
ClaudeのAIエージェントとは、Claudeに調査、ブラウザ操作、ファイル作業、コード編集などを任せ、途中の手順まで進めてもらう使い方です。社員10〜200名の会社で見るべき機能は、Cowork、Claude in Chrome、リサーチ、Claude Codeになります。どれも有料プランから使う機能で、会社で使うならTeam以上を選び、管理者が機能ごとの有効化、許可リスト、承認モードを先にそろえる必要があります。全体像やAIエージェントそのものの定義は、先にAIエージェントとはで確認してみてください。
ClaudeでAIエージェントとして使える機能
Claudeで会社が最初に見るべきエージェント機能は、Cowork、Claude in Chrome、リサーチ、Claude Codeの4つです。
Coworkは、いくつもの手順にまたがる仕事をClaudeに渡して、必要な検索やファイル作業を進めてもらう使い方になります。公式ヘルプでは、有料プランのPro、Max、Team、Enterpriseで使える機能として案内されています。WebとモバイルではPro、Max、Teamで使え、Enterpriseでは管理者が有効にした場所で使える形です。普段のチャットと比べると、調べて、読み取って、下書きを作って、保存するという一続きの流れを任せやすいのが特徴になります。
Claude in Chromeは、Chrome上でClaudeにページを見せながら操作を頼む機能です。すべての有料プランで使えると公式ヘルプに書かれています。ClaudeはCoworkやClaude Codeの中で動き、Chromeのサイドパネルではベータ版として使え、会社で使う場合は、OwnerまたはPrimary OwnerがOrganization settings > Claude in Chromeで全体をオンにするかどうかを決める形です。最初は触ってよいサイトを絞り、あとから広げてみてください。
リサーチは、Claudeが複数の検索を重ね、次に何を調べるかを判断しながら調査を進める機能になります。公式ヘルプでは、Pro、Max、Team、Enterpriseの有料Claudeプランで、Web、Claude Desktop、Claude Mobileから使えると案内されています。1回きりの検索よりも、競合チェックや制度の下調べ、社内向けの説明に使う材料集めのほうが向いているでしょう。
Claude Codeは、開発者がターミナル、IDE拡張、デスクトップアプリ、Webから使うエージェント型のツールになります。コードの移行やバグ修正のように、ファイルを読み、書き換え、コマンドを実行しながら作業を進めていきます。公式ドキュメントでは、Pro、Max、Team、Enterprise、Consoleアカウントが必要で、無料のclaude.aiプランにはClaude Codeのアクセスが含まれないと説明されています。
会社の総務・情シスが最初に見るのは、作れるかではなく、誰の権限で動くかになります。
ここを飛ばしてしまうと、使いこなせる担当者だけが個人アカウントで先に進め、退職時の停止や連携先の棚卸しが後回しになってしまいます。Chromeで外部サイトを開けるのか、Coworkがクラウドで動くのか、コネクタがメールを読めるのかを、導入前に紙に書き出してみてください。
エンジニアでない方が使いやすいのは、Cowork、リサーチ、Claude in Chromeになります。開発者向けはClaude Codeですが、経費精算の確認、議事録の構造化、Excelの整形、レポートの下書き、競合サイトのチェックのような業務は、プログラミングなしでも流れを作ることが出来ます。まずは部署の中で、手順が毎回似ている作業を1つ選びましょう。
ClaudeとClaude Code、ChatGPT・Gemini・Copilot・Cursorとの違い
Claudeの通常チャットとClaude Codeの違いは、答えを返すだけか、ファイルやコマンドまで使って成果物に近づけるかになります。
通常のClaudeは、文章の下書き、要約、相談、資料の構成づくりに向いています。人が質問を入れ、返ってきた答えを読んでから次の指示を出す、という流れになります。途中の判断は人の側に残り、Claudeはそのたびに答えを返していきます。
Claude Codeは、もう一段作業側に寄った道具になります。コードのある場所を探し、いくつものファイルを読んで直し方を出し、必要ならコマンドも実行します。設定次第では、ファイルの読み取りや書き込み、Bashコマンド、権限の拒否ルールまで管理することが出来ます。開発部門で使うなら、端末側の管理設定と、サーバー管理設定を両方見ておきましょう。
ChatGPTやGeminiとの違いは、どちらが上かではなく、会社でどう使わせるかという目線で見るのがよいでしょう。ChatGPT、Claude、Gemini、Perplexityは、それぞれ得意な作業も管理画面の作りも違ってきます。複数AIの使い分けは主要4AIの違いと使い分けで整理していますので、モデル選定の話はそちらも見てみてください。
GitHub CopilotやCursorは、開発者がエディタの中で使う前提の道具です。Claude Codeも開発者向けですが、公式ドキュメントではターミナル、IDE拡張、デスクトップアプリ、Webという複数の面が示されています。今の開発環境に足すのか、Claudeの席として配るのかによって、契約と管理を受け持つ部署が変わってきます。
よくある失敗は、Claude Codeを入れたその日に、開発者全員へ同じ権限を渡してしまうことです。Enterprise向けの公式の消費ガイドでは、Coworkの1つのタスクやClaude Codeのデバッグセッションが、普段のチャットよりずっと多くのトークンを使うことがあると説明されています。初日から全員にCodeとCoworkを渡すと、予想外の消費がいちばん早く膨らんでしまう、という案内まであります。エージェント型の道具は、便利さと同じ速度で利用量も増えます。
総務・情シスの方は、Claude Codeを開発部門だけの話として片付けないでください。席の費用やusage credits、退職者の停止、ファイルに残る履歴は、情報システムと管理部門が受け持つ仕事になります。開発者に使い方を任せる前に、会社としての上限とログの見方を決めましょう。
機能×プラン×管理者設定の早見表
会社で迷いやすいのは、使えるプランと管理者が触る画面が、機能ごとに分かれている点になります。
次の表は、社員10〜200名の会社が検討しやすい機能だけに絞ってあります。料金や対象プランは、2026年9月20日から10月13日に公式ページで確認した内容です。いずれもAnthropicが自社の公式ページで説明している内容(自己申告)のため、公開後にプラン名や表示が変わることもあります。
| 機能 | 使えるプラン | 会社側で見る画面 | 最初の設定 |
|---|---|---|---|
| Cowork | Pro、Max、Team、Enterprise。Enterpriseは管理者が有効にした場所で使う形 | Organization settings > Cowork | Enable for your organization、Run Cowork in the cloud、Automatically approveの許可、Always allowの許可を確認 |
| Claude in Chrome | Pro、Max、Team、Enterpriseの有料プラン | Organization settings > Claude in Chrome | Enable for your team、allowlistとblocklistを設定。Coworkの内蔵ブラウザにも同じリストが使われます |
| リサーチ | Pro、Max、Team、Enterpriseの有料プラン | Research単独の切替画面は確認できていません | Web、Desktop、Mobileで使う前提で、調査の出典確認と社内ルールを決めます |
| Claude Code | Pro、Max、Team、Enterprise、Console。無料プランは対象外 | Admin Settings > Claude Code > Managed settings | denyルール、disableBypassPermissionsMode、利用状況のAnalytics、必要に応じて端末側の管理設定を確認 |
| スキル | 組織全体のスキル管理はTeam、Enterprise | Organization settings > Plugins & skills | PolicyタブでCloud code execution and file creationとSkillsを確認。OpenかRequires reviewかを決めます |
| コネクタ | Webコネクタはすべてのユーザー。TeamとEnterpriseではOwnerまたはPrimary Ownerが組織へ追加 | Organization settings > Connectors、Customize > Connectors | チームに追加後、各ユーザーが個別認証。読み取り、書き込み、削除のツール権限を決めます |
| 組織の指示 | Team、EnterpriseのOwnerとPrimary Owner | Organization settings > Organization and access | Organization instructionsに最大3,000文字で会社のルールを書き、保存します |
表にして並べてみると、Team以上を選ぶ理由が見えてきます。個人のProやMaxでも多くの機能は使えるものの、会社として有効化、許可リスト、スキル配布、コネクタ制限、データエクスポート、利用状況の確認をそろえるなら、Team以上の管理画面が必要になります。
ここで間違えやすいのは、機能を有効にすることと、外部サービスへのアクセスを許すことを同じものとして扱う点です。コネクタは組織に追加しても、それだけで誰かにアクセス権が付くわけではありません。各ユーザーが使う前に自分で認証し、Claudeは接続先のサービス側の権限をそのまま引き継ぐ仕組みになっています。
管理者の仕事は、Claudeをオンにすることではなく、読める範囲と書ける範囲を分けることになります。
たとえばGmailでは、検索や読む操作のほかに、作成、送信、返信、転送まで扱えます。Google Driveも読み取りだけにとどまらず、共有、移動、削除、アップロード、フォルダ作成などが含まれてきます。TeamとEnterpriseのオーナーは、コネクタが組織全体で実行できるアクションを制限出来ます。まずは読み取りから始め、送信、削除、支払い、外部公開につながる操作は承認を挟む形に決めましょう。
この段階で、社内ガイドラインも一緒に見直してみてください。入力してよい情報、出力を誰が確認するか、社外へ出す文書を誰が承認するかまで決めておくと、Claudeの設定がただのオンとオフで終わらなくなります。ルール文書の作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方も参考にしてください。
会社で最初にそろえるOrganization settings
Team以上で会社として使い始めるなら、最初の作業はOrganization settingsの画面を上から順に見ていくことになります。
まずはMembersです。Organization settings > Membersでメンバーを追加し、席種とロールを選びます。招待は21日で期限が切れ、まだ受け取られていない保留中の招待も、その時点で空き席を1つ使ってしまいます。退職した方を外すと、その方はすぐに組織へ入れなくなりますが、プランの総席数まで自動で減るわけではありません。削除と席数の見直しを同じ日に進めるよう、月次の作業に入れておきましょう。
次にOrganization and accessを見ます。Teamプランの新しい組織では、招待リンクとメンバー同士の招待が最初から有効になっていると説明されています。メンバー同士の招待は、1件ずつ承認するApprove one-by-oneが初期設定です。招待リンクから入った新しいメンバーには、空いている中でいちばん下の席種が割り当てられることになります。総務の方は、リンクの再生成と無効化を月に1回確認してみてください。
同じOrganization and accessには、Organization instructionsもあります。TeamとEnterpriseのOwner、Primary Ownerが使える機能で、会社共通の指示を最大3,000文字まで書くことが出来ます。組織の指示と個人の指示が食い違ったときは、組織の指示のほうが優先されます。たとえば、機密情報を社外向け文書に使わない、出典不明の数値を断定しない、送信や削除は人が承認する、といった基本だけでも先に入れてみましょう。
Data and privacyでは、TeamとEnterpriseのOwnerまたはPrimary Ownerが、Rate chatsの設定を扱えます。商用製品では、入力と出力は既定でモデル学習に使われないと公式プライバシー説明に書かれています。ただし、フィードバックやバグ報告を自分から送った場合などは、その会話が学習に使われることもあります。学習利用の話は、個人の善意に任せず、管理者が設定と説明をそろえましょう。
Capabilitiesでは、コード実行とファイル作成、CoworkとChatのWeb検索などを確認します。Teamプランではコード実行とファイル作成が最初から有効と説明されていますが、Ownerがオフにすることも出来ます。ネットワークアクセスのTeamでの初期値は、公式の説明の中でも書き方が分かれているため、ここでは決めつけないでおきます。実際の画面で値を見て、社内のメモに残しておいてください。
CoworkはOrganization settings > Coworkで管理します。Claude Coworkは初期設定でオンになっていますが、Ownerが組織全体でオフにすることも可能です。Run Cowork in the cloudは、Teamでは初期設定がオン、Enterpriseではオフと説明されています。Allow Automatically approve modeは既定オン、Allow Always allow for connector toolsは既定オフです。ここは承認モードと直接つながる設定のため、Chromeより先に見ておくと判断がしやすくなります。
Claude in ChromeはOrganization settings > Claude in Chromeで管理します。Teamでは拡張機能が最初から有効で、Enterpriseでも、すでにオフにしていなければオンのままと説明されています。許可リスト(allowlist)と禁止リスト(blocklist)は、Claude in ChromeとCoworkの内蔵ブラウザの両方に効きます。最初は許可リストを狭くし、使いながら広げる運用に決めましょう。
ConnectorsはOrganization settings > Connectorsから追加します。コネクタを有効にするとチームで使えるようになりますが、自動でアクセス権まで付くわけではありません。使う方がそれぞれ認証する形です。Google Workspace側の管理では、admin.google.comのセキュリティ > アクセスとデータ管理 > API管理 > サードパーティアプリのアクセスを管理でClaudeを信頼できるアプリとして扱う手順もあります。反映には約15分かかると説明されています。
最後にAnalyticsとUsageを見ます。左下のイニシャルからAnalyticsへ入ると、Chat、Claude Code、Claude Design、Coworkの製品ごとの画面を見ることが出来ます。Usageでは、usage creditsを使うかどうか、前払い、自動補充、組織全体の月間上限を決められます。ここまで見ておけば、会社として最低限の入口はそろったことになります。
権限と承認を会社でそろえるなら、入口を分けない形が扱いやすくなります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
CoworkとChromeの承認モードをどう使い分けるか
CoworkとClaude in Chromeは、承認の決め方を間違えると、便利なはずの作業が事故の入口になってしまいます。
Coworkには、Manual、Auto、Skipの3つの承認モードがあります。新しいClaude experienceでは、メッセージボックスの権限設定にAutoとManualがあり、初期設定はManualです。Manualでは、常に許可したツールはそのまま通り、承認が必要なツールはそのたびに許可を求められ、ブロックしたツールは止められます。Autoでは読み取り専用のツールが通り、書き込みや削除のツールはClaudeが判断する形です。Skipでは承認が必要な操作まで通りますが、ブロックした操作はどのモードでも止まります。
会社の最初の運用では、Manualを基準にしてください。読むだけで終わる調査や社内資料の要約、競合サイトの確認であれば、Autoを試してみる余地もあります。外部公開、メール送信、削除、支払い、ファイルの共有設定の変更に関わるものは、Manualのままにしましょう。
Chrome側については、ブラウザを使うAIツールの大きなリスクとして、プロンプトインジェクションが公式ヘルプで取り上げられています。Webサイトやメール、文書などの中に悪意のある指示が隠されていて、Claudeが意図しない操作へ誘導されてしまう攻撃のことです。Claude in Chromeには安全のための分類器が組み込まれていると説明されていますが、それでもリスクは残ると案内されています。
送信、購入、削除、外部公開は、Claudeに任せる作業ではなく、人が止める作業として分けておきましょう。
公式ヘルプでは、金融サイトを開く前にClaudeが許可を求めることと、Claudeが代わりに行ったブラウザ操作の責任は使った本人に残ることが説明されています。ここには、公開した内容、送ったメッセージ、購入や金融取引、見たり書き換えたりしたデータまで含まれます。社内ルールでは、操作の責任者を利用者本人だけにせず、部署の承認者まで決めておきましょう。
実際の使い分けは、作業を4つに分けて考えると扱いやすくなります。読むだけの作業はAutoの候補、社内ファイルへ下書きを保存する作業はManual、メール送信や外部サービスの更新はManualかブロック、支払いと削除はブロックから始める形です。権限を広げるときは、1部署で1週間試し、どの操作で承認が出たかをメモしてから全体へ広げてください。
よくある失敗は、承認を面倒に感じて、最初からSkipを許してしまうことです。Skipにすると、ブロックしたもの以外は、承認が必要な操作まで通ってしまいます。少人数で試しているうちは便利に見えても、全社に広がると、誰が何を承認したのかを追いかけにくくなるでしょう。承認回数を減らしたい場合は、Skipではなく、読み取り専用の範囲を増やす方向で調整しましょう。
Claudeに任せる前のチェックも作っておくと安心です。作業は元に戻せるか、操作する先は会社が許可したサイトか、個人ではなく組織のアカウントか、送る前に人が読む時間を取れるか、の4つを確かめます。4項目のうち1つでも曖昧なら、そのタスクはManualに戻してみてください。
スキル・CLAUDE.md・コネクタ・権限の切り方
Claudeを会社のエージェントとして使うなら、指示書、スキル、コネクタ、ツール権限を、それぞれ別々に考えておく必要があります。
スキルは、決まった作業の手順書をClaudeに渡しておき、同じ作業を何度でも呼び出しやすくする機能になります。組織全体のスキル管理はTeamとEnterpriseで使えます。場所はOrganization settings > Plugins & skillsです。PolicyタブでCloud code execution and file creationとSkillsがオンであることを確認します。配ったスキルは全員のCustomize > Skillsに表示され、最初はオンの状態で、各自でオフにすることも出来ます。
Teamでは、スキルの公開は初期設定でOpenになっており、審査なしで全員に表示される形です。Requires reviewを選んでおけば、RequestsタブとInventoryタブで中身を確かめてから出せます。社員が自分でスキルを作って上げることも、初期設定のままで出来るようになっています。会社で最初に作るなら、議事録整理、月次レポート下書き、競合チェック、採用候補者の質問案作成のように、情報の種類と出力の型が毎回似る作業から決めましょう。
CLAUDE.mdは、Claude Codeを使う開発の現場で、プロジェクトのルールや前提を書いておく指示ファイルとして使われています。詳しい作り方はここでは省きます。会社で使うなら、編集してよい場所、テストの手順、レビュー前に出す説明の型を明記しておきましょう。CLAUDE.mdは強制力のない指示として扱われるため、使わせないコマンドは後で触れるManaged settingsの拒否ルールで止めることになります。
コネクタは、Claudeを外部サービスへつなぐ入口です。公式ヘルプでは、Claudeはつないだサービスから、使う方それぞれの権限を引き継ぐと説明されています。元のサービスで見られないファイルやチャンネル、レコードには、Claudeからも入れません。ここは安心できる点ではあるものの、権限の棚卸しが済んでいない会社では、広すぎる権限がそのままClaudeにも引き継がれてしまいます。
Claudeの権限は、Claude側だけでなく、接続先サービスの権限を先に直してから狭めます。
TeamとEnterpriseのオーナーは、つないだサービスで組織全体として実行できる操作を絞ることが出来ます。読み取り専用のツール、書き込みや削除のツールといった種類ごとに、常に許可、承認が必要、ブロックのどれかを決める形です。社員の側でこの制限を上書きすることは出来ません。たとえばメールは検索と要約だけを許して、送信は止めておきます。Driveもファイルを読むところまでにして、作成や編集は止める形が扱いやすいでしょう。こうした切り方から始めると、総務・情シスの方も社内に説明しやすくなります。
MCPは、ClaudeやClaude Code、APIを外部ツールとつなぐ仕組みとして登場します。カスタムコネクタはリモートMCPを使うもので、無料、Pro、Max、Team、Enterpriseで使えると公式ヘルプに書かれています。無料プランの方が使えるカスタムコネクタは1つまでです。AnthropicのクラウドからMCPサーバーへつなぐため、サーバーはインターネット上から見える場所に置く必要があります。つなぐのは信頼できる組織のサーバーだけにして、どこまでの権限を渡すかを丁寧に確かめてみてください。
安全のための仕組みとして、Claude Codeの管理設定も見ておきます。サーバー管理設定はAdmin Settings > Claude Code > Managed settingsにあり、TeamとEnterpriseで使えます。OwnerまたはPrimary Ownerがまとめて設定すると、全員に同じ内容で反映される形です。グループごとに分けた設定には、まだ対応していません。拒否(deny)の例として、curlを使うBash、.env、secrets配下の読み取りを止める書き方が公式ドキュメントに載っています。ただし、管理設定は端末側(クライアント側)で効く仕組みのため、会社が管理していない端末では回避されてしまうおそれがあります。
ログと記録の扱いも先に決めましょう。Analyticsでは、TeamのOwnerとPrimary Owner、EnterpriseのOwner、Primary Owner、Adminが利用状況を見られます。Chat、Claude Code、Claude Design、Coworkの画面があり、日次のチャット数、利用者数、セッション、モデル別の支出などを確認出来ます。公式説明に、管理画面で会話本文を表示する項目は書かれていません。一方で、Primary Ownerのデータエクスポートには会話データが含まれます。この違いを管理者向けの説明に入れておくと、現場の方の不安を減らすことが出来ます。
最後は、個人アカウントが残っている場合の扱いになります。仕事用のメールにひもづく個人アカウントは、TeamまたはEnterpriseのワークスペースへ移せる場合があります。ただし移行は一方向で個人アカウントへは戻せず、自作のスキルや連携サービスへのログインは引き継がれません。個人アカウントを残したまま、切り替えて使う形も取れます。アカウントメニューで切り替えられ、青いチェックが現在のアカウントを示します。会社で使う方には、個人と組織のどちらで作業しているかを毎回確認してもらいましょう。
料金と利用量を会社の出費で見る
Claudeの費用は、1人あたりの料金だけでなく、席種や使い方、usage creditsまで含めた会社の出費として見ていきましょう。
Proは年払いにすると割引が付き、200ドルの前払いで月17ドル相当です。月払いなら20ドルになります。Maxは月100ドルからで、公式ヘルプではMax 5xが月100ドル、Max 20xが月200ドルと説明されています。個人で検証するだけならProやMaxでも始められますが、会社の管理をそろえるにはTeam以上を見たほうがよいでしょう。
Teamは2名から150名のチーム向けで、Standard seatが年払いなら1席あたり月20ドル、月払いなら25ドルです。Premium seatは年払いなら月100ドル、月払いなら125ドルになります。表示されている価格は税抜で、地域によって税や通貨の扱いが変わると説明されています。2026年4月1日から、Anthropicは日本のお客様に10%の消費税を別途請求する案内になりました。
1ドル=150円で計算した場合、Standardを10人に年払いで配ると、毎月200ドル、円では月30,000円相当、税10%込みでは月33,000円相当になります。月払いなら10人で毎月250ドル、円では37,500円相当、税10%込みでは41,250円相当です。Premiumを10人全員に年払いで配ると、毎月1,000ドル、円では150,000円相当、税10%込みでは165,000円相当となります。
30人なら、Standardの年払いで毎月600ドル、円では90,000円相当、税10%込みでは99,000円相当です。月払いなら750ドル、円では112,500円相当、税10%込みでは123,750円相当になります。Premiumを30人に配ると、年払いでも毎月3,000ドル、円では450,000円相当、税10%込みでは495,000円相当です。席種の差は、人数が増えるほど会社の出費として大きくなってしまいます。
標準席で足りる方と、Premiumが必要な方を分けるだけで、毎月の支払いは大きく変わります。
使用量にも気を配る必要があります。公式ヘルプでは、claude.ai、Claude Code、Claude Desktopなど、どこから使っても同じ使用量の上限に数えられると説明されています。上限に達したときは、リセットを待つか、プランを上げるか、usage creditsを買うかのどれかになります。TeamではOwnerがusage creditsを前払いで購入し、支出上限を設定出来ます。
usage creditsは、席に含まれる上限に達した後も、Claude、Claude Cowork、Claude Codeを使い続けるための仕組みです。その後の利用分は、標準のAPI価格で請求されると説明されています。TeamではOrganization settings > UsageからEnableを選び、支払い、自動補充、組織全体の月間上限を決めます。上限の判定は送る前に行い、金額の計算は処理の後になるため、支出上限を少しだけ超えることがあるとも説明されています。
費用でよくある失敗は、標準席の料金だけで予算を組んでしまうことになります。CoworkやClaude Codeは、普段のチャットより途中の処理でトークンを多く使う場合があります。Coworkについては、使っている方からは見えない途中の消費が出ることもあると、公式の消費ガイドに書かれています。最初の月はusage creditsを無効にして、上限に達したらリセットまで待つ運用にすると、どの部署で上限に当たりやすいかが見えてきます。急ぐ部署だけ、2か月目から上限と支出を決めて開けてみてください。
複数のAIをまとめて契約する方法と比べる場合も、人数と利用量を分けて見ておくと判断しやすくなります。法人向け生成AIの料金比較は法人向け生成AI 38サービスの料金比較、コスト管理の考え方は生成AIのコスト管理で整理しています。Claudeだけを契約するのか、複数のAIをまとめるのかは、使わせたい部署の数から考えると現実に近い答えになるでしょう。
導入は1業務・数名から始める
Claudeのエージェント機能は、全社で一斉に始めるよりも、1つの業務と数名で始めるほうが、設定の抜けを見つけやすくなります。
1つ目の候補は、議事録整理です。録音や文字起こしの扱いは別に確かめる必要がありますが、文字になった議事録を読んで、決まったこと、宿題、担当者、期限の形に整える作業は、エンジニアでない方でも始めやすい仕事になります。スキルに出力形式を書き、Organization instructionsで社外秘の扱いを決め、最初は共有前に人が全文を確認しましょう。
2つ目の候補は、月次レポートの下書きです。売上のメモや問い合わせ件数、お客様の声、前月との違いを読ませて、レポートの骨組みを作ってもらいます。ここでは、リサーチやCoworkよりも、スキルとコネクタの読み取り権限が中心となります。書き込みは止め、下書きを作るところまでに決めてみてください。
3つ目の候補は、競合チェックです。リサーチで検索を重ねてもらい、Claude in ChromeやCoworkの内蔵ブラウザには許可したサイトだけを見せます。外のページに指示が隠れているかもしれないので、承認モードはManualにしておく形です。価格や日付のような数値は、Claudeの出力をそのまま使わず、人が公式ページで確認しましょう。
4つ目の候補は、開発部門の小さな修正です。Claude Codeで、テストの追加、古い関数の置き換え、ドキュメントの更新を任せます。サブエージェントやCLAUDE.mdを使う前に、Managed settingsで触らせない場所と使わせないコマンドを入れておきます。secretsや.envの読み取りを拒否し、破壊的な操作は人の承認を挟む形にしてください。
検証の目的は、すごい使い方を探すことではなく、止めるべき操作を見つけることになります。
始める前の確認は、3つの問いで足ります。任せる業務を手順に書き出せますか。間違えたときに戻せますか。誰の権限で外部サービスへ入りますか。3つに答えられない作業は、まだエージェント化しないほうがよいでしょう。答えられる作業から1つ選び、2週間だけ試してみてください。
人数は、総務1名、情シス1名、実務部署2〜3名ぐらいから始めると、立場ごとの見え方の違いが分かってきます。総務の方は請求と退職者の停止を受け持ちます。情シスはコネクタ、Chrome、ログ、権限を確認しましょう。実務部署の方には、承認待ちが多すぎないか、出力の手直しが多くないかを見てもらいます。3者のメモを1枚にまとめ、次の月に広げるか決めましょう。
小さく始めるときでも、個人アカウントのまま進めるのは避けてください。商用プランと個人プランでは、学習利用の表示も、管理者から見える範囲も違ってきます。会社の業務情報を扱うなら、Team以上で会社のワークスペースに入れ、アカウントメニューで組織アカウントを選んでいるかを確認してもらいましょう。野良AIの見つけ方は野良AI(シャドーAI)の整理も見てください。
開発者向けのサブエージェントは、役割ごとに専門のAIアシスタントを決めておける機能になります。プロジェクト用は.claude/agents/、個人用は~/.claude/agents/に置く形です。使えるツールを絞ったり、レビュー担当、テスト担当、ドキュメント担当のように分けたりすることも出来ます。会社全体の初期導入では深追いせず、開発部門の検証項目として短く扱うのがよいでしょう。
Agent SDKは、Claude Codeを支えている道具やエージェントループ、コンテキスト管理を、PythonとTypeScriptから使えるようにした開発者向けの仕組みになります。APIキーを設定して使うため、席の料金とは別に、APIの使い方と費用の設計が必要です。社員10〜200名の会社では、まず管理画面で使えるCowork、Chrome、リサーチ、Claude Codeを整え、SDKは内製する目的が明確になってから検討しましょう。
複数AIの利用を、会社の管理下にそろえる
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けサービスです。管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルON/OFFを扱えます。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
ClaudeのAIエージェント機能は無料プランで使えますか?
会社で使うならProやMaxではなくTeamが必要ですか?
CoworkとClaude in Chromeは何が違いますか?
コネクタを追加すると全員が外部サービスを見られますか?
Claude Codeは非エンジニアにも必要ですか?
最初にどの業務から試すとよいですか?
まとめ
ClaudeでAIエージェントとして使える主な機能は、Cowork、Claude in Chrome、リサーチ、Claude Codeになります。どれも有料プランから使う機能で、会社で権限や承認をそろえるならTeam以上を前提に見るのが自然です。
設定は、Organization settings > Membersから、Organization and access、Data and privacy、Capabilities、Cowork、Claude in Chrome、Connectors、Plugins & skills、Usage、Analyticsの順に見ていくと、抜けや漏れが少なくなります。特にChromeとCoworkは、許可リストと承認モードを決めないまま広げると、外部公開や送信の事故につながってしまいます。
費用は、1人あたりの料金だけでなく、StandardとPremiumの配分、usage credits、CoworkやClaude Codeの消費まで見てください。導入は1業務・数名から始め、止めるべき操作を見つけてから広げましょう。法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。
