
Microsoft 365 Copilot Businessとは、社員300人以下の会社が Microsoft 365 に追加して使う Copilot の有料アドオン(追加ライセンス)です。Business Standard とのセットなら1人あたり月¥3,523相当(年払い・税抜)で、30人なら年1,268,280円となります。Business Basic に後からアドオンを足す買い方は月¥4,197相当となり、セットより¥674高くなってしまいます。Word・Excel・Outlook・Teams の中で社内のメールや資料を踏まえて動くところが、無料の Copilot Chat との大きな違いになります。
Microsoft 365 Copilot Businessとは|最大300ユーザーまでのアドオン
Microsoft 365 Copilot Business は、Microsoft 365 の一般法人向けプランに上乗せして契約する Copilot の有料ライセンスになります。公式の価格ページで示されている対象の規模は、最大300ユーザーまでです。
全プランの料金一覧と2年目以降を含む人数別の総額はMicrosoft 365 Copilotの料金、ライセンス3段階の違いはMicrosoft 365 Copilotでできることで詳しく扱っています。ここでは社員10〜200名ほどの会社が Copilot Business を買うとき、どの組み合わせでいくらになり、何ができるのかに絞ってお伝えします。
単体では契約できず、ベースのプランが必要
公式ページのアドオン欄には「対象となる Microsoft 365 サブスクリプションが必要です」「最大 300 ユーザーまで」と書かれています。Copilot Business だけを単体で契約することは出来ません。Business Basic・Business Standard・Business Premium のどれかを先に持っているか、Standard や Premium とセットで契約する形となります。
1人から、必要な社員だけに付けられる
公式の比較表では、セットと Basic のどれも対象が「従業員 1 - 300 人」と示されています。ライセンスは Microsoft 365 管理センターで社員1人ずつに割り当てる手順のため、全員ではなく Copilot を使う場面が多い社員だけに付ける使い方も可能です。まずは営業や総務など、文書やメールを多く扱う部署の数名から始めてみるのもよいでしょう。
大企業向けの Microsoft 365 Copilot との関係
大企業向けには、別のプランとして Microsoft 365 Copilot が用意されています。価格は1人あたり月¥4,497相当(年払い・税抜)と表示されており、こちらも条件を満たす Microsoft 365 プランのライセンスが別途必要になります。社員が300人に近づいてきた会社は、契約の更新前に購入先へ今後の切り替え方を相談してみてください。
なお、Microsoft の公式ドキュメントでは、Microsoft 365 Copilot の名前が Microsoft Copilot に、Microsoft 365 Copilot Chat の名前が Microsoft Copilot Chat に変わったと案内されています。価格ページの表記は Copilot Business のままですが、管理画面では新しい名前で表示されることもあるため、名前の違いに戸惑わないようにしておきましょう。
Copilot Businessの買い方|単体のアドオンとセット、Teamsなし版
Copilot Business は、ベースになる Microsoft 365 のプランとどう組み合わせるかで、買い方が大きく3つに分かれます。公式の価格ページに並んでいるのは、アドオン単体、Business Standard とのセット、Business Premium とのセットです。Business Basic にはセットの表示がなく、公式の比較表では Basic の Copilot 欄が「アドオンとして利用可能」となっています。
| 買い方 | 契約するもの | 1人あたり月額(年払い・税抜) |
|---|---|---|
| アドオン単体 | すでに契約している Business Basic・Standard・Premium に Copilot Business を追加 | 通常¥3,148(割引中¥2,698) |
| Standard とのセット | Business Standard と Copilot Business を1つの契約で | ¥3,523 |
| Premium とのセット | Business Premium と Copilot Business を1つの契約で | ¥4,797 |
| Teams なし版とのセット | Business Standard(Teams なし)または Business Premium(Teams なし)と Copilot Business | ¥3,041(Standard・Teams なし)/¥4,316(Premium・Teams なし) |
※価格はユーザー1人あたりの月額相当で、年払い(年間サブスクリプション・自動更新)、消費税抜きの表示です。2026年10月3日に Microsoft の公式ページ(Microsoft 365 Copilot の価格ページ、Microsoft 365 一般法人向けプランの価格ページ)で確認しました。
どの買い方でも、Copilot の部分は同じ Copilot Business になります。セットと単体の違いは、ベースの Microsoft 365 をまとめて買うか、すでにある契約に足すかの違いと考えると分かりやすいでしょう。
Standard とのセットと Premium とのセットの差は、ベースのプランの中身にあります。公式の価格ページでは、Premium のセットに「ウイルスやフィッシング攻撃に対するサイバー脅威防御をさらに強化」「機密データの検出、分類、保護」といった項目が加わっています。端末やデータの保護まで Microsoft 365 でまとめたい会社は、Premium のセットも候補に入れてみてください。
ID とアクセスの管理についても、Standard のセットは「最大 300 ユーザーの ID およびアクセス管理」、Premium のセットは「最大 300 ユーザーの高度な ID およびアクセス管理」と書き分けられています。Standard のセットには、迷惑メールやマルウェアの自動フィルタリングと、エンタープライズレベルのセキュリティ、プライバシー、コンプライアンスが含まれるとされます。
Teams なしの版を選ぶとき
公式ページには、Business Standard と Business Premium のそれぞれに、Teams を含まない版と Copilot Business のセットも並んでいます。比較表では Copilot in Teams に「Teams ライセンスが必要です」と注記があり、Teams なし版では会議の要約などを Teams の中で使う前提が崩れてしまいます。会議を別のツールで行っている会社には選択肢になりますが、Teams なし版の価格は契約前に公式ページか購入先で確かめておきましょう。
組み合わせ別の1人あたり月額|Basicに足すとセットより高くなる
1人あたりの月額で並べると、Business Basic にアドオンを足す買い方は、Standard とのセットより高くなります。Basic の¥1,049にアドオンの¥3,148を足すと¥4,197となり、セットより¥674上回ってしまいます。アドオンの割引価格¥2,698で計算しても¥3,747で、セットとの差は¥224残る計算です。
しかも Basic は、公式の比較表でデスクトップ版のアプリが付かず「Web とモバイル アプリのみ」とされています。Word や Excel をパソコンのアプリで使う会社であれば、Standard とのセットのほうが中身と価格の両方で有利となります。Standard とのセットには、Web・モバイル・デスクトップ版の Word、Excel、PowerPoint、Outlook、カスタム法人メール、Teams でのチャット・通話・ビデオ会議、1人あたり1TBのクラウドストレージなどが含まれると公式ページに書かれています。
| 組み合わせ | 1人あたり月額(年払い・税抜) | Standard とのセットとの差 |
|---|---|---|
| Basic+アドオン(通常価格) | ¥1,049+¥3,148=¥4,197 | +¥674 |
| Basic+アドオン(割引価格・初年度のみ) | ¥1,049+¥2,698=¥3,747 | +¥224 |
| Standard とのセット | ¥3,523 | 基準 |
| Premium とのセット | ¥4,797 | +¥1,274 |
| アドオン単体(Standard・Premium を契約済み) | 今のプランの料金+¥3,148(割引中¥2,698) | 今の契約単価による |
※Business Basic の¥1,049は Microsoft 365 一般法人向けプランの価格ページ、それ以外は Microsoft 365 Copilot の価格ページの表示です(いずれも2026年10月3日確認・年払いのユーザー/月相当・税抜)。差額は表示価格をもとに計算しています。
どの会社がどの組み合わせを選ぶか
| 会社の状況 | 選び方の目安 |
|---|---|
| Business Standard を契約済みで、Copilot は一部の社員だけに使わせたい | アドオンを必要な人数分だけ追加する(通常¥3,148、割引中¥2,698) |
| Business Basic を使っていて、Copilot を付けたい | Basic+アドオン(¥4,197)と、Standard とのセットへの切り替え(¥3,523)を見積もりで並べる |
| これから Microsoft 365 を入れる | Standard とのセット(¥3,523)から検討する |
| Business Premium を契約済み、または脅威対策・機密データの保護も必要 | Premium とのセット(¥4,797)と、今の契約へのアドオン追加を比べる |
| 会議やチャットに Teams を使っていない | Teams なし版とのセットを検討する(Copilot in Teams は Teams ライセンスが必要) |
| 社員が300人を超える | 一般法人向けは最大300ユーザーまで。超える場合の扱いは購入先に確認する |
すでに Standard を契約している会社は、今の契約にアドオンを足すか、セットに切り替えるかを、更新時の単価で比べてみてください。見積もりを取るときは、アドオン追加とセットの両方の金額を並べてもらうと判断しやすくなります。
10人・30人・50人・100人の年額|割引は初年度だけ
人数をかけて年額にすると、Standard とのセットは30人で年1,268,280円、50人で年2,113,800円となります。Basic にアドオンを足す買い方では、同じ30人で年1,510,920円となり、セットとの差は年242,640円まで広がってしまいます。
Premium とのセットを選んだ場合は、Standard とのセットより30人で年458,640円多くかかります。脅威対策や機密データの保護を Microsoft 365 の側で強めたいかどうかで、この差額を払う価値があるかを判断してみてください。
| 人数 | Standard とのセット(¥3,523) | Premium とのセット(¥4,797) | Basic+アドオン(¥4,197) |
|---|---|---|---|
| 10人 | 422,760円 | 575,640円 | 503,640円 |
| 30人 | 1,268,280円 | 1,726,920円 | 1,510,920円 |
| 50人 | 2,113,800円 | 2,878,200円 | 2,518,200円 |
| 100人 | 4,227,600円 | 5,756,400円 | 5,036,400円 |
※1人あたり月額×12か月×人数で計算した年額(税抜・通常価格)です。消費税10%を含めると1.1倍になり、たとえば Standard とのセット30人は年1,395,108円です。
アドオンだけを足す場合の初年度と2年目
すでに Business Standard などを契約している会社がアドオンだけを足す場合、上乗せ分は30人で年1,133,280円(通常価格)です。割引価格の¥2,698が使えれば初年度は年971,280円で済みますが、2年目からは通常の¥3,148に戻ります。
| 人数 | 初年度(割引価格¥2,698) | 2年目以降(通常価格¥3,148) | 2年目に増える額 |
|---|---|---|---|
| 10人 | 323,760円 | 377,760円 | 54,000円 |
| 30人 | 971,280円 | 1,133,280円 | 162,000円 |
| 50人 | 1,618,800円 | 1,888,800円 | 270,000円 |
| 100人 | 3,237,600円 | 3,777,600円 | 540,000円 |
※アドオンの上乗せ分だけの年額です(税抜)。ベースの Microsoft 365 の料金は含みません。2年目に増える額は(¥3,148−¥2,698)×12か月×人数で計算しています。
30人なら、2年目のアドオン代は初年度より年162,000円増えてしまいます。予算を組むときは、割引のない¥3,148で2年目以降を見込んでおきましょう。
税込みで見た年額
社内の稟議では税込みの金額で予算を取ることも多いので、消費税10%を含めた年額も並べておきます。
| 人数 | Standard とのセット(税込) | アドオンだけを足す場合・通常価格(税込) |
|---|---|---|
| 10人 | 465,036円 | 415,536円 |
| 30人 | 1,395,108円 | 1,246,608円 |
| 50人 | 2,325,180円 | 2,077,680円 |
| 100人 | 4,650,360円 | 4,155,360円 |
※税抜の年額×1.1で計算しています。アドオンだけを足す場合は、ベースの Microsoft 365 の料金を含みません。
月払いを選ぶと年払いより高くなる
月払いの価格は、2026年10月3日に公式ページで確認した時点で、アドオンが¥3,778、Standard とのセットが¥4,228、Premium とのセットが¥5,756でした。Standard とのセットを30人で月払いにすると、年払いより年253,800円高くなる計算となります。席ごとの課金では、使う社員が1人増えるたびに同じ単価がそのまま足されていき、人数が増えるほど月払いとの差も積み上がってしまいます。
席を配らない社員の分も会社が管理する環境を1つ用意すると、個人契約に流れにくくなります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
割引キャンペーンの条件|2026年12月31日まで・既存顧客・初年度のみ
Copilot Business アドオンの割引は、2026年7月1日から12月31日までのキャンペーンとして公式ページの脚注に書かれています。条件は1つだけではないため、表で整理しておきます。
| 条件 | 公式ページの脚注の要旨 |
|---|---|
| 期間 | 2026年7月1日から2026年12月31日まで |
| 対象 | 対象のビジネスプランを利用している既存の Microsoft 365 顧客のみ |
| 契約 | 年間契約が必要。自動で更新され、年ごとの定期請求になる |
| 割引の期間 | プロモーション価格は初年度にのみ適用 |
| 試用版 | 試用版サブスクリプションでは利用できない |
| キャンセル | 購入後7日間はキャンセルを受け付け、日割り計算で返金 |
| 併用 | 他のオファーとは併用できない |
| セットの扱い | Copilot やアドオンが含まれるプランでは、オファーや割引の内容が異なる場合がある |
| 変更 | Microsoft の裁量で予告なくキャンセル・変更・停止される場合がある |
※2026年10月3日に、Microsoft 365 Copilot の価格ページと Microsoft 365 一般法人向けプランの価格ページの脚注で確認した内容を要約しています。
対象は既存の顧客に限られるため、これから Microsoft 365 を契約する会社は、割引なしの価格で比べるのが確実です。年間契約が条件のため、1か月単位の契約では割引の対象外となります。年間契約のまま支払いを月ごとにできるかは、購入先に確認しておきましょう。
たとえば Business Standard を契約している会社が、期間中にアドオンを30人分申し込んだとします。初年度は¥2,698で年971,280円となり、翌年の更新からは¥3,148で年1,133,280円かかります。
販売店やベンダーの解説記事の中には、キャンペーンの期間を公式と違う日付で書いているものもあります。申込みの締め切りを購入先が独自に設けている場合もあり、記事の日付だけで判断するとずれが生じることになります。期限は Microsoft の公式ページの脚注と、購入先の案内の両方で確かめてください。
Copilot Businessでできること|Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams
Copilot Business を付けると、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams などのアプリの中で Copilot を使えるようになります。公式の価格ページが挙げる主な中身は、アプリ内の Copilot、Work IQ による AI チャット、研究とデータ分析向けの推論 AI、Microsoft が用意した既成のエージェント、利用状況の測定と分析、LLM モデルの選択の6つです。
Work IQ は、Microsoft 365 のメールや文書、会議などの情報を束ねて、Copilot に仕事の文脈を理解させる仕組みとして説明されています。社内でやり取りした内容を踏まえて答えを返せる点が、一般的な AI チャットとの違いとなります。
| アプリ | 業務での使い方の例 |
|---|---|
| Word | 社内の資料をもとにした文書の下書き、長い文書の要約 |
| Excel | 表のデータの分析や集計の手伝い |
| PowerPoint | 手元の文書をもとにしたスライドの下書き |
| Outlook | メールのやり取りの要約、返信の下書き |
| Teams | 会議の要約や論点の整理(Teams ライセンスが必要) |
中で動くモデルについては、公式の比較表に「最新の OpenAI モデル: GPT-5.X」とだけ記載があります。どのアプリでどこまで使えるかは、社内で数名に試してもらい、自社の業務に合うかを確かめるのが確実です。
管理者向けには、導入状況や利用状況、業務への影響を測って分析する機能も含まれています。誰がどれだけ使っているかを見ながら、ライセンスを付け替えたり人数を見直したりする材料に使えるでしょう。
既成のエージェントと Copilot Studio
リサーチツール、アナリスト、ファシリテーターといった Microsoft が用意したエージェントは、Copilot Business のハイライトとして案内されています。公式の比較表には、Agent Builder と Copilot Studio によるエージェント作成という項目も並んでいます。
注意したいのは、エージェントの使用、Copilot Cowork、外部データ用のコネクタは「従量課金制」とされている点です。公式ページの脚注にも、エージェントを使うにはAzure サブスクリプションが必要で、使用量に応じて課金されると書かれています。月額の席料金とは別に請求が発生することがあるため、エージェントを業務に組み込むときは、管理者が使用量を見ながら少しずつ広げていきましょう。
無料のCopilot Chatとの違い|社内のデータを使えるかどうか
Copilot Business と無料の Copilot Chat の違いは、社内のメールや文書を踏まえて答えられるかと、アプリの中で働くかの2点になります。Copilot Chat は、対象となる Microsoft 365 のプランを使う社員なら追加料金なしで使える AI チャットで、Business Basic にも付いています。
個人が無料で使う Microsoft Copilot とは別のもので、Copilot Chat は職場のアカウントで使う版と考えると分かりやすいでしょう。Web の情報をもとにした質問への回答や、文書の要約といった使い方であれば、Copilot Chat でも十分に役立ちます。
一方の Copilot Business は、Copilot Chat の機能に加えて、ファイル・メール・チャット・連絡先といった仕事のデータを使って応答できる点が、公式のサポートページで違いとして説明されています。
| 項目 | Copilot Chat(追加料金なし) | Copilot Business(有料アドオン) |
|---|---|---|
| 料金 | 対象の Microsoft 365 プランに含まれる | 通常¥3,148(割引中¥2,698) |
| Web をもとにした AI チャット | 使える | 使える |
| 社内のメール・ファイルを踏まえた回答 | 対象外 | 使える |
| Word・Excel・PowerPoint の中の Copilot | ライセンスの区分による(Copilot Chat (基本)では使えず、M365 Copilot (基本)では標準アクセス) | 使える |
| リサーチツールやアナリストなどの推論エージェント | 対象外 | 使える |
| 上記以外のエージェントの使用(Azure サブスクリプションが必要) | 従量課金制 | 従量課金制 |
※無料版と有料版の違いを説明した Microsoft のサポートページ(2026年9月20日確認)と、Microsoft 365 Copilot の価格ページ(2026年10月3日確認)の記載をもとに整理しています。
まずは全員に付いている Copilot Chat を使ってもらい、社内データを使いたい場面が多い社員から Copilot Business を付けていく順番も選べます。全員に一度に配る必要はないので、使う場面を確かめながら人数を決めていきましょう。
公式のサポートページでは、ビジネス向けのサブスクリプションを持つユーザーは、Copilot Chat でもエンタープライズ データ保護や組み込みの IT コントロールを使えると説明されています。無料の範囲でも会社のアカウントで使ってもらうことが、個人向けの無料サービスに業務の情報を入れさせないための第一歩になります。
入力した内容は学習に使われるか|エンタープライズ データ保護
Copilot Business に入力した内容について、Microsoft の公式ドキュメント(Microsoft Learn)では、プロンプトと応答は基盤モデルの学習に使われず、保存データは暗号化されると説明されています。この仕組みはエンタープライズ データ保護(EDP)と呼ばれます。プロンプトと応答は会社のデータ保持ポリシーに従って記録され、電子情報開示などの対象にもなると書かれています。
いずれも Microsoft 自身の説明で、第三者が検証した結果ではない点は押さえておきましょう。
配る前に共有範囲を見直す
公式のセットアップ手順では、有効化の前にやることとして、多要素認証、監査ログ、過剰な共有への対策が挙げられています。社内のファイルを答えの材料にする以上、共有範囲が広すぎるフォルダがあると、本来見せたくない資料が答えに出てくるおそれがあるためです。配る前に、共有範囲が広すぎるフォルダがないかを見直してみてください。
購入から使えるまでの手順|管理センターでライセンスを割り当てる
購入したライセンスは、Microsoft 365 管理センターで社員1人ずつに割り当てると使えるようになります。購入の窓口として公式ドキュメントに挙がっているのは、管理センターのマーケットプレース、Microsoft のパートナー(販売店)、Microsoft のアカウント チームの3つです。
- Microsoft 365 管理センターにサインインし、[課金>ライセンス]を開く
- 一覧から Copilot の製品を選び、製品の詳細ページで割り当てる社員を追加する
- [ユーザー>アクティブ ユーザー]で、対象の社員にライセンスが付いたかを確認する
- 社員には職場のアカウントでアプリにサインインしてもらい、表示されないときはアプリを再起動または更新してもらう
- 細かな設定は Microsoft 365 管理センターの[Copilot]の画面で行う
※手順は Microsoft Learn の Copilot セットアップのページ(2026年9月20日確認)によります。公式ドキュメントでは、Microsoft 365 Copilot の名前が「Microsoft Copilot」に変わったと案内されており、管理センターの製品名も「Microsoft Copilot」と表示される場合があります。移行期間中は旧名称が残る画面もあります。
割り当ての前提として、Copilot より先に、Microsoft 365 のライセンスがその社員に割り当てられている必要があります。ゲストなど別のテナント(組織の契約の単位)から参加しているユーザーには、Copilot のライセンスを割り当てられません。
割り当ててから一部のアプリで表示されるまで最大24時間かかる場合があるため、社員への案内は翌日以降に使い始める前提で出すと混乱が少なくなります。ファイルが読み取り専用だと Copilot は使えず、編集できる状態で開く必要があることも一緒に伝えておきましょう。要件を満たしているかを社員ごとに確かめたいときは、公式が案内する「Copilot ライセンス詳細診断」も使えます。
有効化の前に管理者が準備すること
公式のセットアップ手順では、ライセンスを割り当てる前の準備として、テスト環境とパイロット(少人数での先行利用)、社員への周知の計画、条件付きアクセスの確認、SharePoint の検索ポリシーの確認、ネットワーク要件の確認が挙げられています。Office アプリは最新チャネルか月次エンタープライズ チャネルで更新するよう案内されており、更新の設定も事前に見直す必要があります。少人数で試してから全社に広げる進め方は、社員10〜200名の会社でもそのまま取り入れやすいでしょう。
無料で試すときとキャンセルの注意点
公式の価格ページには、1か月の無料試用の案内があります。申込みにはクレジットカードが必要で、試用期間が終わると自動で有料のサブスクリプションに切り替わります。割引キャンペーンは試用版では使えないため、試用から切り替わった契約に割引が付くかどうかは、購入先に確かめてみてください。
有料の契約を始めてから7日間はキャンセルでき、その期間なら按分計算で返金されます。7日を過ぎると返金の扱いが変わる場合があるため、続けるかは7日以内に決めるのが安心です。キャンセルすると関連するデータがすべて削除されると書かれているため、試用中に作った資料は社内の保存先へ移しておきましょう。
- 試す社員と業務を先に決める1か月の間に、誰がどの業務で試すかを決めておくと、続けるかどうかを判断しやすくなります。
- 会社名義のクレジットカードで申し込む試用の申込みにはクレジットカードが必要です。個人のカードで申し込むと、経費の処理が後から面倒になります。
- 試用が終わる日をカレンダーに入れる試用期間が終わると、自動で有料のサブスクリプションに切り替わります。
- 割引の対象になるかを確かめる割引は試用版では使えず、既存の Microsoft 365 顧客・年間契約・初年度のみが条件です。
- 有料開始から7日以内に続けるかを決めるキャンセルと按分計算での返金が受けられるのは、有料の契約を始めてから7日間です。
- キャンセルの前にデータを移すキャンセルすると関連するデータがすべて削除されると公式ページに書かれています。
- 共有範囲が広すぎるフォルダを見直す社内のファイルが答えの材料になるため、試す前に共有の設定を確認します。
※試用とキャンセルの条件は、2026年10月3日に Microsoft 365 一般法人向けプランの価格ページと Microsoft 365 Copilot の価格ページの脚注で確認した内容です。有料サブスクリプションのキャンセルの扱いは、契約の状況や製品によって異なる場合があると注記されています(2026年9月20日確認)。
契約前に購入先へ確認したい7つのこと
公式ページの表示だけでは決めきれない点は、見積もりの段階で購入先に確かめるのが確実です。販売店から買う場合は、販売店ごとの申込みの締め切りや請求の方法も一緒に聞いておきましょう。
| 確認すること | 確認したい理由 |
|---|---|
| 割引の申込みの締め切り | 公式の期間は2026年12月31日まで。購入先が独自の締め切りを設けている場合がある |
| セットの更新後の単価 | Copilot が含まれるプランでは、オファーや割引の内容が異なる場合があると公式の脚注にある |
| Teams なし版の価格 | Teams を使わない会社の候補。Copilot in Teams は Teams ライセンスがないと使えない |
| 試用から切り替わった契約の割引 | 割引は試用版サブスクリプションでは使えない |
| 月払いと年払いの差 | Standard とのセット30人で年253,800円の差(2026年9月20日確認の月払い価格で計算) |
| 300ユーザーに近づいたときの扱い | 一般法人向けは最大300ユーザーまで。大企業向けは別のプラン |
| エージェントの従量課金の請求 | エージェントの使用には Azure サブスクリプションが必要で、使用量に応じて課金される |
見積書では、1人あたりの単価だけでなく、人数×12か月の年額と、2年目以降の単価が分けて書かれているかも見てみてください。初年度の割引価格だけで社内の稟議を通すと、2年目に予算が足りなくなってしまいます。
会社で安全に使うには|席課金のCopilotとほかのAIの併用
Copilot Business を入れる会社では、Copilot を配る社員と、ほかの AI を使いたい社員の両方を、会社の管理の中に置くことが大切になります。Copilot は Word や Excel、Outlook の中で社内のデータを踏まえて動くため、Microsoft 365 で日々の仕事を回している会社には大きな強みです。
ただし料金は1人ずつの席課金なので、全員には配らず、一部の社員だけに付ける会社も出てきます。配られなかった社員が個人のアカウントで AI を使い始めると、会社から見えないシャドーAIの入口になりかねません。ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexity を用途ごとに使い分けたい社員がいる場合も、同じことが起こりやすくなります。
個人のアカウントでは、入力した内容を学習に使わせない設定も、誰がいつ何を入力したかの記録も、社員それぞれに任されてしまいます。会社が把握していない AI の利用の見つけ方と対策はシャドーAI(野良AI)の対策で詳しく扱っています。
会社として整えておきたい4つのこと
- 入力した内容を学習に使わせない設定を、社員任せにせず会社で一律にそろえる
- 誰がいつどの AI を使ったかのログを、会社側で確認できるようにする
- アカウントの配布と、退職・異動のときの停止を管理者が行えるようにする
- 業務ごとにどの AI を使うかを決め、社内のルールにまとめる
点検の項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリスト、ルールの書き方は生成AIの社内ガイドラインの作り方が参考になります。
席課金と会社定額を並べて比べる
たとえば Business Standard を契約している30人の会社が Copilot Business を10人だけに付けると、アドオン代は通常価格で年377,760円かかります。残りの20人は Copilot Chat を使える一方で、社内データを踏まえる Copilot は使えず、ほかの AI を使いたい社員の扱いも別に決める必要が出てきます。
費用を比べるときは、Copilot のような1人ずつの席課金と、利用人数で料金が変わらず利用量に応じてプランが決まる会社定額型のサービスを、同じ人数で並べてみてください。Copilot には Microsoft 365 の中で働く強みがあり、会社定額型のサービスには複数の AI を全社員に配りやすいという特徴があります。どちらか一方に決めるのではなく、役割を分けて併用する選び方も出来ます。
複数の AI をまとめて使う考え方はマルチAIとは、主要4AIの違いは主要4AIの違いと使い分けで整理しています。各社の料金を横に並べて見たい場合は、法人向け生成AI 38サービスの料金比較が役立つでしょう。
4つのAIを、1つの契約と1つの管理画面で
UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスです。全モデルで学習非利用を標準適用し、会話履歴・利用ログ・アカウントは国内サーバー(AWSの日本リージョン)で管理します。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Microsoft 365 Copilot Business は単体で契約できますか?
社員の一部だけに Copilot Business を付けることはできますか?
割引価格の¥2,698は2年目以降も続きますか?
Business Basic にアドオンを足すのと、Standard とのセットはどちらが安いですか?
無料の Copilot Chat だけでは足りませんか?
Copilot Business を付けると Copilot Chat は使えなくなりますか?
Copilot Business に入力した内容は AI の学習に使われますか?
Copilot Business はどこで購入できますか?
月払いと年払いはどちらがよいですか?
社員が300人を超えそうな会社はどう考えればよいですか?
Teams を使っていない会社はどれを選べばよいですか?
まとめ
Microsoft 365 Copilot Business は、最大300ユーザーまでの会社が Microsoft 365 に足して使う Copilot の有料アドオンです。1人あたりの月額は Standard とのセットが¥3,523、Premium とのセットが¥4,797となり、Basic にアドオンを足す¥4,197はセットより¥674高くなってしまいます。
Teams を使っていない会社には Teams なし版のセットもありますが、Copilot in Teams には Teams のライセンスが必要です。エージェントの使用や Copilot Cowork は従量課金制のため、席料金とは別の請求が出ることも見込んでおく必要があります。
アドオンの割引価格¥2,698は既存顧客の初年度だけで、2年目は¥3,148に戻るため、30人なら年162,000円の差を予算に入れておきましょう。購入後は管理センターでライセンスを割り当て、共有範囲の見直しと、Copilot を配らない社員が使う AI の扱いまで決めてから全社に広げていくと安心です。
ほかの法人向け AI の記事はAI活用コラム一覧にまとめています。
