大丸松坂屋、接客の声をAIで分析
COPLUS AI NEWS夕方版
AIは売り場の声と現場の段取りを読み解き、足元では国産の計算基盤づくりが進む
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大丸松坂屋百貨店が10月21日、店員が接客で集めた客の声と店頭カメラのデータをAIで分析し、出店ブランドに「選ばれる理由」「見送られる理由」を示すサービスを始めました。建設図面から足場資材を積算するAIや、熊本の温泉施設で始まる現場密着型のAI支援など、業種ごとの具体的な使い方が並んだ一日です。
📋 本日のニュース
① 大丸松坂屋、接客で集めた客の声と店頭カメラの動きをAIで分析する「明日見世インサイト」を開始 出店ブランドに課題と打ち手を提示
日経クロステック / 2026年10月21日
大丸松坂屋百貨店は10月21日、大丸東京店のショールーミングスペース「明日見世(あすみせ)」の出店ブランド向けに、顧客分析サービス「明日見世インサイト」の提供を始めました。店頭カメラがとらえた来店客の行動データと、店員が接客後に入力した客の声をAIで分析し、「接客数」「平均接客時間」「選ばれる理由」「見送られる理由」「課題と打ち手」などを文章とグラフで示します。出店者は専用のダッシュボードで結果を確認でき、利用料金は出品料に含まれ追加費用はかからないと報じられています。
💡 コプラスの視点
AIの分析の材料が、カメラの数字だけでなく「店員が聞き取った声」である点に注目です。中小の小売・サービス業でも、接客後に一言メモを残す習慣さえあれば、AIで「なぜ買われなかったか」を整理する入口になります。まず記録の型をそろえることが先です。
② KK Generationとアルインコ、PDF図面から足場計画と仮設資材の数量をAIで自動算出する「(仮称)AI積算」の基本設計・開発を完了 2027年春ごろの市場投入めざす
PR TIMES(KK Generation発表) / 2026年10月21日
KK Generation(KKG)とアルインコは10月21日、PDFの建設図面をAIが読み取り、足場計画の作成から仮設資材の数量積算・出力までを自動で行う「(仮称)AI積算」の基本設計・開発を終えたと発表しました。KKGが図面の認識・解析とシステム開発を、アルインコが足場計画のルールと資材の数量算出ロジックを担い、実際の業務環境での検証は両社で行います。足場計画はブラウザ上で確認・修正できる仕組みで、作業時間の大幅な削減やヒューマンエラーの削減をめざすと両社は説明しています(具体的な削減率は未公表)。
💡 コプラスの視点
熟練者の頭の中にある積算のルールを、資材メーカー自身がAIに渡している点が肝です。建設業でAIを使う場合、汎用AIに図面を読ませるより、自社の「拾い出しの決まりごと」を言葉にして渡せるかどうかで精度が変わります。社内ルールの文書化が最初の一歩です。
③ 熊本のAonami、業務の棚卸しからAI研修・システム開発まで現場で担う支援を本格開始 第1号は湯前町の温泉施設「湯楽里」
PR TIMES(Aonami発表) / 2026年10月21日
熊本県あさぎり町のAonami合同会社は10月21日、顧客の現場に入り込んで業務改善とAI活用を支える支援を本格的に始めたと発表しました。第1号の契約先は湯前町が出資する温泉施設の運営会社「ゆのまえ湯楽里」で、期間は2026年11月1日から2027年3月31日までです。業務フローの棚卸し、業務ごとのAIの使い方とルールづくり、従業員への研修、必要に応じたシステム開発を一貫して行い、現在は社内の情報共有と予約管理の流れを補う仕組みを協議していると同社は説明しています。
💡 コプラスの視点
AIの道具を渡すだけでなく「どの業務に、どんなルールで使うか」を一緒に決めるところから始めている点が、地方の中小企業には現実的です。自社で進める場合も、ツール選びの前に業務の棚卸しと利用ルールを先に作ると、導入後に使われなくなる事態を防げます。
④ PFNとTenstorrent、光電融合技術を使う生成AI向けプロセッサーの共同研究開発を開始 NEDO事業に採択、2031年度まで
Preferred Networks(ニュースリリース) / 2026年10月20日
Preferred Networks(PFN)と米Tenstorrentは10月20日、NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」のテーマ「光電融合技術を実装したxPU設計開発」に採択されたと発表しました。学習と推論の両方を高性能・高効率に実行できる生成AI向けプロセッサーのシステム化をめざし、PFNは3次元メモリ実装による超高メモリ帯域幅のAIチップレット、Tenstorrentは機密計算に対応したCPUチップレットを担当します。研究開発は2031年度まで行い、終了後はAIエージェントなどでの活用を想定した事業化をめざすとしています。
💡 コプラスの視点
国の支援で、生成AIを動かす半導体を国内で設計する動きが続いています。すぐに中小企業の手元に届く話ではありませんが、機密計算への対応が開発テーマに入っていることは、将来「社外に出せないデータをAIで扱う」選択肢が広がる可能性を示しています。
⑤ 会議の内容を「特に記録していない」人が50.2% 文字起こし・要約ツールの利用は17.0%と日本クラウド産業協会が調査
キーマンズネット / 2026年10月21日
SaaS比較サイト「アスピック」を運営する一般社団法人日本クラウド産業協会が、全国の会社員・経営者・役員241人に議事録作成について調査した結果を、キーマンズネットが10月21日に報じました。社内会議の内容を「特に記録していない」が50.2%で最も多く、文字起こし・要約機能や専用ツールの利用率は全体の17.0%でした。ツールを使っている41人では、議事録作成の手間が「大幅に減った」「ある程度減った」が合わせて73.2%だった一方、「要約内容の正確さ」への不満・不安も48.8%ありました。
💡 コプラスの視点
AI議事録は便利でも、使っているのは2割に届かないという結果です。導入するなら、要約をそのまま配るのではなく「誰が確認して確定させるか」を先に決めておくと、正確さへの不安を抑えながら定着させやすくなります。なお回答者241人の調査で、母数は大きくない点に留意が必要です。
明日への展望
今日の5本に共通するのは、AIの精度を左右するのが「現場の知識をどう渡すか」だという点です。接客の声、積算のルール、業務フローの棚卸し、議事録の確認担当と、いずれもAIの手前にある人の仕事が成果を決めています。10月26日からは工作機械の見本市JIMTOF2026(東京ビッグサイト)も控えています。また、デジタル化・AI導入補助金2026の通常枠は次の締切が10月30日とされており、導入を検討中の中小企業は公式の公募要領で日程を確認しておきたいところです。
本日のまとめ
百貨店の売り場、建設の積算、地方の温泉施設と、AIは業種ごとの具体的な業務に入り込み始めています。共通して効いているのは、現場のルールや声を記録し、AIに渡せる形に整える準備です。


