェントと呼んでいます。指示と参照先をあらかじめ書いておく形なので、毎回長いプロンプトを入力し直す手間がなくなります。

通常のCopilot Chat・Microsoft 365 Copilotとの違い

同じCopilotという名前でも、会社の契約によって使える範囲が3段階に分かれます。

何か料金社内データとの関係
Copilot Chat対象のMicrosoft 365を契約している会社の社員が使えるAIチャット追加料金なし社内データを使うエージェントは従量課金(Azureのサブスクリプションが必要)
Microsoft 365 CopilotWord・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsなどのアプリの中で使えるCopilot。Work IQによるチャットも付く一般法人向けのアドオンは3,148円(ユーザー/月相当・年払い・税抜)使う人の権限の範囲で社内データを参照
エージェント特定の業務のために、指示・ナレッジ・機能を組み合わせたCopilot作り方と参照先で変わる(後述)ナレッジに指定した資料を、使う人の権限の範囲で参照

ライセンスの3段階の違いはMicrosoft 365 Copilotのライセンスの解説で詳しく扱っています。

用語の整理|エージェント・エージェント ビルダー・Copilot Studio

調べ始めると似た言葉がいくつも出てくるため、先に対応を整理しておきましょう。

言葉指すもの使う場所
エージェント指示・ナレッジ・機能を組み合わせた業務専用のCopilotMicrosoft 365 Copilot・Teams
エージェント ビルダーMicrosoft 365 Copilotの中にある、宣言型エージェントを簡単に作るための画面Microsoft 365 Copilot アプリ
Copilot Studioエージェントやワークフローを作って管理する、ローコードのスタジオcopilotstudio.microsoft.com
既成のエージェントリサーチ ツール、アナリスト、ファシリテーターなど、Microsoftが用意したエージェントMicrosoft 365 Copilot

画面の呼び名は、Microsoft Learnの日本語版が機械翻訳のため、実際の表示と少し違うことがあります。

エージェントでできること・できないこと

エージェント ビルダーで作るエージェントが得意なのは、決めた資料の範囲で質問に答えることです。Learnでは用途の例として、プロジェクトのFAQボット、製品ドキュメントのアシスタント、新しく入った方向けのオンボーディング用エージェントが挙げられています。機能として、コード インタープリターで文書やグラフを作らせたり、画像ジェネレーターで画像を作らせたりすることも出来ます。一方で、エージェント ビルダーは外部サービスと連携するアクションを作れません。受注システムに登録する、承認を回すといった動きが必要になった時点で、Copilot Studioの出番となります。

中小企業での使い道の例

使い道は、決まった資料に沿って答える仕事と、何かを動かす仕事に分けると見通しが立ちます。

業務エージェントの役割向く作り方
総務就業規則・休暇・経費精算のルールについて、規程をもとに答えるエージェント ビルダー
経理社内の経費精算の手順や、社内で決めた処理の基準を確かめるエージェント ビルダー
人事新しく入った方の質問に、入社手続きや社内ツールの手順書をもとに答えるエージェント ビルダー
会計事務所顧問先からよく来る質問への回答の下書きを作り、担当者が確かめてから送るエージェント ビルダー
情シス社内のITの問い合わせを受け付け、内容に応じて担当へ振り分けるCopilot Studio
サポート社外の顧客の問い合わせに答え、必要なら人へ引き継ぐCopilot Studio
営業顧客管理システムとつなぎ、承認のワークフローを始めるCopilot Studio

表の上の4つは答えるだけの仕事なので、エージェント ビルダーで始められます。

作る前に既成のエージェントを試す

自分で作る前に、Microsoftが用意している既成のエージェントで足りないかを確かめてみてください。Microsoft 365 Copilot Businessの公式ページでは、リサーチ ツール、アナリスト、ファシリテーターなどの既成のエージェントがアドオンに含まれると案内されています。調べものや表の分析、会議の進行といった汎用の作業はこちらで済むことが多く、自作が要るのは社内の決まりや自社の資料に沿って答えさせたい場面になります。

エージェント ビルダーとCopilot Studioの違いと選び方

迷ったときは、誰が使うか、どこまで広げるか、何をさせるか、どこまで細かく管理したいか、の4つで決めるのが近道です。Microsoft Learnの比較ページも、対象ユーザー・展開スコープ・機能・ガバナンスのニーズという4つの要素で選ぶよう案内しています。

比べる点エージェント ビルダーCopilot Studio
作る場所Microsoft 365 Copilot アプリCopilot Studio(copilotstudio.microsoft.com)
作る人インフォメーション ワーカー(普段の業務をしている社員)作成者と開発者
使う人個人または小規模チーム部門、組織全体、外部の顧客
向くエージェント組織の知識を持つ軽量のQ&Aエージェント複数ステップのワークフローや業務システムとの統合
管理する画面主にMicrosoft 365 管理センターPower Platform 管理センター
Learnの用途例プロジェクトのFAQボット、製品ドキュメントのアシスタント、オンボーディング人へ引き継ぐカスタマー サポート、ITヘルプデスクの振り分け、顧客管理システムの営業アシスタント

Copilot Studioの主な機能は、外部への公開、承認や分岐を含む複数ステップの処理、事前構築済みやカスタムのコネクタ、自律的に動く機能、開発・テスト・運用の環境を分けたライフサイクル管理が中心になります。資料を読んで答えるだけならエージェント ビルダー、何かを実行させるならCopilot Studioが目安です。

Yes/Noで選ぶ判断表

Learnの4つの要素に、中小企業が実際に迷う項目を足して、質問に答えるだけで選べる表にしました。

質問はいいいえ
1.社外の顧客や取引先にも使わせますかCopilot Studio次の質問へ
2.Microsoft 365以外のシステムやサービスのデータをつなぎますかCopilot Studio次の質問へ
3.申請・承認・登録など、答える以外の動作をさせますかCopilot Studio次の質問へ
4.部門全体や全社に配り、開発・テスト・運用の環境を分けて変更を管理したいですかCopilot Studio次の質問へ
5.一般的な知識での回答を止め、指定した資料だけで答えさせたいですかCopilot Studio次の質問へ
6.1〜5がすべて、いいえでしたかエージェント ビルダーで始める―

1つでも当てはまればCopilot Studioを検討し、全部いいえならエージェント ビルダーで始めて構いません。迷う場合は、先にエージェント ビルダーで作り、足りなくなってからCopilot Studioへコピーする順番でも進められます。コピーで何が引き継がれるかは、後ろの節で表にしています。

エージェント ビルダーでの作り方(5つの手順)

エージェント ビルダーでは、Microsoft 365 Copilotの画面から、名前・指示・ナレッジを決めて試し、共有するまでを1つの流れで進めます。作れる場所はmicrosoft365.com/chat、office.com/chat、Teamsで、モバイルからは作れません。

手順1:[新しいエージェント]から作り方を選ぶ

Microsoft 365 Copilotで[新しいエージェント]を選ぶと、作り方が3つ用意されています。

  1. 作りたいエージェントを文章で説明し、Copilotに作らせる(Learnの推奨)
  2. [スキップして構成]を選び、[構成]タブで手で入力する
  3. [Start with a template]からテンプレートを選ぶ

文章で説明する方法では、やりたいことを伝えるだけで名前・説明・手順・ナレッジ・推奨プロンプトが自動で埋まります。ただし、この作り方はMicrosoft 365の表示言語が対応言語のときに限られるため、うまく動かない場合は[構成]タブから手で入れてみてください。会社で使うものは、何が入ったかを自分の目で確かめる意味でも、最後は[構成]タブで中身を見直すことになります。

手順2:[構成]タブの項目を埋める

[構成]タブの各欄には文字数の上限があり、特に手順の欄は8,000文字まで書けるため、ここが答えの質を左右します。

項目上限・形式総務の就業規則Q&Aでの記入例
名前30文字就業規則Q&A(総務)
アイコンPNG・192×192・1MB部署で決めた画像
モデル既定の応答モード:自動(既定)・クイック応答・深く考える自動のまま
説明1,000文字就業規則・休暇・経費精算の社内ルールについて、規程の文書をもとに答えます
手順8,000文字下の例文を参照
知識手順3で追加就業規則を置いたSharePointのフォルダー
スターター プロンプト使う人に例として見せる質問有給休暇は何日前までに申請しますか
機能コード インタープリター([ドキュメント、グラフ、コードの作成])、画像ジェネレーター([画像の作成])今回はどちらもオフ

名前と説明は、共有された相手が一覧で見て用途が分かる書き方にしておきましょう。

手順(指示)の書き方:役割・条件・出力形式

手順の欄には、役割・答えてよい範囲・答え方・扱わないことを分けて書くと、答えがぶれにくくなります。文章で説明して作った場合も、ガイドライン・手順・エラー処理・例が自動で入るので、それを下書きにして直すのが早道です。

【役割】
あなたは〇〇株式会社の総務担当として、社員からの就業規則・休暇・経費精算の質問に答えます。

【答えてよい範囲】
ナレッジに入れた就業規則と経費精算規程に書かれていることだけを答えます。
規程に書かれていない質問には推測で答えず、「規程に記載がないため、総務へ確認してください」と返します。

【答え方】
結論を1〜2文で先に書き、根拠にした規程の名前と条番号を添えます。
手続きの説明は、番号付きの手順にします。

【扱わないこと】
個人の給与額・評価・健康に関わる質問には答えず、担当者へ問い合わせるよう案内します。

【例】
質問:有給休暇は何日前までに申請しますか
答え:原則として〇日前までに申請します(就業規則 第〇条)。

規程の文言を手順の欄に貼り付けるのではなく、資料はナレッジに入れ、手順には振る舞いだけを書くのがコツになります。

手順3:ナレッジ(知識)を追加する

ナレッジには、公開Webサイト・SharePoint・OneDrive・Teamsのチャットと会議・メール・パソコンからのファイルなどを追加出来ます。1つのエージェントに入れられる量には、次の上限があります。

ナレッジの種類1エージェントあたりの上限注意
一般向けWebサイトのURL4つURLは2階層まで。3階層目以降を指すURLやクエリ パラメーター付きは使えない
SharePointのファイル・フォルダー・サイト100個のファイル[制限付き SharePoint 検索]が有効だとナレッジに使えない
SharePointのリスト1つ―
OneDriveのファイル50個―
Teamsのチャットと会議5つのチャットと5つの会議使えるかはライセンスによって異なる
メール範囲は指定できないメールボックス全体が対象。共有された人はそのメールを知識として使えない。使えるかはライセンスによって異なる
パソコンから上げる埋め込みファイル20個.docx・.pdf・.pptx・.txtは512MB、.xlsx・.xlsは30MBまで。パスワード付きのファイルは不可
Copilot コネクタ数の上限の記載なし管理者が有効にしたものだけ使える

SharePointやOneDriveに新しく上げた資料は準備中と表示され、準備が終わるまでは答えに使われません。最大で数分かかるため、追加した直後に答えが返らなくても、少し待ってから試してみてください。

特に気を付けたいのは、パソコンから上げる埋め込みファイルの扱いです。Learnには、ナレッジとしてファイルをアップロードすると、エージェントにアクセスできるすべてのユーザーがファイル内の情報にもアクセスできる、と書かれています。給与の一覧や顧問先の名簿を埋め込むと、共有した全員が中身を見られる状態となってしまいます。権限で守りたい資料は埋め込まず、閲覧権限を絞ったSharePointに置いてナレッジから参照させましょう。埋め込みファイルは利用者ごとの優先データの場所ではなく、テナントの既定の地域に保存される点も、取引先に説明するときのために押さえておくと安心です。

[指定したソースのみを使用する]のトグルは、ナレッジを優先させる設定で、一般的なAIの知識を完全に止めるものではありません。根拠を資料だけに絞りたい業務では、より細かく設定できるCopilot Studioを選ぶことになります。

手順4:[試してみる]でテストする

[試してみる]タブは、名前・説明・手順の3つが埋まった時点で使えます。ここで、規程に書いてある質問、書いていない質問、答えてはいけない質問の3種類を投げ、手順どおりに振る舞うかを確かめます。試用画面では、プロンプトの共有・フィードバック・@メンションは使えない点に注意が要ります。権限の違う人が使ったときの見え方は、共有したあとに別のアカウントで確かめるのが確実でしょう。

手順5:共有する

完成したエージェントは、組織内の特定の人やグループに、編集可能またはチャット可能の権限で共有出来ます。組織全体へ共有するトグルもありますが、最初は作った本人とテストする数人にとどめておくのが無難です。管理者は、エージェントを共有できる人を、すべてのユーザー(既定)、特定のユーザーまたはグループ、ユーザーなし、の3つから選べます。既定のままだと、誰でもエージェントを共有できる状態になっています。後半で触れる決めごとと合わせて、設定を見直してみてください。

社員がばらばらにエージェントを作る前に、会社のAI環境をそろえる

共有の範囲や参照先は、使うAIの環境と権限が会社で1つにそろっているほど決めやすくなります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

Copilot Studioへのコピーと、Studioで作る流れ

エージェント ビルダーで作ったものは、その他のオプション(…)メニューの[Copilot Studio にコピー]から、Copilot Studioへ写せます。コピーしても元のエージェントはそのまま使え、元を直してもコピー側には反映されません。コピーするたびに新しいエージェントが作られるので、どちらを正とするかを決めてから移すと混乱しにくくなります。

コピーで引き継がれる物・引き継がれない物

引き継がれる物と、コピー後に設定し直す物は次のとおりです。

項目引き継ぎコピー後の対応
名前・説明・手順引き継がれる―
推奨プロンプト・アイコン引き継がれる―
ナレッジのSharePointのファイル・フォルダー・サイト引き継がれる―
ナレッジのWebサイト引き継がれる―
埋め込みファイル引き継がれないアップロードし直す
Copilot コネクタ引き継がれないコピー後に設定する
スコープ付きコネクタ引き継がれない未対応
Teamsのチャットと会議・メール引き継がれないPower Platform コネクタを追加する
コード インタープリター引き継がれない設定で追加する
画像生成引き継がれない未対応

パソコンから上げた埋め込みファイルは移らないため、コピーの前に資料をSharePointへ置き直しておくと手戻りが減ります。移した後は、管理する画面がMicrosoft 365 管理センターからPower Platform 管理センターへ変わることも、管理者に伝えておきましょう。

コピーに必要な条件

コピーするには、Copilot StudioのライセンスかMicrosoft 365 Copilotのライセンスが必要になります。あわせて、Microsoft 365のライセンスでCommon Data Service(Dataverse)の資格が有効になっていること、コピー先にDataverseのあるPower Platform環境と、そこで作業できるセキュリティ ロールがあることも条件です。試用版の扱いは管理者の設定によって変わるため、うまくいかない場合は管理者に確かめてみてください。

Copilot Studioで作る流れ

最初からCopilot Studioで作る場合は、copilotstudio.microsoft.comを開いて始めます。Microsoft Learnの説明では、大まかに次の流れで進むことになります。

  1. 業務の目標を文章で説明し、エージェントとワークフローの組み合わせを決めてもらう(自然言語でビルド・プレビュー)
  2. 舞台裏で作業をこなすハーネスを選ぶ(GitHub Copilot ハーネス・標準ハーネス・Copilot チャット ハーネスの3種類で、選ぶハーネスによって課金の仕方も変わる)
  3. ナレッジを追加する(生成オーケストレーションでは公開Webサイト25サイト、SharePoint 25 URLまで。ナレッジ ソースは1エージェントで500まで)
  4. コネクタやエージェント フローで、承認・登録などの動作を組み込む
  5. 評価の機能で、テストセットを使って公開前に品質を確かめる
  6. Teams・Microsoft 365 Copilot・Webサイトなどに公開する(組織のアプリ カタログへの公開には管理者の承認が必要)

Copilot Studioでは、生成AIの設定にある[根拠のない応答を許可する]をオフにすると、ナレッジもツールも使わなかった応答を止められます。ただしLearnにも、オフにしても一般的な知識を一切使わないとは保証しない、と書かれています。どちらで作っても、最後は人が答えを確かめる前提で使うことになります。

試用版でできること

Copilot Studioは、職場または学校のアカウントで個人としてサインアップすると、無料の試用版を使えます。試用版でもエージェントの作成とテストは出来ますが、公開は出来ません。試用期間の終わりに30日間の延長ができ、期限が切れた後もエージェントは90日間動き続けます。管理者がセルフサービスのサインアップを止めている会社もあるため、試す前に一声かけておきましょう。

料金とライセンス|無料で作れる範囲と人数別の月額

対象のMicrosoft 365を契約していれば、Copilot Chatは追加料金なしで使え、指示と公開Webだけを使うエージェントも追加料金なしで作ることが出来ます。SharePointなど社内のデータを参照するエージェントを使う場合は、Azureのサブスクリプションによる従量課金となり、この課金は既定でオフになっています。Microsoft 365 Copilotのライセンスを持つ方は、エージェント ビルダーとCopilot Studioのどちらも追加の契約なしで使えます。Copilotのライセンスがない方も、Copilot クレジットか従量課金制のプランで、どちらの作り方も使うことが出来ます。

Copilot Businessを人数分そろえた場合の月額

一般法人向け(300ユーザーまで)のMicrosoft 365 Copilot Businessを全員に付けると、会社の出費は次のようになります。

人数Copilot Businessアドオンのみ(3,148円)Business StandardとCopilot Businessのセット(3,523円)
10人月31,480円(年377,760円)月35,230円(年422,760円)
30人月94,440円(年1,133,280円)月105,690円(年1,268,280円)
100人月314,800円(年3,777,600円)月352,300円(年4,227,600円)

アドオンのみの列は、別に契約しているMicrosoft 365のプランの料金を含みません。10人で月31,480円、100人なら月314,800円の上乗せとなり、全員に配るか、エージェントを作る人だけに絞るかで年間の出費が大きく変わってしまいます。

※Microsoft 365 Copilot Businessの料金は税抜・年払いのユーザー/月相当額で、2026年10月3日にMicrosoftの公式価格ページで確認した通常価格で、2026年12月31日までの初年度割引は計算に入れていません。人数別の金額は、単価に人数と12か月を掛けた試算です。

社外に公開するならCopilot Studioのパック

社外の顧客向けに公開する場合は、スタンドアロンのCopilot Studioが必要です。価格はテナント全体で1パック月29,985円(税抜・2026年9月16日確認)で、1パックに25,000 Copilot クレジットが含まれています。使った分だけ払う従量課金制もあり、エージェントを使う側の利用者にはライセンスが要りません。未使用のクレジットは翌月に繰り越せないため、使う量の見込みを立ててから選ぶことになります。2026年9月25日のMicrosoftの発表では、Copilot Studioのエージェントも10月から管理画面のコスト管理の対象に加わる予定とされています。クレジットの消費の仕組みはCopilot Studioの料金とクレジットの解説を、中小企業向けの価格はMicrosoft 365 Copilot Businessの料金をご覧ください。

会社で作らせる前に決める5つのこと

エージェントは誰でもすぐ作れるぶん、決めごとがないまま広がると、どこに何があるか誰にも分からなくなってしまいます。次の5つは、作り始める前に総務や情シスで決めておきたい項目になります。

1.作れる人を決める

まずは、エージェントを作ってよい人を部署の代表者などに絞るか、全員に開くかを決めましょう。Copilot Studioは、Power Platform 管理センターでセキュリティ グループを指定すると、そのグループのメンバーだけがアクセスできるようになります。エージェント ビルダーの側は、使う人のライセンスと、次の共有の設定で範囲を決める形です。

2.共有の範囲を決める

共有できる人は、Microsoft 365 管理センターの[Copilot]>[設定]>[データ アクセス]>[エージェント]で設定出来ます。選べるのは、すべてのユーザー(既定)、特定のユーザーまたはグループ、ユーザーなしの3つです。最初は総務や情シスのグループだけに共有を許し、全社に出すものは公開前に確かめる流れにしておけば、知らないうちに全社へ広がるのを防げます。

3.参照させる資料の権限を見直す

エージェント ビルダーには新しい権限がなく、使う人が元々見られないSharePointサイトやTeamsのチャネル、メールボックスの中身は表示されません。裏を返すと、元の資料の閲覧権限が緩ければ、エージェント経由でも広く見えてしまいます。エージェントを作る前に、ナレッジに使うSharePointの共有設定を棚卸ししましょう。SharePointの既存のアクセス許可と秘密度ラベルはそのまま効くので、ラベルの付け方も合わせて見直すと確実になります。

4.作成者の台帳と引き継ぎを決める

管理者は、Microsoft 365 管理センターの[Copilot]>[Agents]ページで、テナント内のエージェントの一覧を見て、有効・無効の切り替えやブロック、削除が出来ます。ただ、そのエージェントが何の業務のためにあり、どの資料を参照し、誰が直すのかまでは一覧から読み取りにくいため、社内に台帳を用意しておきましょう。作った方が異動や退職をするときは、台帳をもとに引き継ぐ相手を決め、使われなくなったものは削除する流れにしておくと安心です。

5.公開前のテストを決める

全社や部門に共有する前に、権限の弱いテスト用のアカウントで質問し、見せてはいけない資料の中身が出てこないかを確かめてください。規程にない質問への答え方や、誤った答えが出たときの連絡先も、このときに決めておくことになります。Copilot Studioに移したものは、組織のアプリ カタログに出す際に管理者の承認が要るので、その手順もここに組み込めます。

誤回答と機密情報の注意点

エージェントは決めた資料に沿って答えますが、間違えないわけではありません。手順の欄で根拠の規程名を書かせ、社外に出す文書や金額の判断は必ず人が確かめる運用にしておきましょう。入れる資料の線引きも、先に決めてあれば迷いません。

ナレッジに入れてよい資料の例入れない資料の例
就業規則・経費精算規程・社内手続きの手順書給与の一覧・人事評価
自社の製品やサービスの公開資料・よくある質問マイナンバーを含む書類
社内向けの業務マニュアル顧問先や取引先の名簿・個別の契約内容

顧問先の情報を扱う会計事務所では、顧問先ごとの資料をエージェントに混ぜない決まりを、最初に作っておくと安心になります。

エージェント作成申請のひな形

作る人が増えてきたら、次の項目を書いて出してもらう申請の形にすると、台帳もそのまま作れます。

  • エージェントの名前と目的どの業務の、誰からのどんな質問に答えるかを1〜2文で書く。
  • 作り方エージェント ビルダーかCopilot Studioか。Copilot Studioなら、社外公開・承認フロー・外部システム連携などの理由も書く。
  • 参照する資料SharePointのサイト名・フォルダー名、WebサイトのURL。埋め込みファイルを使う場合は、その理由と中身。
  • 共有する範囲と権限自分だけ・チーム・部門・全社のどれか。相手に渡す権限は編集可能かチャット可能か。
  • 作成者と引き継ぎ先作成者、副担当、異動や退職のときに引き継ぐ相手。
  • 公開前のテスト結果権限の弱いアカウントで確かめた日と結果、答えてはいけない質問への反応。
  • 見直しの時期使われているか、参照する資料が古くなっていないかを確かめる日。

会社で安全に使うには|エージェントより先にそろえるもの

エージェントの決めごとは、その手前にある会社のAI環境が整っていてこそ効いてきます。入力した内容を学習させない設定、誰がいつ使ったかのログ、社員全員への配布、用途に応じたAIの使い分けの4つがそろっているかを、確かめてみてください。Microsoft 365の中だけで仕事が完結する会社なら、Copilotとエージェントで社内の環境を1つにまとめる道が分かりやすいでしょう。一方で、調べものはWeb検索に強いAI、長い文書は長文に強いAIというように、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを使い分けたい会社では、Copilotだけでは用途が足りなくなることもあります。

会社が環境を用意しないまま社員が個人のアカウントでAIを使い始めると、会社から見えないシャドーAI(野良AI)が増えてしまいます。エージェントの作り方を社内に広げる前に、使ってよいAIと入力してよい情報を生成AIの社内ガイドラインにまとめ、複数のAIをまとめて管理する方法はマルチAIの解説も参考にしてみてください。

社内のBOTづくりを、4つのAIと1つの管理画面で

UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。全モデルで学習非利用を標準適用し、会話履歴・利用ログ・アカウントは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。よく使う指示と手順をBOTにして社内限定で共有できるカスタムプラスと、利用ログ・権限・モデルのON/OFFを扱える管理者ダッシュボードを備えています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

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よくある質問

CopilotとAIエージェントは何が違いますか?
Copilotは質問や指示にその都度答えるAIアシスタントで、エージェントはそのCopilotに特定の業務の指示・参照する資料・機能を組み合わせて、決まった役割を持たせたものです。Microsoft 365 Copilotの中のエージェント ビルダーや、Copilot Studioで作ることが出来ます。
Copilotでエージェントを作るには、エージェント ビルダーとCopilot Studioのどちらを使えばよいですか?
自分や小さなチームで社内資料をもとに質問へ答えさせるならエージェント ビルダー、部門・全社・社外の顧客向けに公開する場合や、承認フロー・Microsoft 365以外のシステムとの連携が必要な場合はCopilot Studioが目安です。迷う場合はエージェント ビルダーで作り、足りなくなったらCopilot Studioへコピーする進め方もあります。
Copilotのエージェントは無料で作れますか?
対象のMicrosoft 365を契約していれば、指示と公開Webの情報だけを使うエージェントは追加料金なしで作れます。SharePointなど社内データを使うエージェントはAzureのサブスクリプションによる従量課金となり、既定ではオフです。Microsoft 365 Copilotのライセンスがあれば、エージェント ビルダーとCopilot Studioはどちらも追加の契約なしで使えます。
既成のエージェントにはどんなものがありますか?
Microsoft 365 Copilot Businessの公式ページでは、リサーチ ツール、アナリスト、ファシリテーターなどのMicrosoftが提供する既成のエージェントが案内されています。調べものや分析、会議の進行のような汎用の作業は既成のエージェントで試し、社内の決まりに沿って答えさせたい業務だけを自作する順番がおすすめです。
エージェント ビルダーで作ったエージェントをCopilot Studioに移せますか?
移せます。その他のオプションメニューの[Copilot Studio にコピー]で、名前・説明・手順・推奨プロンプト・アイコンと、ナレッジのSharePointとWebサイトが引き継がれます。埋め込みファイルはアップロードし直す必要があり、Copilot コネクタやコード インタープリターはコピー後に設定し直します。元のエージェントはそのまま使え、元を更新してもコピーには反映されません。
エージェントに社内の資料を入れると、見てはいけない人に見られませんか?
SharePointやOneDriveの資料は、使う人が元々持っている閲覧権限の範囲でしか答えに使われません。ただし、パソコンからアップロードした埋め込みファイルは、エージェントにアクセスできるすべてのユーザーが中身にアクセスできる扱いになります。給与や名簿などの資料は埋め込まず、権限を絞ったSharePointに置いて参照させてください。

まとめ

Copilotでエージェントを作るなら、自分や小さなチームのQ&Aはエージェント ビルダー、部門・全社・社外向けや、承認フロー・Microsoft 365以外のシステム連携が要るものはCopilot Studioで作ることになります。エージェント ビルダーは[新しいエージェント]から[構成]タブを埋め、ナレッジを足し、[試してみる]で確かめてから共有する流れで、足りなくなったら[Copilot Studio にコピー]で移せます。費用は、指示と公開Webだけなら追加料金なしで、Copilot Businessを全員に付けると10人で月31,480円(税抜・年払い)が目安です。会社で作らせる前には、作れる人・共有の範囲・参照させる資料の権限・作成者の台帳・公開前のテストの5つを決めておきましょう。ほかの記事はAI活用コラム一覧からご覧いただけます。