
Claudeの法人契約とは、会社のメールアドレスや組織の単位でClaudeを使えるようにして、請求やメンバーの管理を個人の契約から切り分ける契約です。まず決めたいのは、Team・Enterprise・API・クラウド経由・代理店のうち、どこから申し込むかになります。実際には、請求書払いが必要かどうか、何人で使うか、Claude CodeやAPIをどう使うかの3つで、入口はほぼ決まってしまいます。会社として最初に押すボタンを、ここで一緒に決めていきましょう。
Claude法人契約は入口で決まる|6つの申し込み先
Claudeの法人契約は、最初にどの入口を選ぶかで、支払い方法や会社で管理できる範囲が変わってきます。プランの名前だけを見るとTeamかEnterpriseの二択のようですが、開発でAPIを使いたい場合や、AWSなどのクラウドの契約にまとめたい場合は、また別の入口を選ぶことになります。Teamの席ごとの金額は、Claude Teamの料金で詳しく比べることが出来ます。
経理や総務の方がよく迷われるのは、社員にClaudeの画面を配る契約と、システムからAPIを呼び出す契約を、同じものとして見てしまう場面です。前者はclaude.aiの席の料金、後者はClaude Consoleやクラウド側の利用料となります。社員にチャットを配るならTeamかEnterprise、システムに組み込むならAPIかクラウド経由と考えてください。
6つの入口を1つの表に並べてみると、次のようになります。使う人数と支払い方法を順に見ていくと、候補はかなり絞ることが出来ます。
| 入口 | 申し込み先 | 向く会社 | 支払いの軸 | 先に見る条件 |
|---|---|---|---|---|
| Team | claude.ai/login または claude.ai/upgrade | 2〜150席で、カード払いで始めたい会社 | 1人ずつの席課金 | 仕事用メール、カード、管理者 |
| Enterpriseセルフサービス | claude.ai/create/enterprise | 20席以上で、オンラインでEnterpriseへ進みたい会社 | 年払いの席料と使用量 | 最低20席、支払い方法、戻せない移行 |
| Enterprise営業支援 | claude.com/contact-sales | 50席以上、請求書払い、専任担当が必要な会社 | 請求書払いと月ごとの使用量 | 最低50席、見積もり、契約条件 |
| API Console | platform.claude.com | 社内ツールやサービスにClaudeを組み込みたい会社 | 前払いクレジット | APIキー、月の上限、失効日 |
| クラウド経由 | AWS、Google Cloud、Microsoft Azure側 | 既存のクラウド契約や請求にまとめたい会社 | 各クラウドの請求 | 使うクラウド、提供リージョン、権限 |
| 代理店・導入支援 | 各社の窓口 | Bedrock導入や運用支援まで頼みたい会社 | 契約先による | 販売対象、請求元、支援範囲 |
たとえば社員10名にClaudeのチャット画面を配りたいだけでしたら、入口はTeamになります。請求書払いがどうしても必要な場合でも、営業支援のEnterpriseは最低50席からなので、10名の会社では使わない40席分まで受け入れる話となってしまいます。まずは社内でカード払いが認められるか、それとも別の契約にまとめるかを決めましょう。
社員30名で、経理の決まりが請求書払いだけという会社でしたら、Teamは支払い方法の時点で候補から外れてしまいます。かといって営業支援のEnterpriseは最低50席なので、20席分が余ることになります。ここで一度、Claudeだけを営業支援で買うのか、AWS Marketplaceや国内の法人向けサービスに寄せるのかを並べてみてください。
開発チームがClaude CodeやAPIを使う場合は、さらに分けて考える必要があります。Claude CodeはTeamやEnterpriseの席の中で使える形もありますが、社内システムからClaude APIを呼び出すなら、Consoleやクラウド経由の話になってきます。同じClaudeでも請求の出どころが違いますので、稟議では1行にまとめず、分けて書いておくと後から読み返しやすくなります。
※料金・席数・支払い方法は2026年10月3日時点でAnthropicの公式ページ、ヘルプ、Claude Platform docsに表示されている内容です。いずれもAnthropicや各社の公式説明であり、第三者が検証したものではありません。
Teamで申し込む方法|2〜150席・カード払いで始める
Teamは、2〜150席でClaudeのチャット画面やClaude Codeを社員に配るときの入口になります。請求書払いではなくカード払いで問題ない会社でしたら、手早く始めやすい形でしょう。
申し込みは、仕事用のメールアドレスで claude.ai/login に入り、画面の案内に沿ってTeamプランを選ぶ流れです。すでに仕事用のメールでFree・Pro・Maxを使っている方は、サインインしてから claude.ai/upgrade に進み、そこでTeamを作ることが出来ます。管理者になる方のアドレスで始めておくと、あとで請求や招待を整理するときに楽でしょう。
料金は、Standardシートが1人あたり年払いで月20ドル、月払いで月25ドルとなります。Premiumシートは年払いで月100ドル、月払いで月125ドルです。どちらも税抜の表示で、10人全員をStandardの月払いにすると毎月250ドル、年払いなら月あたり200ドルの出費になります。日本の会社への請求には、2026年4月1日から消費税10%が別に加わります。円で稟議を作るときは、何円で換算したかの前提も一緒に書いておいてください。
Premiumは、全員に配るための席ではありません。Standardの年払いと比べると、Premiumは1人あたり月80ドルの上乗せとなります。10人のうち2人をPremiumにすると、毎月160ドル、1年で1,920ドルの上乗せとなってしまいます。実際に割り当てるのは、開発でClaude Codeを長く使う方など、上限に当たりやすい方だけで充分でしょう。
席を増やしたり減らしたりするときの扱いも、契約前に知っておきたいところです。席を足したりStandardからPremiumへ上げたりすると、残りの期間の分が日割りですぐに請求されます。反対に、席を減らす変更やPremiumからStandardへ戻す変更は、次の更新のときから効く形となります。退職者が出た月にすぐ費用が下がるわけではありませんので、更新日と採用の予定を一緒に見ておきましょう。
支払いはカードだけになります。公式ヘルプでは、Teamで使える支払い方法はクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードで、ACHなどほかの方法は受け付けていないと案内されています。会社の決まりで請求書払いが必要でしたら、Teamの画面で設定を探すより、Enterpriseの営業支援やクラウド経由の候補へ進むことになります。
Teamでよくあるつまずきは、担当者の個人カードで始めてしまうことです。支払いがその方に結び付いてしまうと、異動や退職のときの引き継ぎが面倒になってしまいます。申し込む前に、会社のカード、請求先のメール、Ownerになる方の3つを決めてみてください。経理の方がカードの明細を見て分かるように、最初に決済した月と契約名も控えておきましょう。
始め方の細かな流れは、Claude Teamの始め方で手順ごとに見ることが出来ます。ここでは、Teamを選ぶかどうかを決める材料だけ押さえておけば充分でしょう。
Enterpriseを選ぶ方法|セルフサービス20席・営業支援50席
Enterpriseは、20席以上で細かな管理の機能が必要な会社や、50席以上で請求書払いにしたい会社の入口になります。Teamより上のプランだからという理由だけで選ぶと、席の余りや使用量の見積もりでつまずいてしまいがちです。
Enterpriseには、オンラインで申し込むセルフサービス型と、営業担当を通して契約する営業支援型の2つがあります。最低席数は、セルフサービス型が20席、営業支援型が50席となります。料金ページのEnterpriseのボタンを押すと claude.ai/create/enterprise に進み、営業への問い合わせは claude.com/contact-sales から行うことが出来ます。
20席に満たない会社がセルフサービス型を選ぶと、どうしても使わない席が出てきます。15名で契約するなら、最低20席との差は5席です。Enterpriseの席料を年払いの月20ドルとして計算すると、使わない5席だけで1年に1,200ドル(月あたり100ドル)を払うことになってしまいます。営業支援型なら最低50席なので、15名では35席分が余る計算となります。
支払い方法も、Teamとは少し変わってきます。セルフサービス型はカードかACHで、営業支援型は請求書払いにも対応しています。ACHは米国の銀行振替の仕組みですので、日本の会社では使いにくい場面もあるでしょう。請求書払いにしたいのでしたら、営業支援型を検討することになります。
管理の機能で見ると、SSO(1つのIDで複数のサービスに入れる仕組み)はTeamにも含まれています。Enterpriseで差が出るのは、SCIM、監査ログ、Compliance API、カスタムデータ保持、ロールベースのアクセスなどになります。SSOだけが理由なら、Enterpriseに上げる前にTeamで足りるかを確かめてください。入退社に合わせてIDを自動で連携したい、操作の記録を書き出したい、会話を残す期間を決めたい、という会社でしたら、Enterpriseが候補に入ってきます。
TeamからEnterpriseへ移る手順も用意されています。公式ヘルプの案内では、claude.ai/upgrade でGet Enterprise planを押し、既存の組織をアップグレードする項目を選んでTeamの組織を指定する流れになります。ただし、この経路でTeamからEnterpriseへ移った組織は、元に戻せないと明記されています。試しに押してみるような気持ちで進めると取り返しがつかなくなってしまいますので、移る前に席数、支払い方法、必要な管理の機能を確かめておきましょう。
Enterpriseの費用は、席料だけでは終わりません。Enterpriseでは使用量が席料とは別の扱いで、チャットやClaude Codeなどの利用は標準のAPIレートで請求される、と説明されています。セルフサービス型では使用量をクレジットとして前払いし、営業支援型では月ごとの後払いとなります。席料だけで稟議を出してしまうと、使い始めてから予算が足りなくなることもあるでしょう。
社員50名以上で、請求書払い・監査ログ・SCIMが全部必要でしたら、営業支援型へ進む理由ははっきりしてきます。社員20〜49名でしたら、セルフサービス型で管理の機能を取るのか、Teamでカード払いを受け入れるのかを比べてみましょう。社員19名以下でしたら、Enterpriseにしかない条件がどうしても要る場合を除き、Teamか別の契約にまとめる形から考えてみてください。
個人Pro・Maxとの違い|会社で管理できる範囲
個人向けのProやMaxは、社員本人が使うぶんには手軽ですが、会社の契約として見ると管理しにくい形になります。請求も、学習に使うかどうかの設定も、退職したときの停止も、会社でまとめて扱えないためです。
料金ページの比較表を見ると、TeamとEnterpriseは、入力した内容をモデルの学習に使わないのが初めからの設定となっています。反対に個人向けのFree・Pro・Maxは、使う方が自分で設定を確かめる前提になります。社員がそれぞれの個人アカウントで仕事の情報を入れていると、全員が同じ設定になっているかを会社から確かめるのは難しくなってしまいます。
フィードバックの扱いにも気をつけたいところです。TeamとEnterpriseでも、評価ボタンなどで社員がフィードバックを送ると、その会話が学習に使われる場合があります。OwnerまたはPrimary Ownerは、Organization settingsのData and Privacyにあるチャット評価の設定で、メンバーがフィードバックを送れないようにすることが出来ます。契約したらすぐに、ここの設定を見てみてください。
個人のProやMaxを会社で立て替えていると、退職のときの止め方も本人まかせになりがちです。カードの明細は本人に届きますし、会話やプロジェクトも本人のアカウントに残ってしまいます。会社のメールアドレスで個人のProやMaxを使っていた方は、本人が移行の手続きをすると、チャットやプロジェクトをTeamの組織へ移すことが出来ます。ただし、カスタムスキルや公開したアーティファクトなどは移らないと、公式ヘルプで案内されています。
費用だけで比べると、少人数なら個人のProを人数分そろえるほうが安く見える場面もあるでしょう。それでも2人以上で使うならTeamにしておくと、メンバーの招待や外し方、席の割り当て、使われ方の確認を会社でまとめて扱えるようになります。仕事の情報を入れるなら、安さだけで個人契約を残すのは避けましょう。
会社から見えない使い方が広がってしまうと、あとから整理するのが大変になります。ClaudeだけでなくChatGPTやGeminiも個人の契約でばらばらに使われているようでしたら、野良AI(シャドーAI)の確認と、会社で使ってよい環境の案内を一緒に進めてみてください。
ばらばらの契約をあとから集めるより、最初から会社で使う環境を1つにそろえておくほうが楽になります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
API Consoleで申し込む方法|前払いクレジットと月の上限
API Consoleは、社員がClaudeのチャット画面を使うためではなく、社内ツールやサービスからClaudeを呼び出すための入口になります。画面の契約とAPIの契約を混ぜて考えると、請求や管理の話がかみ合わなくなってしまいます。
Claude APIとPlaygroundの利用料は、前払いのクレジットで支払う形です。公式ヘルプでは、APIを使う前にクレジットを買っておくこと、クレジットは購入日から1年で期限が切れること、買ったクレジットは返金されないことが案内されています。月ごとの後払いの請求書は、営業との特別な契約がある組織向けとなります。
APIには、ひと月に使える金額の上限もあります。公式ドキュメントの表では、上限はStartが月500ドル、Buildが月1,000ドル、Scaleが月200,000ドルとなっています。Custom tierの組織には月の上限がなく、担当チームと個別に条件を決める形です。新しい組織や利用の実績が少ない組織は、Evaluation tierとして標準より低い上限から始まる場合もあります。
月の上限に達すると、APIの利用は翌月1日の00:00 UTCまで止まってしまいます。日本時間では1日の午前9時まで待つことになりますので、社内システムに組み込むなら、止まったときの代わりの手順を用意しておきましょう。APIは使った分だけ払う仕組みに見えても、上限と残高を見ていないと業務が止まってしまいます。
社員10名がチャットで使うだけでしたら、API Consoleを選ぶ必要はありません。APIが向いているのは、問い合わせ対応のシステム、社内のナレッジ検索、文書処理の自動化など、アプリの側からClaudeを呼ぶ場面になります。費用は、誰がプロンプトを送るかより、どのシステムがどれだけ呼ぶかで決まると考えてみてください。
Claude Codeの扱いも、ここで分かれてきます。TeamやEnterpriseの席に含まれるClaude Codeを使うなら、席の契約の側で考えることになります。自社で作ったシステムからAPIを呼ぶ場合は、Consoleやクラウド経由の請求です。同じ開発部門の話でも、手元の端末で手伝ってもらうのか、システムに組み込むのかを分けて決めましょう。
APIを検討するときは、APIキーを誰が発行して、どこに保管し、月の上限を誰が見るのかを最初に決めてください。支払いだけを経理に渡して、キーの管理が開発者の手元に残ったままだと、退職や異動のときに止め方が分からなくなってしまいます。稟議の段階で、それぞれの責任者を1人ずつ書き出しておくと安心でしょう。
Bedrock・Vertex AI・Foundry経由|既存クラウド契約に乗せる
すでにAWS、Google Cloud、Microsoft Azureの契約がある会社でしたら、Claudeをクラウド経由で使う道もあります。請求をいつものクラウドの請求にまとめたいときや、クラウド側の認証や権限で管理したいときの候補になります。
Amazon Bedrockについては、AWSの認証・請求・セキュリティの仕組みのままClaudeのモデルを使える、とAnthropicのドキュメントで説明されています。リージョンの表を見ると、東京のap-northeast-1はGlobal・JP・In-region onlyに、大阪のap-northeast-3はGlobal・JPに対応していることが確認出来ます。Bedrockの利用料はAWS Marketplace経由で請求され、AWSの請求書に載る形となります。
Google Cloudでは、ClaudeのモデルをGoogle CloudのAgent Platform(Vertex AI)を通じて使えると説明されています。Microsoft Foundryの場合は、Claudeの利用料がAzure Marketplaceで請求される形です。Google Cloud経由の料金は、Google Cloudの生成AIの料金ページで案内されています。
もう1つ、Claude Platform on AWSという入口もあります。Amazon Bedrockとは違い、Claudeを動かす仕組みはAnthropicが運用し、AWSは認証、IAMによるアクセスの管理、AWS Marketplaceを通した請求を受け持つ形になります。セットアップで組織名、entity type、country、intended useを入れて完了すると、Anthropicの組織が作られ、同時に商用利用規約と利用ポリシーにも同意する流れになっています。
クラウド経由のよいところは、会社でいつも使っている請求・権限・予算の管理にそのまま乗せやすいことです。たとえばAWSの請求書で処理できる会社でしたら、Claudeのためだけに海外のカード決済を増やさなくて済むこともあります。請求書払いにしたいだけなら、Enterpriseの営業支援だけでなく、クラウド経由も候補に入れてみてください。
ただし、クラウド経由は、社員がclaude.aiの画面をそのまま使う契約とは別のものになります。BedrockでClaudeを使えるようにしても、社員全員にClaudeのチャット画面が配られるわけではありません。社内アプリやクラウド上の処理の流れからClaudeを呼び出す使い方が中心となります。
EnterpriseのチャットをAWS Marketplaceで調達する形も、公式ドキュメントに載っています。料金ページの比較表では、AWS Marketplace availabilityがYesになっているのは営業支援のEnterpriseだけです。この道を考えるときは、claude.aiの席を買う話なのか、APIやクラウド上のモデル利用を買う話なのかを、見積もりの件名の段階で分けて確かめましょう。
クラウドの契約に乗せると、情報システム部門の出番は増えてきます。AWSならIAM、Google Cloudならプロジェクトと権限、AzureならMarketplaceと課金の権限を見ることになります。総務や経理だけで進めるより、最初の比較の段階から情シスの方に入ってもらうほうが、結果的に早く進むでしょう。
代理店・導入支援を使うときの確認点
代理店や導入支援の会社は、Claudeの契約を楽にしてくれる場合もありますが、まずは何を売っているのかを見分けることが大切になります。特に日本では、Teamの席を円建ての請求書で買えると公式に確かめられた資料は見当たりません。
AnthropicはClaude Partner Networkという仕組みを案内していて、Claudeを市場に届ける組織であれば参加できると説明しています。ただ、日本の販売店を公式に一覧にしたページは確認出来ません。公式パートナーという言葉だけで決めずに、契約の相手、請求書の発行元、扱っている製品名を1つずつ聞いてみてください。
日本企業の発表では、野村総合研究所が2025年11月20日に、日本国内初のAnthropic認定リセラーに選ばれたと発表しています。サーバーワークスは2026年2月3日に、Anthropic認定リセラーとして、Claude in Bedrock, powered by Anthropicの全モデルのライセンス再販とAWS上の導入支援を始めたと発表しました。伊藤忠テクノソリューションズも2026年4月16日に、Amazon Bedrockを通じてClaudeを提供するリセラー契約を結んだと発表しています。いずれも各社が自社で発表した内容で、国内初という点も同社の発表によるものです。
ここで押さえておきたいのは、3社の発表がどれもAmazon Bedrock経由のClaudeの再販だということになります。代理店にまず聞きたいのは、Teamの席なのか、Bedrock経由のClaudeなのかです。答えがあいまいなまま見積もりを進めてしまうと、社員に配るチャット画面のつもりが、実際はクラウド側のモデル利用だった、という食い違いが起きてしまいます。
導入支援を頼むよさは、契約の窓口になってもらうことだけではありません。AWSの権限の設定、モデルの利用の制限、費用の見張り、社内アプリへの組み込みまで任せたい会社でしたら、支援会社に入ってもらう意味は大きいでしょう。反対に、社員数名にClaudeのチャットを配るだけなら、支援の費用のほうが契約そのものより大きくなることもあります。
見積もりを取るときは、少なくとも次の5つを確かめてみてください。契約の相手は誰か、請求書の発行元は誰か、適格請求書の登録番号は誰のものか、売っているのはTeamやEnterpriseの席かBedrock経由か、管理画面を会社が直接触れるか、の5点になります。どれか1つでも口頭だけの説明でしたら、稟議に入れる前にメールや見積書に書いてもらいましょう。
代理店を通すと、支払いが日本円になったり、導入のときに日本語で相談出来たりすることもあります。ただ、手数料や最低契約額、契約期間、サポートの範囲は会社ごとに違ってきます。値段の安さよりも、請求と管理の責任が最後にどこに残るのかを見ておきましょう。
稟議前チェックリスト|失敗しやすい順に決める
稟議に進む前に決めておく順番は、人数、支払い方法、使い方、管理の機能、請求元の5つになります。料金表だけを先に貼ってしまうと、あとから条件がひっくり返ることもあります。
最初に、Claudeを使う人数を決めましょう。2〜150席ならTeamが候補になり、151席以上はEnterpriseが候補になります。Enterpriseは、セルフサービス型で最低20席、営業支援型で最低50席です。20人に満たないのにEnterpriseを選ぶのでしたら、空いた席の分を払ってでも必要な理由を書いておいてください。
次は、支払い方法になります。カード払いが認められるなら、Teamも候補に残ります。請求書払いが欠かせない場合は、営業支援型のEnterprise、AWS Marketplaceなどのクラウド経由、または国内の法人向けサービスや支援会社が候補に入ってきます。支払い方法はあとから変える設定ではなく、入口そのものを分ける条件として扱ってください。
3つ目は、使い方を分けることです。社員がClaudeのチャット画面を使うなら、TeamかEnterpriseになります。社内システムからAPIを呼ぶなら、Consoleかクラウド経由で考えてみてください。Claude CodeはTeamやEnterpriseの席にも含まれますが、自社で作ったサービスがAPIを呼ぶなら、請求は別になります。ここを混ぜてしまうと、見積もりの細かさがそろわず、比べにくくなってしまいます。
4つ目は、管理の機能になります。SSOだけでしたら、Teamにも含まれています。SCIM、監査ログ、Compliance API、カスタムデータ保持などが必要なら、Enterpriseを見ることになります。社員が個人アカウントで作ったものをどう移すか、退職した方のアカウントをいつ止めるかも、契約の前に決めておきましょう。
最後は、請求元と社内の処理です。Anthropicからのカード請求なのか、Anthropicの請求書なのか、AWSやAzureのMarketplaceの請求なのか、代理店の請求書なのかで、経理の処理は変わってきます。インボイスや宛名の確認、為替の扱い、カード会社の手数料まで、稟議の備考に入れておきましょう。
- 利用人数を決める2〜150席ならTeam、Enterpriseセルフサービスは20席以上、営業支援は50席以上で見ます。
- 支払い方法を決めるカードでよいか、請求書払いが必須かで入口が変わります。
- チャットかAPIかを分ける社員の画面利用と、システムからのAPI呼び出しは別の請求として扱います。
- 必要な管理機能を選ぶSSOだけならTeamも候補に残り、SCIMや監査ログが要るならEnterpriseを見ます。
- 請求元を確認するAnthropic、AWS、Azure、代理店のどこから請求されるかを見積書に残します。
- 個人契約の整理を決めるProやMaxを社員が使っている場合は、移行や解約の案内まで用意します。
稟議書には、たとえば次のように書くと伝わりやすいでしょう。利用目的は社員向けのClaudeのチャット、対象はまず10席、支払いは法人カード、プランはTeam Standard、請求はAnthropicからのカード請求、管理者は総務と情シスの2名、といった形になります。APIも使うのでしたら、Claude ConsoleやAmazon Bedrockの予算として、別の行に分けておいてください。
ClaudeだけでなくChatGPTも会社で使うなら、ChatGPT法人プランの料金も横に並べると判断しやすくなります。複数のAIをまとめる考え方はマルチAI、サービスごとの料金は法人向け生成AIサービスの料金比較も参考にしてみてください。予算を1年単位で見るときは、生成AIのコスト管理で費用の棚卸しも一緒に進めましょう。
契約したあとに最初にやること|招待・役割・使われ方の確認
申し込みが済むと、すぐに全員を招待したくなるかもしれません。ただ、招待の仕方や役割を決めないまま広げると、席や請求の整理にあとから手間がかかってしまいます。Teamの最初の1か月は、招待、役割、社内ルール、使われ方の確認という順で進めてみてください。
メンバーの招待は方法を1つに決める
公式ヘルプで案内されている基本の招待は、Admin以上の方がOrganization settingsのMembersで「Add member」を押し、メールアドレス・席の種類・役割を入れる流れです。招待できるのは、組織で許可したメールのドメインのアドレスに限られます。まだ受け入れられていない招待も、その時点で席を1つ使う形です。招待は21日で期限が切れますので、送ったきりにせず、受け入れたかどうかを確かめておきましょう。
このほかに、招待リンクを共有する方法と、組織の発見を有効にしておき、同じドメインの社員がサインアップのときに組織を見つけて参加を申し込む方法も用意されています。メンバーが同僚を招待し、管理者が承認してから送られる方法も、新しい組織では初めから使える設定です。招待リンクも、新しく作ったTeamの組織では初めから使える設定で、リンクから入った方には一番下の席の種類が割り当てられます。リンクは転送されて想定外の方の手に渡ることもあるため、対象の方を絞りたいなら、リンクを止めてメールでの招待にそろえたほうが安心でしょう。リンクは管理者がいつでも無効にでき、作り直すと前のリンクは使えなくなります。
請求を見る人と招待をする人を分ける
Teamの役割には、Primary Owner・Owner・Adminと、ふだん使うメンバーの役割があります。メンバーの追加や外す操作はAdmin以上で出来ますが、請求の画面に入れるのはOwnerとPrimary Ownerだけ、と公式ヘルプに書かれています。
たとえば、契約と支払いを受け持つ総務の方をOwnerに、日々の招待や退職者の対応をする情シスの方をAdminに、と分けておくと、カードの情報に触れる方を少なく出来ます。全員を管理者にする必要はありません。役割は「誰が請求を見るか」と「誰が人の出入りを扱うか」の2つに分けて決めてください。
退職や異動のときは、Membersの一覧で該当する方のメニューから「Remove from team」を選びます。その方はすぐに使えなくなり、空いた席は別の方に回せる仕組みです。ただし、外しても契約している席の数は自動では減りません。席を減らす変更は次の更新から効く形ですので、外した人数と更新日を一緒に控えておくと、更新のときに見直しやすくなるでしょう。
社内ルールは招待メールと一緒に渡す
招待を送る前に、何を入れてよくて何を入れないか、出てきた文章を誰が確かめるか、迷ったときに誰へ聞けばよいか、の3点を1枚にまとめておきましょう。TeamやEnterpriseは入力を学習に使わないのが初めからの設定ですが、それは何を入れても安全という意味ではありません。顧客の個人情報や未公開の契約書をどう扱うかは、会社で決めておく必要があります。
ルールの中身は、AIに入れてはいけない情報と生成AIの社内ガイドラインで項目ごとに見られます。招待メールの本文にルールの置き場所を書いておくと、最初にログインした日から同じ前提で使い始めてもらえます。
使われ方はAnalyticsで月に1度見る
TeamではOwnerとPrimary Ownerが、画面左下の自分のイニシャルからAnalyticsを開いて、使われ方を確かめられます。公式ヘルプによると、週ごとに使っているメンバーの数、割り当てた席、チャットやプロジェクトの数、Claude Codeの使われ方などを見られる画面です。
月に1度はここを開いて、席を割り当てたのにほとんど使っていない方がいないかを見てみてください。使い方で迷っている方には相談の場をつくり、それでも使わない席は次の更新で減らす候補になります。Premiumの席を持つ方がどれくらい使っているかも、ここで確かめると判断がしやすいでしょう。
Claudeだけでなく、4つのAIを会社でまとめて使う
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです。月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Claudeの法人契約はどこから申し込めばよいですか?
Claude Teamは請求書払いで契約できますか?
TeamとEnterpriseは何人から契約できますか?
Claude Codeを法人で使うならTeamで足りますか?
API Consoleは法人契約として使えますか?
Amazon Bedrock経由ならClaudeの請求はどうなりますか?
国内代理店からClaude Teamの席を買えますか?
Claudeの法人契約をしたら、最初に何を設定すればよいですか?
まとめ
Claudeの法人契約は、Team・Enterprise・API・クラウド経由・代理店と入口を分けて考えると、ぐっと迷いにくくなります。社員にチャット画面を配るならTeamかEnterprise、社内システムに組み込むならAPI Consoleかクラウド経由が入口です。
Teamは2〜150席で、支払いはカードのみになります。Standardは年払いで月20ドル、月払いで月25ドル、Premiumは年払いで月100ドル、月払いで月125ドルです。席を足すとすぐ日割りで請求され、減らすほうは次の更新から効きますので、人数と更新日を先に見ておきましょう。
Enterpriseはセルフサービス型が最低20席、営業支援型が最低50席となります。請求書払いが必要なら営業支援型ですが、50席に届かない会社では使わない席の費用がかかってしまいます。SSOだけならTeamにもありますので、SCIM、監査ログ、カスタムデータ保持など、本当に必要な機能があるかを確かめてください。
API Consoleは前払いのクレジットが基本で、Start・Build・Scaleごとに月の上限があります。Bedrock、Vertex AI、Foundryなどのクラウド経由は、いつものクラウドの請求にまとめたい会社に向いています。代理店に相談するときは、Teamの席なのかBedrock経由なのか、請求書の発行元はどこかを必ず確かめましょう。
法人契約は、申し込みのボタンを押す作業よりも、どの入口を選ぶかでほとんど決まってしまいます。人数、支払い方法、チャットかAPIか、管理の機能、請求元の順に紙へ書き出して、会社の条件に合う入口を選んでみてください。ほかのAIも使う予定がありましたら、Claudeだけの契約に加えて、複数のAIを会社でまとめて使う形も並べて考えてみるとよいでしょう。
