
Claude Sonnet(クロード・ソネット)とは、Anthropicが提供する生成AI「Claude」のモデルのうち、速さと賢さのつり合いを受け持つ、Opusの下・Haikuの上の段のシリーズです。2026年10月15日時点の最新はSonnet 5.5で、2026年9月28日に公開されました。日々の文書づくりや要約はSonnetに任せ、判断の重い仕事は上の段のOpus、大量の定型処理は下の段のHaikuに回す形が、会社での使い分けの土台になります。旧版のSonnet 4.5は2026年11月30日にAPIでの提供が終わる予定のため、社内のツールが古い版を指定していないかも合わせて確かめておきましょう。
OpusとSonnetを1対1で比べた話はClaude OpusとSonnetの違い、ひとつ前の版の中身はClaude Sonnet 5とはで詳しくまとめています。
※モデル名・公開日・料金・提供状況は、2026年10月15日時点でAnthropicの公式ページ(モデル一覧、提供終了の一覧、料金ページ、各モデルの紹介ページ)に表示されている内容です。性能や速さ、費用の下がり幅についての説明は、特に断りがない限り同社の発表(自己申告)で、第三者が検証した値ではありません。
Claude Sonnetの読み方と、名前の付き方
Claude Sonnetは「クロード・ソネット」と読みます。Sonnetは英語で十四行からなる詩の形式を指す言葉で、辞書では「ソネット」や「十四行詩」と訳されることが多いでしょう。同じClaudeの仲間のOpusは「オーパス」、Haikuは「ハイク」、Fableは英語の発音に近い「フェイブル」と読むのが一般的になります。社内で話すときは、Claudeを付けずに「ソネット」「オーパス」と呼んでも、たいていは通じるはずですので、呼び方まで決めておく必要はありません。
名前の並び方は、途中で一度変わっています。モデルIDの日付が2024年〜2025年はじめの版は「Claude 3.5 Sonnet」「Claude 3.7 Sonnet」のように、世代の数字が名前より前に来ていました。2025年5月のClaude Sonnet 4からは、「Claude Sonnet 4.5」「Claude Sonnet 5.5」のように名前が前、数字が後ろという形に変わりました。古い資料や社内のマニュアルで「3.5 Sonnet」と「Sonnet 4.5」が混ざって出てくるのは、この並び替えのためです。
もう一つ覚えておきたいのが、モデル一覧の見え方となります。名前ごとに料金と速さの段が分かれ、数字は世代ごとに上がっていく形になっています。Claudeのモデルは、料金の高い順にFable・Opus・Sonnet・Haikuの段に分かれていて、それぞれの段の中で世代ごとに番号が上がっていきます。たとえばHaiku 5.5はSonnet 4.6より番号が大きいものの、受け持つのは速さと量を重んじる下の段です。番号だけを見て「新しいから上」と判断すると、社内の割り当てがずれてしまいます。モデルを選ぶときは、まず名前で段を決め、そのあと番号で一番新しい版を選ぶ順番にしてみてください。
いま最新はどれ?Sonnet 5.5の速さ・費用・賢さ
2026年10月15日時点で、Sonnetの最新はSonnet 5.5となります。Anthropicのモデル一覧では、現行のモデルはFable 5.1・Opus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5の4つが並び、Sonnet 5.5には「速さと賢さの組み合わせが最もよい」という意味の説明が付いています。発表の文面では、Sonnet 5.5はClaude 5.5の仲間の2つめのモデルという位置づけで、先に9月22日に出たOpus 5.5に続いて9月28日に公開されました。
同社の発表によると、Sonnet 5.5はSonnet 5からはっきり性能が上がり、処理は30%以上速く、多くの作業で費用が最大30%下がるとされています。この速さと費用の数字は同社発表で、第三者が同じ条件で確かめた値ではありません。得意分野としては、範囲のはっきりした日常の仕事、不具合の修正、整った文書・スライド・表計算の作成が挙げられました。その一方で、判断を長く続ける込み入った仕事は、引き続きOpus 5.5のほうがはっきり強いと同社自身が書いています。普段の仕事はSonnet 5.5、答えの決まらない難しい判断はOpus 5.5に回すのが、発表どおりの線引きになります。
考える深さを決める「effort」という設定の既定値にも、違いがあります。Claudeのアプリや開発者向けのClaude Codeでは中くらい(Medium)、API側のClaude Platformでは高め(High)に置かれていると発表されました。同じSonnet 5.5でも、アプリで使うときとAPIから呼ぶときで、答えの長さや待ち時間が少し違って感じられる場合もあるでしょう。
コーディング・エージェント用途でのSonnet
Sonnetの製品ページは、用途の柱としてコーディング、エージェント、デザインや画像まわりの作業、企業の業務フローの4つを挙げています。エージェントとは、指示を受けたAIが自分で手順を立て、ブラウザやターミナルのような道具を使いながら作業を進める使い方のことです。Sonnet 5の発表の時点で、同社はこれを「これまでで最もエージェント向きのSonnet」と紹介していました。Sonnet 5.5でも、バグの修正が得意分野の1つに挙がっています。開発の担当者がいない会社でも、Excelのマクロや短いスクリプトの手直しを相談するところから試してみることが出来ます。
100万トークンの長文処理
Sonnet 5.5は、一度に読み込める量(コンテキスト)が100万トークン、一度に書き出せる量が最大12万8千トークンとモデル一覧に示されています。トークンはAIが文章を数えるときの単位で、日本語では文字数とぴったり一致するわけではありません。現行の4モデルはどれも100万トークンに対応しているため、長い契約書や何回分もの議事録をまとめて読ませる仕事でも、Sonnetを選んで困る場面は多くないでしょう。ただし、チャット画面で一度に扱える長さはプランやモデルによって変わるため、大きなファイルを扱う前にヘルプページの案内を見ておいてください。モデル一覧によると、Sonnet 5.5が確かな知識として持っているのは2026年6月までの情報です。それより後の出来事や最新の法改正は、Web検索の結果や手元の資料を一緒に渡さないと、正しく答えられない場合があります。
歴代Sonnetの系譜と前の版との差
Sonnetは、モデルIDの日付が2024年2月のClaude 3 Sonnetから数えて、2026年10月までに8つの版が出ています。3.x世代は公式の発表日ではなく、モデルIDに入っている日付で示しました。料金はAPIの100万トークンあたりの米ドルで、入力と出力の順に並べています。
| 版 | 公開日(3.x世代はモデルIDの日付) | API単価(入力/出力) | 2026年10月15日時点の提供状況 |
|---|---|---|---|
| Claude 3 Sonnet | モデルIDの日付 2024年2月29日 | - | 2025年7月21日に退役 |
| Claude 3.5 Sonnet | モデルIDの日付 2024年6月20日・2024年10月22日(2つの版) | - | 2025年10月28日に退役 |
| Claude 3.7 Sonnet | モデルIDの日付 2025年2月19日 | - | 2026年2月19日に退役 |
| Claude Sonnet 4 | 2025年5月22日(IDの日付は2025年5月14日) | - | 2026年6月15日に退役 |
| Claude Sonnet 4.5 | 2025年9月29日 | 3ドル/15ドル | 非推奨。2026年11月30日に退役予定(移行先はSonnet 5.5) |
| Claude Sonnet 4.6 | 2026年2月17日 | 3ドル/15ドル | 提供中(旧モデル扱い)。2027年2月17日より前には退役しない予定 |
| Claude Sonnet 5 | 2026年6月30日 | 2ドル/10ドル | 提供中(旧モデル扱い)。2027年6月30日より前には退役しない予定 |
| Claude Sonnet 5.5 | 2026年9月28日 | 2ドル/10ドル | 最新。2027年9月28日より前には退役しない予定 |
※公開日はAnthropicの各モデルの紹介ページとSonnetの製品ページ、3.x世代のモデルIDは提供終了の一覧(Model deprecations)、料金は公式の料金ページの表示で、いずれも2026年10月15日に確認したものです。退役済みの版の料金は省いています。提供状況の日付はAnthropicが自ら運営する環境での予定で、Amazon BedrockとGoogle Cloudはそれぞれが別に日付を決めています。
Sonnet 4.5からSonnet 4.6への変化
Sonnet 4.5からSonnet 4.6への変化は、料金ではなく呼び出し方の面が中心です。APIの単価はどちらも入力3ドル・出力15ドルで、トークンの数え方も同じ古い方式のままになります。その代わり、4.6の世代からモデルIDに日付が付かなくなり、claude-sonnet-4-6のような短い形に変わりました。Sonnet 4.5は2026年11月30日に退役する予定なので、4.5を使っている仕組みは、4.6を飛ばしてSonnet 5.5へ直接移す計画を立てるほうが、改修が1回で済む分だけ手間は少ないでしょう。
Sonnet 4.6からSonnet 5への変化
費用の面で目立つのは、Sonnet 4.6からSonnet 5に上がったときの変化です。APIの単価は、100万トークンあたり入力が3ドルから2ドル、出力が15ドルから10ドルに下がっています。この価格は当初、8月末までの導入価格として案内されていましたが、そのまま正規の価格になり、9月1日に予定されていた値上げは取りやめになりました。
その一方で、Sonnet 5からは文章を数える仕組み(トークナイザー)が新しくなり、同じ文章でも数えられるトークンが約30%多くなると公式に書かれています。単価が3分の2になっても、数える量が3割ほど増えるため、請求額が単価の下げ幅どおりに減るわけではありません。Sonnet 5.5の移行ガイドも、移すときは出力の上限と費用を見直すよう勧めています。会社の出費に直した計算は、後の節で具体的に見ていきましょう。
APIで使っている会社にとっては、動きの変わった点もあります。各モデルの紹介ページでは、temperatureなど出力のばらつきを決める設定を既定値以外にするとエラー(400)が返ると説明されています。Sonnet 5.5の移行ガイドには、回答の書き出しを先に入れておく指定(prefill)や、考えるトークン数の指定もエラーになると書かれました。Sonnet 4.6向けに書いたプログラムをそのまま新しい版に向けると、ここで止まってしまう場合があります。
Sonnet 5からSonnet 5.5への変化
同社の発表では、Sonnet 5からSonnet 5.5への変化は、単価ではなく速さと仕上がりに表れています。APIの単価は入力2ドル・出力10ドルのまま据え置かれました。同社は、Sonnet 5.5が30%以上速くなり、多くの作業で費用が最大30%下がると発表しています。単価が同じまま費用が下がるという説明なので、実際にどれだけ変わるかは、自社の使い方で1か月ほど測ってみてください。
旧版のSonnetはいつまで使えるのか
旧版のうちSonnet 4.6とSonnet 5は当面使えますが、Sonnet 4.5は2026年11月30日にAnthropicのAPIから退役する予定です。Anthropicは2026年9月30日にSonnet 4.5を非推奨(Deprecated)とし、移行先としてSonnet 5.5を勧めています。退役とは、そのモデルの提供が終わり、呼び出せなくなることを指します。Sonnet 4は2026年6月15日、Claude 3.7 Sonnetは2026年2月19日に、すでに提供を終えました。Claude 3.5 Sonnetの2つの版は2025年10月28日、Claude 3 Sonnetは2025年7月21日に退役しています。
提供終了の一覧では、モデルはまず非推奨(Deprecated)として告知され、そのあと退役日(Retired)に提供が終わるという2段階で扱われます。Sonnet 4.5の場合、告知から退役まではおよそ2か月しかありません。外注先に改修を頼むと見積もりと日程の調整だけで数週間かかることもあるため、告知を見たらその週のうちに動き出したいところです。
提供中の版にも、退役の目安となる日付があります。Sonnet 4.6は2027年2月17日、Sonnet 5は2027年6月30日、Sonnet 5.5は2027年9月28日より前には退役させない、というのが公式の約束になります。いずれも「この日より前には終わらない」という意味で、その日に終わると決まったわけではありません。
気をつけたいのは、これらの日付がAnthropicの自ら運営する環境での約束だという点です。Amazon BedrockとGoogle Cloudは、それぞれ自社で退役の日付を決めると公式に書かれています。クラウド経由で使っている会社は、契約先のクラウドの案内で退役日を確かめてください。
困るのは、古い版を指定したままのツールが社内のあちこちに散らばっている場合でしょう。外注で作った問い合わせボット、担当者が個人で組んだ表計算の自動化、部署ごとに契約したAIサービスと、どこで何のモデルが動いているかを誰も把握していない会社は少なくありません。社員がそれぞれ別のAIを契約していると、退役の知らせが届いても、誰に伝えればよいのかさえ分からなくなってしまいます。
モデルの入れ替えに振り回されないよう、AIを使う環境を会社で1つにまとめる方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
Claudeの無料版・有料プランのどれでSonnetは使えるのか
SonnetはClaudeの無料版(Free)から、Pro・Max・Team・Enterpriseまで、すべてのプランで使うことが出来ます。料金ページのモデルの表では、個人向けのFree・Pro・Max 5x・Max 20x、法人向けのTeam・Enterpriseのどれも、SonnetとHaikuが「はい」になっています。製品ページでも、Claude.aiのWeb版とiOS・Androidのアプリで、誰でもSonnet 5.5と会話できると案内されました。
プランによって変わるのは、上の段のモデルを使えるかどうかです。Opusは無料版では使えず、Pro以上のプランで使えます。料金のいちばん高いFableは、無料版では使えず、Proでは使用クレジット、MaxとTeamのプレミアムシートでは週の上限の50%までという条件付きでの提供となります。無料版でもSonnetは使えるので、まず触ってみるだけなら費用はかかりません。
経営者や担当者が1人で試す段階なら、個人向けのProも選択肢になります。Proは月払いで月20ドル、年払いなら200ドルの一括払いで、月17ドル相当という料金です。ただしFree・Pro・Maxの個人向けプランは学習の扱いがオプトアウト方式なので、業務の文書を本格的に扱う前に、法人向けへ移る前提で考えておきましょう。
社員10〜200名の会社が業務で使うなら、候補はTeamかEnterpriseになるでしょう。Teamは2〜150名のチーム向けで、スタンダードシートが年払いで1人月20ドル、月払いで25ドルという料金です。使う量の多い方向けのプレミアムシートは、年払いで月100ドル、月払いで125ドルとなります。Enterpriseは1シート月20ドル(年払い・最低20シート)に、モデルとタスクに応じた利用料が加わる形と案内されています。
たとえば30人全員をTeamのスタンダードシート(月払い)にすると、毎月750ドルの出費です。1ドル=150円で計算した場合は月11万2,500円、年間では135万円ほどになってしまいます。年払いにすれば1人月20ドルなので、同じ30人で月600ドル、1ドル=150円なら月9万円まで下げることが出来ます。どの金額も税を含まない表示価格のため、実際の請求額は契約先の請求書で確かめましょう。
もう一つ見落としやすいのが、入力した内容の学習への使われ方になります。料金ページの比較表では、個人向けの4プランは「オプトアウト」、法人向けの3プランは「デフォルトではなし」と書き分けられています。個人向けは本人が設定で断る方式で、法人向けは最初から学習に使わない扱いという違いです。社員が自分のFreeやProのアカウントに業務の文書を貼り付けている状態は、会社から設定を確かめようがありません。こうした会社の目が届かない使い方は野良AI(シャドーAI)と呼ばれ、情報漏洩の入り口になりやすいので気をつけてください。
Sonnetを使える場所(Claude.ai・API・Bedrock等のクラウド)
Sonnetを使える場所は、大きく分けてClaudeのアプリ、API、大手クラウドの3つです。アプリはClaude.aiのWeb版とiOS・Androidで、開発者向けにはコマンドで動かすClaude Codeもあります。APIは自社のシステムからSonnetを呼び出す窓口で、モデルの指定にはclaude-sonnet-5-5のようなモデルIDを使います。Sonnet 5.5は、Amazon Web Services・Google Cloud・Microsoft Azureを含むすべての提供先で使えると発表されました。
モデルIDの書き方も、途中で変わっています。Sonnet 4.5まではclaude-sonnet-4-5-20250929のように末尾に日付が付いていましたが、4.6の世代からは日付のないIDになりました。公式の説明では、日付がなくても1つのIDは1つの固定された版を指すとされています。新しい版が出ても自動では切り替わらないため、移るときは社内でIDを書き換える作業が要ります。
AWSのAmazon BedrockやGoogle Cloud、MicrosoftのFoundryから使う場合は、それぞれのクラウドとの契約の中で使うことになります。料金表や使える地域、退役の日付はクラウドごとに決まっているので、Anthropicの案内だけで判断しないようにしましょう。すでに社内でAWSやGoogle Cloudを使っている会社なら、請求をまとめられる点で、こちらの経路を選ぶ場合もあるでしょう。
アプリ・API・クラウドのどれから使うか
どの窓口から使うかは、社員が画面で話しかけるのか、自社のシステムから呼び出すのかで決まります。社員が文書づくりや要約に使うなら、Claudeのアプリを法人向けのTeamやEnterpriseで契約するのが近道になります。社内の問い合わせボットや、業務システムに組み込む自動処理なら、使ったトークンの分だけ払うAPIの形が合っています。すでにAWSやGoogle Cloudで社内のシステムを動かしている会社は、そのクラウドの中でSonnetを呼び出す経路も検討してみてください。アプリは人数分の月額、APIは使った量に応じた料金と請求の形が違うため、両方を使う会社は、どちらにどれだけ払っているかを月ごとに並べて見られるようにしておきましょう。
Opus・Haiku・Fableとの位置づけと使い分け
4つのモデルは、仕事の重さと量で使い分けると迷いにくくなります。モデル一覧の説明を日本語にすると、それぞれの持ち場は次のとおりです。
- Fable 5.1は、高い推論力が要る仕事や、長時間かけて進めるエージェント作業向け
- Opus 5.5は、長く続くコーディングや、知的な仕事全般向け
- Sonnet 5.5は、速さと賢さの組み合わせを重んじる普段使い向け
- Haiku 5.5は、分類や項目の抜き出し、振り分けのように、量が多く待ち時間に厳しい仕事向け
速さの目安は、遅いほうからFable・Opus・Sonnet・Haikuの順に並んでいます。API料金は100万トークンあたり、Fable 5.1が入力10ドル・出力50ドル、Opus 5.5が4ドル・20ドル、Sonnet 5.5が2ドル・10ドル、Haiku 5.5が0.10ドル・0.50ドルからです。4つとも、一度に読み込める量は100万トークン、知識の区切りは2026年6月となります。
意外かもしれませんが、Anthropicの開発者向けのモデル一覧は、どれを使うか迷ったらOpus 5.5から始めるよう勧めています。これに対してSonnet 5.5の発表は、範囲のはっきりした日常の仕事こそSonnetの得意分野だという書き方です。仕事の中身が決まっていればSonnet、決まっていなければOpusと考えると、2つの案内は食い違いません。社内のルールとしては、毎日の仕事はSonnetを基本に置き、迷う仕事だけOpusに上げる形が回しやすいでしょう。
業務での活用例(要約・文書作成・資料作成)
Sonnet 5.5が得意とされる整った文書・スライド・表計算の作成は、総務や管理部門の仕事とよく重なります。製品ページでも、文章がはっきりして直接的になったので、下書きの手直しが少なくて済むと説明されました。会社の仕事に当てはめると、たとえば次のような場面で使うことが出来ます。
- 1時間の会議の文字起こしから、決まったこと・宿題・期限だけを抜き出した議事メモを作る
- 取引先への日程調整やお詫びのメールを、社内の言い回しに合わせて下書きする
- 就業規則の改定案と現行の規程を読み比べ、変わった条文の一覧を作る
- 提案資料の骨子と、各スライドに載せる見出しと箇条書きを作る
- 売上の一覧表から、月別・担当者別の集計表のたたき台を作る
反対に、契約条件のどこまで譲るかといった判断や、複数の資料をまたいで矛盾を探す仕事は、Opusに回したほうが安心です。問い合わせメールの振り分けや、請求書から日付と金額だけを抜き出す処理を何千件も回すなら、Haikuが向いています。どの仕事も、出てきた文章を人が読み直してから社外に出す流れは変わりません。
ChatGPT・Geminiとの比較はどう考えるか
ChatGPTやGeminiとSonnetを比べるときは、モデル名を1つずつ並べるより、業務ごとにどのAIが合うかで見るほうが分かりやすくなります。各社とも数か月ごとに新しいモデルを出していて、どれが一番かは入れ替わりやすいからです。調べものはWeb検索に強いもの、長い文書の読み込みや文章づくりはClaude、といった粗い分け方から始めてみてください。4つのAIの得意分野の違いは主要4AIの違いと使い分け、複数のAIを会社でまとめて使う方法はマルチAIとはで詳しく取り上げています。
社内に配るモデル割り当てルールのひな形
社員にモデルの選び方を任せきりにすると、全部を一番高いモデルで済ませる人と、無料版のまま使い続ける人に分かれがちです。そこで、総務や情シスから配る短い通知文のひな形を用意しました。自社の契約しているプランと仕事の中身に合わせて、言葉を入れ替えて使ってみてください。
【社内通知】生成AI(Claude)のモデルの使い分けについて
- 普段の文書作成、要約、翻訳、メールの下書き、表やスライドのたたき台は、Sonnet(2026年10月時点ではSonnet 5.5)を使ってください。
- 契約条件の検討、複数の資料をまたぐ分析、答えの決まっていない企画や判断の材料づくりは、Opus(同じくOpus 5.5)を使ってください。
- 問い合わせの分類、伝票や名刺からの項目の抜き出しなど、同じ処理を大量に回す仕事はHaiku(同じくHaiku 5.5)を使います。
- Fableは原則として使いません。必要なときは情報システム担当に相談してください。
- 社外秘の情報や個人情報は、会社が契約したアカウント以外には入力しないでください。
- AIが作った文章や数字は、必ず人が読み直してから社外に出してください。
- モデルの版が新しくなったときは、総務から知らせます。版の番号を覚えておく必要はありません。
ひな形のねらいは、社員に覚えてもらうことを「Sonnet・Opus・Haikuのどれか」の3択だけに減らすところにあります。版の番号まで社員に覚えさせると、Sonnet 5.5の次が出た日に、古い番号のまま使い続ける人が必ず出てきます。番号の管理は総務や情シスが引き受け、社員には段の名前だけを伝える形にしておくと、入れ替わりの手間が小さくなるでしょう。社内ルール全体の作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方も参考にしてみてください。
ひな形を自社向けに直すときは、部署ごとの具体的な例を1つずつ書き足すと、社員が迷う場面がぐっと減ります。営業部なら提案書の下書きはSonnet、値引きの判断材料をまとめるときはOpus、といった書き方です。あわせて3か月に1回はルールを見直す日を決めておき、新しい版が出ていれば、カッコの中の版の名前だけを書き換えてください。
Sonnet 5.5のAPI料金と、会社の出費に直した計算
Sonnet 5.5のAPI料金は、100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルです。急がない処理をまとめて流すBatch APIを使うと、この半額になります。単価だけでは出費の大きさがつかみにくいので、社内の問い合わせボットを例に、月の請求額に直してみましょう。
前提として、Sonnet 4.6で動かしていたときに、月に入力2,000万トークン・出力400万トークンを使っていた会社を考えます。Sonnet 4.6の単価は入力3ドル・出力15ドルなので、月の請求は入力60ドルと出力60ドルで120ドルでした。1ドル=150円で計算した場合、月1万8,000円ほどかかっていたことになります。
これをSonnet 5.5に移すと、新しいトークナイザーで同じ文章が約30%多く数えられるため、入力は2,600万トークン、出力は520万トークンとして計算しましょう。入力52ドルと出力52ドルで月104ドル、1ドル=150円なら月1万5,600円です。単価は3分の2になっても、実際の請求は120ドルから104ドルへ、約13%の減り方にとどまります。同社が発表した、Sonnet 5と比べて最大30%という費用の下がり幅はこの計算に入れていないので、実際の請求で確かめてみてください。
同じ2,600万・520万トークンを、ほかのモデルで流した場合も比べておきます。
- Haiku 5.5(1回の依頼が10万トークン以内の場合):入力2.6ドルと出力2.6ドルで月5.2ドル、1ドル=150円なら約780円
- Sonnet 5.5をBatch APIで流す場合:半額の月52ドル、1ドル=150円なら7,800円
- Sonnet 5.5:月104ドル、1ドル=150円なら1万5,600円
- Opus 5.5:入力104ドルと出力104ドルで月208ドル、1ドル=150円なら3万1,200円
- Fable 5.1:入力260ドルと出力260ドルで月520ドル、1ドル=150円なら7万8,000円
同じ量の仕事でも、Haikuに任せるかFableに任せるかで、月の請求は100倍まで開いてしまいます。Haiku 5.5は1回の依頼が10万トークンを超えると、入力0.50ドル・出力2.50ドルの単価に上がる点にも注意が要ります。問い合わせの振り分けのような軽い処理はHaiku、回答文づくりはSonnetと、1つのボットの中で使い分けるのも1つの手でしょう。AI全体の費用の見通しの立て方は生成AIのコスト管理にまとめています。
※トークン数は説明のための仮の数字です。トークナイザーの違いによる増え方は約30%という公式の目安を使っており、実際の増え方は文章の中身によって変わります。料金は2026年10月15日時点でAnthropicの料金ページに表示されている100万トークンあたりの米ドルで、税は含みません。円の金額は1ドル=150円で計算した場合の目安です。
古いSonnetを指定していないかの点検チェックリスト
Sonnet 4.5の退役日が近いので、APIや外部のサービスでClaudeを使っている会社は、11月30日より前に一度点検しておきましょう。社内のシステム担当や外注先に、次の項目をそのまま渡して確かめてもらうことが出来ます。
- ソースコードと設定ファイルを「sonnet」で検索したclaude-sonnet-4-5-20250929が見つかったら、2026年11月30日までに移行先を決めます。公式の推奨はclaude-sonnet-5-5です。
- 3.x世代とSonnet 4のモデルIDが残っていないclaude-3-5-sonnet、claude-3-7-sonnet、claude-sonnet-4-20250514などは退役済みのため、残っていればすでに動いていない可能性があります。
- 外注先やSaaSの連携が、どのモデルを指定しているか聞いた社内でコードを持っていない仕組みほど見落としやすくなります。問い合わせボットや議事録ツールなど、Claudeを使うと書かれた製品を洗い出します。
- Amazon BedrockやGoogle Cloud経由なら、そちらの退役日を確かめたAnthropicの退役日は自ら運営する環境での日付で、BedrockとGoogle Cloudは別に日付を決めます。
- temperatureなどの設定や、事前入力(prefill)・考えるトークン数の指定を外したSonnet 5.5の移行ガイドでは、これらがエラー(400)になると説明されています。変更点の一覧と照らしてから新しい版に移します。
- トークン数が約30%増える前提で、月の予算と上限を見直したSonnet 4.6以前からSonnet 5以降に移すと、同じ文章でも数えられるトークンが増えます。請求の上限設定や予算の通知も合わせて直します。
- 新旧のモデルに同じ質問を流し、答えの違いを人が確かめたよく使う質問を10件ほど用意し、古い版と新しい版の答えを並べて読み比べます。言い回しの変化で困る業務がないかを先に見ておきます。
- 社員が個人で契約しているAIを棚卸しした個人のアカウントは会社から版も設定も見えません。業務で使っているものを申告してもらい、会社の契約に寄せていきます。
点検は一度で終わりではなく、新しい版が出るたびに同じ表で見直す形にしておくと楽になります。Sonnetはこの2年半あまりで8つの版が出ており、これからも入れ替わりは続いていくでしょう。担当者を1人決めて、Anthropicの提供終了の一覧を月に1回見る役を割り振っておくのがおすすめです。
機密情報・学習利用など導入時の注意
会社でSonnetを使うときにまず決めたいのは、どのアカウントで使わせるかです。料金ページの比較表のとおり、法人向けのTeam・Enterpriseは入力した内容を初期設定では学習に使わず、個人向けのFree・Pro・Maxは本人が断る方式になっています。業務の文書を扱うなら、会社で契約した法人向けのアカウントにそろえるのが筋でしょう。
より厳しい扱いが要る会社に向けては、データを保存しない契約(ゼロデータリテンション、ZDR)の仕組みもあります。Sonnet 5.5の発表では、Opus 5.5やSonnet 5と同じく、Sonnet 5.5もこのZDRで使えると書かれました。ZDRはAnthropicとの個別の契約が前提になるため、使いたい場合は法人向けの窓口に相談することになります。
2026年10月15日時点のヘルプページによると、法人向けのEnterpriseでは、管理者がモデルごとに使える・使えないを切り替えたり、考える深さ(effort)の上限を決めたりすることが出来ます。設定できるのは、プライマリーオーナーやオーナーなど、決められた権限を持つ人に限られます。ただしHaikuは無効にできないと案内されているため、使いどころは割り当てルールの側で決めておく形になります。
もう一つ、Sonnet 4.6以前から移ると、サイバー攻撃に関わる危ない依頼をその場で止める仕組みが新たに加わると案内されています。社内のセキュリティ診断のような正当な作業でも、内容によっては断られることがあるかもしれません。AIが断った依頼を、言い回しを変えて通そうとする使い方は社内ルールで止めておきましょう。
どのモデルを使う場合でも、入力してはいけない情報の線引き、出力を人が確かめる手順、社員への説明は、会社が自分で整えるしかありません。点検すべき項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリストで一覧にしています。
会社で安全に使うには、モデル名を覚えさせない運用へ
会社で生成AIを長く安全に使うには、社員にモデル名を覚えさせず、会社の側で選び方と設定を引き受ける形が向いています。Sonnetだけを見ても、この2年半あまりで8つの版が出て、そのうち5つがすでに退役しているか退役の予定が決まりました。社員一人ひとりが版の入れ替わりを追いかけるのは、現実的ではないでしょう。
会社の側で引き受けたいことは、大きく4つあります。1つめは、入力した内容を学習に使わせない設定を、全員に一律でかけることです。2つめは、誰がいつどのAIを使ったかを、会社がログで後から確かめられるようにしておくことになります。3つめは、退職や異動のときに管理者がアカウントを止められるよう、社員への配布を会社の契約からに限ることです。4つめとして、Claudeだけでなく、ChatGPTやGeminiも含めて仕事ごとに使い分けられる環境も用意しておきましょう。
この4つがそろうと、社員が気にするのは「どの仕事を頼むか」だけで済むようになります。新しいSonnetが出たときも、管理者が使えるモデルを切り替えれば、社員の手元では何も変えずに新しい版へ移れるでしょう。人数が増えるたびに1人分ずつ契約を足していくのか、会社で1つの環境を用意するのかで、費用の増え方も変わってきます。複数のAIを1つの契約でまとめて使う考え方はマルチAIとはで詳しく整理しているので、合わせて読んでみてください。
Sonnetの版の入れ替えを、社員に意識させない
UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約・1つの画面で使える法人向けサービスです。会話の途中でもモデルを切り替えられ、おまかせ自動選択や、利用ログ・権限・モデルのON/OFFを扱う管理者ダッシュボードも備えています。基盤はAWSの日本リージョンで稼働しています。料金は月額30,000円(税抜)から。どのプランも利用人数は無制限で、料金は利用量に応じたプラン設計です(人数の目安はライト1〜5名、スタンダード6〜20名、プレミアム21〜50名)。初期費用100,000円(税抜)が別途かかります。
UPGEAR AIの詳細を見るよくある質問
Claude Sonnetの読み方は?
Claude Sonnetの最新バージョンはどれですか?
Claude Sonnetは無料で使えますか?
Claude 3.5 SonnetやSonnet 4は今も使えますか?
Sonnet 4.5を使っている社内ツールはどうすればよいですか?
SonnetとOpusはどちらを使えばよいですか?
Sonnet 5.5のAPI料金はいくらですか?
Claude Sonnetに入力した内容は学習に使われますか?
まとめ
Claude Sonnetは「クロード・ソネット」と読み、Claudeのモデルの中で速さと賢さのつり合いを受け持つ、Opusの下・Haikuの上の段のシリーズです。2026年10月15日時点の最新はSonnet 5.5で、APIの単価は100万トークンあたり入力2ドル・出力10ドルとなります。名前で段、番号で世代を見分けられるので、まず名前で段を選び、そのあと番号で新しい版を選ぶと迷いません。
会社でClaudeを使う場合の契約の選び方は、Claudeの法人契約にまとめています。Claudeを複数人で使うときの費用は、Claude Teamの料金で人数別に整理しています。
旧版のSonnet 4.5は2026年11月30日にAnthropicのAPIから退役する予定で、3.x世代とSonnet 4はすでに提供を終えました。社内のツールや外注先の仕組みが古い版を指定していないか、チェックリストで一度確かめておきましょう。Sonnet 5以降はトークンの数え方が変わったため、乗り換えたときの請求は単価の下げ幅ほどには下がらない点も覚えておきたいところです。
社内の割り当ては、日常の仕事はSonnet、迷う判断はOpus、大量の定型処理はHaikuという3択にして、版の番号の管理は会社が引き受ける形が回しやすくなります。法人のAI活用に関するほかの記事はAI活用コラム一覧からご覧いただけます。
