
Zoomで議事録を作るとは、会議の音声をZoomの字幕・文字起こし・ミーティング要約で文字にし、決定事項とToDoが読める文書に整えることです。結論から言うと、録画しない会議で文字起こしを残すにはミーティングのトランスクリプト(Meeting transcript)の有効化が必要で、公式ヘルプではその設定の前提がPro・Business・Enterpriseと案内されているため、議事録に毎回使うなら有料プランで考えるのが確実です。有料プランなら、文字起こしとミーティング要約で下書きまで自動で作れます。どの方法でも人の確認は外せず、社外の人が参加する会議では、記録の伝え方と、外部のAIに貼る前に伏せる情報を先に決めておく必要があります。
※Zoomの機能・設定名・料金は、2026年9月17日時点でZoom公式のヘルプ記事・ブログ・料金ページで確認した内容です。設定名は英語版ヘルプの表記を括弧内に併記しています。日本語の名称は英語表記の意味を訳したもので、お使いの画面の表示とは異なることがあります。
Zoomで議事録を作る方法と、プランごとにできること
Zoomで議事録の元になる文字を残す方法は、ミーティングのトランスクリプトで文字起こしを残す方法、クラウド録画の文字起こしを使う方法、ミーティング要約を使う方法の3つが中心で、どれを使えるかは契約しているプランで決まります。仕上げに、残した文字を生成AIで整える方法を組み合わせることもできます。
3つの違いは、どこまで自動で進むかです。トランスクリプトとクラウド録画の文字起こしは全文の文字が残り、議事録の形にするのは人の作業です。ミーティング要約は要点をまとめた文章が会議後に届くので、議事録の下書きとして使えます。
無料と有料で何ができるかの比較(料金ページの表示)
Zoom公式の料金ページ(日本語)に表示されている内容を、議事録に関係する項目に絞って並べると次のとおりです。
| 項目 | ベーシック(無料) | プロ |
|---|---|---|
| 料金(年払い・消費税別) | 無料 | ¥1,999/ユーザー/月 |
| ミーティングの時間・人数 | 1回あたり40分、参加者最大100人 | 30時間、参加者100名 |
| 自動字幕 | 含まれる(比較表の表示) | 有料アカウントでは既定で有効(ヘルプ記事の記載) |
| レコーディング | ローカル | ローカルと10GBクラウド(ライセンスごと) |
| ミーティング要約 | 1か月あたり3回の主催ミーティングで | 無制限のミーティング要約 |
| 要約テンプレート | ー | カスタムミーティング要約テンプレートの作成(月8回) |
| ライセンス数 | ー | 1〜99 |
※2026年9月17日時点でZoom公式の料金ページ(日本語)に、円表示・年払いで表示されている内容です。ビジネスは¥2,895/ユーザー/月(年払い・消費税別)、参加者300名、ライセンス数1〜250と表示されています。エンタープライズは料金ページでお問い合わせとなっており、ライセンス数は250超です。
ミーティング要約は有料プランに含まれる:ベーシックの月3回との違い
ミーティング要約の扱いは、見る公式情報によって書き方が違うため、出典を分けて確認するのが確実です。
- 料金ページ(日本語)の表示:ベーシックのAI機能として「ミーティング要約(1か月あたり3回の主催ミーティングで)」、プロに「無制限のミーティング要約」と表示されています。
- サポート記事(KB0058013)の要件:ミーティング要約を使えるのは Zoom Workplace Pro/Pro Plus/Business/Business Plus/Enterprise/Enterprise Plus/Enterprise Bundle のライセンスユーザーとされ、Basicは対象として挙がっていません。一部の業種や地域では使えない場合があるという注記もあります。
- 公式ブログ(2026年6月24日):要約などの機能は対象の有料プランに含まれたまま提供されると説明されています。
ベーシックの枠は試用と考え、定例会議で毎週使うなら主催者が有料プランのライセンスを持つ形で考えるのが無理のない進め方です。
AI Companionの名称変更(ZoomMate/Zoom AI)の整理
Zoomの公式ブログ(2026年6月24日)では、AI Companionとして提供されていた機能はZoom Workplaceに組み込まれ、Zoom AIという名称で説明されています。一方でZoomMateは、新しいアドオン製品(エージェント型)として発表されました(同社発表)。
議事録に使うミーティング要約は、この説明では有料プランに含まれる側の機能で、ヘルプ記事の手順ではZoom AIの表記が使われています(例:Start Zoom AI)。
人数別の年額の目安(プロとビジネス)
料金ページに表示されている年払いの月額(消費税別)で、ライセンス数ごとの年額を計算すると次のようになります。計算式は「1ユーザーあたりの月額 × ライセンス数 × 12か月」です。
- プロ・10ライセンス:1,999円 × 10 × 12 = 年239,880円(税抜。税込は263,868円)
- プロ・30ライセンス:1,999円 × 30 × 12 = 年719,640円(税抜。税込は791,604円)
- ビジネス・10ライセンス:2,895円 × 10 × 12 = 年347,400円(税抜。税込は382,140円)
- ビジネス・30ライセンス:2,895円 × 30 × 12 = 年1,042,200円(税抜。税込は1,146,420円)
※2026年9月17日時点でZoom公式の料金ページ(日本語)に表示されている金額(年払い・消費税別)をもとにした計算です。税込は消費税10%として計算しています。月払いの金額、割引、キャンペーンはこの計算に含めていません。
要約を開始・停止できるのはホストと共同ホストなので(KB0058013)、会議を主催する人の数からライセンス数を考えるのが目安です(割り当ての条件は契約前に公式の窓口で確認してください)。
字幕と文字起こし:2026年5月の変更後に全文を残す方法
いまZoomで会議の全文を文字で残すには、ミーティングのトランスクリプト(Meeting transcript)を有効にする必要があります。2026年5月の仕様変更で、字幕は会議中と録画の再生時に表示する機能になり、保存はできなくなりました。料金ページでは自動字幕はベーシックにも含まれると表示されていますが、トランスクリプトの設定について公式ヘルプが案内している前提はPro・Business・Enterpriseのアカウントで、ベーシックで使えるかは明記されていません。
ウェブポータルの設定で自動字幕とミーティングのトランスクリプトをオンにする手順
自動字幕は、ウェブポータルの設定(Settings)→ミーティング(Meeting)タブ→ミーティング内(詳細)(In Meeting (Advanced))にある自動字幕(Automated captions)で有効にします(KB0058810)。対応言語には日本語が含まれ、有料アカウントでは既定で有効とされています。会社全体はアカウント管理(Account Management)→アカウント設定(Account Settings)、部署単位はユーザー管理(User Management)→グループ(Groups)から同じ項目を開きます。
以前は同じ場所に全文の文字起こし(Full transcript)と字幕の保存(Save captions)の設定があり、これをオンにして文字を残す方法が紹介されてきました。公式ヘルプ(KB0085668)によると、これらの設定は2026年5月24日〜26日に段階的に削除され、字幕は会議中のリアルタイム表示は続く一方、会議後に保持・保存・ダウンロードする資産ではなくなりました。KB0063899でも、2026年5月18日から字幕の保存・ダウンロードはできなくなったと案内されています。現在、文字を残すための設定は次のとおりです(KB0085675)。
- ウェブポータルにサインインする(会社全体・部署単位は管理者が、個人の設定は管理者にロックされていなければ本人が設定する)
- 設定(Settings)→ミーティング(Meeting)→ミーティング内(詳細)(In Meeting (Advanced))を開く
- ミーティングのトランスクリプト(Meeting transcript)をオンにする(既定はオフ)
- 端末に保存できる人を、ホストのみ/ホストと共同ホスト/ゲスト(外部参加者)以外の参加者/指定IPの参加者/全参加者から選ぶ
社外の人が参加する会議が多い会社では、保存できる人をゲスト(外部参加者)以外の参加者にしておくと、社内の議事録係は保存でき、社外の参加者は端末に保存できない設定にできます。
会議中に字幕を表示し、文字起こしのパネルを開く
自動字幕が有効なら、会議中に字幕を表示して発言を文字で追えます。ただし字幕は表示だけで、会議後に残りません。議事録の元にするのは、トランスクリプトを有効にしたうえで開く文字起こし(Transcript)のパネルです。ボタンの置き場所はアプリのバージョンや画面の幅で変わるため、テスト用の会議で一度開いて位置を確かめておくと安心です。
会議中に「文字起こしを保存」でテキストを残す
公式ヘルプ(KB0085682)では、会議中の文字起こしを保存(Save transcript)で.TXTファイルを保存するには、ミーティングのトランスクリプトが有効になっていることが前提とされています。保存できるのは、上の設定で選んだ範囲の人です。手順は次のとおりです。
- 会議中にツールバーの詳細(More)→文字起こし(Transcript)を押して開始する(自動で作る設定の会議では自動で始まる。止めるときは文字起こしを停止(Stop transcription))
- 議題が終わったところで文字起こしのパネルを開く
- 文字起こしを保存(Save transcript)を押す
- .TXTファイルを会社の決めた保存場所に移し、ファイル名を「日付_会議名」でそろえる
保存しないまま会議を終えたら文字起こしは残るのか
ミーティングのトランスクリプトを有効にしていれば、会議後はホストがウェブポータルの記録とトランスクリプト(Recordings and Transcripts)タブで閲覧・削除でき、保持と権限の設定で許可されていればVTT形式でダウンロードできます(KB0085675)。会議中に保存し忘れた場合も、この条件を満たしていればホストが取り出せます。議事録係がホストでない場合は、ホストに取り出しを頼む段取りにしておきます。
一方、字幕は2026年5月の変更で会議後の資産として残らなくなりました(KB0085668)。無料のベーシックについては、トランスクリプトの設定の前提として公式ヘルプが案内しているのがPro・Business・Enterpriseである点を踏まえ、議事録に毎回使う会議は有料プランの主催者が開く形にしておくのが確実です。
ホストや管理者の設定(ロック)で文字起こし・要約が使えないとき
項目が見つからない、保存できないときは管理者の設定を確認します。要約の設定(KB0057960)では、アカウントとグループの単位はオーナーや管理者が変更し、ユーザー単位の設定はロックされていなければ本人が変えられると説明されています。
- 自分の設定でオンにできないときは、管理者にアカウント設定かグループ設定を確認してもらう
- 文字起こしを保存できる人がホストだけに設定されている場合は、ホストに保存を頼むか、管理者に範囲を見直してもらう
- 要約を開始・停止できるのはホストと共同ホストのみなので、参加者の立場ならホストに頼む
- 他社が主催する会議では、相手の会社の設定が優先される
有料プラン:クラウド録画の文字起こしで会議後に全文を残す
録画も残す会議なら、クラウド録画の音声の文字起こし(Audio transcript)で全文の文字ファイルも残せます。
レコーディング(録画・録音)機能の活用:ローカルとクラウドの違い
料金ページでは、ベーシックのレコーディングはローカル、プロはローカルと10GBのクラウド(ライセンスごと)と表示されています。ローカル録画は録画した人のパソコンに保存され、共有や削除の管理が個人任せになります。クラウド録画は文字起こしや自動削除の設定と組み合わせられます。
クラウド録画の文字起こしをオンにする設定と、VTTファイルの保存場所
公式ヘルプ(KB0065911)によると、音声の文字起こしを使う条件は、Pro・Business・Education・Enterpriseのアカウントでクラウドレコーディングが有効になっていることです。設定の場所は次のとおりです。
- ウェブポータルの設定(Settings)を開く
- 記録とトランスクリプト(Recording & Transcript)タブを選ぶ
- クラウド記録の詳細設定(Advanced cloud recording settings)を確認する
- 音声トランスクリプトを作成(Create audio transcript)をオンにする
作られた文字起こしはVTT形式で、録画の一覧に、録画とは別のVTTファイルとして表示されます(KB0064927)。対応言語は19言語で、日本語が含まれます。
録画を共有された人が文字起こしを見られるかは、閲覧者はトランスクリプトを見ることができます(Viewers can see the transcript)の設定で決めます(KB0065362)。社外に録画を共有するなら、この設定も合わせて決めます。
ミーティング要約で議事録の下書きを作る
有料プランで議事録の手間を大きく減らせるのは、ミーティング要約です。ホストが会議中に開始すると、会議後に要約がメールで届き、チャットが有効な場合は会議のチャットにも投稿されます。対応言語には日本語が含まれます(KB0078144)。ただし要約はあくまで下書きなので、決定事項と数字は人が確認して確定版にします。
設定画面でミーティング要約(旧AI Companion)を有効化する手順
ミーティング要約は、ウェブポータルの設定にあるAIによるミーティング要約(Meeting summary with AI)のトグルで有効にします(KB0057960)。
- 会社全体で使う場合は、オーナーか管理者がアカウント設定でトグルをオンにする
- 部署ごとに分ける場合は、グループ設定でオンとオフを決める
- 個人で使う場合は、管理者にロックされていなければ、本人が自分の設定でオンにする
会議中にホストが要約を開始する手順
公式ヘルプ(KB0058013)に書かれている開始の手順は次のとおりです。
- 会議中に、画面のZoom AIのアイコンにカーソルを合わせる
- ミーティング要約(Meeting summary)にチェックを入れる
- Zoom AIを開始(Start Zoom AI)を押す
開始と停止ができるのはホストと共同ホストだけで、参加者はホストに開始をリクエストすることしかできません。議事録係が一般の参加者の立場で入っている場合は、ホストに共同ホストに指定してもらうか、冒頭でホストに開始してもらうよう段取りを決めておきます。
要約の中身と、会議後にメールやチャットで届く流れ
要約は、会議後にメールで送られ、チャットが有効な場合は会議専用のチャットにも投稿されます(KB0058013)。会議の直後に届いた要約を下書きにして、確定版を作る流れが組みやすくなります。
要約にどのような見出しや項目が並ぶかは、テンプレートや画面の更新によって変わりうるため、導入時にテスト会議で一度出力し、自社の議事録の型と比べておくのがおすすめです。比べるときは、決定事項・担当者と期限つきのToDo・持ち越しになった論点の3つが要約から拾えるかを見ます。足りない項目は、議事録係が文字起こしから補う工程として手順書に書いておきます。
要約と文字起こしを見る場所と、確定版の作り方
ミーティングのトランスクリプトの文字起こしは、会議後にホストがウェブポータルの記録とトランスクリプト(Recordings and Transcripts)タブで閲覧・削除でき、保持と権限の設定で許可されていればVTT形式でダウンロードできます(KB0085675)。要約の届いたメールを見失ったときは、ウェブポータルの記録とトランスクリプト(Recordings and Transcripts)→トランスクリプト(Transcripts)タブから確認できます(KB0076632)。管理者は、コンテンツ管理(Content Management)の配下から確認します。
関係者に配るときは、要約をそのまま転送せず、社内の議事録の書式に写して直した確定版を共有します。AIの要約には、結論が出ていない話を決定のように書いた文が混ざることがあるためです。
要約テンプレートで出力形式を切り替える
料金ページでは、プランの機能として「カスタムミーティング要約テンプレートの作成(月8回)」がプロに表示されています。会議の種類によって必要な項目は違うため、テンプレートを使えるなら、定例会議用・プロジェクト会議用・顧客との打ち合わせ用のように、会議の型ごとに分けて作るのが効率的です。
- 定例会議:前回ToDoの進み具合、今回の決定事項、次回までのToDo
- プロジェクト会議:課題ごとの状況、判断が必要な事項、期限の変更
- 顧客との打ち合わせ:先方の要望、こちらの回答、持ち帰り事項、次の連絡日
要約の開始時に参加者に表示される通知(AI利用中の表示)
AI機能が動いている間は、参加者の画面でひし形(ダイヤ)のアイコンの色が変わって示されます(KB0058013)。参加者はこの表示で、要約などのAI機能が使われていることに気づけます。
ただし、アイコンの色の変化は気づかれにくい表示です。社外の人が参加する会議では、表示に頼らず冒頭に口頭で伝えます。文例は後の社外会議の節で紹介します。
文字起こしを生成AIで議事録に整える
保存した文字起こしは、ChatGPTなどの生成AIに渡すと、決定事項とToDoを抜き出した議事録の形に短時間で整えられます。ただし、文字起こしには社外の人の発言や取引先の情報がそのまま入っているため、どのAIに、どの状態で渡すかを決めてから使うことが前提になります。
議事録に必要な項目(決定事項・ToDo・保留事項)と形式の選び方
形式は、読む人が何を知りたいかで選びます。
- 要点型:決定事項・ToDo(担当者と期限)・保留事項の3つだけを書く。社内の定例会議向け
- 議題別型:議題ごとに、論点・出た意見・結論を書く。複数の論点を扱う会議向け
- 発言録型:誰が何を言ったかを残す。取締役会や、合意内容を後から確かめる必要がある会議向け
保存した文字起こしをChatGPT等の生成AIに渡す手順
- 会社で使ってよいと認められたAIの環境を開く(個人アカウントは使わない)
- 文字起こしのファイルを開き、後述の手順で伏せるべき情報を置き換える
- 議事録の形式と出力してほしい項目を指示文に書く
- 置き換え済みの文字起こしを貼り付けるか、ファイルとして添付する
- 出力された議事録を、文字起こしや録画と照らして人が確認する
- 置き換えた名前や金額を元に戻し、確定版として保存する
生成AIへの指示文(プロンプト)の例
次の指示文は、定例会議の文字起こしを要点型の議事録にするときの例です。自社の会議に合わせて項目を入れ替えて使ってください。
指示文の例(要点型)
あなたは会議の議事録係です。以下の文字起こしから、社内向けの議事録を作ってください。
・冒頭に会議名、日時、出席者を書く
・決定事項を箇条書きで書く。決まっていない話は決定事項に入れない
・ToDoは、担当者、内容、期限の形で書く。担当者や期限が文字起こしから分からない場合は空欄にし、推測で埋めない
・結論が出ずに持ち越した論点を、保留事項として書く
・数字、日付、固有名詞は文字起こしの表記のまま書く
・文字起こしの中で聞き取りが怪しい箇所は、要確認として最後に一覧にする
(ここに置き換え済みの文字起こしを貼る)
推測で埋めさせず、要確認の一覧を出させると、人の確認が早く終わります。
AIに渡す前に伏せる項目と、置き換えの手順
取引先や個人を特定できる情報を記号に置き換えてから渡すと、万一のときの影響を小さくできます。固有名詞は後から戻せば足りる場面が多いからです。
- 伏せる項目を決める:取引先名、社外の人の氏名、金額、連絡先、住所、未公表の製品名や案件名
- 記号に置き換える:取引先A、人物1、金額1のように、同じものには同じ記号を当てる
- 対応表を社内だけに残す:対応表は社内に置き、AIには貼らない
- 連絡先は消す:議事録に不要なことが多いので削除する
- 出力を元に戻す:出力を確認したあと、対応表を見て人が記号を戻す
一括置換の後は、聞き間違いで別の表記になった社名が残っていないか、社名の一部で検索して確かめます。
外部の生成AIに会議内容を入れるときの機密情報・学習利用の注意
文字起こしを外部の生成AIに貼った時点で、その内容はAIの提供元のサービスを通ります。入力した内容が学習に使われるかどうか、どこにどのくらい保存されるかは、使うサービスとプラン、設定によって変わります。個人で契約したAIでは、会社がその設定を確かめることも、利用状況を追うことも困難です。録画ファイルそのものをAIに入れる場合の上限や、入れてよい動画の線引きは動画要約AIを会社で安全に使う方法で整理しています。
- 会社で契約し、入力内容を学習に使わない条件を確かめたAI環境だけを使う
- 採用・人事・未公表の経営情報など、置き換えても中身が機密になる会議の文字起こしは、AIに渡さない
会社が把握していないAIに業務情報が入る状態は、野良AI(シャドーAI)と呼ばれます。背景と対策は野良AI(シャドーAI)とはで解説しています。
社外の人が参加する会議で決めておくこと
社外の人が参加する会議では、事前の告知、断られたときの切り替え、記録しない会議の線引きを会社で決めておくことが大切です。Zoomにも通知の表示はありますが、表示だけでは、相手の会社が記録の使い道や保存期間まで了解しているかは分かりません。
録音・文字起こし・AI要約は参加者に事前に伝え、許可を取る
録画や要約を使う会議では、招待の段階で伝え、会議の冒頭でもう一度確認するのが丁寧です。招待の時点で伝えておけば、相手は社内で確認する時間を取れますし、当日になって断られて段取りが崩れることも減ります。
録画の同意表示と、免責文をカスタマイズできる条件
公式ヘルプ(KB0059819)では、録画が始まったときや、録画中の会議に入ったときに、参加者に通知が表示されると説明されています。参加者はOKを押して同意するか、退出(Leave)→ミーティングを退出(Leave Meeting)で会議から抜けることができます。
この通知の文言は、録画開始時に参加者に免責事項を表示する(Show a disclaimer to participants when a recording starts)の設定にある免責事項をカスタマイズ(Customize Disclaimer)で変えられます(KB0068402)。ただし、カスタマイズできるのはBusiness・Education・API・Enterpriseのアカウントで100ライセンス以上の場合で、ユーザー単位では設定できません。条件に当てはまらない会社は、招待メールと口頭で説明を補います。
社外参加者への告知文の文例(招待メールと会議冒頭)
保存日数や連絡先は自社の運用に合わせて書き換えてください。
招待メールに入れる一文
本会議では、議事録作成のため、Zoomの録画・文字起こし・AIによる要約機能を使用する予定です。記録は議事録の作成にのみ使い、会議後◯日で削除します。記録を控えてほしい場合は、事前に担当の◯◯までお知らせください。
会議の冒頭で読み上げる文
ご案内のとおり、議事録作成のために録画と文字起こし、AIの要約を使わせていただきます。途中で記録を止めてほしい話題があれば、お声がけください。よろしいでしょうか。
相手に断られたときは、その場で録画と要約を止め、人がメモを取る形に切り替えます。一部の議題だけ止めてほしいと言われたら、その議題の間だけ記録を止め、再開時に口頭で伝えます。
記録してよい会議・記録しない会議の分け方
会議の種類ごとに記録するかを先に決めておくと、担当者が迷いません。次は一例です。
- 記録して要約まで使う:社内の定例会議・プロジェクト会議決定事項とToDoを残すのが目的の会議。記録を標準にする。
- 事前に同意を得てから記録する:顧客や取引先との打ち合わせ了解を得られた場合だけ使い、断られたら人がメモを取る。
- 原則として記録しない:採用面接・人事評価・懲戒に関する面談必要な結論だけを担当者が書き残す。
- 原則として記録しない:未公表の経営判断・M&A・価格交渉議事録は出席者が手で作り、保存先を限定する。
- 相手の方針に合わせる:顧問先や専門家への相談記録の可否を相手に先に確認する。
他社が主催する会議で録画や要約が始まったとき
録画の通知が出たり、AI機能のアイコンの色が変わったりしたら、要約を誰が受け取り、どのくらい保存するのかを確認して構いません。機密に触れる話題の前に、その部分だけ記録を止めてほしいとホスト側に頼むのも失礼には当たりません。
Zoomは顧客の会議データをAIの学習に使わないとプライバシーステートメントに記載
Zoomのプライバシーステートメントには、音声・映像・チャット・画面共有・添付ファイル、そのほかの通信に類する顧客コンテンツ(投票結果、ホワイトボード、リアクションなど)を、Zoomや第三者のAIモデルの学習に使わない、という趣旨の記載があります。
これはZoom自身による記載で、外部の第三者が検証した結果ではありません。また、この記載が対象にしているのはZoomのサービスの中での扱いです。保存した文字起こしをZoomの外の生成AIに貼った場合は、その貼り付け先のサービスの規約と設定が適用されます。
社外会議の録音を各自のAIで要約すると、相手の発言がどこに残るかを説明できません。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。
録画・文字起こし・要約の保存期間を決める
記録を使い始めたら、いつ消すかを最初に決めておくのが大切です。公式ヘルプ(KB0074786)では、クラウド録画はアカウントが有効な間保持されると説明されており、何も設定しなければ残り続けます。
クラウド録画の自動削除と、ゴミ箱に残る30日
クラウド録画は、指定した日数が過ぎたら削除する設定(Delete cloud recordings after a specified number of days)で自動削除できます(KB0065362)。さらに、削除したクラウド録画をゴミ箱から復元できるようにする設定(Allow recovery of deleted cloud recordings from Trash)が有効な場合、削除された録画はゴミ箱に30日間残ります。
つまり、自動削除の日数を決めても、ゴミ箱の設定が有効なら、実際に消えるのはそこから30日後です。社外の人に「◯日で削除します」と伝える場合は、ゴミ箱の期間を含めて考えるか、ゴミ箱の扱いも含めて社内で設定をそろえておきます。
ミーティング要約の自動削除の日数指定
ミーティング要約にも、日数を指定して自動で削除する設定(Specify a time range (days))があります(KB0075089)。確定版の議事録を社内に保存したら、Zoom側の要約を長く残す理由はあまりありません。
- 確定版の議事録をどこに保存するかZoomの外の共有フォルダなどを正本にする。
- 録画・文字起こし・要約を何日で消すか確定版の作成にかかる日数に余裕を足し、ゴミ箱の30日も考慮する。
- 社外の人に伝えた日数と、実際の設定が合っているか告知文の日数と設定値を照らし合わせる。
精度を上げる会議の進め方と、人が確認する工程
文字起こしと要約の出来は、音の拾い方と会議の進め方で変わります。それでも誤りはなくならないため、人が確認する工程を手順に組み込みます。
マイク・静かな環境など音声品質で精度が変わる
声が小さい、雑音が大きい、声が反響する、といった状態では聞き取りの誤りが増えやすくなります。
- ノートパソコン内蔵のマイクより、口元に近いヘッドセットのマイクを使う
- 発言しないときはミュートにして、キーボードの音や周りの会話を入れない
- 会議室から複数人で参加する場合は、部屋全体の声を拾える会議用のマイクを置く
発言を重ねない・決定事項をはっきり言うなど会議の進め方
複数の人が同時に話すと発言が混ざるため、話す順番をはっきりさせます。
- 話し始めに名前を名乗る(特に会議室から複数人で参加している場合)
- 一人が話し終えてから次の人が話す。進行役が発言者を指名する
- 議題の終わりに進行役が「決定事項は◯◯、担当は◯◯さん、期限は◯日です」と声に出してまとめる
AIの出力は人が確認する(固有名詞・数字・決定事項)
読みやすい文章ほど誤りに気づきにくいため、誤りが起きやすい箇所に絞って確認します。
- 固有名詞社名・人名が聞き間違いの表記になっていないか。
- 数字と日付金額・期限が発言と一致し、桁の誤りがないか。
- 決定事項検討中や保留の話が、決まったこととして書かれていないか。
- ToDoの担当者と期限引き受けていない担当や言っていない期限がないか。
完全自動化は難しい:人が手を入れる工程を決めておく
音声の条件で誤りの出方が変わり、何を決定事項とみなすかの判断も要るため、配布まですべて自動にするのは難しいと考えておくのが現実的です。
そのため、自動にする部分と人が手を入れる部分を分けて手順にします。例えば、文字起こしと要約の作成は自動、決定事項とToDoの確認は議事録係、確定版の承認は会議の責任者、配布は議事録係、という分担です。
Zoom本体以外の方法と、ツールを選ぶ観点
Zoomの機能で足りない場合は外部ツールなどを組み合わせますが、会議の内容が通る先が増えるため、会社として管理できるかを基準に選びます。
外部のAI議事録ツールの紹介と位置づけ(Notta・Otolio・Rimo Voice等)
Zoomの会議に対応したAI議事録ツールとしては、Notta、Otolio、Rimo Voiceなどが検索上位の記事で紹介されています。Zoom以外の会議ツールや対面の打ち合わせに使えるか、議事録をどう管理できるかといった範囲は、製品ごとに異なります。
ただし、文字起こしの精度や対応している機能は製品・プラン・時期で変わります。精度の数値は第三者の検証か自社の発表かを確かめたうえで、自社の実際の会議の録音で試し、確認にかかる時間がどれだけ減るかで判断するほうが確実です。
AI議事録ツールの選び方(精度・連携・セキュリティ・料金)
精度は自社の会議で試さないと分からないため、先に次の観点で候補を絞ります。
- 対応している会議ツール社内で使っている会議ツールと対面の録音をすべて扱えるか。
- 日本語と専門用語日本語に対応し、社名や業界の用語を補う仕組みがあるか。
- データの保存場所と学習の扱い録音と文字起こしの保存先と、学習に使われない条件を規約で確かめる。
- 権限と共有範囲議事録を見られる人と社外への共有範囲を、管理者が決められるか。
- 料金体系ユーザーごとか利用時間ごとか。部署に広げたときに費用がどう増えるか。
ホワイトボード機能でメモを残す
会議中にZoomのホワイトボードへ決定事項やToDoを書き出し、全員で見ながら確定させる使い方もあります。書かれなかった議論は残らないため、文字起こしや要約の代わりではなく、決定事項の認識をその場でそろえる補助として使います。
Googleドキュメントの音声入力で文字起こしする場合
Googleドキュメントの音声入力で会議の声を文字にする方法を紹介する記事もあります。追加の費用はかかりませんが、相手側の音声をどう入力に回すかの工夫が必要です。Zoomのトランスクリプトが使えるなら、そちらを先に試します。
Zoom以外の会議(Teams・Google Meet)でも同じ仕組みを使えるか
TeamsやGoogle Meetで議事録を作る場合、使える機能やプラン、設定の場所、保存先はツールごとに異なります。
ただし、告知文、記録しない会議の区分、AIに渡す前に伏せる手順、保存期間、人が確認する項目は、会議ツールが変わっても共通のルールにできます。Google Meetでの手順はGoogle Meetの議事録の作り方で解説しています。
会社として議事録のAI利用を安全に回すには
会社が何も決めなければ、社員はそれぞれ手元のAIに文字起こしを貼るようになります。安全に回すには、使うAIの環境を会社が用意し、利用の記録を会社側で持つことが基本です。
個人アカウントのAIに文字起こしを貼らせない仕組み
取引先の情報が入った文字起こしを個人で登録したAIに貼られると、学習や保存の条件を会社が確かめられません。禁止のルールだけでは、便利さに押されて守られにくくなります。
現実的なのは、議事録の整形に使ってよいAIを会社で用意し、入力した内容を学習に使わない設定を会社側で一律に適用したうえで、社員全員に配ることです。配られていない人が出ると、その人が個人のアカウントで作業する余地が残ります。点検すべき項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリストで整理しています。
誰がどの会議の文字起こしをどのAIに入れたかを記録する
誰が、いつ、どのAIを使ったかを会社側で記録できる環境なら、取引先に情報の扱いを問われたときに説明できます。個人の設定で学習を止めてもらう方式では、設定が本当に守られているかを会社から確かめにくくなります。
- 利用の記録を会社側で取れるか利用者・日時・使ったAIを一覧で書き出せるか。
- 記録を定期的に見る担当がいるか決まった頻度で想定外の使い方がないかを確かめる。
- 使わせるAIを会社が選べるか使ってよいAI以外を止められるか。
社内ルールに書いておく項目
社内ルールには、この記事の論点をそのまま並べます。
- 記録してよい会議・同意を得て記録する会議・記録しない会議の区分
- 社外の参加者への告知文と、断られたときの切り替え手順
- 要約や文字起こしを受け取る人と、社外への共有の可否
- 録画・文字起こし・要約の保存日数と、確定版の保存場所
- AIに渡す前に伏せる項目と、置き換えの手順
- 使ってよいAIの環境(個人アカウントの禁止)
- 人が確認する項目と、確定版を承認する人
生成AI全般のルールの作り方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で、項目ごとの書き方を含めて解説しています。議事録の整形はAIごとの向き不向きも出やすいため、複数のAIを会社の管理下で使い分ける考え方はマルチAIとはで紹介しています。
よくある質問
Zoomの議事録ツールは無料で使えますか?
Zoom会議の録画はこっそりできますか?
Zoomの議事録はどこで見れる?
Zoomの議事録はChatGPTで作成できますか?
ミーティング要約を開始できるのは誰ですか?
まとめ
Zoomで議事録を作る方法は、ミーティングのトランスクリプトで文字起こしを残す方法、クラウド録画の文字起こしを使う方法、ミーティング要約を使う方法の3つが中心です。2026年5月の変更で字幕は保存できなくなり、録画しない会議で文字起こしを残すにはミーティングのトランスクリプトの有効化が必要です。その設定の前提は公式ヘルプでPro・Business・Enterpriseと案内され、要約の扱いも料金ページとサポート記事で書き方が違うため、業務で毎回使うなら主催者が有料プランのライセンスを持つ形で考えるのが確実です。
どの方法でも固有名詞・数字・決定事項は人が確認します。社外の人が参加する会議では事前に記録を伝え、記録しない会議の区分と、ゴミ箱の30日を含めた保存日数を会社で決めておきます。
文字起こしを生成AIで整える工程は、取引先の情報が外部のサービスを通る工程でもあります。伏せる項目を置き換えること、学習に使わない設定を会社が一律に適用した環境だけを使うこと、利用の記録を会社側で持つことを、先にルールにしてから広げてください。
議事録の整形に使うAIを、会社の管理下で全員に
UPGEAR AIは、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1画面で切り替えて使える法人向けAI基盤です。全モデルで学習非利用を標準適用し、管理画面では利用者・日時・利用モデル単位まで利用状況を把握でき、CSVでの書き出しにも対応します。使わせるAIも会社が選べます。UPGEAR AIの料金は月額30,000円(税抜)からで、ユーザーごとの課金はありません(人数の目安はライト1〜5名・スタンダード6〜20名・プレミアム21〜50名)。
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