ChatGPTのファイルアップロード。上げ方と上限、上げる前に決める学習設定と保存先

ChatGPTのファイルアップロードとは、PDFやWord、Excel、画像などを会話に添付して、中身の要約や集計、比較をChatGPTに任せる機能です。無料版でも使うことが出来ますが、会社の書類を上げる前に決めておきたいのは操作の手順よりも、学習に使われる設定のままになっていないかと、上げたファイルがどこにいつまで残るかの2点になります。個人向けのプランは設定しだいで中身が学習に使われることがあり、チャットを消してもライブラリに保存したファイルは残ってしまいます。上限や設定の場所は、2026年9月27日時点のOpenAI公式ヘルプの記載をもとに整理しています。

先に結論|会社の書類を上げる前に決める3つのこと

会社の書類をChatGPTに上げる前に決めるのは、使うアカウント、学習の設定、ファイルを残す場所と消す期限の3つになります。上げ方そのものは入力欄のメニューからファイルを選ぶだけで、迷う場面はそれほど多くありません。一方で、個人のアカウントと会社で契約したワークスペースとでは、同じ操作をしても中身の扱いが変わってしまいます。

  • どのアカウントで上げるか個人のアカウント(無料版・Go・Plus・Pro)か、会社で契約したBusiness・Enterpriseのワークスペースかで、学習と保存の扱いが変わります。OpenAIの公式ヘルプは、Business・Enterprise・Eduからの入力と出力を既定ではモデルの改善に使わないと案内しています。
  • 学習に使わせない設定になっているか個人向けのプランは、設定のデータコントロールで「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにしない限り、上げたファイルも学習に使われることがあります。オフにしても、回答の高評価・低評価を押した会話は例外になります。
  • どこに残し、いつ消すかチャットを削除してもライブラリに保存したファイルは消えません。削除したファイルも、30日以内にシステムから消えるまでは残ります。

3つのうち、社員一人ひとりの操作に任せると漏れやすいのは、学習の設定と削除の2つでしょう。実際に、設定の画面を開いたことがない方や、ライブラリという保存場所があることを知らない方は少なくありません。迷ったときは、個人のアカウントには社外秘の書類を上げない、という線を先に引いてしまいましょう。書類ごとの細かな判断は、後半の判断表と社内ルールのひな形でそのまま使える形にまとめてあります。

ファイルアップロードで出来ること

ファイルを上げると、ChatGPTはその中身を読んだうえで、要約や抜き出し、表の集計、複数の資料の比較をしてくれます。OpenAIの学習用サイトであるOpenAI Academyでも、ファイルを添付して要約や分析を頼む使い方が紹介されています。業務でよく使われるのは、次のような依頼です。

  • 長い契約書や報告書を読ませて、要点を箇条書きにまとめてもらう
  • 複数社の見積書を並べて、条件や金額の違いを表にしてもらう
  • 売上のExcelやCSVを読ませて、月別・担当者別に集計し、グラフにしてもらう
  • 会議の議事録から、決まったことと次までの宿題を抜き出してもらう
  • 画像で受け取った案内状やチラシの文字を読み取り、文章に起こしてもらう

読むのに時間がかかる資料の下読みと、手作業で集計していた表の整理で、効き目を感じやすいでしょう。PDFの扱い方はChatGPTでPDFを読み込ませる使い方、表の分析はChatGPTのデータ分析で詳しく扱っていますので、あわせてご覧ください。

業務で使える依頼の書き方の例

ファイルを上げたら、何を・どの形で返してほしいかを1〜2文で添えるのが基本になります。依頼があいまいだと長い要約が返ってきて、結局は元の資料を読み直すことになってしまいます。要約を頼むときのプロンプト例や、長い資料を分けて読ませるコツはChatGPTで要約するやり方で詳しくまとめました。

  • 契約書なら「このPDFの契約書から、契約期間、更新の条件、解約の申し出の期限、支払条件を抜き出し、条項の番号と一緒に表にしてください」
  • 見積書の比較なら「3つの見積書の合計金額、納期、保守の範囲を横に並べ、違いがある点だけを箇条書きにしてください」
  • 売上のExcelなら「このファイルの売上を月別と担当者別に集計し、前年の同じ月より下がった月を挙げてください」
  • 議事録なら「この議事録を、決まったこと、担当者と期限つきの宿題、次回に持ち越した論点の3つに分けて整理してください」

どの依頼も、最後に「根拠になったページや条項の番号も示してください」と添えると、答えを元の資料で確かめやすくなります。同じ依頼を繰り返し使う場合は、社内で文面をそろえて共有すると、担当者による出来のばらつきも抑えられるでしょう。

対応しているファイル形式

公式ヘルプは、テキストファイル、スプレッドシート、プレゼンテーション、ドキュメントで一般的に使われる拡張子には、すべて対応していると案内しています。OpenAI Academyを見ると、対応形式の例としてCSV、XLSX、PDF、DOCX、JPEG、PNG、TXTが挙がっており、社内でよく使う形式はひととおり含まれます。画像として読み取れる形式は、PNG、JPEG、アニメーションなしのGIFの3種類となります。普段の業務で扱うWordやExcel、PowerPoint、PDFであれば、形式で困る場面はほとんどないでしょう。一方で、画像は形式が限られるため、スマホで撮った写真が上がらないときは、PNGかJPEGで保存し直してから試してみてください。

ChatGPTにファイルをアップロードする手順

上げ方は、パソコンでもスマホでも、入力欄のメニューからファイルを選び、してほしいことを書き添えて送る流れになります。操作は数回のクリックで終わるため、最初の1回を一緒に試せば、多くの方はすぐに覚えられます。

パソコンのブラウザから上げる手順

  1. ChatGPTを開き、会話の入力欄にあるツールメニューを開く
  2. 「写真またはファイルを追加」を選び、パソコンの中のファイルを選ぶ
  3. ファイルが入力欄に付いたことを確かめ、「この契約書の支払条件を箇条書きにしてください」のように依頼を書いて送る

OpenAI Academyの案内でも、ツールメニューから「写真またはファイルを追加」を選ぶ手順が示されています。画面の名前や位置は更新で変わることがあるため、社員向けの手順書を作るときは、自社で使っている画面の写しを貼っておくと親切です。依頼の文は、何を・どの形で返してほしいかまで書くと、読み直しの手間が減ります。

スマホアプリから上げる手順

公式ヘルプは、ファイルのアップロードをWebと対応するモバイルアプリの両方で使えると案内しています。アプリでも、入力欄のメニューから写真やファイルを追加し、依頼を書いて送る流れは変わりません。外出先で受け取った書類を写真で上げる使い方は手軽ですが、画像の中の日本語は読み違いが起きやすいため、後で紹介する注意点もあわせて確かめてみてください。

Google DriveやMicrosoft 365のファイルをつなぐ(アプリ連携)

クラウドに置いた資料は、ChatGPTと外部のサービスをつなぐアプリ連携の機能を使って読み込む方法もあります。OpenAIの料金ページには、Businessプランの内容としてGoogle Workspace、Slack、GitHub、Microsoft 365などとの連携が挙げられています。連携を使うとファイルを1つずつ上げる手間は省けますが、つないだ範囲によっては、ChatGPTから見える資料が一気に広がってしまいます。OpenAI Academyは、BusinessやEnterpriseのワークスペースでアプリを通じて扱うデータも、既定ではモデルの学習に使わないと注記しています。個人のアカウントに会社のドライブをつなぐのは避け、つなぐなら会社のワークスペースで行いましょう。どのフォルダまで見せるかは、情報システムの担当の方と決めておくのがおすすめです。

公式ヘルプに書かれた上限の一覧

ファイルの上限は、1ファイルの大きさ、文書の長さ、一定の時間に上げられる数、保存できる総量の4つに分けると整理しやすくなります。解説によって無料版の1日の上限の数字が異なることもあるため、ここでは公式ヘルプの記載をそのまま並べています。

項目上限公式ヘルプの記載の要点
1ファイルの大きさ512MBGPTやChatGPTの会話に上げるファイルが対象
文書の長さ1ファイル200万トークンテキストファイルと文書ファイルが対象。スプレッドシートには適用されない
CSV・スプレッドシート約50MB各行のサイズによって変わる
画像1枚20MB形式はPNG・JPEG・アニメーションなしのGIF
上げられる数3時間ごとに80ファイル混雑時は引き下げる場合がある。失敗した分も数えられることがある
無料版の上げられる数1日3ファイル混雑時は引き下げる場合がある
保存できる総量1人25GB・1組織100GB使用量は[設定]の[ストレージ]で確認できる
プロジェクトのファイル数無料版5・Go/Plus 25・Edu/Pro/Business/Enterprise 401度に上げられるのは10個まで
カスタムGPTのナレッジ1つのGPTにつき10ファイルそのGPTが存在する間の合計

※2026年9月27日時点のOpenAI公式ヘルプ(ファイルのアップロードに関するFAQ、プロジェクトに関するヘルプ)の記載です。上限は変更されることがあり、混雑時には引き下げる場合があると明記されています。

ファイルの大きさは1ファイル512MB、画像は20MBまで

1ファイルの上限は512MBで、普段やり取りする書類で超えることはまずないでしょう。引っかかりやすいのはCSVやExcelのほうで、行の中身しだいでは約50MBが目安となります。何年分もの取引データを1つのファイルにまとめている場合は、年度や月ごとに分けてから上げてみてください。

文書の長さは1ファイル200万トークンまで

トークンとは、AIが文章を読むときに使う単位のことで、文字数とは一致しません。公式ヘルプでは、テキストファイルと文書ファイルは1ファイルあたり最大200万トークンで、スプレッドシートにはこの制限が当てはまらないとされています。長い資料ほど、答えが資料のどこに基づいているのかを確かめる手間は増えてしまいます。章ごとに分けて依頼すると、確かめる範囲も小さく出来ます。1回の入力で扱える文字数の目安はChatGPTの文字数制限で扱っています。

上げられる数は3時間で80ファイル、無料版は1日3ファイル

回数の上限は3時間ごとに最大80ファイルで、無料版は1日あたり3ファイルまでとなります。気をつけたいのは、アップロードに失敗した分も上限に数えられる場合があることと、残りの回数を画面で確かめる方法がないことの2つです。上がらないからといって何度も送り直すと、そのぶん上限に近づいてしまいます。利用回数の制限全般はChatGPTの利用制限にまとめていますので、あわせて確かめてみてください。

保存できる総量は1人25GB、1組織100GB

上げたファイルを保存できる総量にも上限があり、利用者1人あたり25GB、組織1つあたり100GBとされています。1人の上限より先に組織全体の上限に届く場合がある点は、会社で使うときに覚えておきたいところです。たとえば社員20人がそれぞれ5GBずつ保存すると、1人の上限には余裕があっても、組織としては100GBに達してしまいます。使っている量は[設定]の[ストレージ]で確かめることが出来るため、ライブラリの整理とあわせて定期的に見ておきましょう。

無料版と有料プランで変わるところ

ファイルのアップロード自体は、無料版でも有料プランでも使うことが出来ます。違いが出るのは、無料版の1日3ファイルという回数と、プロジェクトに入れられるファイル数、それにPDFの中の図や画像を読むかどうかです。プロジェクトとは、関連するチャットやファイルを1つにまとめておける機能で、入れられるファイル数は無料版が5、GoとPlusが25、Edu・Pro・Business・Enterpriseが40となります。PDFの中の画像まで読み取るビジュアル検索はEnterpriseだけの対応で(Enterpriseでも、GPTのナレッジやプロジェクトのファイルとして上げたPDFは文字だけの扱い)、ほかのプランではPDFから文字のデータだけを取り出し、画像は捨てる仕組みになっています。図やグラフが大事な資料は、画像として別に上げるか、数字を文字で書き添えておきましょう。

ファイルが上がらない時の原因と対処

ファイルが上がらないときは、ファイルの側、アカウントの上限、使っている環境の順に確かめると、原因を絞り込みやすくなります。多くはファイルの形式や大きさで解決しますが、会社のパソコンでは社内のネットワークの設定が原因になっていることもあります。

形式・大きさ・回数の上限を確かめる

まずは、画像ならPNG・JPEG・アニメーションなしのGIFか、画像は20MB以内か、CSVやExcelは約50MB以内かを確かめてみてください。形式も大きさも問題ないのに上がらない場合は、3時間で80ファイル、無料版なら1日3ファイルの上限に届いている可能性があります。失敗した分も数えられることがあるため、時間を置いてから試すほうが近道です。

パスワード付きのファイルやブラウザの拡張機能を疑う

パスワードで保護されたファイルは、ChatGPTの側で中身を開けないことがあります。社外に出してよい範囲を確かめたうえで、保護を外したコピーを作るか、必要な部分だけを別のファイルに写して上げましょう。ブラウザの拡張機能が通信に割り込んで失敗することもあるため、拡張機能を止めた状態や別のブラウザで試すと、切り分けが出来ます。ChatGPTの側で一時的な障害が起きていることもあるので、自分の環境に原因が見当たらないときは、少し時間を置いてみてください。

会社のパソコンだけ上がらない時は、社内のセキュリティ設定を疑う

会社のパソコンだけで上がらず、同じWi-Fiにつないだスマホでは上がる場合は、パソコンの側の設定で通信が止められている可能性があります。Yahoo!知恵袋には、パソコンでだけ「files.oaiusercontent.com にアップロードできませんでした」と表示され、ネットワークの設定かネットワーク管理者への問い合わせを促されるという相談が寄せられています(個人の投稿で、原因までは確かめられていません)。表示のとおりであれば、ファイルの受け渡しに使われる宛先への通信が、パソコンに入っているセキュリティ製品やプロキシ・VPNの設定、会社のネットワークのフィルタなどで止められていることが考えられます。

情報システムの担当の方がまず確かめたいのは、止めているのが意図した設定かどうかです。意図して止めているのに代わりの環境がないと、社員は私物のスマホで同じ書類を上げるようになり、会社からは見えない利用、いわゆる野良AI(シャドーAI)が増えてしまいます。止めるなら、会社で認めたAIの環境を同時に渡すところまでをひと組で考えましょう。設定の誤りで止まっていただけなら、学習の設定と社内ルールを整えたうえで、どのアカウントからなら上げてよいかを決めて開けるのが筋になります。

私物のスマホに頼らせず、会社で認めた環境を1つに

止めるだけで終わらせず、会社で認めたAIの環境を1つ用意する方法もあります。UPGEAR AI(アップギアAI)は、ChatGPT・Claude・Gemini・Perplexityを1つの契約で使える法人向けサービスです(人数無制限)。

上げたファイルはどこに、いつまで残るのか

上げたファイルは、そのチャットが残っている間はアカウントに保存され、削除しても30日以内に消えるまではOpenAIのシステムに残ります。ライブラリやプロジェクト、カスタムGPTに入れたファイルは、それぞれ残り方が違うため、別々に考える必要があります。

チャットを消しても、ライブラリのファイルは残る

公式ヘルプには、チャットを削除してもライブラリに保存されたファイルは削除されないと書かれています。ライブラリとは、上げたファイルを後から使い回せるように保存しておく場所のことで、使っている量は[設定]の[ストレージ]で確かめることが出来ます。チャットを消しただけでは、ライブラリのファイルまでは消えないと覚えておきましょう。消したいファイルは、チャットとは別に、ライブラリの側からも削除する必要があります。

ライブラリに保存したファイルは、自分で消さない限り残ります(Enterprise・Eduなどのワークスペースでは、ワークスペースの保持の決まりも適用されます)。月に1度はストレージの使用量と中身を見て、使い終わったファイルを消す日を決めてしまうと、消し忘れを減らせます。社内ルールで消す期限を日数で決めておけば、社員の方も判断に迷いにくいでしょう。

プロジェクトやカスタムGPTに入れたファイルの残り方

プロジェクトに追加したファイルは、共有プロジェクトも含めて、プロジェクトかファイルを削除するか、ワークスペースの保持の決まりで消されるまで残ります。カスタムGPTのナレッジとして上げたファイルは、そのGPTを削除するまで保存されます。1つのGPTに入れられるのは存続する間に10ファイルまでのため、社内の問い合わせ用のボットを作るときは、入れる規程類を絞る前提で考えてみてください。データ分析で上げたファイルについては、プランに応じて異なる期間内に削除されると案内されており、具体的な日数は示されていません。

削除しても、30日以内に消えるまでは残る

チャットやアカウント、カスタムGPTを削除すると、関連するファイルは30日以内にOpenAIのシステムから削除されます。ただし、すでに匿名化されてアカウントとの結び付きが外れている場合や、セキュリティ上・法律上の理由で保存が必要な場合は例外とされています。誤って上げた書類は、すぐに消しても最大で30日ほどは残りうる、という前提で扱いましょう。

個人向けプランの保存先は、米国を含む世界中のシステム

個人向けサービスの公式ヘルプには、コンテンツは米国および世界中のOpenAIのシステムと、信頼できるサービス提供者のシステムに保存されていると書かれています。同じページでは、権限のあるごく少数のOpenAIの担当者や、機密保持の義務を負うサービス提供者が、必要な範囲で中身にアクセスする場合があるとも案内されます。そのうえで、閲覧されたり使用されたりしてほしくない機密情報は入力しないでください、という注意が添えられています。取引先から保管場所を聞かれたときに説明できるかどうかも、上げる前に考えておきたい点になります。

プラン別に並べた学習・保存・削除の扱い

学習と保存、削除の扱いをプランごとに並べると、違いがはっきりと見えてきます。

  • 個人向けのプラン(無料版・Go・Plus・Pro)は、設定しだいで上げたファイルも学習に使われることがあり、データコントロールの設定でオフに出来ます。保存はチャットの保存期間中で、削除すると30日以内にシステムから削除され、保存先は米国および世界中のシステムと案内されています
  • Businessは、既定では入力と出力をモデルの改善に使わないとされています。ワークスペースの管理者がデータの保持期間を設定でき、プロジェクト内のメッセージはワークスペースに設定された保持期間と保存地域を引き継ぐと案内されています
  • Enterpriseは、既定で学習に使わないことに加えて、データの保持期間を利用する側で管理できるとされています。PDFの中の画像を読むビジュアル検索も、Enterpriseだけの対応となります

エンタープライズ向けのプライバシーの案内では、Businessについても、ワークスペースの管理者がデータの保持期間を設定できると説明されています。削除された会話は、法令で長く保持する必要がある場合などを除き、30日以内にシステムから削除される扱いとなります。保持期間をどう決めるかは、契約の前に社内で話し合ってみてください。

※2026年9月27日時点のOpenAI公式ヘルプ(ファイルのアップロードに関するFAQ、チャットとファイルの保持、個人向けサービスのデータの扱い、プロジェクト)と、エンタープライズプライバシーのページ(2026年1月8日更新の表記)の記載をもとに整理しています。

上げたファイルは学習に使われるのか

個人向けのプランでは、上げたファイルも設定しだいでモデルの学習に使われることがあり、Business・Enterprise・Eduなどの法人向けプランは既定で使われません。個人向けサービスの公式ヘルプには、プロンプトや応答に加えて、画像やファイルなどのコンテンツも設定に応じて性能の向上に使われることがあると書かれています。設定の場所と、オフにしても残る例外を順に見ていきましょう。

学習を止める設定の場所(データコントロール)

個人のアカウントで学習を止めるには、設定の中のデータコントロールで「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにします。公式ヘルプに書かれた手順を、パソコンとスマホに分けて並べてみましょう。

  1. パソコンのブラウザでは、プロフィールアイコンをクリックし、設定を選んでデータコントロールに進む
  2. スマホのアプリでは、サイドバーメニューを開いてプロフィールアイコンをタップし、データコントロールを選ぶ
  3. どちらも「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにする

オフにしても会話はチャット履歴に表示されたままで、学習にだけ使われなくなる仕組みです。設定はアカウント全体にかかるため、パソコンで切り替えればスマホのアプリにも同じ設定が適用されます。プライバシーポータルで、自分のコンテンツで学習しないよう申し出る方法も用意されています。社員の方に設定を確かめてもらうときは、画面の写しを1枚送ってもらうだけでも抜けを見つけやすくなるでしょう。設定の細かな違いは、ChatGPTに学習させない方法もご覧ください。

学習をオフにしても、高評価・低評価を押すと会話が使われることがある

回答に高評価や低評価を付けてフィードバックを送ると、学習をオフにしていても、その会話全体がモデルの改善に使われることがあると公式ヘルプに書かれています。書類を上げた会話で、何気なく評価のボタンを押してしまう場面は十分に考えられます。社外秘の書類を上げた会話では評価のボタンを押さない、と社内ルールに書いておきましょう。設定をオフにしたことで安心してしまう方ほど、見落としやすい例外になります。

共有プロジェクトは、メンバー全員がファイルを見られる

共有プロジェクトに追加したファイルは、プロジェクトの全メンバーが閲覧とダウンロードを出来ます。個人のアカウントでは、プロジェクトの所有者と投稿した全員が「すべての人のためにモデルを改善する」をオンにしている場合に限り、共有プロジェクトのデータが改善に使われることがあるとされています。メンバーの設定を1人ずつ確かめない限り、学習に使われていないとは言い切れない点に注意が必要です。共有する前に、メンバーを社内の人に限るか、見せてよい資料だけを入れるかを決めてみてください。

一時チャットなら履歴に残らず、学習にも使われない

一時チャットは、チャット履歴に残らず、メモリも作らず、一時チャットである間はモデルの改善にも使われない会話のモードです。ただし、安全上の目的でOpenAIがコピーを最大30日間保持する場合があります。一度きりの確認で書類を上げたいときの選択肢にはなりますが、何も保存されない会話ではない点に気をつけましょう。

法人向けプランは、既定で学習に使わない

公式ヘルプには、Business・Enterprise・Edu、APIからの入力と出力は、既定ではモデルの改善に使わないと書かれています。社員一人ひとりが設定を切り替える必要がない点で、個人のアカウントとは管理の手間が大きく変わります。ただし、学習に使わない設定であっても、ファイルの保存や削除、共有プロジェクトでの見え方は別の話として残ってしまいます。学習の設定だけで安心せず、保存と削除の決まりまで含めて社内で決めておくことが大切になります。

上げてよい書類・上げない書類の判断表

上げてよいかどうかは、書類の種類と、上げる先が個人のアカウントか会社で契約した学習しない環境かの組み合わせで決めると、迷いが減ります。次の表は、社員10〜200名ほどの会社でよく扱う書類を例にした目安です。

書類の例個人のアカウント会社で契約した学習しない環境判断のポイント
公開済みのパンフレット・プレスリリース・Webの原稿そのまま可そのまま可すでに公開している情報だけであれば問題になりにくい
社内の手順書・マニュアル(個人名なし)加工すれば可そのまま可取引先名や社内システムの接続先などは伏せる
就業規則・社内規程加工すれば可そのまま可公表前の改定案は上げない
見積書・請求書加工すれば可加工すれば可取引先名と担当者名を伏せ、金額と条件だけにする
会議の議事録加工すれば可加工すれば可個人名や、公表前の人事・取引の話を消してから
売上・在庫のExcelやCSV加工すれば可そのまま可顧客名など個人を特定できる列を削ってから
領収書・請求書の写真加工すれば可そのまま可画像の日本語は読み違いが起きやすいため、元の書類と照合する
取引先と結んだ契約書上げない条件つきで可秘密保持の条項で、第三者への開示が制限されていないか確かめる
顧問先・取引先から預かった決算書や試算表上げない条件つきで可預かった目的の範囲か、相手との約束で外部サービスへの入力が認められているか
顧客名簿・問い合わせの履歴上げない条件つきで可個人情報の利用目的の範囲内か、サービス側が入力を学習など応答以外の目的に使わない契約かを確かめる
給与台帳・源泉徴収票・人事評価上げない上げない従業員の個人情報に加え、源泉徴収票のようにマイナンバーを含む書類もあるため、AIに渡す業務から外す
マイナンバーが書かれた書類上げない上げない取り扱いが法令で厳しく決められている番号のため、生成AIには上げない

※「加工すれば可」は、個人名・取引先名・口座番号などを消すか置き換えたうえで上げる、という意味です。「条件つきで可」は、相手との契約や利用目的の範囲を確かめ、会社として認めた場合に限ります。表は一般的な目安で、業種や契約の内容によって変わります。

表の中で迷いやすいのは、預かった書類の扱いでしょう。自社の書類であれば会社の判断で決められますが、顧問先や取引先から預かった書類は、相手との約束が先に立ちます。預かった書類は、学習しない環境であっても、相手との約束を確かめてから上げましょう。判断に迷う書類が出てきたら、表に1行ずつ書き足して、社内の基準として育てていくのがおすすめです。

表にない書類に出会ったときは、外に出て困る人がいるか、自社だけで決めてよい書類か、名前や番号を消しても用が足りるか、の3点を順に考えてみてください。3点とも問題がなければそのまま、名前を消せば用が足りるなら加工してから上げる形になります。自社だけで決められない書類は、上げる前に相手との約束を確かめる区分に回しましょう。

個人情報と機密情報は、上げる前に線を引く

公式ヘルプは、権限のある担当者が必要な範囲で中身にアクセスする場合があると案内したうえで、閲覧されたり使用されたりしてほしくない機密情報は入力しないよう求めています。学習の設定をオフにしても、この点は変わりません。上げる前に、名前を「A社」「担当者B」のように置き換えるだけでも、万一のときの影響を小さく出来ます。個人情報の扱いはChatGPTに個人情報を入力するときの注意点、情報が漏れる経路はChatGPTの情報漏洩もあわせてご確認ください。

画像やスキャンしたPDFは、読み違いを前提にする

画像の読み取りについて公式ヘルプは、日本語や韓国語など、ラテン文字以外の文字を含む画像では性能が下がると明記しています。回転した文字や上下が逆さまの画像も誤って解釈する場合があるとされ、読みやすくするために文字を大きく写すことが勧められます。紙の領収書や請求書を撮って上げる経理の作業では、金額や日付の読み違いが、そのまま転記の誤りにつながってしまいます。画像ならではの添付の手順や、写真に写り込む情報の確かめ方はChatGPTの画像読み込みの使い方と学習設定にまとめています。

スキャンしたPDFにも注意が必要です。Enterprise以外のプランでは、PDFから文字のデータだけを取り出して画像は捨てる仕組みのため、文字のデータを持たないスキャンのPDFは、中身をうまく読めないことがあります。写真は真っすぐ、文字が大きく写るように撮り直し、読み取った数字は元の書類と照らし合わせてみてください。

出力は元の書類と突き合わせてから使う

ChatGPTは書類を読んだうえで答えますが、書かれていない内容をもっともらしく補ったり、数字を読み違えたりすることがあります。要約をそのまま社外に出すのは避け、金額や日付、固有名詞だけでも元の書類で確かめましょう。答えの根拠になったページや行を一緒に示すよう頼んでおけば、確かめる場所がすぐに分かります。表の集計を頼んだときは、ChatGPTが出した合計を、元のExcelで出した合計と1度比べてみてください。数字が合わない場合は、読み込めていない行や列がないかを聞き直すと、原因を見つけやすくなります。

そのまま使える社内ルールのひな形

判断表とあわせて、次のひな形を自社の言葉に直し、社員の方に配ってみてください。空欄は自社の実情に合わせて埋めて使います。

【生成AIへのファイルのアップロードに関するルール(ひな形)】

1. 使ってよいアカウント
・業務のファイルは、会社が契約したアカウント(サービス名:    )からのみ上げる
・私物のアカウントや、個人で契約したアカウントに業務のファイルを上げない

2. 上げてよいファイルの区分
・そのまま可:公開済みの資料、個人名や取引先名を含まない社内資料
・加工すれば可:見積書、議事録、売上データなど(個人名・取引先名・口座番号を消してから)
・上げない:給与台帳、源泉徴収票、人事評価、マイナンバーが書かれた書類、預かった書類のうち相手の了承がないもの
・区分に迷うものは上げずに、担当(    )に確認する

3. 学習の設定
・会社のアカウントの学習の設定は、管理者(    )が確認する
・個人向けのプランを例外として使う場合は、データコントロールで「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにしてから使う
・社外秘の書類を上げた会話では、回答の高評価・低評価のボタンを押さない

4. 保存と削除
・使い終わったファイルは( )日以内に、チャットとライブラリの両方から削除する
・共有プロジェクトに入れるのは、メンバー全員に見せてよいファイルだけにする

5. 出力の確認
・出力の金額・日付・固有名詞は、元の書類と照らし合わせてから使う

6. 困ったとき・誤って上げたとき
・上げてはいけないものを上げたと気づいたら、(    部 担当:    )へすぐに連絡する
・会社のパソコンで上がらないときは、私物の端末で試さずに情報システムの担当(    )へ相談する

ルール全体の組み立て方は生成AIの社内ガイドラインの作り方で扱っています。ファイルの扱いは、ガイドラインの中でも社員の方が迷いやすい項目のため、この部分だけ先に配るのも1つのやり方になります。

会社で安全に使うための環境づくり

会社で安全に使うには、学習の設定とログを会社の側で持ち、社員全員が同じ環境からファイルを上げられる状態を作ることが近道になります。ルールを配るだけでは、守られているかどうかを確かめる手段が残らないためです。

学習させない設定を、社員任せにしない

個人のアカウントでは、学習の設定も削除も、一人ひとりの操作に任されます。会社の側から全員の設定をまとめて確かめるのは難しく、入社や退職のたびに確認が漏れやすくなってしまいます。法人向けの環境であれば、既定で学習に使わない状態から始められるため、設定の確認にかかる手間を小さく出来ます。

誰が何を上げたかを、会社で追えるようにする

誤って上げたファイルに気づいたとき、誰がいつどの会話で上げたかを追えないと、影響の範囲を取引先に説明できなくなってしまいます。個人のアカウントでの利用は会社から見えないため、ログを会社で持てる環境かどうかが、選ぶときの大事な条件になります。ルールを配るのと同じ時期に、守られているかを確かめられる仕組みも用意しましょう。点検の項目は生成AIのセキュリティ対策チェックリストが参考になります。

配る範囲と費用を決める

OpenAIの法人向けプランのBusinessは、料金ページで標準シートが1人あたり月20ドル(年額課金の場合)、月額課金の場合は月25ドルと表示されています。20人の会社で全員に配ると、年額課金の場合で会社全体では月あたり400ドル、1年分で4,800ドルの出費となってしまいます。費用を抑えようと一部の方にだけ配ると、配られなかった方が個人のアカウントで同じ書類を上げ始めることもあるため、配る範囲は費用と見えない利用の両方から考えてみてください。

※料金は2026年9月15日にOpenAIの料金ページ(ビジネス・エンタープライズ向け)で確認した米ドル表示です。料金ページに税の記載がないため、税は含めずに計算しています。日本から表示すると円で表示される場合があります。

法人プランの違いはChatGPTの法人プランと料金で詳しく比べています。

社員に配るときに最初に決めること

環境を用意したら、いきなり全社に広げるより、ファイルを扱う機会が多い部署から始めるほうが進めやすくなります。総務や経理、営業事務のように、定型の書類を毎日扱う部署であれば、効き目も分かりやすいでしょう。

  1. 使ってよい部署と人を決め、会社のアカウントを配る
  2. 判断表とルールのひな形を自社向けに直し、配る前に一度読み合わせる
  3. 学習の設定と、評価のボタンを押さないことを、最初の説明で画面を見せながら伝える
  4. 1か月たったら、よく使われた依頼と迷った書類を集め、判断表に書き足す

最初の説明の場では、上げてよい書類の例を実物に近い形で見せると、社員の方の迷いが減ります。迷った書類を集めて判断表を更新していく流れを作れば、ルールが現場の実態から離れにくくなるはずです。

複数のAIを使うなら、上げる先を1つの環境にまとめる

ChatGPTのほかにClaudeやGeminiも使う会社では、サービスごとに学習の設定や保存の決まりが異なり、確認の手間がサービスの数だけ増えてしまいます。上げる先が増えるほど、どの書類をどこに上げたかも追いにくくなるでしょう。用途ごとの使い分けは主要4AIの違いと使い分け、複数のAIを1つの環境でまとめて使う方法はマルチAIとはで扱っています。社内でファイルを扱う場面が増えてきたら、上げる先を会社で1つに決めるところから始めてみましょう。

よくある質問

ChatGPTの無料版でもファイルはアップロードできますか?
できます。公式ヘルプは、ファイルのアップロードを無料プランと有料プランの両方で使えると案内しています。ただし、無料版は1日あたり3ファイルまでという上限があり、プロジェクトに入れられるファイルも5つまでです。いずれも2026年9月27日時点の公式ヘルプの記載で、混雑時には上限が引き下げられる場合があります。
アップロードしたファイルはChatGPTの学習に使われますか?
個人向けのプラン(無料版・Go・Plus・Pro)は、設定しだいで学習に使われることがあります。設定のデータコントロールで「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすると止められます。Business・Enterprise・Eduは、既定では入力と出力をモデルの改善に使わないと公式ヘルプに書かれています。なお、学習をオフにしていても、回答に高評価・低評価を付けると、その会話全体が改善に使われることがあります。
チャットを削除すれば、上げたファイルも消えますか?
ライブラリに保存されたファイルは、チャットを削除しても消えません。ライブラリの側からも削除する必要があります。また、削除したファイルは30日以内にシステムから削除される扱いで、セキュリティ上や法律上の理由で保存が必要な場合などは例外とされています。
1ファイルの大きさや、上げられる回数の上限はいくつですか?
1ファイルは最大512MB、画像は1枚20MBまでで、CSVやスプレッドシートは約50MBが目安です。文書は1ファイル200万トークンまでとされています。回数は3時間ごとに最大80ファイル、無料版は1日3ファイルまでで、混雑時には引き下げられる場合があります。いずれも2026年9月27日時点の公式ヘルプの記載です。
会社のパソコンだけファイルがアップロードできないのはなぜですか?
同じWi-Fiにつないだスマホでは上がるのにパソコンだけ上がらない場合は、社内のネットワークの設定やセキュリティ製品で、ファイルの受け渡しに使う通信が止められている可能性があります。私物の端末で試すのではなく、情報システムの担当者に相談してください。止めているのが意図した設定であれば、会社で認めたAIの環境を用意するかどうかも合わせて決めることをおすすめします。
スキャンしたPDFや書類の写真も読み取れますか?
画像として読み取ることは出来ますが、公式ヘルプは日本語などラテン文字以外の文字を含む画像では性能が下がると明記しています。また、Enterprise以外のプランではPDFから文字のデータだけを取り出して画像は捨てるため、文字のデータを持たないスキャンのPDFはうまく読めないことがあります。読み取った数字は、元の書類と照らし合わせてから使ってください。
カスタムGPTに社内規程を入れて、社内の問い合わせ用に使っても大丈夫ですか?
使うことは出来ますが、カスタムGPTのナレッジとして上げたファイルは、そのGPTを削除するまで保存されます。1つのGPTに入れられるのは存続する間に10ファイルまでのため、入れる規程は絞る必要があります。個人のアカウントで作ると学習や共有の扱いを会社で管理しにくいため、会社で契約したワークスペースで作り、社内で見せてよい規程だけを入れることをおすすめします。
一時チャットで上げれば、何も残りませんか?
一時チャットはチャット履歴に残らず、一時チャットである間はモデルの改善にも使われません。ただし、安全上の目的でOpenAIがコピーを最大30日間保持する場合があると公式ヘルプに書かれています。何も残らないわけではないため、上げない区分の書類は、一時チャットでも上げないようにしてください。

まとめ

ChatGPTのファイルアップロードは無料版でも使える手軽な機能で、上げ方そのものは入力欄のメニューからファイルを選ぶだけになります。会社で使うときに差が出るのは、どのアカウントで上げるか、学習の設定、ファイルを残す場所と消す期限の3つです。個人向けのプランは設定しだいで学習に使われ、学習をオフにしても、評価のボタンを押した会話は改善に使われることがあります。チャットを消してもライブラリのファイルは残り、削除したファイルも30日以内に消えるまではシステムに残ってしまいます。書類ごとの判断表と社内ルールのひな形を手元に置き、上げる先を会社で1つに決めるところから始めてみてください。法人のAI活用に関するほかの記事は、AI活用コラム一覧からご覧いただけます。

ファイルを上げる先を、会社で1つに

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