Amazon BedrockでClaudeを使うには。使えるモデル・申し込み・Claude直契約との違い

Amazon BedrockでClaudeを使うとは、AnthropicのClaudeを、AWSのアカウントと請求のままAPIで呼び出し、自社のシステムや社内ツールに組み込むことです。社員がチャット画面で使うのが目的ならAnthropicとの直契約(TeamかEnterprise)が早く、AWSの中で自社の仕組みに組み込みたいならBedrock経由が向いています。どちらの経路でも入力は学習に使わないと各社が説明しているため、分かれ目は請求先と使える機能、そして社員に配る画面を誰が用意するかになります。料金の試算はAmazon Bedrockの料金、席の契約の詳細はClaudeの法人契約でまとめています。

※モデル・単価・機能は、2026年10月14日時点でAnthropicとAWSの公式ページを確認した内容です(いずれも各社の説明で、第三者による検証ではありません)。単価は米ドル・100万トークンあたりで、AWSの料金表に税の記載はありません。為替の換算はしていません。

Amazon BedrockでClaudeを使うとは

BedrockでClaudeを使うとは、AWSが運用する基盤の上でClaudeを動かし、自社のアプリから呼び出す形を指します。Anthropicの公式ガイドは、Bedrock上のClaudeはAWSが管理する基盤で動き、Anthropicの担当者は推論の基盤に触れられない仕組みだと説明しています。呼び出し方も、Anthropicの直接のAPIと同じ形のMessages APIで書くことができます。請求はAWS Marketplace経由となり、AWSの請求書とCost Explorerに、Amazon Bedrockではなくモデル提供元の名前で載ります。

そもそもAmazon Bedrockとは

Amazon Bedrockは、AWSが2023年9月28日に一般提供を始めた、複数の会社のAIモデルをAPIで使えるサービスです。AWSの英語の説明では、Amazon・Anthropic・DeepSeek・OpenAIなど100を超える基盤モデルに対応するとされています。Bedrockの一覧に並ぶGoogleのモデルはGemmaで、Claudeは数ある選択肢の1つという位置づけになります。Bedrockの全体像や他社のモデルの話は、Amazon Bedrockとはで詳しく扱っています。

気をつけたいのは、BedrockがAPIで呼び出す前提の作りで、Webで開いてすぐ使える社員向けの画面は契約に付いてこない点です。社員に配るなら、AnthropicのClaude Desktop on 3Pで推論先をBedrockにして各PCに設定するか、GenUなどのアプリを自社で構築することになります。どちらの方法でも、画面の配布・設定・保守は自社の仕事と考えましょう。

直契約・Bedrock経由・Claude Platform on AWSの判断表

会社がClaudeを契約する入口は、Anthropicとの直契約(Team・Enterprise・API)、AWSのBedrock経由、AnthropicがAWS上で運営するClaude Platform on AWSの3系統に分かれます。違いが出るのは、請求先、使えるモデルと機能、推論の基盤を誰が運用するか、社員のチャット画面の有無、立ち上げの手間の5つになります。

項目Claude TeamClaude EnterpriseClaude API(Console)Bedrock経由Claude Platform on AWS
買うもの社員の席(チャット画面つき)社員の席+API料金での使用量APIの利用量APIの利用量APIの利用量
請求先と払い方Anthropic。カード払い(請求書払いは不可)Anthropic。営業経由なら請求書払いも可。AWS Marketplaceでの調達も営業経由で可Anthropic。前払いのクレジット(購入から1年で失効・返金不可)AWSの請求書(AWS Marketplace経由)AWSの請求書(AWS Marketplace経由)
人数・単位2〜150人最低20席(オンライン)、最低50席(営業経由)組織単位AWSアカウント単位AWS上でAnthropicの組織を作成
社員のチャット画面あり(Web・デスクトップ・モバイル)ありなし(自社で作る)Webで開ける画面は付かない。Claude Desktop on 3PをPCに設定するか、GenUなどを自社で構築なし(API向け)
推論の基盤を運用するのはAnthropicAnthropicAnthropicAWS(Anthropicの担当者は触れられないと説明)Anthropic(認証と請求はAWS)
使えるモデル・機能の注意Fableはプレミアム席で週の枠の50%までOpus・Sonnet・Haiku・FableAnthropicの全機能Web検索・Files API・Message Batches・Admin API・Agent Skills・MCP connectorなどが使えないこの記事では個別の機能差を確認していません
管理の道具SSO、利用状況の分析、支出の管理監査ログ、SCIM、組織・利用者ごとの支出上限利用段階ごとの月の支出上限IAM、CloudTrail、CloudWatch、AWS BudgetsIAMによるアクセス制御
立ち上げの手間管理者がWebで申し込みオンラインか営業経由Consoleでクレジットを購入AWSアカウント、IAM権限、Marketplaceの支払方法、必要ならFTUフォーム組織名や利用目的を入れてセットアップし、Anthropicの商用規約に同意

※Teamの標準シートは年払いで1人月20ドル、月払いで25ドル、Enterpriseは席料が1人月20ドル(年払い)で、使用量がAPI料金で加わります(いずれも税抜)。表はAnthropicとAWSの公式説明(2026年10月14日確認)にもとづきます。

表を縦に読むと、Webで開いてすぐ使える画面が契約に付いてくるのはTeamとEnterpriseだけだと分かります。BedrockとClaude Platform on AWSはどちらもAWSの請求にまとまりますが、推論の基盤を運用するのがAWSかAnthropicかで性格が分かれます。請求をAWSにまとめつつ運営はAnthropicに任せたい場合は、Claude Platform on AWSの条件も見比べてみてください。EnterpriseのチャットをAWS Marketplaceで調達する形もあり、こちらは料金ページの比較表で営業経由の契約だけが対象と案内されています。席と画面を買う契約か、APIの利用量を買う契約か、という見方をすると迷いにくくなるでしょう。

社員10〜200名の会社での分かれ目

社員にチャットで使ってもらうのが目的なら、Teamから始めるのが手堅い選び方になります。Teamは2人から150人までの契約で、151人以上はEnterpriseへ移る形が案内されています。一方で、業務システムに要約や分類を組み込む、開発者がClaude Codeを従量で使う、という使い方が中心なら、Bedrock経由やAPIのほうが話が早く進みます。チャット用の席とシステム用のBedrockを分けて契約し、それぞれ別の予算で管理する形も取ることができます。

使えるClaudeのモデルと世代(Opus・Sonnet・Haiku)

Bedrockでは、Opus・Sonnet・Haikuの3系統に加えて、上位のFableも含めたClaudeの主なモデルが提供されています。Anthropicの公式ガイドのモデル表では、Fable 5.1・Fable 5・Opus 4.8・Opus 4.7・Sonnet 5・Haiku 4.5のアクセス欄が「Open」で、Opus 5.5・Opus 5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5は条件をAWSのコンソールで確かめる扱いです。Mythos系は検証や招待が要る限定の提供で、一般の会社がすぐ使える対象ではありません。モデルIDは anthropic. で始まる名前(例:anthropic.claude-opus-5-5)で指定します。AWSの日本語の紹介ページは掲載モデルの更新が追いついていないことがあるため、最新のモデルはモデルカードかAnthropicのガイドで確かめてみてください。

東京リージョンから使えるClaudeモデルとGlobal/国内(JP)の別

東京リージョン(ap-northeast-1)から呼び出すとき、モデルによって選べる推論の方式が違います。国内(JP)を選ぶと処理先は東京と大阪に限られ、Globalを選ぶと世界の利用可能なリージョンに振り分けられることがあります。

モデル東京から選べる方式補足
Claude Opus 5.5Global・国内(JP)AWSでの提供開始は2026年9月22日。アクセスの条件はコンソールで確認
Claude Haiku 5.5Global・国内(JP)提供開始は2026年10月7日。アクセスの条件はコンソールで確認
Claude Sonnet 5.5Globalのみ提供開始は2026年9月28日。アクセスの条件はコンソールで確認
Claude Fable 5.1Globalのみ地域を固定するエンドポイントは現在us-east-1のみ
Claude Opus 5・Sonnet 5Globalのみ
Claude Opus 4.8・Opus 4.7Global・国内(JP)bedrock-mantleの入口では東京だけで処理するIn-Regionも可
Claude Opus 4.6Globalのみ
Claude Sonnet 4.6Global・国内(JP)東京のIn-Regionは非対応
Claude Haiku 4.5Global・国内(JP)bedrock-mantleでは東京のIn-Regionも可。提供終了は早くても2026年10月16日以降で終了日は未定(2026年10月14日時点で提供中)

※AWSの各モデルカードとAnthropicの公式ガイドによります(2026年10月14日確認)。国内(JP)の推論プロファイルは、東京から送ると処理先が東京と大阪になります。

社内規程でデータを国内で処理するよう決めている会社は、この表で国内(JP)が選べるモデルから選ぶことになります。Sonnet 5.5とFable 5.1は東京からだとGlobalのみなので、データの所在を説明する場面では選び方に気をつけましょう。Opus 5.5とHaiku 5.5は国内(JP)を選べるため、新しいモデルなら全部Globalのみ、というわけではありません。

リージョンと推論プロファイル(Global・JP・In-region)

推論プロファイルとは、どのリージョンで処理するかを決める呼び出し先の指定のことです。Anthropicのガイドは地域の推論プロファイルとしてUS・EU・JP・AUを挙げ、東京はGlobal・JP・In-regionの3つ、大阪はGlobalとJPの2つに対応すると示しています。AWSの資料には、GeoとGlobalの推論プロファイルは送信元のリージョンの外へ処理を回すことがあり、単一のリージョンでのデータの所在は約束しないという趣旨の記述があります。データの所在に条件がある場合は、使うリージョンごとに推論プロファイルの情報を取得し、処理先のリージョンを全部確かめるようAWSは案内しています。稟議の資料には、選んだ方式と、処理されうるリージョンの一覧を書き添えると話が通りやすくなります。

コンテキスト長(20万トークンと100万トークン)

コンテキスト長とは、1回のやり取りでモデルが一度に読める文章の量のことです。Anthropicのモデル一覧では、Fable 5.1・Opus 5・Sonnet 5が100万トークン、Haiku 4.5が20万トークンとされています。Fable系、Sonnet 5以降、Opus 4.7以降はBedrockでも既定で100万トークンの枠で動く、というのがClaude CodeのBedrock向けガイドの説明です。長い契約書や議事録をまとめて読ませたい場合は、使うモデルがどちらの長さかを先に確かめてみてください。

Bedrock経由で使えないClaudeの機能

Bedrock経由のClaudeでは、Anthropicの直接のAPIにある機能の一部が使えません。Anthropicの公式ガイドは「Features not supported」として次の機能を挙げています。

分類Anthropicのガイドが挙げる使えない機能会社の使い方に置き換えると
サーバー側のツールWeb検索、Webページの取得、コード実行、advisor最新のニュースや他社のサイトを調べさせる使い方は、そのままでは組めない
入力の取り込み画像や文書のURL指定、Files APIファイルを一度上げて何度も使う仕組みは、自社のアプリ側で別に作る
出力の形式Structured outputs決まった形式で返す処理は、指示の書き方と検証で補う
エージェントの部品Agent Skills、MCP connector、programmatic tool calling社内ツールとの連携は、自社のアプリ側で作り込む
APIの窓口Message Batches、Models、Admin、Compliance、Usage and CostAnthropicのバッチや利用状況の集計APIは使えず、AWS側の仕組みで代える
その他Claude Managed Agents、サーバー側のフォールバック、新しいcomputer_toolset・browser_toolsetAnthropicが運営するエージェントの実行環境は使えない

※使える機能はモデルと入口(bedrock-runtime/bedrock-mantle)で異なる場合があるため、使う予定のモデルのモデルカードで確かめてください。

一方で、Messages API、プロンプトキャッシュ、Thinking(考える時間をとる機能)、Bash・Computer use・Memory・Text editorのツール、出典を示すCitationsは使えます。画面から見た違いでいえば、社員がClaudeのアプリで当たり前に使っているWeb検索やファイルの読み込みは、Bedrock経由では自社のアプリ側で用意し直すことになります。AWS側には、Bedrock自身のバッチ推論(結果はS3に保存)や、AgentCoreのWeb検索ツールなど、代わりに組み合わせられる仕組みもあります。社員がClaudeのアプリと同じ使い心地を期待すると、Bedrock経由ではずれが出ます。どの機能を自社で作り、どれを諦めるかを、試験導入の前に一覧にしておきましょう。

社員に配るまでに自社で用意するもの

BedrockでClaudeを社員に使ってもらうには、AIそのもの以外に、画面・ログイン・権限・ログ・費用の見張りを自社で組み立てる必要があります。AWSはGenUという業務向けのサンプルアプリをGitHubで公開しており、チャットや要約、議事録、翻訳などの画面を自社のAWSアカウントに作ることができます。Anthropicも、推論先をBedrockにしてClaude DesktopのChat・Cowork・Codeを使う、Claude Desktop on 3Pという配布の形を公開しています。設定はMDMなどで各PCに配り、会話の履歴は利用者の端末に保存されます。ただしどちらも配るのと直すのは自社の仕事で、GenUのREADMEにも費用は使った量によって変わると書かれています。

用意するもの中身主な担当
社員が使う画面Claude Desktop on 3Pの設定をMDMなどで配るか、GenUなどのアプリを構築して更新を続ける情シス(または外部の開発会社)
ログインと権限IAM Identity Centerなどで社員のアカウントとつなぎ、異動や退職のときに止める情シス
利用ログCloudWatchとCloudTrailへの記録、保存期間と閲覧できる人の決定情シス・総務
費用の見張りAWS Budgetsで予算と通知を設定し、毎月の請求を確認経理・総務
利用ルール入力してよい情報、出力を人が確かめる手順、問い合わせ先総務・経営者
モデルの入れ替え新しいモデルへの切り替えと、提供終了への対応情シス

社員10〜200名の会社では、表の担当欄が同じ1人に集まると、作った後の保守がその人に偏りがちです。AIを使わせたいだけなのに、画面づくりと運用の仕事まで抱えることになる点は、最初に見積もっておきたいところになります。2026年9月から10月の間だけでもOpus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5がBedrockに加わっており、モデルの入れ替えは一度きりの作業ではありません。

画面とログの仕組みを自社で作らずに配る方法もあります

Bedrockで画面と管理の仕組みを作る代わりに、会社向けの環境を契約して全員に配る方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

申し込みから最初の呼び出しまでの手順

BedrockでClaudeを使い始める手順は、AWSアカウントを用意し、権限と支払方法を整え、最初の呼び出しをするところで一区切りになります。AWSの現在の説明では、多くのモデルはAWS Marketplaceの権限があれば最初から使える状態で、初回の呼び出しで購読が自動で始まる仕組みです。

  1. AWSアカウントを用意する。Claude Code用など、用途ごとに専用のアカウントを分けると費用と権限を切り分けやすくなります
  2. IAMに、Bedrockのモデル呼び出しの権限と、aws-marketplace:Subscribe・Unsubscribe・ViewSubscriptionsの権限を付ける
  3. AWS Marketplaceに有効な支払方法を登録する
  4. bedrock-runtimeの入口(InvokeModelやConverseなど)でAnthropicのモデルを使う場合は、利用目的とWebサイトのURLを入れるFTUフォームを送る。Anthropicのガイドが案内する入口(bedrock-mantle)では不要です
  5. コンソールのモデルカタログからモデルを選び、プレイグラウンドかAPIで最初の呼び出しをする。購読が始まるまで最大15分かかります
  6. 東京から使う場合は、推論の方式(Global・国内(JP)・In-region)を決めて、使うモデルIDを固定する

モデルアクセスの有効化とユースケースフォーム(FTU)

以前のBedrockでは、モデルアクセスの画面でモデルを1つずつ申請して有効にする流れになっていました。現在のAWSの説明では、Marketplaceの権限がそろっていれば多くのモデルが既定で使える状態になっており、初回の呼び出しをきっかけに購読が始まります。Anthropicのモデルは、bedrock-runtimeの入口で初めて呼び出す前に、FTU(First Time Use)フォームで利用目的を伝える決まりがあります。FTUはAWSアカウントごとに1回で、AWS Organizationsを使っていれば管理アカウントから1回送ると子アカウントにも広がる、とClaude Codeのガイドは説明しています。AWSの資料では、bedrock-mantleの入口で呼ぶAnthropicのモデルはFTUの対象外です。

同じAWS Organizationsの中でもアカウントごとに使えるモデルが違うことがあり、AccessDeniedExceptionが続くときはAWSの営業窓口へ問い合わせるよう案内されています。IP制限をかけた権限では、初回の呼び出しを許可した送信元から行わないと購読が始まりません。自宅の回線や社外のPCから最初の呼び出しを試すと、つまずく原因になりやすいので気をつけましょう。

AWS認証の方式(IAMロール・SSO・APIキー)

Bedrockへのログインに当たる認証は、Anthropicのガイドでは3通りが示されています。推奨はBedrockのサービスロールで、次がSAMLやOIDC、IAM Identity Centerと連携できるIAMの引き受けロール(最大12時間)、最後が最大12時間のBearerトークンという順番です。Claude CodeのBedrock向けガイドでは、IAM Identity CenterのSSOプロファイル、AWSコンソールの認証情報を使うaws login、Bedrock専用のAPIキーなども選べます。BedrockのAPIキーには最大12時間の短期キーと期限を自分で決める長期キーがあり、AWSは本番では短期キー、長期キーは検証向けとしています。AWSは実データを扱う場面でIAMユーザーのアクセスキーを使わないよう警告しているので、社員に配るなら会社のアカウントでSSOする形を選びましょう。

稟議・社内申請に要る情報のチェックリスト

BedrockでClaudeを使う稟議では、技術の話と並べて、請求と責任の分担を書いておくと判断がしやすくなります。次の項目を埋めてから申請してみてください。

  • 使うAWSアカウントと請求先既存のAWSの請求に含めるか、専用のアカウントを分けるか。Claudeの料金はAWSの請求書とCost Explorerにモデル提供元の名前で載ります。
  • IAM権限を付ける人と外す人Bedrockの呼び出しと、aws-marketplace:Subscribe などの購読の権限を、誰が付けて誰が外すか。
  • AWS Marketplaceの支払方法有効な支払方法が登録されているか。登録がないと購読が始まりません。
  • FTUフォームの要否bedrock-runtimeの入口なら利用目的とWebサイトのURLを送ります。bedrock-mantleの入口なら不要です。
  • 推論の方式とデータの所在Global・国内(JP)・In-regionのどれを使うか。処理されうるリージョンを一覧にします。
  • IP制限の有無送信元を絞っている場合、初回の呼び出しをどの回線から行うか。
  • 上限と費用の見張りAWS Budgetsの予算と通知先。既定の上限(入力は毎分200万トークン)で足りるか。
  • ログの保存期間CloudWatchとCloudTrailの記録を何日残すか。Anthropicは少なくとも30日の保持を勧めています。
  • 社員に配る画面と保守の担当自社で作るか、既存のサービスを使うか。作る場合は誰が直し続けるか。

既定の上限は入力が毎分200万トークンで、Anthropicの追加の承認なしに入力は毎分500万トークン、出力は毎分50万トークンまで引き上げを申請できます。1分あたりのリクエスト数の上限はAWSのサポートに相談する形です。

料金の見積もりで間違えやすい点(Global単価と国内の1.1倍)

BedrockのClaudeは使った分だけ払う従量課金で、Globalの単価はAnthropicの直販APIと同じ、国内(JP)とIn-regionは1.1倍になります。Anthropicのガイドにも、地域を固定するエンドポイントはGlobalより10%高いと書かれています。

モデルGlobal(入力/出力)国内(JP)※In-regionは対応モデルのみ(入力/出力)Anthropic直販API(入力/出力)
Claude Opus 5.54/204.40/224/20
Claude Opus 4.8・4.75/255.50/27.50―
Claude Sonnet 52/10東京からはGlobalのみ2/10
Claude Haiku 4.51/51.10/5.501/5
Claude Fable 5.110/50東京の料金表にGlobal以外の行なし10/50

※AWS Price List(東京リージョン・2026年10月12日公開版)とAnthropicの料金表の値です。100万トークンあたりの米ドルで、税の記載はありません。Sonnet 5.5とHaiku 5.5の東京での単価は、この記事では扱っていません。「―」は直販の単価をこの記事で確認していない行です。Sonnet 5はAWSの料金表に地域固定の単価行がありますが、モデルカードでは東京からはGlobalのみです。

会社の出費に直すと、たとえばOpus 5.5で1か月に入力1億トークン・出力1,000万トークンを使った場合、Globalなら600ドル、国内(JP)なら660ドルで、差は月60ドルです。データを国内で処理する条件を付けるかどうかは、この1割の上乗せと引き換えの判断になります。AWSの料金ページには、標準のStandardのほかに、空いた時間に回すFlex、優先して処理するPriority、容量を予約するReservedの階層があります。ただしClaudeの料金表にはFlexとPriorityの列がなく、バッチの単価も載っていないモデルがあるので、使う予定のモデルの行で確かめましょう。社員数別の月額の試算はAmazon Bedrockの料金で扱っているので、あわせて見てみてください。

Teamの席と比べるなら、標準シート20人分は年払いで月400ドルとなり、席の数で決まる額で予算を組めます。従量の請求は使うほど増え、席の料金は使わない人の分もかかるので、利用が一部の人に偏るか、全員が毎日使うかで向き不向きが変わります。

データ保護|入力が学習に使われないという説明

BedrockのClaudeに入れた内容はモデルの学習に使われず、モデル提供元とも共有されない、とAWSは説明しています。AWSの日本語のFAQでも、お客様のコンテンツは基本モデルの改善に使われず、モデルプロバイダーと共有されることもない、という説明になります。モデル提供元はBedrockを動かすAWSのアカウントに入れないため、Bedrockのログや社員の入力・回答も見られない仕組みだとされています。Anthropicのガイドも、Bedrock上のClaudeのデータの扱いはAmazon Bedrockの定めに従うと明記しており、AWS側の説明を読むことになります。

ただし、保存が一切ないわけではありません。AWSのデータ保持の資料では、既定でモデルごとの保持の方針が当てはまり、安全や不正利用の防止のために保持が必要なモデルもあると説明されています。たとえばClaude Fable 5と5.1は最長30日の保持の対象で、呼び出す前にデータ保持のモードをaws_reviewに設定する必要があります。学習に使われないことと、まったく保存されないことは別なので、規程には分けて書きましょう。

直契約の場合のデータの扱い

Anthropicとの直契約でも、TeamとEnterpriseは料金ページで既定では学習に使わない扱いと示されています。APIを含む商用の製品についても、既定では入力と出力を学習に使わない、というのがAnthropicの説明です。違いが出るのは、評価ボタンなどで利用者が自分からデータを送った場合の扱いや保存期間の設定で、こちらは契約ごとに確かめることになります。Claude Codeのデータを提供するDevelopment Partner Programは直接のAPIだけが対象で、Bedrockの利用者は対象外とされています。Teamでの学習の設定はClaude Teamと学習の設定で詳しく見られます。

支出上限・利用状況・監査ログの管理

Bedrock経由では、費用の上限やログの管理をAWSの道具で組み立てることになります。費用はAWS Budgetsで予算と通知を設定できますが、AWSの説明では情報の更新は1日に最大3回で、通知を受けた後も費用は動くことがあります。通知が届いた時点で利用がすぐに止まるわけではないため、止めたい場合はIAMの権限やアプリの側で別に手当てすることになります。ログは、BedrockのClaudeがCloudWatchとCloudTrailの両方に記録を出し、Anthropicは少なくとも30日分を残すよう勧めています。一方で、Anthropicの管理用のAPI(AdminやUsage and Cost)はBedrockでは使えず、Claude Codeの分析ダッシュボードもBedrock経由の利用は集計の対象外となります。組織で共通の設定を配るClaude Codeのサーバー管理設定も、Bedrockを使う場合は適用されないとガイドに書かれています。

直契約側の管理機能

直契約では、管理の機能が契約の種類で変わってきます。Teamは料金ページの比較表で、利用状況の分析や組織・利用者ごとの支出の管理が「Yes」とされる一方、監査ログは「No」で、Enterpriseで使える機能という扱いです。Enterpriseでは管理者が組織全体と利用者ごとに支出の上限を決めることができます。APIは利用段階ごとに月の支出上限があり、たとえばStartは500ドル、Buildは1,000ドルで、上限に達すると翌月1日の協定世界時0時まで利用が止まります。監査ログで追える中身はClaude Enterpriseの監査ログで詳しく扱っています。

Bedrock Guardrails(入出力のフィルター)

Bedrock Guardrailsは、AIへの入力とAIの回答に、会社で決めたフィルターをかけるBedrockの機能になります。AWSの説明では、有害な内容の遮断、話題の拒否、特定の単語、機微な情報、回答の根拠の確認、Automated Reasoningによる検査のフィルターを組み合わせられます。Claude Codeでも、コンソールでGuardrailを作って版を公開し、その識別子と版を設定ファイルのヘッダーに書けば適用できます。クロスリージョンの推論プロファイルを使う場合は、Guardrail側でもクロスリージョン推論を有効にする必要があるとガイドは注意しています。個人情報の入力をアプリの側で止めたい会社には、自社で1から作らずに使える部品として役立つでしょう。ただしAWSのモデルカードでは、bedrock-mantleの入口だとOpus 5.5・Sonnet 5・Haiku 4.5でGuardrailsが使えないとされ、新しいアプリにはbedrock-runtimeの入口が勧められています。どの言葉を止めるかを決めて見直していく仕事も、自社に残ります。

Claude Code・Claude CoworkをBedrockにつなぐ設定

Claude Codeは、Anthropicのガイドに沿ってBedrockへつなぐと、AWSの請求でコーディング用のAIエージェントを使うことができます。手早いのは、Claude Codeを起動してログイン画面で3rd-party platformからAmazon Bedrockを選び、ウィザードに沿って認証の方法、リージョン、使うモデルを決める方法です。手動で設定する場合は、環境変数の CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1 と AWS_REGION を指定します。社員に配るなら、モデルIDを固定する設定を入れて、全員が同じモデルの版を使うようにしておきましょう。

東京などap-で始まるリージョンでは、モデルIDの頭に付く接頭辞が既定でapac.になるとガイドの表に書かれています。国内(JP)で処理したい場合は、jp. で始まるモデルIDを固定しておくと確実になります(ANTHROPIC_BEDROCK_REGION_PREFIX=jp は優先の指定で、jp. が無いモデルは別の方式に切り替わることがあります)。Bedrock経由のClaude CodeではWebSearchツールが使えず、ログアウトの /logout コマンドもありません。100万トークンの枠はFable系、Sonnet 5以降、Opus 4.7以降で既定となっていて、20万トークンに抑えたいときは CLAUDE_CODE_DISABLE_1M_CONTEXT=1 を設定します。

ガイドは費用の追跡と権限の管理を簡単にするため、Claude Code専用のAWSアカウントを作るよう勧めています。IAMには、モデルの呼び出しと推論プロファイルの参照、Marketplaceの購読の権限が要り、bedrock-mantleの入口を使う場合はbedrock-mantle:CreateInferenceなどの別の権限も必要になります。

Claude Coworkについて

Claude Coworkは、有料プランで使える業務向けのエージェント機能です。Anthropicが公開しているClaude Desktop on 3Pで推論先をAmazon Bedrockにすると、CoworkもBedrock経由で使えます。Bedrockを推論先にした場合、会話の内容(入力・回答・ファイル)は推論先と端末にだけ送られ、Anthropicには送られないと説明されています。社員のPCへの配布と設定は、MDMなどを使って自社で受け持つことになります。席の契約でClaude Codeを使う場合の管理は、Claude Codeの法人利用でまとめています。

導入支援・リセラー経由の契約

BedrockのClaudeは、AWSに直接申し込むほか、Anthropicの認定リセラーを通して買う道もあります。国内では、野村総合研究所が2025年11月20日に日本国内初のAnthropic認定リセラーに選ばれたと発表し、Amazon Bedrock向けの認定リセラープログラムを結んだとしています。サーバーワークスは2026年2月3日、Anthropicの認定リセラーとしてClaude in Bedrockの全モデルの再販と、AWS上での導入支援を始めたと発表しました。伊藤忠テクノソリューションズも2026年4月16日に、Amazon Bedrock向けのリセラー契約をAnthropicと結び、Bedrockを通じてClaudeを提供すると発表しています。

いずれも各社の自社発表で、対象はBedrock経由のClaudeです。claude.aiの席の契約であるTeamやEnterpriseとは別の話になります。Anthropicは、Claudeを市場に届ける組織なら無料で参加できるClaude Partner Networkも設けています。リセラーを選ぶ場合は、支払い方法、構築をどこまで手伝ってもらえるか、モデルの切り替えへの対応を見積もりの段階で聞いてみてください。

結局どちらを選ぶか|会社の状況別の決め方

社員にClaudeを使ってもらうのが目的ならAnthropicとの直契約、自社の仕組みに組み込むのが目的ならBedrock経由、というのが基本の分け方になります。

会社の状況向く入口理由
社員がチャットで文章作成や要約に使いたいClaude Team(監査ログが要るならEnterprise)画面とアカウントの管理が付いてくる
AWSで業務システムを動かしていて、そこにAIを組み込みたいBedrock経由請求・権限・ログをAWSの仕組みにまとめられる
データを国内で処理する条件があるBedrock経由(国内(JP)が選べるモデル)処理先を東京と大阪に絞れる。単価は1.1倍
開発者がClaude Codeを使うTeamの席、またはBedrock経由席の枠で使うか、従量でAWSに請求するか
AWSの請求にまとめたいが、運営はAnthropicに任せたいClaude Platform on AWS認証と請求はAWS、運営はAnthropic
Claude以外のAIも含めて社員全員に配りたい会社向けの統合サービスを検討AIごとの席の契約や、画面の自作を避けられる

表の最後の行のように、Claudeだけでなく複数のAIを全員に使わせたい場合、Bedrockで1から画面を作るか、席の契約をAIごとに重ねるかでは、作る手間か席の費用のどちらかが膨らみます。複数のAIを1つの環境で使う方法はマルチAIで、AIごとの得意分野は主要4AIの違いと使い分けで整理しています。会社で安全に使うには、社員への配布、利用ログの管理、学習させない設定、AIの使い分けのルールの4つを、どの入口でも誰が受け持つかを決めておきましょう。ルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方を参考にしてみてください。

Claudeを含む4つのAIを、自社で作らずに全員へ

UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの画面で切り替えて使える法人向けサービスです。基盤はAWSの日本リージョンで稼働し、管理者ダッシュボードで利用ログ・権限・モデルのON/OFFを管理できます。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。

UPGEAR AIの詳細を見る

よくある質問

Amazon BedrockのClaudeとは何ですか?
AnthropicのClaudeを、AWSのアカウントと請求のままAPIで呼び出せる形のことです。推論の基盤はAWSが運用し、料金はAWS Marketplace経由でAWSの請求書に載ります。Webで開いてすぐ使える画面は契約に付かないため、配る場合はClaude Desktop on 3Pを各PCに設定するか、GenUなどのアプリを自社で構築します。
BedrockのClaudeは日本国内だけで処理できますか?
東京リージョンから国内(JP)の推論プロファイルを選べるモデルなら、処理先は東京と大阪になります。2026年10月14日時点では、Opus 5.5、Haiku 5.5、Opus 4.8、Opus 4.7、Sonnet 4.6、Haiku 4.5が国内(JP)を選べます。Sonnet 5.5やFable 5.1は東京からだとGlobalのみで、国内(JP)を選んだ場合の単価はGlobalの1.1倍です。
モデルアクセスの申請はもう要らないのですか?
AWSの現在の説明では、Marketplaceの権限と支払方法がそろっていれば多くのモデルは既定で使え、初回の呼び出しで購読が始まります。Anthropicのモデルをbedrock-runtimeの入口で使う場合はFTUフォームの送信が要り、bedrock-mantleの入口では不要です。一部のモデルはアカウント単位の追加のアクセスが必要なため、コンソールで条件を確かめてください。
BedrockのClaudeとAnthropicのAPIでは料金が違いますか?
Globalの単価は同じで、国内(JP)とIn-regionは1.1倍です。たとえばOpus 5.5は、Globalが入力4ドル・出力20ドル、国内(JP)が入力4.40ドル・出力22ドル(いずれも100万トークンあたり、税の記載なし)です。社員数別の試算はAmazon Bedrockの料金の記事で扱っています。
BedrockのClaudeでWeb検索は使えますか?
Anthropicの公式ガイドでは、Web検索やWebページの取得はBedrockで使えない機能に挙がっています。Bedrock経由のClaude CodeでもWebSearchツールは使えません。調べものをさせたい場合は、AWS側のAgentCoreのWeb検索ツールなどを組み合わせる方法があります。
社員50人の会社なら、Claude TeamとBedrock経由のどちらが向いていますか?
社員がチャットで使うのが中心ならTeamが向いています。標準シートを50人分年払いで契約すると月1,000ドル(税抜)です。業務システムへの組み込みや、データを国内で処理する条件があるならBedrock経由が向いており、その場合は画面・ログイン・ログを自社で用意します。
Bedrockで入力した内容は学習に使われますか?
AWSは、Bedrockの入力と出力をモデルの学習に使わず、モデル提供元とも共有しないと説明しています。ただし保存がまったくないわけではなく、Claude Fable 5と5.1は最長30日の保持の対象です。学習と保存は分けて社内規程に書くことをおすすめします。

まとめ

Amazon BedrockでClaudeを使うとは、AWSの請求と権限の仕組みのまま、APIでClaudeを自社のシステムに組み込むことです。社員がチャット画面で使う目的ならAnthropicとの直契約のTeamやEnterpriseが早く、業務システムに組み込む目的ならBedrock経由が合います。東京からは、Opus 5.5やHaiku 5.5などは国内(JP)を選べる一方、Sonnet 5.5とFable 5.1はGlobalのみとなります。

Claudeを複数人で使うときの費用は、Claude Teamの料金で人数別に整理しています。

見積もりでは、Globalの単価は直販と同じで、国内(JP)とIn-regionは1.1倍になる点を押さえておきましょう。Bedrock経由ではWeb検索やFiles API、AnthropicのAdmin APIなどが使えず、Webで開いてすぐ使える画面も契約に付きません。社員に配るならClaude Desktop on 3PをPCに設定するかGenUなどを構築し、ログや費用の見張りとあわせて自社で受け持ちます。申し込みでは、IAMの権限、Marketplaceの支払方法、FTUフォームの要否、IP制限と初回の呼び出しの送信元を稟議の段階で確かめておくと、つまずきが減ります。

法人のAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧をご覧ください。