Amazon Bedrockの料金。社員数別の月額試算と東京リージョンの単価の見方

Amazon Bedrockの料金とは、AWSの生成AIサービスであるAmazon Bedrockで、ClaudeやAmazon Novaなどのモデルを呼び出した量に応じて支払う費用のことです。結論から言うと、日常の質問に使う前提なら社員50名のモデル代は軽量モデルで月数百円から1万円台、Claude Opus 5で月5万円台で、費用を大きく左右するのはモデルの選び方と、社員向けの画面や管理の仕組みの用意です。この記事では、2026年9月17日に確認した公式の単価をもとに社員10・50・100・200名の月額を円で試算し、東京リージョンで単価が1.1倍変わる条件、追加費用、使いすぎを防ぐ設定の注意点を整理します。

Amazon Bedrockとは|使えるモデルと料金の決まり方

Amazon Bedrockは、複数の会社の生成AIモデルを、AWSの上で同じ呼び出し方で使えるようにするサービスです。AWSのよくある質問では、主要なAI企業の基盤モデル(大量のデータで事前に学習させた汎用のAIモデル)を選んで使え、生成AIアプリケーションの構築に必要な機能をそろえたフルマネージドのサービス(サーバーの用意や保守をAWS側が担う形)と説明されています。

料金はモデルごと、使い方ごとに別々に決まります。AWSの料金ページには「料金はモダリティ、プロバイダー、モデルによって異なる」という趣旨の記載があり、同じClaudeでも、モデルの世代や呼び出す地域、処理の方式によって単価が変わります。月額の固定料金はなく、使った量に応じた請求が基本です。

Bedrockで使える主なモデル提供元

2026年9月17日時点の英語版料金ページには、AWS自身のAmazon Nova・Amazon Titanのほか、Anthropic(Claude)、OpenAI、Google、Meta、Mistral AI、Cohere、DeepSeek、xAI、Qwen、Stability AIなど、20近い提供元の料金の節があります。

社内で文章作成や要約に使う場合、候補に挙がりやすいのはClaudeとAmazon Novaです。この記事では、この2系統の単価を中心に扱います。ChatGPT系のAPI料金はChatGPT APIの料金、Microsoftのクラウドから使う場合はAzure OpenAIの解説、GeminiはGemini APIの料金で整理しています。

料金の仕組み|入力トークンと出力トークンで単価が違う

Bedrockの文章系モデルは、AIに渡した量(入力)とAIが返した量(出力)を、それぞれトークンという単位で数えて課金します。単価は100万トークンあたりの米ドルで表示され、出力の単価は入力より高く設定されています。たとえばClaude Sonnet 5は入力2ドル・出力10ドルで、出力は入力の5倍です。

トークンは、AIが文章を処理するときの区切りの単位です。入力には質問文だけでなく、貼り付けた資料、システム側の指示文、それまでの会話履歴も含まれ、会話を続けるほど毎回の入力は増えます。

トークンの目安と月額の計算式

月額は、次の式で計算できます。

月額(米ドル)=月の入力トークン数÷100万×入力単価+月の出力トークン数÷100万×出力単価

日本語の文字数が何トークンになるかは、AWS・Anthropicの公式資料で換算の目安を確認できませんでした。この記事の試算は文字数ではなくトークン数を前提に置いています。実際の量は、小規模に試して請求の明細から逆算するのが確実です。

※この記事の単価はすべて、AWSの料金ページと、AWSが公開している価格表(AWS Price List)で2026年9月17日に確認した米ドル建ての金額です。料金ページ・価格表のどちらにも税込・税別の記載がないため、この記事の金額に消費税は足していません。

課金方式の違い|オンデマンド・バッチ・Reserved・プロビジョンドスループット

ふだん社員が使う形なら、申し込み不要で使った分だけ払うオンデマンドのStandard階層で足ります。それ以外の方式は、急がない大量処理や、決まった処理能力を確保したい場合の選択肢です。

Standard・Priority・Flex(オンデマンドの階層)

AWSの料金ページはStandard、Flex、Priority、Reservedの階層に対応すると説明しています。AWSのドキュメントによると、階層を指定しない呼び出しはStandardで処理されます。

  • Standard:通常の単価。すべての基盤モデルで使えるとAWSは説明しています
  • Priority:処理の順番で優先される階層。料金ページの注記ではStandardより75%高い単価。AWSの説明では、対応モデルの多くで出力の速さが最大25%向上するとされます(AWSの自己申告で、第三者の検証ではありません)
  • Flex:混雑時はStandardの後に処理される代わりに、料金ページの注記ではStandardより50%安い単価です

ただし2026年9月17日時点で、Priority・Flexの表があるのはAmazon Novaなど一部の節で、Claudeの節にはありません。Claude Fable 5.1のモデルカード(AWSのモデル別仕様ページ)でも、対応する階層はStandardのみです。

バッチ(オンデマンド比50%安い)

バッチは、大量の依頼をまとめて送り、結果を後から受け取る方式です。日本語版の料金ページは、対象の基盤モデルをオンデマンドより50%低い料金でバッチ推論に提供していると説明しています。Claude Opus 5のバッチ単価(Global)は入力2.50ドル・出力12.50ドルで、通常の半額です。一方、Claude Fable 5.1、Claude Fable 5、Claude Sonnet 5はバッチの欄がN/A(掲載なし)です。社員がその場で答えを待つチャット用途には向かず、夜間に大量の文書を分類するような処理向けです。

Reserved(1か月・3か月の予約)

Reserved階層は、1分あたりに処理できるトークン数(TPM)を1か月または3か月予約し、1,000TPMあたりの時間単価で月ごとに払う方式です。AWSのドキュメントでは、最低でも入力10万TPM・出力1万TPMの予約が必要で、申し込みはAWSのアカウント担当者経由です。超えた分はStandardに回り、予約は削除するまで請求が続きます。

最低量で予約した場合の月額を、1日24時間×30日で単純計算すると、Claude Haiku 4.5(Global・1か月)で入力4,320ドル+出力2,160ドル=6,480ドル、Claude Sonnet 4.6(同)で19,440ドルになります。社員数十名の日常利用をオンデマンドで払う場合とは桁が違い、常時大量に処理するシステム向けの方式です。

※Reservedの単価が掲載されているClaudeはOpus 4.6、Opus 4.5、Sonnet 4.6、Sonnet 4.5、Haiku 4.5で、Fable 5.1・Opus 5・Sonnet 5の掲載はありません(2026年9月17日確認)。

プロビジョンドスループット

プロビジョンドスループットは、モデルの処理能力を専用に確保する契約です。Claudeについて料金ページは金額を載せておらず、アカウントチームに問い合わせるよう案内しています。後述するカスタマイズしたモデルを動かすときに必要になる場合があります。

モデル別の単価比較|ClaudeとAmazon Nova

単価は、軽量モデルと上位モデルで大きく開きます。Claudeの中でも、Haiku 4.5とFable 5.1では入出力とも10倍の差があり、Amazon NovaのLiteはさらにその下の水準です。

Claudeの単価(東京リージョン・100万トークンあたり)

モデル入力(Global)出力(Global)入力(Geo・In-region)出力(Geo・In-region)キャッシュ読み込み(Global)
Claude Fable 5.110ドル50ドル東京からは非対応東京からは非対応0.25ドル
Claude Opus 55ドル25ドル東京からは非対応(料金表には行あり)東京からは非対応(料金表には行あり)0.50ドル
Claude Sonnet 52ドル10ドル東京からは非対応(料金表には行あり)東京からは非対応(料金表には行あり)0.20ドル
Claude Sonnet 4.63ドル15ドル3.30ドル16.50ドル0.30ドル
Claude Haiku 4.51ドル5ドル1.10ドル5.50ドル0.10ドル

ここに挙げたClaudeの単価は、東京リージョン(ap-northeast-1)と米国東部(バージニア北部)で同じです(米国東部ではOpus 5・Sonnet 5・Fable 5.1もGeoを選べます)。モデルの位置づけと使い分けはClaudeの料金、上位モデルのFableについてはClaude Fableの解説で詳しく扱っています。

Amazon Novaの単価(100万トークンあたり・Standard)

モデル方式東京 入力東京 出力米国東部 入力米国東部 出力
Nova MicroGeo・In-region0.042ドル0.168ドル0.035ドル0.14ドル
Nova LiteGeo・In-region0.072ドル0.288ドル0.06ドル0.24ドル
Nova 2 LiteGlobal0.36ドル3.01ドル0.30ドル2.50ドル
Nova ProGeo・In-region0.96ドル3.84ドル0.80ドル3.20ドル

Claudeと違い、Amazon Novaは東京の単価が米国東部の約1.2倍です。また、Nova Premierは東京リージョンの価格表に行がなく、Nova MicroとNova LiteにはGlobalの行がありません(2026年9月17日確認)。

※Novaのキャッシュ読み込みは、料金ページの注記でオンデマンドの入力単価より75%安いとされています。

リージョンで単価が変わる|東京リージョンとGlobal・Geoの選び方

東京リージョンからClaudeを使うとき、料金表のどの列が当てはまるかは、処理をどこまで広い範囲に振り分けてよいかで決まります。処理を地域内に留めたい会社は、Geoに対応したモデルを選び、Global列より1.1倍高い列で見積もる必要があります。

Globalと、Geo・In-regionの違い

Bedrockには、呼び出したリージョン以外にも処理を振り分けるクロスリージョン推論があり、AWSのドキュメントは2種類を比べています。Geoは米国・EU・アジア太平洋といった地理的な範囲の中で処理し、料金は標準で、データの所在に規制がある組織向けです。Globalは世界中の対応する商用リージョンで処理し、AWSの説明では約10%の節約で、コスト優先の組織向けです。

実際の料金表では、ClaudeはGlobalの単価が基準で、Geoと、呼び出したリージョン内で処理するIn-regionの単価がその1.1倍です。Claude Sonnet 4.6ならGlobalが入力3ドル・出力15ドル、Geo・In-regionが入力3.30ドル・出力16.50ドルです。

後述の試算(社員50名・Claude Sonnet 4.6)では、Globalで月約32,550円、Geo・In-regionで月約35,805円と、同じ使い方でも列の選び方だけで月約3,255円変わります。処理の場所を取引先に説明する必要がある会社ほど、見積もりの段階で列を決めておきましょう。

Claude Fable 5.1・Opus 5・Sonnet 5は東京・大阪からGlobalのみ

AWSのモデルカード(モデル別の仕様ページ)では、東京リージョンと大阪リージョン(ap-northeast-3)から呼び出すとき、Claude Fable 5.1・Opus 5・Sonnet 5はGlobalのみの対応で、In-regionとGeoは非対応です。東京・大阪からGeoを選べるのは、Claude Haiku 4.5・Sonnet 4.6など一部のモデルです(2026年9月17日確認)。Haiku 4.5・Sonnet 4.6のGeo(日本)の処理先は東京と大阪で、東京だけで完結するわけではありません。料金表には東京のOpus 5・Sonnet 5のGeoの行もありますが、使えるかどうかはモデルカードで判断します。処理を地域内に留めたい会社は、使うモデルの対応状況をモデルカードで確かめてから設計してください。

日本語の料金ページより英語版で確認する

最新モデルの単価は、英語版の料金ページ(aws.amazon.com/bedrock/pricing/)で確認してください。2026年9月17日時点で、日本語版にはClaude Fable 5.1とClaude Mythos 5.1の行がまだありません。

社員数別の月額試算|10・50・100・200名でいくらになるか

日常の質問や文章の手直しに使う程度であれば、上位モデルのClaude Opus 5でも社員50名で月約5万円台、軽量モデルなら月数百円から1万円前後に収まる計算です。ただし、長い資料を貼り付けて読ませる使い方が増えると、同じ人数でも月額は4倍近くに増えます。

試算の前提

  • 1ドル=155円で計算した場合(2026年9月16日の公開レートをもとに設定)
  • 1人が1日10回使い、月20日使う(1人あたり月200回)
  • 使い方A(日常の質問・文章の手直し):1回あたり入力3,000トークン・出力800トークン
  • 使い方B(資料を貼り付けて要約・確認):1回あたり入力20,000トークン・出力1,500トークン
  • 東京リージョンの単価。社員全員が同じ量を使う。キャッシュ・バッチの割引、消費税、AWSのほかのサービスの料金、画面の開発費は含めない

使い方A:日常の質問・文章の手直し(月額・円)

モデル(東京・方式)1人あたり10名50名100名200名
Nova Lite(Geo・In-region)約14円約138円約692円約1,384円約2,768円
Nova 2 Lite(Global)約108円約1,081円約5,406円約10,813円約21,626円
Claude Haiku 4.5(Global)約217円約2,170円約10,850円約21,700円約43,400円
Claude Sonnet 5(Global)約434円約4,340円約21,700円約43,400円約86,800円
Claude Opus 5(Global)約1,085円約10,850円約54,250円約108,500円約217,000円
Claude Sonnet 4.6(Global)約651円約6,510円約32,550円約65,100円約130,200円
Claude Sonnet 4.6(Geo・日本)約716円約7,161円約35,805円約71,610円約143,220円
Claude Fable 5.1(Global)約2,170円約21,700円約108,500円約217,000円約434,000円

1人あたりの月の量は、入力60万トークン・出力16万トークンです。計算例として、Claude Sonnet 5(Global)は60万÷100万×2ドル+16万÷100万×10ドル=2.80ドルで、155円を掛けて1人あたり約434円になります。Geoに対応したモデルをGeoで見積もる場合は、そのモデルのGlobalの金額の1.1倍です。

使い方B:資料を貼り付けて読ませる(月額・円)

モデル(東京・方式)1人あたり10名50名100名200名
Claude Haiku 4.5(Global)約853円約8,525円約42,625円約85,250円約170,500円
Claude Sonnet 5(Global)約1,705円約17,050円約85,250円約170,500円約341,000円
Claude Opus 5(Global)約4,263円約42,625円約213,125円約426,250円約852,500円
Claude Fable 5.1(Global)約8,525円約85,250円約426,250円約852,500円約1,705,000円

使い方Bで1人あたりの月の量は、入力400万トークン・出力30万トークンです。

試算の読み方:実際の利用は一部の人に集中しがちで、ドル建てのため為替でも円の月額は動きます。この表はモデルの選び方で桁が変わることを確かめる目安とし、正式な予算は小規模に試した実績から組み立ててください。AI利用の費用全体の考え方は生成AIのコスト管理でも整理しています。

モデル以外にかかる追加費用|ナレッジベース・エージェント・ガードレール

Bedrockの請求は、モデルのトークン代だけでは終わりません。社内資料を検索させる、不適切な入出力を止める、作業を自動で進めさせるといった機能を足すと、それぞれに別の料金がかかります。

Knowledge Bases(社内資料の検索・RAG)

社内資料を検索して回答の根拠に使う仕組みはRAG(検索拡張生成)と呼ばれます(RAGとは)。英語版料金ページのマネージド型ナレッジベースの料金は次のとおりです。

インデックスの保存は元データ1GBあたり月5.00ドル、通常の検索(Retrieve API)は1,000回あたり1.00ドルです。マネージドの解析・埋め込み・並べ替えは0ドルですが、自分で選んだモデルを使うと追加料金がかかります。

資料2GBを登録し、月1万回検索すると、保存10ドル+検索10ドルで月20ドル(1ドル=155円で計算した場合、約3,100円)です。このほかに、検索で見つけた文章はモデルへの入力に足されるため、トークン代も増えます。

Guardrails(入出力のフィルター)

Guardrailsは、有害な内容のフィルター、話題の制限、機密情報の検出などを入出力に掛ける機能で、テキスト単位で課金されます。1テキスト単位は最大1,000文字で、5,600文字の入力なら6単位と数えます。

単価は、コンテンツフィルターと禁止トピックが1,000テキスト単位あたり各0.15ドル、機密情報フィルターが0.10ドルで、正規表現による機密情報フィルターと単語フィルターは無料です。

月1万回、質問と回答がそれぞれ1,000文字以内の場合、1回2単位で月2万単位です。コンテンツフィルターと禁止トピックを両方掛けると、2万÷1,000×(0.15+0.15)=6ドル(約930円)になります。

エージェント(AgentCore)

AIに複数の手順を自律的に実行させるエージェントは、Amazon Bedrock AgentCoreという別の料金ページで、前払いや最低料金のない従量制と案内されています。たとえば実行環境(Runtime)は1vCPU時間あたり0.0895ドル、Web検索は1,000クエリあたり7ドルです。

社員向けの画面を自作する場合にかかる費目

Bedrockの料金ページに載っているのはモデルと機能の利用料で、社員に配るチャット画面や社員アカウントの管理は含まれていません。社員に配るには、次の費目が別に発生します。金額は会社の要件と体制で大きく変わるため、見積もりを取る際の抜け漏れ確認に使ってください。

  • チャット画面の開発添付やモデル切り替えを付けるほど開発範囲が広がります。
  • 社員のログインと権限退職・異動のときに誰が止めるかまで設計します。
  • 会話履歴と利用ログの保存保存先のデータベースやストレージにも料金がかかります。
  • 運用と保守モデルの世代交代への追随、障害と問い合わせの対応の工数です。
  • 使いすぎを止める仕組み予算アラートだけでは利用は止まりません。

モデルのカスタマイズ・ファインチューニングの費用

自社のデータでモデルを追加学習させるファインチューニングは、学習・保存・利用の3つで費用がかかります。社員の日常利用が目的なら、まずRAGで社内資料を参照させるほうが費用の見通しを立てやすくなります。英語版料金ページで示されている構成は次のとおりです。

  • 学習:Amazon Novaの場合、教師あり学習(SFT)は1,000トークンあたり、強化学習(RFT)は時間あたりの課金。学習トークン数は、学習データのトークン数×エポック数(繰り返し学習させる回数)
  • 保存:カスタマイズしたモデル1つごとに月額の保存料金
  • 利用:効率的な学習手法で作ったモデルはプロビジョンドスループットかオンデマンド、全パラメータを調整したモデルはプロビジョンドスループットのみ

料金ページは、カスタムモデルの利用価格はベースモデルと同じと説明しています。ただしプロビジョンドスループットは処理能力を確保する時間単位の料金のため、使う量が少ない会社ほど割高になりやすくなります。

コストを抑える方法|モデルの使い分け・キャッシュ・バッチ・出力上限

費用を大きく左右するのは、どのモデルを標準にするかです。試算のとおり、Claude Haiku 4.5とClaude Fable 5.1では同じ使い方で10倍の差が出るため、用途に合わせた使い分けが効果の大きい節約になります。

用途でモデルを使い分ける

定型の要約や言い換えは軽量モデル、込み入った判断や長い資料は上位モデルというように、既定を軽いモデルにして必要なときだけ切り替えるのが基本です。なおAnthropicは、Claudeの上位モデルの中ではまずOpus 5から始め、足りないときにFable 5.1を使うよう案内しています。使い分けの考え方はマルチAIの解説にまとめています。

プロンプトキャッシュを使う

毎回同じ指示文や資料を送る場合、プロンプトキャッシュを使うと、キャッシュから読み込んだ部分は安い単価で請求されます。Claude Sonnet 5の場合、通常の入力2ドルに対しキャッシュ読み込みは0.20ドルで10分の1、Claude Fable 5.1は10ドルに対し0.25ドルで40分の1です。

ただしキャッシュへの書き込みは通常の入力より高く、Claude Sonnet 5なら5分保持で2.50ドル、1時間保持で4ドルです。有効期間は読み込まれるたびに延長されるため、同じ資料を短い間隔で繰り返し使う処理ほど効果が出ます。

急がない処理はバッチに回す

夜間にまとめて処理してよい作業は、バッチ単価のあるOpus 5・Sonnet 4.6・Haiku 4.5で回すと費用が半分になります。

出力の長さに上限を設ける

Claudeでは出力が入力の5倍の単価なので、必要以上に長い回答を返させないことも効きます。自作の画面であれば、1回の回答の長さに上限を設ける、箇条書きで短く答えるよう指示文に書く、といった設定をアプリ側に組み込みます。

使用量の監視と予算アラート|AWS Budgetsは利用を止めない

AWSの予算管理機能であるAWS Budgetsは、使った金額が設定額を超えたとき、または超えそうなときに知らせる機能です。通知を受け取っても、Bedrockの利用そのものは止まりません。

AWS Budgetsで設定する項目

AWSのドキュメントで説明されている、Bedrockの使いすぎに気づくための主な設定項目は次のとおりです。

  • 予算額:月別のコスト予算に固定の目標金額を設定する(使用量で追う使用量予算もある)。試算した月額に余裕を持たせた額が目安です
  • しきい値:実際に発生した金額と、発生する前の予測額のどちらでも通知の条件にできる
  • 通知先:メールアドレス、Amazon SNSのトピック、またはその両方
  • アクション(任意):しきい値に達したときに実行する処理

予算の監視と通知は無料です。アクションを付けた予算は月に2つまで無料で、3つ目からは1つにつき1日0.10ドルかかります。

通知は遅れて届く

AWSのドキュメントによると、予算の情報は1日に最大3回、通常は前回から8〜12時間後に更新されます。利用から請求への反映にも時間差があり、通知が届く前にしきい値を超えたり、通知後も金額が動き続けたりすることがあると説明されています。

止めるには別の仕組みが要る

AWS Budgetsのアクションでは、しきい値に達したときにカスタムのIAMポリシー(AWSの操作権限の設定)を自動で適用できます。AWSが例に挙げているのは、追加のリソースの作成を拒否するポリシーです。Bedrockの呼び出しを止める目的で使う場合は、どの権限を拒否するかを自社で決めて動作を検証する必要があり、更新の遅れもそのまま残ります。

確実に上限で止めたい場合は、自作の画面側で社員ごと・部署ごとの利用量を数え、上限に達したら呼び出さない判定を組み込むことになります。

CloudWatchの請求アラーム

Amazon CloudWatchの請求アラームも使えます。AWSのドキュメントでは、推定請求額は1日に数回送られ、アラームは現在の請求額がしきい値を超えたときだけ作動し、月の途中の利用からの予測は使いません。予測で早めに気づくならAWS Budgets、すでに発生した推定請求額のしきい値超えを検知するならCloudWatch、と役割が分かれます。

通知だけで終わらせず、上限で利用が止まる環境にしておく

予算アラートは超えたことを知らせるだけで、社員の利用そのものは続きます。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

始め方と無料で試せる範囲

Bedrockには、毎月一定量まで無料といった専用の常時無料枠は、無料利用枠のページにも料金ページにも記載がありません(2026年9月17日確認)。無料で試せるのは、新しくAWSアカウントを作ったときにもらえるクレジットの範囲です。

新規アカウントのクレジット

AWSの無料利用枠ページによると、新規アカウントには100ドル分のクレジットがすぐ付与され、主要なサービスを試すと最大100ドル分が追加され、6か月で最大200ドルになります。無料プランのアカウントは開設から6か月後か、クレジットを使い切った時点の早いほうで閉じ、有料プランに切り替えない限り料金は発生しません。Bedrockは無料・有料どちらのプランでもクレジットで使えると案内されていますが、無料プランで使えるモデルの範囲はこのページからは確認できませんでした。

試算の使い方A(1人あたり月約2.80ドル、Claude Sonnet 5・Global)であれば、100ドルのクレジットで数名が数か月試せる計算になります。

始めるまでの流れ

  1. AWSアカウントを作成する
  2. AWSのマネジメントコンソールでAmazon Bedrockを開く
  3. プレイグラウンド(コンソール上で対話形式にモデルを試せる画面)で、候補のモデルに自社の文章を入れて比べる
  4. 使うモデルが決まったら、APIで自社のアプリケーションに組み込む

この流れはAWSのよくある質問の案内に沿っています。なお、Claude Fable 5.1を使うには、Data Retention APIで保持モードをaws_reviewに設定し、AWSによる確認に同意する必要があるとモデルカードに書かれています。

入力データは基盤モデルの学習に使われない|保存の例外もある

AWSは、Bedrockへの入力と出力を、AWSもモデル提供元も、Amazon NovaやAmazon Titan、他社のモデルの学習に使わないと説明しています。英語版のよくある質問の回答で「No」と答えており、日本語版にも、顧客のコンテンツが基本モデルの改善に使われることはなく、モデルプロバイダーと共有されることもないと書かれています。

AWSのドキュメントでは、モデル提供元はBedrockのログや利用者の質問・回答にアクセスできないとも説明されています。

Claude Fable 5・5.1など一部のモデルは最長30日保存される

Bedrockは、既定では入力と出力を保存しない方式(ゼロデータ保持)をとっていると、AWSの不正利用検知に関するドキュメントで説明しています。ただし例外として、同ドキュメントでは、Claude Fable 5とClaude Fable 5.1の通信は自動の不正利用検知のために最長30日保存され、分類器が検知した通信はAWSの担当者による確認の対象になる可能性があるとされています。Fable 5・5.1については、同プログラムの対象顧客は2026年12月31日までゼロデータ保持を受けられるとの記載もあります(Enterprise Frontier Safeguardsプログラム)。このほかOpenAIのGPT系の一部モデルも、分類器が検知した通信は最長30日保存されます(2026年9月17日確認)。

保存された入出力はAWSが保管・処理し、モデル提供元とは共有されないとされています。また、クロスリージョン推論を使っている場合、保存先は実際に処理されたリージョンになります。前述のとおり東京・大阪からFable 5.1はGlobalでしか呼び出せないため、保存先も国内とは限りません。取引先の情報を扱う業務では、この点を確認してから判断してください。

Claudeを使う3つの経路|Bedrock・Anthropic直販API・既製サービス

会社でClaudeを使う経路は、Bedrock、Anthropic直販のAPI、Claudeを組み込んだ既製の法人向けサービスの3つです。BedrockのGlobal列の単価はAnthropic直販と同額で、差が出るのは払い方と管理の手間です。

単価はBedrockのGlobalとAnthropic直販で同額

Anthropicの料金ページ(2026年9月15日・17日確認)とBedrockのGlobal列は、Claude Fable 5.1が入力10ドル・出力50ドル・キャッシュ読み込み0.25ドル、Opus 5が5ドル・25ドル、Sonnet 5が2ドル・10ドル、Haiku 4.5が1ドル・5ドルで一致します。Geoに対応したモデル(東京・大阪からはHaiku 4.5・Sonnet 4.6など)では、Geo・In-regionの列はその1.1倍です。なおAnthropicもFable 5.1の製品ページで、米国内に限定した処理は入出力が1.1倍と案内していますが、限定する範囲が違うため同じ条件の比較ではありません。

3つの経路の払い方と管理の違い

  • Bedrock経由:支払いはAWSの請求にまとまり、AWSの価格表(AWS Price List)では、ClaudeはAWS Marketplaceのソフトウェア利用として計上されています。ドル建てで、権限はAWSの設定、予算はAWS Budgetsで管理します。社員向けの画面とログの仕組みは自作が前提です。
  • Anthropic直販API:Anthropicと契約し、ドル建ての単価で支払います。税の扱いは請求時に確認してください。こちらも社員向けの画面は自作が前提です。
  • 既製の法人向けサービス:画面、社員のアカウント管理、ログの確認がそろった状態で提供されます。料金体系や使えるモデル、データの扱いはサービスごとに異なるため、契約前に確認します。

国内の法人向けサービスの料金と条件は法人向け生成AIサービスの比較で一覧にしています。

会社で安全に使うには|自作と既製サービスで確認すること

Bedrockを使えば、学習に使われない条件やAWSの権限管理といった土台は手に入ります。一方で、社員に配って安全に使い続けるための仕組みは、自作するか、備えたサービスを選ぶかのどちらかで用意する必要があります。

  • 学習に使わせない条件が、全員に同じように効いているか社員が個人のアカウントで別のAIを使えば、Bedrockの条件は及びません。
  • 誰が、いつ、どのモデルを使ったかを会社が見られるか自作なら画面側で利用者・日時・モデルを記録する設計が要ります。
  • 保存と処理の場所を取引先に説明できるか列の選び方と、保存の例外があるモデルを使うかで説明が変わります。
  • 社員への配布と停止を管理者が行えるか入社・退職・異動のたびにアカウントを発行・停止する運用を、誰が担うかを決めます。
  • 使いすぎたときに止まる仕組みがあるか予算アラートは通知だけです。上限で止まるかどうかを確認します。
  • Claude以外のAIも使い分けられるか自作なら切り替えを画面に組み込み、既製サービスなら対応するAIの範囲を確認します。

会社から見えないAI利用のリスクは野良AI(シャドーAI)の解説、点検項目の全体は生成AIのセキュリティ対策チェックリストをご覧ください。

よくある質問

Amazon Bedrockは無料で使えますか?
Bedrock専用の常時無料枠は、AWSの無料利用枠ページと料金ページのどちらにも記載がありません(2026年9月17日確認)。新しくAWSアカウントを作ると100ドル分のクレジットが付与され、主要なサービスを試すと最大100ドル分が追加されて、6か月で最大200ドルになります。Bedrockにも使えると案内されています。
BedrockでClaudeを使うと、Anthropicと直接契約するより高くなりますか?
処理をGlobalで振り分ける列を選べば、トークン単価はAnthropic直販と同額です。Geoに対応したモデルで、処理を地理的な範囲に留めるGeo・In-regionの列を選ぶと、入出力とも1.1倍になります。画面やログの仕組みを自作する費用も含めて比べてください。
社員50名で使うと、月にいくらかかりますか?
1人1日10回・1回あたり入力3,000トークン・出力800トークン・月20日と仮定し、1ドル=155円で計算した場合、東京リージョンのGlobalでClaude Haiku 4.5は月約10,850円、Claude Sonnet 5は月約21,700円、Claude Opus 5は月約54,250円です。資料を貼り付ける使い方が多いと数倍になり、画面の開発費や運用の人件費は含みません。
予算アラートを設定すれば、使いすぎは防げますか?
AWS Budgetsの通知だけでは利用は止まりません。予算の情報は1日に最大3回、通常は8〜12時間おきの更新で、通知が届く前にしきい値を超えることもあるとAWSは説明しています。上限で止めるには、予算アクションによる権限の制限を検証するか、アプリ側で呼び出しを止める仕組みが必要です。
Bedrockに入力したデータは、AIの学習に使われますか?
AWSは、Bedrockへの入力と出力を、AWSもモデル提供元もモデルの学習に使わないと説明しています。Bedrockは既定では入出力を保存しませんが、Claude Fable 5とFable 5.1など一部のモデルには、不正利用検知のために最長30日保存される例外があります。
東京リージョンの中で処理を完結させることはできますか?
モデルによって異なります。2026年9月17日時点のAWSのモデルカードでは、東京・大阪から呼び出すとき、Claude Fable 5.1・Opus 5・Sonnet 5はGlobalのみ、Haiku 4.5とSonnet 4.6はGeoにも対応しています。Haiku 4.5・Sonnet 4.6のGeo(日本)の処理先は東京と大阪で、東京だけで完結するわけではありません。

まとめ

Amazon Bedrockの料金は、入力と出力のトークン量にモデルごとの単価を掛ける従量制です。ClaudeはHaiku 4.5とFable 5.1で単価が10倍開き、Geoに対応したモデルではGeo・In-region列がGlobal列の1.1倍です。社員10〜200名の日常利用なら、モデル代は軽量モデルで月百数十円から4万円台、Opus 5で月1万円台から20万円台が目安で、資料を読ませる使い方が増えると数倍に膨らみます。

見積もりで見落としやすいのは、モデル代以外の部分です。社員向けの画面、ログの保存、配布と停止の運用、上限で止める仕組みは、Bedrockでは自社で用意します。AWS Budgetsは利用を止めないこと、Fable 5/5.1には最長30日の保存の例外があることも押さえておきたい点です。

見積もりの直前には、英語版の料金ページで最新の単価を確認してください。法人のAI活用に関する他の記事はAI活用コラム一覧にまとめています。

※この記事の料金・仕様は、2026年9月17日にAWSの料金ページ、AWS Price List、AWSのドキュメント、AWSの無料利用枠ページで確認したものです(Anthropicの料金は2026年9月15日・17日に確認)。料金・提供地域・為替は変わるため、実際の検討時には各公式ページで最新の内容をご確認ください。

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UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。全モデルで学習非利用を標準適用し、管理画面ではUPGEAR AI上の利用状況を利用者・日時・利用モデル単位まで把握でき、CSVでの書き出しにも対応します。基盤はAWSの日本リージョンで稼働しています。料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。利用量の上限に近づくと、管理者宛に複数回メールでお知らせします。上限に達した時点で利用を停止する安全設計のため、知らないうちに超過して追加の請求が発生することはありません。

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